JPH09225203A - 含金属中性錯体用の吸着剤及び含金属中性錯体の液体中からの回収方法 - Google Patents

含金属中性錯体用の吸着剤及び含金属中性錯体の液体中からの回収方法

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JPH09225203A
JPH09225203A JP5691996A JP5691996A JPH09225203A JP H09225203 A JPH09225203 A JP H09225203A JP 5691996 A JP5691996 A JP 5691996A JP 5691996 A JP5691996 A JP 5691996A JP H09225203 A JPH09225203 A JP H09225203A
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adsorbent
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JP5691996A
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Noriyuki Yoneda
則行 米田
Takeshi Minami
武志 皆見
Yoshihiro Nakagawa
義広 中川
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性に優れかつロジウム等の金
属を含む中性錯体に対して良好な吸着活性を有する吸着
剤を提供するとともに、それを用いる液体中からの含金
属中性錯体の回収方法を提供する。 【解決手段】 液体中の含金属中性錯体を吸着する吸着
剤であって、ピリジン環を含有し、該ピリジン環に含ま
れる窒素原子の少なくとも一部が4級化され、かつその
4級化窒素原子の少なくとも一部が陰イオン性オルガノ
リン配位子とイオン的に結合しているビニルピリジン系
樹脂からなることを特徴とする含金属中性錯体用吸着
剤。含金属中性錯体を含む液体から該含金属中性錯体を
回収する方法であって、(i)該液体を、前記吸着剤と
接触させる吸着工程と、(ii)該吸着剤に、該吸着剤に
吸着された含金属中性錯体を脱着させるのに十分な配位
子化合物を含む液体を接触させる脱着工程、からなる含
金属中性錯体の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体中に中性錯体の
形態で含まれる金属を回収するために用いられる吸着剤
及びその吸着剤を用いる含金属中性錯体の回収方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン性化合物をロジウム触媒等の
金属触媒を用いて、一酸化炭素及び水素とヒドロホルミ
ル化反応させてアルデヒドを生成する方法は種々知られ
ている。この場合、金属触媒としては、ロジウムカルボ
ニル錯体やニッケルカルボニル錯体等の金属錯体が一般
に用いられている。また、このような金属錯体は、その
熱安定性を改良するためにトリフェニルホスフィン等の
リン系配位子を配位させた錯体の形態で触媒として用い
られている(特開昭63−225328号、特開昭63
−208540号)。このような含金属中性錯体を触媒
成分として用いるヒドロホルミル化反応においては、そ
の含金属中性錯体が溶存する液体が生成されるが、含金
属中性錯体は再使用のために、その溶液からの分離回収
が必要とされる。このような溶液中に中性錯体の形で溶
存する金属を分離回収する方法としては、オルガノリン
配位子をイオン的に結合させたイオン交換樹脂を用いて
吸着分離する方法が提案されている(特開平2−160
627号)。しかし、この方法で吸着剤として用いるイ
オン交換樹脂は、トリメチルアミノ基〔−N+(CH3
3〕を含むアニオン交換樹脂であり、耐熱性、耐薬品性
が弱く、工業的使用に際しては樹脂構造が分解し、イオ
ン交換基に結合しているオルガノリン配位子が樹脂から
脱離しやすく、その吸着活性を低下させやすいという問
題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性、耐
薬品性に優れかつロジウム等の金属を含む中性錯体に対
して良好な吸着活性を有する吸着剤を提供するととも
に、それを用いる液体中からの含金属中性錯体の回収方
法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、液体中の含金属中性
錯体を吸着する吸着剤であって、ピリジン環を含有し、
該ピリジン環に含まれる窒素原子の少なくとも一部が4
級化され、かつその4級化窒素原子の少なくとも一部が
陰イオン性オルガノリン配位子とイオン的に結合してい
るビニルピリジン系樹脂からなることを特徴とする含金
属中性錯体用吸着剤が提供される。また、本発明によれ
ば、含金属中性錯体を含む液体を吸着剤と接触させる工
程を含む方法であって、該吸着剤として、前記金属吸着
剤を用いることを特徴とする含金属中性錯体の回収方法
が提供される。さらに、本発明によれば、含金属中性錯
体を含む液体から該含金属中性錯体を回収する方法であ
って、(i)該液体を、前記吸着剤と接触させる吸着工
程と、(ii)該吸着剤に、該吸着剤に吸着された含金属
中性錯体を脱着させるのに十分な配位子化合物を含む液
体を接触させる脱着工程、からなる含金属中性錯体の回
収方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の吸着剤基体は、多孔質架
橋構造を有するビニルピリジン系樹脂(以下、VP樹脂
とも言う)である。本発明で用いるVP樹脂の場合、そ
の架橋度は、10〜70%、通常、30〜60%に規定
する。吸着剤を高温、例えば50〜180℃で用いる場
合には、その架橋度を30%以上、好ましくは30〜6
0%に規定するのがよい。VP樹脂の架橋度が前記範囲
より低くなると、VP樹脂の耐熱性及び機械的強度が低
くなり、吸着剤の耐久性及び耐摩耗性が低下するので好
ましくない。一方、その架橋度が前記範囲を超えると、
吸着剤の活性が不十分になるので好ましくない。
【0006】本発明で用いるVP樹脂は、多孔質構造を
有するものであるが、その表面積は5〜80m2/g、
好ましくは10〜40m2/gであり、その細孔容積は
0.1〜0.5cc/g、好ましくは0.2〜0.4c
c/gであり、その平均細孔径は20〜100nm、好
ましくは30〜90nmである。VP樹脂の細孔容積が
前記範囲より小さくなると、吸着活性の低下の問題を生
じるので好ましくなく、一方、前記範囲より大きくなる
と、耐摩耗性の低下等の問題を生じるので好ましくな
い。さらに、VP樹脂の平均細孔径が前記範囲より小さ
くなると、吸着活性の低下の問題を生じるので好ましく
なく、一方、前記範囲より大きくなると、耐摩耗性の低
下等の問題を生じるので好ましくない。
【0007】本明細書において、VP樹脂に関して言う
架橋度は以下のように定義される。またVP樹脂に関し
て言う細孔容積及び表面積は以下のようにして測定され
たものである。さらに、VP樹脂に関して言う平均細孔
径は以下のようにして算出されたものである。 (架橋度) 架橋度(%)=A/B×100 A:樹脂中に含まれる架橋剤の重量 B:樹脂中に含まれるビニルピリジン系モノマーの重量 (細孔容積)マーキュリー・プレッシャー・ポロシーメ
ーター・モデル70(イタリア国ミラノ市のカルロ・エ
ルバ社製)を用いる方法(いわゆる水銀圧入法)により
測定した。この場合、水銀の表面張力は25℃で474
dyne/cmとし、使用接触角は140度とし、絶対
水銀圧力を1〜200kg/cm2まで変化させて測定
した。 (表面積)B.E.T法により測定された。 (平均細孔径)前記のようにして測定された細孔容積及
び表面積の各測定値を用い、以下の式により算出した。 平均細孔径(nm)=4(C/D)×103 C:細孔容積(cc/g) D:表面積(m2/g)
【0008】VP樹脂は、ビニルピリジン系単量体と、
架橋剤としての2個のビニル基を持つ化合物を共重合さ
せることによって製造される。VP樹脂を得るためのこ
の共重合方法自体は従来公知の方法であり、例えば、
(1)沈殿剤添加法、(2)線状重合体添加法、(3)
膨潤剤・沈殿剤添加法、(4)希釈剤・線重合体添加法
等がある。本発明で用いるVP樹脂の好ましい製造方法
については、特公昭61−25731号公報に詳記され
ている。即ち、この方法によると、VP樹脂は、ビニル
ピリジン系単量体と、2個のビニル基を持つ架橋剤と、
必要に応じて用いられるビニル単量体との混合物を、ラ
ジカル重合反応触媒の存在下で重合反応させることによ
って製造される。この場合、重合反応は、水を媒体とす
る水系懸濁重合が採用される。また、重合反応系には、
懸濁安定剤及び沈殿剤が添加される。懸濁安定剤として
は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸ナ
トリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、ゼラチ
ン、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアンモニウム
塩等の水溶性高分子、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、ベントナイト、ケイ酸マグネシウム等の無機塩が用
いられる。また、反応系には、塩化ナトリウムや亜硝酸
ナトリウムを添加することができる。沈殿剤としては、
単量体に対して溶剤として作用するが、生成ポリマーに
対しては貧溶媒として作用する有機溶媒、例えば、イソ
オクタン等の炭素数5〜10の炭化水素の他、アルコー
ル、エステル等が用いられる。このようなVP樹脂の製
造方法においては、得られるVP樹脂に関し、その架橋
度は架橋剤の添加量でコントロールすることができ、そ
の細孔容積及び平均細孔径は沈殿剤の種類とその添加量
によって主にコントロールすることができ、さらには、
懸濁安定剤の種類とその添加量及び反応温度等にコント
ロールすることができる。
【0009】VP樹脂を得るために用いるビニルピリジ
ン系単量体としては、4−ビニルピリジン、2−ビニル
ピリジン等が挙げられる。また、このビニルピリジン系
単量体には、他のビニル単量体、例えば、スチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体又はアクリル酸
メチル、メタクリル酸メチルなどの脂肪族系ビニル単量
体を混入することができる。これらのビニル単量体の混
入量は、全単量体中、30モル%以下、好ましくは20
モル%以下にするのがよい。前記ビニルピリジン系単量
体に共重合させる架橋剤は、2個のビニル基を有する化
合物である。このようなものとしては、ジビニルベンゼ
ン、ジビニルトルエン等の芳香族化合物の他、ジアクリ
ル酸エチレングリコール、ブタジエン等の脂肪族化合物
を挙げることができる。工業的に用いられるジビニルベ
ンゼンは通常約50モル%のエチルビニルベンゼンを含
んでいるが、本発明では、このようなジビニルベンゼン
を用いることもできる。この架橋剤の使用量は、所望す
るVP樹脂の架橋度に応じて適宜決める。
【0010】VP樹脂の粒径は、0.01〜4mm、好
ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.4〜2m
mの粒状体として用いられ、その好ましい形状は球状体
である。
【0011】本発明の吸着剤は、VP樹脂中に含まれる
ピリジン環の少なくとも一部の窒素原子が4級化され、
かつその4級化窒素原子の少なくとも一部がオルガノリ
ン配位子とイオン的に結合したものである。4級化され
たピリジン環は、次の一般式(1)で表わされる。
【化1】 前記式中、Rはアルキル基又は水素を示し、好ましく
は、炭素数が1〜6、より好ましくは1〜3の低級アル
キル基を示す。X-はヨウ素イオン、塩素イオン、硫酸
イオン、水酸イオン等の陰イオンを示す。
【0012】VP樹脂中のピリジン環は、その全てを前
記一般式(1)の4級化構造に変換するのが好ましい
が、必ずしもその全てを4級化構造にする必要はなく、
通常、VP樹脂に含まれるピリジン環の0.1%以上、
好ましくは0.5%以上を4級化構造に変換すればよ
い。
【0013】VP樹脂中のピリジン環を一般式(1)の
4級化構造に変換させる方法としては、例えば以下の方
法を示すことができる。
【0014】VP樹脂にハロゲン化アルキル又はハロゲ
ン化水素を反応させてVP樹脂中のピリジン環アミノ基
を4級化して4級化VP樹脂を得る。この場合の反応は
次式で表わされる。
【化2】 前記式中、Rはアルキル基又は水素を示し、Xはハロゲ
ン原子を示す。このようにして得られた4級化VP樹脂
はそのまま吸着剤基体として用いることができるが、必
要に応じて、ハロゲンイオンX-を水酸イオンに変換す
ることができる。このためには、前記4級化VP樹脂に
水酸化ナトリウムなどのアルカリ性水溶液を反応させ
て、脱ハロゲンし、水酸イオン(OH-)を対イオンと
する4級化VP樹脂を得る。この場合の反応は次式で表
わされる。また、ハロゲンイオンXは、同様のイオン交
換反応により、硫酸イオンとすることもできる。
【化3】 また、前記窒素原子の4級化は、硫酸等の酸触媒の存在
下でアルコールを反応させてN−アルキル化することに
より行うこともできる。この場合、前記陰イオンXは硫
酸イオンを示す。
【0015】本発明の吸着剤は、前記のPV樹脂中のピ
リジン環に含まれる前記4級化窒素原子に陰イオン性の
オルガノリン配位子をイオン的に結合させたものであ
る。この場合の反応は次式で表わされる。
【化4】 前記式中、R及びXは前記と同じ意味を有し、Zはオル
ガノリン化合物残基を示し、Y-は陰イオン性基を示
し、M+は水素又は塩形成陽イオンを示し、Z−Y-は陰
イオン性オルガノリン配位子を示す。前記Z−Y・M
は、陰イオン性オルガノリン配位子を与えるオルガノリ
ン化合物を示すものである。このようなオルガノリン化
合物としては、下記一般式(5)で表わされるイオン性
オルガノホスフィン化合物を好ましいものとして挙げる
ことができるが、このオルガノリン配位子については、
例えば特開平2−160627号公報に詳記されてい
る。
【化5】 前記式中、R1〜R3は、同一又は異なっていてもよく、
有機基を示す。Y1〜Y3は、同一又は異なっていてもよ
く、陰イオン性基を示す。M1〜M3は、同一又は異なっ
ていてもよく、水素又は塩形成性陽イオンを示す。m、
n及びqは0〜5の数、好ましくは0〜3、より好まし
くは0又は1の数を示すが、m、n及びqの合計は1以
上の数であり、好ましくは1〜3の数を示す。m、n及
びqがいずれも1以上の場合、有機基R1に含まれるm
個の水素原子がY11で置換され、R2に含まれるn個
の水素原子がY22で置換され、R3に含まれるq個の
水素原子がY33で置換されている。前記R1〜R3とし
ては、脂肪族基、例えば、炭素数1〜10、好ましくは
4〜8のアルキレン基、シクロヘキシレン基等のシクロ
アルキレン基;芳香族基、例えば、フェニレン基、ナフ
チレン基、アルキルフェニレン基、アルキルナフチレン
基等のアリーレン基や、フェニレンジアルキル基等のア
リーレンジアルキル基等が挙げられる。陰イオン性基Y
1〜Y3としては、酸素、窒素、イオウ、リン等のヘテロ
原子を含む酸から誘導される陰イオンを与える基、例え
ば、−SO4 2-、−PO4 3-、−COO-等が挙げられ
る。Mは、水素又は塩形成性陽イオンであるが、塩形成
性陽イオンとしては、アンモニウムイオン、アルキル置
換アンモニウムイオンの他、ナトリウムイオン、カリウ
ムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ア
ルミニウムイオン、ニッケルイオン等の金属イオンが挙
げられる。前記オルガノリン配位子が結合した4級化ピ
リジン環は、PV樹脂中に含まれる全ピリジン環の0.
1%以上、好ましくは0.5%以上である。
【0016】本発明の吸着剤を用いて、溶液中に含まれ
る含金属中性錯体を吸着分離するには、その溶液を本発
明吸着剤と接触させればよい。この場合の溶液は、通
常、有機溶媒溶液であるが、水溶液であってもよい。前
記含金属中性錯体において、その金属としては、各種の
遷移金属、例えば、ニッケル、コバルト、銅等の他に、
金、銀及び白金族金属(ルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、オスミウム、イリジウム、白金)等の貴金属を挙
げることができる。
【0017】前記金属を含む中性錯体としては、例え
ば、以下のものを挙げることができる。なお、下記式
中、Phはフェニル基を示し、〔binap〕は2,
2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナ
フチルを示す。 (1)[RhH2CO2] (2)[RhH2CO2PPh3] (3)[IrH2CO2] (4)[IrHCO2PPh3] (5)[IrCOCl(PPh32] (6)[HCO(CO3)] (7)[Ni(CO)2(PPh32](8)[Pd(P(OPh)34] (9)[RhCl(PPh33] (10)[Pd(PPh34] (11)[RuCl2〔binap〕] (12)[HRh(CO)(Ph3P=O)3] (13)[Pt(C5722] (14)[Pt(PPh34] (15)[cis−Pt((C252S)2Cl2] (16)[trams−Pt((C252S)2Cl2] (17)[PtCl2(C812)] (18)[IrHCO(PPh33] (19)[Rh4(CO)12] (20)[Rh6(CO)16] (21)[RhCl(CO)(PPh32] (22)[RhH(CO)(PPh33] (23)[Rh(CO)2(C572)](24)[Rh(C5723] (25)[Rh2(CO2(CH26CH34] (26)[RhH(PPh34] (27)[Pd(CH3CN)2Cl2] (28)[Pd(C5722] (29)[trams−PdCl2(PPh32] (30)[Pd3(CH3CO26] (31)[Ru3(CO)12] (32)[Ru(CO)2Cl2(PPh32] (33)[Ru(C5723] (34)[RuCl2(PPh33] (35)[Co(CO)2(PPh32]、(36)[Cu(CO)2(PPh32
【0018】本発明吸着剤と含金属中性錯体を含む溶液
との接触条件は特に制約されないが、一般的には、その
接触温度は常温以上の温度であり、その上限は200℃
以下、好ましくは180℃以下である。また、圧力は液
体を沸とうさせない圧力であり、常圧以上の圧力で、そ
の上限は、通常、300kg/cm2G以下、好ましく
は200kg/cm2G以下である。液体中に含まれる
含金属中性錯体の濃度は、通常、金属換算濃度で、0.
1〜500重量ppm、好ましくは0.3〜50重量p
pm、より好ましくは0.5〜10重量ppmである。
また、液体が有機溶媒の場合、その有機溶媒には、アル
コール、カルボン酸、エステル、エーテル、ケトン、炭
化水素等が包含される。アルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、オクチルアルコール、ベンジルアルコール等の一価
アルコールの他、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。
カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸等が挙げられ
る。エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、
安息香酸メチル等が挙げられる。エーテルとしては、ジ
メチルエーテル、メチルエチルエーテル等が挙げられ
る。ケトンとしては、ジエチルケトン、メチルエチルケ
トン等が挙げられる。炭化水素としては、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等が挙げられる。
【0019】本発明の吸着剤と含金属中性錯体を含む溶
液とを接触させる装置としては、従来各種の固液接触装
置が用いられる。このような装置としては、固定床方式
の接触装置、懸濁床方式の接触装置等を挙げることがで
きる。
【0020】前記のようにして含金属中性錯体を吸着さ
せた吸着剤は、次に、脱着用液体と接触させて、その吸
着剤に吸着された含金属中性錯体を脱着させる。この場
合の脱着用液体としては、配位子化合物を含む液体が用
いられる。配位子化合物としては、錯体中心を構成する
金属に配位し得るものであれば任意のものが用いられ
る。このようなものとしては、例えば、水素、一酸化炭
素、ハロゲン化合物の他、トリフェニルフォスフィン、
トリフェニルホスファイトなどの有機リン化合物、ピリ
ジンなどの有機窒素化合物等が挙げられる。ここで、水
素、一酸化炭素の液相中の濃度の増化は、それらの分圧
を上げることで行うことができる。脱着工程におけるこ
の配位子化合物の濃度は、1×10~4モル/l〜1×1
0~1モル/lの濃度で用いることが好ましい。脱着用液
体は、通常、有機溶媒からなるが、水溶液であってもよ
い。
【0021】本発明の吸着剤は、含金属中性錯体を含む
各種の液体に対して適用される。この場合の液体として
は、含金属中性錯体を含む有機溶媒溶液、水溶液、有機
溶媒を含む水溶液等が挙げられる。本発明の吸着剤は、
特に、含金属中性錯体を触媒とする反応工程で得られる
反応液、その反応液を蒸留する際に得られる蒸留液や蒸
留残液等に対して有利に適用される。なお、前記反応に
は、例えば、アルデヒドを合成するためのヒドロホルミ
ル化反応、酢酸や無水酢酸、ギ酸メチルを合成するため
のカルボニル化反応、オレフィンや芳香族の水素化反
応、フタル酸エステルからビフェニルテトラカルボン酸
を得る様な酸化的2量化反応、クロル酢酸からマロン酸
エステルを得る様な脱ハロゲンCO化反応、ブタジエン
からn−オクタノールを得る様な2量水和化反応、ブタ
ジエンからアジポニトリルを得る様なヒドロシアン化反
応等が包含される。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0023】実施例1 (1)架橋度60%のピリジン樹脂(ジビニルベンゼン
/4−ビニルピリジン共重合体、平均粒径:0.4m
m、細孔容積:0.3cc/g、平均細孔直径:42n
m)2.2g、CH3Br2.0g、アセトン200g
をオートクレーブに入れ、100℃まで昇温し、回転数
1000rpmで2時間撹拌した。次に、オートクレー
ブを冷却した後、オートクレーブ内容物から4級化樹脂
を取出し、アセトンで十分に洗浄し、さらに水でよく洗
浄した。 (2)前記(1)で得られた4級化樹脂をガラスカラム
に充填し、0.5NのNaOH水溶液を300ml/h
rで6時間流通し、次いで同じ流量で水を1時間流通し
てBrを除いた。得られた脱Br4級化樹脂をガラスカ
ラムから取り出しエタノールでよく洗浄した。 (3)前記(2)で得た樹脂2.6g、ジフェニルホス
フィノベンゼンスルホン酸(PPh2PhSO3H)3.
8g、エタノール200mlをオートクレーブに入れ、
100℃まで昇温し、回転数600rpmで2時間撹拌
した。オートクレーブを降温放圧後オートクレーブから
樹脂を取り出し、エタノールで洗浄し、次いで1−オク
テンで十分に洗浄した。これで下記ピリジン環構造を有
する樹脂が得られた。なお、下記構造のピリジン環は、
樹脂中に含まれる全ピリジン環のうちの51.4%であ
った。
【化6】
【0024】実施例2 実施例1で調製した樹脂2.5gを内径11mmのステ
ンレス製カラムに充填して吸着カラムを作成した。20
0ml容ステンレス製オートクレーブに酢酸ロジウム
0.017g(6.1×10-5モル)、1−オクテンを
150ml仕込み、130℃まで昇温した後、H2/C
O=1の混合ガスを圧入してオートクレーブ内を90K
g/cm2Gに加圧し、回転数1000rpmで2時間
撹拌した後の反応液を、高圧ポンプを用いて充填カラム
に20cc/hrで送液した。カラムの温度は130
℃、カラム出口の圧力は背圧弁により95Kg/cm2
にコントロールした。0.5時間送液後のカラム流入液
及び流出液の金属ロジウム濃度を測定したところ、それ
ぞれ40wtppm、1wtppmであった。カラムか
らすばやく回収した樹脂中のロジウム含有量は0.02
1wt%であった。続いて、200ml容ステンレス製
オートクレーブにトリフェニルホスフィン1.0g、1
−オクテンを150ml仕込み、130℃まで昇温した
後、H2/CO=1の混合ガスを圧入してオートクレー
ブ内を90Kg/cm2Gに加圧し、回転数1000r
pmで2時間撹拌した後の反応液を上記のロジウムが吸
着したカラムに40cc/hrで1時間送液した。カラ
ムの温度は130℃、カラム出口の圧力は背圧弁により
95Kg/cm2Gにコントロールした。回収した樹脂
中のロジウム含有量は0.002%であり、吸着したロ
ジウムの89%が脱離回収された。
【0025】実施例3 実施例1で調製した樹脂2.5gを内径11mmのステ
ンレス製カラムに充填して吸着カラムを作成した。20
0ml容ステンレス製オートクレーブに酢酸ロジウム
0.016g(4.4×10-5モル)、トルエンを10
0ml、トリフェニルホスフィン0.30g、プロピレ
ン30gを仕込み、120℃まで昇温した後、H2/C
O=1の混合ガスを圧入してオートクレーブ内を30K
g/cm2Gに加圧し、回転数1000rpmで2時間
撹拌した後の反応液を、高圧ポンプを用いて充填カラム
に25cc/hrで送液した。カラムの温度は120
℃、カラム出口の圧力は背圧弁により35Kg/cm2
Gにコントロールした。0.5時間送液後のカラム流入
液及び流出液の金属ロジウム濃度を測定したところ、そ
れぞれ50wtppm、6wtppmであった。カラム
からすばやく回収した樹脂中のロジウム含有量は0.0
22wt%であった。続いて、200ml容のステンレ
ス製オートクレーブにトリフェニルホスフィン1.2
g、1−オクテンを150ml仕込み、120℃まで昇
温した後、H2/CO=1の混合ガスを圧入してオート
クレーブ内を30Kg/cm2Gに加圧し、回転数10
00rpmで2時間撹拌した後の反応液を上記ロジウム
が吸着したカラムに40cc/hrで1時間送液した。
カラムの温度は120℃、カラム出口の圧力は背圧弁に
より35Kg/cm2Gにコントロールした。回収した
樹脂中のロジウム含有量は0.0044%であり、吸着
したロジウムの80%が脱離回収された。
【0026】実施例4 (1)実施例1で示したビニルピリジン樹脂2.2g、
硫酸1.3g、エタノール200mlをオートクレーブ
に入れ、100℃まで昇温し、回転数600rpmで2
時間撹拌した。降温放圧後オートクレーブから樹脂を取
り出し、エタノールで洗浄し、4級化ピリジン環を有す
る樹脂を得た。 (2)前記(1)で得られた4級化樹脂2.2g、ジフ
ェニルホスフィノベンゼンスルホン酸ナトリウム4.3
g、エタノール200mlをオートクレーブに入れ、1
00℃まで昇温し、回転数600rpmで2時間撹拌し
た。オートクレーブを降温降圧後オートクレーブから樹
脂を取り出し、エタノールで洗浄した。 (3)前記(2)で得られた4級化ピリジン環にオルガ
ノリン配位子が結合したビニルピリジン樹脂2.0gを
ステンレスカラム(内径11mm)に充填して吸着カラ
ムを作成し、この吸着カラムにロジウム錯体(RhH2
CO2)を金属ロジウムとして7wtppm含むオクチ
ルアルデヒド溶液を70℃の条件下で30ml/hrの
流速で1時間流通し、次いで流通した溶液中の金属ロジ
ウム濃度を測定したところ、0.5wtppm以下であ
った。これにより、流通した溶液中に含まれるロジウム
の90%以上が吸着カラムに捕集されたことが確認され
る。 (4)次に、前記(3)の吸着カラムに、その吸着した
ロジウム錯体を脱着させるために、0.4wt%のトリ
フェニルホスフィンを含むトルエン溶液を、温度120
℃において、40ml/hrの流速で1時間流通し、次
いで流通した溶液中の金属ロジウム濃度を測定したとこ
ろ、3.6wtppmであった。これにより、吸着した
ロジウムの60.8%が脱離回収された。
【0027】
【発明の効果】本発明の吸着剤は、耐熱性及び耐薬品性
にすぐれるとともに、含金属中性錯体に対して良好な吸
着性を有し、含金属中性錯体を含む溶液と接触させるこ
とにより、その錯体を効率よく吸着分離することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体中の含金属中性錯体を吸着する吸着
    剤であって、ピリジン環を含有し、該ピリジン環に含ま
    れる窒素原子の少なくとも一部が4級化され、かつその
    4級化窒素原子の少なくとも一部が陰イオン性オルガノ
    リン配位子とイオン的に結合しているビニルピリジン系
    樹脂からなることを特徴とする含金属中性錯体用吸着
    剤。
  2. 【請求項2】 ピリジン環に含まれる窒素の4級化が、
    N−メチル化によって行われている請求項1の吸着剤。
  3. 【請求項3】 樹脂の架橋度が、30%以上である請求
    項1又は2の吸着剤。
  4. 【請求項4】 含金属中性錯体を含む液体を吸着剤と接
    触させる工程を含む方法であって、該吸着剤として、請
    求項1の吸着剤を用いることを特徴とする含金属中性錯
    体の回収方法。
  5. 【請求項5】 含金属中性錯体を含む液体から該含金属
    中性錯体を回収する方法であって、 (i)該液体を、請求項1の吸着剤と接触させる吸着工
    程と、 (ii)該吸着剤に、該吸着剤に吸着された含金属中性錯
    体を脱着させるのに十分な配位子化合物を含む液体を接
    触させる脱着工程、からなる含金属中性錯体の回収方
    法。
  6. 【請求項6】 脱着工程の温度を吸着工程の温度より高
    い温度に保持する請求項4又は5の方法。
  7. 【請求項7】 該液体中に含まれる含金属中性錯体が含
    貴金属中性錯体である請求項4〜7のいずれかの方法。
JP5691996A 1996-02-20 1996-02-20 含金属中性錯体用の吸着剤及び含金属中性錯体の液体中からの回収方法 Pending JPH09225203A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003078330A1 (fr) * 2002-03-18 2003-09-25 Organo Corporation Procede de supression d'un complexe metallique anionique
CN115814763A (zh) * 2021-12-01 2023-03-21 肇庆领誉环保实业有限公司 一种电镀废水处理用螯合吸附剂及制备方法

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