JPH09170008A - 高炉における微粉炭多量吹込み操業方法 - Google Patents
高炉における微粉炭多量吹込み操業方法Info
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- JPH09170008A JPH09170008A JP34828495A JP34828495A JPH09170008A JP H09170008 A JPH09170008 A JP H09170008A JP 34828495 A JP34828495 A JP 34828495A JP 34828495 A JP34828495 A JP 34828495A JP H09170008 A JPH09170008 A JP H09170008A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 170kg/tあるいはそれ以上の微粉炭多
量吹込み下で、コークス強度を向上させることなく、レ
ースウェイ内での旋回磨耗による粉コークス発生量が増
加を抑制し、生産量、燃料比を維持する。 【解決手段】 微粉炭の吹込み量に応じて、炉頂から装
入するコークスの熱間反応性(CRI)あるいはコーク
スのJIS反応性(JISR)を変更する。
量吹込み下で、コークス強度を向上させることなく、レ
ースウェイ内での旋回磨耗による粉コークス発生量が増
加を抑制し、生産量、燃料比を維持する。 【解決手段】 微粉炭の吹込み量に応じて、炉頂から装
入するコークスの熱間反応性(CRI)あるいはコーク
スのJIS反応性(JISR)を変更する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉の羽口部から
微粉炭をその内部に多量に吹込むに当たり、微粉炭が燃
焼する際に多量の粉コークスが生成するのを抑制して高
炉の通気性を確保し、生産性を向上させると共に燃料比
を低下させる高炉操業方法に関する。
微粉炭をその内部に多量に吹込むに当たり、微粉炭が燃
焼する際に多量の粉コークスが生成するのを抑制して高
炉の通気性を確保し、生産性を向上させると共に燃料比
を低下させる高炉操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉操業にあっては、コークスの代替と
して、安価で燃焼性が良く発熱量の高い燃料(微粉炭、
石油、重油、ナフサ等)を羽口部より吹込み、溶銑製造
コストの低減、生産性の向上を図ってきており、例えば
特公昭40−23763号公報にその技術が開示されて
いる。特に直近では価格の点から微粉炭吹込みが主流と
なっており、燃料比低減(コスト低減)並びに生産性向
上に大きく寄与している。
して、安価で燃焼性が良く発熱量の高い燃料(微粉炭、
石油、重油、ナフサ等)を羽口部より吹込み、溶銑製造
コストの低減、生産性の向上を図ってきており、例えば
特公昭40−23763号公報にその技術が開示されて
いる。特に直近では価格の点から微粉炭吹込みが主流と
なっており、燃料比低減(コスト低減)並びに生産性向
上に大きく寄与している。
【0003】こうして高炉に吹込まれる微粉炭は、高炉
内で一部のコークスの代りとして燃焼し、その燃焼性の
良さと高い発熱量のために、高温で多量の還元ガスを生
成し、効率的な還元反応を行う。従って、炉頂から装入
された鉄鉱石は、迅速に金属状態まで還元されると共
に、溶融して高温の溶銑となり、高炉の炉熱が高くなっ
て生産性が向上する。
内で一部のコークスの代りとして燃焼し、その燃焼性の
良さと高い発熱量のために、高温で多量の還元ガスを生
成し、効率的な還元反応を行う。従って、炉頂から装入
された鉄鉱石は、迅速に金属状態まで還元されると共
に、溶融して高温の溶銑となり、高炉の炉熱が高くなっ
て生産性が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の高炉
操業においては、微粉炭を多量に吹込むと、吹込んだ微
粉炭の全量が燃焼されず、一部は未燃チャーとなる。こ
の未燃チャーは、上昇ガス流に乗って炉頂より排出され
るため、微粉炭のコークスに対する置換率が低下し、燃
料比の上昇、生産量の低下を引き起こす。また、この未
燃チャーは高炉炉下部中心のコークス層(炉芯と称す
る)にも捕捉されるため、この部分を流下する溶銑滓の
通液性を阻害し、ひいてはこの部分のガスの通気性を阻
害することになって、高炉の生産量はさらに低下する。
操業においては、微粉炭を多量に吹込むと、吹込んだ微
粉炭の全量が燃焼されず、一部は未燃チャーとなる。こ
の未燃チャーは、上昇ガス流に乗って炉頂より排出され
るため、微粉炭のコークスに対する置換率が低下し、燃
料比の上昇、生産量の低下を引き起こす。また、この未
燃チャーは高炉炉下部中心のコークス層(炉芯と称す
る)にも捕捉されるため、この部分を流下する溶銑滓の
通液性を阻害し、ひいてはこの部分のガスの通気性を阻
害することになって、高炉の生産量はさらに低下する。
【0005】このため、高炉における微粉炭の吹込み量
に上限を設けることによって、次に示す過剰酸素率を
1.0以上に維持している。 (過剰酸素率)=(羽口部より吹込まれる空気、純酸
素、および微粉炭中の合計酸素量)/(微粉炭中の炭
素、水素を燃焼してCO2,H2 Oにするのに必要な酸
素量) 過剰酸素率が1.0以上の場合は、レースウェイ内で微
粉炭中の炭素、水素が全量下記(1),(2)式の反応
によりCO2 とH2 Oとなり、さらに、レースウェイ内
のコークスと下記(3),(4)式の反応を行って、全
量COとH2 となるため、未燃チャーは発生しない。 C+O2 =CO2 ・・・(1) 2H+1/2O2 =H2 O ・・・(2) C+CO2 =2CO ・・・(3) H2 O+C=CO+H2 ・・・(4)
に上限を設けることによって、次に示す過剰酸素率を
1.0以上に維持している。 (過剰酸素率)=(羽口部より吹込まれる空気、純酸
素、および微粉炭中の合計酸素量)/(微粉炭中の炭
素、水素を燃焼してCO2,H2 Oにするのに必要な酸
素量) 過剰酸素率が1.0以上の場合は、レースウェイ内で微
粉炭中の炭素、水素が全量下記(1),(2)式の反応
によりCO2 とH2 Oとなり、さらに、レースウェイ内
のコークスと下記(3),(4)式の反応を行って、全
量COとH2 となるため、未燃チャーは発生しない。 C+O2 =CO2 ・・・(1) 2H+1/2O2 =H2 O ・・・(2) C+CO2 =2CO ・・・(3) H2 O+C=CO+H2 ・・・(4)
【0006】ところが、過剰酸素率が1.0未満の場合
は全量がCO2 とH2 Oとにはならず、一部は燃焼せず
にCのまま残り未燃チャーを生成する。この未燃チャー
が、前述したように、置換率の低下、通気不良の原因と
なる。高炉の燃料比が500kg/t−pig(以下−
pigを省略する)のとき、過剰酸素率が1.0ならば
微粉炭吹込み量は170kg/tであり、この量が微粉
炭吹込みの限界である。
は全量がCO2 とH2 Oとにはならず、一部は燃焼せず
にCのまま残り未燃チャーを生成する。この未燃チャー
が、前述したように、置換率の低下、通気不良の原因と
なる。高炉の燃料比が500kg/t−pig(以下−
pigを省略する)のとき、過剰酸素率が1.0ならば
微粉炭吹込み量は170kg/tであり、この量が微粉
炭吹込みの限界である。
【0007】このように過剰酸素率1.0(微粉炭吹込
み量170kg/t)の条件下では、未燃チャーが発生
しない。ところが、コークスは(1)式の反応によって
は消費されず、微粉炭燃焼〔(1),(2)式の反応〕
によって生成したCO2 ,H2 Oとの反応〔(3),
(4)式の反応〕による消費だけであるから、消費速度
は遅い。すなわち、コークスのレースウェイ内での旋回
滞留時間が長くなり、旋回磨耗による粉コークス発生量
が増加する。また、発生した粉コークスは一般的に反応
性が低いから、反応による消費速度が遅く、また炉芯に
捕捉されやすいため、この部分を流下する溶銑滓の通液
性を阻害し、ひいてはこの部分のガスの通気性をも阻害
することになって、未燃チャーの影響はないものの、粉
コークスによって高炉の生産量は低下する。
み量170kg/t)の条件下では、未燃チャーが発生
しない。ところが、コークスは(1)式の反応によって
は消費されず、微粉炭燃焼〔(1),(2)式の反応〕
によって生成したCO2 ,H2 Oとの反応〔(3),
(4)式の反応〕による消費だけであるから、消費速度
は遅い。すなわち、コークスのレースウェイ内での旋回
滞留時間が長くなり、旋回磨耗による粉コークス発生量
が増加する。また、発生した粉コークスは一般的に反応
性が低いから、反応による消費速度が遅く、また炉芯に
捕捉されやすいため、この部分を流下する溶銑滓の通液
性を阻害し、ひいてはこの部分のガスの通気性をも阻害
することになって、未燃チャーの影響はないものの、粉
コークスによって高炉の生産量は低下する。
【0008】一方、微粉炭吹込み量が170kg/tを
越えたときに発生する未燃チャーは、同時に発生する粉
コークスに比較して、中空球状を呈していることから反
応性が高いため、粉コークスよりも優先的に消費される
特性をもつ。そこで、もし粉コークスの発生量が少なけ
れば、微粉炭吹込み量を170kg/t以上に安定的に
実現することができる可能性があるが、実際には粉コー
クス発生量が多くなるため、この粉コークスの発生を抑
制するために、微粉炭吹込み量を170kg/tよりも
低く抑えざるを得ず、燃料比の低下、生産性の向上には
限界があった。また、微粉炭吹込み量を170kg/t
に維持するためには、粉コークスの発生を抑制する必要
があり、コークスの冷間強度を向上させる対策を取らざ
るを得ず、コークス製造コストが上昇していた。
越えたときに発生する未燃チャーは、同時に発生する粉
コークスに比較して、中空球状を呈していることから反
応性が高いため、粉コークスよりも優先的に消費される
特性をもつ。そこで、もし粉コークスの発生量が少なけ
れば、微粉炭吹込み量を170kg/t以上に安定的に
実現することができる可能性があるが、実際には粉コー
クス発生量が多くなるため、この粉コークスの発生を抑
制するために、微粉炭吹込み量を170kg/tよりも
低く抑えざるを得ず、燃料比の低下、生産性の向上には
限界があった。また、微粉炭吹込み量を170kg/t
に維持するためには、粉コークスの発生を抑制する必要
があり、コークスの冷間強度を向上させる対策を取らざ
るを得ず、コークス製造コストが上昇していた。
【0009】そこで本発明は、微粉炭吹込み量を170
kg/tあるいはそれ以上にしても、コークス冷間強度
を向上させずに、レースウェイ内での旋回磨耗による粉
コークス発生量の増加を抑制して生産量、燃料比を維持
することを可能とする方法を提供することを目的とす
る。
kg/tあるいはそれ以上にしても、コークス冷間強度
を向上させずに、レースウェイ内での旋回磨耗による粉
コークス発生量の増加を抑制して生産量、燃料比を維持
することを可能とする方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の、高炉における
微粉炭多量吹込み操業方法は、その目的を達成するため
に、高炉の羽口部から微粉炭をその内部に多量に吹込む
際に、微粉炭の吹込み量に応じて、炉頂から装入するコ
ークスの熱間反応性(CRI)を変更することを特徴と
する。あるいは、微粉炭の吹込み量に応じて、炉頂から
装入するコークスのJIS反応性(JISR)を変更す
ることを特徴とする。
微粉炭多量吹込み操業方法は、その目的を達成するため
に、高炉の羽口部から微粉炭をその内部に多量に吹込む
際に、微粉炭の吹込み量に応じて、炉頂から装入するコ
ークスの熱間反応性(CRI)を変更することを特徴と
する。あるいは、微粉炭の吹込み量に応じて、炉頂から
装入するコークスのJIS反応性(JISR)を変更す
ることを特徴とする。
【0011】なお、本発明で使用するコークスの熱間反
応性(Coke Strengthafter Rea
ction.CRIと略す)は、20±1mmの粒径に
粒度調整されたコークスを、1100℃でCO2 =10
0%のガスを5リットル/分流して、このガスと2時間
反応させたときのコークスの重量減少率(%)で定義す
る。また、本発明で使用するコークスのJIS反応性
(JIS Reactivity.JISRと略す)
は、JIS K 2151−1977の反応性試験方法
で測定したときの値を用いる。
応性(Coke Strengthafter Rea
ction.CRIと略す)は、20±1mmの粒径に
粒度調整されたコークスを、1100℃でCO2 =10
0%のガスを5リットル/分流して、このガスと2時間
反応させたときのコークスの重量減少率(%)で定義す
る。また、本発明で使用するコークスのJIS反応性
(JIS Reactivity.JISRと略す)
は、JIS K 2151−1977の反応性試験方法
で測定したときの値を用いる。
【0012】
【発明の実施の形態】通常の高炉操業において、コーク
スは、レースウェイ内に侵入する前に、1000℃以上
の温度で鉄鉱石のCOガス還元によって生じたCO2 ガ
スにより、(3)式に基づくソルーションロス反応を受
け、コークス表面が消失すると共に、表面に気孔が多く
強度の低い劣化層が残存する。この劣化層は温度が10
00℃以上の高炉下部を降下する際に磨耗を主とした衝
撃を受け、その一部が粉化して粉コークスとなるが、レ
ースウェイ内に侵入する時点でも劣化層は残存してい
る。
スは、レースウェイ内に侵入する前に、1000℃以上
の温度で鉄鉱石のCOガス還元によって生じたCO2 ガ
スにより、(3)式に基づくソルーションロス反応を受
け、コークス表面が消失すると共に、表面に気孔が多く
強度の低い劣化層が残存する。この劣化層は温度が10
00℃以上の高炉下部を降下する際に磨耗を主とした衝
撃を受け、その一部が粉化して粉コークスとなるが、レ
ースウェイ内に侵入する時点でも劣化層は残存してい
る。
【0013】もし、微粉炭吹込み量が170kg/tよ
りもかなり低くて、例えば100kg/t程度であれ
ば、過剰酸素率は1.0よりもかなり高くて1.4程度
となるため、微粉炭が(1),(2)式の反応により全
量燃焼した後でも、まだO2 がレースウェイ内に残存し
ている。従って、レースウェイ内に侵入したコークスは
(1)式の反応を受ける。その結果、コークス表面の気
孔が多く強度の低い劣化層が消失し、強度の高いコーク
スとなるため、その後、(3)式によるガス化反応が生
じて表面に劣化層が生成しても、レースウェイ内の旋回
磨耗により発生する粉コークス量は増加しない。
りもかなり低くて、例えば100kg/t程度であれ
ば、過剰酸素率は1.0よりもかなり高くて1.4程度
となるため、微粉炭が(1),(2)式の反応により全
量燃焼した後でも、まだO2 がレースウェイ内に残存し
ている。従って、レースウェイ内に侵入したコークスは
(1)式の反応を受ける。その結果、コークス表面の気
孔が多く強度の低い劣化層が消失し、強度の高いコーク
スとなるため、その後、(3)式によるガス化反応が生
じて表面に劣化層が生成しても、レースウェイ内の旋回
磨耗により発生する粉コークス量は増加しない。
【0014】ところが、微粉炭吹込み量が170kg/
tに近付くと、過剰酸素率が1.0に近付くため、微粉
炭が(1),(2)式の反応により全量燃焼した後の残
存O2 はほとんどなくなり、コークス表面の劣化層は消
失しない。その結果、レースウェイ内旋回磨耗による粉
コークス発生量が増加してしまう。コークスの冷間強度
を向上させると、この表面に生じる劣化層の強度が向上
するため、粉コークス発生量は減少する。しかし前述し
たように、この方法ではコークスの製造コストが上昇す
る。
tに近付くと、過剰酸素率が1.0に近付くため、微粉
炭が(1),(2)式の反応により全量燃焼した後の残
存O2 はほとんどなくなり、コークス表面の劣化層は消
失しない。その結果、レースウェイ内旋回磨耗による粉
コークス発生量が増加してしまう。コークスの冷間強度
を向上させると、この表面に生じる劣化層の強度が向上
するため、粉コークス発生量は減少する。しかし前述し
たように、この方法ではコークスの製造コストが上昇す
る。
【0015】そこで本発明においては、図1に示すよう
に、微粉炭吹込み量の増加に応じて、使用するコークス
の熱間反応性(CRI)を増加させる。すなわち、図1
は、本発明で使用する微粉炭吹込み量とコークス熱間反
応性の変更量(ΔCRI)との関係を示す図であり、微
粉炭吹込み量100kg/t未満では変更量はゼロを基
準とし、200kg/tを越えた場合には、+5%の変
更量を基準とすればよい。なぜならば100kg/t未
満では、前述したように、残存O2 によりコークス表面
の劣化層が消失し、粉コークス発生量が少なく、また2
00kg/tを越えた場合にΔCRIを5%より大きく
しても、そのようなコークスを製造する際に冷間強度が
低下して粉コークス発生量が増加するため、ΔCRIの
上限に数値限定が必要となる。
に、微粉炭吹込み量の増加に応じて、使用するコークス
の熱間反応性(CRI)を増加させる。すなわち、図1
は、本発明で使用する微粉炭吹込み量とコークス熱間反
応性の変更量(ΔCRI)との関係を示す図であり、微
粉炭吹込み量100kg/t未満では変更量はゼロを基
準とし、200kg/tを越えた場合には、+5%の変
更量を基準とすればよい。なぜならば100kg/t未
満では、前述したように、残存O2 によりコークス表面
の劣化層が消失し、粉コークス発生量が少なく、また2
00kg/tを越えた場合にΔCRIを5%より大きく
しても、そのようなコークスを製造する際に冷間強度が
低下して粉コークス発生量が増加するため、ΔCRIの
上限に数値限定が必要となる。
【0016】また図1は1本の直線関係ではなく、±
2.0%の幅をもっており、斜線部分に入るように変更
量を調整すればよい。なお、図1の縦軸は変更量(ΔC
RI)を示しており、微粉炭吹込み量100kg/tの
ときのコークス熱間反応性(CRI)からの変更量であ
る。コークスの熱間反応性(CRI)が増加すると、レ
ースウェイ内に侵入する前に、1000℃以上の温度
で、(3)式によるソルーションロス反応を受けた際
に、コークス表面から反応によって消失するコークス量
が多くなると共に、表面の気孔が多く強度の低い劣化層
の残存量が少なくなる。従って、レースウェイ内に侵入
したのち残存O2 による劣化層の消失がなくても、レー
スウェイ内旋回磨耗により発生する粉コークス量は増加
しない。
2.0%の幅をもっており、斜線部分に入るように変更
量を調整すればよい。なお、図1の縦軸は変更量(ΔC
RI)を示しており、微粉炭吹込み量100kg/tの
ときのコークス熱間反応性(CRI)からの変更量であ
る。コークスの熱間反応性(CRI)が増加すると、レ
ースウェイ内に侵入する前に、1000℃以上の温度
で、(3)式によるソルーションロス反応を受けた際
に、コークス表面から反応によって消失するコークス量
が多くなると共に、表面の気孔が多く強度の低い劣化層
の残存量が少なくなる。従って、レースウェイ内に侵入
したのち残存O2 による劣化層の消失がなくても、レー
スウェイ内旋回磨耗により発生する粉コークス量は増加
しない。
【0017】また、レースウェイ内でも(3)式のガス
化反応による表面劣化層の生成は少なく、従って、この
場合もレースウェイ内旋回磨耗により発生する粉コーク
ス量は増加しない。なお、本発明に供するコークスの熱
間反応性(CRI)を向上するには、価格の安い一般炭
を使用できるため、冷間強度向上のようにコークス製造
コストの上昇を招かない。一方、本発明においては、図
1の縦軸である熱間反応性(CRI)の変更量(ΔCR
I)の代りに、図2に示すようなコークスのJIS反応
性(JISR)の変更量(ΔJISR)を採用してもよ
い。この図2においても、1本の直線関係ではなく、±
1.5%の幅をもっており、斜線部分に入るように変更
量を調整すればよい。なお、図2の縦軸も変更量(ΔJ
ISR)を示しており、微粉炭吹込み量100kg/t
のときのコークスのJIS反応性(JISR)からの変
更量である。
化反応による表面劣化層の生成は少なく、従って、この
場合もレースウェイ内旋回磨耗により発生する粉コーク
ス量は増加しない。なお、本発明に供するコークスの熱
間反応性(CRI)を向上するには、価格の安い一般炭
を使用できるため、冷間強度向上のようにコークス製造
コストの上昇を招かない。一方、本発明においては、図
1の縦軸である熱間反応性(CRI)の変更量(ΔCR
I)の代りに、図2に示すようなコークスのJIS反応
性(JISR)の変更量(ΔJISR)を採用してもよ
い。この図2においても、1本の直線関係ではなく、±
1.5%の幅をもっており、斜線部分に入るように変更
量を調整すればよい。なお、図2の縦軸も変更量(ΔJ
ISR)を示しており、微粉炭吹込み量100kg/t
のときのコークスのJIS反応性(JISR)からの変
更量である。
【0018】微粉炭吹込み量を増やし、その量に応じて
コークスのJIS反応性を増加させたときの、粉コーク
ス発生抑制の機構、および100kg/t、200kg
/tの数値限定理由は、コークスの熱間反応性(CR
I)の場合の説明と同じであり、その違いは、反応性の
測定方法が異なること、および測定方法が異なることに
より図2の縦軸の変更の大きさも異なるだけである。な
お、この場合もコークスの製造コスト上昇を招かない。
コークスのJIS反応性を増加させたときの、粉コーク
ス発生抑制の機構、および100kg/t、200kg
/tの数値限定理由は、コークスの熱間反応性(CR
I)の場合の説明と同じであり、その違いは、反応性の
測定方法が異なること、および測定方法が異なることに
より図2の縦軸の変更の大きさも異なるだけである。な
お、この場合もコークスの製造コスト上昇を招かない。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明の特徴を具体的に
説明する。表1に操業結果を示す。 (実施例1)コークスの熱間反応性(CRI)が27%
の通常冶金用コークスを使用し、微粉炭吹込み量を10
0kg/tとして操業していた状態から、微粉炭吹込み
量を190kg/tに増加し、かつコークスの熱間反応
性(CRI)を31%(+4.0%、図1によると微粉
炭吹込み量190kg/tの場合は、ΔCRI=+4.
5±2.0%となる)としたコークスを装入した操業例
である。後述する比較例1に対比すると、微粉炭吹込み
量が多く、高炉の通気性を示す送風圧力は低くなり、出
銑量が多く、燃料比が低くなっている。
説明する。表1に操業結果を示す。 (実施例1)コークスの熱間反応性(CRI)が27%
の通常冶金用コークスを使用し、微粉炭吹込み量を10
0kg/tとして操業していた状態から、微粉炭吹込み
量を190kg/tに増加し、かつコークスの熱間反応
性(CRI)を31%(+4.0%、図1によると微粉
炭吹込み量190kg/tの場合は、ΔCRI=+4.
5±2.0%となる)としたコークスを装入した操業例
である。後述する比較例1に対比すると、微粉炭吹込み
量が多く、高炉の通気性を示す送風圧力は低くなり、出
銑量が多く、燃料比が低くなっている。
【0020】(実施例2)コークスのJIS反応性(J
ISR)が20%の通常冶金用コークスを使用し、微粉
炭吹込み量を100kg/tとして操業していた状態か
ら、微粉炭吹込み量を170kg/tに増加し、かつコ
ークスのJIS反応性(JISR)を22.5%(+
2.5%、図2によると微粉炭吹込み量170kg/t
の場合は、ΔJISR=+1.75±1.5%となる)
としたコークスを装入した操業例である。後述する比較
例2に対比すると、微粉炭吹込み量は同じだが、高炉の
通気性を示す送風圧力は低くなり、出銑量が多く、燃料
比が低くなっている。
ISR)が20%の通常冶金用コークスを使用し、微粉
炭吹込み量を100kg/tとして操業していた状態か
ら、微粉炭吹込み量を170kg/tに増加し、かつコ
ークスのJIS反応性(JISR)を22.5%(+
2.5%、図2によると微粉炭吹込み量170kg/t
の場合は、ΔJISR=+1.75±1.5%となる)
としたコークスを装入した操業例である。後述する比較
例2に対比すると、微粉炭吹込み量は同じだが、高炉の
通気性を示す送風圧力は低くなり、出銑量が多く、燃料
比が低くなっている。
【0021】
【表1】
【0022】一方、比較例1は、コークスの熱間反応性
(CRI)が27%の通常冶金用コークスを使用し、微
粉炭吹込み量を100kg/tとして操業していた状態
から、微粉炭吹込み量を170kg/tに増加し、コー
クスの熱間反応性(CRI)を27%のままとした従来
法による操業例である。実施例1に対比すると、微粉炭
吹込み量が少ないが、送風圧力は高く、出銑量が少な
く、燃料比が高い。また、比較例2は、コークスのJI
S反応性(JISR)が20%の通常冶金用コークスを
使用し、微粉炭吹込み量を100kg/tとして操業し
ていた状態から、微粉炭吹込み量を170kg/tに増
加し、コークスのJIS反応性(JISR)を20%の
ままとした従来法による操業例である。実施例2に対比
すると、微粉炭吹込み量は同じであるが、送風圧力は高
く、出銑量が少なく、燃料比が高い。
(CRI)が27%の通常冶金用コークスを使用し、微
粉炭吹込み量を100kg/tとして操業していた状態
から、微粉炭吹込み量を170kg/tに増加し、コー
クスの熱間反応性(CRI)を27%のままとした従来
法による操業例である。実施例1に対比すると、微粉炭
吹込み量が少ないが、送風圧力は高く、出銑量が少な
く、燃料比が高い。また、比較例2は、コークスのJI
S反応性(JISR)が20%の通常冶金用コークスを
使用し、微粉炭吹込み量を100kg/tとして操業し
ていた状態から、微粉炭吹込み量を170kg/tに増
加し、コークスのJIS反応性(JISR)を20%の
ままとした従来法による操業例である。実施例2に対比
すると、微粉炭吹込み量は同じであるが、送風圧力は高
く、出銑量が少なく、燃料比が高い。
【0023】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明におい
ては、微粉炭多量吹込み時に、炉頂から装入するコーク
スの熱間反応性(CRI)、あるいはコークスのJIS
反応性(JISR)を、微粉炭吹込み量に応じて変更す
ることにより、レースウェイ内における粉コークスの発
生を抑制しようとするものである。それによって、コー
クスの製造コスト上昇を招かずに、生産量、燃料比を維
持しながら、微粉炭吹込み量を170kg/tあるいは
それ以上に増加することが可能となる。
ては、微粉炭多量吹込み時に、炉頂から装入するコーク
スの熱間反応性(CRI)、あるいはコークスのJIS
反応性(JISR)を、微粉炭吹込み量に応じて変更す
ることにより、レースウェイ内における粉コークスの発
生を抑制しようとするものである。それによって、コー
クスの製造コスト上昇を招かずに、生産量、燃料比を維
持しながら、微粉炭吹込み量を170kg/tあるいは
それ以上に増加することが可能となる。
【図1】本発明で使用する、微粉炭吹込み量とコークス
熱間反応性の変更量(ΔCRI)との関係を示す図
熱間反応性の変更量(ΔCRI)との関係を示す図
【図2】本発明で使用する、微粉炭吹込み量とコークス
のJIS反応性(JISR)の変更量(ΔJISR)と
の関係を示す図
のJIS反応性(JISR)の変更量(ΔJISR)と
の関係を示す図
Claims (2)
- 【請求項1】 高炉の羽口部から微粉炭をその内部に多
量に吹込む操業方法において、微粉炭の吹込み量に応じ
て、炉頂から装入するコークスの熱間反応性(CRI)
を変更することを特徴とする高炉における微粉炭多量吹
込み操業方法。 - 【請求項2】 高炉の羽口部から微粉炭をその内部に多
量に吹込む操業方法において、微粉炭の吹込み量に応じ
て、炉頂から装入するコークスのJIS反応性(JIS
R)を変更することを特徴とする高炉における微粉炭多
量吹込み操業方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34828495A JPH09170008A (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 高炉における微粉炭多量吹込み操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34828495A JPH09170008A (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 高炉における微粉炭多量吹込み操業方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09170008A true JPH09170008A (ja) | 1997-06-30 |
Family
ID=18396010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34828495A Withdrawn JPH09170008A (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 高炉における微粉炭多量吹込み操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09170008A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008189952A (ja) * | 2007-02-01 | 2008-08-21 | Kobe Steel Ltd | 高炉操業方法 |
WO2024171511A1 (ja) * | 2023-02-14 | 2024-08-22 | Jfeスチール株式会社 | 高炉の操業方法 |
-
1995
- 1995-12-19 JP JP34828495A patent/JPH09170008A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008189952A (ja) * | 2007-02-01 | 2008-08-21 | Kobe Steel Ltd | 高炉操業方法 |
WO2024171511A1 (ja) * | 2023-02-14 | 2024-08-22 | Jfeスチール株式会社 | 高炉の操業方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030304 |