JPH09168813A - H型鋼の冷却方法およびその装置 - Google Patents

H型鋼の冷却方法およびその装置

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JPH09168813A
JPH09168813A JP33223795A JP33223795A JPH09168813A JP H09168813 A JPH09168813 A JP H09168813A JP 33223795 A JP33223795 A JP 33223795A JP 33223795 A JP33223795 A JP 33223795A JP H09168813 A JPH09168813 A JP H09168813A
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JP
Japan
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section steel
heat insulating
cooling
insulating plate
flange
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JP33223795A
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English (en)
Inventor
Teruo Fujibayashi
晃夫 藤林
Makoto Nakaseko
誠 中世古
Masahisa Fujikake
政久 藤掛
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用性が高く経済的、かつ簡便な捩れ変形の
少ないH型鋼の冷却方法を得る。 【解決手段】 断熱材62を有する下部断熱板6の上に
最下段のH形鋼1をH姿勢で置き、その上に二段目のH
形鋼2をH姿勢でおき、順次、縦に積み重ねて最上段の
H形鋼4の上に、上部断熱板7を置き、さらに、縦積み
されたH形鋼のフランジの外部に近接して、フランジの
水平方向の変形および/または、移動を防止する拘束支
柱9を配置して冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は形鋼の、特にH形
鋼の製造時における冷却方法および冷却装置に関する。
本発明においては、H形鋼をH姿勢で縦積み状態で冷却
する。縦積み状態とは、図1に示す様にH姿勢のH形鋼
1の2つのフランジ上端部に、同一寸法の他のH姿勢の
H形鋼2の2つのフランジの下端部を載せ、順次、H形
鋼3、H形鋼4と積み重ねる状態を指すものとする。
【0002】
【従来の技術】H形鋼の製造ラインにおいては、一般的
に、例えば図10に示す様に圧延中や圧延後に、通過型
の冷却装置によってフランジ11を冷却し、冷却後のウ
ェブ波の発生を防止する手段が講じられている。特開平
3−79724号公報や特開平4−103720号公報
に開示されている技術がこれに当たる。
【0003】また、最終的に自然放冷される前に、ウェ
ブ12を加熱してフランジの温度に近づける技術も多数
開示されている。特開昭48−14510号公報、特開
昭63−216923号公報、特開平4−141520
号公報、特公平5−449号公報に記載の技術がこれに
あたる。
【0004】上記の技術は、H形鋼を圧延中または、圧
延後の自然放冷開始前にウェブとフランジの温度差を小
さくするためのものである。しかしながら、自然放冷の
ためのク−リングベッド5への搬入時に、フランジとウ
ェブの温度を同程度とした場合も、H形鋼のフランジの
厚さはウエブの厚さより一般的には厚いために、自然放
冷中におけるウェブの温度低下はフランジのそれよりも
大きくなる。
【0005】特にフランジ幅が小さくフランジ厚さの薄
いH形鋼では、図9に示す様な捩れとよばれる変形が起
こることが問題となっている。この捩れ変形は熱容量の
小さいウェブの方が先に冷えて収縮するために、自然放
冷中にフランジが座屈して生じるものである。
【0006】特公昭54−20442号公報には、ウェ
ブの上に保温のための保温粒を載せて、ウェブからの放
熱を減少させる技術が開示されている。しかし、この方
法ではウェブ下面からの放熱は遮断されないため、断熱
効果としては不十分であり、ウェブとフランジの温度を
同一にすることはできない。また、拘束を行っていない
ため、捩れ変形を防止することは困難である。
【0007】一方、特開平1−205033号公報、お
よび特開平4−138801号公報には、そり変形を防
止するために提案されている技術ではあるが、拘束しな
がらフランジ外面を冷却する方法が開示されている。こ
れらの方法も捩れ変形の防止に対して適用が可能とは考
えられるが、通常は3組以上の拘束ロ−ルを必要とする
拘束装置を、ク−リングベッドの全体あるいは搬送装置
全体に設置することは設備上極めて困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した様に、いかに
変形の少ないH形鋼を得るかについての、開示されてい
る技術の多くは、圧延終了時あるいは自然放冷開始前
に、ウェブとフランジの間の温度差を、いかに小さくす
るかと言う観点からのものである。ここにおいては、自
然放冷時の変形はあまり考慮されていない。
【0009】自然放冷時の、ウェブとフランジの冷却速
度の差に起因する変形に対応可能な技術も、いくつかは
開示されてはいるが、コスト上、設備上の問題の大きい
ものである。したがって、実用性が高く、経済的かつ簡
便な、捩れ変形の少ないH型鋼の冷却方法、および、そ
れに使用する装置が求められている状態である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するためになされたもので、捩れ変形を防止する冷却
方法、および、それに使用する装置を提供するものであ
り、第1発明は、H形鋼をク−リングベッドで搬送しな
がら放冷するに際して、H形鋼をH姿勢で垂直方向に縦
積みにして放冷を行うH形鋼の冷却方法である。
【0011】第2発明は、第1発明において、断熱材を
有する断熱板を最下段のH形鋼の下に、および/また
は、最上段のH形鋼の上に、断熱材がH形鋼のウェブに
対向する姿勢で配置するH形鋼の冷却方法である。
【0012】第3発明は、第1発明または第2発明にお
いて、断熱材を両面に有する断熱板をH形鋼とH形鋼の
間に、断熱材がH形鋼のウェブに対向する姿勢で、配置
するH形鋼の冷却方法である。
【0013】第4発明は、第1発明から第3発明のいず
かの発明において、H形鋼のフランジの外面に近接し
て、フランジの水平方向の変形および/または、移動を
防止する拘束部材を配置するH形鋼の冷却方法である。
【0014】第5発明は、第1発明から第4発明のいず
かの発明において、H形鋼のフランジの外面を強制冷却
するH形鋼の冷却方法である。
【0015】第6発明は、H姿勢で縦積みされたH形鋼
の、最下部のH形鋼の下に配置する断熱材を有する下部
断熱板および/または、最上部のH形鋼の上に配置する
断熱材を有する上部断熱板を備えたH形鋼の冷却装置で
ある。
【0016】第7発明は、第6発明において、H形鋼と
H形鋼の間に配置する断熱材を有する中間断熱板を備え
たH形鋼の冷却装置である。
【0017】第8発明は、第6発明または第7発明にお
いて、H形鋼の水平方向の変形および/または、移動を
防止するための拘束部材を備えたH形鋼の冷却装置であ
る。
【0018】第9発明は、第8発明において、拘束部材
と上部断熱板および/または、下部断熱板とが固定可能
な構造であるH形鋼の冷却装置である。
【0019】第10発明は、第6発明から第9発明のい
ずかの発明において、H形鋼のフランジの外面を強制冷
却する手段を備えたH形鋼の冷却装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施例1の方法お
よび装置を説明する概略図である。H形鋼をクーリング
ベッド5に搬入する前に、クーリングベッド上に、あら
かじめ下部断熱板6を断熱面(断熱材を配置した側)を
上側にして置いておき、1本目のH形鋼1をH姿勢で載
せる。
【0021】H形鋼は図1においては、左右方向(H形
鋼の長さ方法に大して直角方向で、かつ、ウェブに平行
な方向)にクーリングベッド上を移送される。したがっ
て、安定性の上から下部断熱板の幅は、H形鋼の高さの
2倍以上あることが好ましい。
【0022】この下部断熱板には図2に示す様に、支持
鋼板61の中央部に長手方向の全長にわたって凹部が設
けられている。この凹部の幅はH形鋼の高さ(フランジ
間の外法)より広く、そこに繊維状のセラミックスから
なる断熱材62が配置されている。この断熱材を持つ断
熱面がH形鋼のウェブに対向して、高温のウェブからの
放熱を減少させる。
【0023】また、下部断熱板の凹部には、断熱材がフ
ランジと接触して破損することを防止するための、形鋼
よりなる枠材63が一定の間隔で縦横に配置されてい
る。この枠材と枠材の間や、枠材と鋼板の間に断熱材が
配置されている。
【0024】枠材は支持鋼板に溶接等の手段により固定
されており、その高さ(枠材の支持鋼板側の端から反支
持鋼板側の端までの距離)は、断熱材の厚さ以下であ
り、枠材は断熱材の表面に対して飛び出た状態としてい
る。
【0025】断熱材を配置する鋼板の凹部の幅はH形鋼
の高さより広くしており、断熱板の中央部にH形鋼を載
せると、H形鋼のフランジは断熱板の支持鋼板の部分に
は載らず、断熱面の部分に載ることになる。上記した様
に、枠材は断熱材に対して飛び出ているため、フランジ
は断熱材には直接には接触せず、枠材の上に載る。その
ため断熱材は破損しにくく、断熱板も繰り返して使用で
きる。なお、H形鋼のフランジに接触する枠材は、断熱
板の幅方向に配置された枠材であり、長さ方向に配置さ
れた枠材の役目は断熱材の固定である。
【0026】ついで、下部断熱板上にH形鋼のフランジ
に隣接して、冷却時にH形鋼がそり変形(図1において
は左右方向の変形、つまり、変形前のウェブと変形後の
ウェブが同一面上にある変形)や幅方向に移動すること
を、防止するための拘束支柱9を固定する。なお、この
支柱はH形鋼の長さ方向に一定の間隔おいて2列配置す
るが、支柱は互いに平行、かつ断熱板に対して垂直であ
る。
【0027】断熱板には支柱を立てるための穴(図示せ
ず。)が一定の間隔で開けられており、支柱の間隔は適
当な位置の穴を選択することにより定める。なお、支柱
の固定は端部を穴にさし込み、図3に示す様なL型の治
具91をボルト93により固定して行う。
【0028】なお2列の支柱の間隔(内法)は、H形鋼
の高さに対してプラス5〜10mm程度広くする必要が
あり、それに合った断熱板および支柱を用いる。支柱の
形状は角柱、円柱の何れで良い。塀を立てる様な板状の
部材であってもよい。ただし、ウェブに比較して遅いフ
ランジの冷却速度を、さらに大きく低下させる様な形
状、材質は不可である。したがって、塀の様な形状の場
合は、それに孔が開いている必要がある。
【0029】支柱を立てた後に、先に断熱板上に置いた
H形鋼1の上に、同姿勢で次のH形鋼2を載せる。さら
に、H形鋼3、H形鋼4と次々積み重ね、最後に上部断
熱板7を載せ、上部断熱板と支柱を治具で固定して装置
全体の剛性を高める。なお、あまりに多く積み上げる
と、安定性やハンドリング性に問題を生じる。おおよそ
の上限は6本、または合計の高さ(H形鋼の幅の合計)
で約2mである。
【0030】上部断熱板は下部断熱板とほぼ同様な構造
である。当然断熱面を下側にして最上段のH形鋼の上に
載せる。ただし、下部断熱板とは異なり、転倒防止作用
を必要としないため、鋼板の幅はH形鋼の高さに対し
て、200mm程度広くすれば十分である。広過ぎると
かえって安定性を下げる。上部断熱板を支柱に固定する
ための治具92には、図4に示す様な2つのL型の合わ
さった形状のものを用いた。
【0031】以上に述べた状態で放冷を行うが、おのお
ののH形鋼のウェブは、何れも高温の他のH形鋼のウェ
ブか断熱材に対向している。そのため、冷却速度は単独
でクーリングベッド上に置かれている状態に比較して相
当に遅くなり、肉厚の厚いフランジとの冷却速度の差が
小さくなる。そして、フランジとウェブの冷却速度の差
に起因する変形力が小さくなる。この小さくなった変形
力を拘束して捩れ変形を防止する。
【0032】図5は実施例2を説明する概略図である。
上部断熱板の支柱が入る孔を貫通孔として支柱に固定せ
ず、(後の図8に示す中間断熱板の断熱材を1面のみに
した形状)上下に自由に移動可能な形状とし、上部断熱
板の自重により上下方向のH形鋼の変形を拘束する方法
である。この場合は装置全体の剛性はやや下がるが、H
形鋼の熱収縮に上部断熱板が追従できる点が優れてい
る。また、固定する手間が省略できるメリットもある。
【0033】図6は本発明の実施例3を説明する概略図
である。通常、H形鋼のウェブの厚さはフランジの厚さ
に比較して薄いが、フランジ厚さに対してウェブの厚が
大幅に薄い場合は、実施例1に示した様な装置を用いた
場合も、両者の冷却速度の差が十分に小さくならない場
合も起こりうる。
【0034】この様な場合は、上記の装置にH形鋼を固
定して冷却中に、フランジの外面より強制冷却を行う。
方法は水冷、ミスト冷却、空冷等の内から、H形鋼の各
部の温度および温度差を考慮して適当なものを選択す
る。
【0035】本発明においては、最下段のH形鋼をH姿
勢で置き、2つのフランジの上端部に、次のH姿勢のH
形鋼の2つのフランジの下端部を載せて、縦方向に積み
上げる。この場合に、H形鋼が幅方向にフランジの厚さ
分以上ずれると、フランジ端部同志は接触しないことに
なり、縦積みは不可能となる。
【0036】図7は実施例4を説明する概略図である。
H姿勢のH形鋼の両フランジの上に橋を渡す様に中間断
熱板を配置し、その中間断熱板の上に次のH形鋼を載せ
ることにより、上下2本のH形鋼のフランジ端の位置が
ずれた場合も縦積みが可能となる。
【0037】この断熱板のウェブに対向する面には、ウ
ェブからの放熱を減少させ、冷却速度を下げるための断
熱材が配置されている。図8にこの中間断熱板の概略図
を示す。断熱材が支持鋼板の両面に配置されている。断
熱材の幅とフランジ間の外法との関係、断熱材の厚さ、
材質、枠材の配置等は、下部および上部断熱板の場合と
同様である。
【0038】中間断熱板の支持鋼板には左右方向の変
形、および/または、移動を拘束のための支柱を通す孔
81が開けられている。この中間断熱板は支柱には固定
せず、上下方向に移動可能な状態で使用する
【0039】
【実施例】実施例1では図1に示した方法および装置に
より、高さ700mm、幅200mm、フランジ厚さ1
6mm、ウェブ厚さ9mm、長さ15mに圧延後のH形
鋼1〜4の4本を冷却した。ク−リングベッド5上に搬
入時の、フランジ11とウェブ12の温度はそれぞれ5
90±5℃、および550±5℃であった。なお、冷却
装置に固定中におのおのの温度は、約20℃および30
℃低下した。
【0040】下部断熱板6には、図2に概略図を示した
様な、長さ16m、幅1.75m、厚さ30mmの鋼板
の中央部に、深さ10mm、幅710mmの凹部を断熱
板の全長(16m)に設け、そこにセラミックスを充填
したものを用いた。その上に先ず1本目のH形鋼1を載
せ、支柱9をH形鋼の長さ方向に2m間隔(最後は1
m)で、片側9本、合計18本を断熱板に開けられた穴
に端部を挿入して立て、図3に示した様に治具とボルト
で固定した。
【0041】支柱には外径127mm、長さ1200m
mの鋼管を用いた。なお2列の支柱の間隔(内法)は、
H形鋼の高さ700mmに対して705mm(鋼管の中
心間の距離は832mm)としている。
【0042】支柱を立てた後、下部断熱板上の置いたH
形鋼の上に、同姿勢で2段目のH形鋼2を載せた。さら
に、次と積み重ねて4本を縦積みした。この時の高さは
800mmである。したがって、支柱の上部断熱板と下
部断熱板の間に出ている部分(支柱の全長から上部断熱
板、下部断熱板の穴に挿入されている部分を除いた部
分)の長さは805mmである。
【0043】上部断熱板は幅が0.9mである点を除く
と、他は下部断熱板と同一のものを用いた。上部断熱板
も下部断熱板と同様に、図4に示した治具とボルトで支
柱に固定した。上記の方法で縦積みされたH形鋼をクー
リングベッド上を移送しつつ放冷した。装置より4本の
H形鋼を外した時の、フランジの温度は100±5℃、
ウェブの温度は105±5℃の範囲にあり、捩れ変形は
生じていなかった。
【0044】実施例2も実施例1と同一寸法に圧延した
H形鋼4本を用いた。ク−リングベッド上に搬入時のフ
ランジとウェブの温度は、それぞれ595±5℃、およ
び550±5℃であった。また、冷却装置に固定中の温
度低下は、実施例1に比較して小さく、おのおの、約1
5℃および25℃であった。
【0045】下部断熱板、H形鋼の長さ方向の支柱間
隔、本数、支柱寸法、H形鋼の高さ方向の支柱間隔等の
諸元は実施例1と同一である。H形鋼4本を積み重ね、
さらに図5に示した様に、上部断熱板を支持鋼板に開け
られた孔に支柱が貫通する状態で最上段のH形鋼の上に
載せた。上部断熱板は孔が貫通孔である点以外は、実施
例1の上部断熱板と同一である。
【0046】上記の方法で縦積みされたH形鋼を、クー
リングベッド上を移送しつつ放冷した。装置より4本の
H形鋼を外した時のフランジの温度は100±5℃、ウ
ェブの温度は100±5℃の範囲にあり、捩れ変形は生
じていなかった。
【0047】実施例3は、高さ700mm、幅200m
m、フランジ厚さ22mm、ウェブ厚さ9mm、長さ1
5mに圧延後のH形鋼を4本、ク−リングベッド上に搬
入して冷却した。この状態でのフランジとウェブの温度
は、それぞれ620±5℃、および540±5℃であっ
た。装置に固定中におのおのの温度は、約20℃および
30℃低下した。
【0048】下部断熱板、支柱、上部断熱板等の形状お
よび諸元は実施例1の場合と同一である。H形鋼4本固
定後に冷却ゾーンで図6に示す様に、フランジに外側に
ノズルから冷却水を吹きつけ、強制冷却を行った。冷却
時間は2分間、冷却水量は1リットル/m2 ・秒であ
る。強制冷却はフランジの温度がウェブの温度の以下に
なることを目標としたが、水冷の終了時のフランジの温
度は420±10℃、ウェブの温度は490±5℃であ
った。
【0049】その後に放冷を行い、最終的に装置からH
形鋼を外した時の温度は、フランジは50±5℃、ウェ
ブは85±5℃の範囲にあり、捩れ変形はまったく認め
られなかった。
【0050】実施例4は、高さ500mm、幅150m
m、フランジ厚さ9mm、ウェブ厚さ6mm、長さ13
mのH形鋼4本をクーリングベッド上に搬入した。この
状態でのフランジとウェブの温度は、それぞれ575±
5℃、および550±5℃であった。装置に固定中にお
のおのの温度は、約25℃および35℃低下した。
【0051】下部断熱板には、実施例1の下部断熱板に
対して、凹部の幅が510mmである点のみが異なるも
のを用いた。この凹部の幅は、上部断熱板、図8に示し
た中間断熱板8においても同一である。支柱の寸法、配
置も2列の支柱の間隔(内法)を、H形鋼の高さ500
mmに対して505mmとしている以外は、実施例1と
同一である。
【0052】図7に示した様に、下部断熱板の上に最下
段のH形鋼を載せ、さらに中間断熱板を載せた。その後
H形鋼を載せて中間断熱板載せる工程を目的の回数繰り
返し、最後に最上段のH形鋼の上に上部断熱板を載せ
て、下部断熱板と同様に治具とボルトで固定した。
【0053】その後に放冷を行い、最終的に装置からH
形鋼を外した時の温度は、フランジは55±5℃、ウェ
ブは50±5℃、の範囲にあり、捩れ変形はまったく認
められなかった。
【0054】実施例5は、実施例1と同一の形状のH形
鋼、4本を、実施例1の条件に対して、上部断熱板を除
いた点のみが異なる条件(他の条件は同一)下で、常温
に冷却した。冷却後に最上段のH形鋼には、1mあたり
約5°の捩れ変形が認められたが、他のH形鋼には捩れ
変形はまったく認められなかった。
【0055】実施例6は、実施例1と同一の形状のH形
鋼、4本を、実施例1の条件において、下部断熱板およ
び上部断熱板より、断熱材を除いた支持鋼板のみを、そ
れぞれ、最下段のH形鋼の下、および最上段のH形鋼の
上に配置して(他の条件は同一)常温にまで冷却した。
(上部支持鋼板の重量、支柱のみの効果となる。)この
場合には、最上段、および最下段のH形鋼においては1
m当たり約5°の捩れ変形が認められたが、他のH形鋼
には捩れ変形はまったく認められなかった。
【0056】さらに、実施例7は、実施例6の条件に対
して、上部支持鋼板を除いた条件下とした。(支柱によ
る転倒防止作用と、上に載せられたH形鋼の重量による
拘束のみとなる。)冷却後に、最上段のH形鋼において
は1m当たり約7°の捩れ変形が、最下段のH形鋼に
は、1m当たり約5°の捩れ変形がみとめられたが、他
の2本のH形鋼には捩れ変形はまったく認められなかっ
た。
【0057】比較例として上記の実施例1、実施例3、
実施例4と同一サイズのH形鋼を同一本数(4本)、同
様の温度状態でクーリングベッド上に搬入し、H姿勢で
フランジの外面間の距離を約100mmとして並べて室
温まで冷却した。冷却後の1m当たりの捩れ変形の平均
値は、実施例1のH形鋼は約15°、実施例3のH形鋼
は約17°、実施例4のH形鋼は約18°であった。
【0058】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば次のような効果を得ることができる。
【0059】(1)ウェブが早く冷えない様にウェブを
加熱して、フランジと同じ温度になる様に熱補償する方
法や、機械的に捩れ変形を拘束する装置(3組以上の拘
束ロールの装置)に比較して、設備費が少なく燃料費や
電気費がかからず低コストである。
【0060】(2)断熱による効果で捩れ変形を起こす
力が小さくなるため、小さい拘束力(H形鋼の自重、上
部断熱板の自重、拘束支柱)で捩れ変形の発生を完全に
防止することが可能であり、設備が簡単でハンドリング
が容易である。
【0061】(3)冷却中にフランジの温度をウェブの
温度よりも低くする必要がないため、フランジを冷却中
にウェブが座屈してウェブ波が生じるおそれがない。
【0062】(4)枠材と断熱材を組み合わせた断熱構
造を採用することにより、断熱材には荷重が直接作用す
ることがないため、拘束装置の繰り返し使用が可能であ
り、経済性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明する概略図である。
【図2】本発明に用いる下部断熱板の概略図である。
【図3】本発明に用いる下部断熱板と拘束支柱を固定す
る治具である。
【図4】本発明に用いる上部断熱板と拘束支柱を固定す
る治具である。
【図5】本発明の実施例2を説明する概略図である。
【図6】本発明の実施例3を説明する概略図である。
【図7】本発明の実施例4を説明する概略図である。
【図8】本発明に用いる中間断熱板の概略図である。
【図9】捩れ変形を表す模式図である。
【図10】従来のフランジの冷却方法を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1・・・・H形鋼(最下段) 2・・・・H形鋼(下から2段目) 3・・・・H形鋼(下から3段目) 4・・・・H形鋼(最上段) 11・・・H形鋼のフランジ 12・・・H形鋼のウェブ 5・・・・クーリングベッド 6・・・・下部断熱板 61・・・支持鋼板 62・・・断熱材 63・・・枠材 7・・・・上部断熱板 8・・・・中間断熱板 81・・・支柱が通る孔 9・・・・拘束支柱 91・・・下部断熱板と拘束支柱を固定する治具 92・・・上部断熱板と拘束支柱を固定する治具 93・・・ボルト 101・・冷却水のノズル 102・・冷却水

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 H形鋼をク−リングベッドで搬送しなが
    ら放冷するに際して、H形鋼をH姿勢で垂直方向に縦積
    みにして放冷を行うことを特徴とするH形鋼の冷却方
    法。
  2. 【請求項2】 断熱材を有する断熱板を最下段のH形鋼
    の下に、および/または、最上段のH形鋼の上に、断熱
    材がH形鋼のウェブに対向する姿勢で、配置することを
    特徴とする請求項1に記載のH形鋼の冷却方法。
  3. 【請求項3】 断熱材を両面に有する断熱板を、H形鋼
    とH形鋼の間に断熱材がH形鋼のウェブに対向する姿勢
    で、配置することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のH形鋼の冷却方法。
  4. 【請求項4】 H形鋼のフランジの外面に近接して、フ
    ランジの水平方向の変形および/または、移動を防止す
    る拘束部材を配置することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のH形鋼の冷却方法。
  5. 【請求項5】 H形鋼のフランジの外面を強制冷却する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のH形
    鋼の冷却方法。
  6. 【請求項6】 H姿勢で縦積みされたH形鋼の、最下部
    のH形鋼の下に配置する断熱材を有する下部断熱板およ
    び/または、最上部のH形鋼の上に配置する断熱材を有
    する上部断熱板を備えたことを特徴とするH形鋼の冷却
    装置。
  7. 【請求項7】 H形鋼とH形鋼の間に配置する、断熱材
    を有する中間断熱板を備えたことを特徴とする請求項6
    に記載のH形鋼の冷却装置。
  8. 【請求項8】 H形鋼の水平方向の変形および/また
    は、移動を防止するための拘束部材を備えたことを特徴
    とする請求項6または請求項7に記載のH形鋼の冷却装
    置。
  9. 【請求項9】 拘束部材と、上部断熱板および/また
    は、下部断熱板とが固定可能な構造であることを特徴と
    する請求項8に記載のH形鋼の冷却装置。
  10. 【請求項10】 H形鋼のフランジの外面を強制冷却す
    る手段を備えたことを特徴とする請求項6〜9のいずれ
    かに記載のH形鋼の冷却装置。
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