JPH09172966A - 起泡性水中油型乳化物 - Google Patents

起泡性水中油型乳化物

Info

Publication number
JPH09172966A
JPH09172966A JP8211303A JP21130396A JPH09172966A JP H09172966 A JPH09172966 A JP H09172966A JP 8211303 A JP8211303 A JP 8211303A JP 21130396 A JP21130396 A JP 21130396A JP H09172966 A JPH09172966 A JP H09172966A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
weight
fatty acid
water
glycerin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8211303A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3499092B2 (ja
Inventor
Hisao Takeshita
尚男 竹下
Shinko Katada
真弘 片田
Kazuichi Tomonobe
一市 友延
Tokijirou Inaoka
説二郎 稲岡
Yoshinobu Nakajima
義信 中島
Yukitaka Tanaka
幸隆 田中
Masanobu Uchikoshi
正延 打越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP21130396A priority Critical patent/JP3499092B2/ja
Publication of JPH09172966A publication Critical patent/JPH09172966A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3499092B2 publication Critical patent/JP3499092B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホイップドクリームとして必要な基本性能
(ホイップ特性、良好な風味、食感)を備えていると共
に、特に、ホイップ後のクリームの木目が細かく、造花
などを行う際の加工性が良く、また得られた造花物の経
時的な変化(離水、組織の変化)が少なく、保型性が良
く、さらにこのホイップドクリームを凍結保存して解凍
して食べた場合にも、極めて良好な風味、食感が維持さ
れているホイップドクリームを得ることができる起泡性
水中油型乳化物を提供する。 【構成】 油脂、蛋白質、乳化剤および水を含み、3〜
50重量%のトリグリセリドを主成分とする油相と50〜97
重量%の水相とからなる起泡性水中油型乳化物であっ
て、該油相中に構成脂肪酸残基のうちの40重量%以上が
炭素数14〜22の飽和脂肪酸残基であり、かつ上昇融点20
℃以上のグリセリンジ脂肪酸エステルが1〜50重量%含
有されている起泡性水中油型乳化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケーキ、パン、デ
ザート等のトッピング、フィリング、あるいはサンド用
などとして常温でホイップして用いるタイプの起泡性水
中油型乳化物に関する。特に本発明は、ホイップ後の造
花などを作る際の加工性、保型性等の物性と食感、さら
にチルド保存した場合、冷解凍保存した場合の食感が更
に改良された起泡性水中油型乳化物に関する。
【0002】
【従来の技術】ホイップ用天然生クリームは、乳味感、
コク味感に優れているクリームで、高級洋菓子に使用さ
れる高価なクリームである。しかしながらその反面、ホ
イップ作業中に急激に硬くしまる性質があり、適切な硬
さ(硬すぎず、柔らかすぎず)のホイップドクリームと
するには熟練が必要である。また、仮にうまくホイップ
することができても、保存中に、物性変化、食感変化、
変色等の問題が生じやすい。このため、これらの物性面
および価格面の問題点が比較的少ない起泡性水中油型乳
化物として、従来から油脂20〜55重量%を含有するコン
パウンドクリーム(椰子油、大豆油、菜種油、これら硬
化油等の植物性油脂と生クリームまたは乳脂肪を含有)
および純植物性クリーム(植物性油脂含有)が広く利用
されている。上記のような特性をもつコンパウンドクリ
ーム、あるいは純植物性クリームにおいて、更に優れた
特性をもつ高品質なクリームを得るために、従来より製
造プロセスおよび原料配合について種々検討されてきて
いる。例えば、原料配合の検討については、菜種硬化
油、パーム核硬化などを油脂成分とし、乳化剤として特
定のモノグリセリドを配合させたもの(特開平4−3700
7 号公報)などが提案されている他、増粘剤の配合、乳
蛋白質の改質あるいは変性等を試みたものなども提案さ
れている。しかしながら、これら添加物の多用は、ホイ
ップドクリームの風味、食感を著しく悪化させる結果と
なり、好ましいものではない。また、このような問題に
対し、本発明者らは炭素数12のラウリン酸残基を含むグ
リセリンジ脂肪酸エステルを特定量配合させることによ
り(特開平7−184578号公報)、ホイップした場合の造
花性、保型性、食感の優れたホイップドクリームを得る
技術を既に見出している。しかしながら、一定期間チル
ド保存した場合、あるいは冷解凍した場合、食感に関し
ては改善はみられるものの、まだ充分ではないのが現状
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ホイ
ップドクリームとして必要な基本特性(ホイップ特性、
良好な風味、食感)を備えていると共に、特にホイップ
後のクリームの木目が細かく、造花した際の造花物の加
工性が良好で(星形の金具で絞り出された先端は途中で
切れることなく形成し、また形の角づけはきれい)、ま
た、得られた造花物の保存後の経時的変化(ダレ、離
水、組織の荒れ)が少なく、さらに食感の変化が極めて
少なく、これらの特性が凍結解凍したのちも保たれてい
る起泡性水中油型乳化物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
性能を備えた高品質な起泡性水中油型乳化物を得るべく
鋭意研究した結果、乳化物を形成する油脂成分中に特定
ジグリセリドを特定量含有させることにより、ホイップ
用クリームとして好適な水中油型乳化物を得ることを見
いだし、本発明を完成させたものである。即ち本発明
は、油脂、蛋白質、乳化剤および水を含み、3〜50重量
%のトリグリセリドを主成分とする油相と50〜97重量%
の水相とからなる起泡性水中油型乳化物であって、該油
相中に構成脂肪酸残基のうちの40重量%以上が炭素数14
〜22の飽和脂肪酸残基であり、かつ上昇融点20℃以上の
グリセリンジ脂肪酸エステルが1〜50重量%含有されて
いることを特徴とする起泡性水中油型乳化物である。
【0005】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)グリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪酸残基中
に、炭素数が14〜22の飽和脂肪酸残基(更に好ましく
は、炭素数18〜22の飽和脂肪酸残基)が、50重量%以上
(更に好ましくは、55重量%以上、特に60重量%以上、
最も好ましくは70重量%以上)を占めている。 (2)グリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪酸残基中
に、飽和脂肪酸残基が50重量%以上(好ましくは70重量
%以上、特に80重量%以上)を占めている。 (3)上記グリセリンジ脂肪酸エステルの上昇融点が、
20〜80℃(更に好ましくは、30〜80℃の範囲、特に、40
〜80℃の範囲)にある。 (4)上記グリセリンジ脂肪酸エステルが、油相中に、
0.1〜45重量%(更に好ましくは1〜10重量%)含まれ
ている。 (5)上記グリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪酸残
基中に、炭素数が12の飽和脂肪酸残基が、40重量%未満
(更に好ましくは、35重量%以下)である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の起泡性水中油型乳
化物について説明する。まず、本発明で使用するグリセ
リンジ脂肪酸エステルについて詳述する。本発明で使用
するグリセリンジ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸残基の
内の40重量%以上が炭素数14〜22の飽和脂肪酸残基(更
に好ましくは、炭素数18〜22の飽和脂肪酸残基)であ
り、かつ上昇融点が20℃以上のものである。上記炭素数
14〜22の飽和脂肪酸残基は、構成脂肪酸残基中50重量%
以上(更に好ましくは、55重量%以上、特に60重量%以
上、最も好ましくは70重量%以上) を占めていることが
好ましい。また炭素数14〜22の飽和脂肪酸残基以外の構
成脂肪酸残基としては、炭素数8〜12の脂肪酸残基や炭
素数16〜22の不飽和脂肪酸残基を挙げることができる。
更にグリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪酸残基中に
は、飽和脂肪酸残基が50重量%以上(更に好ましくは70
重量%以上、特に80重量%以上)を占めていることが好
ましい。本発明で使用されるグリセリンジ脂肪酸エステ
ルは、その上昇融点が20〜80℃の範囲(更に好ましく
は、30〜80℃の範囲、特に、40〜80℃の範囲)にあるこ
とが好ましい。この上昇融点が20℃以下の場合は、ホイ
ップ後のクリームの保型性が低下し易くなり、一方、上
昇融点が80℃以上の場合は、エステルを構成する脂肪酸
組成、あるいは含有量によって口どけ感などの食感が低
下し易くなる。なお、構成脂肪酸残基の内の40重量%以
上が炭素数14〜22の飽和脂肪酸残基とする本発明で用い
るグリセリンジエステルは、単独で用いることが好まし
いが、このエステルのみを単離することは工業上容易で
ないために、モノグリセリドおよび/またはトリグリセ
リドとの混合物として用いてもかまわない。
【0007】本発明において用いられる脂肪酸のグリセ
リンジエステルは、炭素数14〜22の飽和脂肪酸を主成分
とする油脂(例えば、パーム油、大豆油、菜種油あるい
はこれらの分別油、ランダム化油、硬化油、エステル交
換油)から選ばれた一種あるいは二種以上の油脂とグリ
セリンとを、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
酸化物の存在下でエステル交換させるか、またはこれら
の油脂由来の炭素数14〜22の飽和脂肪酸の含有量の多い
脂肪酸混合物とグリセリンとのエステル化反応により得
ることができる。反応で生成した過剰のモノグリセリド
は分子蒸留法またはクロマトグラフィーなどの分離手段
を利用して除去することができる。なお、これらの反応
は上記のようなアルカリ触媒を用いた化学反応によって
実施することができるが、1,3 −位選択的リパーゼ等の
酵素を用いて温和な条件で反応を行う方が、得られる脂
肪酸のグリセリンジエステルの風味も良く、好ましい。
【0008】本発明に係わるグリセリンジ脂肪酸エステ
ルは、本発明の起泡性水中油型乳化物のトリグリセリド
を主成分とする油相中に 0.1〜50重量%(好ましくは、
2〜45重量%、更に好ましくは5〜40重量%)含まれる
ように添加される。50重量%以上の添加量では、乳化安
定性が低下し易くなる。
【0009】本発明の起泡性水中油型乳化物には、前述
した特定のグリセリンジ脂肪酸エステルが該乳化物のト
リグリセリドを主成分とする油相中に含まれている以外
は、通常の起泡性水中油型乳化物と同様に構成すること
ができる。すなわち、本発明の起泡性水中油型乳化物
は、特定のグリセリンジ脂肪酸エステル、食用油脂、蛋
白質、乳化剤および水を必須成分として、目的により安
定剤、フレーバー、エッセンス類、増粘剤、および糖類
などが含まれる。
【0010】本発明で使用される油脂は、菜種油、コー
ン油、大豆油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、パ
ーム油、パーム核油、椰子油、米油、ひまわり油、ごま
油等の植物性油脂、牛脂、ラード、乳脂、魚油等の動物
性油脂、あるいはこれらの動植物性油脂の分別油、ラン
ダム化油、水素添加油、エステル交換油から選ばれた一
種、または二種以上を併用することができる。これらの
油脂は、クリームに含有した際、口溶け感、風味が良好
となるものを選択して使用することが好ましい。よっ
て、使用する油脂には、ラウリン酸含有率の高い油脂で
あるパーム核油、椰子油等を使用することが好ましい。
さらに含有油脂全体の上昇融点が30〜40℃程度になるよ
うに調節して使用することが好ましい。本発明において
は、上記油脂のうち、パーム油、大豆硬化油、パーム核
硬化油、および椰子硬化油を組み合わせて使用すること
が好ましい。
【0011】本発明で使用される蛋白質としては、卵蛋
白質、乳蛋白質、大豆蛋白質、小麦蛋白質等の蛋白質、
複合蛋白質およびこれらの蛋白質の分解物を挙げること
ができる。さらに、蛋白質を含む原料、例えば、牛乳、
生乳などでも使用できる。蛋白質は通常、乳化物中に1
〜10重量%含有させる。
【0012】本発明で使用される乳化剤としては、ショ
糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシ
チン、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が一種あ
るいは適宜組み合わせて使用することができる。乳化剤
は、通常、乳化物中に0.05〜1.0 重量%含有させる。
【0013】又、目的に応じて、リン酸(ヘキサメタリ
ン酸、第二リン酸等)やクエン酸のアルカリ金属塩、あ
るいはグァーガム等の増粘多糖類を用いることができ
る。また、フレーバー、エッセンス類も使用できるが、
例えば、ミルクフレーバー、バニラフレーバー、バニラ
エッセンスなどを挙げることができる。
【0014】本発明の起泡性水中油型乳化物は上記成分
を使用して常法により製造することができる。例えば、
油脂と本発明に係わるグリセリンジ脂肪酸エステル、お
よび乳化剤を含む油性成分(油相)と水、蛋白質、およ
び乳化剤を含む水性成分(水相)とを適当な温度に加温
し、両者を混合、予備乳化し、さらに均質化、滅菌、均
質化(再均質化)、冷却、そしてエージングという通常
行われる各処理を行うことにより、製造することができ
る。乳化物の調製は上記のように水性成分と油性成分と
を別々の系で混合し、その後両者を混合する方法で行っ
ても良いが、最初から一つの系で行ってもよい。また乳
化物、油相成分が3〜50重量%(好ましくは、15〜45重
量%)、水相成分が50〜97重量%(好ましくは、55〜85
%)となるように調製する。
【0015】このようにして得られる本発明の起泡性水
中油型乳化物はそのホイップ特性などを考慮するとその
粘度が、5℃において、20〜300cp(好ましくは、20〜10
0cp)となるように調整されていることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、実施例および比較例を用
いて本発明をさらに詳しく説明する。ただし、これらの
例は本発明を制限するものではない。尚、実施例中の
「%」は「重量%」を意味する。 調製例1 (グリセリンジ脂肪酸エステル(試料1)の調製)ステ
アリン酸(純度98重量%)40重量部、パルミチン酸重量
(純度98重量%)20重量部、オレイン酸(重量90重量
%)22重量部、および精製グリセリン18重量部を混合
し、これに市販リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme 3A 、
ノボ・インダストリー・A・S社製)20重量部を加え、
75℃、220Torr にて5時間攪拌し、エステル反応を行っ
た。反応終了物を分子蒸留にパスさせ、未反応の脂肪
酸、グリセリンおよびモノエステルを除去し、目的とす
るジエステル組成物を蒸留残渣をヘキサン分別処理し中
融点画分を分取し、ベヘン酸を主構成脂肪酸残基とする
グリセリンジ脂肪酸エステル(試料1)を得た。
【0017】調製例2 (グリセリンジ脂肪酸エステル(試料2)の調製)ハイ
エルシンナタネ油極度硬化油75重量部、および精製グリ
セリン25重量部を混合し、これに水酸化カルシウム 0.1
重量部を加え、 250℃で30分加熱攪拌し、グリセロリシ
ス反応を行った。反応後、分子蒸留法により過剰のグリ
セリン、およびモノエステルの除去を行い、蒸留残渣を
常法により精製し、ベヘン酸を主構成脂肪酸残基とする
グリセリンジ脂肪酸エステル(試料2)を得た。
【0018】調製例3(比較品) (グリセリンジ脂肪酸エステル(試料3)の調製)ラウ
リン酸(純度98重量%)40重量部、パルミチン酸(純度
98重量%)20重量部、オレイン酸(純度90重量%)24重
量部、および精製グリセリン16重量部を混合し、これに
市販リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme 3A 、ノボ・イン
ダストリー・A・S社製)20重量部を加え、75℃、 220
Torrにて5時間攪拌し、エステル反応を行った。反応終
了物を分子蒸留にパスさせ、未反応の脂肪酸、グリセリ
ンおよびモノエステルを除去し、目的とするジエステル
組成物を蒸留残渣をヘキサン分別処理し中融点画分を分
取し、ラウリン酸を主構成脂肪酸残基とするグリセリン
ジ脂肪酸エステル(試料3)を得た。
【0019】調製例4(比較品) (グリセリンジ脂肪酸エステル(試料4)の調製)硬化
パーム核油(ヨウ素価 8.2)75重量部と精製グリセリン
25重量部を混合し、これに水酸化カルシウム0.1 重量部
を加え、250 ℃で30分加熱攪拌し、グリセロリシス反応
を行った。反応後、分子蒸留法により過剰のグリセリン
およびモノエステルの除去を行い、蒸留残渣を常法によ
り精製し、ラウリン酸を主構成脂肪酸残基とするグリセ
リンジ脂肪酸エステル(試料4)を得た。
【0020】調製例5 (グリセリンジ脂肪酸エステル(試料5)の調製)ラウ
リン酸(純度98重量%)18重量部、ステアリン酸(純度
98重量%)52重量部、オレイン酸(純度90重量%)14重
量部、および精製グリセリン16重量部を混合し、これに
市販リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme 3A 、ノボ・イン
ダストリー・A・S社製)20重量部を加え、75℃、 220
Torrにて5時間攪拌し、エステル反応を行った。以下、
調製例1と同様の操作を行い、ステアリン酸を主構成脂
肪酸残基とするグリセリンジ脂肪酸エステル(試料5)
を得た。
【0021】上記のようにして得られた試料1〜5のグ
リセリンジ脂肪酸の組成を以下の表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例1 上記のようにして得られた試料1を用いて以下のような
起泡性水中油型乳化物を調製した。 (起泡性水中油型乳化物(I)の調製)下記配合の油性
液(油相)と水溶液(水相)を調製した。
【0024】
【表2】
【0025】上記溶液を混合し、予備乳化を行った。得
られた予備乳化物を60℃においてホモジナイザーで均質
化処理を行った。次いで、得られた乳化物をUHT殺菌
機(岩井機械工業(株)製)を用いて滅菌処理を行い、
その後さらに70℃においてホモジナイザーで再均質化処
理を行った。得られた乳化物を8℃まで冷却し充填後、
本発明に従う起泡性水中油型乳化物(I)を調製した。
【0026】比較例1 (起泡性水中油型乳化物(I−C)の調製)下記配合の
油性液(油相)と水溶液(水相)を調製した。
【0027】
【表3】
【0028】上記実施例1において、上記の配合を用い
た以外は上記実施例1と同様にして比較用の起泡性水中
油型乳化物(I−C)を調製した。
【0029】実施例2 (起泡性水中油型乳化物(II)の調製)下記配合の油性
液(油相)と水溶液(水相)を調製した。
【0030】
【表4】
【0031】上記実施例1において、上記の配合を用い
た以外は上記実施例1と同様にして本発明に従う起泡性
水中油型乳化物(II)を調製した。
【0032】比較例2 (起泡性水中油型乳化物(II−C)の調製)下記配合の
油性液(油相)と水溶液(水相)を調製した。
【0033】
【表5】
【0034】上記実施例1において、上記の配合を用い
た以外は上記実施例1と同様にして比較用の起泡性水中
油型乳化物(II−C)を調製した。
【0035】比較例3 (起泡性水中油型乳化物(II−C’)の調製)下記配合
の油性液(油相)と水溶液(水相)を調製した。
【0036】
【表6】
【0037】上記実施例1において、上記の配合を用い
た以外は上記実施例1と同様にして比較用の起泡性水中
油型乳化物(II−C’)を調製した。
【0038】比較例4 (起泡性水中油型乳化物(II−C'')の調製)表6にお
いて、試料3のかわりに試料4を配合し、上記実施例1
と同様にして比較用の起泡性水中油型乳化物(II−
C'')を調製した。
【0039】実施例3 (起泡性水中油型乳化物(III)の調製)表6におい
て、試料3のかわりに試料5を配合し、上記実施例1と
同様にして本発明に従う起泡性水中油型乳化物(III)
を調製した。
【0040】〔起泡性水中油型乳化物としての評価〕以
上のようにして得られた各起泡性水中油型乳化物につい
て、以下のような物性評価(粘度の測定、ホイップ特
性、造花性、保型性、および離水耐性)、および官能評
価を行った。 (1)粘度の測定 各起泡性水中油型乳化物の5℃における粘度を、粘度計
(BM−型粘度計、東京計器(株)製)を用いて測定し
た。 (2)ホイップ特性の評価 各起泡性水中油型乳化物を5℃にて72時間熟成後、縦型
ミキサーを用いてホイップし、ホイップドクリームを調
整した。そしてホイップ時のホイップ特性(ホイップ時
間、オーバーラン)を評価した。 ホイップ時間:縦型ミキサーを使用し、700rpmで1リ
ットルの水中油型乳化物をホイップした時の最適ホイッ
プ状態になるまでの時間。 オーバーラン:次式で示されるホイップによる容積増
加割合。
【0041】
【数1】
【0042】(3)造花性 造花性は、ホイップして得られた上記ホイップドクリー
ムを用いて、星形の口金から絞り出し、造花して、その
ときの造花物の形状で評価した。評価は以下の基準に従
った。 A:星形の口金の形状が全く崩れることなくはっきり現
れた。 B:星形の口金の形状が殆ど崩れることなくはっきり現
れた。 C:星形の口金の形状が一部崩れているところもある
が、許容範囲である。 D:星形の口金の形状が全体に崩れているが、星形の形
状は残っている。 E:星形の口金の形状が余り良くわからないほど崩れて
いた。 (4)保型性、離水耐性 上記(3)のようにして得られた各造花物を20℃、30時
間放置し、その後の形状を調べ(保型性を調べ)、また
同時に離水状態も調べた。評価は以下の基準に従った。 A:造花物の形状は変化することなく、離水も殆どなか
った。 B:造花物の形状は僅かに変化し、離水もわずかに認め
られたが、ほとんど問題ない程度であった。 C:造花物の形状は一部崩れ、離水も認められたが、ほ
とんど問題ない程度であった。 D:造花物の形状が全体に崩れ、離水もかなり認められ
た。 E:造花物の形状は、全体にかなり崩れ、離水もかなり
ひどく認められた。 (5)官能評価 ホイップして得られたホイップドクリームの木目を目視
により観察し、また食感(口溶け感)を専門パネラーに
よる官能テストを行なって評価した。評価は、以下の基
準に従った。 A:非常に良かった。 B:良かった。 C:許容できる範囲であった。 D:余り良くない。 E:全く良くない。 (6)チルド保存後の評価 上記(2)で得られたホイップドクリームを、10℃のシ
ョーケース内で48時間保存後、上記(5)の基準に従
い、食感を評価した。 (7)冷解凍後の評価 上記(2)で得られたホイップドクリームを、−20〜−
40℃の冷凍庫内で1ヶ月間凍結保存後、10〜15℃雰囲気
下で約6時間かけて自然解凍し、そのときのホイップド
クリームを上記(5)の基準に従い、評価した。結果を
以下の表7に示す。
【0043】
【表7】
【0044】上記の表7に示された結果から、本発明の
炭素数14〜22の飽和脂肪酸残基を特定量含む起泡性水中
油型乳化物(実施例1、2および3)と炭素数12の飽和
脂肪酸残基を特定量含む起泡性水中油型乳化物(比較例
3および4)は該グリセリンジ脂肪酸エステルを含まな
い、それぞれに対応する比較用の起泡性水中油型乳化物
(比較例1および2)に比べ、ホイップ性、造花性、そ
して保型性等の物性面、また木目やホイップ直後の食感
の点で、優れた特性が備えられていることが明らかであ
る。さらに一定期間保存した場合の食感については、本
発明の炭素数14〜22の飽和脂肪酸残基を特定量含む起泡
性水中油型乳化物(実施例1、2および3)は、炭素数
12の飽和脂肪酸残基を特定量含む起泡性水中油型乳化物
(比較例3および4)と比べて、チルド保存した場合、
冷解凍した場合で、食感の維持の点で有効であることが
明らかである。
【0045】
【発明の効果】本発明の起泡性水中油型乳化物は、乳化
物としての乳化安定性、ホイップした際の基本的な物性
であるホイップ特性、そして風味、食感を備えていると
共に、特に本発明の乳化物をホイップして作ったホイッ
プドクリームは木目が細かく、伸展性に優れ、造花など
を美しく作ることができる。また、造花物は長時間保存
しておいても組織の変化が少なく、また離水なども少な
く高い保型性を有している。さらに、このホイップドク
リームをチルド流通を想定して保存した場合、凍結して
1ヶ月間保存後に解凍した場合でも、極めて良好な風
味、食感が維持されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲岡 説二郎 茨城県鹿島郡神栖町東深芝20 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 中島 義信 茨城県鹿島郡神栖町東深芝20 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 田中 幸隆 茨城県鹿島郡神栖町東深芝20 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 打越 正延 茨城県鹿島郡神栖町東深芝20 花王株式会 社研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂、蛋白質、乳化剤および水を含み、
    3〜50重量%のトリグリセリドを主成分とする油相と50
    〜97重量%の水相とからなる起泡性水中油型乳化物であ
    って、該油相中に構成脂肪酸残基のうちの40重量%以上
    が炭素数14〜22の飽和脂肪酸残基であり、かつ上昇融点
    20℃以上のグリセリンジ脂肪酸エステルが1〜50重量%
    含有されていることを特徴とする起泡性水中油型乳化
    物。
JP21130396A 1995-10-25 1996-08-09 起泡性水中油型乳化物 Expired - Fee Related JP3499092B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21130396A JP3499092B2 (ja) 1995-10-25 1996-08-09 起泡性水中油型乳化物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-277518 1995-10-25
JP27751895 1995-10-25
JP21130396A JP3499092B2 (ja) 1995-10-25 1996-08-09 起泡性水中油型乳化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09172966A true JPH09172966A (ja) 1997-07-08
JP3499092B2 JP3499092B2 (ja) 2004-02-23

Family

ID=26518554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21130396A Expired - Fee Related JP3499092B2 (ja) 1995-10-25 1996-08-09 起泡性水中油型乳化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3499092B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013059324A (ja) * 2011-08-22 2013-04-04 Kao Corp 油脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013059324A (ja) * 2011-08-22 2013-04-04 Kao Corp 油脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3499092B2 (ja) 2004-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6497914B1 (en) Oil-and-fat feedstock for production of cream and low-oil cream composition
JP4496178B2 (ja) 油脂組成物とその製造方法、水中油型乳化物、およびコンパウンドクリーム
JP3132974B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物
EP1628538A2 (en) A whippable food product having improved stability
JP3092364B2 (ja) 油脂組成物及び起泡性水中油型乳化物の製造法
JPWO2009025123A1 (ja) 起泡性クリーム用油脂組成物および起泡性クリーム
JP2003204753A (ja) トリグリセリド組成物
JPH05236897A (ja) ホイップクリーム用水中油型乳化物、粉末及びホイップクリーム
EP0576474B1 (en) Spread
JPWO2016204089A1 (ja) 可塑性油脂組成物
JP2010022305A (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP3238658B2 (ja) 起泡性クリーム用油脂組成物および起泡性クリーム
JP2001139983A (ja) 油脂組成物
JP6820158B2 (ja) 凍結ホイップクリーム用油脂組成物
JP2003135001A (ja) 食用油脂及びそれを用いた乳化油脂組成物
JP6937582B2 (ja) ホイップクリーム用油脂組成物
JP3202394B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP2848849B2 (ja) 水中油型乳化組成物
ZA200503516B (en) Oil in water emulsion
JPS6119227B2 (ja)
CN117642073A (zh) 脂肪组合物和油包水乳化液
JP2008035743A (ja) 起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP3499092B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP3829371B2 (ja) 含気デザート及びその製造法
WO2021200119A1 (ja) 冷菓用油脂

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071205

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091205

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091205

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101205

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101205

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees