JPH09167791A - シリコン半導体基板の評価方法及び該方法に使用されるシリコン半導体基板の評価装置 - Google Patents

シリコン半導体基板の評価方法及び該方法に使用されるシリコン半導体基板の評価装置

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JPH09167791A
JPH09167791A JP32763995A JP32763995A JPH09167791A JP H09167791 A JPH09167791 A JP H09167791A JP 32763995 A JP32763995 A JP 32763995A JP 32763995 A JP32763995 A JP 32763995A JP H09167791 A JPH09167791 A JP H09167791A
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silicon semiconductor
semiconductor substrate
temperature
sample
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Toshiro Yamamoto
俊郎 山本
Katsuhiro Nishihara
克浩 西原
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりシリコン半導体基板の表面近傍の結
晶品質を評価する方法として、ESRスペクトルを測定
する方法等があるが、これらの方法では試料を破壊しな
ければならないという課題があった。他方、従来よりシ
リコン半導体基板のフォトルミネッセンスを測定するこ
とにより、シリコン半導体基板中の不純物量を測定する
ことはできることが知られていたが、シリコン半導体基
板表面近傍の結晶の欠陥についての情報は得ることがで
きなかった。 【解決手段】 エネルギーが1.14eV以上のレーザ
光又は白色光をシリコン半導体基板に照射し、該シリコ
ン半導体基板表面近傍からの発光強度を測定することに
よりシリコン半導体基板の品質を評価するシリコン半導
体基板の評価方法において、前記シリコン半導体基板の
温度を変化させ、該シリコン半導体基板の温度変化に伴
う波長1140nm付近の発光強度の変化量より前記シ
リコン半導体基板の表面近傍の品質を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン半導体基板
の評価方法及び該方法に使用されるシリコン半導体基板
の評価装置に関し、より詳細にはシリコン半導体基板
(以下、シリコン基板と記す)の製造工程や該シリコン
基板を用いた集積回路の製造プロセスにおいて、シリコ
ン基板表面近傍の結晶品質を評価するシリコン半導体基
板の評価方法及び該方法に使用されるシリコン半導体基
板の評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】CZ法等の単結晶引き上げ法により引き
上げられたシリコン単結晶より集積回路(IC)形成用
等のシリコン基板を製造するプロセス中には、表面研磨
プロセス、窒素雰囲気中、約650℃での熱処理プロセ
ス、フッ酸や過酸化水素と水酸化アンモニウムとの混合
液等を用いた洗浄プロセス等がある。また、前記シリコ
ン基板を用いた集積回路等のデバイスを製造するプロセ
スにおいても、前記シリコン基板の洗浄プロセスや窒素
雰囲気中、約1100℃の熱処理プロセス等がある。
【0003】前記プロセスの他にも引き上げられた単結
晶より半導体素子等のデバイスを完成させるまでには種
々のプロセスが存在するが、特に前記したプロセスにお
いてはシリコン表面近傍での結晶欠陥が発生し易い。前
記結晶欠陥の具体例としては、例えばシリコン基板の研
磨プロセスにおいて発生する研磨歪や、熱処理や洗浄等
の際に形成されるシリコン基板表面近傍の結晶欠陥があ
る。このようなシリコン基板の研磨等により形成され
た、シリコン基板表面での結晶欠陥は汚染金属と結合し
て、デバイスの歩留まりに悪影響を与えることが知られ
ている(例えば、応用物理学会スクール 「シリコンプ
ロセスにおける微量不純物測定技術」 1〜13頁(1
993年))。そのため、前記研磨プロセスや洗浄プロ
セスの後に、シリコン基板表面近傍の結晶品質、例えば
ダングリングボンド(結合する相手のない結合手)の量
やSi原子と汚染金属原子との結合状態を評価し、これ
らの欠陥を有するシリコン基板を排除することが、一定
以上のデバイス歩留まりを保証するためには必要であ
る。近年、特に集積回路のゲート酸化膜の薄膜化によ
り、洗浄プロセス後のシリコン基板表面近傍の結晶品質
がデバイス特性に大きく影響することが明らかになって
きており、各プロセスの後におけるシリコン基板表面近
傍の結晶品質の評価はデバイス歩留まりの向上を図る上
で益々必要になってきている。
【0004】これらの要求に答え得るシリコン基板表面
近傍の結晶品質の評価方法として、例えば電子スピン共
鳴法やX線光電子分光法による前記欠陥の評価方法が挙
げられる。しかしながら、前記電子スピン共鳴法や前記
X線電子分光法では、シリコン基板全体を非破壊で評価
することが困難であるため、前記プロセスの途中におけ
るシリコン基板表面近傍の結晶品質の評価には用いるこ
とができない。
【0005】一方、Si結晶等の半導体中に意識的に添
加した不純物濃度の測定法として、フォトルミネッセン
ス法が挙げられる。フォトルミネッセンスとは、半導体
のバンドギャップより大きなエネルギーを持つ光を照射
することにより物質中に過剰の電子や正孔を発生させた
際、これらが発光性再結合する結果、物質より放出され
る光のことをいい、シリコン基板に例えばArレーザ
(波長514.5nm)を照射し、発生するフォトルミ
ネッセンスを測定することによりシリコン基板中の不純
物の濃度を知ることができる。
【0006】図6はシリコン基板に波長514.5nm
のArレーザを照射した際に発生する発光スペクトルを
記録したチャートの一例であるが、このチャートに示さ
れているようにこの発光スペクトルは1140nm付近
にピークを有する。
【0007】図7はこのフォトルミネッセンス測定法に
用いられる装置を示したブロック構成図であり、図中、
21はレーザ発振装置を示している。
【0008】このフォトルミネッセンス測定装置40で
は、まず、レーザ発振装置21より発振されるレーザ光
を試料15に導くが、その過程においてレーザ光中に含
まれる赤外線を除去するための赤外カットフィルタ22
a、レーザ光を断続的に照射するための光チョッパ2
3、光路変更用の平面鏡24が配設されている。また、
レーザ光照射により試料15より放射される発光スペク
トルを測定して表示するための装置又は機器として、前
記発光を分光器27へ導く集光レンズ25a、必要な波
長領域のみの光を通過させる長波長透過フィルタ22
b、分光器27、分光器27により分光された光を集光
する集光レンズ25b、集光後の光を検出する光検出器
26、光検出器26で検出した信号を光チョッパ23と
位相同期させて増幅するロックインアンプ28、増幅さ
れた信号のメモリ・処理等を行うパソコン45、前記処
理信号に基づいてスペクトルを描くプロッタ46が配設
されている。また、パソコン45は分光器27に接続さ
れており、パソコン45により分光器27において分光
される光の波長を制御するようになっている。
【0009】シリコン基板中の不純物濃度の測定を行う
際には、まず、試料台に試料15をセットする。次に、
レーザ発振装置21より、波長が514.5nmのAr
レーザを発振させ、このレーザ光の赤外線を赤外カット
フィルタ22aでカットし、照射周期が88Hzになる
ように光チョッパ23でレーザ光を断続させ、平面鏡2
4を介して試料15に照射する。このときの試料15の
温度は室温である。このレーザ光の照射により試料15
より放射される光は、集光レンズ25aで集光され、長
波長透過フィルタ22bで必要な光の波長領域のみが選
択され、分光器27に導かれる。
【0010】そして、この分光器27で分光された後、
集光レンズ25bにおいてさらに集光され、光検出器2
6により各波長での光が検出される。検出された各波長
での光の強度に関する信号はロックインアンプ28で増
幅され、パソコン45に入力されてメモリ・処理され、
プロッタ46によりプロットアウトされる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このようにフォトルミ
ネッセンス測定装置40を用いることにより、試料15
(シリコン基板)中に存在する不純物量を測定すること
ができるが、通常、フォトルミネッセンスによる発光は
1140nm付近の波長域にあり、その発光強度はシリ
コンにドーピング剤として添加されたAl、B、P等の
不純物濃度に大きく依存し、シリコン基板表面近傍の結
晶欠陥等の情報は今までの測定方法では得られないとい
う課題があった。
【0012】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、シリコン基板の製造プロセス又は集積回路の
製造プロセスの途中の研磨又は洗浄等のプロセスの後、
シリコン基板の表面近傍の結晶品質を比較的簡単で、非
破壊的な方法により評価することが可能なシリコン基板
の評価方法及び該方法に使用されるシリコン基板の評価
装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係るシリコン基板の評価方法
は、エネルギーが1.14eV以上のレーザ光又は白色
光をシリコン半導体基板に照射し、該シリコン半導体基
板表面近傍からの発光強度を測定することによりシリコ
ン半導体基板の品質を評価するシリコン半導体基板の評
価方法において、前記シリコン半導体基板の温度を変化
させ、該シリコン半導体基板の温度変化に伴う波長11
40nm付近の発光強度の変化量より前記シリコン半導
体基板の表面近傍の品質を評価することを特徴としてい
る。
【0014】前記方法によりシリコン基板表面近傍の品
質を評価することができる理由を簡単に述べる。少なく
とも0℃以上の温度において、シリコン基板にそのバン
ドギャップ以上、すなわちエネルギーが1.14eV以
上の光を照射すると、表面近傍で電子−正孔対が励起さ
れる。この励起された電子−正孔対はシリコン基板中の
不純物又は結晶欠陥によって生じたエネルギー準位を介
して再結合し、この再結合によりフォトルミネッセンス
が放射される。10〜40℃程度の室温域では、シリコ
ン基板中の不純物による発光波長は1140nm付近の
波長域にあり、その発光強度はシリコン基板に添加され
ている不純物濃度に依存するが、結晶欠陥があると、励
起された電子−正孔対は、その結晶欠陥のエネルギー準
位を介して再結合するため、1140nm付近の波長域
での発光強度は結晶欠陥がない場合に比べて減少する。
他方、シリコン基板の温度を変化させると、表面近傍の
結晶欠陥のエネルギー準位のうち、既に熱エネルギーで
電子により占有されているものの割合が変化するため、
結晶欠陥のエネルギー準位を介して再結合する電子−正
孔の数が変化する。それにより、本来温度依存性のない
不純物による発光強度もみかけ上変化することになり、
この変化量からシリコン基板表面近傍の結晶欠陥量を評
価することができるのである。
【0015】従って、上記シリコン基板の評価方法によ
れば、シリコン基板の製造プロセス又は集積回路の製造
プロセス途中の研磨又は洗浄等のプロセスの後、非破壊
的な方法によりシリコン基板の表面近傍の結晶品質を容
易に評価することができ、工業的に応用が可能なシリコ
ン基板の評価方法を提供することができる。
【0016】また本発明に係るシリコン基板評価装置
は、シリコン半導体基板を載置する試料保持台と、エネ
ルギーが1.14eV以上のレーザ光又は白色光を照射
する光照射手段と、前記シリコン半導体基板の波長11
40nm付近の発光強度を検出する発光強度検出手段と
を備え、さらに、前記レーザ光又は白色光の照射を制御
する照射制御手段と、前記シリコン半導体基板の温度を
制御する温度制御手段と、測定された発光強度及び前記
シリコン半導体基板の温度を記憶する記憶手段とを備え
ていることを特徴としている。
【0017】上記シリコン基板の評価装置によれば、シ
リコン基板の製造プロセス又は集積回路の製造プロセス
の途中の研磨又は洗浄等のプロセスの後、前記装置を使
用することにより非破壊的、かつ容易にシリコン基板の
表面近傍の結晶品質を評価することができ、工業的に応
用が可能なシリコン基板評価装置を提供することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシリコン基板
評価装置及びシリコン基板の評価方法の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は実施の形態に係るシリコ
ン基板評価装置を示したブロック構成図であり、図2は
前記シリコン基板評価装置中の試料載置部を模式的に示
した拡大断面図である。
【0019】このシリコン基板評価装置10において、
レーザを試料15に照射し、放射される発光を検出して
増幅するまでの装置の構成については、平面鏡24と試
料15との間にシャッタ32が配設されている他は、従
来のフォトルミネッセンス測定装置40とほぼ同様であ
るので、ここではその詳しい説明を省略し、本実施の形
態に係るシリコン基板評価装置10特有の構成部分につ
いて説明する。
【0020】まず、図2に示した試料載置部11の構成
が従来と異なり、試料15を加熱することができるよう
になっている。図2に示したこの試料載置部11には、
試料を載置するための土台部分として試料保持台12が
配設されている。この試料保持台12の上にはフッ素樹
脂等からなる板状の断熱材13が配置され、この断熱材
13の上に抵抗加熱式のヒータ14が配設され、ヒータ
14の熱が下方にある試料保持台12やその他の部材に
伝わりにくいようになっている。そしてヒータ14の上
に試料(シリコン基板)15が載置されるようになって
おり、試料15はこのヒータ14により加熱されるが、
試料15自体の温度を直接測定するのは難しいため、試
料15のすぐ横に小さな温度測定用シリコン基板16が
配置され、この温度測定用シリコン基板16の上に温度
センサ17が固定されている。すなわち、試料15のす
ぐ横にある温度測定用シリコン基板16の温度を温度セ
ンサ17で測定することにより、試料15の温度と近似
し、一定の相関関係を有する測温値を得ることができる
ようになっている。
【0021】次に、試料載置部11を含めたシリコン基
板評価装置10全体及びその使用方法について説明す
る。このシリコン基板評価装置10において、温度測定
用シリコン基板16に固定された温度センサ17は温度
計測回路18に、試料15加熱用のヒータ14はヒータ
制御回路19に接続されており、この温度計測回路18
及びヒータ制御回路19はシーケンサ20に接続されて
いる。試料15の加熱はヒータ制御回路19からの指示
でヒータ14に電流を流すことにより行うが、このとき
温度センサ17より得られた温度測定用シリコン基板1
6の温度データをシーケンサ20に取り込み、この値と
比較しながらヒータ14に流す電流値をヒータ制御回路
19により制御し、所定の速度で試料15を昇温させ
る。また、試料15を加熱し始めた時間を基準として、
経過時間と各経過時間における温度測定用シリコン基板
16の温度を記憶させる。従って、レーザ光を照射し始
めた時点を明確にするため、平面鏡24と試料15との
間にシャッタ32を配設し、シャッタ32にシーケンサ
20を接続し、さらにシーケンサ20に記憶回路30を
接続している。従って、シャッタ32を開いて試料15
にレーザ光を照射した瞬間の時刻、及びこの時刻にロッ
クインアンプ28より出力される電圧(発光強度)を電
圧計29で計測して記憶回路30に記憶させ、この値
(V0 )を基準値として、経過時間ごとに電圧(Vt
を計測し、演算回路31で下記の数1式による計算を行
い、t時間後の発光強度の変化量(It )とする。
【0022】
【数1】It =(Vt −V0 )/V0 そして、ESR等の他の機器で欠陥の量が特定された試
料15や欠陥を有さない試料15につき、t時間後の発
光強度の変化量(It )を測定することにより、シリコ
ン基板表面近傍の欠陥量と発光強度の変化量(It )と
の関係を把握し、この関係を利用して欠陥の有無や定量
的な欠陥の濃度を推定する。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係るシリコン基板評価装置1
0及びそれを用いたシリコン基板の評価方法の実施例を
説明する。まず、実施例に係るシリコン基板評価装置及
びそれを用いたシリコン基板の評価方法の具体的条件を
説明する。
【0024】試料載置部11の断熱材13の材質:フッ
素樹脂 試料載置部11のヒータ14:ニクロム線を抵抗体とす
る電気ヒータ 温度測定用シリコン基板の寸法:10mm×10mm 温度測定用シリコン基板の昇温速度:1℃/分 発光スペクトルの検出幅:1140nmを中心に10n
mの範囲内 まず、シリコン基板として、表面の結晶面が(100)
面で、比抵抗が20Ωcm以下のシリコン基板を用い、
シリコン基板評価装置10により1140nm付近の発
光強度の変化量を測定した。図3は前記測定の結果を示
したグラフであり、縦軸に発光強度の変化量(It
を、横軸に経過時間並びに温度測定用シリコン基板16
の温度を示している。
【0025】図3に示したグラフより明らかなように、
レーザ光を照射し始めてから時間が経過し、温度測定用
シリコン基板16(試料15)の温度が上昇するに伴っ
て、発光強度の変化量(It )が次第に増加しており、
試料15の温度に依存して1140nm付近の発光強度
が変化することがわかる。また、温度測定用シリコン基
板16(試料15)の温度が室温(この場合は25℃)
より5℃程度高い温度であれば、発光強度の変化量(I
t )も十分であることがわかる。
【0026】次に、試料15として、シリコン基板を洗
浄液A(約50%のフッ酸と比重1.38の硝酸と酢酸
と純水との比率がそれぞれ1:3:12:12の割合か
らなる混合液で、表面にステイン膜ができ易いもの)で
洗浄した後さらに約5%のフッ酸で洗浄したもの、及び
シリコン基板を洗浄液B(約30%過酸化水素液と約2
8%の水酸化アンモニウムと純水との比率がそれぞれ
1:1:5の割合からなる液温80℃の液で、通常、シ
リコン基板の洗浄に用いられる液)で洗浄した後さらに
約5%のフッ酸で洗浄したものを用い、シリコン基板評
価装置10により1140nm付近の発光強度の変化量
を測定した。図4はその結果を示したグラフであるが、
図4より明らかなように、洗浄液が異なることにより試
料15の発光強度の変化量(It )も異なっている。す
なわち、洗浄液Aにより洗浄したものでは、温度測定用
シリコン基板16(試料15)の温度が高くなるに従
い、発光強度の変化量(It )も大きくなっているが、
洗浄液Bにより洗浄したものでは、温度測定用シリコン
基板16(試料15)の温度が高くなっても、発光強度
の変化量(It )は0に近い値に止まっている。これは
洗浄液が異なるため、前記洗浄液により洗浄されたシリ
コン基板の表面近傍の結晶状態も異なっているためと推
定される。
【0027】そこで、試料15の発光強度の変化量(I
t )が異なるもの4種類について、電子スピン共鳴法
(ESR)を用い、10Kの測定温度でESRスペクト
ルを測定した。測定されたESRスペクトルにおいて、
g値(例えば、(「電子スピン共鳴」 講談社 サイエ
ンティフィク出版 1989年 55頁)に記載)が
2.0055であるピーク信号は、シリコン基板表面近
傍のダングリングボンドの量を相対的に表しており、前
記ピーク信号の比較より、試料間の表面近傍のダングリ
ングボンドの量を比較することができる。従って、前記
ダングリングボンドの量が試料15の発光強度の変化量
(It )と相関関係を有すれば、試料15の発光強度の
変化量(It )とシリコン基板表面近傍の結晶欠陥とが
相関関係を有することとなる。
【0028】図5は前記ESRスペクトルの測定により
得られたg値が2.0055であるピーク信号の強度
と、レーザ照射3分後の発光強度の変化量(It )との
関係を示したグラフであり、横軸に前記ESRスペクト
ルの測定により得られたg値が2.0055であるピー
ク信号の強度を、縦軸にレーザ照射3分後の発光強度の
変化量(It )をとっている。図5に示した結果より明
らかなように、試料15の発光強度の変化量(It )と
ESRスペクトルの測定により得られたg値が2.00
55であるピーク信号の強度とは極めて大きな相関関係
を有しており、洗浄等により結晶の欠陥が発生すれば、
試料15の発光強度の変化量(It )が大きくなること
がわかる。
【0029】このようにシリコン基板評価装置10及び
シリコン基板評価装置10を用いた評価方法によれば、
試料15の温度に変化に伴う発光強度の変化量(It
を測定することにより、非破壊で、しかも試料15の温
度を室温付近より余り変化させず、従ってシリコン基板
にダメージを与えることなく、効率よくシリコン基板の
洗浄プロセスの良、不良をチェックすることができる。
【0030】また、シリコン基板を熱処理した場合、研
磨を行った場合等も、洗浄の時と同様に、シリコン基板
の表面近傍の結晶品質を評価することができるので、熱
処理プロセスや研磨プロセスの良、不良をチェックする
ことができる。
【0031】本発明により、重金属の汚染やプロセス条
件の変化によって生じるシリコン基板表面近傍の品質の
劣化を各プロセス直後に非破壊的に判定することがで
き、そのため不良品発生を抑制させ、製品歩留りを向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシリコン基板評価装
置を示したブロック構成図である。
【図2】実施の形態に係るシリコン基板評価装置中の試
料載置部を模式的に示した拡大断面図である。
【図3】温度測定用シリコン基板の温度と、試料(シリ
コン基板)の発光強度の変化量のとの関係を示したグラ
フである。
【図4】温度測定用シリコン基板の温度と、異なる洗浄
液で洗浄した試料(シリコン基板)の発光強度の変化量
との関係を示したグラフである。
【図5】ESRスペクトルの測定により得られたg値が
2.0055のピーク信号と、レーザ照射3分後の発光
強度の変化量(It )との関係を示したグラフである。
【図6】シリコン基板に波長が514.5nmのArレ
ーザを照射した際の発光スペクトルを示したチャートで
ある。
【図7】従来のフォトフォトルミネッセンス測定装置を
表したブロック構成図である。
【符号の説明】
10 シリコン基板評価装置 12 試料保持台 14 ヒータ 15 試料 16 温度測定用シリコン基板 17 温度センサ 18 温度計測回路 19 ヒータ制御回路 20 シーケンサ 21 レーザ発振装置 22a 赤外線カットフィルタ 22b 長波長透過フィルタ 23 光チョッパ 24 平面鏡 25a、25b 集光レンズ 26 光検出器 27 分光器 28 ロックインアンプ 29 電圧計 30 記憶回路 31 演算回路 32 シャッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 25/72 G01N 25/72 G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギーが1.14eV以上のレーザ
    光又は白色光をシリコン半導体基板に照射し、該シリコ
    ン半導体基板表面近傍からの発光強度を測定することに
    よりシリコン半導体基板の品質を評価するシリコン半導
    体基板の評価方法において、前記シリコン半導体基板の
    温度を変化させ、該シリコン半導体基板の温度変化に伴
    う、波長1140nm付近の発光強度の変化量より前記
    シリコン半導体基板の表面近傍の品質を評価することを
    特徴とするシリコン半導体基板の評価方法。
  2. 【請求項2】 シリコン半導体基板を載置する試料保持
    台と、エネルギーが1.14eV以上のレーザ光又は白
    色光を照射する光照射手段と、前記シリコン半導体基板
    の波長1140nm付近の発光強度を検出する発光強度
    検出手段とを備え、さらに、前記レーザ光又は白色光の
    照射を制御する照射制御手段と、前記シリコン半導体基
    板の温度を制御する温度制御手段と、測定された発光強
    度及び前記シリコン半導体基板の温度を記憶する記憶手
    段とを備えていることを特徴とするシリコン半導体基板
    の評価装置。
JP32763995A 1995-12-15 1995-12-15 シリコン半導体基板の評価方法及び該方法に使用されるシリコン半導体基板の評価装置 Pending JPH09167791A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001500613A (ja) * 1996-09-10 2001-01-16 バイオ―ラド マイクロメジャーメント リミテッド 半導体のミクロ欠陥検出装置とその方法
US6734960B1 (en) * 1999-06-09 2004-05-11 Toshiba Ceramics Co., Ltd. Wafer defect measuring method and apparatus
US7554100B2 (en) 2005-08-25 2009-06-30 Sharp Kabushiki Kaisha Fabricating method of semiconductor light-emitting device
JP2021077704A (ja) * 2019-11-06 2021-05-20 株式会社Sumco エピタキシャルシリコンウェーハのパッシベーション効果評価方法及びエピタキシャルシリコンウェーハ

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