JPH091692A - ラジアルタイヤの製造方法及びそれに用いるブラダー - Google Patents

ラジアルタイヤの製造方法及びそれに用いるブラダー

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JPH091692A
JPH091692A JP7152075A JP15207595A JPH091692A JP H091692 A JPH091692 A JP H091692A JP 7152075 A JP7152075 A JP 7152075A JP 15207595 A JP15207595 A JP 15207595A JP H091692 A JPH091692 A JP H091692A
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JP
Japan
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mold
bladder
tire
center
curvature
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JP7152075A
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Hiroyuki Isoi
宏之 礒井
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤサイド部のカーカス形状が内外に突出
し実質的に波打ったような複雑な形状を持つラジアルタ
イヤを精度良く正確に製造する方法及びそれに用いる汎
用性のあるブラダーを提供する。 【構成】 サイド部6のカーカス5の形状が内外に突出
し波打ったような複雑な形状を持つラジアルタイヤを製
造する方法であって、これに用いるブラダー3の剛性を
D=1/9×M×t×L/ΔLで表し、Mをそのブラ
ダーに使用するゴムのモジュラス、tをそのブラダー3
の厚さ、ブラダー3がΔLだけ伸ばされたときのブラダ
ー3の長さをLとしたときに、加硫成型時のブラダー3
の剛性Dの値を0.022以下0.013(kgf・c
m)以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ラジアルタイヤの製
造方法及びそれに用いるブラダーに関し、特には、タイ
ヤサイド部が内外に突出した複雑なカーカス形状を正確
に作り込む方法及びそれに用いるブラダーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、ブラダーの厚さが4〜7mmで
均一又は滑らかに変化しその剛性値が0.176kgf
・cm前後のブラダーを、モールド内でグリーンタイヤ
の内面に内接させ、ブラダーを介してグリーンタイヤに
加圧流体による内圧を充填し加硫成型してラジアルタイ
ヤを製造していた。または、本出願人による特開平5−
417号公報に記載のように、モールド内面のショルダ
ー部付近とビード部付近との間であるサイド部に設けた
凸部に対応してブラダーのサイド部の外面に部分的に凹
部を設けるか又は部分的に拡張率を低めにしたブラダー
によりグリーンタイヤを加硫成型してラジアルタイヤを
製造していた。このため、次のような課題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ブラダーをモールド内
でグリーンタイヤ内面に内接させて加硫成型し、タイヤ
のショルダー部付近とビード部付近との間であるタイヤ
サイド部のカーカス形状が内外に突出するように実質的
に偏移し波打ったように複雑な形状のラジアルタイヤを
精度良く製造するには、従来のブラダーの剛性値は前述
のごとく0.176kgf・cm前後と非常に大きく、
本発明のブラダーの剛性値と比較すると略8倍〜13、
5倍の剛性であった。このために従来は、内圧を充填し
ているにもかかわらずブラダーがモールド内面の複雑な
形状に順応し難く、正確な形状を得ることが極めて難し
いので、この発明が目的とする複雑な形状のサイド部を
持ったラジアルタイヤの製造には、従来のブラダーでは
剛性が大き過ぎて不適当であった。すなわち、タイヤサ
イド部の外面であるモールド内面と接する側のゴムは、
加硫成型時にモールド内面の形状に応じて流れてモール
ド内面の凹凸に応じた形状となるが、タイヤサイド部の
内面側に近いブラダーと接する側にあるコードプライか
らなるカーカスは、モールド内面の凹凸に応じた形状と
ならず、比較的滑らかに湾曲するように変化する自然平
衡形状となるので、目標とするタイヤ性能を得られない
という課題があった。
【0004】そこで、前記特開平5−417号公報で
は、モールド内面のサイド部に設けた凸部に対応したブ
ラダー部分の厚さを変化させ表面に凹部を設けるか又は
拡張率を変化させて、ブラダーがモールド内面の複雑な
形状に順応し易くし、これによりタイヤのカーカスがモ
ールド内面の凸部に応じた形状となるようにしている。
しかるに、このように部分的に拡張率又は厚さを変化さ
せたブラダーを準備することは、タイヤサイズ毎又はモ
ールド毎に異なるブラダーを必要とすることを意味し、
大変な手間と余分なコストを要し汎用性に乏しい。ま
た、モールド内面に凹凸を形成しタイヤサイド部が内外
に突出した複雑なカーカス形状を有する本発明が目標と
するタイヤを製造する際には、このようなブラダーでは
不十分で、正確な形状を得ることは困難である。そこ
で、本発明の目的は、ショルダー部付近とビード部付近
との間にあるタイヤサイド部のカーカス形状が内外に突
出し実質的に波打ったような複雑な形状を持つラジアル
タイヤを精度良く正確に製造する方法及びそれに用いる
汎用性のあるブラダーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のラジアルタイ
ヤの製造方法は、請求項1に記載のように、一対のビー
ド部にまたがってトロイド状をなすラジアル配列のコー
ドプライからなるカーカスの少なくとも一枚のコードプ
ライの側端部分をビードコアの周りでタイヤ内側から外
側に向けて巻き上げ、複数枚のコード配列層からなるベ
ルトを前記カーカスのクラウン部の外周側に配設して構
成したグリーンタイヤの内面にブラダーを内接させてモ
ールド内でグリーンタイヤを加硫成型してラジアルタイ
ヤを製造するにあたり、製造されるタイヤのショルダー
部付近とビード部付近との間の所要の位置と対応したモ
ールド内面部分に、モールド内面より外側に曲率中心を
おく円弧部と、この円弧部のモールド半径方向の内外に
隣接してモールド内面より内側に曲率中心をおき前記円
弧部に滑らかに連続するそれぞれの円弧部とで、区画さ
れてモールドの内側へ突出しモールド周方向に連続して
のびる少なくとも一本の突部を設けるとともに、かつ、
前記製造されるタイヤのショルダー部付近とビード部付
近との間の別の所要の位置と対応したモールド内面部分
に、モールド内面より内側に曲率中心をおく円弧部と、
この円弧部のモールド半径方向の内外に隣接してモール
ド内面より外側に曲率中心をおき前記円弧部に滑らかに
連続するそれぞれの円弧部とで、区画されてモールドの
内面が窪みモールド周方向に連続してのびる少なくとも
一本の窪み部を設け、このモールド内で使用する前記ブ
ラダーの厚さを実質的に均一とし、その剛性を、 ス、tをそのブラダーの厚さ、ブラダーがΔLだけ伸ば
されたときのブラダーの長さをLとしたときに、加硫成
型時のブラダーの剛性Dの値を0.022以下0.01
3(kgf・cm)以上とするブラダーをグリーンタイ
ヤに内接させることを特徴とするラジアルタイヤの製造
方法である。
【0006】また、この発明のブラダーは、請求項2に
記載のように、製造されるタイヤのショルダー部付近と
ビード部付近との間の所要の位置と対応したモールド内
面部分に、モールド内面より外側に曲率中心をおく円弧
部と、この円弧部のモールド半径方向の内外に隣接して
モールド内面より内側に曲率中心をおき前記円弧部に滑
らかに連続するそれぞれの円弧部とで、区画されてモー
ルドの内側へ突出しモールド周方向に連続してのびる少
なくとも一本の突部を設けるとともに、かつ、前記製造
されるタイヤのショルダー部付近とビード部付近との間
の別の所要の位置と対応したモールド内面部分に、モー
ルド内面より内側に曲率中心をおく円弧部と、この円弧
部のモールド半径方向の内外に隣接してモールド内面よ
り外側に曲率中心をおき前記円弧部に滑らかに連続する
それぞれの円弧部とで、区画されてモールドの内面が窪
みモールド周方向に連続してのびる少なくとも一本の窪
み部を設け、このモールドとともにタイヤの加硫成型に
供されるブラダーであって、実質的に厚さを均一としそ
の剛性を、 ス、tをそのブラダーの厚さ、ブラダーがΔLだけ伸ば
されたときのブラダーの長さをLとしたときに、加硫成
型時のブラダーの剛性Dの値を0.022以下0.01
3(kgf・cm)以上とすることを特徴とするブラダ
ーである。
【0007】
【作用】この発明の方法によって製造したラジアルタイ
ヤによれば、タイヤの内外方向に偏移したカーカス部分
を含むタイヤ部分が、そこへの充填内圧の増加に伴っ
て、タイヤの外側及び内側方向へ特に大きく膨出し、カ
ーカスは、内方及び外方偏移部分から、それらのタイヤ
半径方向の内外に隣接するそれぞれの部分、例えば、カ
ーカス偏移部分の所要に応じた位置選択の下で、タイヤ
最大幅部分及びショルダー部分にかけて、大きな張力を
負担することになり、これがためタイヤの最大幅位置近
傍部分でのタイヤ剛性及びベルト端部分でのタイヤ剛性
がともに有利に増加され、併せてベルト端部分でのトレ
ッドゴムの動きも有利に抑制されることになる。
【0008】従ってここでは、既知のタイヤ構成部材そ
れ自体に格別の付加変更を加えることなく、高速走行時
におけるタイヤの運動性能を大きく向上させることが出
来るようになる。そして、カーカス偏移部分を設けるこ
との実効を考慮した場合には、それの配設位置を、ショ
ルダー部付近とビード部付近との間にあるタイヤサイド
部とすることが好ましい。
【0009】ここで、この発明に係る製造方法におい
て、モールドとともに用いるブラダーは、その厚さを実
質的に均一とするとともに、その剛性を従来よりも格段
に小さくしている。これにより、ブラダー内面側に加圧
流体による内圧が充填されると、ブラダーは偏移し易く
なりモールド内面のショルダー部付近とビード部付近と
の間にあるモールドのサイド部に設けた突部及び窪み部
に容易に順応して、グリーンタイヤのサイド部を柔軟に
モールド内面側に圧接するようになる。それ故に、タイ
ヤサイド部の内面側に近いコードプライからなるカーカ
スもモールド内面の凹凸に応じた形状に押圧され、目標
とする実質的に波打ったようなタイヤサイド部の複雑な
形状を得ることが出来、タイヤの運動性能を向上させる
ことが出来るようになる。
【0010】そして、タイヤを加硫成型時には通常、ブ
ラダーは25%の伸びを受けており、この時のブラダー
の剛性値を0.022以下0.013(kgf・cm)
以上とすれば、容易に本発明の目的を実現することが出
来、このような剛性値はブラダーの厚さtを従来よりも
薄くするか又はゴム種の選択によりゴムのモジュラスM
の小さいものを使用すれば得ることが出来る。なお、ブ
ラダーの剛性値を0.022以上とすれば、タイヤサイ
ド部の凹凸形状の精度が悪くなりカーカスを含めて目標
とするタイヤサイド部の形状を得ることが困難になり、
また、ブラダーの剛性値を0.013以下とするために
ブラダーの厚さtを2.5mm未満とすれば、ブラダー
寿命に対する耐久性が低下し実用的でなくなる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。図1は、この発明の方法及びそれに用いるブ
ラダーに従って、グリーンタイヤ1をモールド2内でブ
ラダー3の内面側に加圧流体を充填し加硫成型する様子
を示すモールド幅方向の断面図であり、モールド2の内
面に突部と窪み部を各1本ずつ設けている場合の例であ
る。なお、加硫成型されるタイヤは、その赤道面Sに対
して実質的に対称な構造となるので、ここでは簡略化の
ためにその半部のみを示す。
【0012】グリーンタイヤ1は、その幅方向に相互に
離隔する一対のビード部4にまたがってトロイド状をな
すラジアル配列のコードプライよりなるカーカス5によ
って、そのタイヤのサイド部6及びトレッド部7を補強
する骨格構造を有し、カーカス5の少なくとも1枚のコ
ードプライは、その両側端部をビードコア8の周りでタ
イヤ内側から外側に巻き上げたターンアップ構造を有し
ている。なお、この例のグリーンタイヤ1では、カーカ
ス5を1枚のコードプライにより構成しているが、その
プライ数は、タイヤの仕様に応じて複数層とすることが
出来る。また、タイヤ踏面を形成するトレッド部7で、
カーカス5のクラウン部の外周側には、複数枚の(図1
では2枚)コード配列層からなるベルト9を配置してい
る。
【0013】一方、モールド2は、加硫成型して得られ
るタイヤのショルダー部10の付近とビード部4の付近
との間であるサイド部6の所要位置と対応した、その内
面部分にモールド2の周方向に連続して延びそのモール
ド2の内側(赤道面Sへ向かう側)へ突出する突部11
を備えている。この突部11は、モールド2の幅方向断
面内で、モールド2の内面よりも外側に曲率中心を置く
円弧部11aと、この円弧部11aのモールド半径方向
の内外に隣接するとともに、モールド2の内面よりも内
側に曲率中心を置きその円弧部11aに滑らかに連続す
る他の2個の円弧部11bにより輪郭形状を特定されて
モールド2の内側に向けて凸状をなしている。
【0014】さらに、このモールド2は、加硫成型して
得られるタイヤの前記サイド部6の別の所要位置と対応
した、その内面部分にモールド2の周方向に連続して延
び、そのモールド2の内面が窪んだ窪み部12を備えて
いる。この窪み部12は、モールド2の幅方向断面内
で、モールド2の内面よりも内側に曲率中心を置く円弧
部12aと、この円弧部12aのモールド半径方向の内
外に隣接するとともに、モールド2の内面よりも外側に
曲率中心を置きその円弧部12aに滑らかに連続する他
の2個の円弧部12bにより輪郭形状を特定されてモー
ルド2の外側に向けて凹状をなしている。
【0015】他方、ブラダー3は請求項1及び2の発明
に係るものであり、加硫成型時にその外面は、グリーン
タイヤ1の内面の全面と内接し、その内接している領域
のブラダー3の厚さは実質的に均一となっている。そし
て、ブラダー3の剛性を、後述の実施例で具体的に示す
ように、従来と比較して格段に小さくしている。
【0016】このようなモールド2及びブラダー3によ
ってグリーンタイヤ1を加硫成型するには、モールド2
の内部に設けているジャケットに高温の加圧流体を流し
てモールド2を加熱するとともにモールド2内の加硫成
型空間にグリーンタイヤ1を挿入してモールドを閉じる
一方、当該グリーンタイヤ1内に配置したブラダー3の
内面側に加熱された加圧流体を充填して、グリーンタイ
ヤ1をモールド2の内面に押圧しながら加熱する。これ
により、モールド2の内面に設けている突部11及び窪
み部12に対応して、ブラダー3が柔軟に屈曲しながら
グリーンタイヤ1を押圧するので、グリーンタイヤ1外
面側のゴム部のみならず内面側のカーカス5も、点線で
示す自然平衡形状よりもそれぞれタイヤ内方及び外方に
偏移したラジアルタイヤを得ることが出来るようにな
る。なお、符号14は加硫成型されるタイヤ踏面部に溝
部を形成するためにモールド2のクラウン部内面に設け
られている突起である。また、図中の点線部分は、モー
ルド2の内面に突部11及び窪み部12を設けていない
既知のモールドを用いて加硫成型した場合のタイヤ内外
面の輪郭及びカーカス5の形状を示し、自然平衡形状を
意味している。
【0017】[実施例]次に、この発明に係る実施例を
具体的に説明する。実施例は図1に示すものであり、加
硫成型時にこのブラダー3に加熱された加圧流体を充填
すると、ブラダー3が膨張して図1に示すごとくグリー
ンタイヤ1の内面に全周で圧接し、グリーンタイヤ1が
モールド2の内面の形状に応じてカーカス5も波打った
ように偏移しており、この時ブラダー3は通常25%伸
ばされ(ΔL=25)、伸ばされた後のブラダー3の長
さLが元の長さに対して125%(L=125)として
いる。この時の(伸ばされた後の)ブラダー3に使用し
ているゴムのモジュラスMは4.8kgf/cm2 で、
この時のブラダー3の厚さtは0.2cm(内圧充填前
は0.3cm)である。そこで、この時のブラダー3の
剛性Dの値を求めてみると、
【0018】[比較例]次に、従来の技術に係る比較例
を説明する。比較例は図2に示すもので、図1と異なる
のはブラダー20だけでその他は同一仕様としている。
実施例と同一の加熱された加圧流体が充填されると、ブ
ラダー20は25%伸ばされて(ΔL=25)、伸ばさ
れた後のブラダー20の長さLが元の長さに対して12
5%(L=125)となる。ブラダー20に使用してい
るゴム種は実施例と同一で、この時の(伸ばされた後
の)モジュラスMは4.8kgf/cm2 、この時のブ
ラダー20の厚さtは0.4cm(内圧充填前は0.6
cm)である。そこで、この時のブラダー20の剛性D
の値を求めると、
【0019】そして、比較例では図2に示すごとく、グ
リーンタイヤ21の外面付近のゴム部は、加熱されるこ
とにより柔らくなり流動性が増してモールド2の内面に
形成されている突部11及び窪み部12の形状に応じて
流れ、グリーンタイヤ21のサイド部の外面輪郭形状は
点線で示す自然平衡形状よりも内方及び外方に偏移して
いる。しかしながら、タイヤサイド部22の内面側に近
いブラダー20と接する側にあるカーカス23は、モー
ルド2内面の凹凸に応じた形状とならずに比較的滑らか
に湾曲するように変化する自然平衡形状となっており、
目標とする突部11及び窪み部12に応じて偏移した形
状となっていない。これは、凹凸部付近でのタイヤサイ
ド部22のゴム厚さ(タイヤ外面からカーカス23まで
の距離)が目標とする厚さよりもずれていることを示し
ている。そこで、実施例と比較例のタイヤ外面からカー
カスまでの距離であるゴム厚さGをそれぞれa〜gの7
位置について測定して、それぞれの目標値との差を比較
してみると表1のようになる。なお、表1内の数値の単
位はすべてmmである。
【0020】
【表1】
【0021】上記の表1から判るように、加硫成型後の
タイヤサイド部の各測定位置a〜gでのゴム厚さGの目
標値に対して、比較例の目標値との差と、実施例の目標
値との差とを、それぞれ比較してみると、すべての測定
位置で実施例の方が小さくなっており、実施例の方が目
標値との差が少なくて格段に良いことを示している。
【0022】このように、実施例によれば、汎用性のあ
る実質的に均一な厚さのブラダー3を使用して、モール
ド2の内面形状に応じてカーカス5も波打ったように偏
移したタイヤを得ることが出来、このような偏移部分で
カーカス5の張力負担が変化することから、カーカス5
部分の剛性、ひいてはタイヤのベルト端部及びサイド部
の剛性を目的に応じて変化させることが出来る。そし
て、既知のタイヤの構成部材を変更することなく操縦安
定性、振動乗り心地、転がり抵抗等タイヤの運動諸性能
を極めて有効に向上させることができる。しかも、ブラ
ダー3の厚さを従来よりも薄くしているので、ブラダー
3の内面に充填する加熱・加圧流体からグリーンタイヤ
1への伝熱効率が上昇し、加硫時間短縮やブラダーゴム
量低減によるコストダウンが可能となった。なお、実施
例ではブラダー3の剛性を低下させる手段としてブラダ
ー3の厚さを薄くした例のみを上げているが、剛性Dを
表す式からも自明のようにブラダー3に使用するゴム種
をモジュラスの小さいゴム種に変更すれば、ブラダー3
の厚さを変えなくてもブラダー3の剛性を低下させるこ
とが出来る。
【0023】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、この発明の方法及びブラダーによれば、実質的に波
打ったようにサイド部が複雑に偏移したタイヤを実質的
に均一な厚さの汎用性のあるブラダーで正確に精度良く
カーカスを偏移させて加硫成型することが出来るので、
タイヤカーカスの所要部分の剛性を部分的に目的に応じ
て正確に変えることが出来る、とともに走行時のタイヤ
の運動性能を大きく向上させることが出来る極めて有用
な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法によって加硫成型を行う様子及
びこの発明にかかわるブラダーを示す幅方向の部分断面
図である。
【図2】従来の方法によって加硫成型を行う様子及び従
来のブラダーを示す幅方向の部分断面図である。
【符号の説明】
1:グリーンタイヤ 2:モールド 3:ブラダー 4:ビード部 5:カーカス 6:サイド部 7:トレッド部 8:ビードコア 9:ベルト 10:ショルダー
部 11:突部 11a、11b:
円弧部 12:窪み部 12a、12b:
円弧部 14:突起 20:ブラダー 21:グリーン
タイヤ 22:タイヤサイド部 23:カーカス a〜g:位置 t:ブラダー
の厚さ D:剛性 G:ゴム厚さ L:ブラダーがΔLだけ伸ばされたときのブラダーの長
さ M:ゴムのモジュラス S:赤道面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 21:00 105:24 B29L 30:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部にまたがってトロイド状
    をなすラジアル配列のコードプライからなるカーカスの
    少なくとも一枚のコードプライの側端部分をビードコア
    の周りでタイヤ内側から外側に向けて巻き上げ、複数枚
    のコード配列層からなるベルトを前記カーカスのクラウ
    ン部の外周側に配設して構成したグリーンタイヤの内面
    にブラダーを内接させてモールド内でグリーンタイヤを
    加硫成型してラジアルタイヤを製造するにあたり、 製造されるタイヤのショルダー部付近とビード部付近と
    の間の所要の位置と対応したモールド内面部分に、モー
    ルド内面より外側に曲率中心をおく円弧部と、この円弧
    部のモールド半径方向の内外に隣接してモールド内面よ
    り内側に曲率中心をおき前記円弧部に滑らかに連続する
    それぞれの円弧部とで、区画されてモールドの内側へ突
    出しモールド周方向に連続してのびる少なくとも一本の
    突部を設けるとともに、 かつ、前記製造されるタイヤのショルダー部付近とビー
    ド部付近との間の別の所要の位置と対応したモールド内
    面部分に、モールド内面より内側に曲率中心をおく円弧
    部と、この円弧部のモールド半径方向の内外に隣接して
    モールド内面より外側に曲率中心をおき前記円弧部に滑
    らかに連続するそれぞれの円弧部とで、区画されてモー
    ルドの内面が窪みモールド周方向に連続してのびる少な
    くとも一本の窪み部を設け、 このモールド内で使用する前記ブラダーの厚さを実質的
    に均一とし、その剛性 ス、tをそのブラダーの厚さ、ブラダーがΔLだけ伸ば
    されたときのブラダーの長さをLとしたときに、 加硫成型時のブラダーの剛性Dの値を0.022以下
    0.013(kgf・cm)以上とするブラダーをグリ
    ーンタイヤに内接させることを特徴とするラジアルタイ
    ヤの製造方法。
  2. 【請求項2】 製造されるタイヤのショルダー部付近と
    ビード部付近との間の所要の位置と対応したモールド内
    面部分に、モールド内面より外側に曲率中心をおく円弧
    部と、この円弧部のモールド半径方向の内外に隣接して
    モールド内面より内側に曲率中心をおき前記円弧部に滑
    らかに連続するそれぞれの円弧部とで、区画されてモー
    ルドの内側へ突出しモールド周方向に連続してのびる少
    なくとも一本の突部を設けるとともに、 かつ、前記製造されるタイヤのショルダー部付近とビー
    ド部付近との間の別の所要の位置と対応したモールド内
    面部分に、モールド内面より内側に曲率中心をおく円弧
    部と、この円弧部のモールド半径方向の内外に隣接して
    モールド内面より外側に曲率中心をおき前記円弧部に滑
    らかに連続するそれぞれの円弧部とで、区画されてモー
    ルドの内面が窪みモールド周方向に連続してのびる少な
    くとも一本の窪み部を設け、このモールドとともにタイ
    ヤの加硫成型に供されるブラダーであって、 実質的に厚さを均一としその剛性を、 ス、tをそのブラダーの厚さ、ブラダーがΔLだけ伸ば
    されたときのブラダーの長さをLとしたときに、 加硫成型時のブラダーの剛性Dの値を0.022以下
    0.013(kgf・cm)以上とすることを特徴とす
    るブラダー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1629963A1 (en) * 2004-08-23 2006-03-01 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire curing bladder
JP2016093953A (ja) * 2014-11-14 2016-05-26 東洋ゴム工業株式会社 タイヤ加硫用ブラダ及びタイヤ加硫方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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