JPH06337099A - 液化ガス輸送用タンクの支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液化ガス輸送用タンクの支持構造に係り、熱
変形を許容しつつタンクを確実に支持する。 【構成】 タンクＴを支持する上部支持手段１と下部支
持手段とを具備し、上部支持手段１が、ガス注入口を中
心とする放射状に配列される上部凸部３と、船体に設け
られ上部凸部３の側面にその配列方向に直交する方向か
ら近接させられる上部ストッパ４とからなり、上部凸部
３が、上部ストッパ４に当接させられる緩衝材６をブラ
ケット５に取り付けてなり、ブラケット５に、上部スト
ッパ４との当接方向に緩衝材６を摺動可能に挿入させる
取付フレーム７が設けられ、取付フレーム７に、緩衝材
６の挿入方向に交差する方向から差し込まれ緩衝材６の
挿入孔１３に挿入される棒状の取付部材１２が配設さ
れ、挿入孔１３が取付部材１２よりも大きな口径に形成
されており、挿入孔１３内において取付部材１２を変位
させることにより、緩衝材６とブラケット５との間に生
ずる隙間を吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液化ガスを輸送する輸
送船において、船体内に収容され液化ガスを貯留するタ
ンクを、その熱変形を許容しつつ支持するための支持構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】液化ガス、例えば、液化天然ガス（ＬＮ
Ｇ）等は、約−１６０℃の極低温状態で輸送される必要
があり、輸送船による輸送は、断熱材によって保冷効果
を高めたタンクを船体内に収容し、該タンク内に液化ガ
スを貯留した状態で行われる。この場合に、液化ガスの
注入前後においてタンク自体の温度は２００℃程度の変
化を生じるため、その温度差による熱変形が伴う。した
がって、タンクの支持構造は、タンクを船体に完全に固
定するものではなく、熱変形を許容しつつ船体内壁等に
接触しないように特定方向への移動を制限する構造のも
のが実現される必要がある。

【０００３】一般に、重量物を水平方向に移動自在に支
持する支持構造としては、例えば、重量物の下面にメタ
ルプレートを配して、該メタルプレート上で重量物を滑
らせる構造のものがある。また、重量物の移動を制限す
る方法としては、重量物の周囲に配される外部構造物に
ストッパを設け、該ストッパに対向させられる緩衝材を
重量物に取り付けることにより、ストッパと緩衝材との
衝突によって重量物の移動を制限しかつ重量物に作用す
る衝撃力を低減する方法がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、重量物
が上述した液化ガスを輸送するためのタンクである場合
においては、タンクおよびこれに取り付けられている緩
衝材の熱膨張率の相違によって、液化ガスの注入前後に
おけるこれらの変形量が相違するために、種々の不都合
が生じる。すなわち、タンクと緩衝材とがボルト等の締
結具によって確実に固定されている場合には、両者の変
形量の相違によって、締結具に過大な応力が発生するこ
とが考えられる。一方、締結具を使用せずに、両者を填
め合わせるだけの取付方法であると、両者間の隙間の増
大によって緩衝材がタンクから脱落してしまう不都合が
考えられる。

【０００５】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、タンクに熱変形が発生した場合において
も、緩衝材をタンクに取り付け状態に保持し、熱変形を
許容しつつタンクを有効に支持することができる支持構
造を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、前記タンクをその上面において支持する
上部支持手段と、該タンクを載置して水平方向に摺動可
能に支持する下部支持手段とを具備し、前記上部支持手
段が、前記タンクの上面に形成されたガス注入口の周囲
に該ガス注入口を中心とする水平方向に放射状に配列さ
れタンクの上面に突出する複数の上部凸部と、船体内の
天井面に設けられ前記上部凸部の側面に該上部凸部の配
列方向に直交する方向から近接させられる複数の上部ス
トッパとからなり、前記上部凸部が、前記タンクの上面
に固定されるブラケットと、該ブラケットの側面に配さ
れタンクの移動時に前記上部ストッパに当接させられる
緩衝材とを具備するとともに、前記ブラケットに、前記
緩衝材を前記上部ストッパとの当接方向に摺動可能に挿
入させる取付フレームが設けられ、該取付フレームに、
該取付フレームを貫通して前記緩衝材の挿入方向に交差
する方向から差し込まれその先端を取付フレームの内方
に突出させられる棒状の取付部材が配設され、前記緩衝
材に、前記取付部材の外径寸法よりも大きな口径を有し
かつ該取付部材を挿入させる挿入孔が形成されている液
化ガス輸送用タンクの支持構造を提案している。

【０００７】

【作用】本発明に係る液化ガス輸送用タンクの支持構造
によれば、船体内に配されるタンクがその上面および下
面において上部支持手段および下部支持手段によって支
持される。タンクは、船体に取り付けられた上部ストッ
パを上部凸部に近接させることによってその移動方向を
制限されており、ガス注入口から放射方向への変位のみ
が許容される。したがって、液化ガスの注入前後におい
てタンクの各部をガス注入口を中心とした放射状に変位
させることにより、該ガス注入口が常に同一位置に保持
されることになる。

【０００８】また、上部凸部の側面において上部ストッ
パに当接させられる緩衝材は、ブラケットに取り付けら
れた取付フレームに挿入されることにより、ブラケット
に取り付け状態に保持され、上部ストッパとの衝突によ
る衝撃力を減衰させてブラケットに伝達する。この場合
にあって、タンクに熱変形が生じて取付フレームと緩衝
材との隙間が増大しても、該取付フレームの外方から差
し込まれている取付部材によって、緩衝材がブラケット
に取り付け状態に保持される。さらに、緩衝材とブラケ
ットとの間に隙間が生じた状態で、上部ブラケットと緩
衝材との衝突が発生した場合でも、取付部材の外径寸法
よりも大きな口径に形成された緩衝材の挿入孔と取付部
材との隙間によって緩衝材とブラケットとの間の隙間が
吸収される。これにより、緩衝材とブラケットとが密接
させられ、かつ、取付部材に衝撃力が作用することが回
避される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明に係る液化ガス輸送用タンクの
支持構造の一実施例を、図１ないし図６を参照して説明
する。これら各図において、符号Ｓは船体、Ｔはタン
ク、Ｇは液化ガス、Ｐは注入口、１は上部支持手段、２
は下部支持手段、３はチョック（上部凸部）、４は上部
ストッパ、５はブラケット、６は緩衝材、７は取付フレ
ーム、８は取付面、９は支持凸条部、１１は固定ブロッ
ク、１２は取付ボルト（取付ピン）、１３は挿入孔、１
４はトランスバースチョック、１５はロングチョック、
１６・１８・１９は脚部、１７はベース部、２０は下部
ストッパである。

【００１０】本実施例の支持構造は、船体Ｓ内に収容状
態に配される概略直方体状のタンクＴを支持するもので
あって、該タンクＴの上面に配される上部支持手段１
と、下面に配される下部支持手段２とを具備している。
タンクＴは、例えば、アルミニウム合金の溶接構造物で
あって、図３および図４に示すように、船体Ｓの内面に
対して、各１ｍ程度の間隔を空けて支持されるようにな
っている。また、タンクＴには、その上面に、船幅方向
の中央位置でかつ船長方向の前方に偏った位置に内部に
貯留する液化ガスＧの注入口Ｐが配設されている。

【００１１】前記上部支持手段１は、タンクＴの上面に
上方に突出状態に固定される複数のチョック３と、船体
Ｓ内の天井面に前記チョック３に対応する位置にそれぞ
れ設けられる上部ストッパ４とから構成されている。

【００１２】前記チョック３は、図１および図２に示す
ように、タンクＴの上面に溶接により取り付けられたブ
ラケット５と、その側面に取り付けられる直方体状の緩
衝材６とを具備している。

【００１３】前記ブラケット５は、平板を溶接接合する
ことにより構成された溶接構造物であって、その上部に
前記緩衝材６を取り付ける取付フレーム７を有してい
る。該取付フレーム７は、上下方向に配される取付面８
に、上下に間隔を空けて配される２個の支持凸条部９
と、水平方向に間隔を空けて配される２個の固定ブロッ
ク１０とを設けてなり、概略長方形枠状に形成されてい
る。前記固定ブロック１０には、取付フレーム７の内外
を連通する２個の貫通ネジ孔１１が、上下方向に間隔を
空けてそれぞれ設けられている。該貫通ネジ孔１１に
は、取付ボルト１２がそれぞれ螺合させられるようにな
っている。

【００１４】前記支持凸条部９の間隔寸法および固定ブ
ロック１０の間隔寸法は、それぞれ、緩衝材６の幅寸法
および長さ寸法よりも充分に大きく形成されている。

【００１５】前記緩衝材６は、例えば、木製集成材より
なる部材であって、その側面には、前記取付フレーム７
に挿入されたときに、前記固定ブロック１０に設けられ
た貫通ネジ孔１１に一致させられる挿入孔１３が形成さ
れている。該挿入孔１３は、前記取付ボルト１２の外径
寸法よりも充分に大きな口径を有しており、かつ、取付
ボルト１２の取付フレーム７内への突出寸法よりも充分
に深い深さに形成されている。

【００１６】このように構成されたチョック３は、図５
に示すように、前記注入口Ｐの前後に一定間隔をおいて
複数（例えば、前方に１個、後方に７個）配列されたト
ランスバースチョック１４と、注入口Ｐの左右に一定間
隔をおいて複数（例えば、左右に２個ずつ）配列された
ロングチョック１５とから構成されている。この場合
に、前記緩衝材６は、チョック３の配列方向に直交する
方向、すなわち、トランスバースチョック１４の場合に
は各ブラケット５の左右に、ロングチョック１５の場合
には各ブラケット５の前後に、それぞれ取り付けられて
いる。

【００１７】また、前記上部ストッパ４は、図１および
図３に示すように、船体Ｐ内の天井面に溶接により固定
された溶接構造物であって、前記チョック３の緩衝材６
に水平方向に微小間隙を空けて対向させられる押し当て
面４ａを有している。すなわち、前記トランスバースチ
ョック１４に対してはその左右に、ロングチョック１５
に対してはその前後に、それぞれのチョック１４・１５
を挟むように配設されている。

【００１８】前記下部支持手段２は、図３、図４および
図６に示すように、タンクＴの下面に下方に突出状態に
取り付けられる複数の脚部１６と、該脚部１６に対応す
る船体Ｓ内の底面にそれぞれ配設されるベース部１７と
を具備している。

【００１９】前記脚部１６は、直方体状に形成された木
製集成材よりなる部材であって、図６に示すように、タ
ンクＴの下面全域に亙って複数（例えば、前後に１０
列、左右に７列）配列されている。これらの脚部１６の
うち、船幅方向の中央に配される１列の脚部１８および
船長方向前方から２列目に配される脚部１９は、ちょう
ど前記タンクＴ上面のチョック３の鉛直下方に配される
列として、それぞれトランスバースチョックおよびロン
グチョックとしても機能するようになっている。すなわ
ち、これらの脚部１８・１９には、それぞれの脚部１８
・１９を挟んで近接する位置に、下部ストッパ２０が取
り付けられている。

【００２０】前記ベース部１７は、船体Ｓ内の底面に溶
接により取り付けられる溶接構造物よりなる座であっ
て、その上面に、前記脚部１６を接触状態に載置して、
タンクＴを水平方向に摺動可能に支持するようになって
いる。

【００２１】このように構成された支持構造によってタ
ンクＴを支持した場合にあって、該タンクＴ内に極低温
状態の液化ガスＧを注入すると、常温状態からの温度変
化に伴ってタンクＴ自体に熱収縮が発生する。タンクＴ
は、上部支持手段１および下部支持手段２によって注入
口Ｐを中心とした放射方向にのみ水平移動することを許
容されているので、図５および図６に鎖線で示すように
変位させられる。このとき、下部支持手段２の脚部１６
下面は、ベース部１７の上面を摺動させられるととも
に、該ベース部１７の上面に密接状態に保持され、タン
クＴの支持状態が保持されることになる。

【００２２】また、これとは逆に、液化ガスＧをタンク
Ｔから排出する際にタンクＴに熱膨張が発生した場合に
も、上部支持手段１および下部支持手段２による支持状
態が保持されることになる。

【００２３】また、輸送船の航行中における揺れによっ
て、タンクＴに外力が付与された場合であっても、上部
支持手段１および下部支持手段２の上部ストッパ４、下
部ストッパ２０の押し当て面４ａ・２０ａがチョック３
の緩衝材６あるいは脚部１６の側面に当接して、タンク
Ｔの変位を規制し、船体Ｓ内の壁面等とタンクＴとの間
隔寸法が維持されることになる。

【００２４】ここで、液化ガスＧの注入前後において、
該液化ガスＧを貯留するタンクＴに熱変形が発生するこ
とは、上述した通りであるが、該タンクＴに取り付けら
れた緩衝材６にも、温度変化が発生して熱変形が生ず
る。しかしながら、緩衝材６とタンクＴとは熱膨張率が
相違するため、緩衝材６と取付フレーム７との間隙寸法
が変化する。すなわち、緩衝材６は木製でありタンクＴ
はアルミニウム合金製であるため、タンクＴの方が大き
く熱変形させられることになる。

【００２５】この場合にあって、緩衝材６と取付フレー
ム７との間には、予め間隙が形成されているので、取付
フレーム７が大きく熱収縮した場合であっても、該間隙
を縮めることにより緩衝材６に圧縮力が作用することが
防止される。また、間隙が形成されている状態であって
も、取付ボルト１２を挿入孔１３に挿入させることによ
って、緩衝材６が取付フレーム７から脱落しないように
保持される。

【００２６】さらに、緩衝材６と取付フレーム７との間
に隙間が形成されている状態で、緩衝材６と上部ストッ
パ４とが衝突させられた場合に、緩衝材６が取付フレー
ム７に対して過大な衝撃力をもって相対変位させられる
ことになるが、挿入孔１３が取付ボルト１２の外径寸法
に対して充分に大きな口径に形成されていることによ
り、取付ボルト１２が挿入孔１３内で移動させられて、
上記衝撃力が取付ボルト１２に作用することが回避され
る。

【００２７】このように、本実施例の支持構造によれ
ば、緩衝材６が取付フレーム７および取付ボルト１２に
よって、ブラケット５に取付状態に保持されるので、上
部ストッパ４との衝突による衝撃力を確実に減衰させて
タンクＴを支持し、該タンクＴを健全な状態に維持する
ことができる。また、タンクＴと緩衝材６とによって、
タンクＴの変位方向を制限することにより、船体Ｓに対
するタンクＴの位置を適正な状態に保持して、船体Ｓ等
との接触を回避することができるという効果がある。

【００２８】なお、本発明に係る液化ガス輸送用タンク
の支持構造においては、以下の技術を採用することがで
きる。 トランスバースチョック１４、ロングチョック１５
として注入口Ｐの前後左右に配列されるチョック３およ
びこれに対応する脚部１６を形成することとしたが、上
部ストッパ４および下部ストッパ２０によって拘束され
るチョック３および脚部１６を注入口Ｐを中心とした放
射状に配列すること。 チョック３および脚部１６の間隔、数、形状等を任
意に設定すること。 取付部材１２をボルトとしたが、取付フレーム７に
取り付けられる任意の棒状部材とすること。 取付フレーム７と緩衝材６、挿入孔１３と取付部材
１２の間隙寸法を任意に設定すること。

【００２９】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る液化
ガス輸送用タンクの支持構造は、タンクを支持する上部
支持手段と下部支持手段とを具備し、上部支持手段が、
ガス注入口を中心とする放射状に配列される上部凸部
と、船体に設けられ上部凸部の側面にその配列方向に直
交する方向から近接させられる上部ストッパとからな
り、上部凸部が、上部ストッパに当接させられる緩衝材
をブラケットに取り付けてなり、ブラケットに、上部ス
トッパとの当接方向に緩衝材を摺動可能に挿入させる取
付フレームが設けられ、取付フレームに、緩衝材の挿入
方向に交差する方向から差し込まれ緩衝材の挿入孔に挿
入される棒状の取付部材が配設され、挿入孔が取付部材
よりも大きな口径に形成されているので、以下の効果を
奏する。 緩衝材が取付フレームに取付部材によって取り付け
られているので、緩衝材と取付フレームとの熱変形の相
違によって、両者の間に隙間が形成されても、緩衝材を
ブラケットから脱落しないように保持することができ
る。 取付部材が大きな口径の挿入孔に挿入されているの
で、緩衝材とブラケットとの間に隙間が生じた状態で上
部ストッパとの衝突が発生した場合であっても、取付部
材が挿入孔内で移動することによって緩衝材の変位を許
容して緩衝材とブラケットとを密接させることができ
る。これにより、衝撃力が有効に減衰され、ブラケット
に過大な衝撃力が伝達されることを回避することができ
るとともに、過大な衝撃力が取付部材に作用することを
回避して、ブラケットおよび取付部材を健全な状態に維
持することができる。 タンクが熱変形した場合であっても、ガス注入口か
ら放射状に変位させて、ガス注入口を同一位置に保持す
ることができるとともに、緩衝材と上部ストッパとを近
接状態に維持して、タンクを確実に支持することができ
る。 緩衝材をブラケットから脱落しないように取り付け
ることができるので、該緩衝材の取付作業をタンクの製
造工場において実施することができ、狭隘な環境で実施
される現場作業を削減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る液化ガス輸送用タンクの支持構造
の一実施例を示す上部支持手段の縦断面図である。

【図２】図１の上部支持手段を示す一部を破断した縦断
面図である。

【図３】図１の液化ガス輸送用タンクの支持構造を示す
タンクおよび船体の船幅方向に沿う縦断面図である。

【図４】図３のタンクおよび船体の船長方向に沿う縦断
面図である。

【図５】図１の液化ガス輸送用タンクの支持構造を示す
タンクの平面図である。

【図６】図１の液化ガス輸送用タンクの支持構造を示す
タンクの下面図である。

【符号の説明】

Ｇ 液化ガス Ｐ ガス注入口（注入口） Ｓ 船体 Ｔ タンク １ 上部支持手段 ２ 下部支持手段 ３ チョック（上部凸部） ４ 上部ストッパ ５ ブラケット ６ 緩衝材 ７ 取付フレーム １２ 取付ボルト（取付部材） １３ 挿入孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 晴彦 愛知県知多市北浜町11番１号 石川島播磨 重工業株式会社愛知工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 船体内に収容され液化ガスを貯留するタ
   ンクを、その熱変形を許容しつつ支持する構造であっ
   て、 前記タンクをその上面において支持する上部支持手段
   と、該タンクを載置して水平方向に摺動可能に支持する
   下部支持手段とを具備し、 前記上部支持手段が、前記タンクの上面に形成されたガ
   ス注入口の周囲に該ガス注入口を中心とする水平方向に
   放射状に配列されタンクの上面に突出する複数の上部凸
   部と、船体内の天井面に設けられ前記上部凸部の側面に
   該上部凸部の配列方向に直交する方向から近接させられ
   る複数の上部ストッパとからなり、 前記上部凸部が、前記タンクの上面に固定されるブラケ
   ットと、該ブラケットの側面に配されタンクの移動時に
   前記上部ストッパに当接させられる緩衝材とを具備する
   とともに、 前記ブラケットに、前記緩衝材を前記上部ストッパとの
   当接方向に摺動可能に挿入させる取付フレームが設けら
   れ、 該取付フレームに、該取付フレームを貫通して前記緩衝
   材の挿入方向に交差する方向から差し込まれその先端を
   取付フレームの内方に突出させられる棒状の取付部材が
   配設され、 前記緩衝材に、前記取付部材の外径寸法よりも大きな口
   径を有しかつ該取付部材を挿入状態に配する挿入孔が形
   成されていることを特徴とする液化ガス輸送用タンクの
   支持構造。