JPH09168577A - 癌治療用血液バッグ - Google Patents

癌治療用血液バッグ

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JPH09168577A
JPH09168577A JP7331795A JP33179595A JPH09168577A JP H09168577 A JPH09168577 A JP H09168577A JP 7331795 A JP7331795 A JP 7331795A JP 33179595 A JP33179595 A JP 33179595A JP H09168577 A JPH09168577 A JP H09168577A
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JP
Japan
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blood
cancer
bag
chitosan
carrier
Prior art date
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JP7331795A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Ito
和志 伊藤
Yoshiko Abe
佳子 阿部
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の免疫賦活剤や単一の抗癌性サイトカイ
ンでは得られない、より制御された抗癌因子複合物によ
る抗癌効果を血液に誘導し得る癌治療用血液バッグを提
供する。 【解決手段】 血液または血液成分の流入部3を具備す
る袋状容器2に、血液または血液成分と接触することに
より抗癌効果を誘導するキトサンおよび/またはキトサ
ン誘導体からなる担体4が収納されてなることを特徴と
する癌治療用血液バッグ1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液または血液成
分と担体とを接触させることにより抗癌効果を誘導させ
るための癌治療用血液バッグに関する。
【0002】
【従来の技術】生体の悪性腫瘍の治療法としては、外科
的切除、放射線治療法、抗癌剤の投与などがある。抗癌
剤投与は、単独投与だけでなく、上記の外科的切除や放
射線治療法との併用でも使用される巾広い治療法であ
る。抗癌剤の中には、婦人科系癌や前立腺癌に対する各
種ホルモン製剤もあるものの、多くの抗癌剤は癌細胞に
対して直接障害性を現す製剤であり、生体の癌細胞の増
殖を阻害して治療効果を現している。その作用機序は様
々であり、マイトマイシンCや塩酸ドキソルビシンのよ
うな核酸合成阻害作用、フッ化ピリミジンのような代謝
拮抗作用、シクロフォスフアミドのようなアルキル化作
用、ビンクリスチンのような細胞分裂阻害作用などがあ
る。多くの場合、効果的な化学療法をめざして、異なる
作用機序の薬剤を複数種使用する多剤併用療法が用いら
れている。また、インターフェロン、インターロイキン
2などの免疫増強を目的としたサイトカインや各種の菌
体成分である免疫賦活剤も悪性腫瘍に対して用いられて
いるが、特殊な例以外は、やはり効果的な化学療法をめ
ざすために上記抗癌剤との併用をすることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上のような抗
癌剤によって良好な治療効果が現れるのは、急性白血
病、悪性リンパ腫のような血液癌である。しかし、多数
の患者数がある胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌、肝癌等の固
形癌に対しては血液癌ほどの効果がないと言われてい
る。この原因の一つは副作用が大きいため、その投与量
を大きくできないことである。つまり、固形癌に対して
抗癌剤を十分に作用させようとすると、癌以外の各種臓
器に対する副作用、例えば、白血球減少、脱毛、下痢、
口内炎、腎不全、吐き気、肺不全等の副作用が現れ、重
篤な場合は死亡することもある。そこで抗癌剤の効果を
高めるために、免疫賦活剤や抗癌性サイトカインとの併
用が行われているが十分でない。免疫賦活剤は作用その
ものが弱く、サイトカインは生体反応に応じた投与量や
投与タイミングの特定が難しいため、サイトカインによ
る重篤な副作用がでるという問題点も生じており、抗癌
剤の効果を十分に増強していないといえる〔朝長万左
男、臨床免疫;27(Sup6)515−523(19
95)〕。
【0004】また、本来、サイトカインは体内において
単独で活性を現しているのではなく、種々のサイトカイ
ン及びその関連物質によって制御されて、それらの総合
的なサイトカインネットワークのなかで活性を現すの
で、単独大量投与はネットワークのバランスを崩し過ぎ
る点からみてあまり効果的といえない〔小倉剛、免疫薬
理;12(4)356−359(1994)〕。
【0005】また、血液に高分子材料を接触することに
よる、例えば、TNF(TNF:Tumor Necrosis Facto
r )、インターロイキン−1(IL−1)やその他のサ
イトカインの誘導は、人工臓器20(1),235−2
40(1991)、人工臓器22(5),1233−1
237(1993)、特開平6−209992号公報、
特開平6−319996号公報、特開平7−67955
号公報、特開平7−96031号公報などに開示されて
いるが、誘導されたサイトカインを含む血液の抗癌効果
は立証されていない。効果的な抗癌性を得るためには、
例えば、TNFのような特定の抗癌性サイトカインの誘
導だけでは解決できるものではなく、複数の抗癌因子の
相互作用によって抗癌性を誘導する必要がある〔小倉
剛,免疫薬理 12(4)356−359(199
4)〕。
【0006】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、その目的は、従来の免疫賦活剤や単一の抗癌性サイ
トカインでは得られない、より制御された抗癌因子複合
物による抗癌効果を血液に誘導し得る癌治療用血液バッ
グを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の天
然及び合成高分子材料と血液の接触による抗癌効果の誘
導について、マウス腫瘍モデルで鋭意、研究を行った結
果、キトサンおよび/またはキトサン誘導体からなる材
料が血液との接触により血液に顕著な抗癌効果を誘導す
ることを見出し本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の癌治療用血液バッグ
は、血液または血液成分の流入部を具備する袋状容器
に、血液または血液成分と接触することにより抗癌効果
を誘導するキトサンおよび/またはキトサン誘導体から
なる担体が収納されてなることを特徴とする。
【0009】上記キトサンは、天然高分子キチンのアセ
チルアミノ基を脱アセチル化して得られる、D−グルコ
サミンがβ−(1→4)グルコシド結合した構造の多糖
(ポリ−β−D−グルコサミン)である。
【0010】上記キトサン誘導体は、キトサンに種々の
化学修飾が加えられたものであり、例えば、キトサンの
アミノ基に、1級アミン、2級アミン、3級アミン又は
第4アンモニウム塩が導入されたもの;キトサンのアミ
ノ基に、アルキル基、アセチル基などが導入されたも
の;キトサンの水酸基に、スルホン基又はカルボキシメ
チル基が導入されたものなどが挙げられ、特に、アミノ
基に、1級アミンが導入されたものが血液に顕著な抗癌
効果を誘導するので好ましい。
【0011】上記キトサンおよび/またはキトサン誘導
体からなる担体の形状は、いずれの形状でもよく、例え
ば、ビーズ状、粒子状、繊維状、中空糸状、膜状などが
挙げられる。
【0012】本発明において、袋状容器にキトサンおよ
び/またはキトサン誘導体からなる担体を収納するに際
して、該担体は、血液または血液成分を患者体内に戻す
際にその中に担体が混入するのを防止するために、担体
を通さない、例えば、ポリプロピレン製のメッシュ等に
より包まれていてもよい。
【0013】上記袋状容器は、従来より輸血用血液の保
存などに使用される血液バッグに用いられている容器と
同様な容器が挙げられ、材質としては、例えば、特開平
2−211160号公報に記載されている、塩化ビニル
系樹脂とエチレン・一酸化炭素・(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体を主成分とする樹脂組成物が挙
げられる。上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル
の単独重合体に限らず、塩化ビニルの共重合体であって
もよい。塩化ビニルの共重合体としては、例えば、塩化
ビニル・エチレン共重合体が挙げられる。
【0014】本発明の癌治療用血液バッグにおいては、
上記袋状容器に血液または血液成分の流入部が具備され
ている。上記流入部は、上記袋状容器に連結され得るも
のであり、かつ内部を血液または血液成分が円滑に通過
し得るものであれば、任意の材料からなるものが用いら
れ得、例えば、シリコーン樹脂や塩化ビニル樹脂などか
らなる長さの短い筒体や合成樹脂チューブが挙げられ
る。
【0015】本発明の癌治療用血液バッグにおいては、
キトサンおよび/またはキトサン誘導体からなる担体と
接触された血液または血液成分を、癌治療に使用するた
めに該バッグから流出させるに際しては、前記流入部か
ら流出させてもよいが、必要に応じて、該バッグに別に
流出部を設け、そこから流出させてもよい。上記流出部
の材料としては、例えば、上記流入部の材料と同様のも
のが挙げられる。
【0016】本発明の癌治療用血液バッグにおいて、袋
状容器内に、必要に応じて、血液の抗凝固剤を収納させ
てもよい。血液の抗凝固剤としては、ヘパリンが挙げら
れる。
【0017】次に、本発明の癌治療用血液バッグの一例
について図に基づいて説明する。図1において、癌治療
用血液バッグ1は、短い円筒体からなる血液または血液
成分の流入部3が接続された袋状容器2内に、キトサン
および/またはキトサン誘導体からなるビーズ状の担体
4が収納されて構成されている。袋状容器2は合成樹脂
製である。担体4は、ポリプロピレン製のメッシュ5に
よって包まれている。この実施例では、血液または血液
成分の流入部3には、チューブ6が接続されペリスタポ
ンプのような血流ポンプ7を介して採血針8に接続され
ている。チューブ6、血流ポンプ7および採血針8をこ
のように構成することにより、本発明の癌治療用血液バ
ッグ1に患者血液を簡便に採取することができる。
【0018】本発明の癌治療用血液バッグの製造方法の
一例としては、例えば、前記の袋状容器の材質に応じて
相当する原料からフィルムを作製し、得られたフィルム
を2枚重ね合わせ、そのフィルムの間に上記担体を挟み
込み、上記2枚のフィルムの接続部分を高周波またはヒ
ートシールすることにより融着させた後、該袋状容器に
前記流入部を取り付けて製造する方法が挙げられる。
【0019】本発明の癌治療用血液バッグの使用方法と
しては、流入部から癌患者の血液または血液成分を注入
し、キトサンおよび/またはキトサン誘導体からなる担
体と血液または血液成分とを接触させて、抗癌効果を誘
導する。次いで、抗癌効果が誘導された血液または血液
成分を患者体内にもどす方法が挙げられる。患者体内に
もどす際には、点滴投与などが挙げられる。
【0020】上記癌治療用血液バッグの使用に際して
は、上記のようにして抗癌効果が誘導された血液または
血液成分を凍結保存しておき、必要に応じて融解して癌
患者に投与することにより有効な治療を行うこともでき
る。例えば、患者腫瘍を外科的に切除するときなどに、
予め凍結しておいた抗癌効果が誘導された患者自身の血
液または血液成分を全身又は腫瘍局所に投与し、腫瘍の
増大、転移を阻止することが可能となる。
【0021】これらの方法では、高密度で抗癌因子複合
物を含む血液または血液成分を癌患者の体内に戻すこと
により、癌患者の体内に患者由来の抗癌因子複合物が投
与されることになり、有効な治療効果が発揮される。こ
の際、本発明のバッグを用いる方法は、体外循環装置の
ような大がかりなシステムを必要とせず、ベッドサイド
で比較的簡便に使用可能であり有用と考えられる。
【0022】また、この治療に際しては、抗癌効果が誘
導された血液から、血液構成成分の一部、例えば、血漿
だけを取り出し、それを患者にもどしてもよい。この
際、抗癌効果が誘導された血液から取り出した血漿を、
通常の血液バッグに移した後、その直後または凍結など
で保存後、それを患者にもどしてもよい。
【0023】また、抗癌効果が誘導された血液から得た
血漿などを患者に投与する際には、上述のように、全身
投与に限らず局所投与でもよい。
【0024】また、この治療に際しては、抗癌効果が誘
導された血液または血液成分のみを用いて治療しても構
わないが、他の抗癌剤と併用するのが望ましい。他の抗
癌剤としては、例えば、5−FU、シスプラチン、塩酸
ドキソルビシン、マイトマイシンCなどが挙げられる。
本発明のバッグを用いて得られる血液または血液成分と
上記の他の抗癌剤とを併用すると、相互の抗癌効果が増
強されるため、安全な用量で治療効果が著しく増強され
る。抗癌剤の投与法としては、静脈注射、内服などの通
常の投与法が可能である。
【0025】(作用)本発明の癌治療用血液バッグを用
いて、癌患者の血液または血液成分とキトサンおよび/
またはキトサン誘導体からなる担体とを接触させて、抗
癌効果を誘導する際の作用機序については、血液と該担
体とが接触することにより、血液中の細胞と該担体との
相互作用が起こり、該細胞から抗癌因子複合物が誘導産
生される。そして、産生された抗癌因子複合物が相互作
用し、抗癌効果が誘導される。上記血液と該担体との接
触により血液中に種々の抗癌因子を産生する血液細胞
は、末梢血中の細胞に限らず、リンパ管、リンパ節、脾
臓等から得られる細胞も含まれる。血液中には、抗癌因
子を産生するこれらの細胞が多く含まれている。
【0026】上記の抗癌因子は、TNF(TNF:Tumo
r Necrosis Factor )、インターロイキン−1(IL−
1)、インターロイキン−6(IL−6)などのサイト
カインが含まれるカクテルである。TNF及びIL−1
のようなサイトカインの産生は各種細胞が活性化した初
期反応であるので、さらに別のサイトカインの産生が起
こっていることが予想される。また、その初期反応の後
では、さらに他のサイトカインやサイトカイン制御物質
が産生され、複雑な調節機構が働いていると考えられる
(CASSATELLA,M.A.Immunol.t
oday16(1)21−26,1995)。
【0027】このような抗癌効果は、腫瘍モデルを使用
して始めて確認立証されるものであり、既に開示されて
いるような抗癌因子の産生誘導の確認だけでは発見でき
ないものである。
【0028】本発明で使用される、キトサンおよび/ま
たはキトサン誘導体は、効果的に上記の抗癌効果を血液
にもたらすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエ
チレンプロピレン共重合体や酢酸セルロースの様な他の
高分子においてはこのような抗癌効果の誘導は認められ
ない。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を詳細に説明するが、本発
明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0030】まず、下記の実施例1及び比較例1、2に
記載する方法にて、キトサン誘導体材料および比較材料
が収納された癌治療用血液バッグを作製し、次いで得ら
れたバッグを用いて血液を処理し、得られた血液から血
漿を分離し、その抗癌効果を試験した。
【0031】実施例1 キトサンのアミノ基に直鎖アルキル基を介して1級アミ
ンが導入されたキトサン誘導体ゲル粒子(富士紡績社
製、商品名「Chitopearl BCW-3003 」、平均粒径0.3
mm)を、50ml用ポリプロピレン試験管に(岩城硝
子社製)に、かさ体積で5ml充填した。これに注射用
生理食塩水(大塚製薬社製)を40ml添加して軽く攪
拌し、この試験管を500rpmで5分間遠心分離し、
しかる後、上澄を吸引して捨てることにより洗浄した。
この洗浄操作を3回行い、4℃にて一晩放置した。その
後、同じ洗浄操作を5回行い、最後にできるだけ生理食
塩水を取り除き、洗浄キトサン誘導体ゲル粒子を得た。
【0032】塩化ビニル・エチレン共重合体とエチレン
・一酸化炭素・アクリル酸n−ブチルエステル共重合体
を主成分とする樹脂組成物を押し出し成形して厚み40
0μmのフィルムを作成した。これを2枚重ね合わせ、
上記で得られた洗浄キトサン誘導体ゲル粒子5mlを挟
み込んだ後、周囲を高周波シールし、さらに円筒体から
なる血液の流入部を取り付け、10ml用の癌治療用血
液バッグを製造した。これを37℃に加温されたウオー
ターバスにて加温し、ヘパリン採血したICRマウス
(7週齢、雄性)新鮮血10mlを注入して180分間
静置した。次いで、血液を遠心分離して血漿を採取し
た。
【0033】比較例1 ポリテトラフルオロエチレンプロピレン共重合体のビー
ズ(粒径2.5mm)を射出成形により製造した。この
ビーズをメタノールで洗浄後乾燥した。次いでこのビー
ズを注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄した。実
施例1の洗浄キトサン誘導体ゲル粒子5mlの代わりに
上記のビーズを嵩体積で5ml使用したことの他は、実
施例1と同様にして癌治療用血液バッグを作製し、実施
例1と同様にして血漿を採取した。
【0034】比較例2 酢酸セルロースペレット(アートプラス社製、可塑剤と
してアセチルクエン酸トリエチルを30重量%含有)を
射出成形し、直径2.5mmの球状ビーズを作製した。
このビーズ50gをメタノール300mlにより、50
℃で24時間ソックスレー抽出し、可塑剤を抽出した。
しかる後、可塑剤が抽出されたビーズをステンレス製バ
ットに取り出し、15時間風乾した後、さらに80℃で
5時間乾燥させた。
【0035】ポットミル(東洋エンジニアリング社製、
商品名:51−セラミックポットミルBP−5)に、上
記ビーズ200ml及び同容量の研磨材(WHITE
ABRAX(WA)♯34、日本研磨材工業社製)を投
入し、さらにセラミックポットミル用ボール(東洋エン
ジニアリング社製、商品名:BB−13)数個を投入
し、ボール研磨機(日陶科学社製ポットミル、商品名:
AN−3S)により5時間研磨した。研磨後のビーズを
メタノールで3回洗浄し、注射用生理食塩水(大塚製薬
社製)で5回洗浄した。
【0036】実施例1の洗浄キトサン誘導体ゲル粒子5
mlの代わりに上記のビーズを嵩体積で5ml使用した
ことの他は、実施例1と同様にして癌治療用血液バッグ
を作製し、実施例1と同様にして血漿を採取した。
【0037】比較例3 実施例1において、洗浄キトサン誘導体ゲル粒子を使用
せずに癌治療用血液バッグを作製し、実施例1と同様に
して血漿を採取した。
【0038】以上のようにして得られた血漿を以下の抗
癌効果の試験に用いた。
【0039】(抗癌効果の試験)移植S180細胞増殖
性試験により、抗癌効果を試験した。マウス由来の癌細
胞であるS180細胞を生理食塩水(大塚製薬社製)に
分散し、その0.1ml(S180細胞5×106 個含
有)をICRマウスの鼠蹊部に皮下投与した。皮下投与
後のマウスを5つの群に分け、皮下投与後1日目〜6日
目まで毎日、第1の群には生理食塩水を、第2の群には
抗癌剤マイトマイシンC(和光純薬社製、以下、MMC
とする)を、第3の群には抗癌剤5−フルオロウラシル
(和光純薬社製、以下、5−FUとする)を、第4の群
には抗癌剤シスプラチン(シグマ社製、以下、CDDP
とする)を、第5の群には抗癌剤アドリアマイシン(和
光純薬社製、以下、ADMとする)を投与した。
【0040】さらに、上記各群のマウスの1頭毎に、上
記薬剤投与とともに、前記実施例1、比較例1〜3で得
られた血漿、又は採血直後の血液から得られた血漿を、
前記皮下投与後1日目〜6日目まで毎日投与(各マウス
には、毎日同じ血漿を投与)した。なお、上記の投与
は、生理食塩水は5ml/kg、MMCは3mg/k
g、5−FUは6mg/kg、CDDPは0.5mg/
kg、ADMは0.3mg/kgで腹腔内投与とし、血
漿は0.1ml/頭で静脈内投与とした。この後14日
目にマウスを処分し、腫瘍重量を測定した。そして、採
血直後の血漿と生理食塩水とを投与した系をコントロー
ルとし、各試料の腫瘍増殖抑制率を次式により算出し、
結果を表1に示した。 腫瘍増殖抑制率(%)=(コントロールの腫瘍重量−試
料の腫瘍重量)×100/コントロールの腫瘍重量
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明の癌治療用血液バッグの構成は上
記の通りであり、血液と担体とが接触することにより、
従来の免疫賦活剤や単一の抗癌性サイトカインでは得ら
れない、より制御された抗癌因子複合物による抗癌効果
を血液に誘導し得る癌治療用血液バッグを提供する。従
って、本発明の癌治療用血液バッグを使用すると、癌の
治療を効果的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の癌治療用血液バッグを説明する
ための概略構成図である。
【符号の説明】
1 癌治療用血液バッグ 2 袋状容器 3 流入部 4 担体 5 メッシュ 6 チューブ 7 血流ポンプ 8 採血針

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液または血液成分の流入部を具備する
    袋状容器に、血液または血液成分と接触することにより
    抗癌効果を誘導するキトサンおよび/またはキトサン誘
    導体からなる担体が収納されてなることを特徴とする癌
    治療用血液バッグ。
JP7331795A 1995-12-20 1995-12-20 癌治療用血液バッグ Pending JPH09168577A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2728822C2 (ru) * 2016-02-09 2020-07-31 Сан Фармасьютикл Индастриз Лтд. Перфузионная система

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2728822C2 (ru) * 2016-02-09 2020-07-31 Сан Фармасьютикл Индастриз Лтд. Перфузионная система

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