JP2008189952A - 高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉱石層に炭材内装熱間成形鉱を含む炭素含有原料を混合して行う高炉操業方法において、炭素含有原料の適正な配合割合とサイズとの関係を明らかにし、より確実に、かつ安定して還元材比を低減しうる高炉操業方法を提供する。
【解決手段】高炉炉頂から鉱石とコークスとを交互に装入して高炉内に鉱石層とコークス層とを交互に積層して形成するに際し、炭材内装熱間成形鉱のみからなる、または、炭材内装熱間成形鉱と、小粒コークス、小粒高反応性コークス、フェロコークスおよび炭材内装冷間成形鉱よりなる群から選ばれた少なくとも1種とからなる炭素含有原料を前記鉱石に混合し、前記鉱石層中における前記鉱石と前記炭素含有原料との個数比が50以下、好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下となるようにすることを特徴とする高炉操業方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、高炉操業方法に関し、詳しくは、炭材内装熱間成形鉱を含む炭素含有原料を鉱石層に混合して行う高炉操業方法に関する。
本出願人は、高炉原料に熱間成形した炭材内装塊成化物(本願明細書では「炭材内装熱間成形鉱」と呼ぶ。)を添加したものを高炉に装入することで、高炉の熱保存帯温度を低下させるとともに、比較的低温部から炭材内装熱間成形鉱中において粉鉱石と炭材との間で直接還元反応が開始され、この反応の結果発生するCOガスが高炉原料の還元反応(間接還元反応)を促進させる結果、燃料比(還元材比)を低減できることを見出し、すでに特許出願を行った(特許文献1、2参照)
しかしながら、上記特許文献1および2では、高炉原料に添加する炭材内装熱間成形鉱の質量割合については開示したものの、炭材内装熱間成形鉱の適正サイズについてはなんら言及していなかった。
従来、炭材内装熱間成形鉱のサイズについては、定性的には、通常の焼結鉱、ペレット、塊鉱石などの高炉原料に比べて比較的大きいサイズのものが好ましいと考えられていた。すなわち、炭材内装熱間成形鉱は大きいサイズのものの方が、製造する観点からは生産性が高く、また、製造後の圧潰強度も高くなるうえ、高炉内では鉱石層の通気性を高める効果を有し、また、内装炭材により粉状鉱石が直接還元されるため、炭材内装熱間成形鉱自体は、そのサイズが大きくても還元速度の低下はあまり問題とならないと想定されるからである。
ところが、鉱石層への炭材内装熱間成形鉱の添加量を一定とした場合、炭材内装熱間成形鉱のサイズを大きくしすぎると、鉱石層中に配置される炭材内装熱間成形鉱の個数が少なくなりすぎることにより、上記炭材内装熱間成形鉱から発生するCOガスによる高炉原料の還元促進効果が周りの高炉原料だけに限定され、遠く離れた高炉原料には及ばなくなり、高炉原料全体に対しては還元促進効果が減殺されるおそれがある。
したがって、炭材内装熱間成形鉱に関し、鉱石層中への混合比率だけでなく、適正なサイズについての知見が強く求められていた。
特開2004−204295号公報 特開2004−218067号公報
そこで、本発明は、鉱石層に炭材内装熱間成形鉱を含む炭素含有原料を混合して行う高炉操業方法において、炭素含有原料の適正な混合比率とサイズとの関係を明らかにし、より確実に、かつ安定して還元材比を低減しうる高炉操業方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、後記実施例で示すように、鉱石層中における鉱石と炭素含有原料との個数比を所定範囲に規定することで、鉱石層中の鉱石の還元を促進して還元材比を低減し、COガス利用率を確実に上昇させうることを見出し、この知見に基づいて以下の発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、高炉炉頂から鉱石とコークスとを交互に装入して高炉内に鉱石層とコークス層とを交互に積層して形成するに際し、炭材内装熱間成形鉱のみからなる、または、炭材内装熱間成形鉱と、小粒コークス、小粒高反応性コークス、フェロコークスおよび炭材内装冷間成形鉱よりなる群から選ばれた少なくとも1種とからなる炭素含有原料を前記鉱石に混合し、前記鉱石層中における前記鉱石と前記炭素含有原料との個数比(=[鉱石層中における鉱石の個数]/「鉱石層中における炭素含有原料の個数」)が50以下となるようにすることを特徴とする高炉操業方法である。
請求項2に記載の発明は、前記炭材内装熱間成形鉱が、粉状鉄含有原料と軟化溶融性を有する粉状炭材との混合物を、250〜550℃に加熱した状態で熱間成形したものである請求項1に記載の高炉操業方法である。
なお、「軟化溶融性を有する粉状炭材」とは、logMF(ここに、MFはギーセラ最高流動度である。)が1.0以上の石炭、SRC、タイヤチップ、プラスチック、アスファルト、タール、ハイパーコール(脱灰炭)など軟化溶融性を有する炭素質物質を少なくとも1種含むものであって、粉状のものの総称である。なお、この「軟化溶融性を有する粉状炭材」は、上記軟化溶融性を有する炭素質物質に加えて、さらにコークス、一般炭、無煙炭、オイルコークスなど軟化溶融性を実質的に有しない炭素質物質を1種以上混合したものであってもよい。また、「粉状鉄含有原料」とは、鉄鉱石、製鉄ダスト(高炉ダスト、転炉ダスト、電気炉ダスト、ミルスケールなど)など主として酸化鉄を含有する原料、またはこれらの原料の2種以上の混合物であって、粉状のものの総称である。
請求項3に記載の発明は、前記炭素含有原料を構成する各原料の平均粒径を、高炉炉頂において流動化が開始する粒径の1.2倍より大きくし、かつ、前記鉱石の平均粒径の3倍より小さくする請求項1または2に記載の高炉操業方法である。
請求項4に記載の発明は、前記高炉に装入された前記炭素含有原料中のC量が、前記高炉におけるソリューションロスC量以下となるように、前記炭素質含有原料のC含有率および/または前記鉱石への前記炭素質含有原料の混合比率を調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載の高炉操業方法である。
請求項5に記載の発明は、前記高炉に装入された前記炭素含有原料中のC量と、前記高炉へ吹き込まれた微粉炭のうちレースウェイ内で未燃焼の微粉炭中のC量との合計量が、前記高炉におけるソリューションロスC量と、前記高炉で製造された銑鉄中のC量との合計量以下となるように、前記炭素含有原料中のC含有率および/または前記鉱石への前記炭素含有原料の混合比率を調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載の高炉操業方法である。
本発明によれば、鉱石層中における鉱石と炭素含有原料との個数比が所定値以下になるように規定することで、炭素含有原料の混合比率に応じて炭素含有原料の適正なサイズを簡易かつ明確に決定することができ、より確実に、かつ安定して還元材比を低減できる高炉操業方法を実現できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施形態〕
炭素含有原料として、炭材内装熱間成形鉱のみを用いる場合を代表例として説明する。炭材内装熱間成形鉱は、例えば、粉状鉄含有原料としての粉鉱石と、軟化溶融性を有する粉状炭材としての、logMFが1.0以上の石炭との混合物を、250〜550℃、好ましく350〜550℃に加熱した状態で熱間成形することで、高炉装入に適した高い圧潰強度を有するものが製造できる(特開2006−241577号公報参照)。炭材内装熱間成形鉱の形状は、卵形、アーモンド形、枕形(ピロー形)、マセック形など、特に形状を問わない。
そして、炭材内装熱間成形鉱を、焼結鉱、ペレット、塊鉱石等からなる鉱石に混合し、その混合物をコークス(塊コークス)と交互に層状に高炉へ装入する。
上記炭材内装熱間成形鉱の製造に際し、鉱石と炭材内装熱間成形鉱との個数比が50以下となるように、鉱石中への炭材内装熱間成形鉱の混合比率に応じて、炭材内装熱間成形鉱のサイズ(粒径)を調整する。個数比が50を超えると、後記実施例の図4で示すように、COガス利用率の上昇効果がほとんど得られなくなるからである。鉱石と炭素含有原料との個数比は、20以下、さらには10以下とするのが推奨され、これによりCOガス利用率がより上昇し、還元材比の大幅な低減効果が得られる。
ここで、例えば、炭材内装熱間成形鉱の製造能力の制約等により、鉱石中への炭材内装熱間成形鉱の混合比率に制限がある場合、炭材内装熱間成形鉱のサイズ(粒径)を小さくすることで、個数比を小さくすることができるが、サイズ(粒径)を過度に小さくしすぎると、高炉炉頂において、炭材内装熱間成形鉱が流動化してダストとして飛散してしまうおそれがあるため、炭材内装熱間成形鉱の平均粒径は、高炉炉頂において流動化が開始する粒径(以下、「流動化開始粒径」という。)の1.2倍より大きくするのが望ましく、2.0倍より大きくするのがさらに望ましい(ちなみに、高炉炉頂ガスの温度180℃、圧力0.363MPaの条件下にて、見掛け密度2.9g/cmの炭材内装熱間成形鉱の流動化開始粒径は2.5mmと推算されるので、炭材内装熱間成形鉱の平均粒径は、3mmより大きくするのが望ましく、5mmより大きくするのがさらに望ましい。)。これにより、炭材内装熱間成形鉱自体の飛散を防止するとともに、炭材内装熱間成形鉱のサイズ(粒径)を鉱石の下限サイズ(約3mm)と同等ないしそれ以上とすることができるので、鉱石層内の通気性を確保でき、安定した高炉操業が維持できる。
ただし、炭材内装熱間成形鉱のサイズ(粒径)を大きくしすぎると、高炉への装入時に鉱石層中で炭材内装熱間成形鉱が偏析しやすくなり、上記鉱石の還元促進効果が減殺される可能性が高まるので、炭材内装熱間成形鉱の平均粒径は、鉱石の平均粒径の3倍より小さくするのが望ましい。
また、鉱石中へ炭材内装熱間成形鉱を混合することで、高炉におけるソリューションロスC量として、炭材内装熱間成形鉱中のCが優先的に消費されるので、塊コークスからのソリューションロスによるC消費量が低減されて塊コークスの劣化が抑制され、高炉内の通気性および通液性を向上させる効果がある。しかしながら、高炉に装入された炭材内装熱間成形鉱中のC量が過剰になると、上記塊コークスのソリューションロスによるC消費はなくなるものの、炭材内装熱間成形鉱中のCが消費し切れずに残存してしまい却って還元材比が上昇してしまう。したがって、上記個数比を所定値以下に規定するとともに、高炉に装入される炭材内装熱間成形鉱中のC量が、高炉におけるソリューションロスC量以下となるように、炭材内装熱間成形鉱のC含有率および/または鉱石への炭素質含有原料の混合比率を調整するのが望ましい。
上記では、ソリューションロスC量のみを考慮したが、これに加えて溶銑中への浸炭量をも考慮してもよい。さらに、高炉へ吹き込まれた微粉炭のうちレースウェイ内で未燃焼の微粉炭中のC量もソリューションロスおよび溶銑への浸炭に寄与するので、これも考慮してもよい。したがって、上記個数比を所定値以下に規定するとともに、高炉に装入された炭材内装熱間成形鉱中のC量と、高炉へ吹き込まれた微粉炭のうちレースウェイ内で未燃焼の微粉炭中のC量との合計量が、高炉におけるソリューションロスC量と、高炉で製造された銑鉄中のC量との合計量以下となるように、炭材内装熱間成形鉱中のC含有率および/または鉱石への炭素含有原料の混合比率を調整してもよい。
(変形例)
上記実施形態では、炭素含有原料として炭材内装熱間成形鉱のみを使用する場合を例示したが、炭材内装熱間成形鉱とともに、小粒コークス(例えば、特開2006−328236号公報参照)、小粒高反応性コークス(例えば、特開2004−263263号公報参照)、フェロコークス(例えば、特開2006−28594号公報参照)および炭材内装冷間成形鉱(例えば「含炭コールドペレット」:特開2001−181746号公報の段落[0008]参照)よりなる群から選ばれた少なくとも1種を併用してもよい。小粒コークス、小粒高反応性コークス、フェロコークス、炭材内装冷間成形鉱も、炭材内装熱間成形鉱ほどには格段に優れた還元促進効果は有しないものの、鉱石層中でCOガスを発生させる機能を有し、一定の還元促進効果を有するからである。なお、上記のように炭素含有原料として複数の原料を併用する場合(例えば、炭材内装熱間成形鉱と小粒コークスを併用する場合)は、炭素含有原料を構成する各原料(炭材内装熱間成形鉱と小粒コークス)の平均粒径を、それぞれ、高炉炉頂において流動化が開始する粒径の1.2倍より大きくし、かつ、前記鉱石の平均粒径の3倍より小さくするのが推奨される。(ちなみに、小粒コークスの流動化開始粒径は、上記炭材内装熱間成形鉱に対して用いたのと同じ高炉炉頂ガス条件にて推算すると、約8mmである。)
本発明者らは、先ず、鉱石層中において、炭素含有原料から発生したCOガスが周りの鉱石へどの程度影響を及ぼすかについて調査するため、汎用流体解析ソフトウエアFLUENTを用いたシミュレーション計算モデルにより検討を行った。
〔鉱石中における炭素含有原料から発生したCOガスの影響調査〕
上記シミュレーション計算モデルは以下の構成からなる。
[前提条件](図1参照)
・鉱石および炭素含有原料はともに同一直径を有する球体と仮定する。
・鉱石層中における鉱石の充填状態は体心立方格子構造と仮定し(実際の鉱石層の空隙率は、体心立方格子構造の空隙率32%に近いため)、一つの立方格子の体心の位置に炭素含有原料を配置した構造を想定する。
・鉱石層にその下方から、900℃におけるFe−FeOの平衡ガス組成に相当するCO/CO/N=35/15/50(容量%)の組成を有する炉内上昇ガスが、3m/s(900℃、0.395MPa)の流速で一様に流入すると仮定する。
・鉱石の還元反応は考慮しない。
・炭素含有原料からは、100minで1.26×10−3kgのCが消費され(ラボの小型加熱炉による炭材内装熱間成形鉱の加熱還元実験の結果に基づく。)、この消費されたC量がすべてCOガスとなって、球体表面から一様に放出されると仮定する。
[計算結果]
計算結果を図2に示す。同図(a)は、炭素含有原料Aの中心を含む、図1におけるXX線断面でのCO濃度分布を示し、(b)は、炭素含有原料Aに隣接する鉱石B21の中心を含む、図1におけるYY線断面でのCO濃度分布を示している。同図(a)からは、炭素含有原料Aの直上方の、体心の位置に存在する鉱石B11、B12、…の周辺でのみCO濃度の上昇が認められる。また、同図(b)からは、炭素含有原料Aと斜め上方で隣接する、格子の頂点の位置に存在する鉱石B21およびそれらの鉱石B21のさらに上方の鉱石B22、B23、…の周辺でのみCO濃度の上昇が認められる。ちなみに、炭素含有原料AからのCOガス発生速度を上記の10倍にしてもほぼ同様の結果が得られたことから、炭素含有原料Aの成分組成や粒径が異なる場合でも、本シミュレーション計算の結果で説明できることが確認された。
[影響範囲の判定方法]
したがって、本計算結果からは、炭素含有原料から発生したCOガスの影響は、隣接する鉱石の上方の範囲全体に及ぶように見える。
しかしながら、本シミュレーションモデルでは、鉱石の還元反応を無視したため、直上の鉱石だけでなくそのさらに上方の鉱石まで影響が及ぶという計算結果が得られたが、実際の高炉内における鉱石層中では、Fe−FeO平衡組成より高い還元ポテンシャルを有するCO濃度のガスに鉱石がさらされると、間接還元反応が進行してCOが消費されFe−FeO平衡組成に近づくため、その影響は実質的には直上の鉱石の範囲、すなわち、鉱石B11、鉱石B21までの範囲に留まるといえる。
このことから、炭素含有原料Aから発生したCOガスは、直上の鉱石B111個分と、斜め上方で隣接する鉱石B214個分との合計5個分の鉱石の還元促進にのみ寄与すると判定した。
〔還元促進効果の定量化〕
(その1)
次に、炭素含有原料として炭材内装熱間成形鉱のみを使用した場合について、上記還元促進の効果を定量化するため、高炉を模擬した試験装置を用い、鉱石層への炭材内装熱間成形鉱の混合比率を種々変更して混合した試験操業を実施し、COガス利用率の変化を調査した。鉱石としては焼結鉱を用い、炭材内装熱間成形鉱としては、表1および表2にそれぞれ示す成分組成の粉状石炭と粉状鉄鉱石とを22:78の質量割合で配合して、約450℃で熱間成形後、約600℃で加熱処理したものを用いた。なお、炭材内装熱間成形鉱の平均粒径は、焼結鉱の平均粒径12.5mmの1.0倍である12.5mmおよび1.2倍である15.0mmの2種類作成した。また、加熱処理後の炭材内装熱間成形鉱中のC含有量は15.3質量%であった。
Figure 2008189952
Figure 2008189952
試験操業の結果を、図3に、鉱石層中における鉱石と炭材内装熱間成形鉱の個数比とCOガス利用率の上昇度合い(%)との関係で示す。ここで、COガス利用率の上昇度合い(%)は、炭材内装熱間成形鉱を混合していない焼結鉱のみで操業を行った場合のCOガス利用率を基準(0%)として表示した値である。
同図より、上記個数比とCOガス利用率の上昇度合いとは、本試験範囲においては炭材内装熱間成形鉱の平均粒径によらず、ほぼ直線関係にあることから、図中に全試験結果のデータから得られた回帰直線を示した。そして、個数比を10まで上げた場合にもこの直線関係が維持されると考え、個数比を5から10に上げたときのCOガス利用率の上昇度合いの減少分(%)をこの回帰直線の傾きから求めると、2.15%であった。
ここで、上記シミュレーション計算より、個数比が5のときには、炭材内装熱間成形鉱から発生したCOガスによる還元促進効果は全部の鉱石に及ぶといえるのに対し、個数比が10のときには、上記還元促進効果は10個の鉱石中、半分の5個分の鉱石にしか及ばないといえるため、鉱石層全体に均すとCOガス利用率の上昇度合いは半分に減少すると考えられる。そして、半分に減少したCOガス利用率の上昇度合いが2.15%であることから、個数比が5のときのCOガス利用率の上昇度合いは、2.15%×2=4.3%と推定される。
したがって、個数比を10から20に上げると、上記と同様にして、COガス利用率の上昇度合いは、さらに半減する。同様に、個数比を倍増するごとに、COガス利用率の上昇度合いは半減していくこととなる。
このようにして得られた、個数比とCOガス利用率の上昇度合いとの関係を図 4に示す。同図より、COガス利用率の上昇度合いは、個数比を50とすることで約0.5%、個数比を20とすることで約1.1%が得られることがわかる。
(その2)
次に、炭材内装熱間成形鉱に代えて小粒コークスを使用した場合について、上記と同様の還元促進の効果を定量化するため、実機高炉(内容積:4500m)において鉱石層に小粒コークスの混合量を種々変更して混合した操業を実施し、COガス利用率の変化を調査した。鉱石としては焼結鉱:50質量%+ペレット:30質量%+塊鉱石:20質量%(鉱石の平均粒径:18mm)を用い、小粒コークスとしては、粒径8〜20mm(平均粒径:14mm)のものを用いた。また、比較のため、小粒コークスの代わりに、中骸コークス:粒径20〜40mm(平均粒径30mm)を用いた操業も実施した。
操業結果を、図5に、鉱石層中における鉱石と炭材内装熱間成形鉱の個数比とCOガス利用率の上昇度合い(%)との関係で示す。ここで、COガス利用率の上昇度合い(%)は、鉱石層に小粒コークス(または中骸コークス)を混合せずに操業を行った場合のCOガス利用率を基準(0%)として表示した値である。
同図より、上記個数比とCOガス利用率の上昇度合いとは、本試験範囲においてはほぼ直線関係にあることから、図中に回帰直線を示した。そして、個数比を5から10に上げたときのCOガス利用率の上昇度合いの減少分(%)をこの回帰直線の傾きから求めると、0.35%であった。したがって、上記(その1)と同様にして、個数比が5のときのCOガス利用率の上昇度合いは、0.35%×2=0.7%と推定される。(ちなみに、上記(その1)で述べたように、炭材内装熱間成形鉱では、個数比が5のときのCOガス利用率の上昇度合いは4.3%と推定されており、小粒コークスに比べて、6倍程度という格段に優れた還元促進効果が得られることがわかった。)
また、上記(その1)と同様にして得られた、個数比とCOガス利用率の上昇度合いとの関係を図6に示す。同図より、COガス利用率の上昇度合いは、個数比を50とすることで約0.1%、個数比を20とすることで約0.2%が得られることがわかった。
上記のように、鉱石層中における鉱石と炭素含有原料との個数比というパラメータを導入することで、鉱石層中における炭素含有原料の配合割合と、それに対応する適正なサイズという2つのパラメータを用いる代わりに、個数比という1つのパラメータで整理できることが明らかになった。
なお、炭素含有原料として炭材内装熱間成形鉱と小粒コークスとを併用し、これらを一緒に鉱石中に混合する場合については、COガス利用率の上昇度合いは、炭材内装熱間成形鉱および小粒コークスの各COガス利用率の上昇度合いを、炭材内装熱間成形鉱および小粒コークスの個数比率で加重平均して求めたものを使用すればよいと考えられる。
シミュレーション計算モデルの前提条件を説明するためのモデル図である。 上記シミュレーション計算モデルにより計算された、鉱石層中のCO濃度分布を示す等濃度線図である。 高炉模擬試験装置による試験結果に基づく、鉱石層中における鉱石と炭材内装熱間成形鉱の個数比とCOガス利用率の上昇度合いとの関係を示すグラフ図である。 上記シミュレーション計算モデルによる計算結果に基づく、鉱石層中における鉱石と炭材内装熱間成形鉱の個数比とCOガス利用率の上昇度合いとの関係を示すグラフ図である。 実機高炉における操業結果に基づく、鉱石層中における鉱石と小粒コークスの個数比とCOガス利用率の上昇度合いとの関係を示すグラフ図である。 上記シミュレーション計算モデルによる計算結果に基づく、鉱石層中における鉱石と小粒コークスの個数比とCOガス利用率の上昇度合いとの関係を示すグラフ図である。

Claims (5)

  1. 高炉炉頂から鉱石とコークスとを交互に装入して高炉内に鉱石層とコークス層とを交互に積層して形成するに際し、炭材内装熱間成形鉱のみからなる、または、炭材内装熱間成形鉱と、小粒コークス、小粒高反応性コークス、フェロコークスおよび炭材内装冷間成形鉱よりなる群から選ばれた少なくとも1種とからなる炭素含有原料を前記鉱石に混合し、前記鉱石層中における前記鉱石と前記炭素含有原料との個数比が50以下となるようにすることを特徴とする高炉操業方法。
  2. 前記炭材内装熱間成形鉱が、粉状鉄含有原料と軟化溶融性を有する粉状炭材との混合物を、250〜550℃に加熱した状態で熱間成形したものである請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. 前記炭素含有原料を構成する各原料の平均粒径を、高炉炉頂において流動化が開始する粒径の1.2倍より大きくし、かつ、前記鉱石の平均粒径の3倍より小さくする請求項1または2に記載の高炉操業方法。
  4. 前記高炉に装入された前記炭素含有原料中のC量が、前記高炉におけるソリューションロスC量以下となるように、前記炭素質含有原料のC含有率および/または前記鉱石への前記炭素質含有原料の混合比率を調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載の高炉操業方法。
  5. 前記高炉に装入された前記炭素含有原料中のC量と、前記高炉へ吹き込まれた微粉炭のうちレースウェイ内で未燃焼の微粉炭中のC量との合計量が、前記高炉におけるソリューションロスC量と、前記高炉で製造された銑鉄中のC量との合計量以下となるように、前記炭素含有原料中のC含有率および/または前記鉱石への前記炭素含有原料の混合比率を調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載の高炉操業方法。
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