JPH0916949A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0916949A
JPH0916949A JP18821795A JP18821795A JPH0916949A JP H0916949 A JPH0916949 A JP H0916949A JP 18821795 A JP18821795 A JP 18821795A JP 18821795 A JP18821795 A JP 18821795A JP H0916949 A JPH0916949 A JP H0916949A
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JP
Japan
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magnetic
lubricant
recording medium
formula
peak intensity
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Yasuhiro Nishida
康宏 西田
Yasuyo Hisamichi
康代 久道
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも磁性層2上に潤滑剤4が保有さ
れ、角度分解X線光電子分光法(AR−ESCA)を用
いて、 sinθ(θ:光電子脱出角度)を横軸、潤滑剤起
因ピーク強度Iと下地起因ピーク強度IIとの比(ピーク
強度I/ピーク強度II)を縦軸としたグラフを作成した
際、下記の式で定義される傾きαがα≦−0.25であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体。 α={(S(80°))/S(80°))}−
{(S(10°))/S(10°))},/(si
n80°−sin10°) (ここで、Sl (θ):光電子脱出角度θ°での潤滑剤
起因ピーク強度I、SU (θ):光電子脱出角度θ°で
の下地起因ピーク強度II。) 【効果】 走行性、耐摩耗性、耐久性、耐候性等に優れ
ると共に、これらの特性が長時間に亘って持続される磁
気記録媒体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープ等の磁気記録
媒体に関し、特に、磁性塗膜を磁性層として有する塗布
型磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高記録密度の要求に対応して、非常に微
細な磁性粒子と結合剤樹脂とを含む磁性塗料を非磁性支
持体上に塗布し、これを磁性層とした、いわゆる塗布型
の磁気記録媒体では、スペーシングロスを減少させるた
めに磁性層表面の平滑性が極めて良好となっている。
【0003】そのため、磁気ヘッドやガイドローラ等の
摺動部材に対する実質的な接触面積が大きくなり、従っ
て摩擦係数が大きくなって凝着現象(いわゆる張り付
き)が起き易く、走行性や耐久性に欠ける等、問題点が
多い。
【0004】そこで、これらの問題点を解決するため
に、従来から磁性層に種々の潤滑剤を内添することが行
われている。こうした潤滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸
エステル、フッ素系潤滑剤、流動パラフィン等が用いら
れている。
【0005】しかしながら、使用される添加剤、特に潤
滑剤の能力不足に起因して摩擦特性又は耐久性が劣化
し、保存特性を含めた実用特性に不満を残している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、走行
性、耐摩耗性、耐久性、耐候性等に優れると共に、これ
らの特性が長時間に亘って持続される磁気記録媒体を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、磁気記録媒体
表面の潤滑剤量は同じであっても、以下に定義する傾き
αを特定の範囲にコントロールすることによって摩擦係
数が減少し、上記の目的に適合した磁気記録媒体を見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち、本発明は、少なくとも磁性層を有す
る磁気記録媒体において、少なくとも前記磁性層上に潤
滑剤が保有され、角度分解X線光電子分光法(AR−E
SCA)を用いて、 sinθ(θ:光電子脱出角度)を横
軸、前記潤滑剤に起因するピーク強度I(以下、潤滑剤
起因ピーク強度と称する。)と前記潤滑剤の下層に起因
するピーク強度II(以下、下地起因ピーク強度と称す
る。)との比(ピーク強度I/ピーク強度II)を縦軸と
したグラフを作成した際、下記の式で定義される傾きα
がα≦−0.25であることを特徴とする磁気記録媒体に係
るものである。 (ここで、Sl (θ):光電子脱出角度θ°での潤滑剤
起因ピーク強度I、SU (θ):光電子脱出角度θ°で
の下地起因ピーク強度II。)
【0009】本発明の磁気記録媒体においては、上記の
傾きαがα≦−0.25となるように、下記一般式I−1、
I−2、I−3、I−4、I−5又はI−6で表される
潤滑剤の少なくとも1種が磁性層上に分布していること
が望ましい。 一般式I−1: R−COOR’ 一般式I−2: Rf−(CH2 OH)n 一般式I−3: Rf−(CH2 OR”)n 一般式I−4: Rf−(CH2 OCOR’)n 一般式I−5: Rf−(COOR’)n 一般式I−6: Rf−(COO- + (R1 )(R2 )R3 ) (但し、これらの一般式において、 R :炭素数10以上、望ましくは炭素数30以下の炭化水
素基、 R’:水素原子又は炭化水素基(望ましくは炭素数10〜
30の炭化水素基)、 Rf:パーフルオロポリエーテル又はフッ素化炭素、部
分フッ素化炭素等のフッ素含有炭化水素基、 R”:芳香環又はヘテロ系芳香環を含んでいてもよい炭
化水素基(炭素数は望ましくは30以下)、 R1 、R2 、R3 :水素原子、或いは芳香環又はヘテロ
系芳香環を含んでいてもよく、互いに同一の若しくは異
なっていてもよい炭素数30以下の炭化水素基、 n :1又は2。)
【0010】ここで、上記の各一般式において、Rとし
ては、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テト
ラデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げ
られる。
【0011】また、R’としては、水素原子、トリデシ
ル基、テトラデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基等が挙げられる。
【0012】また、R”としては、メチルフェニル基、
ステアリルフェニル基等が挙げられる。
【0013】また、R1 、R2 、R3 が炭化水素基であ
る場合は、メチル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0014】なお、炭化水素基(R、R’、R”、
1 、R2 、R3 )は、分子量、炭素数、分岐構造、不
飽和、及び芳香環の有無、異性体或いは脂環構造によら
ず選択することができる。好ましくは炭素数が10以上の
直鎖或いは分岐炭化水素が、摩擦係数或いは溶媒溶解性
の点から好ましい。これらの炭化水素基の炭素数の上限
は30とするのがよい。
【0015】更に、Rfとしては、単官能のパーフルオ
ロポリエーテルがあり、これには、例えば下記構造式
(1)で表される、パーフルオロプロピルオキシ基を有
するものや、パーフルオロイソプロピルオキシ基とパー
フルオロオキシメチレン基との共重合体であるもの、パ
ーフルオロイソプロピルオキシ基を有するものが挙げら
れる。 構造式(1):
【0016】また、パーフルオロポリエーテル(Rf)
の分子構造として、下記構造式(2)で表される多官能
のパーフルオロポリエーテル、例えばパーフルオロオキ
シエチレン基とパーフルオロオキシメチレン基との共重
合体が挙げられる。 構造式(2): −(OC2 4 p (OCF2 q −等。
【0017】ここで、上記のパーフルオロポリエーテル
の化学構造式中のr、m、l、k、p、qは1以上の整
数を示す。また、その分子量としては特に限定はしない
が、600〜5000程度が好ましい。分子量が大きくなりす
ぎると末端基としての効果が小さくなり、また分子量が
小さすぎるとパーフルオロポリエーテル基の効果が薄れ
る。
【0018】また、Rfが分子内に複数存在する場合、
Rfが互いに異なっている分子構造の潤滑剤を使用して
もよい。或いは、Rfが異なり、分子構造も互いに異な
る複数の潤滑剤を混合して用いてもよい。これは、上記
のR、R’、R”、R1 、R2 、R3 についても同様で
あり、これらの基を有する潤滑剤の1種又は複数種を使
用してよい。
【0019】本発明の磁気記録媒体に使用する潤滑剤の
うち、一般式I−1で示される潤滑剤は市販品であって
よい。また、一般式I−4、I−5のR’が水素のもの
或いは一般式I−2、I−3については、市販品であっ
てよい。
【0020】上記した潤滑剤のうち、末端に水酸基を持
った市販のパーフルオロポリエーテルとしてその構造を
具体的に示せば、 Fomblin−Z−DOL:HOH2 CCF2 (OC
2 4 p (OCF2 q-1 OCF2 CH2 OH、 Demnum SA:F(CF2 CF2 CF2 O)r CF2
2 CH2 OH、
【0021】また、一般式I−4、I−5、I−6につ
いては合成物を用いてよいが、これらの化合物について
は本出願人により既に出願されており、特開平5−19
4970号、特開平5−194971号、特開平5−2
0675号に示されたものが使用でき、下記にそれらを
例示する。
【0022】例1(一般式I−4の例): Rf=CF2 O(CF2 CF2 O)n (CF2 O)m
2 (n、m:1以上の整数) R’=C1837 例2(一般式I−5の例): R’=C1837 例3(一般式I−6の例): Rf=(CF2 CF2 O)n (CF2 O)m (n、m:1以上の整数) R1 =H、R2 =H、R3 =C1837
【0023】本発明に使用可能な潤滑剤は、一般式Iに
例示した潤滑剤に限られることはない。何故ならば、本
発明の特徴は潤滑剤の分布を傾きαで規定した(α≦−
0.25)ことにあり、これにより耐久性を改善したことに
あるからである。
【0024】本発明による磁気記録媒体において、潤滑
剤が少なくとも磁性層上に保有されているが、ここで、
「少なくとも磁性層上」とは、磁性層の表面を意味する
ことは勿論であるが、磁性層中であってもこの表面領域
或いは層全体に潤滑剤を存在させてもよいことも意味す
る。
【0025】そして、潤滑剤の量は、上記した傾きαが
α≦−0.25を充たすめには、X線光電子分光装置を下記
の条件で用いて測定した潤滑剤の量が 1.5×104(Counts
−eV/sec)以上であるのが望ましい。 X 線:MgKα(14kV、50W) 真空度:2×10-7Pa 分析径: 1.1mmφ 分析角度:45°
【0026】本発明が適用される塗布型磁気記録媒体に
おいて、磁性層に使用される磁性粉末としては、従来よ
り公知のものがいずれも使用可能であって、酸化磁性粉
末でもよく、金属磁性粉末でもよい。
【0027】酸化物磁性粉末としては、例えばγ−Fe
2 3 、Co含有γ−Fe2 3 、Fe3 4 、Co含
有Fe3 4 、Co被着γ−Fe2 3 、Co被着Fe
3 4 、CrO2 等が挙げられる。
【0028】金属磁性粉末としては、例えば、Fe、C
o、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−N
i、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−Co−Cr−
B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等が挙げ
られ、更にこれらの種々の特性を改善する目的でAl、
Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等の金属成分が添
加されたものであってもよい。また、バリウムフェライ
ト等の六方晶径フェライトやFe5 2 等の炭化鉄、窒
化鉄等も使用可能である。
【0029】磁性層は、上記磁性粉末を結合剤中に分散
させたものであるが、使用可能な結合剤としては、通常
この種の媒体において用いられている樹脂材料がいずれ
も使用可能であって、特にその種類は限定されない。
【0030】代表的な結合剤樹脂を例示すれば、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリ
ル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸
エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エス
テル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、
ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル
共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、セルロ
ース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエス
テル樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ
樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等で
ある。
【0031】こうした結合剤は、少なくともその一部に
スルホン酸金属塩基(−SO3 M;MはNa、K等のア
ルカリ金属)又は硫酸金属塩基(−SO4 M;MはN
a、K等のアルカリ金属又はアルキル基を示す。)の少
なくとも一方が導入されていることが望ましい。これら
の金属塩基は、磁性粉末の表面積1m2当たり 0.2〜0.8
μmol 含まれていることが望ましい。
【0032】また、本発明の磁気記録媒体において、磁
性層には更に必要に応じて、レシチン等の分散剤、ステ
アリン酸エステル等の潤滑剤、カーボンブラック等の帯
電防止剤、アルミナ等の研摩剤、防錆剤等が加えられて
もよい。これらの分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、研摩剤
及び防錆剤としては従来公知の材料がいずれも使用可能
であり、なんら限定されるものではない。
【0033】また、本発明の磁気記録媒体に使用可能な
非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム等のポリ
エステル類、アラミドフィルム等を挙げることができ
る。また、支持体表面にアルマイト処理等の酸化皮膜や
Ni−P皮膜等を形成してその表面を硬くするようにし
てもよい。
【0034】これらの非磁性支持体の形態としては、フ
ィルム、テープ、シート、ディスク、カード、ドラム等
のいずれでもよいが、テープ状の場合に本発明の効果が
特に顕著となる。
【0035】非磁性支持体の表面には、磁性層の接着性
を向上させるために、中間層又は下引層を設けてもよ
い。
【0036】非磁性支持体上に磁性層を形成するには、
磁性層の上記した構成成分を結合剤中に分散し、結合剤
の種類等によってエーテル類、エステル類、ケトン類、
芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、有機塩素化合物系溶
剤等から選ばれる有機溶剤と共に分散して磁性塗料を調
製し、この塗料を非磁性支持体の表面に塗布し、乾燥、
カレンダー処理をする。
【0037】なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設け
られていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の
向上や帯電防止及び転写防止等を目的としてバックコー
ト層を設けることができる。バックコート層も結合剤
(基本的には前記磁性層に使用するものと同じ結合
剤)、従来公知のバックコート層用の各種添加成分等を
含有することができる。
【0038】本発明は、上記の塗布型に限らず、非磁性
支持体表面に蒸着等の手法により磁性塗膜が磁性層とし
て形成される、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に適
用することが可能である。また、この金属薄膜型の磁気
記録媒体においては、磁性層上に潤滑剤層を形成する。
そして、非磁性支持体と磁性層との間に下地層を介した
構成の磁気記録媒体に適用することもできる。
【0039】この場合、金属磁性薄膜は、メッキやスパ
ッタリング、真空蒸着等のPVD(物理的蒸着)の手法
により連続膜として形成することができ、Fe、Co、
Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co−Pt系合金、
Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−N
i系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Ni−B系
合金、Fe−Co−B系合金、Fe−Co−Ni−B系
合金等からなる面内磁化記録金属磁性膜やCo−Cr系
合金薄膜が例示される。
【0040】本発明の磁気記録媒体は、例えば図3に示
すように、非磁性支持体1上に、磁性層2を形成し、こ
の上に潤滑剤層4を設けたものである。また、この磁性
層とは反対側の支持体面にはバックコート層3が設けら
れてよいが、これは必ずしも設ける必要はない。磁性層
上にはオーバーコート層を設けてもよい。
【0041】
【発明の作用効果】本発明の磁気記録媒体によれば、少
なくとも前記磁性層上に潤滑剤が保有され、角度分解X
線光電子分光法(AR−ESCA)を用いて、 sinθ
(θ:光電子脱出角度)を横軸、潤滑剤起因ピーク強度
Iと下地起因ピーク強度IIとの比(ピーク強度I/ピー
ク強度II)を縦軸としたグラフを作成した際、上記した
式で定義される傾きαがα≦−0.25であるため、潤滑剤
の分布(傾きαの特定)により、磁気記録媒体の摩擦係
数を減少させ、非常に優れた耐久性、耐摩耗性、走行
性、更には耐候性等を長時間に亘って発揮することがで
きる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例について更に詳細に説
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0043】例1〜5 下記組成からなる磁性塗料を調製した。 <磁性塗料組成> 金属粉末磁性粉(Fe系メタル磁性粉) 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(日本ゼオン社製MR-110) 10.5重量部 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製ニッポランN2304) 10.5重量部 カーボン(帯電防止剤) 5重量部 メチルエチルケトン 150重量部 トルエン 150重量部 シクロヘキサノン 100重量部
【0044】この組成物をボールミルにて24時間混合し
てから、フィルターを通して取り出し、更に硬化剤(コ
ロネートL)を4重量部添加して30分間攪拌した。この
磁性塗料を12μm厚のポリエチレンテレフタレートベー
ス上に乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布し、磁場
配向を行った後、乾燥し、巻き取った。これをカレンダ
ー処理した後、1/2インチ幅に裁断し、磁気テープを
作製した。
【0045】次いで、このテープの上層に、下記の表1
に示す処理液を塗布し、試料No. A−1〜A−5(例1
〜5)の各磁気テープを得た。
【0046】 *使用したパーフルオロポリエーテルは、 F(CF2CF2CF2O)r CF2CF2(CH2OH) であり、パーフルオロポリエーテル基(Rf)の分子量は2000程度。 **配合量は、磁性粉 100重量部に対する割合である。
【0047】例6〜9 例1〜5で使用した磁性塗料組成物をボールミルにて24
時間混合してから、フィルターを通して取り出し、更に
硬化剤(コロネートL)を4重量部添加し、更に上記し
たパーフルオロポリエーテルF(CF2 CF2 CF
2 O)r CF2 CF2 (CH2 OH)を下記の表2に示
す量添加して30分間攪拌した。この磁性塗料を12μm厚
のポリエチレンテレフタレートベース上に乾燥後の厚み
が5μmとなるように塗布し、磁場配向を行った後、乾
燥し、巻き取った。これをカレンダー処理した後、1/
2インチ幅に裁断し、試料No. B−1〜B−4(例6〜
9)の各磁気テープを得た。
【0048】 *使用したパーフルオロポリエーテルは、 F(CF2CF2CF2O)r CF2CF2(CH2OH) であり、パーフルオロポリエーテル基(Rf)の分子量は2000程度。 **配合量は、磁性粉 100重量部に対する割合である。
【0049】以上の各例の磁気テープについてそれぞ
れ、下記の要領で摩擦特性、表面の潤滑剤量及び前記し
た傾きαを測定した。
【0050】摩擦係数:外径4mmの円筒ピン(SUS30
4 製)に角度90°、荷重51gで磁気テープを掛け、送り
速度5mm/secにて同じ部分を繰り返し摺動させ、 200回
摺動後の摩擦係数を測定した。
【0051】表面潤滑剤量:X線光電子分光装置(UL
VAC−PHIESCA5400MC)を以下の条件で用い
て、フッ素のピーク面積より磁性層の表面潤滑剤量を測
定した。 X 線:MgKα(14kV、50W) 真空度:2×10-7Pa 分析径: 1.1mmφ 分析角度:45°
【0052】傾きα:X線光電子分光装置(ULVAC
−PHIESCA5400MC)を以下の条件で用いて傾き
αを測定した。この場合、潤滑剤に起因するピークはO
CF結合のOlsピークを、下地に起因するピークは金
属酸化物(磁性粉によるもの)のOlsピークを用い
た。 X 線:モノクロメーター(Monochromater)AlKα
Defocus(14kV、400W) 真空度:2×10-7Pa以下 分析径: 1.1mmφ 分析角度:10°、15°、20°、30°、60°、80° Pass Energy :35.75 中和電子銃:22kV、3mA
【0053】これらの結果を下記の表3と図1に示す。
また、図2には、横軸を sinθ(θ:光電子脱出角
度)、縦軸を潤滑剤起因ピーク強度/下地起因ピーク強
度とした具体的な例を示す。
【0054】
【0055】上記の結果から、表面潤滑剤量が同等であ
っても、摩擦係数は異なり、本発明に基づいて傾きαを
α≦−0.25とすれば、磁気記録媒体の摩擦係数が著しく
低くて安定しており、優れた耐久性、走行性、耐摩耗
性、耐候性を示すことがわかる。これは、磁性層表面に
潤滑剤を塗布する試料No. Aにおいて顕著であるが、磁
性層に内添する試料No. Bにおいても摩擦係数は比較的
高いが同様の傾向はある。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面潤滑剤量とこれに対応する傾きαによる摩
擦係数の変化を比較して示すグラフである。
【図2】角度分解ESCAで測定した光電子脱出角度に
よるピーク強度比の変化を比較して示すグラフである。
【図3】本発明に基づく磁気記録媒体の一例の断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・非磁性支持体 2・・・磁性層 3・・・バックコート層 4・・・潤滑剤層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁性層を有する磁気記録媒体
    において、少なくとも前記磁性層上に潤滑剤が保有さ
    れ、角度分解X線光電子分光法(AR−ESCA)を用
    いて、 sinθ(θ:光電子脱出角度)を横軸、前記潤滑
    剤に起因するピーク強度Iと前記潤滑剤の下層に起因す
    るピーク強度IIとの比(ピーク強度I/ピーク強度II)
    を縦軸としたグラフを作成した際、下記の式で定義され
    る傾きαがα≦−0.25であることを特徴とする磁気記録
    媒体。 (ここで、Sl (θ):光電子脱出角度θ°でのピーク
    強度I、 SU (θ):光電子脱出角度θ°でのピーク強度II。)
  2. 【請求項2】 傾きαがα≦−0.25となるように、下記
    一般式I−1、I−2、I−3、I−4、I−5又はI
    −6で表される潤滑剤の少なくとも1種が磁性層上に分
    布している、請求項1に記載した磁気記録媒体。 一般式I−1: R−COOR’ 一般式I−2: Rf−(CH2 OH)n 一般式I−3: Rf−(CH2 OR”)n 一般式I−4: Rf−(CH2 OCOR’)n 一般式I−5: Rf−(COOR’)n 一般式I−6: Rf−(COO- + (R1 )(R2 )R3 ) (但し、これらの一般式において、 R :炭素数10以上の炭化水素基、 R’:水素原子又は炭化水素基、 Rf:パーフルオロポリエーテル又はフッ素含有炭化水
    素基、 R”:芳香環又はヘテロ系芳香環を含んでいてもよい炭
    化水素基、 R1 、R2 、R3 :水素原子、或いは芳香環又はヘテロ
    系芳香環を含んでいてもよく、互いに同一の若しくは異
    なっていてもよい炭素数30以下の炭化水素基、 n :1又は2。)
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JP (1) JPH0916949A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11869559B2 (en) 2021-07-27 2024-01-09 Fujifilm Corporation Magnetic tape having controlled water contact angle ratio, magnetic tape cartridge, and magnetic tape apparatus

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