JPH09171799A - 放電ランプおよび真空紫外光源装置 - Google Patents

放電ランプおよび真空紫外光源装置

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JPH09171799A
JPH09171799A JP7331282A JP33128295A JPH09171799A JP H09171799 A JPH09171799 A JP H09171799A JP 7331282 A JP7331282 A JP 7331282A JP 33128295 A JP33128295 A JP 33128295A JP H09171799 A JPH09171799 A JP H09171799A
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vacuum ultraviolet
ultraviolet light
discharge lamp
lamp
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Hiromitsu Matsuno
博光 松野
Ryushi Igarashi
龍志 五十嵐
Fumitoshi Takemoto
史敏 竹元
Kunio Kasagi
邦雄 笠木
Tetsuyuki Nakamura
哲之 中村
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Ushio Denki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光を肉眼で観察することにより動作状態
の診断が可能な放電ランプ及び真空紫外光源装置、並び
に放電容器又はランプハウスの窓部材の真空紫外光の透
過率が低下せず使用寿命の長い放電ランプ及び真空紫外
光源装置の提供。 【解決手段】 放電ランプは、真空紫外光を放出する放
電ランプにおいて、放電容器が定格動作状態において波
長650nm付近の蛍光が目視で観測されない石英ガラ
スにより構成されている。真空紫外光源装置は、放電容
器を有し、真空紫外光を放出する放電ランプ1と、放電
ランプ1からの真空紫外光を取り出す窓部材33を有する
ランプハウス30とを具え、ランプハウス30内が不活性ガ
スで充満された状態で作動される真空紫外光源装置にお
いて、放電容器および窓部材33の少なくとも一方は、放
電ランプ1の定格動作状態において、波長650nm付
近の蛍光が目視で観測されない石英ガラスで構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空紫外光を放出
する放電ランプおよび真空紫外光源装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば、光洗浄、光エッチング等におい
ては、波長200nm以下の真空紫外光を放出する放電
ランプを具えた真空紫外光源装置が使用されている。真
空紫外光を放出する放電ランプとしては、真空紫外光に
対して透過性を有する材料例えば合成石英ガラスよりな
る放電容器内に水銀および希ガスが封入された、水銀の
共鳴線である波長185nmの真空紫外光を放出する低
圧水銀ランプが知られている。
【0003】また、最近においては、真空紫外光を放出
する放電ランプとして、少なくとも一部が誘電体により
構成された放電容器内に、適宜の放電用ガスが充填さ
れ、当該放電容器内において誘電体バリア放電(別名
「オゾナイザ放電」あるいは「無声放電」。電気学会発
行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷
発行第263頁参照)を発生させることにより、エキシ
マが生成されてエキシマ光が放出される誘電体バリア放
電ランプが知られている。例えば、特開平1−1445
60号公報には、少なくとも一部が誘電体である石英ガ
ラスにより構成された中空円筒状の放電容器内に放電用
ガスが充填されてなる誘電体バリア放電ランプが記載さ
れている。このような誘電体バリア放電ランプにおいて
は、放電用ガスとして、キセノンガスを用いることによ
り、キセノンエキシマによるエキシマ光である波長17
2nmにピークを有する真空紫外光が放出され、放電用
ガスとして、アルゴンと塩素との混合ガス(以下、「ア
ルゴン−塩素混合ガス」ともいう。)を用いることによ
り、アルゴン−塩素エキシマによるエキシマ光である波
長175nmにピークを有する真空紫外光が放出される
ことが知られている。
【0004】また、誘電体バリア放電ランプを具えた真
空紫外光源装置としては、特開平5−174793号公
報に、エキシマ光を取り出すための窓部材を有するラン
プハウス内に円筒型の誘電体バリア放電ランプが収納さ
れてなる真空紫外光源装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
真空紫外光を放出する放電ランプおよび真空紫外光源装
置においては、以下のような問題点があった。
【0006】(1)第一の問題点は、放電ランプを点灯
させると、放電ランプの放電容器およびランプハウスの
窓部材を構成する石英ガラスが赤色に発光することであ
る。この赤色光は、真空紫外光によって励起された石英
ガラス中の物質による蛍光であり、その中心波長は65
0nm付近である。
【0007】一般に、放電ランプが正常に動作している
かどうかの判断は、先ず、放電ランプから放出される可
視光、特に、この可視光の色の変化状態を肉眼で観察す
ることにより行われる。この方法は、簡便であり、信頼
性があるので、定性的ではあるが広く利用されている。
然るに、低圧水銀ランプや、放電用ガスとしてキセノン
ガスまたはアルゴン−塩素混合ガスを使用した誘電体バ
リア放電ランプにおいては、放電空間から直接放出され
る可視光の強度が非常に小さいため、肉眼で観察される
可視光の大部分は、放電容器および窓部材の蛍光による
赤色光である。
【0008】本発明者等は、放電ランプを、その真空紫
外光の出力がほぼ一定となるようランプ電力を制御した
状態で点灯させた場合においても、放電容器および窓部
材の蛍光による赤色光の強度は、点灯時間によって大き
く変化することを発見した。具体的には、放電ランプの
点灯を開始してから数時間程度までは、この赤色光の強
度が上昇し、約100時間点灯した後においては、徐々
に低下することが判明した。
【0009】従って、従来の放電ランプおよび真空紫外
光源装置においては、真空紫外線の出力が一定であるに
もかかわらず、放電容器および窓部材の蛍光による赤色
光の強度が著しく変化するため、可視光を肉眼で観察す
る方法では、ランプの動作状態を診断することができな
い。
【0010】更に、放電用ガスとしてキセノンガスまた
はアルゴン−塩素混合ガスを使用した誘電体バリア放電
ランプにおいては、放電容器および窓部材から生ずる赤
色光によって、次のような問題が生ずる。真空紫外光お
よびこれによって発生させたオゾンを、シリコンウエハ
やホトマスク等の被処理物に作用させて精密洗浄、灰化
等を行う場合には、シリコンホトダイオードを具えた光
検出器により放電ランプからの可視光を検出することに
より、真空紫外光の出力を疑似的に測定し、真空紫外光
の出力が一定の値に保持されるよう、放電ランプへの電
気入力を自動的にまたは手動により調整することが行わ
れている。
【0011】シリコンホトダイオードは、小型で、信頼
性が高く、電気信号の処理が簡便な光センサであり、可
視領域における感度が、真空紫外領域における感度より
も一桁以上大きいものである。従って、可視光の強度が
小さい放電ランプの光検出器として、シリコンホトダイ
オードは好適である。しかし、従来の放電ランプおよび
真空紫外光源装置においては、上述したように、真空紫
外光が照射されることにより放電容器および窓部材が赤
色に発光し、しかも、この赤色光の強度は、真空紫外線
の出力が一定であっても変化するため、光検出器により
可視光を検出することによっては、真空紫外線の出力を
測定することは困難である。また、放電ランプから放射
される真空紫外光を蛍光体により可視光に変換し、当該
可視光の強度を光検出器により測定する手段も考えられ
るが、放電容器および窓部材から生ずる赤色光の強度が
大きいため、真空紫外線の出力を高い精度で測定するこ
とはできない。
【0012】(2)第二の問題点は、放電ランプの点灯
時間の経過に伴って、真空紫外光の強度が低下し、長い
使用寿命が得られないことである。これは、放電空間か
ら放出される真空紫外光によって、放電ランプの放電容
器およびランプハウスの窓部材を構成する石英ガラスが
劣化し、当該石英ガラスの真空紫外光の透過率が低下す
るためである。
【0013】例えば、1995年4月発行の学術雑誌
「光技術コンタクト」第33巻4号の226頁に記載さ
れているように、クリプトン−フッ素(KrF)エキシ
マレーザによる波長248nmの光あるいはアルゴン−
フッ素(ArF)エキシマレーザによる波長193nm
の光を合成石英ガラスに照射すると、当該石英ガラスの
波長248nmおよび波長193nmにおける透過率が
低下すること、また、このような石英ガラスの透過率の
低下は、210nm〜220nmに中心波長を有する光
吸収欠陥、および260nm付近に中心波長を有する光
吸収欠陥の生成が原因であることが知られている。前者
の光吸収欠陥は、R.A.WeeksらによってJ.A
ppl.Phys.Vol35(1964)の1932
頁で報告されているように、Si常磁性欠陥(E´セン
タと記される)に帰属され、後者の光吸収欠陥は、L.
N.SkujaらによってPhys.Stat.So
l.VolA56(1979)のK11で報告されてい
るように、非架橋酸素正孔中心(NBOHCと記され
る)に帰属される。両者はいずれも石英ガラス中の化学
結合が切断されて生成することが知られている。
【0014】一方、172nm、175nmおよび18
5nm、特に172nm、175nmの波長域の真空紫
外光が照射されることによって、石英ガラスの当該波長
域における透過率が低下する現象は、上述のKrFエキ
シマレーザあるいはArFエキシマレーザによる場合と
は全く異なり、本発明者等が新たに発見したものであ
り、真空紫外光を放出する放電ランプおよび真空紫外光
源装置固有の問題である。すなわち、波長172nm、
175nmおよび185nmは、上述のE´センタおよ
びNBOHCの生成による光吸収ピークの中心波長であ
る210nm〜220nmおよび260nm付近から離
れており、このような波長域における透過率の低下は、
E´センタやNBOHCの生成などの従来から提唱され
ている種々の欠陥では説明することができない現象であ
る。従って、従来の理論による対策を行っても、このよ
うな現象を防止または抑制することはできない。
【0015】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、その目的は、放出される可視光を
肉眼で観察することによって、ランプの動作状態を診断
することができる放電ランプおよび真空紫外光源装置を
提供することにある。本発明の他の目的は、放電ランプ
の放電容器またはランプハウスの窓部材の真空紫外光の
透過率が低下することがなくて、使用寿命の長い放電ラ
ンプおよび真空紫外光源装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の放電ランプは、
放電空間を形成する放電容器を有し、真空紫外光を放出
する放電ランプにおいて、前記放電容器は、当該放電ラ
ンプの定格動作状態において、波長650nm付近にお
ける蛍光が目視で観測されない特定の石英ガラスにより
構成されていることを特徴とする。
【0017】本発明の放電ランプは、放電容器内に、放
電用ガスとしてキセノンガスまたはアルゴンガスと塩素
ガスとの混合ガスが充填され、誘電体バリア放電により
エキシマが生成されて真空紫外光が放出される誘電体バ
リア放電ランプであることが好ましい。このような放電
ランプにおいては、放電容器を構成する特定の石英ガラ
スは、当該放電ランプの定格動作状態において生ずる波
長650nm付近における蛍光の放射強度が、当該放電
ランプからの真空紫外光の放射強度の5%以下のもので
あることが好ましい。
【0018】また、本発明の放電ランプは、低圧水銀ラ
ンプであってもよい。このような放電ランプにおいて
は、放電容器を構成する特定の石英ガラスは、当該放電
ランプの定格動作状態において生ずる波長650nm付
近における蛍光の放射強度が、当該放電ランプからの真
空紫外光の放射強度の10%以下のものであることが好
ましい。
【0019】また、本発明の放電ランプにおいては、放
電容器を構成する特定の石英ガラスは、酸素欠乏度が−
0.01〜0.02の範囲にあり、水酸基の含有割合が
重量比で10〜500ppmの範囲にあり、かつ、塩素
基の含有割合が重量比で5ppm以下のものであること
が好ましい。
【0020】また、本発明の放電ランプにおいては、放
電容器を構成する特定の石英ガラスは、・Si−Si・
結合の含有割合が5×1016個/cm3 以下であり、当
該非蛍光性石英ガラス中に溶存する分子状水素の含有割
合が1015個/cm3 以上であって溶解度以下であり、
シリコン原子と結合した水素(・Si−H)の含有割合
が6×1016個/cm3 以下のものであることが好まし
い。
【0021】本発明の真空紫外光源装置は、放電空間を
形成する放電容器を有し、真空紫外光を放出する放電ラ
ンプと、この放電ランプを収納し、当該放電ランプから
の真空紫外光を取り出す窓部材を有するランプハウスと
を具えてなり、前記ランプハウス内が不活性ガスで充満
された状態で作動される真空紫外光源装置において、前
記放電ランプの放電容器およびランプハウスの窓部材の
少なくとも一方は、当該放電ランプの定格動作状態にお
いて、波長650nm付近における蛍光が目視で観測さ
れない非蛍光性石英ガラスで構成されていることを特徴
とする。
【0022】本発明の真空紫外光源装置において、放電
ランプは、放電容器内に、放電用ガスとしてキセノンガ
スまたはアルゴンガスと塩素ガスとの混合ガスが充填さ
れ、誘電体バリア放電によりエキシマが生成されてエキ
シマ光が放出される誘電体バリア放電ランプであること
が好ましい。このような真空紫外光源装置においては、
放電ランプの放電容器およびランプハウスの窓部材の少
なくとも一方を構成する特定の石英ガラスは、当該放電
ランプの定格動作状態において生ずる波長650nm付
近における蛍光の放射強度が、当該放電ランプからの真
空紫外光の放射強度の5%以下のものであることが好ま
しい。
【0023】また、本発明の真空紫外光源装置におい
て、放電ランプは低圧水銀ランプであってもよい。この
ような真空紫外光源装置においては、放電ランプの放電
容器およびランプハウスの窓部材の少なくとも一方を構
成する特定の石英ガラスは、当該放電ランプの定格動作
状態において生ずる波長650nm付近における蛍光の
放射強度が、当該放電ランプからの真空紫外光の放射強
度の10%以下のものであることが好ましい。
【0024】また、本発明の真空紫外光源装置において
は、放電ランプの放電容器およびランプハウスの窓部材
の少なくとも一方を構成する特定の石英ガラスは、酸素
欠乏度が−0.01〜0.02の範囲にあり、水酸基の
含有割合が重量比で10〜500ppmの範囲にあり、
かつ、塩素基の含有割合が重量比で5ppm以下のもの
であることが好ましい。
【0025】また、本発明の真空紫外光源装置において
は、放電ランプの放電容器およびランプハウスの窓部材
の少なくとも一方を構成する特定の石英ガラスは、・S
i−Si・結合の含有割合が、5×1016個/cm3
下であり、当該石英ガラス中に溶存する分子状水素の含
有割合が1015個/cm3 以上であって溶解度以下であ
り、シリコン原子と結合した水素(・Si−H)の含有
割合が6×1016個/cm3 以下のものであることが好
ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図1は、本発明の放電ランプを誘電
体バリア放電ランプとして構成した場合の一例を示す説
明用断面図である。この誘電体バリア放電ランプにおい
ては、誘電体よりなる円筒状の一方の壁材11と、この
一方の壁材11内にその筒軸に沿って配置された、当該
一方の壁材11の内径より小さい外径を有する誘電体よ
りなる円筒状の他方の壁材12とを有する密閉型の放電
容器10が設けられている。この放電容器10において
は、一方の壁材11および他方の壁材12の各々の両端
部が封止壁部13,14によって接合され、一方の壁材
11と他方の壁材12との間に円筒状の放電空間Sが形
成されている。
【0027】放電容器10における一方の壁材11に
は、その外周面15に密接して、例えは金網などの導電
性材料よりなる網状の一方の電極16が設けられ、放電
容器10における他方の壁材12には、その外面17を
覆うようアルミニウムよりなる膜状の他方の電極18が
設けられており、一方の電極16および他方の電極18
は、それぞれ高周波電源Eに接続されている。
【0028】また、図示の例では、放電容器10を構成
する一方の壁材11の一端側には、周方向に沿って内方
に突出する変形部19が形成されており、これにより、
この変形部19と封止壁部13との間に、放電空間Sに
連通するゲッタ収容室Kが形成され、このゲッタ収容室
K内にバリウム合金よりなるよりなるゲッタGが収納さ
れている。このゲッタGは例えば高周波加熱され、これ
により、ゲッタ収納室K内の壁面にバリウムよりなる薄
膜が形成される。
【0029】放電容器10内には、放電用ガスとしてキ
セノンガスまたはアルゴン−塩素混合ガスが充填されて
いる。放電用ガスは、放電容器10における放電ギャッ
プの距離d(mm)と放電用ガスの圧力p(kPa)と
の積pdが80〜500となるよう充填されていること
が好ましい。このような条件で放電用ガスが充填される
ことにより、真空紫外領域のエキシマ光が高い効率で得
られ、これは実験的に確認されている。また、この積p
dの値が上記の範囲にある場合には、誘電体バリア放電
ランプの放電プラズマから直接放出される可視光は、青
緑色であって、赤色成分はほとんどなく、この青緑色光
の放射強度は、真空紫外領域のエキシマ光の放射強度に
ほぼ比例する。
【0030】本発明においては、一方の壁材11および
他方の壁材12を構成する誘電体として、放電ランプの
定格動作状態において、波長650nm付近における蛍
光が目視で観測されない特定の石英ガラス(以下、「非
蛍光性石英ガラス」という。)が用いられ、特に、前記
波長650nm付近における蛍光の放射強度が、当該誘
電体バリア放電ランプからの真空紫外光の放射強度の5
%以下のものが好ましい。
【0031】本発明において、光の放射強度とは、通常
のバンドパスフィルターと光検知器とを組み合わせて構
成された放射照度測定装置により、石英ガラスの外表面
において測定される放射照度の値である。バンドパスフ
ィルターとしては、波長172nmおよび175nmの
エキシマ光の放射強度を測定する場合には、分光透過率
が最大になる波長が172±2.5nmであって、分光
透過率の全半値幅が約27.5nmであるバンドパスフ
ィルタが用いられ、波長185nmの真空紫外光の放射
強度を測定する場合は、分光透過率が最大になる波長が
185±2.5nmであって、分光透過率の全半値幅が
約27.5nmであるバンドパスフィルターが用いら
れ、波長650nm付近における石英ガラスの蛍光の放
射強度を測定する場合には、分光透過率が最大になる波
長が650±5nmであって、分光透過率の全半値幅が
約48nmであるバンドパスフィルターが用いられる。
【0032】上記の誘電体バリア放電ランプによれば、
一方の電極16と他方の電極18との間に高周波電圧が
印加されると、放電容器10内の放電空間Sにおいて誘
電体バリア放電が発生し、これにより、キセノン元素に
よるエキシマまたはアルゴン元素と塩素元素とによるエ
キシマが生成され、このエキシマによる真空紫外領域の
エキシマ光と、青緑色の可視光とが、一方の壁材11を
介して一方の電極16の網目から外部に放出される。
【0033】そして、放電容器10が非蛍光性石英ガラ
スによって構成されているため、当該放電容器10のガ
ラスそれ自体における発光の強度が極めて小さく、これ
により、肉眼では、放電空間Sから直接放出される青緑
色の可視光のみが観測され、しかも、当該可視光の強度
は、真空紫外光の強度に比例的であるので、ランプの動
作状態を目視により定性的に診断することができる。
【0034】また、放電容器10を構成する非蛍光性石
英ガラスとして、定格動作状態において生ずる波長65
0nm付近における蛍光の放射強度が真空紫外光の放射
強度の5%以下のものを用いることにより、例えばシリ
コンホトダイオードを具えた光検出器によって可視光を
検出することにより、真空紫外光の出力を擬似的に測定
することができる。従って、検出された可視光の強度の
値に基づいて真空紫外光の出力を高い精度で調整するこ
とができる。
【0035】放電容器10を構成する石英ガラスが、蛍
光の放射強度がエキシマ光の放射強度の5%を超えるも
のである場合には、光検出器により可視光を検出するこ
とによっては、真空紫外光の出力を測定することができ
ないため、誘電体バリア放電ランプからの真空紫外光の
出力を高い精度で調整することが困難となる。
【0036】図2は、本発明の放電ランプを低圧水銀ラ
ンプとして構成した場合の一例を示す説明用断面図であ
る。この低圧水銀ランプにおいては、放電空間を形成す
る放電容器として非蛍光性石英ガラスよりなる管型の封
体20が設けられている。この封体20の両端部には、
それぞれ封止部21,22が形成され、各封止部21,
22には、タングステンよりなるリード線23,24
が、2本ずつ封止部21,22を貫通して封体20の軸
方向に沿って伸びるよう設けられている。リード線23
およびリード線24の各々の内端部には、表面に電子放
射材が塗布されたタングステンコイルよりなる熱陰極型
の電極25,26が、封体20の封止部21,22の各
々における2本のリード線23,24の間に接続された
状態で設けられており、封体20内における電極25,
26の間に放電空間Sが形成されている。
【0037】封体20を構成する非蛍光性石英ガラスと
しては、当該低圧水銀ランプの定格動作状態において生
ずる波長650nm付近における蛍光が目視で観測され
ないものであって、好ましくは、前記波長650nm付
近における蛍光の放射強度が、当該低圧水銀ランプから
の真空紫外光の放射強度の10%以下のものが用いられ
る。
【0038】上記の低圧水銀ランプによれば、放電空間
Sから水銀の共鳴線である波長185nmの真空紫外光
と、青緑色の可視光とが、封体20を介して外部に放出
される。そして、封体20が非蛍光性石英ガラスによっ
て構成されているため、封体20自体による発光の強度
が極めて小さく、これにより、肉眼では、放電空間Sか
ら直接放出される青緑色の可視光のみが観測されるの
で、ランプの動作状態を目視により定性的に診断するこ
とができる。
【0039】また、封体20を構成する非蛍光性石英ガ
ラスとして、定格動作状態において生ずる波長650n
m付近における蛍光の放射強度が真空紫外光の放射強度
の10%以下のものを用いることにより、例えばシリコ
ンホトダイオードを具えた光検出器によって可視光を検
出することにより、真空紫外光の出力を擬似的に測定す
ることができる。従って、検出された可視光の強度に基
づいて真空紫外光の出力を高い精度で調整することがで
きる。
【0040】図3は、本発明の真空紫外光源装置の一例
における構成を示す説明用断面図である。真空紫外光源
装置においては、矩形の箱型のランプハウス30内に、
図1に示す構成の3つの誘電体バリア放電ランプ1が収
納されている。
【0041】ランプハウス30は、4つの側面を形成す
る枠材31と、この枠材31の一側を気密に塞ぐよう設
けられたアルミニウムよりなる冷却ブロック32と、枠
材32の他側を気密に塞ぐよう設けられた、非蛍光性石
英ガラスよりなる矩形の窓部材33とにより構成されて
いる。冷却ブロック32の内面には、それぞれ誘電体バ
リア放電ランプ1より大きい外径を有する断面が半円形
の3つの溝34が、互いに離間して並ぶよう形成されて
おり、これらの溝34の各々に沿って誘電体バリア放電
ランプ1が配置されている。35は、冷却ブロック32
を貫通するよう形成された、冷却用流体を流通するため
の冷却用流体流通路である。枠材31の一側面には、ラ
ンプハウス30内に不活性ガスを導入するためのガス導
入孔36が形成されており、枠材31の他側面には、ガ
ス排出孔37が形成されている。
【0042】また、図示の例では、冷却ブロック32に
おける互いに隣接する溝34の間の位置に、アルミニウ
ムよりなる断面がV字形の光反射板38が設けられ、更
に、枠材31には、窓部材33の周囲を囲むよう、内方
に突出する枠形の光反射板39が設けられており、これ
により、高い光の利用率が得られる。
【0043】また、窓部材33の外面には、真空紫外光
を可視光に変換する蛍光体とシリコンホトダイオードと
を具えてなる光検出器40が設けられている。蛍光体と
しては、真空紫外光を544nm付近の可視光に変換す
るLaPO4 :Ce,Tbを用いることができる。
【0044】ランプハウス30の窓部材33を構成する
非蛍光性石英ガラスとしては、誘電体バリア放電ランプ
1の定格動作状態において生ずる波長650nm付近に
おける蛍光の放射強度が、誘電体バリア放電ランプ1か
らの真空紫外光の放射強度の5%以下のものが好まし
い。
【0045】上記の真空紫外光源装置によれば、ガス導
入孔37から不活性ガスが導入されることにより、ラン
プハウス30内が不活性ガスで充満され、この状態で誘
電体バリア放電ランプ1が点灯されると、当該誘電体バ
リア放電ランプ1からの真空紫外光が、窓部材33によ
り矩形状に整形された状態で外部に放出され、その一部
が光検出器40により検出される。ここで、ランプハウ
ス30内は不活性ガスで充満されているため、誘電体バ
リア放電ランプ1からの真空紫外光は当該ランプハウス
30内において吸収されることがない。ランプハウス3
0内の雰囲気が空気である場合には、誘電体バリア放電
ランプ1からの真空紫外光の大部分は当該空気に吸収さ
れて、大きい出力の真空紫外光が得られない。
【0046】そして、窓部材33が非蛍光性石英ガラス
によって構成されているため、当該窓部材33自体によ
る発光の強度が極めて小さく、これにより、肉眼では、
誘電体バリア放電ランプ1から直接放出される可視光の
みが観測され、しかも、可視光の強度は真空紫外光の強
度に比例的であるので、窓部材33を介してランプの動
作状態を目視により定性的に診断することができる。
【0047】また、窓部材33を構成する非蛍光性石英
ガラスとして、誘電体バリア放電ランプ1の定格動作状
態において生ずる波長650nm付近における蛍光の放
射強度が真空紫外光の放射強度の5%以下のものを用い
ることにより、光検出器40によって真空紫外光の出力
が高い精度で測定されるので、真空紫外光の出力を高い
精度で調整することができる。
【0048】図4は、本発明の真空紫外光源装置の他の
例における構成を示す説明用断面図である。この真空紫
外光源装置においては、一面に開口が形成された枠材5
1と、この枠材51の開口に気密に設けられた非蛍光性
石英ガラスよりなる窓部材52とよりなる矩形の箱型の
ランプハウス50が設けられ、このランプハウス50内
に、図2に示す構成の4つの低圧水銀ランプ2が互いに
離間して並ぶよう配置されている。ランプハウス50の
枠材51の一側面には、ランプハウス50内に不活性ガ
スを導入するためのガス導入孔53が形成されており、
枠材51の他側面には、ガス排出孔54が形成されてい
る。また、ランプハウス50内には、低圧水銀ランプ2
の各々の後背部を取り囲むよう、樋状の光反射板55が
設けられている。
【0049】ランプハウス50の窓部材52を構成する
非蛍光性石英ガラスとしては、低圧水銀ランプ2の定格
動作状態において生ずる波長650nm付近における蛍
光の放射強度が、低圧水銀ランプ1からの真空紫外光の
放射強度の10%以下のものを用いることが好ましい。
【0050】上記の真空紫外光源装置によれば、ガス導
入孔53から不活性ガスが導入されることにより、ラン
プハウス50内が不活性ガスで充満され、この状態で低
圧水銀ランプ2が点灯されると、当該低圧水銀ランプ2
からの真空紫外光が、窓部材52により矩形状に整形さ
れた状態で外部に放出される。ここで、ランプハウス5
0内は不活性ガスで充満されているため、低圧水銀ラン
プ2からの真空紫外光は当該ランプハウス50内におい
て吸収されることがない。
【0051】そして、窓部材52が非蛍光性石英ガラス
によって構成されているため、当該窓部材52自体によ
る発光の強度が極めて小さく、これにより、肉眼では、
低圧水銀ランプ2から直接放出される可視光のみが観測
されるので、窓部材52を介してランプの動作状態を目
視により定性的に診断することができる。
【0052】また、窓部材52を構成する非蛍光性石英
ガラスとして、低圧水銀ランプ2の定格動作状態におい
て生ずる波長650nm付近における蛍光の放射強度が
真空紫外光の放射強度の10%以下のものを用いること
により、例えばシリコンホトダイオードを具えた光検出
器によって可視光を検出することにより、真空紫外光の
出力を疑似的に測定することができる。従って、検出さ
れた可視光の強度に基づいて真空紫外光の出力を高い精
度で調整することができる。
【0053】本発明の真空紫外光源装置においては、放
電ランプの放電容器およびランプハウスの窓部材の両方
を非蛍光性石英ガラスにより構成することが好ましい
が、いずれか一方が非蛍光性石英ガラスにより構成され
ていればよい。すなわち、ランプハウスの窓部材を非蛍
光性石英ガラスにより構成する場合には、放電ランプと
しては、真空紫外光を放出するものであれば種々のもの
を用いることができ、一方、放電ランプの放電容器を非
蛍光性石英ガラスにより構成する場合には、ランプハウ
スの窓部材を構成する材料としては、真空紫外光に対し
て透過性を有する種々のものを用いることができる。こ
のような構成によれば、真空紫外光源装置全体の低コス
ト化を図ることができる。
【0054】以上、本発明に係る放電ランプおよび真空
紫外光源装置の実施の形態を説明したが、本発明におい
ては、放電ランプの放電容器またはランプハウスの窓部
材を構成する非蛍光性石英ガラスとして、酸素欠乏度が
−0.01〜0.02の範囲にあり、水酸基の含有割合
が重量比で10〜500ppmの範囲にあり、かつ、塩
素基の含有割合が重量比で5ppm以下、特に1ppm
以下のものを用いることが好ましい。また、石英ガラス
中の・Si−Cl結合の含有割合は、5ppm以下、特
に、1ppm以下であることが好ましい。
【0055】以上において、塩素基の含有割合が重量比
で5ppm以下、特に1ppm以下の非蛍光性石英ガラ
スを用いることが好ましい理由は、以下のとおりであ
る。合成石英ガラス中に含有された塩素基の代表的な形
態である・Si−Cl結合は、約7.8eV(波長約1
60nm)に吸収帯を有するため、遠紫外線または真空
紫外線を放出するランプまたは光源装置の部材の材料と
して、合成石英ガラスを使用する場合には、合成石英ガ
ラスにおける塩素基による光吸収の影響を考慮する必要
がある。特に、キセノンガス若しくはアルゴン−塩素混
合ガスを使用した誘電体バリア放電ランプまたは当該ラ
ンプを具えた光源装置の部材として、合成石英ガラスを
使用する場合には、その発光波長が・Si−Cl結合の
吸収帯に近いため、塩素基による光吸収の影響が大き
い。しかしながら、従来の合成石英ガラスには、塩素基
が20〜100ppm程度含有されており、塩素基によ
る光吸収が大きいため、キセノンガス若しくはアルゴン
−塩素混合ガスなどを使用した誘電体バリア放電用ラン
プまたは低圧水銀ランプ或いはこれらのランプを具えた
光源装置の部材の材料として、従来の合成石英ガラスを
用いると、当該部材の光劣化が著しく、急激な光透過率
の低下を招くという問題が発生する。そこで、本発明者
らは、後述するように、合成石英ガラスの製造プロセス
中における多孔体(スート)の焼結条件を種々改善する
ことにより、合成石英ガラスに含有される塩素基の濃度
を極めて小さい量に抑制する方法を確立し、検討を行っ
たところ、塩素基による光吸収の影響が低減され、遠紫
外線または真空紫外線を放出するランプまたは光源装置
の部材の材料として実用上問題の生じない塩素基の含有
割合は、重量比で5ppm以下であり、この割合が小さ
いほど当該石英ガラスにおける前述の光吸収は減少する
が、1pp以下では、その減少の程度がゆるやかになる
ことを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0056】本発明において、酸素欠乏度とは、下記の
ようにして測定されるものをいう。石英ガラスにエキシ
マレーザ等によって光をを照射することにより、当該石
英ガラスにE´センタ(中心波長210nm〜220n
m)およびNBOHC(中心波長260nm付近)を生
成させると共に、E´センタおよびNBOHCの生成に
よる波長220nmおよび波長260nmにおける吸光
度を経時的に測定する。この測定された吸光度の値を、
横軸が波長220nmにおける吸光度、縦軸が波長26
0nmにおける吸光度であるグラフ上にプロットする。
そして、図5に示すように、波長220nmにおける吸
光度と波長260nmにおける吸光度とは比例するた
め、グラフ上には直線が描かれ、当該直線と横軸との交
点における横軸の値を酸素欠乏度と定義する。
【0057】更に、放電ランプの放電容器またはランプ
ハウスの窓部材を構成する非蛍光性石英ガラスとして
は、・Si−Si・結合の含有割合が5×1016個/c
3 以下であり、当該石英ガラス中に溶存する分子状水
素の含有割合が1015個/cm 3 以上であって溶解度以
下であり、シリコン原子と結合した水素(・Si−H)
の含有割合が6×1016個/cm3 以下のものを用いる
ことが好ましい。ここに、「・Si」は、Siラジカル
を意味する。
【0058】石英ガラス中の・Si−Si・結合は、波
長163nm付近の真空紫外光を吸収する特性を有し、
今井らがPhys.Rev.B Vol.38(198
8)の12772頁で報告しているように、6×10
-17 cm2 /個の吸収断面積を有するため、真空紫外吸
収スペクトルを測定すれば、・Si−Si・結合の含有
割合を求めることができる。
【0059】石英ガラス中に溶存する分子状水素の含有
量は、レーザラマンスペクトルの4135cm-1のピー
クより検出することができ、V.S.Khotimch
enko等によってZhurnal Prikladn
oi Spekroskopii Vol.46(19
87)の987頁に記されている係数を用いて定量化す
ることができる。
【0060】シリコン原子に結合した水素(・Si−
H)の含有量は、レーザラマンスペクトルの2250c
-1のピークより検出することができる。また、この定
量化係数を求めたところ、シリコン原子に結合した水素
(・Si−H)の含有量の検出限界は6×1016個/c
3 であることが確認された。従って、シリコン原子に
結合した水素(・Si−H)は、いかなる方法によって
も検出されないことが好ましい。
【0061】以上の条件を満足する非蛍光性石英ガラス
は、波長650nm付近の蛍光が極めて小さく、しか
も、波長172nm、175nmまたは185nmの真
空紫外光が長時間照射されても、当該波長域における真
空紫外光の透過率の低下が極めて小さいものであること
が実験的に確認された。以下に、その実験例を示す。
【0062】下記の(イ)、(ロ)および(ハ)の石英
ガラスを製造し、これらの石英ガラスに、照射照度が1
2mW/cm2 の条件で、波長172nmの真空紫外光
を照射し、当該石英ガラスの波長172nmにおける吸
収係数の変化を測定した。結果を図6に示す。
【0063】石英ガラス(イ):酸素欠乏度;0.0
1,水酸基の含有割合;90ppm、塩素基の含有割
合;0.5ppm,・Si−Si・結合の含有割合;5
×1015個/cm3 ,分子状水素の含有割合;1×10
17個/cm3 、シリコン原子に結合した水素(・Si−
H)の含有割合;6×1016個/cm3 未満, 石英ガラス(ロ):酸素欠乏度;0.005,水酸基の
含有割合;50ppm、塩素基の含有割合;0.5pp
m,・Si−Si・結合の含有割合;5×10 15個/c
3 ,分子状水素の含有割合;3×1017個/cm3
シリコン原子に結合した水素(・Si−H)の含有割
合;6×1016個/cm3 未満, 石英ガラス(ハ):酸素欠乏度;−0.03,水酸基の
含有割合;900ppm,塩素基の含有割合;30pp
m,・Si−Si・結合の含有割合;7×10 16個/c
3 ,分子状水素の含有割合;1×1015個/cm3
シリコン原子に結合した水素(・Si−H)の含有割
合;7×1016個/cm3
【0064】図6に示すように、石英ガラス(イ)にお
いては、真空紫外光が照射された直後では、吸収係数が
急激に増加するが、短時間で飽和してしまい一定になっ
た。すなわち、真空紫外光の透過率は、当該真空紫外光
が照射された直後では急激に低下するが、短時間で飽和
してしまい一定となる。このような特性は、水酸基の含
有割合が30ppmから500ppmの範囲であって、
かつ、塩素基の含有割合が5ppm以下の範囲である石
英ガラスにおいて同様であった。また、石英ガラス
(ロ)においては、真空紫外光の照射時間が経過するに
伴って、吸収係数はゆっくり増加し、その後、飽和して
一定となった。このような特性は、水酸基の含有割合が
10ppmから70ppmの範囲であって、かつ、塩素
基の含有割合が5ppm以下の範囲である石英ガラスに
おいて同様であった。但し、水酸基の含有割合が高いほ
ど、吸収係数が飽和状態に達するまでの時間が短くなっ
た。また、石英ガラス(ハ)においては、真空紫外光の
照射時間が経過するにつれて、吸収係数は増加し続け
た。
【0065】そして、放電容器または窓部材を構成する
材料として、上記の条件を満足する特定の非蛍光性石英
ガラスを用いることにより、当該放電容器または窓部材
は、真空紫外光の照射による透過率が低下することがな
いため、長い使用寿命が得られる。
【0066】以上において、酸素欠乏度が−0.01未
満の場合には、当該石英ガラスは、真空紫外光の照射に
よって生ずる波長650nm付近の発光の強度が大きい
ものとなり、酸素欠乏度が0.02を超える場合には、
当該石英ガラスは、E´センタの生成が顕著になり、E
´センタによる真空紫外光の透過率の低下が大きいもの
となるため、実用に適さない。
【0067】水酸基の含有割合が10ppm未満の場合
には、塩素等のハロゲン不純物を含有しない石英ガラス
を製造するには、極めて高いコストが必要となり、不経
済である。一方、水酸基の含有割合が500ppmを超
える場合には、水酸基の存在に起因する石英ガラスの真
空紫外吸収端が長波長側に移動するので、放電用ガスと
してキセノンガスを使用した誘電体バリア放電ランプま
たはこれを具えた真空紫外光源装置においては、波長1
72nmに中心を有し、半値全幅が14nmであるキセ
ノンエキシマ光の短波長側の出力が低下するという欠点
が生じる。
【0068】・Si−Si・結合の含有割合が5×10
16個/cm3 を超える場合には、当該石英ガラスの波長
163nm付近における吸収が大きくなり、波長172
nmに中心を有し、半値全幅が14nmであるキセノン
エキシマ光の短波長側の初期出力が低下するという欠点
が生じる。
【0069】分子状水素の含有割合が1015個/cm3
未満の場合には、当該石英ガラスは、波長650nm付
近に中心波長を有する蛍光の発生が顕著なものとなり、
劣化の進行が速いものとなる。従って、真空紫外光の照
射による石英ガラスの劣化の進行を防止する観点から、
分子状水素の含有割合は1015個/cm3 以上溶解度以
下であれば大きいほど好ましい。
【0070】シリコン原子に結合した水素(・Si−
H)の含有割合が6×1016個/cm 3 を超える場合に
は、石英ガラスの真空紫外光の照射による劣化が生じや
すくなり、石英ガラスの真空紫外光の透過率の低下が非
常に促進されるという欠点が生じる。
【0071】上記の特定の非蛍光性石英ガラスは、例え
ば次のような方法により製造することができる。高純度
珪素化合物である四塩化珪素を原料とし、酸水素火炎中
で気相化学反応により石英ガラス微粒子を合成するとと
もにこれを堆積させ、例えばその直径が35cmで長さ
が100cmの多孔体(スート)を合成する。次に、こ
の合成された多孔体を、真空炉内において減圧下で例え
ば1550℃の条件で熱処理して焼結させることによ
り、例えば直径が120〜135mm、長さが650m
mの石英ガラスロッド(プリフォーム)を製造する。こ
の石英ガラスロッドを、所望の形状例えば管状または板
状に加工した後、雰囲気炉に入れ、水素雰囲気下で熱処
理を行って分子状水素を十分拡散させることにより、水
酸基の含有割合が重量比で30ppmから500ppm
の範囲であって、かつ、塩素基の含有割合が重量比で5
ppm以下の範囲である非蛍光性石英ガラスが得られ
る。また、石英ガラスロッドの製造工程において、多孔
体を、例えば1250℃の条件で仮焼き処理した後、1
550℃の条件で熱処理して焼結させることにより、水
酸基の含有割合が重量比で10ppmから70ppmの
範囲であって、かつ、塩素基の含有割合が重量比で5p
pm以下の範囲である非蛍光性石英ガラスが得られる。
【0072】
〔非蛍光性石英ガラスA〕
酸素欠乏度;−0.005, 水酸基の含有割合;160ppm, 塩素基の含有割合;3ppm, ・Si−Si・結合の含有割合:1×1015個/c
3 , 分子状水素の含有割合:8×1016個/cm3 , シリコン原子と結合した水素(・Si−H)の含有割
合:6×1016個/cm 3 未満 〔非蛍光性石英ガラスB〕 酸素欠乏度;0.004, 水酸基の含有割合;80ppm, 塩素基の含有割合;1ppm, ・Si−Si・結合の含有割合:2×1015個/c
3 , 分子状水素の含有割合:4×1016個/cm3 , シリコン原子と結合した水素(・Si−H)の含有割
合:6×1016個/cm 3 未満 〔非蛍光性石英ガラスC〕 酸素欠乏度;0.007, 水酸基の含有割合;40ppm, 塩素基の含有割合;0.5ppm, ・Si−Si・結合の含有割合:9×1015個/c
3 , 分子状水素の含有割合:9×1015個/cm3 , シリコン原子と結合した水素(・Si−H)の含有割
合:6×1016個/cm 3 未満
【0073】〈実施例1〉下記の条件により、図1に示
す構成の誘電体バリア放電ランプを作製した。 一方の壁材(11):材質;非蛍光性合成石英ガラス
A,全長約300mm,外径約26mm,内径約24m
m(肉厚1mm), 他方の壁材(12):材質;非蛍光性合成石英ガラス
A,全長約200mm,外径14mm,内径12mm
(肉厚1mm), 一方の電極(16):ステンレス金網製, 他方の電極(18):アルミニウム製, 放電用ガス:キセノン(圧力30kPa)
【0074】上記の誘電体バリア放電ランプを3本使用
して、下記の条件により、図3に示す構成の真空紫外光
源装置を作製した。 窓部材(33):材質;非蛍光性合成石英ガラスA,寸
法170mm×170mm×3mm, V字形反射板(38):材質;アルミニウム,全長17
0mm, 枠形光反射板(39):材質;アルミニウム,寸法17
0mm×170mm×20mm, ランプハウス(30)内への導入ガス:窒素ガス
【0075】上記の真空紫外光源装置において、電源
(E)により、印加電圧が約10kV、周波数が20k
Hzの条件で、誘電体バリア放電ランプを点灯させたと
ころ、消費電力は約110Wであり、波長172nm
(キセノンエキシマから放出されるエキシマ光の波長)
に最大値を有する波長160〜180nmの範囲の真空
紫外光が放出された。
【0076】また、ランプハウス(30)の窓部材(3
3)の外表面において、石英ガラスによる波長650n
m付近における蛍光の放射強度を測定したところ、誘電
体バリア放電ランプから放出されるエキシマ光の放射強
度の1%であり、石英ガラスによる蛍光である赤色光
は、目視で観測されなかった。また、真空紫外光源装置
を作動させ、誘電体バリア放電ランプの放電容器(1
0)およびランプハウス(30)の窓部材(33)の透
過率の変化を測定したところ、100時間経過後に初期
の約80%となったが、それ以降は低下せず、1000
時間経過後においても透過率が初期の77%であった。
【0077】〈実施例2〉誘電体バリア放電ランプの一
方の壁材(11)および他方の壁材(12)を通常の蛍
光性を有する合成石英ガラスにより構成したこと以外
は、実施例1と同様の条件により真空紫外光源装置を作
製した。この真空紫外光源装置の誘電体バリア放電ラン
プを、実施例1と同様の条件で点灯させたところ、波長
172nmに最大値を有する波長160〜180nmの
範囲の真空紫外光が放出された。
【0078】また、ランプハウス(30)の窓部材(3
3)の外表面において、石英ガラスによる波長650n
m付近における蛍光の放射強度を測定したところ、誘電
体バリア放電ランプから放出されるエキシマ光の放射強
度の3%であり、石英ガラスによる蛍光である赤色光
は、目視で観測されないものであった。また、真空紫外
光源装置を作動させ、ランプハウス(30)の窓部材
(33)の透過率の変化を測定したところ、100時間
経過後に初期の約75%となったが、それ以降は低下せ
ず、1000時間経過後においても透過率が初期の72
%であった。
【0079】〈実施例3〉誘電体バリア放電ランプの一
方の壁材(11)および他方の壁材(12)並びにラン
プハウス(30)の窓部材(33)を非蛍光性石英ガラ
スBにより構成したこと以外は、実施例1と同様の条件
により誘電体バリア放電ランプを作製し、真空紫外光源
装置を作製した。この真空紫外光源装置の誘電体バリア
放電ランプを、実施例1と同様の条件で点灯させたとこ
ろ、波長172nmに最大値を有する波長160〜18
0nmの範囲の真空紫外光が放出された。
【0080】また、ランプハウス(30)の窓部材(3
3)の外表面において、石英ガラスによる波長650n
m付近における蛍光の放射強度を測定したところ、誘電
体バリア放電ランプから放出されるエキシマ光の放射強
度の0.6%であり、石英ガラスによる蛍光である赤色
光は、目視で観測されなかった。また、真空紫外光源装
置を作動させ、誘電体バリア放電ランプの放電容器(1
0)およびランプハウス(30)の窓部材(33)の透
過率の変化を測定したところ、500時間経過後におい
ても透過率が初期の75%であった。
【0081】〈実施例4〉放電用ガスとして、キセノン
ガスの代わりにアルゴンガス(圧力30kPa)と塩素
ガスとの混合ガスを用い、ゲッタ収容室およびゲッタを
設けなかったこと以外は、実施例2と同様の条件により
誘電体バリア放電ランプを作製し、真空紫外光源装置を
作製した。
【0082】上記の真空紫外光源装置において、電源
(E)により、印加電圧が約12kV、周波数が20k
Hzの条件で、誘電体バリア放電ランプを点灯させたと
ころ、消費電力は約100Wであり、波長175nm
(アルゴン元素と塩素元素とによるエキシマから放出さ
れるエキシマ光の波長)に最大値を有し、半値全幅が約
2nmの真空紫外光が放出された。
【0083】また、ランプハウス(30)の窓部材(3
3)の外表面において、石英ガラスによる波長650n
m付近における蛍光の放射強度を測定したところ、誘電
体バリア放電ランプから放出されるエキシマ光の放射強
度の0.5%であり、石英ガラスによる蛍光である赤色
光は、目視で観測されないものであった。また、真空紫
外光源装置を作動させ、ランプハウス(30)の窓部材
(33)の透過率の変化を測定したところ、100時間
経過後に初期の約90%となったが、それ以降は低下せ
ず、500時間経過後においても透過率が初期の85%
であった。
【0084】〈実施例5〉下記の条件により、図1に示
す構成の低圧水銀ランプを作製した。 封体(20):材質;非蛍光性合成石英ガラスC,全長
60mm,外径16mm,内径14mm(肉厚1m
m), リード線(23,24):ニッケル製, 電極(25,26):表面に(Ba,Sr,Ca)Oを
主成分とする電子放射材が塗布されたタングステンコイ
【0085】上記の低圧水銀ランプを4本使用して、下
記の条件により、図4に示す構成の真空紫外光源装置を
作製した。 窓部材(52):材質;非蛍光性合成石英ガラスC,寸
法170mm×170mm×3mm, 光反射板(55):材質;アルミニウム, 導入ガス:窒素ガス
【0086】上記の真空紫外光源装置において、全ラン
プ電力200Wでの条件で、低圧水銀ランプを点灯させ
たところ、消費電力は約40Wであり、水銀の共鳴線で
ある波長185nmの真空紫外光と波長254nmの紫
外線とが放出された。
【0087】また、ランプハウス(50)の窓部材(5
2)の外表面において、石英ガラスによる波長650n
m付近における蛍光の放射強度を測定したところ、低圧
水銀ランプから放出される真空紫外光の放射強度の2%
であり、石英ガラスによる蛍光である赤色光は、目視で
観測されないものであった。また、真空紫外光源装置を
作動させ、低圧水銀ランプの封体(20)およびランプ
ハウス(50)の窓部材(52)の透過率の変化を測定
したところ、1000時間経過後においても透過率が初
期の78%であり、使用寿命の長いものであった。
【0088】
【発明の効果】本発明の放電ランプおよび真空紫外光源
装置によれば、放電容器または窓部材が非蛍光性石英ガ
ラスにより構成されているため、肉眼では、放電空間に
おいて発生する放電プラズマから直接放出される可視光
線のみが観測されるので、ランプの動作状態を目視によ
り定性的に診断することができる。
【0089】また、放電容器または窓部材を構成する材
料として、特定の非蛍光性石英ガラスを用いることによ
り、当該放電容器または窓部材は、真空紫外光の照射に
よる透過率が低下することがないため、長い使用寿命が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電ランプを誘電体バリア放電ランプ
として構成した場合の一例を示す説明用断面図である。
【図2】本発明の放電ランプを低圧水銀ランプとして構
成した場合の一例を示す説明用断面図である。
【図3】本発明の真空紫外光源装置の一例における構成
を示す説明用断面図である。
【図4】本発明の真空紫外光源装置の他の例における構
成を示す説明用断面図である。
【図5】酸素欠乏度を求めるために用いられる波長22
0nmおよび260nmの吸光度の関係を示す図であ
る。
【図6】真空紫外光の照射による石英ガラスの透過率の
変化を示す図である。
【符号の説明】
1 誘電体バリア放電ランプ 2 低圧水銀ランプ 10 放電容器 11 一方の壁材 12 他方の壁材 13,14 封止壁部 15 外周面 16 一方の電極 17 外面 18 他方の電極 19 変形部 20 封体 21,22 封止部 23,24 リード線 25,26 電極 30 ランプハウス 31 枠材 32 冷却ブロック 33 窓部材 34 溝 35 流通路 36 ガス導入孔 37 ガス排出孔 38 V字形光反射板 39 枠形光反射板 40 光検出器 50 ランプハウス 51 枠材 52 窓部材 53 ガス導入孔 54 ガス排出孔 55 樋状光反射板 E 電源 G ゲッタ K ゲッタ収容室 S 放電空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 龍志 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 竹元 史敏 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 笠木 邦雄 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 中村 哲之 兵庫県尼崎市東向島東之町1番地 住金石 英株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を形成する放電容器を有し、真
    空紫外光を放出する放電ランプにおいて、 前記放電容器は、当該放電ランプの定格動作状態におい
    て、波長650nm付近における蛍光が目視で観測され
    ない特定の石英ガラスにより構成されていることを特徴
    とする放電ランプ。
  2. 【請求項2】 放電容器内に、キセノンガスよりなる放
    電用ガスまたはアルゴンガスと塩素ガスとの混合ガスよ
    りなる放電用ガスが充填され、誘電体バリア放電により
    エキシマが生成されて真空紫外光が放出される誘電体バ
    リア放電ランプであることを特徴とする請求項1に記載
    の放電ランプ。
  3. 【請求項3】 放電容器を構成する非蛍光性石英ガラス
    は、当該放電ランプの定格動作状態において生ずる波長
    650nm付近における蛍光の放射強度が、当該放電ラ
    ンプからの真空紫外光の放射強度の5%以下のものであ
    ることを特徴とする請求項2に記載の放電ランプ。
  4. 【請求項4】 低圧水銀ランプであることを特徴とする
    請求項1に記載の放電ランプ。
  5. 【請求項5】 放電容器を構成する特定の石英ガラス
    は、当該放電ランプの定格動作状態において生ずる波長
    650nm付近における蛍光の放射強度が、当該放電ラ
    ンプからの真空紫外光の放射強度の10%以下のもので
    あることを特徴とする請求項4に記載の放電ランプ。
  6. 【請求項6】 放電容器を構成する特定の石英ガラス
    は、酸素欠乏度が−0.01〜0.02の範囲にあり、
    水酸基の含有割合が重量比で10〜500ppmの範囲
    にあり、かつ、塩素基の含有割合が重量比で5ppm以
    下のものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれかに記載の放電ランプ。
  7. 【請求項7】 放電容器を構成する特定の石英ガラス
    は、・Si−Si・結合の含有割合が5×1016個/c
    3 以下であり、当該非蛍光性石英ガラス中に溶存する
    分子状水素の含有割合が1015個/cm3 以上であって
    溶解度以下であり、シリコン原子と結合した水素(・S
    i−H)の含有割合が6×1016個/cm3 以下のもの
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれ
    かに記載の放電ランプ。
  8. 【請求項8】 放電空間を形成する放電容器を有し、真
    空紫外光を放出する放電ランプと、 この放電ランプを収納し、当該放電ランプからの真空紫
    外光を取り出す窓部材を有するランプハウスとを具えて
    なり、 前記ランプハウス内が不活性ガスで充満された状態で作
    動される真空紫外光源装置において、 前記放電ランプの放電容器およびランプハウスの窓部材
    の少なくとも一方は、当該放電ランプの定格動作状態に
    おいて、波長650nm付近における蛍光が目視で観測
    されない特定の石英ガラスで構成されていることを特徴
    とする真空紫外光源装置。
  9. 【請求項9】 放電ランプは、放電容器内に、放電用ガ
    スとしてキセノンガスまたはアルゴンガスと塩素ガスと
    の混合ガスが充填され、誘電体バリア放電によりエキシ
    マが生成されて真空紫外光が放出される誘電体バリア放
    電ランプであることを特徴とする請求項8に記載の真空
    紫外光源装置。
  10. 【請求項10】 放電ランプの放電容器およびランプハ
    ウスの窓部材の少なくとも一方を構成する特定の石英ガ
    ラスは、当該放電ランプの定格動作状態において生ずる
    波長650nm付近における蛍光の放射強度が、当該放
    電ランプからの真空紫外光の放射強度の5%以下のもの
    であることを特徴とする請求項9に記載の真空紫外光源
    装置。
  11. 【請求項11】 放電ランプは、低圧水銀ランプである
    ことを特徴とする請求項8に記載の真空紫外光源装置。
  12. 【請求項12】 放電ランプの放電容器およびランプハ
    ウスの窓部材の少なくとも一方を構成する特定の石英ガ
    ラスは、当該放電ランプの定格動作状態において生ずる
    波長650nm付近における蛍光の放射強度が、当該放
    電ランプからの真空紫外光の放射強度の10%以下のも
    のであることを特徴とする請求項11に記載の真空紫外
    光源装置。
  13. 【請求項13】 放電ランプの放電容器およびランプハ
    ウスの窓部材の少なくとも一方を構成する特定の石英ガ
    ラスは、酸素欠乏度が−0.01〜0.02の範囲にあ
    り、水酸基の含有割合が重量比で10〜500ppmの
    範囲にあり、かつ、塩素基の含有割合が重量比で5pp
    m以下のものであることを特徴とする請求項8乃至請求
    項12のいずれかに記載の真空紫外光源装置装置。
  14. 【請求項14】 放電ランプの放電容器およびランプハ
    ウスの窓部材の少なくとも一方を構成する特定の石英ガ
    ラスは、・Si−Si・結合の含有割合が、5×1016
    個/cm3 以下であり、当該石英ガラス中に溶存する分
    子状水素の含有割合が1015個/cm3 以上であって溶
    解度以下であり、シリコン原子と結合した水素(・Si
    −H)の含有割合が6×1016個/cm3 以下のもので
    あることを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれ
    かに記載の真空紫外光源装置。
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