JPH09169708A - 3−(n,n−ジ置換アミノ)フェノール類の製造方法 - Google Patents

3−(n,n−ジ置換アミノ)フェノール類の製造方法

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JPH09169708A
JPH09169708A JP27235996A JP27235996A JPH09169708A JP H09169708 A JPH09169708 A JP H09169708A JP 27235996 A JP27235996 A JP 27235996A JP 27235996 A JP27235996 A JP 27235996A JP H09169708 A JPH09169708 A JP H09169708A
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JP
Japan
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resorcin
reaction
reaction mixture
mol
disubstituted amino
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JP27235996A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Horiuchi
健一郎 堀内
Bunji Sawano
文二 澤野
Nobuaki Sasaki
宣明 佐々木
Mansuke Matsumoto
万助 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamamoto Chemicals Inc
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Yamamoto Chemicals Inc
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副生物の生成量が非常に少なく、レゾルシン
からの実質的収率が高く、高純度の3−(N,N−ジ置
換アミノ)フェノール類を製造する方法を提供する。 【解決手段】 レゾルシンと一般式(2) R1 NH2 (2) 〔R1 はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アルコキシアルキル基、アリール基またはアラルキ
ル基を表す〕の第一級アミンとを反応させて、レゾルシ
ンの変換率が50モル%以上であり、かつ、N,N’−
ジ置換−m−フェニレンジアミンの副生量が使用レゾル
シン量の2モル%以下の段階で反応を停止させ、得られ
た反応混合物に、一般式(3) R2 X (3) 〔R2 はアルキル基、シクロアルキル基を、Xはハロゲ
ン原子を表す〕のハロゲン化アルキルを反応させ、得ら
れた反応混合物にアルカリ水溶液を加え、未反応のレゾ
ルシンを溶解し、有機溶媒により3−(N,N−ジ置換
アミノ)フェノール類を抽出し、アルカリ水溶液層よ
り、未反応レゾルシンを回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機工業薬品また
は各種色素中間体等として有用な3−(N,N−ジ置換
アミノ)フェノール類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3−(N,N−ジ置換アミノ)フェノー
ル類の製造方法に関しては、これまでに数多くの方法が
開示されているが、レゾルシンを出発物質とし、第一級
アミンとの反応により3−(N−モノ置換アミノ)フェ
ノール類を経由した後、引き続きアルキル化剤との反応
で3−(N,N−ジ置換)アミノフェノール類を得る方
法としては、特開平5−140053号公報、特開平5
−186407号公報、特開平6−271515号公報
等がある。
【0003】特開平5−140053号公報では、中間
生成物の3−(N−モノ置換アミノ)フェノールを得る
ために、レゾルシンと第一級アミンとを亜燐酸あるいは
亜燐酸エステルまたはその混合物の存在下、180〜2
50℃および圧力3〜40バールで反応させている。こ
の場合には、3−(N−モノ置換アミノ)フェノールに
変換されなかったレゾルシンはほとんど副生物に変換さ
れてしまうため、回収することはできない。
【0004】特開平5−186407号公報では、レゾ
ルシンとアルキルアミンとを反応させ、3−(N−モノ
アルキルアミノ)フェノールを反応液から単離すること
なく、アルキル化剤を該反応液に添加して3−(N,N
−ジアルキルアミノ)フェノールを得ている。ところ
が、実施例中の記載の反応条件に基づきレゾルシンとア
ルキルアミンとを反応させると、前記と同様、3−(N
−モノアルキルアミノ)フェノールに変換されなかった
レゾルシンは副生物に変換されてしまうか、あるいはレ
ゾルシンが残存する場合でも、副生物が多く混入するた
め、回収レゾルシンは低純度で再使用に耐えないという
問題がある。
【0005】特開平6−271515号公報では、2価
フェノール類と第一級アミンとを反応せしめて、反応混
合物中に不可避的に存在する2価フェノールの第一級ア
ミン塩を熱分解せしめ、少なくとも該第一級アミンを該
反応混合物から除去し、N−置換アミノフェノール類を
該反応混合物から蒸留により分離し、次いで得られたN
−置換アミノフェノール類をアルキルアルデヒド類と水
素雰囲気下、有機溶媒中、還元触媒の存在下還元アルキ
ル化せしめてN,N−ジ置換アミノフェノール類を得る
方法が開示されている。この方法では、2価フェノール
と第一級アミンとの反応後、還元アルキル化反応の触媒
を被毒し、触媒活性を低下させる第一級アミンおよび2
価フェノールの第一級アミン塩を除去するため、2価フ
ェノールの第一級アミン塩の分解と蒸留操作が必要とな
る。しかし、2価フェノールとN−置換アミノフェノー
ルの沸点は近傍にあるため、この二者の蒸留による分離
は極めて困難である。また、蒸留によって高沸点副生物
は除去できるが、主な副生物であるN,N−ジ置換−m
−フェニレンジアミンやN−置換−3,3’−ジヒドロ
キシジフェニルアミンは除去できないため、2価フェノ
ール(レゾルシン等)の回収操作を行っても不純物混入
のため再使用可能な2価フェノールは得られない。
【0006】以上、上記の3方法は、3−(N,N−ジ
置換アミノ)フェノール類の収率においては一応の結果
を得ているが、レゾルシンの高変換率化に伴う副生物の
増加および回収レゾルシンの純度、再使用性という点に
おいて、工業的生産を行うに際し問題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
法の問題点を改善し、副生物の生成を抑え、未反応のレ
ゾルシンを高純度でほぼ全量回収でき、実質的に高収率
で高純度での3−(N,N−ジ置換アミノ)フェノール
類の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに
到った。
【0009】すなわち、本発明は、一般式(1)
【0010】
【化2】 〔式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、アルケ
ニル基、アルコキシアルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基を表し、R2 はアルキル基またはシクロアルキ
ル基を表す〕で表される3−(N,N−ジ置換アミノ)
フェノール類を製造する方法において、(a)レゾルシ
ンと一般式(2) R1 NH2 (2) 〔式中、R1 は前記と同じ意味を表す〕で表される第一
級アミンとを反応させる際に、レゾルシンの変換率が5
0モル%以上であり、かつ、N,N’−ジ置換−m−フ
ェニレンジアミンの副生量が使用レゾルシン量の2モル
%以下の範囲である段階で反応を停止させ、3−(N−
モノ置換アミノ)フェノ−ル類を含む反応混合物を得る
工程、(b)工程(a)で得た反応混合物に、一般式
(3) R2 X (3) 〔式中、R2 は前記に同じであり、Xはハロゲン原子を
表す〕で表されるハロゲン化アルキルを添加して、3−
(N,N−ジ置換アミノ)フェノール類を含む反応混合
物を得る工程、(c)工程(b)で得た反応混合物にア
ルカリ水溶液を加え、未反応のレゾルシンをアルカリ水
溶液に溶解し、かつ有機溶媒により3−(N,N−ジ置
換アミノ)フェノール類を抽出する工程、(d)工程
(c)のアルカリ水溶液層より、未反応レゾルシンを回
収する工程よりなることを特徴とする3−(N,N−ジ
置換アミノ)フェノール類の製造方法によって達成され
た。
【0011】
【発明の実施の形態】前記一般式(2)で表される第一
級アミンにおいて、R1 は、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基、アリール
基またはアラルキル基を示し、より好ましくは、炭素数
1〜10の分岐または直鎖アルキル基、炭素数5〜10
のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、
炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数6〜1
0のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を
表す。
【0012】特に、炭素数1〜8の分岐または直鎖アル
キル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基であるものが
好ましい。
【0013】一般式(2)の第一級アミンの具体例とし
ては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチ
ルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルア
ミン、n−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、2,
2−ジメチルプロピルアミン、1−エチルプロピルアミ
ン、n−ヘキシルアミン、1−メチルペンチルアミン、
n−ヘプチルアミン、2−メチルヘキシルアミン、1−
エチルペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n
−ノニルアミン、n−デシルアミン等のN−分岐または
直鎖アルキルアミン類、シクロペンチルアミン、シクロ
ヘキシルアミン、(4’−メチルシクロヘキシル)アミ
ン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、シ
クロデシルアミン等のN−シクロアルキルアミン類、ア
リルアミン、β−ブテニルアミン、β−n−ペンテニル
アミン等のN−アルケニルアミン類、2−メトキシエチ
ルアミン、2−エトキシエチルアミン、2−n−プロポ
キシエチルアミン、2−イソプロポキシエチルアミン、
2−n−ブトキシエチルアミン、2−n−ペンチルオキ
シエチルアミン、2−n−ヘキシルオキシエチルアミ
ン、2−n−オクチルオキシエチルアミン、3−メトキ
シプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−
n−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプ
ロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン、3−
イソブトキシプロピルアミン、3−n−ペンチルオキシ
プロピルアミン、3−n−ヘキシルオキシプロピルアミ
ン、4−メトキシブチルアミン、5−エトキシペンチル
アミン、テトラヒドロフルフリルアミン等のN−アルコ
キシアルキルアミン類、アニリン、3−メチルアニリ
ン、4−メチルアニリン、4−エチルアニリン、4−メ
トキシアニリン等のN−アリールアミン類、ベンジルア
ミン、2−フェニルエチルアミン、3−フェニルプロピ
ルアミン、4−フェニルブチルアミン等のN−アラルキ
ルアミン類等を挙げることができる。より好ましい第一
級アミンは、一般式(2)で表される化合物において、
1 がアルキル基もしくはシクロアルキル基であるも
の、特に、炭素数1〜8のN−分岐または直鎖アルキル
アミン、炭素数5〜8のN−シクロアルキルアミンが好
ましい。
【0014】前記一般式(3)で表されるハロゲン化ア
ルキル化合物において、R2 はアルキル基またはシクロ
アルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、より好まし
くは炭素数1〜8のアルキル基または炭素数5〜8のシ
クロアルキル基である。
【0015】一般式(3)で表されるハロゲン化アルキ
ル化合物において、Xはハロゲン原子を表す。塩素原
子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子が好ましい
が、とりわけ臭素原子が好ましい。
【0016】一般式(3)のハロゲン化アルキルの具体
例としては、臭化メチル、沃化メチル、臭化エチル、沃
化エチル、塩化n−プロピル、臭化n−プロピル、沃化
n−プロピル、塩化イソプロピル、臭化イソプロピル、
塩化イソブチル、臭化イソブチル、臭化sec−ブチ
ル、臭化tert−ブチル、塩化tert−ブチル、臭
化n−ペンチル、臭化イソペンチル、臭化ネオペンチ
ル、臭化1−エチルプロピル、臭化n−ヘキシル、臭化
1−メチルペンチル、臭化n−ヘプチル、臭化2−メチ
ルヘキシル、臭化2−エチルヘキシル、臭化n−ノニ
ル、臭化n−デシル、臭化シクロペンチル、塩化シクロ
ヘキシル、臭化シクロヘキシル、臭化4’−メチルシク
ロヘキシル、臭化シクロヘプチル、臭化シクロオクチ
ル、臭化シクロデシル、臭化シクロヘキシルメチル、臭
化シクロヘキシルエチル等を挙げることができる。
【0017】本発明の前記一般式(1)で表される3−
(N,N−ジ置換アミノ)フェノール類の製造法におい
ては、まず、工程(a)でレゾルシンと一般式(2)で
表される第一級アミンとの反応により、3−(N−モノ
置換アミノ)フェノール類を含む反応混合物を製造す
る。この反応における主な副生物としては、N,N’−
ジ置換−m−フェニレンジアミンや3,3’−ジヒドロ
キシ−N−置換ジフェニルアミン等があるが、その他に
も多種の副生物が生成する。これらの副生物は、最終目
的物に混入したり、次の工程(b)でハロゲン化アルキ
ルと反応するものが多いので除去することが望ましい
が、目的とする3−(N−モノ置換アミノ)フェノール
類を損失することなく副生物を除去することは困難であ
る。この工程において、副生物を生じさせないことは不
可能であり、現在の技術では、3−(N−モノ置換アミ
ノ)フェノール類の生成率が上がるにつれて副生物の生
成割合も増加する。
【0018】本発明者等は、レゾルシンの変換率が一定
範囲内である場合に、副生物の生成量が非常に少ないこ
とを見いだした。工程(a)終了後に存在するレゾルシ
ンは本発明の条件では工程(b)においてハロゲン化ア
ルキルと反応しない上、工程(d)で未反応レゾルシン
をほぼ全量回収するので、レゾルシンの損失はほとんど
生じない。
【0019】副生物の生成割合を低く維持するために
は、前記のようにレゾルシンの変換率を低く抑えればよ
いのであるが、あまり低い場合は生産効率が悪くなり製
造上不利であるので、レゾルシンの変換率は50%以
上、好ましくは65%以上である。
【0020】また、前記したようにレゾルシンの変換率
が高くなる程、副生物の生成量が増加する。このため、
レゾルシンの変換率の上限を一定値以下にする必要があ
るが、レゾルシンの変換率と副生物量との関係は工程
(a)における各種条件、例えば触媒の有無や種類、反
応圧力、反応温度等により若干違いがある。最適な変換
率の上限を把握するには、主要な副生物であるN,N’
−ジ置換−m−フェニレンジアミンの生成量が良い指標
となることを、本発明者等は見い出した。つまり、工程
(a)における全副生物量は、N,N’−ジ置換−m−
フェニレンジアミンの生成量が使用レゾルシン量の2モ
ル%以下であれば、他の副生物の生成量も低く、最終的
に得られる3−(N,N−ジ置換アミノ)フェノール類
の純度が高くなり、また、工程(c)において、アルカ
リ水溶液に溶ける副生物もごく微量となり、工程(d)
において回収されるレゾルシンをさらに精製することな
く、次回の反応の原料として使用することができる。こ
のためレゾルシンから3−(N,N−ジ置換アミノ)フ
ェノール類への実質的な収率は100%近くとなる。
【0021】上記のごとく、レゾルシンの変換率と副生
物量との関係は工程(a)の条件により多少異なること
もあるが、条件をレゾルシンの変換率のみで表すと、概
略で、レゾルシンの変換率を50〜85%、好ましくは
65〜80%の範囲に抑えることがポイントとなる。
【0022】工程(a)において、第一級アミンの使用
モル比は、レゾルシンに対し0.8〜1.4が好まし
く、0.9〜1.2がさらに好ましい。反応は無触媒状
態でも触媒の存在下でも実施可能であるし、適当な有機
溶媒を用いることも、加圧下で行うことも可能である。
触媒、溶媒の有無により多少反応条件は異なるが、例え
ば、常圧で100〜160℃の反応温度、2〜24時間
の反応時間を採用することで、工程(a)に記載される
条件が達成される。加圧下の場合は、反応時間は短縮さ
れる。最適な反応の終点を知るには、例えば、反応混合
物を経時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィー
または液体クロマトグラフィーを用いてN,N’−ジ置
換−m−フェニレンジアミンおよび/または3−(N−
モノ置換アミノ)フェノール類の生成曲線を作成し、こ
の生成曲線により予測あるいは決定することができる。
【0023】上記工程(a)におけるレゾルシンと第一
級アミンとの反応を停止させるには、例えば、反応系を
50℃以下に冷却すればよい。
【0024】使用可能な触媒としては、金属(銅、コバ
ルト、亜鉛、ニッケル、マグネシウム、錫、アンチモ
ン、バナジウム、鉄等)のハロゲン化物、金属(銅、コ
バルト、ニッケル等)のハロゲン化アンモニウム塩、金
属(ガリウム、ケイ素、亜鉛、モリブデン、タングステ
ン、アンチモン、バナジウム、鉄、アルミニウム等)の
酸化物、金属(亜鉛、ニッケル等)のリン酸塩、有機カ
ルボン酸(酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、コハク酸、マロン酸、アジピン
酸、グルタル酸、安息香酸、フェニル酢酸、ナフトエ
酸、フタル酸等)、リン酸、ポリリン酸等を挙げること
ができる。
【0025】触媒の使用量は、特に限定されるものでは
なく、所望の反応促進効果が発揮される量を使用すれば
よく、一般にレゾルシンに対し、1〜30モル%程度使
用する。
【0026】使用可能な有機溶媒としては、3−(N−
モノ置換アミノ)フェノール類の溶解性に優れ、水に対
する溶解度の低い溶媒が好ましい。
【0027】有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、ト
ルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、
エチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、1,2,4−
トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼ
ン、テトラリン、α−メチルナフタレン等の芳香族炭化
水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化
水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラク
ロロメタン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロ
エタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−
トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶媒、ジイソプロピ
ルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、アニソール、ジ
フェニルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢
酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒、n−ヘキサ
ノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エ
チルヘキサノール、n−デカノール、シクロヘキサノー
ル等のアルコール系溶媒等を挙げることができる。
【0028】これらの溶媒は単独で使用してもよく、複
数併用してもよい。より好ましい溶媒は炭化水素系溶媒
であり、さらに好ましくは芳香族炭化水素系溶媒または
脂肪族炭化水素系溶媒であり、とりわけ芳香族炭化水素
系溶媒は好ましい。
【0029】有機溶媒の使用量は特に限定されるもので
はなく、一般に、レゾルシンの重量に対して10重量%
以上用いればよく、過多量使用すれば製造効率が低下す
るので、好ましくは10〜10000重量%、より好ま
しくは20〜5000重量%である。
【0030】工程(a)の反応停止後、未反応の第一級
アミンを回収、除去することが、製造コスト低減のた
め、あるいはその後の工程における副反応の可能性を避
けるために、好ましい。
【0031】また、工程(a)の反応において、有機溶
媒を使用した場合は、反応停止後に有機溶媒を回収、除
去するほうが、工程(b)における副反応がより少ない
という点で、好ましい。
【0032】工程(b)では、上記工程(a)で得られ
た反応混合物に、一般式(3)で表されるハロゲン化ア
ルキルを反応させて3−(N,N−ジ置換アミノ)フェ
ノールを含む反応混合物を得る。この工程では、アルカ
リや溶媒は使用しないことが好ましい。アルカリや溶媒
を使用すると、o−アルキル化等の副反応により目的と
する3−(N,N−ジ置換アミノ)フェノール類の純
度、収率が低下することがある。しかしながら、反応系
の粘性が高く撹拌効率が低い場合には、炭化水素系の溶
媒を使用してもよい。
【0033】工程(b)において、ハロゲン化アルキル
の使用モル比は、レゾルシンに対し、0.8〜1.5が
好ましく、0.9〜1.2がさらに好ましい。
【0034】工程(b)における反応温度は、50〜1
50℃が好ましい。反応時間は、反応温度に左右される
が、2〜40時間である。
【0035】工程(b)の終了後に、残存するハロゲン
化アルキルを除去する方が、例えば、3−アルコキシ−
N,N−ジ置換アニリンのような副生物を生じる可能性
をなくすという点で好ましい。
【0036】工程(c)では、アルキル化が終了した反
応混合物にアルカリ水溶液を加え、未反応レゾルシンを
溶解させる。一方、3−(N,N−ジ置換アミノ)フェ
ノールを、水と層分離する有機溶媒で抽出する。水と層
分離する有機溶媒としては、工程(a)において示され
た反応溶媒を用いることができる。レゾルシンはアルカ
リ水溶液にほとんど全量が溶解し、有機層には実質的に
入ってこない。
【0037】使用されるアルカリとしては、水酸化リチ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナト
リウム等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金
属化合物等が挙げられ、水酸化ナトリウムまたは水酸化
カリウムが特に好ましく用いられる。
【0038】アルカリ量は工程(a)で使用したレゾル
シンの1.0〜2.5倍モル量が好ましく、水量は工程
(a)で使用したレゾルシンの2〜20倍重量、とりわ
け5〜8倍重量が好ましい。
【0039】工程(d)において、工程(c)のアルカ
リ水溶液からレゾルシンを回収する方法としては、アル
カリ水溶液を中和した後、水を留去して回収する方法
と、アルカリ水溶液を中和または酸性にした後、水と相
分離する極性溶媒で抽出する方法がある。
【0040】工程(c)のアルカリ水溶液を中和または
酸性にする時、使用される酸としては、塩酸、硫酸、硝
酸等の鉱酸が、より好適に用いられる。
【0041】水と層分離する極性溶媒としては、アルキ
ルケトン類が好適に使用され、これらアルキルケトンと
してはメチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、ジエチルケトン、ジイソプロピルケト
ン、エチルイソブチルケトン、プロピルブチルケトン、
ジイソブチルケトン等が挙げられる。また、ジエチルエ
ーテルのようなエーテル類も使用することができる。
【0042】本発明の製造方法においては、各工程を大
気雰囲気下で実施することができるが、得られる3−
(N,N−ジ置換アミノ)フェノール類の着色を防ぐと
いう意味においては、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不
活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】(実施例1) 〔工程(a)〕窒素雰囲気下、レゾルシン110g(1
モル)を140℃に加熱・溶解しておき、これにn−ブ
チルアミン87.6g(1.2モル)を140〜145
℃を維持しながら10時間を要して滴下した。滴下終了
後、同温度でさらに6時間反応させた。室温まで冷却し
て反応を停止させた後、未反応のn−ブチルアミンを蒸
留により31.8g回収して反応混合物を得た。この反
応混合物を高速液体クロマトグラフィーで分析した結
果、 ・3−(N−n−ブチルアミノ)フェノール123.8
g(レゾルシン基準の収率:75モル%) ・レゾルシン26.4g(レゾルシンの変換率:76モ
ル%) ・N,N’−ジ−n−ブチル−m−フェニレンジアミン
0.66g(レゾルシン基準の生成率0.3モル%) が含まれていた。
【0045】液体クロマトグラフィーに現れた上記以外
のピークをすべてN,N’−ジ−n−ブチル−m−フェ
ニレンジアミンを除くその他副生物とすると、その他副
生物は、0.8重量%であった。
【0046】〔工程(b)〕工程(a)で得た反応混合
物に臭化n−ブチル137g(1モル)を加え、80〜
90℃で8時間反応させた。反応後、未反応の臭化n−
ブチルを蒸留により32.4g回収して反応混合物を得
た。この反応混合物を高速液体クロマトグラフィーで分
析した結果、 ・3−(N,N−ジ−n−ブチルアミノ)フェノール1
65.8g(3−(N−n−ブチルアミノ)フェノール
基準の収率:100モル%)が含まれていた。
【0047】〔工程(c)〕工程(b)で得た反応混合
物に25%水酸化ナトリウム水溶液200gを加えアル
カリ性とした後、トルエン300mlで3−(N,N−
ジ−n−ブチルアミノ)フェノールを抽出した。
【0048】トルエン抽出液を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析した結果、工程(b)で生成した3−(N,
N−ジ−n−ブチルアミノ)フェノールは全量このトル
エン抽出液に含まれており、その純度は99.4重量%
であった。レゾルシンは、このトルエン抽出液中には含
まれていなかった。
【0049】〔工程(d)〕工程(c)で得た水酸化ナ
トリウム水溶液を希塩酸中で中和し、水を留去した後、
ジエチルエーテル200mlでの抽出操作を3回繰り返
し、ジエチルエーテルを留去することにより、未反応レ
ゾルシン26.4gを回収した。
【0050】(実施例2) 〔工程(a)〕窒素雰囲気下、レゾルシン110g(1
モル)にイソペンチルアミン26.1g(0.3モル)
を加え、145〜150℃で4時間撹拌後、同温を維持
しながらイソペンチルアミン69.6g(0.8モル)
を7時間を要して滴下した。滴下終了後、同温で4時間
反応させた。室温まで冷却して反応を停止させた後、未
反応のイソペンチルアミンを蒸留により30.7g回収
して反応混合物を得た。この反応混合物を高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、 ・3−(N−イソペンチルアミノ)フェノール130.
7g(レゾルシン基準の収率:73モル%) ・レゾルシン27.8g(レゾルシンの変換率:75モ
ル%) ・N,N’−ジイソペンチル−m−フェニレンジアミン
1.24g(レゾルシン基準の生成率0.5モル%) が含まれていた。
【0051】液体クロマトグラフィーに現れた上記以外
のピークをすべてN,N’−ジイソペンチル−m−フェ
ニレンジアミンを除くその他副生物とすると、その他副
生物は、1.2重量%であった。
【0052】〔工程(b)〕工程(a)で得た反応混合
物に沃化エチル156g(1モル)を加え、70〜75
℃で10時間反応させた。反応後、未反応の沃化エチル
を蒸留により38.6g回収して反応混合物を得た。こ
の反応混合物を高速液体クロマトグラフィーで分析した
結果、 ・3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)フェノ
ール151.1g(3−N−イソペンチルアミノフェノ
ール基準の収率:100モル%) が含まれていた。
【0053】〔工程(c)〕工程(b)で得た反応混合
物に25%水酸化ナトリウム水溶液200gを加えアル
カリ性とした後、クロロベンゼン300mlで3−(N
−エチル−N−イソペンチルアミノ)フェノールを抽出
した。
【0054】クロルベンゼン抽出液を高速液体クロマト
グラフィーで分析した結果、工程(b)で生成した3−
(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)フェノールは
全量このクロロベンゼン抽出液に含まれており、その純
度は99.0重量%であった。レゾルシンは、このクロ
ロベンゼン抽出液中には含まれていなかった。
【0055】〔工程(d)〕工程(c)で得た水酸化ナ
トリウム水溶液に35%塩酸55mlを加え酸性とし、
メチルイソブチルケトン200mlでの抽出操作を3回
繰り返し、メチルイソブチルケトンを留去することによ
り、未反応レゾルシン27.8gを回収した。
【0056】(実施例3) 〔工程(a)〕窒素雰囲気下、レゾルシン110g(1
モル)にシクロヘキシルアミン49.5g(0.5モ
ル)を加え、145〜150℃で5時間撹拌後、同温を
維持しながらシクロヘキシルアミン59.4g(0.6
モル)を6時間を要して滴下した。滴下終了後、同温で
4時間反応させた。室温まで冷却して反応を停止させた
後、未反応のシクロヘキシルアミンを蒸留により39.
6g回収して反応混合物を得た。この反応混合物を高速
液体クロマトグラフィーで分析した結果、 ・3−(N−シクロヘキシルアミノ)フェノール13
1.8g(レゾルシン基準の収率:69モル%) ・レゾルシン32.6g(レゾルシンの変換率:70モ
ル%) ・N,N’−ジシクロヘキシル−m−フェニレンジアミ
ン1.09g(レゾルシン基準の生成率0.4モル%) が含まれていた。
【0057】液体クロマトグラフィーに現れた上記以外
のピークをすべてN,N’−ジシクロヘキシル−m−フ
ェニレンジアミンを除くその他副生物とすると、その他
副生物は、1.3重量%であった。
【0058】〔工程(b)〕工程(a)で得た反応混合
物に沃化メチル142g(1モル)を加え、45〜50
℃で10時間反応させた。反応後、未反応の沃化メチル
を蒸留により41.1g回収して反応混合物を得た。こ
の反応混合物を高速液体クロマトグラフィーで分析した
結果、 ・3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェ
ノール141.5g(3−(N−シクロヘキシルアミ
ノ)フェノール基準の収率:100モル%) が含まれていた。
【0059】〔工程(c)〕工程(b)で得た反応混合
物に25%水酸化ナトリウム水溶液200gを加えアル
カリ性とした後、トルエン300mlで3−(N−シク
ロヘキシル−N−メチルアミノ)フェノールを抽出し
た。
【0060】トルエン抽出液を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析した結果、工程(b)で生成した3−(N−
シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェノールは全量
このトルエン抽出液に含まれており、その純度は99.
2重量%であった。また、レゾルシンは、このトルエン
抽出液中には含まれていなかった。
【0061】〔工程(d)〕工程(c)で得た水酸化ナ
トリウム水溶液に35%塩酸60mlを加え酸性とし、
メチルイソブチルケトン200mlでの抽出操作を3回
繰り返し、メチルイソブチルケトンを留去することによ
り、未反応レゾルシン32.6gを回収した。
【0062】(実施例4) 〔工程(a)〕窒素雰囲気下、レゾルシン110g(1
モル)にn−ペンチルアミン87.0g(1モル)を加
え、140〜145℃で20時間反応させた。室温まで
冷却して反応を停止させた後、未反応のn−ペンチルア
ミンを蒸留により13.9g回収して反応混合物を得
た。この反応混合物を高速液体クロマトグラフィーで分
析した結果、 ・3−(N−n−ペンチルアミノ)フェノール139.
6g(レゾルシン基準の収率:78モル%) ・レゾルシン17.6g(レゾルシンの変換率:84モ
ル%) ・N,N’−ジ−n−ペンチル−m−フェニレンジアミ
ン4.22g(レゾルシン基準の生成率1.7モル%) が含まれていた。
【0063】液体クロマトグラフィーに現れた上記以外
のピークをすべてN,N’−ジ−n−ペンチル−m−フ
ェニレンジアミンを除くその他副生物とすると、その他
副生物は、3.9重量%であった。
【0064】〔工程(b)〕工程(a)で得た反応混合
物に臭化n−ペンチル151g(1モル)を加え、12
5〜130℃で6時間反応させた。反応後、未反応の臭
化n−ペンチルを蒸留により31.8g回収して反応混
合物を得た。この反応混合物を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析した結果、 ・3−(N,N−ジ−n−ペンチルアミノ)フェノール
194.2g(3−(N−n−ペンチルアミノ)フェノ
ール基準の収率:100モル%) が含まれていた。
【0065】〔工程(c)〕工程(b)で得た反応混合
物に25%水酸化ナトリウム水溶液200gを加えアル
カリ性とした後、トルエン300mlで3−(N,N−
ジ−n−ペンチルアミノ)フェノールを抽出した。
【0066】トルエン抽出液を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析した結果、工程(b)で生成した3−(N,
N−ジ−n−ペンチルアミノ)フェノールは全量このト
ルエン抽出液に含まれており、その純度は98.3重量
%であった。また、レゾルシンは、このトルエン抽出液
中には含まれていなかった。
【0067】〔工程(d)〕工程(c)で得た水酸化ナ
トリウム水溶液に35%塩酸60mlを加え酸性とし、
メチルイソブチルケトン200mlでの抽出操作を3回
繰り返し、メチルイソブチルケトンを留去することによ
り、未反応レゾルシン17.5gを回収した。
【0068】(実施例5) 〔工程(a)〕窒素雰囲気下、実施例1〜4で回収した
レゾルシン104.3gに未使用レゾルシン5.7gを
加えて全量を110g(1モル)とし、これを140℃
に加熱・溶解した。これにn−ブチルアミン87.6g
(1.2モル)を145〜150℃を維持しながら8時
間を要して滴下した。滴下終了後、同温でさらに5時間
反応させた。室温まで冷却して反応を停止させた後、未
反応のn−ブチルアミンを蒸留により30.5g回収し
て反応混合物を得た。この反応混合物を高速液体クロマ
トグラフィーで分析した結果、 ・3−(N−n−ブチルアミノ)フェノール125.4
g(レゾルシン基準の収率:76モル%) ・レゾルシン25.8g(レゾルシンの変換率:77モ
ル%) ・N,N’−ジ−n−ブチル−m−フェニレンジアミン
0.74g(レゾルシン基準の生成率0.3モル%) が含まれていた。
【0069】液体クロマトグラフィーに現れた上記以外
のピークをすべてN,N’−ジ−n−ブチル−m−フェ
ニレンジアミンを除くその他副生物とすると、その他副
生物は、0.9重量%であった。
【0070】〔工程(b)〕工程(a)で得た反応混合
物に臭化n−ブチル137g(1モル)を加え、80〜
90℃で8時間反応させた。反応後、未反応の臭化n−
ブチルを蒸留により31.5g回収して反応混合物を得
た。この反応混合物を高速液体クロマトグラフィーで分
析した結果、 ・3−(N,N−ジ−n−ブチルアミノ)フェノール1
68.0g(3−(N−n−ブチルアミノ)フェノール
基準の収率:100モル%) が含まれていた。
【0071】〔工程(c)〕工程(b)で得た反応混合
物に25%水酸化ナトリウム水溶液200gを加えアル
カリ性とした後、トルエン300mlで3−(N,N−
ジ−n−ブチルアミノ)フェノールを抽出した。
【0072】トルエン抽出液を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析した結果、工程(b)で生成した3−(N,
N−ジ−n−ブチルアミノ)フェノールは全量このトル
エン抽出液に含まれており、その純度は99.1重量%
であった。レゾルシンは、このトルエン抽出液中には含
まれていなかった。
【0073】〔工程(d)〕工程(c)で得た水酸化ナ
トリウム水溶液を希塩酸中で中和し、水を留去した後、
メチルイソブチルケトン200mlでの抽出操作を3回
繰り返し、メチルイソブチルケトンを留去することによ
り、未反応レゾルシン25.3gを回収した。
【0074】(比較例1) 〔工程(a’)〕窒素雰囲気下、レゾルシン110g
(1モル)にn−ブチルアミン21.9g(0.3モ
ル)を加え、175〜180℃で2時間撹拌した。この
混合物中に、同温度でn−ブチルアミン65.7g
(0.9モル)を2時間を要して滴下した。滴下終了
後、同温度で6時間反応させた。室温まで冷却して反応
を停止させた後、未反応のn−ブチルアミンを蒸留によ
り11.8g回収して反応混合物を得た。この反応混合
物を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、 ・3−(N−n−ブチルアミノ)フェノール107.3
g(レゾルシン基準の収率:65モル%) ・レゾルシン5.5g(レゾルシンの変換率:95モル
%) ・N,N’−ジ−n−ブチル−m−フェニレンジアミン
19.8g(レゾルシン基準の生成率9.0モル%) が含まれていた。
【0075】液体クロマトグラフィーに現れた上記以外
のピークをすべてN,N’−ジ−n−ブチル−m−フェ
ニレンジアミンを除くその他副生物とすると、その他副
生物は、20.5重量%であった。
【0076】〔工程(b)〕工程(a’)で得た反応混
合物に臭化n−ブチル137g(1モル)を加え、80
〜90℃で8時間反応させた。反応後、未反応の臭化n
−ブチルの蒸留による回収を試みたが、できなかった。
反応混合物を高速液体クロマトグラフィーで分析した結
果、 ・3−(N,N−ジ−n−ブチルアミノ)フェノール1
43.6g(3−(N−n−ブチルアミノ)フェノール
基準の収率:100モル%) ・N,N,N’,N’−テトラ−n−ブチル−m−フェ
ニレンジアミン29.8g が含まれていた。その他、構造未確認の副生物ピークが
多数含まれていた。
【0077】〔工程(c)〕工程(b)で得た反応混合
物に25%水酸化ナトリウム水溶液200gを加えアル
カリ性とした後、トルエン300mlで3−(N,N−
ジ−n−ブチルアミノ)フェノールを抽出した。
【0078】トルエン抽出液を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析した結果、工程(b)で生成した3−(N,
N−ジ−n−ブチルアミノ)フェノールは全量このトル
エン抽出液に含まれており、その純度は82.8重量%
であった。レゾルシンは、このトルエン抽出液中には含
まれていなかった。
【0079】〔工程(d)〕工程(c)で得た水酸化ナ
トリウム水溶液に35%塩酸30mlを加え酸性とし、
メチルイソブチルケトン200mlでの抽出操作を2回
繰り返した後、メチルイソブチルケトンを留去し、未反
応レゾルシン5.5gを含む高沸点副生物41.6gを
得た。この残渣より高純度レゾルシンを回収することは
できなかった。
【0080】(比較例2) 〔工程(a”)〕比較例1において、工程(a’)にお
ける反応温度を165〜170℃に変えた以外は比較例
1と同様の操作を行った。反応混合物を高速液体クロマ
トグラフィーで分析した結果、 ・3−(N−n−ブチルアミノ)フェノール 123.
8g(レゾルシン基準の収率:82%) ・レゾルシン 11.0g(レゾルシンの変換率:90
モル%) ・N,N’−ジ−n−ブチル−m−フェニレンジアミン
5.5g(レゾルシン基準の生成率:2.5モル%) が含まれていた。
【0081】液体クロマトグラフィーに現れた上記以外
のピークを全てその他副生物とすると、その他副生物は
5.9%であった。
【0082】〔工程(b)〕比較例1と同様の操作およ
び分析を行った結果、 ・3−(N,N−ジ−n−ブチルアミノ)フェノール
181.2g(3−(N−n−ブチルアミノ)フェノー
ル基準の収率:100モル%) ・N,N,N’,N’−テトラ−n−ブチル−m−フェ
ニレンジアミン8.3g が含まれていた。
【0083】〔工程(c)〕比較例1と同様な操作およ
び分析を行った。
【0084】工程(b)で生成した3−(N,N−ジ−
n−ブチルアミノ)フェノールは、全量このトルエン抽
出液中に含まれており、その純度は91.4重量%であ
った。レゾルシンは、このトルエン抽出液中には含まれ
ていなかった。
【0085】〔工程(d)〕比較例1と同様の操作を行
い、未反応レゾルシン11gを含む高沸点副生物21.
0gを得た。このものから高純度のレゾルシンを回収す
ることはできなかった。
【0086】〔結果のまとめ〕実施例1〜5および比較
例1〜2の工程(a)におけるレゾルシンの変換率、3
−(N−モノ置換アミノ)フェノールの収率、生じた副
生物の割合と工程(c)で得られた目的物の純度を表1
に示す。
【0087】
【表1】
【0088】A:工程(a)、(a’)(比較例1)ま
たは(a”)(比較例2)におけるレゾルシンの変換率 B:工程(a)、(a’)(比較例1)または(a”)
(比較例2)における3−(N−モノ置換アミノ)フェ
ノールの収率(対レゾルシン) C:工程(a)、(a’)(比較例1)または(a”)
(比較例2)で生じたN,N’−ジ置換−m−フェニレ
ンジアミンの割合 D:工程(a)、(a’)(比較例1)または(a”)
(比較例2)で生じたN,N’−ジ置換−m−フェニレ
ンジアミン以外の副生物の割合 E:工程(c)で得られた3−(N,N−ジ置換アミ
ノ)フェノールの純度
【0089】実施例1〜5では、副生物の生成量が非常
に少なく、また得られた3−(N,N−ジ置換アミノ)
フェノールは非常に高純度であった。
【0090】また、実施例5で示したように、実施例1
〜4で回収したレゾルシンは次の反応原料として使用可
能であったが、比較例1で回収したレゾルシンは副生物
量が多く混入し、再使用不可であった。
【0091】
【発明の効果】以上述べた結果から明らかなように、本
発明の方法により副生物の生成が非常に少なく、回収し
て得られるレゾルシンが高純度であるため再使用可能
で、実質的に高収率で、かつ高純度の3−(N,N−ジ
置換アミノ)フェノール類の製造が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 宣明 大阪府八尾市弓削町南1丁目43番地 山本 化成株式会社内 (72)発明者 松本 万助 大阪府八尾市弓削町南1丁目43番地 山本 化成株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、アルケ
    ニル基、アルコキシアルキル基、アリール基またはアラ
    ルキル基を表し、R2 はアルキル基またはシクロアルキ
    ル基を表す〕で表される3−(N,N−ジ置換アミノ)
    フェノール類を製造する方法において、(a)レゾルシ
    ンと一般式(2) R1 NH2 (2) 〔式中、R1 は前記と同じ意味を表す〕で表される第一
    級アミンとを反応させる際に、レゾルシンの変換率が5
    0モル%以上であり、かつ、N,N’−ジ置換−m−フ
    ェニレンジアミンの副生量が使用レゾルシン量の2モル
    %以下の範囲である段階で反応を停止させ、3−(N−
    モノ置換アミノ)フェノール類を含む反応混合物を得る
    工程、(b)工程(a)で得た反応混合物に、一般式
    (3) R2 X (3) 〔式中、R2 は前記に同じであり、Xはハロゲン原子を
    表す〕で表されるハロゲン化アルキルを添加して、3−
    (N,N−ジ置換アミノ)フェノール類を含む反応混合
    物を得る工程、(c)工程(b)で得た反応混合物にア
    ルカリ水溶液を加え、未反応のレゾルシンをアルカリ水
    溶液に溶解し、かつ有機溶媒により3−(N,N−ジ置
    換アミノ)フェノール類を抽出する工程、(d)工程
    (c)のアルカリ水溶液層より、未反応レゾルシンを回
    収する工程よりなることを特徴とする3−(N,N−ジ
    置換アミノ)フェノール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)において、反応を停止させた
    後に、未反応の第一級アミンを回収することを特徴とす
    る請求項1に記載の3−(N,N−ジ置換アミノ)フェ
    ノール類の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)におけるレゾルシンの変換率
    が50モル%以上、85モル%以下である請求項1また
    は2に記載の3−(N,N−ジ置換アミノ)フェノール
    類の製造方法。
  4. 【請求項4】 工程(a)における反応を、無触媒下で
    行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の3−(N,N−ジ置換アミノ)フェノール類の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 工程(b)において、行程(a)で得た
    反応混合物にハロゲン化アルキルを反応させて3−
    (N,N−ジ置換アミノ)フェノール類を含む反応混合
    物を得た後に、残存するハロゲン化アルキルを除去する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    3−(N,N−ジ置換アミノ)フェノール類の製造方
    法。
JP27235996A 1995-10-16 1996-10-15 3−(n,n−ジ置換アミノ)フェノール類の製造方法 Pending JPH09169708A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007534471A (ja) * 2004-04-24 2007-11-29 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト フェノール含有流出ストリームの抽出
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