JPH0987181A - 癌治療剤及び癌治療装置 - Google Patents

癌治療剤及び癌治療装置

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JPH0987181A
JPH0987181A JP7250769A JP25076995A JPH0987181A JP H0987181 A JPH0987181 A JP H0987181A JP 7250769 A JP7250769 A JP 7250769A JP 25076995 A JP25076995 A JP 25076995A JP H0987181 A JPH0987181 A JP H0987181A
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JP
Japan
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blood
cancer
therapeutic agent
column
chitosan
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Application number
JP7250769A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Ito
和志 伊藤
Yoshiko Abe
佳子 阿部
Kiyoshi Kuriyama
澄 栗山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の免疫賦活剤や単一の抗癌性サイトカイ
ンでは得られない、より制御された抗癌因子複合物によ
る抗癌効果を血液に誘導する癌治療剤を提供する、及び
上記癌治療剤を使用する癌治療装置を提供する。 【解決手段】 血液と接触することにより、血液に抗癌
効果を誘導するキトサン、キトサン誘導体、アクリル系
高分子及びスチレン系高分子からなる群より選ばれる少
なくとも一種からなることを特徴とする癌治療剤。前記
癌治療剤4をカラムに収納してなるカラム部1と、血液
もしくは血液成分を該カラム部に流入させるために該カ
ラム部に連結された流入部2と、該カラム部内に流入さ
れた血液もしくは血液成分を該カラム部外に流出させる
ために該カラム部に連結された流出部3とを備えること
を特徴とする癌治療装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液と接触させる
ことにより、血液に種々の抗癌効果を誘導する癌治療
剤、及び上記癌治療剤を使用する、例えば、体外循環法
による癌治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の悪性腫瘍の治療法としては、外科
的切除、放射線療法、抗癌剤の投与などがある。抗癌剤
は、単独投与だけでなく、上記の外科的切除や放射線療
法との併用でも使用される巾広い治療法である。抗癌剤
の中には、婦人科系癌や前立腺癌に対する各種ホルモン
製剤もあるものの、多くの抗癌剤は癌細胞に対して直接
障害性を現す製剤であり、生体の癌細胞の増殖を阻害し
て治療効果を現している。その作用機序は様々であり、
マイトマイシンCや塩酸ドキソルビシンのような核酸合
成阻害剤、フッ化ピリミジンのような代謝拮抗剤、シク
ロフォスフアミドのようなアルキル化剤、ビンクリスチ
ンのような細胞分裂阻害剤などがある。多くの場合、効
果的な化学療法をめざして、異なる作用機序の薬剤を複
数種使用する多剤併用療法が用いられている。また、イ
ンターフェロン、インターロイキン2などの免疫増強を
目的としたサイトカインや各種の菌体成分である免疫賦
活剤も悪性腫瘍に対して用いられているが、特殊な例以
外は、やはり効果的な化学療法をめざすために上記抗癌
剤との併用をすることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上のような抗
癌剤によって良好な治療効果が現れるのは、急性白血
病、悪性リンパ腫のような血液癌である。しかし、多数
の患者数がある胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌、肝癌等の固
形癌に対しては血液癌ほどの効果がないと言われてい
る。この原因の一つは副作用が大きいため、その投与量
を大きくできないことである。つまり、固形癌に対して
抗癌剤を十分に作用させようとすると、癌以外の各種臓
器に対する副作用、例えば、白血球減少、脱毛、下痢、
口内炎、腎不全、吐き気、肺不全等の副作用が現れ、重
篤な場合は死亡することもある。そこで抗癌剤の効果を
高めるために、免疫賦活剤や抗癌性サイトカインとの併
用が行われているが十分でない。それは、免疫賦活剤は
作用そのものが弱く、サイトカインは生体反応に応じた
投与量や投与タイミングの特定が難しいため、サイトカ
インによる重篤な副作用を生じる恐れがあるからである
〔朝長万左男、臨床免疫;27(Sup6)515−5
23(1995)〕。つまり、本来、サイトカインは体
内において単独で活性を現しているのではなく、種々の
サイトカイン及びその関連物質によって制御されて、そ
れらの総合的なサイトカインネットワークのなかで活性
を現すので、従来の治療法のような単独大量投与はネッ
トワークのバランスを崩し過ぎる点からみてあまり効果
的といえない〔小倉剛、免疫薬理;12(4)356−
359(1994)〕。
【0004】また、血液に高分子材料を接触することに
よる、例えば、TNF(TNF:Tumor Necrosis Facto
r )、インターロイキン−1(IL−1)やその他のサ
イトカインの誘導は、人工臓器20(1),235−2
40(1991)、人工臓器22(5),1233−1
237(1993)、特開平6−209992号公報、
特開平6−319996号公報、特開平7−67955
号公報、特開平7−96031号公報などに開示されて
いるが、抗癌効果は立証されていない。効果的な抗癌性
を得るためには、例えば、TNFのような特定の抗癌性
サイトカインの誘導だけでは解決できるものではなく、
複数の抗癌因子の相互作用によって抗癌性を誘導する必
要がある〔小倉 剛,免疫薬理 12(4)356−3
59(1994)〕。
【0005】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、その目的は、従来の免疫賦活剤や単一の抗癌性サイ
トカインでは得られない、より制御された抗癌因子複合
物による抗癌効果を血液に誘導する癌治療剤を提供する
こと、及び上記癌治療剤を使用する癌治療装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の天
然及び合成高分子材料と血液の接触による抗癌効果の誘
導について、マウス腫瘍モデルで鋭意、研究を行った結
果、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明の癌治療剤は、血液と接
触することにより、血液に抗癌効果を誘導するキトサ
ン、キトサン誘導体、アクリル系高分子及びスチレン系
高分子からなる群より選ばれる少なくとも一種からな
る。
【0008】本発明で用いられるキトサンは、天然高分
子キチンのアセチルアミノ基を脱アセチル化して得られ
る、D−グルコサミンがβ−(1→4)グルコシド結合
した構造の多糖(ポリ−β−D−グルコサミン)であ
る。
【0009】本発明で用いられるキトサン誘導体は、キ
トサンに種々の化学修飾が加えられたものであり、例え
ば、キトサンのアミノ基に、1級アミン、2級アミン、
3級アミン又は第4アンモニウム塩が導入されたもの;
キトサンのアミノ基に、アルキル基、アセチル基などが
導入されたもの;キトサンの水酸基に、スルホン基又は
カルボキシメチル基が導入されたものなどが挙げられ、
特に、アミノ基に、1級アミンが導入されたものが血液
に顕著な抗癌効果を誘導する。
【0010】本発明で使用されるアクリル系高分子は、
メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、アクリル酸又はア
クリル酸誘導体の単独重合体又は共重合体である。上記
メタクリル酸誘導体としては、例えば、メタクリル酸エ
ステル、メタクリルアミド、メタクリルニトリル等が挙
げられ、上記アクリル酸誘導体としては、例えば、アク
リル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル等
が挙げられ、特に、メタクリル酸エステルの単独重合体
又は共重合体が血液に顕著な抗癌効果を誘導する。
【0011】本発明で使用されるスチレン系高分子は、
スチレン又はスチレン誘導体の単独重合体又は共重合体
である。スチレン誘導体としては、例えば、ジビニルベ
ンゼンが挙げられる。特に、ポリスチレン又はスチレン
−ジビニルベンゼン共重合体が血液に顕著な抗癌効果を
誘導する。
【0012】本発明の癌治療剤を血液に接触させる際
の、癌治療剤の形状は、いずれの形状でもよく、例え
ば、粒子状、繊維状、中空糸状、膜状などが挙げられ
る。
【0013】本発明の癌治療剤を血液に接触させる方法
は、血液と十分に接触可能な方法であれば、任意の方法
でよく、例えば、粒径0.01〜5mmのビーズ状の癌
治療剤をカラムに充填したものに血液を循環させる方
法、繊維状の癌治療剤をカラムに充填したものに血液を
循環させる方法、血液中に種々の形状の癌治療剤を浮遊
させる方法などが挙げられる。
【0014】癌治療剤を血液に接触させる際の温度は、
20〜42℃の範囲が血液に顕著な抗癌効果を誘導する
ので好ましい。癌治療剤を血液に接触させる際の時間
は、癌治療剤の種類、癌の症状などにより変わり得る
が、通常5分〜5時間程度が好ましい。
【0015】本発明の癌治療剤を使用して治療する方法
は、例えば、癌治療剤を充填したカラムに患者の血液を
導入して、血液に抗癌効果を誘導し、得られた血液を患
者にもどす、所謂体外循環システム法による方法が挙げ
られる。この方法について、詳しく述べると、まず、患
者などの血液を血液用チューブなどを用いて体外循環シ
ステムに導き、粒子状または繊維状などの形状の癌治療
剤が充填されたカラムに導入する。カラム内では、血液
が癌治療剤に接触することによって血液に抗癌効果が誘
導される。この血液を患者体内にもどす。
【0016】また、他の治療方法として、癌治療剤が充
填された血液バッグに採血した患者の血液を入れ、この
中で患者血液に抗癌効果を誘導し、誘導された血液を保
存しておき、必要に応じて患者に投与することにより有
効な治療を行うこともできる。例えば、患者腫瘍を外科
的に切除するときなどに予め凍結しておいた患者自身の
抗癌効果が誘導された血液を全身又は腫瘍局所に投与
し、腫瘍の増大、転移を阻止することが可能となる。
【0017】本発明の癌治療剤を使用して治療する際に
は、抗癌効果が誘導された血液から、血液構成成分の一
部、例えば、血漿だけを取り出し、それを患者にもどし
てもよい。
【0018】また、抗炎症効果が誘導された血液から得
た血漿などを患者に投与する際には、上述のように、全
身投与に限らず局所投与でもよい。
【0019】本発明の癌治療剤を使用して治療する際に
は、本癌治療剤のみを用いて治療しても構わないが、他
の抗癌剤と併用するのが望ましい。上記の他の抗癌剤と
しては、例えば、5−FU、シスプラチン、塩酸ドキソ
ルビシン、マイトマイシンCなどが挙げられる。上記の
他の抗癌剤と本癌治療剤を使用した治療法を併用する
と、相互の抗癌効果が増強されるため、安全な用量で効
果が著しく増強される。抗癌剤の投与法としては、静脈
注射、内服などの通常の投与法が可能であるが、前記体
外循環システム法による治療方法の場合には、抗癌効果
が誘導された血液を患者に返すライン中に抗癌剤溶液を
注入する方法が可能である。
【0020】請求項2記載の癌治療装置は、請求項1記
載の癌治療剤をカラムに収納してなるカラム部と、血液
もしくは血液成分を該カラム部に流入させるために該カ
ラム部に連結された流入部と、該カラム部内に流入され
た血液もしくは血液成分を該カラム部外に流出させるた
めに該カラム部に連結された流出部とを備えることを特
徴とする。
【0021】本発明の癌治療装置に使用されるカラム部
としては、従来より体外循環法に使用されている適宜の
形状、例えば、任意の材料からなる円筒状の担体収納用
カラムが用いられ得る。また、流入部及び流出部につい
ては、上記カラム部に連結され得るものであり、かつ内
部を血液もしくは血液成分が円滑に通過し得るものであ
れば、任意の材料からなるものが用いられ得、例えば、
シリコーン樹脂や塩化ビニル樹脂などからなる合成樹脂
チューブが挙げられる。
【0022】請求項3記載の癌治療装置は、前記流出部
の下流に、更に、抗癌剤投与手段が備えられた請求項2
記載の癌治療装置である。前記流出部の下流とは、例え
ば、抗癌効果が誘導された血液を患者に返血する部位で
ある患者静脈と流出部との間のラインが挙げられ、この
ラインに抗癌剤投与手段が接続される。上記抗癌剤投与
手段としては、シリンジが挙げられる。
【0023】また、請求項4記載の癌治療装置は、請求
項2又は3記載の癌治療装置におけるカラム部及び流入
部の少なくとも一方に、血液もしくは血液成分を20〜
42℃の範囲に加温させ得る加温手段が、更に、備えら
れた該治療装置である。上記加温手段としては、カラム
部及び流入部の少なくとも一方を加熱し得、かつ、血液
もしくは血液成分を20〜42℃の範囲に加温させ得る
ものであれば、任意のものを用いることができる。例え
ば、カラム部周囲に設けられた、温水などの熱媒体を利
用したウォータージャケット;カラム部周囲に設けられ
た、ヒーターなどが挙げられる。加温手段は、好ましく
は、カラム部と流入部の両方に設けられる。もっとも、
循環される血液の流速が大きい場合には、流入部のみを
加熱しても血液もしくは血液成分を20〜42℃の範囲
でカラム部内の癌治療剤と接触させることができる。
【0024】本発明の癌治療装置には、上記加熱手段に
よって、血液もしくは血液成分の温度が体温より高くな
った場合に、それらを体温に近づけるために、流出部又
はその下流に冷却手段を設けてもよい。
【0025】図1は、本発明の一実施例の癌治療装置を
説明するための概略構成図である。カラム部1には癌治
療剤4が収納され、カラム部1の一端には、被処理血液
(患者血液)を該カラム部1内に流入させるための流入
部2が接続され、カラム部1の他端には、カラム部1か
ら血液を流出させるための流出部3が接続されている。
【0026】上記カラム部1は、ガラスもしくは合成樹
脂からなる円筒状の容器で構成されており、その内部に
血液に抗癌効果を誘導させるための癌治療剤4が収納さ
れている。癌治療剤4としては、前述のような、例えば
ビーズ状のものが用いられる。流入部2は、血液ポンプ
5を間に介して体外循環装置を構成する血液用チューブ
12によって患者の動脈側又は静脈側に接続されてい
る。なお、6はシリンジを示し、ヘパリンなどの薬物を
体外循環装置内に供給するために設けられている。ま
た、上記血液ポンプ5と流入部2との間においては、動
脈圧計8が接続されている。
【0027】他方、流出部3と患者の静脈との間が体外
循環装置を構成する血液用チューブ12に接続されてお
り、途中には定温器7が接続されている。定温器7は、
血液が通過する部分としての、例えば、螺旋状のガラス
管を有し、該ガラス管の周囲に体温近辺に温められた温
水が供給されるように構成されており、血液を患者に戻
す際に体温と血液の温度を近づけるために設けられてい
る。
【0028】また、定温器7と患者の静脈との間には、
静脈圧計9、薬物投与手段としてのシリンジ10、抗癌
剤投与手段としてのシリンジ11が接続されている。薬
物投与手段としてのシリンジ10は、例えば、体外循環
に際して注入されたヘパリンの作用を防止するための薬
剤、例えば、プロタミンを注入するために設けられてい
る。抗癌剤投与手段としてのシリンジ11は、各種抗癌
剤、例えば、5−FU、シスプラチン、塩酸ドキソルビ
シン、マイトマイシンCなどを注入するために設けられ
ている。
【0029】本実施例の体外循環装置では、さらに加温
手段13が設けられ該手段13内にカラム部1、流入部
2及び流出部3が配置されており、それによって血液が
加熱された状態で癌治療剤4と接触される。従って、前
述したように、癌治療剤4の抗癌効果誘導作用をより効
率良く発揮させることができる。
【0030】(作用)本発明の癌治療剤の作用機序につ
いては、血液と癌治療剤とが接触することにより、血液
中の細胞と癌治療剤とが相互作用し、該細胞から抗癌因
子複合物が誘導産生されたものと考えられる。そして、
産生された抗癌因子複合物が相互作用し、抗癌効果が誘
導されたものと考えられる。上記血液と本発明の癌治療
剤との接触により血液中に種々の抗癌因子を産生する血
液細胞は、末梢血中の細胞に限らず、リンパ管、リンパ
節、脾臓等から得られる細胞も含まれる。血液中には、
抗癌因子を産生するこれらの細胞が多く含まれている。
【0031】本発明の癌治療剤を用いて産生される抗癌
因子には、後述の実施例で示すように、例えば、TNF
(TNF:Tumor Necrosis Factor )、インターロイキ
ン−1(IL−1)、インターロイキン−6(IL−
6)などのサイトカインが含まれる。TNF及びIL−
1のようなサイトカインの産生は各種細胞が活性化した
初期反応であるので、さらに別のサイトカインの産生が
起こっていることが予想される。また、その初期反応の
後では、さらに他のサイトカインやサイトカイン制御物
質が産生され、複雑な調節機構が働いていると考えられ
る(CASSATELLA,M.A.Immunol.
today16(1)21−26,1995)。
【0032】このような本発明の抗癌効果は、腫瘍モデ
ルを使用して始めて確認立証されるものであり、既に開
示されているような抗癌因子の産生誘導の確認だけでは
発見できないものである。
【0033】本発明の癌治療剤は、キトサン、キトサン
誘導体、アクリル系高分子及びスチレン系高分子からな
る群より選ばれる少なくとも一種からなることにより、
効果的に上記の抗癌効果を血液にもたらすものであり、
例えば、ポリテトラフルオロエチレンプロピレン共重合
体や酢酸セルロースの様な他の高分子においてはこのよ
うな抗癌効果の誘導は認められない。
【0034】本発明の癌治療装置では、カラム部に流入
した血液もしくは血液成分は、癌治療剤と接触される。
従って、後述の実施例から明らかなように、抗癌因子が
効率よく誘導され、その結果、血液に抗癌効果を付与で
きる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を詳細に説明するが、本発
明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】(キトサン、キトサン誘導体からなる癌治
療剤)まず、下記の実施例1〜9及び比較例1〜3に記
載する方法にて、キトサン材料、キトサン誘導体材料、
および比較材料を作製し、次いで得られた材料を用い
て、血液を処理し抗癌効果を試験した。
【0037】実施例1 キトサンのアミノ基がそのまま残っているキトサンゲル
粒子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl basic AL-0
3」、平均粒径0.3mm)を、15ml用ポリプロピ
レン試験管に(岩城硝子社製)に、かさ体積で1ml充
填した。これに注射用生理食塩水(大塚製薬社製)を1
2ml添加して軽く攪拌した。この試験管を500rp
mで5分間遠心分離し、しかる後上澄を吸引して捨て
た。この洗浄操作を3回行い、4℃にて一晩放置した。
その後、同じ洗浄操作を5回行い、最後にできるだけ生
理食塩水を取り除いた。注射用生理食塩水を充填して滅
菌洗浄した2ml用ポリプロピレン製チューブ(epp
endorf社製)に、上記のようにして洗浄した、キ
トサンゲル粒子をかさ体積で500μl充填して、キト
サン充填チューブを得た。
【0038】実施例2 実施例1のキトサンゲル粒子(富士紡績社製、商品名
「Chitopearl basic AL-03」)に代えて、キトサンのア
ミノ基がアセチル化されたキトサン誘導体ゲル粒子(富
士紡績社製、商品名「Chitopearl basic BL-03」、平均
粒径0.3mm)を使用したことの他は、実施例1と同
様にして行い、キトサン誘導体充填チューブを得た。
【0039】実施例3 実施例1のキトサンゲル粒子(富士紡績社製、商品名
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンのア
ミノ基にベンジル基を介して1級アミンが導入されたキ
トサン誘導体ゲル粒子(富士紡績社製、商品名「Chitop
earl BCW-3503 」、平均粒径0.3mm)を使用したこ
との他は、実施例1と同様にして行い、キトサン誘導体
充填チューブを得た。
【0040】実施例4 実施例1のキトサンゲル粒子(富士紡績社製、商品名
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンのア
ミノ基に直鎖アルキル基を介して1級アミンが導入され
たキトサン誘導体ゲル粒子(富士紡績社製、商品名「Ch
itopearl BCW-3003 」、平均粒径0.3mm)を使用し
たことの他は、実施例1と同様にして行い、キトサン誘
導体充填チューブを得た。
【0041】実施例5 実施例1のキトサンゲル粒子(富士紡績社製、商品名
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンのア
ミノ基に3級アミンが導入されたキトサン誘導体ゲル粒
子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl BCW-2603 」、
平均粒径0.3mm)を使用したことの他は、実施例1
と同様にして行い、キトサン誘導体充填チューブを得
た。
【0042】実施例6 実施例1のキトサンゲル粒子(富士紡績社製、商品名
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンのア
ミノ基に第4アンモニウム塩が導入されたキトサン誘導
体ゲル粒子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl BCW-2
503 」、平均粒径0.3mm)を使用したことの他は、
実施例1と同様にして行い、キトサン誘導体充填チュー
ブを得た。
【0043】実施例7 実施例1のキトサンゲル粒子(富士紡績社製、商品名
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンの6
位の水酸基にカルボキシメチル基が導入されたキトサン
誘導体ゲル粒子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl C
M-03」、平均粒径0.3mm)を使用したことの他は、
実施例1と同様にして行い、キトサン誘導体充填チュー
ブを得た。
【0044】実施例8 実施例1のキトサンゲル粒子(富士紡績社製、商品名
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンの6
位の水酸基にスルホン基が導入されたキトサン誘導体ゲ
ル粒子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl SU-03」、
平均粒径0.3mm)を使用したことの他は、実施例1
と同様にして行い、キトサン誘導体充填チューブを得
た。
【0045】実施例9 キトサンのアミノ基がそのまま残っているキトサン粉末
(カトキチ社製、商品名「CHITOSAN 10B」)5gを、注
射用生理食塩水(大塚製薬社製)30mlに懸濁し、1
500rpmで1分間で遠心分離し、上澄みを吸引して
捨て、同様に注射用生理食塩水を30ml加えて懸濁
し、500rpmで1分間遠心分離し、次に上澄みを吸
引して捨てた。この洗浄操作を3回行い、4℃にて一晩
放置した。その後、同じ洗浄操作を5回行い、最後にで
きるだけ生理食塩水を取り除いた。注射用生理食塩水を
充填して滅菌洗浄した2ml用ポリプロピレン製チュー
ブ(eppendorf社製)に、上記のようにして洗
浄した、キトサンゲル粒子をかさ体積で500μl充填
して、キトサン充填チューブを得た。
【0046】比較例1 ポリテトラフルオロエチレンプロピレン共重合体のビー
ズ(粒径2.5mm)を射出成形により作製した。この
ビーズをメタノールで洗浄後乾燥した。このビーズを注
射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄後、注射用生理
食塩水(大塚製薬社製)で洗浄した2ml用ポリプロピ
レン製チューブ(eppendorf社製)に充填しポ
リテトラフルオロエチレンプロピレン共重合体充填チュ
ーブを得た。充填量はビーズ70個とした。
【0047】比較例2 酢酸セルロースペレット(アートプラス社製、可塑剤と
してアセチルクエン酸トリエチルを30重量%含有)を
射出成形し、直径2.5mmの球状ビーズを作製した。
このビーズ50gをメタノール300mlにより、50
℃で24時間ソックスレー抽出し、可塑剤を抽出した。
しかる後、可塑剤が抽出されたビーズをステンレス製バ
ットに取り出し、15時間風乾した後、さらに80℃で
5時間乾燥させた。
【0048】ポットミル(東洋エンジニアリング社製、
商品名:51−セラミックポットミルBP−5)に、上
記ビーズ200ml及び同容量の研磨材(WHITE
ABRAX(WA)♯34、日本研磨材工業社製)を投
入し、さらにセラミックポットミル用ボール(東洋エン
ジニアリング社製、商品名:BB−13)数個を投入
し、ボール研磨機(日陶科学社製ポットミル、商品名:
AN−3S)により5時間研磨した。研磨後のビーズを
メタノールで3回洗浄し、注射用生理食塩水(大塚製薬
社製)で5回洗浄した。その後、同様に注射用生理食塩
水で洗浄した2ml用ポリプロピレン製チューブ(ep
pendorf社製)に充填し酢酸セルロース充填チュ
ーブを得た。充填量はビーズ70個とした。
【0049】比較例3 注射用生理食塩水(大塚製薬社製)を充填して滅菌洗浄
した2ml用ポリプロピレン製チューブ(eppend
orf社製)を比較例3とした。
【0050】(血液に対する抗癌効果の誘導)実施例1
〜9および比較例1〜3で得た各チューブに、ヘパリン
採血したICRマウス(7週齢、雄性)の新鮮血1.6
mlを加え、このチューブを回転円盤に取り付けて、3
7℃で3時間(比較例1〜3のチューブについては2時
間)、回転数26rpmで転倒混和した。混和後の血液
を遠心分離して血漿を採取した。得られた血漿にトロン
ビン(持田製薬社製)を80unit/mlの濃度とな
るように添加し、37℃で10分間静置後、遠心分離し
て繊維素を取り除き血清を採取した。また、上記のIC
Rマウスから採血した直後の血液を遠心分離して血漿を
採取した。得られた血漿にトロンビン(持田製薬社製)
を80unit/mlの濃度となるように添加し、37
℃で10分間静置後、遠心分離して繊維素を取り除き血
清を採取した。以上のようにして得られた血清を以下の
抗癌効果の試験に用いた。
【0051】(抗癌効果の試験)移植S180細胞増殖
性試験により、抗癌効果を試験した。マウス由来の癌細
胞であるS180細胞を生理食塩水(大塚製薬社製)に
分散し、その0.1ml(S180細胞5×106 個含
有)をICRマウスの鼠蹊部に皮下投与した。皮下投与
後のマウスを5つの群に分け、皮下投与後1日目〜6日
目まで毎日、第1の群には生理食塩水を、第2の群には
抗癌剤マイトマイシンC(和光純薬社製、以下、MMC
とする)を、第3の群には抗癌剤5−フルオロウラシル
(和光純薬社製、以下、5−FUとする)を、第4の群
には抗癌剤シスプラチン(シグマ社製、以下、CDDP
とする)を、第5の群には抗癌剤アドリアマイシン(和
光純薬社製、以下、ADMとする)を投与した。
【0052】さらに、上記各群のマウスの1頭毎に、上
記薬剤投与とともに、前記実施例1〜9で得られた血
清、前記比較例1〜3で得られた血清又は採血直後の血
清を、前記皮下投与後1日目〜6日目まで毎日投与(各
マウスには、毎日同じ血清を投与)した。なお、上記の
投与は、生理食塩水は5ml/kg、MMCは3mg/
kg、5−FUは6mg/kg、CDDPは0.5mg
/kg、ADMは0.3mg/kgで腹腔内投与とし、
血清は0.1ml/頭で静脈内投与とした。この後14
日目にマウスを処分し、腫瘍重量を測定した。そして、
採血直後の血清と生理食塩水とを投与した系をコントロ
ールとし、各試料の腫瘍増殖抑制率を次式により算出
し、結果を表1に示した。 腫瘍増殖抑制率(%)=(コントロールの腫瘍重量−試
料の腫瘍重量)×100/コントロールの腫瘍重量
【0053】
【表1】
【0054】(誘導サイトカイン量の測定)実施例4、
比較例1〜3で得られた血漿中に含まれるインターロイ
キン−1(IL−1)、TNF及びインターロイキン−
6(IL−6)の濃度を、モノクローナル抗体を用いた
免疫酵素抗体法を用いて測定した。IL−1について
は、Genzyme社製、商品名 Inter Tes
t−1βX Mouse IL−1β ELISA K
it(検出限界10pg/ml)で、TNFについて
は、Genzyme社製、商品名 Factor−Te
st−X Mouse TNF−α ELISA Ki
t(検出限界15pg/ml)で、IL−6について
は、Genzyme社製、商品名 Inter Tes
t−6X MouseIL−6 ELISA Kit
(検出限界5pg/ml)で測定した。その結果を表2
に示す。
【0055】
【表2】
【0056】(アクリル系高分子からなる癌治療剤)次
に、下記の実施例10〜12に記載する方法にて、アク
リル系高分子材料を作製し、次いで得られた材料を用い
て、血液を処理し抗癌効果を試験した。
【0057】実施例10 アクリル系多孔性ダイヤイオンHP−1MG(三菱化成
社製)を、蒸留水にて3回洗浄し、一晩室温にて静置し
た。しかる後、蒸留水にて3回洗浄し、メタノールにて
洗浄後、メタノールに懸濁して6時間静置した。これ
を、蒸留水、注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄
し、注射用生理食塩水中に懸濁して超音波洗浄を行い、
吸引ポンプを用いて脱気した。このようにして洗浄した
各粒子を注射用生理食塩水を充填して滅菌及び洗浄を行
った2ml用ポリプロピレン製チューブ(eppend
orf社製)にかさ体積で500μl充填して、アクリ
ル系高分子充填チューブを得た。
【0058】実施例11 実施例10のアクリル系多孔性ダイヤイオンHP−1M
Gに代えて、アクリル系多孔性ダイヤイオンHP−2M
G(三菱化成社製)を使用したことの他は、実施例10
と同様にして行い、アクリル系高分子充填チューブを得
た。
【0059】実施例12 実施例10のダイヤイオンHP−1MGに代えて、アク
リル系多孔性アンバーライトXAD−7(オルガノ社
製)を使用したことの他は、実施例10と同様にして行
い、アクリル系高分子充填チューブを得た。
【0060】(血液に対する抗癌効果の誘導)実施例1
で得たチューブの代わりに、実施例10〜12および比
較例1〜3で得た各チューブを使用した他は、実施例1
0〜12は実施例1と同様にして、比較例1〜3は比較
例1と同様にして抗癌効果の誘導を行って、実施例10
〜12及び比較例1〜3の誘導後の血清を得た。また、
前述の血液に対する抗癌効果の誘導の項と同様にして採
血直後の血液から血清を採取した。
【0061】(抗癌効果の試験)試料として、上記のよ
うにして得られた実施例10〜12、比較例1〜3及び
採血直後の血清を用いて、前述の抗癌効果の試験の方法
と同様にして試験し、各試料の腫瘍増殖抑制率を算出
し、結果を表3に示した。
【0062】
【表3】
【0063】(誘導サイトカイン量の測定)実施例1
2、比較例1〜3で得られた血漿中に含まれるIL−
1、TNF及びIL−6の濃度を前述の誘導サイトカイ
ン量の測定と同様にして測定し、結果を表4に示した。
【0064】
【表4】
【0065】(スチレン系高分子からなる癌治療剤)次
に、下記の実施例13〜21に記載する方法にて、スチ
レン系高分子材料を作製し、次いで得られた材料を用い
て、血液を処理し抗癌効果を試験した。
【0066】実施例13 ポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−10(三菱化成
社製)を、蒸留水にて3回洗浄し、一晩室温にて静置し
た。しかる後、蒸留水にて3回洗浄し、メタノールにて
洗浄後、メタノールに懸濁して6時間静置した。これ
を、蒸留水、注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄
し、注射用生理食塩水中に懸濁して超音波洗浄を行い、
吸引ポンプを用いて脱気した。このようにして洗浄した
各粒子を注射用生理食塩水を充填して滅菌及び洗浄を行
った2ml用ポリプロピレン製チューブ(eppend
orf社製)にかさ体積で500μl充填して、スチレ
ン系高分子充填チューブを得た。
【0067】実施例14 実施例13のポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−1
0に代えて、ポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−2
0(三菱化成社製)を使用したことの他は、実施例13
と同様にして行い、スチレン系高分子充填チューブを得
た。
【0068】実施例15 実施例13のポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−1
0に代えて、ポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−3
0(三菱化成社製)を使用したことの他は、実施例13
と同様にして行い、スチレン系高分子充填チューブを得
た。
【0069】実施例16 実施例13のポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−1
0に代えて、ポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−4
0(三菱化成社製)を使用したことの他は、実施例13
と同様にして行い、スチレン系高分子充填チューブを得
た。
【0070】実施例17 実施例13のポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−1
0に代えて、ポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−5
0(三菱化成社製)を使用したことの他は、実施例13
と同様にして行い、スチレン系高分子充填チューブを得
た。
【0071】実施例18 実施例13のポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−1
0に代えて、ポリスチレン多孔性セパビースSP−80
0(三菱化成社製)を使用したことの他は、実施例13
と同様にして行い、スチレン系高分子充填チューブを得
た。
【0072】実施例19 実施例13のポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−1
0に代えて、ポリスチレン多孔性セパビースSP−90
0(三菱化成社製)を使用したことの他は、実施例13
と同様にして行い、スチレン系高分子充填チューブを得
た。
【0073】実施例20 実施例13のポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−1
0に代えて、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系多
孔性セパビースSP−206(三菱化成社製)を使用し
たことの他は、実施例13と同様にして行い、スチレン
系高分子充填チューブを得た。
【0074】実施例21 実施例13のポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP−1
0に代えて、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系多
孔性セパビースSP−207(三菱化成社製)を使用し
たことの他は、実施例13と同様にして行い、スチレン
系高分子充填チューブを得た。
【0075】(血液に対する抗癌効果の誘導)実施例1
で得たチューブの代わりに、実施例13〜21および比
較例1〜3で得た各チューブを使用した他は、実施例1
3〜21は実施例1と同様にして、比較例1〜3は比較
例1と同様にして抗癌効果の誘導を行って、実施例13
〜21及び比較例1〜3の誘導後の血清を得た。また、
前述の血液に対する抗癌効果の誘導の項と同様にして採
血直後の血液から血清を採取した。
【0076】(抗癌効果の試験)試料として、上記のよ
うにして得られた実施例13〜21、比較例1〜3及び
採血直後の血清を用いて、前述の抗癌効果の試験の方法
と同様にして試験し、各試料の腫瘍増殖抑制率を算出
し、結果を表5に示した。
【0077】
【表5】
【0078】(誘導サイトカイン量の測定)実施例1
7、比較例1〜3で得られた血漿中に含まれるIL−
1、TNF及びIL−6の濃度を前述の誘導サイトカイ
ン量の測定と同様にして測定し、結果を表6に示した。
【0079】
【表6】
【0080】(癌治療装置に係る実施例)次に、下記の
実施例22及び比較例4〜6に記載する方法にて、癌治
療装置を用いて、血液を処理し得られた血漿の抗癌効果
を試験した。
【0081】実施例22 実施例4と同様に洗浄して得られた、キトサン誘導体ゲ
ル粒子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl BCW-3003
」)を、カラム部としての5ml用ポリプロピレン製
ディスポーザブルシリンジに充填し、軟質ポリ塩化ビニ
ルチューブ(東京理化器械社製、商品名 タイゴン)を
両端に、流入部及び流出部として接続し、37℃のウオ
ーターバス中に浸漬して加温し、ヘパリン採血したIC
Rマウス(7週齢、雄性)新鮮血7mlをペリスタポン
プを用いて60分間循環させた。その後、血液を回収
し、遠心分離により血漿を採取した。
【0082】比較例4 実施例22のキトサン誘導体ゲル粒子(富士紡績社製、
商品名「Chitopearl BCW-3003 」)の代わりに、比較例
1と同様に洗浄して得られた、ポリテトラフルオロエチ
レンプロピレン共重合体のビーズ4mlを使用したこと
の他は、実施例22と同様に操作して血漿を採取した。
【0083】比較例5 実施例22のキトサン誘導体ゲル粒子(富士紡績社製、
商品名「Chitopearl BCW-3003 」)の代わりに、比較例
2と同様に洗浄して得られた、酢酸セルロースペレット
4mlを使用したことの他は、実施例22と同様に操作
して血漿を採取した。
【0084】比較例6 実施例22のカラム部に代えて、実施例22で使用した
ものと同様の5ml用ポリプロピレン製ディスポーザブ
ルシリンジを注射用生理食塩水で洗浄し、内部に何も充
填しないものをカラム部とした他は、実施例22と同様
にして行い、血漿を採取した。
【0085】(抗癌効果の試験)試料として、上記のよ
うにして得られた実施例22、比較例4〜6及び採血直
後の血清を用いて、前述の抗癌効果の試験の方法と同様
にして試験し、各試料の腫瘍増殖抑制率を算出し、結果
を表7に示した。
【0086】
【表7】
【0087】
【発明の効果】本発明の癌治療剤の構成は上記の通りで
あり、血液と接触することにより、従来の免疫賦活剤や
単一の抗癌性サイトカインでは得られない、より制御さ
れた抗癌因子複合物による抗癌効果を血液に誘導する癌
治療剤を提供する。本発明の癌治療装置の構成は上記の
通りであり、カラム部に流入した血液もしくは血液成分
は、癌治療剤と接触される。従って、抗癌因子が効率よ
く誘導され、その結果、血液に抗癌効果を付与できる。
従って、本発明の癌治療剤及び癌治療装置を使用する
と、癌に対する新しい治療方法が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の癌治療装置を説明するため
の概略構成図である。
【符号の説明】
1 カラム部 2 流入部 3 流出部 4 癌治療剤 11 抗癌剤投与手段 13 加温手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液と接触することにより、血液に抗癌
    効果を誘導するキトサン、キトサン誘導体、アクリル系
    高分子及びスチレン系高分子からなる群より選ばれる少
    なくとも一種からなることを特徴とする癌治療剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の癌治療剤をカラムに収納
    してなるカラム部と、血液もしくは血液成分を該カラム
    部に流入させるために該カラム部に連結された流入部
    と、該カラム部内に流入された血液もしくは血液成分を
    該カラム部外に流出させるために該カラム部に連結され
    た流出部とを備えることを特徴とする癌治療装置。
  3. 【請求項3】 前記流出部の下流に、更に、抗癌剤投与
    手段が備えられた請求項2記載の癌治療装置。
  4. 【請求項4】 血液もしくは血液成分を20〜42℃の
    範囲に加温させるために、前記カラム部及び流入部の少
    なくとも一方に、更に加温手段が備えられた請求項2又
    は3記載の癌治療装置。
JP7250769A 1995-09-28 1995-09-28 癌治療剤及び癌治療装置 Withdrawn JPH0987181A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003037375A1 (fr) * 2001-11-02 2003-05-08 Sekisui Chemical Co., Ltd. Substance d'induction de cytokine et instrument d'induction de cytokine

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003037375A1 (fr) * 2001-11-02 2003-05-08 Sekisui Chemical Co., Ltd. Substance d'induction de cytokine et instrument d'induction de cytokine

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