JPH09168768A - 盗聴防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対策の困難なレーザ盗聴方式による盗聴を、
簡単な構成で防止する技術を提供する。 【解決手段】 抵抗器Ｒ１から発生する熱雑音を増幅器
１で増幅して、その出力電圧で励振手段としての圧電素
子２を駆動して振動させる。圧電素子２は圧電材料の両
面に電極を張り付けたもので、その両電極間に交番電圧
を印加することで圧電材料の圧電効果により同電極面が
振動する。圧電素子２を合成ゴム等からなる吸盤の内側
に接着材等で張り付け、その反対側に硬質ゴム等を張り
付けて、吸盤全体を窓ガラスに吸着させる。上記のよう
にして圧電素子２を振動させると同振動が硬質ゴムを介
して窓ガラスに伝わり、窓ガラスを励振させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、産業界などにおける情
報収集等のための盗聴を有効に防止する盗聴防止装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】盗聴方式の１つとしては、盗聴すべき場
所にテープレコーダ等を設置して後でそのテープ等を回
収して盗聴する仕方がある。この場合には、テープレコ
ーダ等が有る程度大きく、また動作音も発生するので注
意すれば比較的簡単に発見できる。別の盗聴方式として
は、マイクと無線機による盗聴があるが、この場合に
は、発射する電波を検出することで容易に発見できる。
従ってこれらの場合には、盗聴防止対策が比較的容易で
ある。

【０００３】盗聴方式の更に別の方式としては、目的と
する窓ガラス等にレーザ光線を当て、その反射光の干渉
を分析して窓ガラスの振動を再現することで盗聴を行う
レーザ盗聴方式がある。この方式では、窓ガラス等によ
る反射光を利用するため、盗聴されていることを検出す
ることが困難である。また、その防止策としては、窓ガ
ラスを２重にするとか防音壁にするとかが考えられる
が、長期の工期を用し、膨大な費用が掛かるなどの問題
がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、対策の困難なレーザ盗聴方式によ
る盗聴を、簡単な構成で防止する技術を提供することに
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】レーザ光線の反射光を分
析して盗聴を行うレーザ盗聴方式の対象となりうる物体
を振動させる励振手段と、同励振手段を駆動する駆動手
段を設けて、前記物体を振動させることによりレーザ盗
聴方式による盗聴を防止する。

【０００６】振動させる物体は、窓ガラス又は壁とす
る。

【０００７】励振手段は、圧電素子又は電磁振動子とす
る。

【０００８】励振手段を振動させる物体への取り付け
は、同励振手段を内蔵する吸盤とする。

【０００９】励振手段は、圧電材料からなる圧電シート
とする。

【００１０】励振手段を駆動する駆動手段は、抵抗器の
熱雑音を用いて駆動する。また、物体を振動させる周波
数は略１５Ｈｚから１０、０００Ｈｚの範囲の音声雑音
とする。

【００１１】

【作用】レーザ光線の反射光を分析して盗聴を行うレー
ザ盗聴方式の対象となりうる物体を振動させる励振手段
と、同励振手段を駆動する駆動手段を設けて、前記物体
を振動させることにより、簡単にレーザ盗聴方式による
盗聴を防止できる。

【００１２】振動させる物体は、窓ガラス又は壁とする
ことで、レーザ盗聴方式による盗聴を有効に防止でき
る。

【００１３】励振手段は、圧電素子又は電磁振動子とす
ることで、安価な励振手段が得られる。

【００１４】励振手段を振動させる物体への取り付け
は、同励振手段を内蔵する吸盤とすることで、励振手段
を容易に振動させる物体へ取り付けられる。

【００１５】励振手段は、圧電材料からなる圧電シート
とすることで、窓ガラスや壁などの平面へ密着して取り
付られる。

【００１６】励振手段を駆動する駆動手段は、抵抗器の
熱雑音を用いて駆動することで、容易にホワイトノイズ
源が得られる。また、物体を振動させる周波数は略１５
Ｈｚから１０、０００Ｈｚの範囲の音声雑音とすること
で、人間の耳に会話等が雑音から浮き上がって聞こえる
等の悪影響がなくせる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明による盗聴防止装置について図
を用いて詳細に説明する。図１は、本発明による盗聴防
止装置の主要部の構成図、図２は同圧電素子の（Ａ）側
面図（断面）、（Ｂ）正面図である。抵抗器Ｒ１から発
生する熱雑音を増幅器１で増幅して、その出力電圧で励
振手段としての圧電素子２を駆動して振動させる。圧電
素子２は圧電材料２ａの両面に電極２ｂ、２ｂを張り付
けたもので、その両電極２ｂ、２ｂに交番電圧を印加す
ることで圧電材料２ａの圧電効果により同電極面が振動
する。圧電素子２を合成ゴム等からなる吸盤３の内側に
接着材等で張り付け、その反対側に硬質ゴム４等を張り
付けて、吸盤３全体を窓ガラス５に吸着させる。上記の
ようにして圧電素子２を振動させると同振動が硬質ゴム
４を介して窓ガラス５に伝わり、窓ガラス５を励振させ
ることができる。

【００１８】励振手段は、圧電素子２に限らず、例えば
ダイナミックスピーカのコーン紙を取ったものと同様な
構造の電磁振動子を図２の圧電素子２と置き換えて使用
することもできる。また、励振する対象は窓ガラス５に
限らず、励振手段を内蔵した吸盤３を新建材のボード等
からなる壁に張り付けて使用することもできることは当
然である。

【００１９】更に、圧電材料を薄板状に形成し、その両
面に薄膜電極を取り付けて、これを壁等に張り付けるこ
とで別の高能率励振手段が得られる。また、増幅器１の
中に帯域透過濾波器を内蔵させて、略１５Ｈｚから１
０、０００Ｈｚの音声雑音の周波数範囲で圧電素子２等
を駆動して、窓ガラス５等を音声雑音で振動させること
もできる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、レーザ光線の反射
光を分析して盗聴を行うレーザ盗聴方式の対象となりう
る物体を圧電素子等を用いてホワイトノイズ等で振動さ
せることにより、簡単にレーザ盗聴方式による盗聴を防
止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による盗聴防止装置の主要部の構成図で
ある。

【図２】同圧電素子の（Ａ）側面図（断面）、（Ｂ）正
面図である。

【符号の説明】

１ 増幅器 ２ 圧電素子 ３ 吸盤 ４ 硬質ゴム ５ 窓ガラス

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レーザ光線の反射光を分析して盗聴を行
   うレーザ盗聴方式の対象となりうる物体を振動させる励
   振手段と、同励振手段を駆動する駆動手段を設け、前記
   物体を振動させることによりレーザ盗聴方式による盗聴
   を防止することを特徴とした盗聴防止装置。
2. 【請求項２】 振動させる物体は、窓ガラスとすること
   を特徴とした請求項１記載の盗聴防止装置。
3. 【請求項３】 振動させる物体は、壁とすることを特徴
   とした請求項１記載の盗聴防止装置。
4. 【請求項４】 励振手段は、圧電素子とすることを特徴
   とした請求項１、請求項２又は請求項３記載の盗聴防止
   装置。
5. 【請求項５】 励振手段は、電磁振動子とすることを特
   徴とした請求項１、請求項２又は請求項３記載の盗聴防
   止装置。
6. 【請求項６】 励振手段を振動させる物体への取り付け
   は、同励振手段を内蔵する吸盤からなることを特徴とし
   た請求項４又は請求項５記載の盗聴防止装置。
7. 【請求項７】 励振手段は、圧電材料からなる圧電シー
   トとすることを特徴とした請求項１、請求項２又は請求
   項３記載の盗聴防止装置。
8. 【請求項８】 励振手段を駆動する駆動手段は、抵抗器
   の熱雑音を用いて駆動することを特徴とした請求項１記
   載の盗聴防止装置。
9. 【請求項９】 物体を振動させる周波数は略１５Ｈｚか
   ら１０、０００Ｈｚの範囲の音声雑音とすることを特徴
   とした請求項１記載の盗聴防止装置。