JPH09168354A - 釣用リール - Google Patents
釣用リールInfo
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- JPH09168354A JPH09168354A JP33358095A JP33358095A JPH09168354A JP H09168354 A JPH09168354 A JP H09168354A JP 33358095 A JP33358095 A JP 33358095A JP 33358095 A JP33358095 A JP 33358095A JP H09168354 A JPH09168354 A JP H09168354A
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Abstract
ンウェイクラッチ機構の損傷を防いで、比較的小型のワ
ンウェイクラッチ機構を採用できるようにする。 【解決手段】 ドラグ機構50は、スプールとともに一
体回転する主動部51、52と回転軸30とともに一体
回転し主動部51、52に回転抵抗力を作用させる従動
部53、54とを有する。ワンウェイクラッチ機構40
は、回転軸30に対して、釣糸の巻き取り方向への回転
は許容し、釣糸の繰り出し方向への回転は、ブレーキ機
構50の最大設定回転抵抗力よりも小さい限界値を超え
るまでは回転を阻止し、回転力が限界値を超えれば回転
を許容する。第2の回転阻止機構60は、回転軸30に
対して、釣糸の巻き取り方向への回転は許容し、釣糸の
繰り出し方向への回転は、ワンウェイクラッチ機構40
が回転を許容すると回転を阻止する。
Description
詳しくは、スプールの回転動作を制御するワンウェイク
ラッチ機構が組み込まれた釣用リールに関する。
を、駆動モータやハンドルによって回転させる。ハンド
ルとスプールとの間には、回転力を伝達または遮断する
クラッチ機構、回転に対する抵抗力を作用させるドラグ
機構、1方向の回転のみを許容するワンウェイクラッチ
機構などを備え、釣りの動作に応じたスプールの回転制
御が行えるようになっている。
しては、ハンドル軸に取り付けられた内輪と、リール本
体の構造部分に固定された外輪との間に、ローラ保持器
に保持された複数個のローラが配置され、内輪の回転に
したがって内輪の外周面に接触するローラが転動する。
外輪の内面には周方向に沿って深さが変化するカム凹部
を有する。
ルを回すと、内輪の回転にしたがって転動するローラが
外輪のカム凹部の深い方に移動する。この状態ではロー
ラは自由に回転できる。ハンドル軸はドラグ機構を介し
てスプールを回転させ、釣糸を巻き上げることができ
る。魚の引きによって釣糸が繰り出される方向にスプー
ルが回転しようとすると、内輪の回転方向が逆になる。
そうすると、内輪の回転方向に転動したローラがカム凹
部の浅い方に移動してカム凹部と内輪との間に挟み込ま
れる。その結果、ローラの転動および内輪の回転が阻止
され、ハンドル軸の逆転が阻止されることになる。ハン
ドル軸の回転が阻止された状態で、釣糸の繰り出し方向
に加わる力が、ドラグ機構に予め設定された回転抵抗力
を超えれば、この抵抗力が加わった状態で釣糸が引き出
される。これが、いわゆるドラグ力が作用している状態
である。
ルで、釣糸の繰り出し方向にスプールを回転させようと
して、ドラグ機構が作動しドラグ力が作用している状態
では、ワンウェイクラッチ機構には前記ドラグ力に相当
する力が作用する。ドラグ機構で作用させるドラグ力が
大きくなると、ワンウェイクラッチ機構に許容荷重を超
える過大な力が加わって、ワンウェイクラッチ機構を構
成する前記ローラやローラ保持器などに損傷が生じたり
寿命が短くなる。したがって、大きなドラグ力を作用さ
せるドラグ機構と組み合わせるためには、当然、許容荷
重の大きなワンウェイクラッチ機構を採用しなければな
らない。
荷重を大きくしようとすると、ワンウェイクラッチ機構
が大型化するという問題がある。例えば、ワンウェイク
ラッチ機構として前記のようなローラクラッチ機構を採
用した場合、ローラを大径化したり、ローラの数を増や
したりする必要があるため大型化してしまう。そこで、
この発明の課題は、過大な外力が加わったときに前記し
たドラグ機能を損なうことなくワンウェイクラッチ機構
の損傷を防ぐことで、比較的小型のワンウェイクラッチ
機構を採用できるようにすることである。
釣糸を巻回するスプールがリール本体に対して回転する
釣用リールであり、回転軸とドラグ機構とワンウェイク
ラッチ機構と第2の回転阻止機構とを備えている。回転
軸は、スプールの回転が伝達される。ドラグ機構は、ス
プールとともに一体回転する主動部と主動部の回転が伝
達され回転軸とともに一体回転し主動部に回転抵抗力を
作用させる従動部とを有し、スプールと回転軸との間で
回転を伝達する。ワンウェイクラッチ機構は、回転軸と
リール本体との間に配置され、回転軸に対して、釣糸の
巻き取り方向への回転は許容し、釣糸の繰り出し方向へ
の回転は、ドラグ機構の最大設定回転抵抗力よりも小さ
く設定された所定の限界値を超えるまでは回転を阻止
し、回転力が限界値を超えれば回転を許容する。第2の
回転阻止機構は、回転軸とリール本体との間に配置さ
れ、回転軸に対して、釣糸の巻き取り方向への回転は許
容し、釣糸の繰り出し方向への回転は、ワンウェイクラ
ッチ機構が回転を許容すると回転を阻止する。
ルと同様でよい。リール本体、スプール、スプールの支
持機構、スプールとハンドルや駆動用モータとの回転力
の伝達機構など、通常の釣用リールの構造を適宜に組み
合わせて構成することができる。釣用リールには、両軸
受リール、片軸受リール、スピニングリールなど様々な
機構構造あるいは型式を備えたものがあるが、本発明は
ワンウェイクラッチ機構やドラグ機構を備えていれば、
何れの構造にも適用できる。
クラッチ機構などの回転伝達機構を経て伝達される。回
転軸は、ハンドルが取り付けられたハンドル軸であって
もよいし、駆動用モータに連結される駆動軸であっても
よいし、ハンドルや駆動用モータとは別にスプールの回
転が伝達される軸であってもよい。ドラグ機構は、回転
力を伝える側すなわち主動部が回転したときに、回転力
が伝わる側すなわち従動部から主動部の回転に対して抵
抗力を作用させ得るようになっていれば、その具体的構
造は限定されず、単板式、多板式その他、通常の釣用リ
ールに適用されるドラグ機構の構造が採用できる。ドラ
グ機構は、同じ構造でも回転力の伝わる方向が違えば主
動部となるか従動部となるかが変わってくる。この発明
では、スプール側の部材を主動部と呼び、反対側になる
回転軸側の部材を従動部と呼ぶが、回転軸からスプール
側に回転が伝達されるときには主動部と従動部の役割は
逆になる。
された状態で、スプール側の主動部に回転力が伝達され
ると、従動部が主動部の回転を阻止する。主動部の回転
力が大きくなれば、主動部と従動部との間で滑りを生じ
て、主動部は回転を始める。このとき、主動部には予め
設定された回転抵抗力が作用する。具体的には、魚の引
きなどで釣糸が繰り出されたときに、上記回転抵抗力が
作用して、いわゆるドラグ力が働くことになる。
転抵抗力の大きさすなわち設定回転抵抗力を調整するス
タードラグなどのドラグ調整機構を備えておくことがで
きる。ドラグ機構における最大設定回転抵抗力とは、最
も大きな回転抵抗力が発生するように設定されたときの
設定回転抵抗力である。ドラグ調整機構を備えている場
合には、ドラグ調整機構を最大ドラグ値に設定したとき
に発生できる最大の回転抵抗力となる。
ついては通常の釣用リールのワンウェイクラッチ機構と
同様でよく、ワンウェイクラッチ機構を構成する一対の
部材が相対的に回転可能であるとともに、その相対回転
を1方向には回転を許容し他方向には回転を阻止する機
能を有している。ワンウェイクラッチ機構を構成する一
方の部材は回転軸とともに一体回転するように支持さ
れ、他方の部材はリール本体とともに一体回転するよう
に支持される。リール本体は不動であるから前記他方の
部材も不動であり、これに対して前記一方の部材が、1
方向には回転を許容され他方向には回転を阻止される。
が釣糸の巻き取り方向へ回転する場合には回転が許容さ
れる。釣糸の繰り出し方向へ回転する場合には、ドラグ
機構の最大設定回転抵抗力よりも小さく設定された所定
の限界値を超えるまでは回転が阻止される。しかし、回
転力が前記限界値を超えれば回転を許容する。すなわ
ち、回転阻止方向であっても、過大な力が加わった場合
には回転を許容して、ワンウェイクラッチ機構の損傷を
防止することができる。
て、以下の構造が採用できる。ワンウェイクラッチ機構
が、回転軸と一体回転する内輪部と、内輪部の外周に沿
って転動および滑動が可能に配置された複数の転動体
と、転動体のそれぞれが収容され周方向で前記釣糸の繰
り出し方向に向けて浅くなるカム凹部を内周に有し、リ
ール本体に周方向に不動に配置された外輪部とを備え、
限界値に対応して転動体と内輪部との間の滑り抵抗力が
設定されている。
は、通常のワンウェイクラッチ機構と同様でよい。転動
体の配置や支持構造、内輪部と外輪部の形状や構造など
は、既知のワンウェイクラッチ機構の構造を適宜に組み
合わせて構成することができる。上記ワンウェイクラッ
チ機構では、釣糸の繰り出し方向に内輪部が回転する
と、転動体が外輪部のカム凹部のうち浅い位置に移動し
て、カム凹部と内輪部との間に転動体が挟み込まれ、転
動体は転動できなくなる。転動体が転動しなければ内輪
部も回転できない。したがって、この状態では、内輪部
の回転は阻止される。内輪部が釣糸の巻き取り方向に回
転する場合には、転動体はカム凹部の深い位置に移動す
るので、転動体は自由に回転でき、内輪部も自由に回転
できる。
動体は内輪部に対して転動することはできるが滑りは生
じないので、前記した内輪部の回転阻止が果たされる。
しかし、外輪部が不動の状態で内輪部に加わる回転力が
前記限界値を超えると、転動体が外輪部のカム凹部に固
定されたまま、転動体と内輪部との間で滑りが生じる。
この滑りを生じるときの回転力が前記滑り抵抗力であ
る。滑り抵抗力は、転動体および内輪部の材質、転動体
の径やカム凹部の形状などの条件によって違ってくる。
したがって、前記限界値に対応して、内輪部の表面加工
精度を選択したり、接触面に塗布するグリスの有無ある
いはグリスの材質を選択したりすることで、所望の滑り
抵抗力を設定することができる。
装置で利用されている各種の1方向回転機構あるいは逆
転防止機構が採用できる。第2の回転阻止機構は、ワン
ウェイ機構とは別に、回転軸と前記リール本体との間に
配置される。第2の回転阻止機構でも前記ワンウェイク
ラッチ機構と同様に、釣糸の巻き取り方向への回転軸の
回転は許容する。したがって、ハンドルや駆動用モータ
で釣糸を巻き取る際には、ドラグ機構は働かず、不要な
抵抗力は発生しない。
合、ワンウェイクラッチ機構が回転を阻止している状態
では、第2の回転阻止機構は働かない。回転力が大きく
なって前記限界値を超えると、ワンウェイクラッチ機構
は回転軸の回転を許容するようになる。この段階で、第
2の回転阻止機構が働き、回転軸の回転を阻止する。ワ
ンウェイクラッチ機構が回転を許容してから第2の回転
阻止機構が働くまでの時間は、実質的に瞬時であっても
よいし、少しのタイミングのずれがあっても構わない。
ワンウェイクラッチ機構が回転を許容しても第2の回転
阻止機構が回転を阻止する。ワンウェイクラッチ機構が
回転を許容する大きな力が加わった状態で回転を阻止で
きる第2の回転阻止機構は、当然、そのような大きな力
が加わっても損傷しない機械的強度あるいは耐久性を備
えているものを用いる。
以下の構造が採用できる。回転軸と一体回転するラチェ
ット歯車と、リール本体に配置されラチェット歯車に噛
み合う位置とラチェット歯車との噛み合いが外れる位置
とに選択的に移動するラチェット爪と、ラチェット歯車
が釣糸の繰り出し方向に回転するとラチェット爪をラチ
ェット歯車との噛み合い位置に付勢し、ラチェット歯車
が釣糸の巻き取り方向に回転するとラチェット爪をラチ
ェット歯車との噛み合い外れ位置に付勢する付勢手段と
を備えておくことができる。
構造は、通常のラチェット機構と同様でよい。ラチェッ
ト爪がラチェット歯車と噛み合った状態ではラチェット
歯車の回転は阻止され、ラチェット歯車へのラチェット
爪の噛み合いが外れれば、ラチェット歯車は自由に回転
できる。付勢手段は、板ばね、コイルばね等の各種ばね
材、あるいは、複数種類のばね材の組み合わせ、ばね材
とカムやリンクなどの機構部材との組み合わせにより、
ラチェット歯車の回転方向によってラチェット爪の動作
状態が変わるように構成される。
が採用できる。付勢手段が、弾性線材からなり、回転軸
の外周に摺動自在に巻回保持されたC環状部と、C環状
部の一端から延長されその先端がラチェット爪に支持さ
れた延長腕とを備える。弾性線材は、通常のコイルばね
等と同様の材料が用いられる。弾性線材は、弾力的な変
形が可能であれば、断面円形の線材だけではなく、断面
が矩形等の多角形状のものや帯状の線材であってもよ
い。C環状部は、回転軸の外周形状に沿う口径を有し、
回転軸の外周に弾力的に当接して摺動できるように配置
される。
状部との摩擦支持力によってC環状部も回転軸とともに
回転しようとし、C環状部の一端に延長された延長腕も
C環状部とともに動く。延長腕が動けばラチェット爪が
作動してラチェット歯車と噛み合ったり噛み合いが外れ
たりする。ラチェット爪がラチェット歯車との噛み合い
位置あるいは噛み合い外れ位置に作動した状態で、回転
軸がさらに回転すると、回転軸とC環状部との間に滑り
を生じて摺動するので、C環状部が回転軸の回転を阻害
することはない。
ールであり、リール本体1と、リール本体1の側方に配
置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリ
ール本体1側に配置されたスタードラグ3とを備えてい
る。リール本体1は、リール取付部材を介して図示しな
い釣り竿に固定され得る。
隔をあけて配置された1対の側板10,11を有するフ
レームと、フレームの両側方に装着された第1カバー1
3及び第2カバー14とを有している。1対の側板1
0,11間にはスプール15が回転自在に配置されてい
る。側板10,11の間にはスプール15と並んでスプ
ール15に釣り糸を均一に巻くためのレベルワインド機
構16も配置されている。
ハンドル2からのトルクをスプール15及びレベルワイ
ンド機構16に伝えるための回転伝達機構20と、回転
伝達機構20内に設けられたクラッチ機構21とが配置
されている。回転伝達機構20は、スプール15からハ
ンドル2側にトルクが逆に伝達された場合のトルクを規
制するための回転制御機構22を含んでいる。
固定されている。スプール軸25は各側板10,11に
軸受26を介して回転自在に支持されている。回転伝達
機構20は、一端にハンドル2が固定されたハンドル軸
30と、ハンドル軸30の他端に回転制御機構22を介
して連結されたメインギア31と、メインギア31に噛
み合うピニオンギア32とを有している。
に配置されており、一端側が側板11に回転自在に支持
されている。メインギア31は、ハンドル軸30の一端
側に回転制御機構22を介して相対回転不能に連結する
ことが可能である。このような構成では、クラッチ機構
21がオンされた状態では、ハンドル2からのトルクが
スプール15に直接伝達される。
周部にスライド自在に装着された筒状のピニオンギア3
2と、ピニオンギア32の一部に配置された係合溝32
aとスプール軸25に配置されたピン36とを有する。
スプール軸25に沿ってピニオンギア32を摺動させ
て、係合溝32aをピン36と係合すれば、スプール軸
25とピニオンギア32との間で回転力が伝達される。
この状態がクラッチオンである。係合溝32aとピン3
6の係合を外せば、スプール軸25とピニオンギア32
との間で回転力は伝達されない。この状態がクラッチオ
フである。クラッチオフ状態では、スプール15は自由
に回転する。ピニオンギア32は、図示しない付勢手段
で係合溝32aとピン36とが係合する方向すなわちク
ラッチオン状態に付勢されている。
2には、ワンウェイクラッチ機構40、ドラグ機構5
0、第2の回転阻止機構となるラチェット機構60を有
する。 〔ワンウェイクラッチ機構〕図3に詳しく示すように、
ワンウェイクラッチ機構40は、ハンドル軸30に対し
て軸方向に摺動可能で周方向には不動に支持された内輪
部42と、内輪部42の外周面に当接して周方向に間隔
をあけて配置されたローラ44と、ローラ44を収容す
るローラ保持器46と、ローラ保持器46およびローラ
44の外周に配置される外輪部48とを有する。外輪部
48は、第2カバー14の一部に固定された筒状のハウ
ジング部材140に支持されている。
孔46aが周方向に間隔をあけて複数個配置され、各収
容孔46aにローラ44が収容される。収容孔46aの
内側壁にはローラ44を反対側の内側壁に弾力的に押圧
する押え片46bを有する。外輪部48の内面のうち各
ローラ44に対応する位置には、カム凹部48aを有す
る。カム凹部48aは、周方向の一方から他方へと深さ
が変わる。具体的には、前記ローラ保持器46の押え片
46b側が深くその反対側に向けて浅くなっている。外
輪部48の外面には、内面のカム凹部48aに対応する
形の凸部48cを有する。
48の凸部48cが嵌まり込む回り止め凹部142を有
し、ハウジング部材140に対して外輪部48を周方向
に不動にしている。ワンウェイクラッチ機構40の動作
を説明する。図3において、ハンドル軸30が、釣糸の
巻き取り方向であるY方向に回転した場合には、ローラ
44はカム凹部48bの深い方に移動して自由に回転で
きるので、内輪部42およびハンドル軸30も自由に回
転する。ハンドル軸30が、釣糸の繰り出し方向である
X方向に回転すると、内輪部42の外周面に接触するロ
ーラ44が転動しカム凹部48aの浅い方に移動してカ
ム凹部48aと内輪部42との間に挟み込まれるので、
内輪部42およびハンドル軸30の回転が阻止される。
しかし、ハンドル軸30から加わる回転力が大きくな
り、ローラ44と内輪部42の外周面との間の滑り抵抗
力を超えれば、ローラ44と内輪部42とが滑りを生じ
て、内輪部42およびハンドル軸30は回転するように
なる。上記滑り抵抗力は、内輪部42の表面仕上げ精度
により調整できる。表面仕上げが平滑であれば滑り抵抗
力は小さくなり、表面仕上げに凹凸があれば滑り抵抗力
は大きくなる。この滑り抵抗力は、後述するドラグ機構
50における最大設定回転抵抗力よりも小さく設定され
ている。
ギア31はハンドル軸30には固定されておらず自由に
回転する。メインギア31の側面には主動側プレート5
1を有する。主動側プレート51には面方向に間隔をあ
けて別の主動側プレート52が一体回転可能に取り付け
られている。ワンウェイクラッチ機構40の内輪部42
には従動側プレート53が噛み合って一体回転する。前
記2枚の主動側プレート51、52の中間位置でハンド
ル軸30には別の従動側プレート54が噛み合って一体
回転する。主動側プレート52の両側で従動側プレート
53、54との間には摩擦プレート55、55が挟まれ
ている。内輪部42のうち、従動側プレート53とは反
対側の端部にはドラグ調整ばね56の一端が当接し、ド
ラグ調整ばね56の他端はスタードラグ3の端部に当接
している。ドラグ調整ばね56の付勢力が、ハンドル軸
30に対して軸方向に摺動可能な内輪部42を介して、
各従動側プレート53、54、摩擦プレート55、55
および固定プレート51、52を互いに圧接する。スタ
ードラグ3の位置を軸方向に調節すれば、ドラグ調整ば
ね56による圧接力すなわちドラグ力が調整される。
30とは、ドラグ機構50の各プレート51〜55の摩
擦圧接力によって回転力が伝達されることになる。ワン
ウェイクラッチ機構40の内輪部42およびハンドル軸
30が回転阻止されている状態では、従動側プレート5
3、54は回転しないので、メインギア31が回転して
も、従動側プレート53、54と摩擦プレート55、5
5および主動側プレート51、52との間の摩擦抵抗力
によって、メインギア31の回転が阻止される。メイン
ギア31の回転力が大きくなって前記摩擦抵抗力を超え
れば、各プレート51〜55の間で滑りを生じて、メイ
ンギア31の回転を許容する。メインギア31の回転を
阻止できる限界の回転力が設定回転抵抗力である。この
設定回転抵抗力は、前記したドラグ調整ばね56の付勢
力の大きさ、すなわちスタードラグ3の調整によって変
えることができる。スタードラグ3でドラグ力を最も大
きくしたときに最大設定回転抵抗力が働く。
に示すように、メインギア31の側方でハンドル軸30
にはラチェット歯車62が固定されている。ラチェット
歯車62の外周側方にはラチェット爪64が配置されて
いる。ラチェット爪64は第2カバー14側に回動可能
に取り付けられており、ラチェット爪64の先端が、ラ
チェット歯車62に噛み合う位置と噛み合いが外れる位
置との間を移動する。ラチェット爪64が噛み合いを外
れた位置では、ラチェット爪64の一部にストッパ65
が当接して、ラチェット爪64がそれ以上は回動しない
ようになっている(図5参照)。
側面に隣接する位置でハンドル軸30には、凹溝付フラ
ンジ30aを有する。凹溝付フランジ30aには、線状
のばね材からなるサイレントカムばね66が支持されて
いる。サイレントカムばね66は、凹溝付フランジ30
aを巻回するC環状部67と、C環状部67の一端から
延長された延長腕68とを有する。延長腕68は、C環
状部67の先端からU字形に弾力的に折り返されてラチ
ェット爪64のほぼ半径方向に沿って延び、ラチェット
爪64の半径方向の途中に支持68aされている。サイ
レントカムばね66はその弾性復元力によって、ラチェ
ット爪64がラチェット歯車62との噛み合いを外れる
方向に移動するように常に付勢している。
ッチ機構21の操作部21aが配置されている。クラッ
チ機構21の操作部21aは、レバー、リンク、カムあ
るいはばね等を組み合わせて構成され、前記したピニオ
ンギア32を、スプール軸25との係合位置および係合
解除位置へと動作させる。また、ハンドル軸30の回転
方向によって、自動的にクラッチが切り換えられるよう
にもなっている。
4に示すように、ハンドル軸30が釣糸の繰り出し方向
Xに回転すると、凹溝付フランジ30aに接触するサイ
レントカムばね66のC環状部67は、ハンドル軸30
とともに回転しようとする。C環状部67につながる延
長腕68も移動して、ラチェット爪64を噛み合い位置
へと回動させる。ラチェット爪64がラチェット歯車6
2に噛み合えば、ハンドル軸30はそれ以上の回転はで
きなくなる。ラチェット爪64はラチェット歯車62を
単に摩擦抵抗で回転阻止しているわけではないので、ハ
ンドル軸30の回転力がいくら大きくなっても、ラチェ
ット機構が壊れない限りは、ハンドル軸30の回転を許
容することはない。
の巻き込み方向Yに回転した場合には、凹溝付フランジ
30aに接触するC環状部67が回動し、C環状部67
につながる延長腕68がラチェット爪64を噛み合い外
れ方向へと押しやる。ラチェット爪64の噛み合いが外
れれば、ラチェット歯車62およびハンドル軸30は自
由に回転できる。このとき、C環状部67に対して凹溝
付フランジ30aが滑るので、C環状部67がハンドル
軸30の回転を阻害することはない。
カムばね67の作用で、ハンドル軸30の回転方向によ
って、ラチェット爪64が噛み合い位置に付勢されたり
噛み合い外れ位置に付勢されたりするので、切換動作が
スムーズに行える。 〔各機構の関連動作〕釣用リールの使用時における前記
各機構の関連動作を説明する。
ドル2の回転がハンドル軸30からワンウェイクラッチ
機構40の内輪部42に伝わる。ワンウェイクラッチ機
構40は回転を許容するので、回転力はドラグ機構50
を介してメインギア31にそのまま伝達される。クラッ
チ機構21がオンであれば、メインギア31の回転はピ
ニオンギア32からスプール15に伝達されて、釣糸が
巻き上げられる。このとき、ラチェット機構60では、
ラチェット爪64が噛み合い外れ位置にあるので回転を
許容する。。
る際には、スプール15の回転がメインギア31に伝達
され、ドラグ機構50を介してハンドル軸30およびワ
ンウェイクラッチ機構40の内輪部42に伝わる。ワン
ウェイクラッチ機構40では回転を阻止される。魚の引
きが弱ければ、スプール15は回転せず釣糸が引き出さ
れることもない。そして、魚の引きが強くなりスプール
15の回転力が大きくなると、伝達される回転力がドラ
グ機構50の設定回転抵抗力を超える。そうすると、ド
ラグ機構50で滑りが生じるので、メインギア31を含
むスプール15側は回転を始める。このとき、スプール
15には常にドラグ機構50から一定の抵抗力すなわち
ドラグ力が作用する。
た場合には、ワンウェイクラッチ機構40の内輪部42
とローラ44との間で滑りが生じて、内輪部42の回転
が許容される。このように内輪部42とローラ44とが
滑りを生じることで、過大な力がローラ44やローラ保
持器46に作用することが防げ、ワンウェイクラッチ機
構40が保護される。
30も回転しようとする。しかし、ラチェット機構60
では、サイレントカムばね66がラチェット爪64をラ
チェット歯車62に噛み合わせ、ラチェット歯車62の
回転が阻止されるので、ハンドル軸30の回転も阻止さ
れる。したがって、ワンウェイクラッチ機構40で回転
が許容されても、直ちにラチェット機構60による回転
阻止作用が働いて、ハンドル軸30の回転は確実に阻止
される。このとき、ドラグ機構40では、回転抵抗力を
作用させた状態で滑りを生じるので、スプール15側は
ドラグ力が加わった状態で回転する。
衝撃的な力が加わった場合には、ドラグ機構40が滑り
を生じる前にワンウェイクラッチ機構40に過大な衝撃
力がそのまま加わる場合がある。このような場合でも、
ワンウェイクラッチ機構40ではローラ44と内輪部4
2とが滑りを生じるので、ワンウェイクラッチ機構40
が損傷することがない。
る回転力は、釣用リールの構造によって適宜に設定でき
る。例えば、ワンウェイクラッチ機構40の破壊強度が
回転トルク110kg-cm である場合に、破壊強度よりも
十分に低い回転トルク80kg-cm で滑りを生じるように
しておけば、ワンウェイクラッチ機構40には上記回転
トルクを超える力は作用せず、ワンウェイクラッチ機構
40を構成する部材の損傷を確実に防ぐことができる。
上記条件で釣糸の張力は7kg程度になり、ドラグ機構5
0で発生する最大設定ドラグ力8kgよりも低い値とな
る。但し、この場合でも、釣糸の最大張力は瞬間的には
10kgを超えることがあり、このような瞬間的に過大な
力が加わっても、ワンウェイクラッチ機構40が損傷す
ることが防げる。
けであれば、ラチェット機構60のみを設けてワンウェ
イクラッチ機構40を省いてもよいのであるが、ラチェ
ット機構60は、ラチェット爪64がラチェット歯車6
2に噛み合ったり噛み合いを外れたりする動作にある程
度の時間がかかる。釣りの動作に要求される迅速で滑ら
かな回転阻止動作を果たすには、前記のようなワンウェ
イクラッチ機構40が好ましく、ワンウェイクラッチ機
構40では負担できないような過大な力をラチェット機
構60で負担することが有効である。
ムばね60の作用でラチェット爪64を噛み合い位置と
噛み合い外れ位置とに選択的に移動させていたが、ラチ
ェット爪64が常に噛み合い位置側に付勢されているよ
うであってもよい。その場合、ハンドル軸30が釣糸の
繰り出し方向Xに回転すればラチェット爪64が噛み合
い位置に配置されるのは前記実施例と同じである。ハン
ドル軸30釣糸の巻き込み方向Yに回転した場合には、
ラチェット歯車62の各歯部の背中でラチェット爪64
を付勢力に抗して外周側に押し退けることになり、ハン
ドル軸30は自由に回転できる。ハンドル軸30が回転
すると、ラチェット爪64はラチェット歯車62の個々
の歯部毎に外周側に押し退けられたり歯部に噛み込まれ
たりを繰り返すので、断続的な衝突音が発生する。この
衝突音は、ハンドル軸30の回転を操作者に知られる報
知音として利用できる。
の引きなどによって釣糸からスプールに過大な回転力が
加わっても、釣用リールに組み込まれたワンウェイクラ
ッチ機構に過大な力が加わることがなく、ワンウェイク
ラッチ機構の損傷を防ぐことができ、ワンウェイクラッ
チ機構の耐久性あるいは寿命を向上させることができ
る。また、大きな力に耐えるような負荷容量の大きなワ
ンウェイクラッチ機構すなわち大型のワンウェイクラッ
チ機構を使用しなくても必要な機能が十分に発揮できる
ので、ワンウェイクラッチ機構の軽量化、小型化を図る
ことができる。
断面図。
を表す部分拡大図。
拡大断面図。
図。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】釣糸を巻回するスプールがリール本体に対
して回転する釣用リールであって、 前記スプールの回転が伝達される回転軸と、 前記スプールとともに一体回転する主動部と前記主動部
の回転が伝達され前記回転軸とともに一体回転し前記主
動部に回転抵抗力を作用させる従動部とを有し、前記ス
プールと前記回転軸との間で回転を伝達するドラグ機構
と、 前記回転軸と前記リール本体との間に配置され、前記回
転軸に対して、前記釣糸の巻き取り方向への回転は許容
し、前記釣糸の繰り出し方向への回転は、前記ドラグ機
構の最大設定回転抵抗力よりも小さく設定された所定の
限界値を超えるまでは回転を阻止し、前記回転力が前記
限界値を超えれば回転を許容するワンウェイクラッチ機
構と、 前記回転軸と前記リール本体との間に配置され、前記回
転軸に対して、前記釣糸の巻き取り方向への回転は許容
し、前記釣糸の繰り出し方向への回転は、前記ワンウェ
イクラッチ機構が回転を許容すると回転を阻止する第2
の回転阻止機構と、を備える釣用リール。 - 【請求項2】前記ワンウェイラクラッチ機構が、 前記回転軸と一体回転する内輪部と、 前記内輪部の外周に沿って転動および滑動が可能に配置
された複数の転動体と、 前記転動体のそれぞれが収容され周方向で前記釣糸の繰
り出し方向に向けて浅くなるカム凹部を内周に有し、前
記リール本体に周方向に不動に配置された外輪部とを備
え、 前記限界値に対応して、前記転動体と前記内輪部との間
の滑り抵抗力が設定されている請求項1に記載の釣用リ
ール。 - 【請求項3】前記第2の回転阻止機構が、 前記回転軸と一体回転するラチェット歯車と、 前記リール本体に配置され、前記ラチェット歯車に噛み
合う位置と前記ラチェット歯車との噛み合いが外れる位
置とに選択的に移動するラチェット爪と、 前記ラチェット歯車が前記釣糸の繰り出し方向に回転す
ると前記ラチェット爪をラチェット歯車との噛み合い位
置に付勢し、前記ラチェット歯車が前記釣糸の巻き取り
方向に回転すると前記ラチェット爪をラチェット歯車と
の噛み合い外れ位置に付勢する付勢手段とを備える請求
項1または2に記載の釣用リール。 - 【請求項4】前記付勢手段が、 弾性線材からなり、 前記回転軸の外周に摺動自在に巻回保持されたC環状部
と、 前記C環状部の一端から延長されその先端が前記ラチェ
ット爪に支持された延長腕とを備える請求項3に記載の
釣用リール。
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---|---|---|---|
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Family Applications (1)
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JP33358095A Expired - Fee Related JP3325754B2 (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | 釣用リール |
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---|---|---|---|---|
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US6530535B2 (en) | 2000-03-16 | 2003-03-11 | Daiwa Seiko, Inc. | Fishing reel |
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-
1995
- 1995-12-21 JP JP33358095A patent/JP3325754B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN102379265A (zh) * | 2010-09-02 | 2012-03-21 | 株式会社岛野 | 双轴承绕线轮 |
US8523096B2 (en) | 2010-09-02 | 2013-09-03 | Shimano Inc. | Dual-bearing reel |
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TWI500384B (zh) * | 2010-09-02 | 2015-09-21 | Shimano Kk | 雙軸承捲線器 |
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