JPH09167759A - 半導体装置製造方法 - Google Patents

半導体装置製造方法

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JPH09167759A
JPH09167759A JP34781995A JP34781995A JPH09167759A JP H09167759 A JPH09167759 A JP H09167759A JP 34781995 A JP34781995 A JP 34781995A JP 34781995 A JP34781995 A JP 34781995A JP H09167759 A JPH09167759 A JP H09167759A
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舜平 山崎
Mitsunori Sakama
光範 坂間
Takeshi Fukada
武 深田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層形成を行う半導体装置の製造において、
界面の汚染のうち特に従来の方法では除去できない炭素
の一重結合を含む汚染物を除去し、清浄な表面を得るこ
とを目的とする。 【構成】水素ラジカルや水素イオンなどの活性な水素、
酸素ラジカルや酸素イオンやオゾンなどの活性な酸素な
どをECRを用いて形成し、それによって基板上の被積
層形成面上の炭素の一重結合を含む汚染物をガス化し減
少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッパーフィルタ
ーを用いたクリーンルーム内でのプロセス等の炭素汚染
を避けることのできない半導体装置製造工程において、
その汚染を除去して、清浄な半導体界面を提供する半導
体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造方法において、汚染物
の除去ならびに汚染の防止は、昔からの課題としてその
除去方法には色々な手法が確立してきている。重金属の
除去に対しては、過酸化水素水に塩酸を加えたものによ
って除去する方法などはかなり広く知られている。ま
た、物理吸着物の除去に関しては、超音波のキャビテー
ションを利用した洗浄やブラシによる洗浄などがよく利
用されている。
【0003】炭素等の有機物に関しては、過酸化水素水
に硫酸を加えた溶液での洗浄やオゾンあるいは酸素プラ
ズマによるドライアッシングなどがよく知られている。
しかしながら、本発明者らの研究によって炭素の除去に
関しては、さらに複雑な状況があることが判明した。炭
素の汚染混入がどこからあるのかといえば、フォトリソ
プロセス中に、任意のパターンを形成するために用いる
フォトレジストは感光性有機物であり、炭素汚染の原因
にもなる。
【0004】また、半導体装置の作製において、薄膜プ
ロセスはもはや必須用件であり、そのための真空装置も
必須装置となっているが、真空装置の真空にするための
真空ポンプには、いまだ油を用いているものもあり、炭
素汚染の原因にもなる。それ以外にも、基板キャリアと
して用いるテフロン(PFA)、ポリプロピレン(P
P)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、3フッ化エ
チレン共有合樹脂(ECTFE)、4フッ化エチレン共
有合樹脂(ETFE)、ポリエチレン(PE)などから
の蒸気圧や、クリーンルーム内の床材、壁材などからの
汚染もある。それらの単体あるいは複合体が、クリーン
ルーム内のヘッパーフィルターを介して汚染を拡げてい
る。
【0005】フォトリソ工程後にドライアッシングを行
い、各工程の直前に、過酸化水素水に塩酸を1対1で加
えた溶液を80℃に加熱して用いていることで有機物の
除去を行い(以後、ウェットアッシングと呼ぶ)。すぐ
に次の処理を行なうようにすることが従来の方法であ
る。ドライアッシングとウェットアッシングによって、
ほとんどの有機物を取り除くことができるように思われ
ていたが、公知のXPS測定によって、基板表面の炭素
汚染を評価すると、C−Cの結合(炭素の一重結合)の
みほとんど除去されていないことが判明した。
【0006】図2に、従来の技術による、基板表面のX
PSによる炭素不純物の除去程度をしめすグラフを示
す。図2は、フォトレジスト塗布、プリベーク、露光、
現像、ポストベーク、レジスト剥離後24時間クリーン
ルーム内にて放置したものの基板表面21(図2の中の
破線グラフ)と、その基板をドライアッシングとウェッ
トアッシングを行なった後の基板の表面22(図2の中
の実線グラフ)を、XPSを用いて測定したものであ
る。測定条件としては、出来るだけ表面の情報を得るた
めにディテクターの角度を15°にし、基板表面での1
mmΦのエリアを測定した。横軸は、結合エネルギーを
示しており単位はeVであり、縦軸はディテクターの強
度であり単位は任意単位である。
【0007】図2のグラフを見るとドライアッシングと
ウェットアッシングを行なう前(破線)と後(実線)で
284.8eV付近のピークが大きくなり、それ以外の
ピークは全て減少していることがわかる。284.8e
Vのピークは、C−Cの一重結合の存在を示している。
【0008】これは、炭素の一重結合を取り除くこと
が、従来のドライアッシングとウェットアッシングでは
非常に難しく、ほとんど不可能であることを示してい
る。この炭素は不純物として、その基板表面に残存する
ために、その上に例えば酸化膜などを形成すると、酸化
膜との界面に炭素が残り、界面での再結合中心となりま
た電荷捕獲などを起こし、半導体メモリのキャパシタで
あれば絶縁膜界面に意図しない電荷蓄積をも引起し、電
界効果トランジスタの移動度等の半導体の電気特性を低
下させ、また結合状態が安定していないために、電界が
かかりつづけることで時間的に界面状態が変化し信頼性
をも落としていた。
【0009】また、半導体の表面に酸化膜や窒素ドープ
の酸化膜の2層形成などの多層形成を行う場合には界面
の密着性を劣化させることや、その絶縁膜をキャパシタ
の誘電材料として用いる場合に、制御できない誘電特性
を引き起こしたり、固定電荷を形成するこもあり、キャ
パシタとしての容量蓄積機能を満足させない結果を生む
こともあった。
【0010】液晶用の薄膜トランジスタ回路において
は、液晶画素を駆動させるためのドライバー用TFTの
ゲート絶縁膜と活性層である半導体との界面の特性の場
合はさらに深刻な状況になる。TFTによる階調制御に
より256階調を達成させようとしたときに、そのTF
Tの隣接間しきい値標準偏差は0.02V未満程度にす
る必要がある。しかし、炭素の一重結合等による汚染
は、界面での界面準位密度を大きくしそのしきい値のバ
ラツキを発生させる。
【0011】界面特性は、絶縁ゲート型トランジスタに
おいては、薄膜トランジスタに限らず非常に重要な特性
であり、MOSダイオードやMOSトランジスタなどの
界面特性においても重用であるが、そこでも炭素の一重
結合は完全に取り除くことは出来ない状況である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】半導体装置製造工程に
おける、基板表面の炭素の汚染物の中でも特に、従来の
ウェットアッシング、ドライアッシングではほとんど除
去できない炭素の一重結合(C−C)を含む炭素を含む
不純物を低減させることを目的とし、それによって各種
半導体形成界面での炭素による不純物による電気特性の
劣化、信頼性の低下等を低減させる。さらに炭素の一重
結合以外の炭素の二重結合をも含む汚染物の除去ならび
に、除去したのちの清浄表面が再び汚染しないうちに次
の成膜プロセスを実施できる。
【0013】
【課題を解決するための手段】水素ラジカルあるいは水
素イオン等の活性化した水素を有効に作用させるために
は、本出願人による特願平7−256968や特願平7
−256969などに詳細にかかれており、また特願昭
55−26387には不活性気体または水素に誘導エネ
ルギーを加えてプラズマ活性化した雰囲気に浸すことに
よるクリーニング法について詳細に開示されている。
【0014】しかしながら、効率よく水素ラジカルある
いは水素イオン等の活性化した水素によって基板表面に
付着したC−Cの一重結合による不純物を取り除くに方
法を研究した結果、高密度プラズマ技術を取り入れたク
リーニング方法に優れた点が多いことが判明した。特に
本発明では、低圧力でのマイクロ波を用いたプラズマや
マイクロ波と磁場を合わせて用いること、更にマイクロ
波と磁場による電子サイクロトロン共鳴(いわゆるEC
R:Electron CyclotronReson
ance)を利用したプラズマを利用して水素を水素ラ
ジカルあるいは水素イオン等の活性化した水素にする事
に関している。
【0015】また、マイクロ波と磁場を用いる方法で
は、プラズマ生成を行う領域からプラズマ処理を行う基
板までの距離をある程度離すことができるために、処理
をする基板によって活性な水素や酸素の内で電荷を持つ
ものを除去する工夫をほどこしたり、逆に主として電荷
を持つものによって基板を処理するような工夫をほどこ
すことが可能である。
【0016】電子サイクロトロン共鳴は、電場と磁場が
サイクロトロン共鳴が成立するようにしそこでプラズマ
を発生させることでプラズマ密度の高いプラズマが得ら
れる方法であり、いわゆるECRプラズマと呼ばれてい
るものである。このECRプラズマの特徴は10-3〜1
-1Paの低圧力で高密度のプラズマを得ることが出来
る。この圧力の領域はいわゆる分子流領域の圧力である
ために、ガスの混合およびチャンバー内でのガスの分圧
の均一性は、層流および中間流領域の圧力よりもはるか
に良好である。また、ECR条件を満たさない場合もマ
イクロ波と磁場を用いることで高密度プラズマを得るこ
とができる。
【0017】このマイクロ波と磁場を用いたプラズマと
水素を用いることによるプラズマクリーニング方法によ
って半導体材料、金属材料、絶縁材料の表面に付着した
炭素の一重結合を減少させることが可能である。また、
そのクリーニングの後にそのままマイクロ波と磁場プラ
ズマを用いた成膜を行うことで、界面は清浄に保たれた
まま成膜するいわゆるインサイチュ(in−situ)
成膜することができる。
【0018】マイクロ波と磁場によるプラズマで成膜を
行わない場合も、マルチチャンバーシステムを利用する
ことで別のチャンバー内で、マイクロ波と磁場プラズマ
クリーニングの後の清浄表面の上に、スパッタ法による
成膜や、熱CVD、平行平板プラズマCVDなどのマイ
クロ波と磁場以外の成膜方法を用いてインサイチュ成膜
を行うことが可能である。
【0019】ECRによるプラズマを発生させそれによ
って基板あるいは基板上に形成されているものの表面
(合わせて基板と呼ぶ)の処理を水素ラジカルや水素イ
オン等の活性な水素によってクリーニングする場合にE
CRプラズマを発生させるために、ECRを起こす領域
に水素を導入する。
【0020】水素は、マスフローコントローラーなどの
流量制御器によって一定量をチャンバーに導入される。
導入される水素の量は、その水素の導入量、チャンバー
容積、ポンプの排気速度、ポンプの圧縮比などによって
必然的に決定されるチャンバー内圧力が希望する圧力で
あるかどうかでその上限が定まってくる。
【0021】排気ポンプがターボ分子ポンプや複合分子
ポンプ等を用いる場合は、そのポンプの排気原理から、
水素の用に軽い元素を排気することが他の重い元素を排
気する場合と比較して排気しにくくまた、圧縮比も小さ
くなる欠点があるために、そのようなポンプが用いられ
ている装置で、本発明を実施しようとする場合は、水素
の流量と圧力に余裕のある状態を用いるように留意する
必要がある。
【0022】油拡散ポンプに液体窒素トラップを併用し
たポンプを用いる場合は、水素に対する排気速度、圧縮
比ともに高いので使いやすい。しかし、プラズマクリー
ニングを行うチャンバーでそのまま成膜も行う場合は、
窒素トラップに成膜用の反応ガスが吸着し、吸着量が大
きくなった時に爆発するなどの危険があるために窒素ト
ラップが使えず、そのために油の逆拡散が発生し、逆に
基板を炭素で汚染することもあるために、液体窒素より
は温度の高く反応ガスが吸着しない温度でかつ油は吸着
する温度である、冷却トラップを用いる留意が必要にな
る。
【0023】10-3Paでの水素の平均自由行程は10
mを超えるために、ECRで生成された水素ラジカルや
水素イオン等の活性な水素は、他の水素や分子にほとん
ど衝突することなく基板まで到達して基板を処理するこ
とができる。そのために通常の平行平板プラズマ処理装
置のように圧力100Paなどでプラズマを発生させる
方法に比較して、活性な水素に他の元素が結合したよう
な形で基板に到達することが少なく、より効果的に基板
をクリーニングすることができる。
【0024】クリーニングに寄与した活性な水素は、ク
リーニング後直ちにポンプによって外部に排出され、基
板表面にはあらたな活性な水素が到達し基板をクリーニ
ングする。この繰り返しによって、基板表面には、EC
Rで発生した活性な水素が他の元素と衝突することなく
基板に到達し、基板をクリーニングして排気されること
で非常に清浄な表面が達成できる。
【0025】活性な水素は、特に炭素の一重結合を切り
CHX などの基体にしてクリーニングを行うが、炭素に
よる汚染は、二重結合等もある。二重結合等の炭素の汚
染はドライアッシングを行い、各工程の直前に、ウェッ
トアッシングを用いていることで有機物の除去を行いそ
の後に本発明による活性な水素によるクリーニングを行
ってもよいが、マイクロ波と磁場によるドライアッシン
グを同一チャンバーで行うことは効率のよい工程とな
る。
【0026】例えば、ECR領域のチャンバーに酸素を
導入する。 酸素は、マスフローコントローラーなどの
流量制御器によって一定量をチャンバーに導入される。
導入される酸素の量は、その酸素の導入量、チャンバー
容積、ポンプの排気速度、ポンプの圧縮比などによって
必然的に決定されるチャンバー内圧力が希望する圧力で
あるかどうかでその上限が定まってくる。
【0027】排気ポンプがターボ分子ポンプや複合分子
ポンプ等を用いる場合は、そのポンプの排気原理から、
水素とは異なり酸素の用に重い元素は排気しやすい。ま
た、圧縮比も大きいためにそのようなポンプが用いられ
ている装置で、本発明を実施しようとする場合は、実施
がしやすい。
【0028】油拡散ポンプに液体窒素トラップを併用し
たポンプを用いることもできる。しかし、プラズマクリ
ーニングを行うチャンバーでそのまま成膜も行う場合
は、窒素トラップに成膜用の反応ガスが吸着し、吸着量
が大きくなった時に爆発するなどの危険があるために窒
素トラップが使えず、そのために油の逆拡散が発生し、
逆に基板を炭素で汚染することもあるために、液体窒素
よりは温度の高く反応ガスが吸着しない温度でかつ油は
吸着する温度である、冷却トラップを用いる留意が必要
になる。また、油拡散ポンプ用の油は高温で酸化し易い
ために多量の酸素を排気するとポンプの排気能力が低下
する可能性がある点にも留意が必要である。
【0029】10-3Paでの酸素の平均自由行程は6m
を超えるために、ECRで生成された酸素ラジカルや酸
素イオン等の活性な酸素は、よほど大きな装置で無いか
ぎり他の酸素や分子にほとんど衝突することなく基板ま
で到達して基板を処理することができる。そのために通
常の平行平板プラズマ処理装置のように圧力100Pa
などでプラズマを発生させる方法に比較して、活性な酸
素に他の元素が結合したような形で基板に到達すること
が少なく、より効果的に基板をクリーニングすることが
できる。
【0030】クリーニングに寄与した活性な酸素は、ク
リーニング後直ちにポンプによって外部に排出され、基
板表面にはあらたな活性な酸素が到達し基板をクリーニ
ングする。この繰り返しによって、基板表面には、EC
Rで発生した活性な酸素が他の元素と衝突することなく
基板に到達し、基板をクリーニングして排気されること
で非常に清浄な表面が達成できる。
【0031】活性な酸素は、特に炭素の二重結合等を切
りCOX などの基体にしてクリーニングを行う。つまり
活性な酸素と活性な水素を双方用いることで炭素の一重
結合二重結合等を除去することができるために、炭素汚
染物のほとんど全てに適用することが可能である。
【0032】始めに酸素を導入して、活性な酸素を生成
しそれによって炭素の二重結合を含む一重結合以外の炭
素汚染物を基板から除去し、酸素導入を停止しその後水
素を導入して活性な水素を生成しそれによって主として
炭素の一重結合による炭素の汚染物を除去するクリーニ
ング方法を、同一のチャンバー内にて行うことが可能で
ある。逆に、始めに水素を導入して、活性な水素を生成
しそれによって主として炭素の一重結合を含む炭素汚染
を基板から除去し、水素導入を停止しその後酸素を導入
して活性な酸素を生成しそれによって炭素の二重結合を
含む一重結合以外の炭素汚染物を基板から除去するクリ
ーニング方法を同一のチャンバー内にて行うことも可能
である。
【0033】また同時に、水素と酸素を導入して、マイ
クロ波と磁場によるプラズマによって水素ラジカルや水
素イオン等の活性な水素と、酸素ラジカルや酸素イオン
やオゾンなどの活性な酸素を同時に生成することによっ
て、基板の炭素の一重結合、二重結合の双方を含むほと
んどの炭素汚染を減少させることを同時に行うことも可
能である。
【0034】また、水をソースとして、チャンバーに導
入することで水素と酸素を同時に供給することもよい。
この場合には、H2O は水素元素と酸素元素が常に2対1
の比率になっているために、水素と酸素の流量比を調整
するために、H2O の入ったタンクを酸素によってバブリ
ングすることでチャンバーに導入することも有効であ
る。
【0035】水を加熱することで直接気化させて、チャ
ンバーに導入することもよい。水をチャンバーに導入す
る場合は、導入するまでの配管は、全て加熱して置いた
ほうがよい。加熱していない場合には、水は、吸着し易
いために、真空度の低下を招きやすく、基板をクリーニ
ングしても、真空度が悪いために活性な水素や活性な酸
素でクリーニングした清浄表面を長時間保持できない場
合がある。
【0036】また、チャンバーもできれば全体として加
熱をしたほうがよく、80℃以上に加熱しておくことで
水の吸着を大きく減少させることが可能である。また、
配管およびチャンバー内壁を電界研磨や複合電界研磨な
どで処理することで吸着を減少させることもよい。
【0037】マイクロ波と磁場によるプラズマを発生さ
せるための電場と磁場として、磁場としてはソレイノイ
ドやヘルムホルツなどのコイルを用いてそこに直流電流
を流すことで静磁場を発生させる方法が良く知られてい
る。電場の生成としては、1〜10GHzのマイクロ波
を導波管を通してチャンバーに導く、チャンバーと導波
管の終端との境は石英、合成石英、フッ化マグネシウム
などの材料によって形成されている。
【0038】マイクロ波はチャンバーまでは大気圧の中
を導波管を通して進むが、チャンバー内は減圧状態にあ
るために、其をしきる窓材料が必要になる。また、より
マイクロ波による電場のエネルギーをサイクロトロン共
鳴を用いて電子に与える為には、チャンバー内にマイク
ロ波の空洞共振器を設置することは効果的である。空洞
共振器内でのマイクロ波の定在波の腹の部分でECRを
形成することで大きなエネルギーを電子に与えることが
できる。
【0039】しかしながら、空洞共振器を用いない場合
でも十分にマイクロ波と磁場プラズマを利用しすること
は可能である。磁場は、ソレノイドコイルに流す直流電
流を変化させることで、マイクロ波と磁場による高密度
プラズマの空間的な位置を変化させることができる。勿
論、磁場を一定にしておいてマイクロ波の周波数を変化
させることによってもマイクロ波と磁場による高密度プ
ラズマの空間的な位置を変えることができる。
【0040】マイクロ波と磁場によって発生したプラズ
マは拡散磁場に沿って拡散していく。この拡散するプラ
ズマによって処理をする基板の位置で基板面方向での拡
散するプラズマの広がりに対してプラズマ処理をする基
板が小さい場合は特に大きな問題はない。しかし、基板
が大きくなっていった場合には基板の中央部と基板の端
部でのプラズマの電子密度等のプラズマ密度が大きく異
なるようになる。プラズマ密度が異なるということは、
それを用いた処理も異なるということになる。
【0041】基板はマイクロ波と磁場で形成されたプラ
ズマがそのプラズマの高密度な領域からマイクロ波の導
入位置と逆方向に拡散していく位置に配置される。基板
の位置は、プラズマの拡散の仕方と基板の大きさによっ
て高密度プラズマに近づける場合と遠ざける場合があ
る。基板が小さい場合は、基板が大きい場合より高密度
プラズマに近づけることができる。
【0042】高密度プラズマ領域に近づけることができ
ればよりプラズマ密度の大きい位置での処理が可能にな
るが、高密度プラズマ領域から遠ざけるとプラズマ密度
の小さい位置での処理になる。基板が大きいために、高
密度プラズマ領域から遠ざけて基板を配置しなくては鳴
らない場合も、磁場の拡散の勾配をできるだけ小さくし
たり、ミラー磁場等を利用して、拡散するプラズマを減
少させることなどの工夫をすることでその影響をできる
だけ小さくすることができる。
【0043】基板の表面の炭素汚染を除去するためのク
リーニングとして本発明は活性な水素による炭素の一重
結合を含む炭素汚染物の減少と、活性な酸素による炭素
の一重結合以外の炭素の二重結合を含む炭素汚染物の減
少を同時あるいは、個別に行うものであるが、基板の表
面状態は、その作製工程の仲でさまざまに変わってく
る。
【0044】基板の表面にまだ何も形成されていない場
合に、ベースの下地膜を形成する前に本発明によるクリ
ーニングによって炭素汚染物を減少させる場合は、活性
な水素および活性な酸素を同時にマイクロ波と磁場によ
ってプラズマ化し、基板表面を水素ラジカル、水素イオ
ン等の活性な水素や、酸素ラジカル、酸素イオン、オゾ
ンなどの活性な酸素にさらすことで基板表面をクリーニ
ングする。活性な水素と活性な酸素のクリーニング順序
は、どちらから始めても、同時であってもよい。
【0045】しかしながら、MOSトランジスタのよう
な薄いゲート絶縁膜を利用するトランジスタを形成した
後に、本発明によって活性な水素および活性な酸素を同
時にマイクロ波と磁場によってプラズマ化し、基板表面
を水素ラジカル、水素イオン等の活性な水素や、酸素ラ
ジカル、酸素イオン、オゾンなどの活性な酸素にさらす
ことで基板表面をクリーニングするような場合は、チャ
ージアップなどによるゲート絶縁膜の静電破壊は、致命
的であり、プラズマプロセスでの荷電粒子の取扱とチャ
ージの逃がし方は重用になる。
【0046】基板が、単結晶シリコンを用いるような場
合は、基板は、P- あるいはN- になっているために基
板の抵抗が小さく、そのため基板のチャージアップは、
絶縁基板と比較すると非常に小さい。しかし、昨今の半
導体では、三次元ICとしてかなりの厚い層間絶縁膜が
形成され、その上に複数の配線が形成されているような
場合がある。このような場合に本発明を用いるときは少
なからずチャージアップの影響を受ける。
【0047】アクティブマトリクッスの液晶用の薄膜ト
ランジスタなどの場合は、絶縁基板上にゲート絶縁型の
トランジスタを640×480画素のRGBカラーの場
合は画素部だけで、画素のスイッチ用TFTが90万素
子にもなり、そのうちの1つでも動作しない場合は点欠
陥となって、最終商品の商品価値を大きく下げてしま
う。この様な状況で、TFTのゲート絶縁膜形成後に本
発明を用いる場合の基板のチャージアップ対策は重用で
ある。
【0048】本発明は、マイクロ波と磁場を利用したプ
ラズマによって活性な水素、活性な酸素を生成してそれ
によって基板表面の炭素汚染物を減少させるものである
が、活性な水素および酸素の中には電荷をもつものもあ
る。すなわち、水素イオンと酸素イオンさらには電子で
ある。
【0049】この電荷をもつ水素イオン、酸素イオン、
電子による基板のチャージアップを制御するためには基
板表面からチャージアップした電荷を速やかにアース等
に逃がすか、基板にチャージを発生させないすなわち水
素イオン、酸素イオン、電子が基板に到達しないように
することである。例えばECRでは、ECRの領域から
基板までの距離が、平行平板型のプラズマ装置のカソー
ドから基板までの距離に比較して長く、プラズマ生成圧
力が10-3〜10-1Paと低いために平均自由行程が数
mと長い。
【0050】そのために、磁場および電界によって水素
イオン、酸素イオン、電子を基板に到達する前に接地電
位に衝突させることでその電荷を奪うことが出来る。電
荷が奪われた元水素イオン、元酸素イオンは、平均自由
行程が長いために、他の荷電粒子とも衝突することが少
なく、中性元素としてそのまま排気される。そのために
基板にチャージをためることが少なくなり、ひいては半
導体の破壊を減少指せてクリーニングの効果のみの本発
明の効果が生じる。
【0051】このような水素イオン、酸素イオン、電子
を基板に到達させないようにするためには基板到達前の
空間にチャンバー壁などの接地電位に向く磁場を形成す
ることで、ECR領域で発生した水素イオン、酸素イオ
ン、電子はその磁場に沿うように接地電位に衝突し持っ
ている電荷を接地電位に渡し、中性元素になる。電子は
そこで消滅する。
【0052】また、水素イオン、酸素イオン、電子を基
板に到達させないようにするためには基板到達前の空間
に直流電界をかけ、正の電荷は陰極に、負の電荷は陽極
に向かうようにして、基板に到達する水素イオン、酸素
イオン、電子を減少させ基板のチャージアップを減少さ
せる。しかし、電界によって荷電粒子を基板に到達させ
ないようにする場合は、余り大きな電圧をかけて電界を
形成した場合に、その電極間で直流放電が発生してしま
う。
【0053】ECRを用いる本発明では、圧力が低いた
めに、電極間距離にも依存するが簡単には放電しにくく
なっている。また、ECR領域と基板との間に接地電位
のグリッドなどを設けて電荷をもつ水素イオンや酸素イ
オンから電荷を取り除くことも効果がある。
【0054】図5(A)および(B)に活性な水素また
は活性な酸素の中から、電荷を持つものを除去する原理
を示す。図5(A)で活性な水素または活性な酸素など
で構成されるプラズマ5000の中には、イオン500
3や電子5004のように電荷をもつものと中性ラジカ
ル5002や分子原子5001のように電荷をもたない
ものなどがある。
【0055】基板5005には、それらイオン5003
や電子5004のように電荷をもつものと中性ラジカル
(オゾンを含む)5002や分子原子5001のように
電荷をもたないものが種々混在して到達する。基板50
02上の炭素汚染物とは中性ラジカル5002やイオン
5003と反応してCHX あるいはCOX のような形で
気化する。
【0056】しかし、イオン5003や電子5004が
基板5005にとっては、悪影響を起こす場合は図5
(B)のようにプラズマ5000が基板5005に到達
する前に、電荷をもつイオン5003あるは電子500
4を除去するために、拡散磁場や電界を発生させるため
の除去機能5006および5007によって除去する。
電荷をもつものは磁場あるいは電場のなかではその勾配
に従うようにふるまうためにそれを利用する。
【0057】電荷を除去機能5006、5007で無く
したイオン5003および電子50004は、イオン5
003は中性の分子原子5001になり、電子5004
はそこで消滅し、基板5005には中性ラジカル500
2および分子原子5001がほとんどとなる。
【0058】半導体プロセスの工程の中では、逆にイオ
ンによるスパッタ効果が存在する方がよい場合がある。
基板に下地膜を成膜する場合の前に本発明を用いて炭素
汚染物を除去する場合に、後に成膜する下地膜と基板の
密着性を向上させるためにはある程度基板をイオン等に
よってたたいた方が良いことがある。
【0059】このような場合は、むしろ積極的にイオン
を基板に導くようにすることがよい。そのために基板に
バイアスを印加して本発明を用いてクリーニングを施し
ながらイオンによって基板をたたくようにする。そのた
めには、DCバイアスを用いるよりは、高周波によるセ
ルフバイアスを利用する。
【0060】高周波によるバイアスは、基板が絶縁体で
あっても半導体であっても十分なセルフバイアスを基板
表面に印加することが可能である。高周波を印加するた
めの整合器として、高周波電源と基板を保持するための
基板支持体の間にはブロッキングコンデンサがあるため
にそこにセルフバイアスが発生する。
【0061】セルフバイアスは基板支持体がカソードに
なるように接続するかアノードになるように接続するか
によって、基板に加速されるイオンが正であるか負であ
るかがことなる。水素イオンは正であるためにそれを基
板に加速するためには基板側がカソードになるように接
続しそれによって水素の正イオンを基板に衝突させる。
水素イオンによる衝突は、水素イオンの質量が小さいた
めに大きなスパッタ効果はないために、本発明の用いた
クリーニングと水素イオンによるスパッタの後に成膜す
る膜の密着性等を向上させるために、ほぼどのうような
工程でも用いることが可能である。
【0062】酸素イオンは負であるためにそれを基板に
加速するためには基板側がアノードになるように接続し
それによって酸素の負イオンを基板に衝突させる。酸素
イオンによる衝突は、酸素イオンの質量が大きいために
大きなスパッタ効果があるために、本発明の用いたクリ
ーニングと酸素イオンによるスパッタの後に成膜する膜
の密着性等を向上させるために、被成膜面がどのうよう
な特性であるかを十分に考慮して用いる。
【0063】また、ECRプラズマによって発生させる
プラズマをアルゴンなどの質量の大きな不活性ガスを利
用することは、大きなスパッタ効果を得るときには効果
が大きい。そのために、水素や酸素とアルゴンなどの不
活性がすを混合して用い、かつ基板側がカソードになる
ようにバイアスを印加することで大きなスパッタ効果が
得られる。
【0064】また、アルゴンはスパッタによって衝突し
た基板表面を物理的に削り取るために炭素汚染のうちで
化学的に除去できないようなものを物理的に除去する効
果を合わせもち、本発明による化学的効果とあいまって
相乗効果を得ることができる。
【0065】また、ポリシリコンを利用した薄膜トラン
ジスタや、アモルファスシリコンを利用した薄膜トラン
ジスタ、あるいは混晶状態のシリコンを利用した薄膜ト
ランジスタなどで、そのグレイバンダリーのターミネー
ションとして水素化の工程ががあるが、その水素化の工
程を本発明のクリーニングによって兼ねることができ
る。
【0066】水素化をしたのちに、パッシベーション膜
として酸化膜や窒化膜を成膜して完成したトランジスタ
を保護するが、その前に水素化を行わないとパッシベー
ション膜によって水素化を行うための水素がそのパッシ
ベーション膜によって妨害され、実際に水素化を行いた
い領域にまで到達しない。本発明の水素ラジカルや水素
イオン等の活性な水素による表面の炭素汚染のクリーニ
ングは、この水素化をも兼ねる。
【0067】つまり、クリーニングと水素化を終了し
た、清浄表面をもちグレインバンダリーを水素でターミ
ネーションしたトランジスタの上にインサイチュ成膜に
よってパッシベーションを行うことができ、よって特性
の高いトランジスタを実現することができる。
【0068】基板のクリーニング効果を高めならびにイ
ンサイチュ成膜を行うためには、基板を加熱することが
よい。基板の加熱は、基板支持体に抵抗加熱のヒータを
接続して行う。この場合、基板バイアスを高周波によっ
て行う場合は、ヒータ加熱用のトランスに絶縁トランス
を用いる方が高周波ノイズを避けることができる。
【0069】基板の加熱は、基板上に形成されている材
料や基板の材質によっても上限は決定されるが、基板温
度は高い方がクリーニング効果は大きい。また、次に成
膜する膜の温度と同じ温度であればインサイチュ成膜ま
での時間は短時間ですみスループット、タクトタイムを
向上できる。ただし、マイクロ波と磁場を利用した本発
明は室温でも十分なクリーニング効果を得ることができ
る。
【0070】また、マルチチャンバーを利用して本発明
によるクリーニングを終了したのちに大気に触れること
なく別のチャンバーにて次の成膜を行うことができる。
もちろんクリーニングを行ったチャンバーにてマイクロ
波と磁場を利用して次の成膜を引続き行うこともでき
る。
【0071】何も成膜されていない基板の表面を、マイ
クロ波と磁場によるプラズマを利用して活性な水素と活
性な酸素を生成しそれによって基板表面の炭素汚染を減
少させた後に、基板を別のチャンバーに移動し、平行平
板型プラズマCVD装置を用いて有機シランと酸素を用
いた酸化珪素膜を下地膜として成膜する。酸化珪素膜
は、酸素の代わりに亞酸化窒素あるいは亞酸化窒素と酸
素の混合ガスを用いて窒素ドープの酸化珪素膜を成膜す
ることもできる。酸化膜の代わりにシランとアンモニア
と窒素によって窒化珪素膜を下地膜として成膜すること
もできる。
【0072】また、ゲート絶縁膜の上にゲート電極とし
てアルミニゥムをスパッタで成膜する場合に、マイクロ
波と磁場によるプラズマを利用して活性な水素と活性な
酸素を生成しそれによって基板表面の炭素汚染を減少さ
せる。このときゲート絶縁膜の表面を清浄に掏るための
クリーニングであるために、チャージアップによるゲー
ト絶縁膜の絶縁破壊を防止するために、水素イオンなら
びに酸素イオンを基板に到達しにくくするための磁場を
基板と高密度プラズマ領域の間に発生させそれによっ
て、基板に水素イオンならびに酸素イオンが到達する前
に、チャージを逃がすようにしてゲート絶縁膜表面のク
リーニングを行う。
【0073】その後に、別のチャンバーに基板を移動し
そこでゲート電極用の膜であるアルミニゥウムのマグネ
トロンスパッタを行う。スパッタ膜が多層であれば、さ
らに別のチャンバーに基板を移動させて別の、例えばク
ロムをスパッタによって成膜することもできる。
【0074】ポリシリコンTFTを搭載したSRAMの
層間絶縁膜を成膜する場合などは、成膜する被成膜面に
アルミニゥム配線や酸化膜が形成されているが、その被
成膜面をマイクロ波と磁場によるプラズマを利用して活
性な水素と活性な酸素を生成しそれによって基板表面の
炭素汚染を減少させる。その際に、活性な水素による表
面のクリーニングがポリシリコンTFTの水素化を同時
に行っている。
【0075】炭素汚染物の減少と水素化を終わらせた後
に同じチャンバーにて、マイクロ波と磁場によるプラズ
マによる酸化珪素の成膜を行う。酸化膜をマイクロ波と
磁場によるプラズマを利用して成膜するために高密度プ
ラズマ領域には酸素を導入し、基板と高密度プラズマ領
域の間からシランを導入することで酸化膜を形成する。
その際に、基板にバイアスを印加することでバイアスス
パッタを併合させたプロセスを用いることで平坦化もす
ることができる。マイクロ波と磁場による酸化膜は密度
が高く、水素化によってグレインバンダリーをターミネ
ーションした水素は抜けにくい状態になっており、クリ
ーニングと水素化が同時に行える。
【0076】もちろん酸化膜を形成する際に窒素をドー
プすることで窒素ドープの酸化膜を形成することで水素
はより抜けにくい状態にすることができる。また、弗素
を添加することで誘電率を弗素を添加しない酸化膜より
も若干下げることができ、浮遊容量の小さい層間膜を形
成することも可能である。
【0077】本発明によるクリーニングを成膜前に全て
行った積層デバイスを2次イオン質量分析法(SIM
S)によって測定すると、各界面での炭素の不純物量の
最も低い値でが8×1018〜7×1019cm-3程度が、
同様の成膜条件で本発明によるクリーニングを行わなか
ったものが各界面での炭素の不純物量の最も低い値でが
5×1019〜3×1020cm-3程度であり界面での炭素
量が少ない。
【0078】本発明によって、基板表面のクリーニング
を行うことで、クリーニング後に膜の硬度が大きいもの
や、膜の密度の大きいものも密着性が高いために成膜し
やすい。つまりメモリの層間絶縁膜として、有機シラン
を用いたリフローによって平坦化用の酸化珪素を成膜し
たり、常圧CVDを用いて有機シランの段差被覆性のよ
さを利用して成膜を行っていた。
【0079】しかしながら、これらの膜では吸湿性が高
く半導体の信頼性を低下させてしまう。また、近年半導
体プロセスで使われるようになってきているCMP(C
hemical Mechanical Polish
ing)を用いた平坦化は、膜がやわらかすぎ、また、
吸湿性が高いことからこのCMPプロセスを用いること
ができない。
【0080】マイクロ波と磁場を利用した酸化珪素の成
膜は、CMPとの併用によって、マイクロ波と磁場によ
る酸化膜の密度の高さや、硬度の大きさによって平坦化
する層間絶縁膜として用いられている。しかし、膜の密
度の高さと硬度の大きさはCMPプロセスの際に膜のピ
ーリングや割れなどを引き起こすことがある。
【0081】本発明を用いたクリーニングを施した基板
の表面には、密着性が向上しているために、ピーリング
や割れが発生しにくいマイクロ波と磁場プラズマを利用
した酸化膜や窒素ドープの酸化膜を成膜することができ
る。さらに、マルチチャンバーシステムを利用して、本
発明によるクリーニングをマイクロ波と磁場プラズマを
用いて行ったのちに大気に触れさせることなく次の、密
度が大きく硬度の大きな膜を成膜することはより効果的
である。
【0082】もちろん、マイクロ波と磁場プラズマによ
るクリーニングのみならず、高周波を用いたクリーニン
グをすることも可能である。高周波を用いる場合に例え
ば13.56MHz以下の周波数では、圧力は0.1〜
2Torr程度で処理し、20〜300MHzでは0.
01〜0.1Torr程度で処理し、300MHz以上
では0.001〜0.01Torr程度で処理する。こ
れは、周波数が大きくなるほどイオン化率が大きくなる
からである。
【0083】図1に、本発明による、基板表面のXPS
による炭素不純物の除去程度をしめすグラフを示す。フ
ォトレジスト塗布、プリベーク、露光、現像、ポストベ
ーク、レジスト剥離後の基板表面11(図1の中の破線
グラフ)と、その基板をドライアッシングとウェットア
ッシングを行なった後の基板の表面12(図1の中の一
点破線グラフ)を、フォトレジスト塗布、プリベーク、
露光、現像、ポストベーク、レジスト剥離後に本発明を
用いて炭素不純物を除去した後の基板表面13(図1の
中の実線グラフ)を、XPSを用いて測定したものであ
る。測定条件としては、出来るだけ表面の情報を得るた
めにディテクターの角度を15°にし、基板表面での1
mmΦのエリアを測定した。横軸は、結合エネルギーを
示しており単位はeVであり、縦軸はディテクターの強
度であり単位は任意単位である。
【0084】図1のグラフを見るとドライアッシングと
ウェットアッシングを行なう前11と後12で284.
8eV付近のピークが大きくなり、それ以外のピークは
全て減少していることがわかる。また本発明を用いたグ
ラフ13では284.8eV付近のピークも大幅に減少
していることが判る。本発明を用いてもピークが完全に
ゼロにならない理由としては、測定がその場測定になっ
ておらず本発明を用いて炭素不純物を除去した後に、間
が空いたために、付着した炭素不純物もあると思われ
る。しかしながら、本発明を用いない場合と比較して、
大幅な効果が見られる。本発明を用いることで、炭素の
一重結合をもつ炭素汚染物を減少させることができる。
【0085】
【作用】本発明を用いることによって、半導体装置製造
において、従来のドライアッシングやウェットアッシン
グでは除去しきれなかった炭素不純物を大幅に減少させ
ることができる。特にC−Cで表記される炭素の一重結
合を含む不純物や汚染物の除去に効果的であり、またイ
オンを基板に到達しにくくしラジカル等の中性で活性な
水素や酸素によってチャージアップの少ない状況で汚染
物の除去が可能であり、半導体のチャージアップなどに
よる破壊を防ぎながらも実施でき、半導体の積層形成時
の界面が清浄になり、電気特性の向上、信頼性の向上な
どその効果は計りしれない。
【0086】
【実施例】
〔実施例1〕図3に本発明を実施するための装置を示し
ている。図は装置の縦断面の構成になっている。マイク
ロ波の導波管3001がマイクロ波の導入窓3002を
覆うようにして空洞共振室3030に接続されている。
導入窓3002としては、石英、合成石英、フッ化マグ
ネシウム等を用いるが本実施例では合成石英を用いてい
る。空洞共振室3030は、テーパ室3032と接続さ
れているがその間に反射板3031があり、空洞共振室
3030はこの反射板3031で反射されるマイクロ波
と導入窓3002か進行してくるマイクロ波の間で、定
在波を形成する。
【0087】テーパ室3032は反応室3033に接続
されている。反応室3033にはポンプバルブ303
4、コンダクタンス調整器3035を介してポンプ30
36に接続されている。ポンプ3036は、排気管30
37へ不要気体などを排気する。ポンプバルブ3034
とコンダクタンス調整器3035の接続順序は逆になっ
ていても構わない。コンダクタンス調整器3035とポ
ンプバルブ3034によって反応室3033、テーパ室
3032、空洞共振室3030の圧力を制御している。
ポンプ3036としては、ターボ分子ポンプや複合分子
ポンプ、油拡散ポンプなどを用いる。これらのポンプは
図示していないが、そのポンプの排気側に油回転ポンプ
などの補助ポンプを接続して使用する。本実施例では、
複合ターボ分子ポンプと補助ポンプとしてドライポンプ
を用いた。
【0088】反応室3033は、ヒンジ3051で動く
ようなゲートバルブ3050が別の減圧室3054と接
続されている。ここで、別の減圧室3054に接続され
ておらず、単体の装置として用いても無論よい。別の減
圧室3050に接続されていない場合はヒンジ3055
で接続されているゲートバルブ3053のように閉じた
状態にしておけばよい。ゲートバルブ3050は、ヒン
ジ3051を軸にして開状態3052のようにして開く
ことができる。ここで、ゲートバルブ3050は、スラ
イド式のバルブになっていても無論良い。
【0089】反応室の中には基板を保持する手段があ
る。中心線3060の右側は基板3076を搬出あるい
は搬入する際の位置を表している。中心線3060の左
側は基板3075を固定した状態を表している。どちら
の場合も実際には中心線3060に対して線対称に図示
されていない半分があるが、図ではどちらの状態もわか
るように半分づつ示している。
【0090】搬入搬出の際の状態を示す中心線3060
の右側では、基板3076は、プッシャーピン3072
によって基板支持台3070から浮いている。さらに基
板固定器3074もプッシャーピン3072と連動して
基板3076の固定をはずれ基板3076が可動になる
ように動く。
【0091】基板3075が固定されている状態を示す
中心線3060の左側では、プッシャーピン3071
は、基板支持台3070の中に収まり、プッシャーピン
3071と連動して基板固定器3073は基板3075
を基板支持台3070に密着するように固定する。
【0092】基板支持台3070には、図示していない
が基板3075を加熱できるヒータが埋め込まれてい
る。基板支持台3070には、高周波バイアスを印加す
るための高周波電源3080が整合器3081を通して
接続されている。整合器3081には、ブロッキングコ
ンデンサが入っており基板3075には、そのブロッキ
ングコンデンサにかかるセルフバイアスによって、高周
波バイアスが印可される。
【0093】空洞共振室3030の周りには磁場を発生
させるためのソレノイドコイル3020が設置されてい
る。このソレノイドコイル3020に直流電流を流すこ
とで空洞共振室3030内で、高密度プラズマ領域とし
て電子サイクロトロン共鳴に必要な磁場をつくり出す。
導波管3001から、2.45GHzのマイクロ波が導
入される場合は、ソレノイドコイルによって875ガウ
スの磁場を発生させることで空洞共振プラズマ領域30
40でECR条件をつくり出すことができる。
【0094】テーパ室3032の周りには、プラズマ拡
散用の拡散磁石3021、3022が配置されている。
この拡散磁石3021、3022は、永久磁石でも電磁
石でもその目的に併せて用いる。また電磁石の場合でも
コイル状である必要は必ずしも無い。
【0095】ガスは空洞共振室3030に導入するトッ
プ配管3010、3011とテーパ室3032に導入す
るテーパ配管3012、反応室3033に導入する30
13によって導入される。ECRを利用した反応は、反
応圧力が10-1Pa以下と低いためにガスの流し方を非
常に厳密にする必要は少ない。
【0096】基板3075の表面に付着している炭素汚
染物を除去するために、最初にトップ配管3001から
酸素を空洞共振室3030に導入する。圧力は10-3
10-1Pa程度にする。本実施例では3×10-2Paに
て行った。ソレノイドコイル3020に直流電流を流し
空洞共振プラズマ領域3040にて875ガウスになる
電流値を予め測定しておき、その電流値になるように流
す。マイクロ波は2.45GHzを導波管3001から
導入した。マイクロ波の電力は500〜2000Wを導
入し、本実施例では1200Wを導入した。基板307
5としては、シリコンウェハやガリウム砒素のような半
導体、ガラスや石英などの絶縁体などを用いるが、本実
施例では8インチのシリコンウェハを用いる。
【0097】マイクロ波とソレノイドコイル3020に
よる磁場によってECR条件が達成されることで空洞共
振プラズマ領域3040では、電子密度の高いECRプ
ラズマが生成される。ECRプラズマの中で酸素は、酸
素イオンや酸素ラジカルやオゾンにその一部が変化す
る。酸素イオンや酸素ラジカルやオゾンなどの活性な酸
素はソレノイドコイル3020の拡散磁場に沿うように
基板3075の表面に到達する。
【0098】基板が空洞共振室3030の直径や、反射
板3031の開口部に比較して例えば4インチφのシリ
コンウェハのように大きくない場合は、ソレノイドコイ
ル3020のつくり出す拡散磁場によって基板3075
に到達する活性な酸素によって、炭素の一重結合を除い
た炭素汚染物を充分に除去できる。しかし、本実施例の
ように8インチφのシリコンウェハを基板3075とし
た場合は、8インチφのウェハの端部の除去を充分に行
うために、空洞共振プラズマ領域3040で発生した活
性な酸素を広範囲に広げるために、テーパ室3032に
配置されている拡散磁石3021、3022を用いる。
【0099】拡散磁石3021、3022は、基板30
75に均一にプラズマが到達するように磁場を段階的に
徐々に基板3075に近づくにしたがって緩やかに磁場
が変化するように設定する。それによって、ソレノイド
コイル3020の磁場だけでは急激に変化する磁場が大
きく変化せずに、緩やかに変化し基板3075上でソレ
ノイドコイル3020だけの場合より均一な活性な酸素
をテーパプラズマ領域3051でつくりだすことができ
る。
【0100】更に基板3075に多少のスパッタがあっ
たとしても良いような場合は、高周波電源3080によ
って基板保持台3070に基板バイアスを印可する。酸
素イオンは負であるために基板保持台3070がアノー
ドになるようにバイアスを印可する。それによって、基
板3070表面を基板プラズマ領域3042で酸素イオ
ンによってたたくことで、より炭素の汚染物を除去しや
すくなる。
【0101】酸素をECRを利用して活性な酸素に変化
させ、それによってC−Cのような炭素の一重結合を除
いた炭素汚染物を除去することができる。
【0102】次に、基板3075の表面に付着している
炭素の一重結合を含む汚染物を除去するために、最初に
トップ配管3001から水素を空洞共振室3030に導
入する。圧力は10-3〜10-1Pa程度にする。本実施
例では3×10-2Paにて行った。ソレノイドコイル3
020に直流電流を流し空洞共振プラズマ領域3040
にて875ガウスになる電流値を予め測定しておき、そ
の電流値になるように流す。マイクロ波は2.45GH
zを導波管3001から導入した。マイクロ波の電力は
500〜2000Wを導入し、本実施例では1200W
を導入した。基板3075としては、シリコンウェハや
ガリウム砒素のような半導体、ガラスや石英などの絶縁
体などを用いるが、本実施例では8インチのシリコンウ
ェハを用いる。
【0103】マイクロ波とソレノイドコイル3020に
よる磁場によってECR条件が達成されることで空洞共
振プラズマ領域3040では、電子密度の高いECRプ
ラズマが生成される。ECRプラズマの中で水素は、水
素イオンや水素ラジカルにその一部が変化する。水素イ
オンや水素ラジカルなどの活性な水素はソレノイドコイ
ル3020の拡散磁場に沿うように基板3075の表面
に到達する。
【0104】基板が空洞共振室3030の直径や、反射
板3031の開口部に比較して例えば4インチφのシリ
コンウェハのように大きくない場合は、ソレノイドコイ
ル3020のつくり出す拡散磁場によって基板3075
に到達する活性な水素によって、炭素の一重結合を含む
炭素汚染物を充分に除去できる。しかし、本実施例のよ
うに8インチφのシリコンウェハを基板3075とした
場合は、8インチφのウェハの端部の除去を充分に行う
ために、空洞共振プラズマ領域3040で発生した活性
な水素を広範囲に広げるために、テーパ室3032に配
置されている拡散磁石3021、3022を用いる。
【0105】拡散磁石3021、3022は、基板30
75に均一にプラズマが到達するように磁場を段階的に
徐々に基板3075に近づくにしたがって緩やかに磁場
が変化するように設定する。それによって、ソレノイド
コイル3020の磁場だけでは急激に変化する磁場が大
きく変化せずに、緩やかに変化し基板3075上でソレ
ノイドコイル3020だけの場合より均一な活性な水素
をテーパプラズマ領域3041でつくりだすことができ
る。
【0106】更に基板3075に多少のスパッタがあっ
たとしても良いような場合は、高周波電源3080によ
って基板保持台3070に基板バイアスを印可する。水
素イオンは正であるために基板保持台3070がカソー
ドになるようにバイアスを印可する。それによって、基
板3070表面を水素イオンによって基板プラズマ領域
3042でたたくことで、より炭素の汚染物を除去しや
すくなる。
【0107】水素をECRを利用して活性な水素に変化
させ、それによってC−Cのような炭素の一重結合を含
む炭素汚染物を除去することができる。
【0108】この装置を用いて、水素と酸素を同時にト
ップ配管3010からあるいはトップ配管3010と3
011から別々に導入して、炭素汚染物の一重結合と二
重結合の双方を含むものを同時に除去することも可能で
ある。この場合は、水素イオンと酸素イオンの極性がそ
れぞれ正負と別であるので、高周波による基板バイアス
をどちらか一方のイオンに対してだけしか基板をたたく
効果を得ることはできない。
【0109】水素と酸素を同時に導入する代わりに、水
の入ったタンクを加熱してその蒸気圧から気化した水を
チャンバーに導入することで同時に水素と酸素のクリー
ニングを行うこともよい。この場合は、チャンバー全体
すなわち空洞共振室3030、テーパ室3032、反応
室3033および水を導入するチャンバーまでの配管を
全て加熱する。加熱の温度は60〜400℃程度が必要
になるが、本実施例では真空用のパッキンにバイトンO
リングを多数用いているために150℃で加熱する。
【0110】このような装置によって、8インチシリコ
ンウェハをクリーニングしたところ図1のグラフ13に
示すような清浄な表面をもつ基板にすることができる。
【0111】〔実施例2〕図4に本発明を実施するため
の装置を示している。図は装置の縦断面の構成になって
いる。マイクロ波の導波管4001がマイクロ波の導入
窓4002を覆うようにして空洞共振室4030に接続
されている。導入窓4002としては、石英、合成石
英、フッ化マグネシウム等を用いるが本実施例では合成
石英を用いている。空洞共振室4030は、テーパ室4
032と接続されているがその間に反射板はない。空洞
共振室4030は反射板がないために反射されるマイク
ロ波と導入窓4002か進行してくるマイクロ波の間で
の定在波は形成されない。
【0112】テーパ室4032は反応室4033に接続
されている。反応室4033にはポンプバルブ403
4、コンダクタンス調整器4035を介してポンプ40
36に接続されている。ポンプ4036は、排気管40
37へ不要気体などを排気する。ポンプバルブ4034
とコンダクタンス調整器4035の接続順序は逆になっ
ていても構わない。コンダクタンス調整器4035とポ
ンプバルブ4034によって反応室4033、テーパ室
4032、空洞共振室4030の圧力を制御している。
ポンプ3036としては、ターボ分子ポンプや複合分子
ポンプ、油拡散ポンプなどを用いる。これらのポンプは
図示していないが、そのポンプの排気側に油回転ポンプ
などの補助ポンプを接続して使用する。本実施例では、
複合ターボ分子ポンプと補助ポンプとしてドライポンプ
を用いた。
【0113】反応室4033は、ヒンジ4051で動く
ようなゲートバルブ4050が別の減圧室4054と接
続されている。ここで、別の減圧室4054に接続され
ておらず、単体の装置として用いても無論よい。別の減
圧室4050に接続されていない場合はヒンジ4055
で接続されているゲートバルブ4053のように閉じた
状態にしておけばよい。ゲートバルブ4050は、ヒン
ジ4051を軸にして開状態4052のようにして開く
ことができる。ここで、ゲートバルブ4050は、スラ
イド式のバルブになっていても無論良い。
【0114】反応室の中には基板を保持する手段があ
る。中心線4060の右側は基板4076を搬出あるい
は搬入する際の位置を表している。中心線4060の左
側は基板4075を固定した状態を表している。どちら
の場合も実際には中心線4060に対して線対称に図示
されていない半分があるが、図ではどちらの状態もわか
るように半分づつ示している。
【0115】搬入搬出の際の状態を示す中心線4060
の右側では、基板4076は、プッシャーピン4072
によって基板支持台4070から浮いている。さらに基
板固定器4074もプッシャーピン4072と連動して
基板4076の固定をはずれ基板4076が可動になる
ように動く。
【0116】基板4075が固定されている状態を示す
中心線4060の左側では、プッシャーピン4071
は、基板支持台4070の中に収まり、プッシャーピン
4071と連動して基板固定器4073は基板4075
を基板支持台4070に密着するように固定する。
【0117】基板支持台4070には、図示していない
が基板4070を加熱できるヒータが埋め込まれてい
る。基板支持台4070には、高周波バイアスを印加す
るための高周波電源4080が整合器4081を通して
接続されている。整合器4081には、ブロッキングコ
ンデンサが入っており基板4070には、そのブロッキ
ングコンデンサにかかるセルフバイアスによって、高周
波バイアスが印可される。
【0118】空洞共振室4030の周りには磁場を発生
させるためのソレノイドコイル4020が設置されてい
る。このソレノイドコイル4020に直流電流を流すこ
とで空洞共振室4030内で、マイクロ波と磁場による
高密度プラズマ領域ををつくり出す。導波管4001か
ら、2.45GHzのマイクロ波が導入される場合は、
ソレノイドコイルによって875ガウスの磁場を発生さ
せることで空洞共振プラズマ領域4040で高密度プラ
ズマ領域をつくり出すことができる。
【0119】テーパ室4032の周りには、プラズマ拡
散用の拡散磁石4021、4022が配置されている。
この拡散磁石4021、4022は、永久磁石でも電磁
石でもその目的に併せて用いる。また電磁石の場合でも
コイル状である必要は必ずしも無い。
【0120】ガスは空洞共振室4030に導入するトッ
プ配管4010、4011とテーパ室4032に導入す
るテーパ配管4012、反応室4033に導入する40
13によって導入される。マイクロ波と磁場を利用した
反応は、反応圧力が10-1Pa以下と低いためにガスの
流し方を非常に厳密にする必要は少ない。
【0121】基板4075の表面に付着している炭素汚
染物を除去するために、最初にトップ配管4001から
酸素を空洞共振室4030に導入する。圧力は10-3
10-1Pa程度にする。本実施例では3×10-2Paに
て行った。ソレノイドコイル4020に直流電流を流し
空洞共振プラズマ領域4040にて875ガウスになる
電流値を予め測定しておき、その電流値になるように流
す。マイクロ波は2.45GHzを導波管4001から
導入した。マイクロ波の電力は500〜2000Wを導
入し、本実施例では1200Wを導入した。基板407
5としては、シリコンウェハやガリウム砒素のような半
導体、ガラスや石英などの絶縁体などを用いるが、本実
施例では8インチのシリコンウェハを用いる。
【0122】マイクロ波とソレノイドコイル4020に
よる磁場によって空洞共振プラズマ領域4040では、
電子密度の高い高密度プラズマが生成される。高密度プ
ラズマの中で酸素は、酸素イオンや酸素ラジカルやオゾ
ンにその一部が変化する。酸素イオンや酸素ラジカルや
オゾンなどの活性な酸素はソレノイドコイル4020の
拡散磁場に沿うように基板4075の表面に到達する。
【0123】基板が空洞共振室4030の直径や、反射
板4031の開口部に比較して例えば4インチφのシリ
コンウェハのように大きくない場合は、ソレノイドコイ
ル4020のつくり出す拡散磁場によって基板4075
に到達する活性な酸素によって、炭素の一重結合を除い
た炭素汚染物を充分に除去できる。しかし、本実施例の
ように8インチφのシリコンウェハを基板4075とし
た場合は、8インチφのウェハの端部の除去を充分に行
うために、空洞共振プラズマ領域4040で発生した活
性な酸素を広範囲に広げるために、テーパ室4032に
配置されている拡散磁石4021、4022を用いる。
【0124】拡散磁石4021、4022は、基板40
75に均一にプラズマが到達するように磁場を段階的に
徐々に基板4075に近づくにしたがって緩やかに磁場
が変化するように設定する。それによって、ソレノイド
コイル4020の磁場だけでは急激に変化する磁場が大
きく変化せずに、緩やかに変化し基板4075上でソレ
ノイドコイル4020だけの場合より均一な活性な酸素
をテーパプラズマ領域4051でつくりだすことができ
る。
【0125】更に基板4075に多少のスパッタがあっ
たとしても良いような場合は、高周波電源4080によ
って基板保持台4070に基板バイアスを印可する。酸
素イオンは負であるために基板保持台4070がアノー
ドになるようにバイアスを印可する。それによって、基
板4075表面を酸素イオンによって基板プラズマ領域
3042でたたくことで、より炭素の汚染物を除去しや
すくなる。
【0126】酸素をECRを利用して活性な酸素に変化
させ、それによってC−Cのような炭素の一重結合を除
いた炭素汚染物を除去することができる。
【0127】次に、基板4075の表面に付着している
炭素の一重結合を含む汚染物を除去するために、最初に
トップ配管4001から水素を空洞共振室4030に導
入する。圧力は10-3〜10-1Pa程度にする。本実施
例では3×10-2Paにて行った。ソレノイドコイル4
020に直流電流を流し空洞共振プラズマ領域4040
にて875ガウスになる電流値を予め測定しておき、そ
の電流値になるように流す。マイクロ波は2.45GH
zを導波管4001から導入した。マイクロ波の電力は
500〜2000Wを導入し、本実施例では1200W
を導入した。基板4075としては、シリコンウェハや
ガリウム砒素のような半導体、ガラスや石英などの絶縁
体などを用いるが、本実施例では8インチのシリコンウ
ェハを用いる。
【0128】マイクロ波とソレノイドコイル4020に
よる磁場によって空洞共振プラズマ領域4040では、
電子密度の高い高密度プラズマが生成される。高密度プ
ラズマの中で水素は、水素イオンや水素ラジカルにその
一部が変化する。水素イオンや水素ラジカルなどの活性
な水素はソレノイドコイル4020の拡散磁場に沿うよ
うに基板4075の表面に到達する。
【0129】基板が空洞共振室4030の直径や、反射
板4031の開口部に比較して例えば4インチφのシリ
コンウェハのように大きくない場合は、ソレノイドコイ
ル4020のつくり出す拡散磁場によって基板4075
に到達する活性な水素によって、炭素の一重結合を含む
炭素汚染物を充分に除去できる。しかし、本実施例のよ
うに8インチφのシリコンウェハを基板4075とした
場合は、8インチφのウェハの端部の除去を充分に行う
ために、空洞共振プラズマ領域4040で発生した活性
な水素を広範囲に広げるために、テーパ室4032に配
置されている拡散磁石4021、4022を用いる。
【0130】拡散磁石4021、4022は、基板40
75に均一にプラズマが到達するように磁場を段階的に
徐々に基板4075に近づくにしたがって緩やかに磁場
が変化するように設定する。それによって、ソレノイド
コイル4020の磁場だけでは急激に変化する磁場が大
きく変化せずに、緩やかに変化し基板4075上でソレ
ノイドコイル4020だけの場合より均一な活性な水素
をテーパプラズマ領域4041でつくりだすことができ
る。
【0131】更に基板4075に多少のスパッタがあっ
たとしても良いような場合は、高周波電源4080によ
って基板保持台4070に基板バイアスを印可する。水
素イオンは正であるために基板保持台4070がカソー
ドになるようにバイアスを印可する。それによって、基
板4070表面を水素イオンによって基板プラズマ領域
4042でたたくことで、より炭素の汚染物を除去しや
すくなる。
【0132】水素をマイクロ波と磁場を利用して活性な
水素に変化させ、それによってC−Cのような炭素の一
重結合を含む炭素汚染物を除去することができる。
【0133】この装置を用いて、水素と酸素を同時にト
ップ配管4010からあるいはトップ配管4010と4
011から別々に導入して、炭素汚染物の一重結合と二
重結合の双方を含むものを同時に除去することも可能で
ある。この場合は、水素イオンと酸素イオンの極性がそ
れぞれ正負と別であるので、高周波による基板バイアス
をどちらか一方のイオンに対してだけしか基板をたたく
効果を得ることはできない。
【0134】水素と酸素を同時に導入する代わりに、水
の入ったタンクを加熱してその蒸気圧から気化した水を
チャンバーに導入することで同時に水素と酸素のクリー
ニングを行うこともよい。この場合は、チャンバー全体
すなわち空洞共振室4030、テーパ室4032、反応
室4033および水を導入するチャンバーまでの配管を
全て加熱する。加熱の温度は60〜400℃程度が必要
になるが、本実施例では真空用のパッキンにバイトンO
リングを多数用いているために150℃で加熱する。
【0135】このような装置によって、8インチシリコ
ンウェハをクリーニングしたところ図1のグラフ13に
示すような清浄な表面をもつ基板にすることができる。
【0136】また、このような装置を用いた場合は空洞
共振室4030とテーパ室4032の間に反射板のよう
なものがないために、マイクロ波の進行波がさらに基板
4075の近傍にまで進む。そのために拡散磁石403
2によってテ─パプラズマ領域4051や基板プラズマ
領域4042のような領域でもECR条件を満たすこと
が可能になる。
【0137】そのために、プラズマ密度の高いところで
活性化された活性な水素や活性な酸を、活性状態が空洞
共振ラズマ領域4040で活性化されたものよりも高い
まま基板表面に到達させることができる。もちろん、そ
のような高いプラズマ密度をもつプラズマが基板近傍で
発生するために基板もプラズマにさられるために、プラ
ズマダメージを受けにくい基板であることが必要であ
る。
【0138】〔実施例3〕図6に本発明の別の実施例を
示す。図6は、実施例2で示した装置をマルチチャンバ
ーシステムとして用いる場合を示している。図面は装置
の縦断面を示している。図中左側は、実施例2で説明し
た装置と全く同じものを示している。左側に示している
装置はマイクロ波と磁場を利用した装置6000であ
り、その内容は実施例2で示した通りのものである。
【0139】マイクロ波と磁場を利用した装置6000
は接続室6001と接続されている。この接続室600
1はさらに処理装置6100に接続している。この接続
室6001は、マイクロ波と磁場を利用し装置6000
と処理装置6100以外の他のプロセス装置と接続して
いてもよい。つまり接続室6001は各プロセス装置の
共通室のような役割をもつこともできる。
【0140】接続室6001内には搬送ロボット600
2があり、マイクロ波と磁場を利用した装置6000か
らゲート6003を開いた状態で被処理物をマイクロ波
と磁場を利用した装置から搬出したり逆に搬入させるこ
とができる。搬入搬出が終了するとゲート6003を閉
じる。マイクロ波と磁場を利用した装置6000内に
て、被処理物をクリーニングし炭素の一重結合あるいは
二重結合を含む炭素汚染物を減少させたのちに、マイク
ロ波と磁場を利用した装置6000内に残存する気体を
排気する。その後に、ゲート6003を開けて搬送ロボ
ット6002によって被処理物を接続室6001内に移
動する。接続室6001内に被処理物が完全に移動し、
ゲート6003が閉じることが可能になったのちに、ゲ
ート6003を閉じる。
【0141】接続室6001は図示していないが、接続
室6001内を減圧にすることのできる真空ポンプに接
続されており、被処理物の搬送の際にも必ず減圧状態に
なるようにする。接続室6001の減圧は、汚染の少な
いドライポンプシステムがよく、ターボポンプとドライ
ポンプの組み合わせなどがよい。本実施例では、磁気浮
上型ターボ分子ポンプとドライポンプの組み合わせで真
空引きを行えるようになっている。
【0142】接続室6001は、他のプロセス装置から
の汚染の影響を少なくするためにプロセス装置よりは若
干圧力を高くして、気体の流れが接続室6001からプ
ロセス装置へ流れるようにすることも有効である。
【0143】接続室6001に被処理物が搬入された後
に、ゲート6004を開け被処理物を処理装置6100
へ移動する。被処理物を処理装置6100に移動後ゲー
ト6004を閉じる。
【0144】処理装置6100は、平行平板型プラズマ
CVD装置で、反応室6010にポンプバルブ6011
とコンダクタンス制御器6012を通してポンプ613
が接続されている。ポンプ6013にはエグゾースト6
014がさらに接続されている。ポンプバルブ6011
とコンダクタンス制御器6012の接続順序は逆になっ
ていてもよい。
【0145】反応室6010には、電極6040がチャ
ンバーの接地電位から分離するインシュレータ6042
を伴って接続されており、その電極6040を覆うよう
に、寄生放電やホローカソードを防止するために、電極
カバー6041が設置されている。電極6040には、
整合器6043を通してプラズマ電源6044が接続さ
れている。
【0146】プラズマ電源6044は、その成膜目的に
応じて低周波から高周波までの連続発振器や、パルス発
振器、モジュレーション発振器等を用いる。本実施例で
は20MHzのパルス発振可能な電源を用いている。
【0147】反応室6010の中には基板を保持する手
段がある。中心線6020の左側は基板6036を搬出
あるいは搬入する際の位置を表している。中心線602
0の右側は基板6035を固定した状態を表している。
どちらの場合も実際には中心線6020に対して線対称
に図示されていない半分があるが、図ではどちらの状態
もわかるように半分づつ示している。
【0148】搬入搬出の際の状態を示す中心線6020
の左側では、基板6036は、プッシャーピン6032
によって基板支持台6030から浮いている。さらに基
板固定器6034もプッシャーピン6032と連動して
基板6036の固定をはずれ基板6036が可動になる
ように動く。
【0149】基板6035が固定されている状態を示す
中心線6020の右側では、プッシャーピン6031
は、基板支持台6030の中に収まり、プッシャーピン
6031と連動して基板固定器6033は基板6035
を基板支持台6030に密着するように固定する。
【0150】基板支持台6030には、図示していない
が基板6035を加熱できるヒータが埋め込まれてい
る。ガスは、マスフローコントローラなどの流量制御器
を通して導入配管6050から電極6040のシャワー
ヘッドを通して導入される。電極6040には、図示し
ないがガスを均一に流すための拡散板が設置されてい
る。
【0151】基板6035としてP- の100面の8イ
ンチ単結晶シリコンウェハを用いて、マイクロ波と磁場
を利用した装置6000で基板6035の表面クリーニ
ング後直ぐに、有機シランと酸素によって酸化珪素膜を
成膜した。成膜条件としては、有機シランとして正珪酸
四エチル(いわゆるTEOS)を用いて、TEOS/酸
素=1/20のガス比で、基板温度350℃、圧力1T
orrで成膜したのちに、MOSキャパシタを形成し
て、界面準位密度を測定したところ9×109 〜3×1
10cm-2eV-1と良好であった。
【0152】〔実施例4〕図7に本発明を実施するため
の装置を示している。図は装置の縦断面の構成になって
いる。マイクロ波の導波管7001がマイクロ波の導入
窓7002を覆うようにして反応室7030に接続され
ている。導入窓7002としては、石英、合成石英、フ
ッ化マグネシウム等を用いるが本実施例では合成石英を
用いている。
【0153】反応室7030にはポンプバルブ703
4、コンダクタンス調整器7035を介してポンプ70
36に接続されている。ポンプ7036は、排気管70
37へ不要気体などを排気する。ポンプバルブ7034
とコンダクタンス調整器7035の接続順序は逆になっ
ていても構わない。コンダクタンス調整器7035とポ
ンプバルブ7034によって反応室7030の圧力を制
御している。ポンプ7036としては、ターボ分子ポン
プや複合分子ポンプ、油拡散ポンプなどを用いる。これ
らのポンプは図示していないが、そのポンプの排気側に
油回転ポンプなどの補助ポンプを接続して使用する。本
実施例では、複合ターボ分子ポンプと補助ポンプとして
ドライポンプを用いた。
【0154】反応室7030は、可動なゲートバルブ7
050が別の減圧室7054と接続されている。ここ
で、別の減圧室7054に接続されておらず、単体の装
置として用いても無論よい。ゲートバルブ7050は、
スライド式のバルブになっている。ここで、ゲートバル
ブ7050は、ヒンジなどを軸にして開状態として開く
ことができるようにしてもよい。
【0155】反応室7030の中には基板を保持する手
段がある。中心線7060の右側は基板7076を搬出
あるいは搬入する際の位置を表している。中心線706
0の左側は基板7075を固定した状態を表している。
どちらの場合も実際には中心線7060に対して線対称
に図示されていない半分があるが、図ではどちらの状態
もわかるように半分づつ示している。
【0156】搬入搬出の際の状態を示す中心線7060
の右側では、基板7076は、プッシャーピン7072
によって基板支持台7070から浮いている。さらに基
板固定器7074もプッシャーピン7072と連動して
基板7076の固定をはずれ基板7076が可動になる
ように動く。
【0157】基板7075が固定されている状態を示す
中心線7060の左側では、プッシャーピン7071
は、基板支持台7070の中に収まり、プッシャーピン
7071と連動して基板固定器7073は基板7075
を基板支持台7070に密着するように固定する。
【0158】基板支持台7070には、図示していない
が基板7070を加熱できるヒータが埋め込まれてい
る。基板支持台7070には、高周波バイアスを印加す
るための高周波電源7080が整合器7081を通して
接続されている。整合器7081には、ブロッキングコ
ンデンサが入っており基板7070には、そのブロッキ
ングコンデンサにかかるセルフバイアスによって、高周
波バイアスが印可される。
【0159】反応室7030の周りには磁場を発生させ
るための分割コイル7020が設置されている。この分
割コイル7020に直流電流を流すことで反応室703
0内で、電子サイクロトロン共鳴に必要な磁場をつくり
出す。導波管7001から、2.45GHzのマイクロ
波が導入される場合は、コイルによって875ガウスの
磁場を発生させることで高密度プラズマ領域としてEC
R条件をもつくり出すことができる。
【0160】分割コイル7020はそれぞれ独立して電
流を流すことができるためにECR条件などの高密度プ
ラズマを満たす領域を反応室7030内に、複数箇所つ
くることもできる。また、ECR条件などの高密度プラ
ズマを満たす空間的位置を様々の位置に動かすことも可
能である。そのために大きな基板の処理に適している。
【0161】プラズマ拡散用の拡散磁石7021、70
22が配置されている。この拡散磁石7021、702
2は、永久磁石でも電磁石でもその目的に併せて用い
る。また電磁石の場合でもコイル状である必要は必ずし
も無い。
【0162】ガスは反応室7030に導入するトップ配
管7001、反応室7030に導入する7013によっ
て導入される。マイクロ波と磁場を利用した反応は、反
応圧力が10-1Pa以下と低いためにガスの流し方を非
常に厳密にする必要は少ない。
【0163】基板7075の表面に付着している炭素汚
染物を除去するために、最初にトップ配管7001から
酸素を反応室7030に導入する。圧力は10-3〜10
-1Pa程度にする。本実施例では3×10-2Paにて行
った。分割コイル7020に直流電流を流し所望の空間
的な位置にて875ガウスになる電流値を予め測定して
おき、その電流値になるように流す。マイクロ波は2.
45GHzを導波管7001から導入した。マイクロ波
の電力は500〜2000Wを導入し、本実施例では1
500Wを導入した。基板7075としては、シリコン
ウェハやガリウム砒素のような半導体、ガラスや石英な
どの絶縁体などを用いるが、本実施例では360mm×
480mm厚さ0.7mmのホウケイ酸ガラスを用い
る。
【0164】マイクロ波と分割コイル7020による磁
場によってECR条件などの高密度プラズマが達成され
ることで電子密度の高い高密度プラズマが生成される。
ECRなどの高密度プラズマの中で酸素は、酸素イオン
や酸素ラジカルやオゾンにその一部が変化する。酸素イ
オンや酸素ラジカルやオゾンなどの活性な酸素は分割コ
イル7020によって独立につくり出される磁場に沿っ
て基板7075へ到達する。また、ECRの空間的領域
を反応室7030内にてうごかすこもよい。
【0165】基板が反応室7030の直径に比較して例
えば4インチφのシリコンウェハのように大きくない場
合は、分割コイル7020のつくり出す磁場によって基
板7075に到達する活性な酸素によって、炭素の一重
結合を除いた炭素汚染物を充分に除去できる。しかし、
本実施例のように360mm×480mm厚さ0.7m
mのホウケイ酸ガラスを基板7075とした場合は、ガ
ラスの端部の除去を充分に行うために、活性な酸素を広
範囲に広げるために、拡散磁石7021、7022を用
いる。
【0166】拡散磁石7021、7022は、基板70
75に均一にプラズマが到達するように磁場を段階的に
徐々に基板7075に近づくにしたがって緩やかに磁場
が変化するように設定する。それによって、分割コイル
7020の磁場だけでの制御とは別に緩やかに変化し基
板7075上で分割コイル7020だけの場合より均一
な活性な酸素を基板上でつくりだすことができる。
【0167】更に基板7075に多少のスパッタがあっ
たとしても良いような場合は、高周波電源7080によ
って基板保持台7070に基板バイアスを印可する。酸
素イオンは負であるために基板保持台7070がアノー
ドになるようにバイアスを印可する。それによって、基
板7070表面を酸素イオンによってたたくことで、よ
り炭素の汚染物を除去しやすくなる。
【0168】酸素をECRを利用して活性な酸素に変化
させ、それによってC−Cのような炭素の一重結合を除
いた炭素汚染物を除去することができる。
【0169】次に、基板7075の表面に付着している
炭素の一重結合を含む汚染物を除去するために、最初に
トップ配管7001から水素を反応室7030に導入す
る。圧力は10-3〜10-1Pa程度にする。本実施例で
は3×10-2Paにて行った。分割コイル7020に直
流電流を流し875ガウスになる電流値を予め測定して
おき、その電流値になるように流す。マイクロ波は2.
45GHzを導波管7001から導入した。マイクロ波
の電力は500〜2000Wを導入し、本実施例では1
200Wを導入した。基板7075としては、シリコン
ウェハやガリウム砒素のような半導体、ガラスや石英な
どの絶縁体などを用いるが、本実施例では360mm×
480mm厚さ0.7mmのホウケイ酸ガラスを用い
る。
【0170】マイクロ波と分割コイル7020による磁
場によってECR条件などの高密度プラズマが達成され
ることで電子密度の高い高密度プラズマが生成される。
ECRプラズマなどの高密度プラズマの中で水素は、水
素イオンや水素ラジカルにその一部が変化する。水素イ
オンや水素ラジカルなどの活性な水素は分割コイル70
20によって独立につくり出される磁場に沿って基板7
075へ到達する。また、高密度プラズマ領域の空間的
領域を反応室7030内にてうごかすこもよい
【0171】基板が反応室7030の直径に比較して例
えば4インチφのシリコンウェハのように大きくない場
合は、分割コイル7020のつくり出す拡散磁場によっ
て基板7075に到達する活性な水素によって、炭素の
一重結合を含む炭素汚染物を充分に除去できる。しか
し、本実施例のように360mm×480mm厚さ0.
7mmのホウケイ酸ガラスを基板7075とした場合
は、ガラスの端部の除去を充分に行うために、拡散磁石
7021、7022を用いる。
【0172】拡散磁石7021、7022は、基板70
75に均一にプラズマが到達するように磁場を段階的に
徐々に基板7075に近づくにしたがって緩やかに磁場
が変化するように設定する。それによって、分割コイル
7020の磁場だけでの制御とは別に緩やかに変化し基
板7075上で分割コイル7020だけの場合より均一
な活性な酸素を基板上でつくりだすことができる。
【0173】更に基板7075に多少のスパッタがあっ
たとしても良いような場合は、高周波電源7080によ
って基板保持台7070に基板バイアスを印可する。水
素イオンは正であるために基板保持台7070がカソー
ドになるようにバイアスを印可する。それによって、基
板7070表面を水素イオンによって基板プラズマ領域
7042でたたくことで、より炭素の汚染物を除去しや
すくなる。
【0174】水素をマイクロ波と磁場を利用して活性な
水素に変化させ、それによってC−Cのような炭素の一
重結合を含む炭素汚染物を除去することができる。
【0175】この装置を用いて、水素と酸素を同時にト
ップ配管7010から導入して、炭素汚染物の一重結合
と二重結合の双方を含むものを同時に除去することも可
能である。この場合は、水素イオンと酸素イオンの極性
がそれぞれ正負と別であるので、高周波による基板バイ
アスをどちらか一方のイオンに対してだけしか基板をた
たく効果を得ることはできない。
【0176】水素と酸素を同時に導入する代わりに、水
の入ったタンクを加熱してその蒸気圧から気化した水を
チャンバーに導入することで同時に水素と酸素のクリー
ニングを行うこともよい。この場合は、チャンバー全体
すなわち反応室7030および水を導入するチャンバー
までの配管を全て加熱する。加熱の温度は60〜400
℃程度が必要になるが、本実施例では真空用のパッキン
にバイトンOリングを多数用いているために150℃で
加熱する。
【0177】このような装置によって、360mm×4
80mm厚さ0.7mmのホウケイ酸ガラスを基板をク
リーニングしたところ密着水の接触角でみる、基板表面
の炭素汚染は、クリーニング前と比較して著しく向上し
た。
【0178】〔実施例5〕図8に本発明の別の実施例を
示す。図8は、実施例4で示した装置をマルチチャンバ
ーシステムとして用いる場合を示している。図面は装置
の縦断面を示している。図中左側は、実施例4で説明し
た装置と全く同じものを示している。左側に示している
装置はマイクロ波と磁場利用の装置8000であり、そ
の内容は実施例4でしめした通りのものである。
【0179】マイクロ波と磁場利用の装置8000は接
続室8001と接続されている。この接続室8001は
さらに処理装置8100に接続している。この接続室8
001は、マイクロ波と磁場利用の装置8000と処理
装置8100以外の他のプロセス装置と接続していても
よい。つまり接続室8001は各プロセス装置の共通室
のような役割をもつこともできる。
【0180】接続室8001内には搬送ロボット800
2があり、マイクロ波と磁場利用の装置8000からゲ
ート8003を開いた状態で被処理物をマイクロ波と磁
場利用の装置から搬出したり逆に搬入させることができ
る。搬入搬出が終了するとゲート8003を閉じる。マ
イクロ波と磁場利用の装置8000内にて、被処理物を
クリーニングし炭素の一重結合あるいは二重結合を含む
炭素汚染物を減少させたのちに、マイクロ波と磁場利用
の装置8000内に残存する気体を排気する。その後
に、ゲート8003を開けて搬送ロボット8002によ
って被処理物を接続室8001内に移動する。接続室8
001内に被処理物が完全に移動し、ゲート8003が
閉じることが可能になったのちに、ゲート8003を閉
じる。
【0181】接続室8001は図示していないが、接続
室8001内を減圧にすることのできる真空ポンプに接
続されており、被処理物の搬送の際にも必ず減圧状態に
なるようにする。接続室8001の減圧は、汚染の少な
いドライポンプシステムがよく、ターボポンプとドライ
ポンプの組み合わせなどがよい。本実施例では、磁気浮
上型ターボ分子ポンプとドライポンプの組み合わせで真
空引きを行えるようになっている。
【0182】接続室8001は、他のプロセス装置から
の汚染の影響を少なくするためにプロセス装置よりは若
干圧力を高くして、気体の流れが接続室8001からプ
ロセス装置へ流れるようにすることも有効である。
【0183】接続室8001に被処理物が搬入された後
に、ゲート8004を開け被処理物を処理装置8100
へ移動する。被処理物を処理装置8100に移動後ゲー
ト8004を閉じる。
【0184】処理装置8100は、平行平板型プラズマ
CVD装置で、反応室8010にポンプバルブ8011
とコンダクタンス制御器8012を通してポンプ801
3が接続されている。ポンプ8013にはエグゾースト
8014がさらに接続されている。ポンプバルブ801
1とコンダクタンス制御器8012の接続順序は逆にな
っていてもよい。
【0185】反応室8010には、電極8040がチャ
ンバーの接地電位から分離するインシュレータ8042
を伴って接続されており、その電極8040を覆うよう
に、寄生放電やホローカソードを防止するために電極カ
バー8041が設置されている。電極8040には、整
合器8043を通してプラズマ電源8044が接続され
ている。
【0186】プラズマ電源8044は、その成膜目的に
応じて低周波から高周波までの連続発振器や、パルス発
振器、モジュレーション発振器等を用いる。本実施例で
は20MHzのパルス発振可能な電源を用いている。
【0187】反応室8010の中には基板を保持する手
段がある。中心線8020の左側は基板8036を搬出
あるいは搬入する際の位置を表している。中心線802
0の右側は基板8035を固定した状態を表している。
どちらの場合も実際には中心線8020に対して線対称
に図示されていない半分があるが、図ではどちらの状態
もわかるように半分づつ示している。
【0188】搬入搬出の際の状態を示す中心線8020
の左側では、基板8036は、プッシャーピン8032
によって基板支持台8030から浮いている。さらに基
板固定器8034もプッシャーピン8032と連動して
基板8036の固定をはずれ基板8036が可動になる
ように動く。
【0189】基板8035が固定されている状態を示す
中心線8020の右側では、プッシャーピン8031
は、基板支持台8030の中に収まり、プッシャーピン
8031と連動して基板固定器8033は基板8035
を基板支持台8030に密着するように固定する。
【0190】基板支持台8030には、図示していない
が基板8035を加熱できるヒータが埋め込まれてい
る。ガスは、マスフローコントローラなどの流量制御器
を通して導入配管8050から電極8040のシャワー
ヘッドを通して導入される。電極8040には、図示し
ないがガスを均一に流すための拡散板が設置されてい
る。
【0191】基板8035としてP- の(100)面の
8インチ単結晶シリコンウェハを用いて、マイクロ波と
磁場利用の装置8000で基板8035の表面クリーニ
ング後直ぐに、有機シランと酸素によって酸化珪素膜を
成膜した。成膜条件としては、有機シランとして正珪酸
四エチル(いわゆるTEOS)を用いて、TEOS/酸
素=1/20のガス比で、基板温度350℃、圧力1T
orrで成膜したのちに、MOSキャパシタを形成し
て、界面準位密度を測定したところ9×109 〜3×1
10cm-2eV-1と良好であった。
【0192】〔実施例6〕図9に本発明を実施するため
の装置を示している。図9は装置の縦断面の構成図を示
している。マイクロ波の導波管9001がマイクロ波の
導入口になっており、アンテナ9003はリジターノコ
イルを円盤状に広げた構造になっている。アンテナ90
03に開いているスリット9004はいわゆる一筆書き
になっている。導入窓9002は反応室9030に接続
されている。導入窓9002としては、石英、合成石
英、フッ化マグネシウム等を用いるが本実施例では合成
石英を用いている。スリット9004の上部に永久磁石
9005を設けスリット9004に生じる電界によりス
リット9004の路にマイクロ波と磁場によるプラズマ
9040を生成する。
【0193】反応室9030にはポンプバルブ903
4、コンダクタンス調整器9035を介してポンプ90
36に接続されている。ポンプ9036は、排気管90
37へ不要気体などを排気する。ポンプバルブ9034
とコンダクタンス調整器9035の接続順序は逆になっ
ていても構わない。コンダクタンス調整器9035とポ
ンプバルブ9034によって反応室9030の圧力を制
御している。ポンプ9036としては、ターボ分子ポン
プや複合分子ポンプ、油拡散ポンプなどを用いる。これ
らのポンプは図示していないが、そのポンプの排気側に
油回転ポンプなどの補助ポンプを接続して使用する。本
実施例では、複合ターボ分子ポンプと補助ポンプとして
ドライポンプを用いた。
【0194】反応室9030は可動なゲートバルブ90
50を介して、別の減圧室9054と接続されている。
ここで、別の減圧室9054に接続されておらず、単体
の装置として用いても無論よい。ゲートバルブ9050
は、スライド式のバルブになっている。ここで、ゲート
バルブ9050は、ヒンジなどを軸にして開状態として
開くことができるようにしてもよい。
【0195】反応室9030の中には基板を保持する手
段がある。中心線9060の右側は基板9076を搬出
あるいは搬入する際の位置を表している。中心線906
0の左側は基板9075を固定した状態を表している。
どちらの場合も実際には中心線9060に対して線対称
に図示されていない半分があるが、図ではどちらの状態
もわかるように半分づつ示している。
【0196】搬入搬出の際の状態を示す中心線9060
の右側では、基板9076は、プッシャーピン9072
によって基板支持台9070から浮いている。さらに基
板固定器9074もプッシャーピン9072と連動して
基板9076の固定をはずれ基板9076が可動になる
ように動く。
【0197】基板9075が固定されている状態を示す
中心線9060の左側では、プッシャーピン9071
は、基板支持台9070の中に収まり、プッシャーピン
9071と連動して基板固定器9073は基板9075
を基板支持台9070に密着するように固定する。
【0198】基板支持台9070には、図示していない
が基板9070を加熱できるヒータが埋め込まれてい
る。基板支持台9070には、高周波バイアスを印加す
るための高周波電源9080が整合器9081を通して
接続されている。整合器9081には、ブロッキングコ
ンデンサが入っており基板9070には、そのブロッキ
ングコンデンサにかかるセルフバイアスによって、高周
波バイアスが印可される。
【0199】反応室9030の周りには磁場を発生させ
るための永久磁石9005が設置されている。この永久
磁石9005の磁場によって反応室9030内で、電子
サイクロトロン共鳴に必要な磁場をつくり出す。導波管
9001から、2.45GHzのマイクロ波が導入され
る場合は、永久磁石9005によって875ガウスの磁
場を発生させることでECRなどの高密度プラズマの条
件をつくり出すことができる。
【0200】ガスは反応室9030に導入する配管90
01によって導入される。ECRなどの高密度プラズマ
をを利用した反応は、反応圧力が10-1Pa以下と低い
ためにガスの流し方を非常に厳密にする必要は少ない。
【0201】基板9075の表面に付着している炭素汚
染物を除去するために、最初に配管9001から酸素を
反応室9030に導入する。圧力は10-3〜10-1Pa
程度にする。本実施例では3×10-2Paにて行った。
マイクロ波は2.45GHzを導波管9001から導入
した。マイクロ波の電力は500〜2000Wを導入
し、本実施例では800Wを導入した。基板9075と
しては、シリコンウェハやガリウム砒素のような半導
体、ガラスや石英などの絶縁体などを用いるが、本実施
例では360mm×480mm厚さ0.7mmのホウケ
イ酸ガラスを用いる。
【0202】マイクロ波と永久磁石9005による磁場
によってECRなどの高密度プラズマの条件が達成され
ることで電子密度の高いECRプラズマが生成される。
ECRなどの高密度プラズマの中で酸素は、酸素イオン
や酸素ラジカルやオゾンにその一部が変化する。酸素イ
オンや酸素ラジカルやオゾンなどの活性な酸素は基板9
075へ到達する。
【0203】更に基板9075に多少のスパッタがあっ
たとしても良いような場合は、高周波電源9080によ
って基板保持台9070に基板バイアスを印可する。酸
素イオンは負であるために基板保持台9070がアノー
ドになるようにバイアスを印可する。それによって、基
板9070表面を酸素イオンによってたたくことで、よ
り炭素の汚染物を除去しやすくなる。
【0204】酸素をECRなどのマイクロ波と磁場を利
用して活性な酸素に変化させ、それによってC−Cのよ
うな炭素の一重結合を除いた炭素汚染物を除去すること
ができる。
【0205】次に、基板7075の表面に付着している
炭素の一重結合を含む汚染物を除去するために、最初に
配管9001から水素を反応室9030に導入する。圧
力は10-3〜10-1Pa程度にする。本実施例では3×
10-2Paにて行った。マイクロ波は2.45GHzを
導波管9001から導入した。マイクロ波の電力は50
0〜2000Wを導入し、本実施例では800Wを導入
した。基板9075としては、シリコンウェハやガリウ
ム砒素のような半導体、ガラスや石英などの絶縁体など
を用いるが、本実施例では360mm×480mm厚さ
0.7mmのホウケイ酸ガラスを用いる。
【0206】マイクロ波と永久磁石9005による磁場
によってECRなどの高密度プラズマの条件が達成され
ることで電子密度の高いECRなどの高密度プラズマが
生成される。ECRなどの高密度プラズマの中で水素
は、水素イオンや水素ラジカルにその一部が変化する。
水素イオンや水素ラジカルなどの活性な水素は基板90
75へ到達する。
【0207】更に基板9075に多少のスパッタがあっ
たとしても良いような場合は、高周波電源9080によ
って基板保持台9070に基板バイアスを印可する。水
素イオンは正であるために基板保持台9070がカソー
ドになるようにバイアスを印可する。それによって、基
板9070表面を水素イオンによってたたくことで、よ
り炭素の汚染物を除去しやすくなる。
【0208】酸素をECRなどのマイクロ波と磁場を利
用して活性な水素に変化させ、それによってC−Cのよ
うな炭素の一重結合を除いた炭素汚染物を除去すること
ができる。
【0209】〔実施例7〕図10に本発明の別の実施例
を示す。図10は、実施例6で示した装置をマルチチャ
ンバーシステムとして用いる場合を示している。図面は
装置の縦断面を示している。図中左側は、実施例4で説
明した装置と全く同じものを示している。左側に示して
いる装置はマイクロ波と磁場利用の装置10000であ
り、その内容は実施例6でしめした通りのものである。
【0210】マイクロ波と磁場利用の装置10000は
接続室10001と接続されている。この接続室100
01はさらに処理装置10100に接続している。この
接続室10001は、マイクロ波と磁場利用の装置10
000と処理装置10100以外の他のプロセス装置と
接続していてもよい。つまり接続室10001は各プロ
セス装置の共通室のような役割をもつこともできる。
【0211】接続室10001内には搬送ロボット10
002があり、マイクロ波と磁場利用の装置10000
からゲート10003を開いた状態で被処理物をマイク
ロ波と磁場利用の装置から搬出したり逆に搬入させるこ
とができる。搬入搬出が終了するとゲート10003を
閉じる。マイクロ波と磁場利用の装置10000内に
て、被処理物をクリーニングし炭素の一重結合あるいは
二重結合を含む炭素汚染物を減少させたのちに、マイク
ロ波と磁場利用の装置10000内に残存する気体を排
気する。その後に、ゲート10003を開けて搬送ロボ
ット10002によって被処理物を接続室10001内
に移動する。接続室10001内に被処理物が完全に移
動し、ゲート10003が閉じることが可能になったの
ちに、ゲート10003を閉じる。
【0212】接続室10001には、接続室10001
内を減圧にすることのできる図示しない真空ポンプが接
続されており、被処理物の搬送の際にも必ず減圧状態に
なるようにする。接続室10001の減圧は、汚染の少
ないドライポンプシステムがよく、ターボポンプとドラ
イポンプの組み合わせなどがよい。本実施例では、磁気
浮上型ターボ分子ポンプとドライポンプの組み合わせで
真空引きを行えるようになっている。
【0213】接続室10001は、他のプロセス装置か
らの汚染の影響を少なくするためにプロセス装置よりは
若干圧力を高くして、気体の流れが接続室10001か
らプロセス装置へ流れるようにすることも有効である。
【0214】接続室10001に被処理物が搬入された
後に、ゲート10004を開け被処理物を処理装置10
100へ移動する。被処理物を処理装置10100に移
動後ゲート10004を閉じる。
【0215】処理装置10100は、平行平板型プラズ
マCVD装置で、反応室10010にポンプバルブ10
011とコンダクタンス制御器10012を通してポン
プ10013が接続されている。ポンプ10013には
エグゾースト10014がさらに接続されている。ポン
プバルブ10011とコンダクタンス制御器10012
の接続順序は逆になっていてもよい。
【0216】反応室10010には、電極10040が
チャンバーの接地電位から分離するインシュレータ10
042を伴って接続されており、その電極10040を
覆うように、寄生放電やホローカソードをぼうしするた
めに電極カバー10041が設置されている。電極10
040には、整合器10043を通してプラズマ電源1
0044が接続されている。
【0217】プラズマ電源10044は、その成膜目的
に応じて低周波から高周波までの連続発振器や、パルス
発振器、モジュレーション発振器等を用いる。本実施例
では20MHzのパルス発振可能な電源を用いている。
【0218】反応室10010の中には基板を保持する
手段がある。中心線10020の左側は基板10036
を搬出あるいは搬入する際の位置を表している。中心線
10020の右側は基板10035を固定した状態を表
している。どちらの場合も実際には中心線10020に
対して線対称に図示されていない半分があるが、図では
どちらの状態もわかるように半分づつ示している。
【0219】搬入搬出の際の状態を示す中心線1002
0の左側では、基板10036は、プッシャーピン10
032によって基板支持台10030から浮いている。
さらに基板固定器10034もプッシャーピン1003
2と連動して基板10036の固定をはずれ基板100
36が可動になるように動く。
【0220】基板10035が固定されている状態を示
す中心線10020の右側では、プッシャーピン100
31は、基板支持台10030の中に収まり、プッシャ
ーピン10031と連動して基板固定器10033は基
板10035を基板支持台10030に密着するように
固定する。
【0221】基板支持台10030には、図示していな
いが基板10035を加熱できるヒータが埋め込まれて
いる。ガスは、マスフローコントローラなどの流量制御
器を通して導入配管10050から電極10040のシ
ャワーヘッドを通して導入される。電極10040に
は、図示しないがガスを均一に流すための拡散板が設置
されている。
【0222】基板10035としてP- の100面の8
インチ単結晶シリコンウェハを用いて、マイクロ波と磁
場利用の装置10000で基板10035の表面クリー
ニング後直ぐに、有機シランと酸素によって酸化珪素膜
を成膜した。成膜条件としては、有機シランとして正珪
酸四エチル(いわゆるTEOS)を用いて、TEOS/
酸素=1/20のガス比で、基板温度350℃、圧力1
Torrで成膜したのちに、MOSキャパシタを形成し
て、界面準位密度を測定したところ9×109〜3×1
10cm-2eV-1と良好であった。
【0223】〔実施例8〕不揮発性半導体記憶装置のメ
モリは、それぞれ基本的な1つのメモリトランジスタが
多数集まって構成されている。そのメモリトランジスタ
の製造に本発明を利用した。図11にメモリトランジス
タの基本的な断面構造を示す。P型シリコン基板110
1上に、公知のシリコンの熱酸化技術とCVD法とファ
オトリソグラフィー技術によるレジストのパターニング
とエッチング技術によって、トンネル酸化膜1102、
ポリシリコンからなるフローティングゲート1103、
層間絶縁膜1104、ポリシリコンからなるコントロー
ルゲート1105、とから構成されるポリシリコン2層
ゲート。燐または砒素のイオン注入によって形成される
ソース拡散層1107とドレイン拡散層1106を含め
て、メモリトランジスタは形成されている。
【0224】フローティングゲート1103は、コント
ロールゲート1105からみたメモリトランジスタのし
きい値を変化させるためのゲートとなっている。フロー
ティングゲート1103にホットエレクトロンが蓄積さ
れている場合は、コントロール1105に与えられる正
電位は、フローティングゲート1103に蓄積されたホ
ットエレクトロンに打ち消されるので、ホットエレクト
ロンが蓄積されていない状態に比べてコントロールゲー
ト1105からみたメモリトランジスタのしきい値は、
高くなる。フローティングゲート1103へのホットエ
レクトロンの注入は、コントロールゲート1105、ド
レイン1106およびソース1107にそれぞれ10、
5、0Vを印可することによって実施される。メモリト
ランジスタのチャネルを移動する電子のいくつかがトン
ネル酸化膜1102を通過してフローティングゲート1
103に達して蓄積される。フローティングゲート11
03にホットエレクトロンが蓄積されている状態を書込
み状態、その反対にフローティングゲート1103から
ホットエレクトロンの排出は、ドレイン1106を電気
的に開状態にして、ソース1107とコントロールゲー
トにそれぞれ5、−16Vを印可することにより行われ
る。これにより、ソース1107とフローティングゲー
ト1103のオーバーラップ領域1108でのトンネル
酸化膜1102のトンネル電流であるFowlerNo
rdheim電流を生じさせ、トンネル酸化膜1102
を経由して電子をフローティングゲート1103から排
除する。このフローティングゲート1103にホットエ
レクトロンが蓄積されない状態をデータの消去状態とい
う。
【0225】このメモリトランジスタでは、電荷の蓄積
に関与するものがフローティングゲート1103とコン
トロールゲート1105に接触している層間絶縁膜11
04ならびにトンネル酸化膜1102になり、さらにそ
の界面の構成が重要になるのは当然である。この界面の
清浄に関して本発明を利用した。コントロールゲート1
105の膜形成前後と層間絶縁膜1104形成前後に、
本発明による活性な水素と活性な酸素によって炭素除去
をおこなった。
【0226】フローティングゲート1103の上のクリ
ーニングを行うために活性な酸素の中の電荷による影響
があるために基板1101に高周波バイアスを印加しな
いで、炭素の主として二重結合を含む炭素汚染物の除去
を行う。圧力は1×10-3〜5×10-5Torrで行う
が、典型的には3×10-4Torrで行う。マイクロ波
電力は500〜2000Wで典型的は1200Wで行
う。基板温度は室温〜500℃で典型的には250℃で
行う。酸素の流量は5〜200SCCMで典型的には8
0SCCMで行う。
【0227】活性な酸素による炭素の主として二重結合
を含む炭素汚染物の除去を行った後に、ECRなどのマ
イクロ波と磁場によるプラズマを利用して活性な水素に
よって炭素の主として一重結合を含む炭素汚染物の除去
を行う。フローティングゲート1103の上のクリーニ
ングを行うために活性な水素の中の電荷による影響があ
るために基板1101に高周波バイアスを印加しない
で、炭素の主として一重結合を含む炭素汚染物の除去を
行う。圧力は1×10-3〜5×10-5Torrで行う
が、典型的には5×10-4Torrで行う。マイクロ波
電力は500〜2000Wで典型的は1200Wで行
う。基板温度は室温〜500℃で典型的には250℃で
行う。水素の流量は5〜200SCCMで典型的には8
0SCCMで行う。
【0228】フローティングゲート1103上の炭素の
クリーニングが終了後、大気に触れさせることなく層間
絶縁膜1104を成膜する。層間絶縁膜1104として
は、酸化珪素や窒素ドープの酸化珪素またはリンドープ
の酸化珪素、あるいは窒化珪素などを形成する。形成方
法としては、減圧CVDやスパッタ、あるいは平行平板
プラズマCVDやECRプラズマCVDやICPプラズ
マCVDなどのプラズマCVD、などを用いる。典型的
には、平行平板プラズマCVDを用いる。
【0229】次に層間絶縁膜1104上にコントールゲ
ート1105を形成する前に層間絶縁膜1104の上の
クリーニングを行う。活性な酸素の中の電荷による影響
があるために基板1101に高周波バイアスを印加しな
いで、炭素の主として二重結合を含む炭素汚染物の除去
を行う。圧力は1×10-3〜5×10-5Torrで行う
が、典型的には3×10-4Torrで行う。マイクロ波
電力は500〜2000Wで典型的は1200Wで行
う。基板温度は室温〜500℃で典型的には250℃で
行う。酸素の流量は5〜200SCCMで典型的には8
0SCCMで行う。
【0230】活性な酸素による炭素の主として二重結合
を含む炭素汚染物の除去を行った後に、ECRなどのマ
イクロ波と磁場によるプラズマを利用して活性な水素に
よって炭素の主として一重結合を含む炭素汚染物の除去
を行う。層間絶縁膜1104の上のクリーニングを行
う。活性な水素の中の電荷による影響があるために基板
1101に高周波バイアスを印加しないで、炭素の主と
して一重結合を含む炭素汚染物の除去を行う。圧力は1
×10-3〜5×10-5Torrで行うが、典型的には5
×10-4Torrで行う。マイクロ波電力は500〜2
000Wで典型的は1200Wで行う。基板温度は室温
〜500℃で典型的には250℃で行う。水素の流量は
5〜200SCCMで典型的には80SCCMで行う。
【0231】層間絶縁膜1104上の炭素のクリーニン
グが終了後、大気に触れさせることなくコントロールゲ
ート1105を成膜する。コントロールゲート1105
としては、ドープドポリシリコンやポリシリコンを成膜
後ドープするもの、あるいはアルミニウムなどの金属膜
を形成する。形成方法としては、減圧CVDやスパッ
タ、あるいは平行平板プラズマCVDやECRプラズマ
CVDやICPプラズマCVDなどのプラズマCVD、
などを用いる。典型的には、減圧CVDによるポリシリ
コンを用いて後からイオン注入などでドープする方法を
用いる。
【0232】メモリトランジスタをフラッシュメモリと
して形成しての特性を評価したところ、本発明を利用し
た場合と利用しなかった場合を比較したとき、150回
の書換えを行った後のメモリのエラー率が、利用しない
場合は、0.1%もあったものが、本発明を利用するこ
とで0.01%と1桁も小さくなった。本発明によって
炭素除去を行うことは、結晶半導体の積層構造にも大き
な効果がある。
【0233】〔実施例9〕本実施例では、本発明を連続
したラインアンドスペース配線に対して、その埋め込み
と平坦化用の絶縁膜成膜に対して利用した例を示す。図
12(A)と(B)に、実施例の金属配線の埋め込みの
様子を示す。図12(A)と(B)は、それぞれ断面の
様子を示している。
【0234】図12(A)は、半導体基板1201とそ
の表面に熱酸化させた熱酸化膜1202があり、その上
に金属配線1203があり、さらにその上に埋め込み用
の絶縁膜1204がある。半導体基板1201として
は、単結晶シリコンウェハが主に用いられるが、GaA
s等の化合物半導体基板でもよく、多結晶半導体基板を
用いてもよい。本実施例では、100面のP型シリコン
ウェハを用いている。熱酸化膜1202は、ウェット酸
化でもドライ酸化でもよいが、本実施例ではドライ酸化
による熱酸化膜1202を約500Åを半導体基板12
01の全面に拡散成長させた。そのうえの金属配線12
03は、Alをスパッタにて成膜した、Alには、Si
を2%混合したターゲットを用いて、Alのヒロックを
防止している。金属配線1203としてのAlは、厚さ
1μm、幅1μmのアスペクト比1になるよに、異方性
ドライエッチングを行って形成してある。配線間隔は、
0.3〜1.0μmの間で変化させた。
【0235】絶縁膜1204の成膜において、本発明を
実施した。活性な酸素の中の電荷による影響が少ないた
めに半導体基板1201に高周波バイアスを印加して酸
素イオンによるスパッタも同時に行い、炭素の主として
二重結合を含む炭素汚染物の除去を行う。圧力は1×1
-3〜5×10-5Torrで行うが、典型的には3×1
-4Torrで行う。マイクロ波電力は500〜200
0Wで典型的は1200Wで行う。基板温度は室温〜5
00℃で典型的には250℃で行う。酸素の流量は5〜
200SCCMで典型的には80SCCMで行う。基板
バイアスは、高周波電力として0.01〜0.5W/c
2 で典型的には0.1W/cm2 を印加する。
【0236】活性な酸素による炭素の主として二重結合
を含む炭素汚染物の除去を行った後に、ECRなどのマ
イクロ波と磁場によるプラズマを利用して活性な水素に
よって炭素の主として一重結合を含む炭素汚染物の除去
を行う。活性な水素の中の電荷による影響が全くないた
めに半導体基板1201に高周波バイアスを印加して水
素イオンによるスパッタも同時に行い、炭素の主として
一重結合を含む炭素汚染物の除去を行う。圧力は1×1
-3〜5×10-5Torrで行うが、典型的には5×1
-4Torrで行う。マイクロ波電力は500〜200
0Wで典型的は1200Wで行う。基板温度は室温〜5
00℃で典型的には250℃で行う。水素の流量は5〜
200SCCMで典型的には80SCCMで行う。基板
バイアスは、高周波電力として0.01〜1.0W/c
2 で典型的には0.2W/cm2 を印加する。
【0237】炭素のクリーニングが終了後、大気に触れ
させることなく絶縁膜1204を成膜する。絶縁膜12
04としては、酸化珪素や窒素ドープの酸化珪素または
リンドープの酸化珪素、あるいは窒化珪素などを成膜す
る。成膜方法としては、減圧CVDやスパッタ、あるい
は平行平板プラズマCVDやECRプラズマCVDやI
CPプラズマCVDなどのプラズマCVD、などを用い
る。典型的には、平行平板型プラズマCVDを用いる。
平行平板型プラズマCVDを用いるために炭素クリーニ
ングを行う処理室とは別の処理室に基板を、減圧状態で
移動した後に行う。
【0238】成膜条件としては、基板温度300〜60
0℃で典型的には400℃。正珪酸四エチル(いわゆる
TEOS):酸素=1:1〜20で典型的には1:5で
行う。圧力は0.1〜2Torrで典型的には1Tor
rで行う。平行平板電極に印加する高周波としては5〜
30MHzで典型的には13.56MHzで、電力は
0.05〜3.0W/cm2 で典型的には1.5W/c
2 を印加する。絶縁膜1204の厚さとしては0.8
〜2.5μmで、典型的には1μmを成膜する。
【0239】
【0240】正珪酸四エチルの代わりに、FSi(OC
254 などのFを含む有機シランを用いることで、
SiOX よりも誘電率の低いFドープのSiOX を作製
することができるために、LSIでの配線間の横方向の
容量を低減することが可能である。
【0241】図12(B)は、半導体基板1205とそ
の表面に熱酸化させた熱酸化膜1206があり、その上
に金属配線1207があり、さらにその上に埋め込み用
の絶縁膜1208がある。半導体基板1205として
は、単結晶シリコンウェハが主に用いられるが、GaA
s等の化合物半導体基板でもよく、多結晶半導体基板を
用いてもよい。本実施例では、100面のP型シリコン
ウェハを用いている。熱酸化膜1206は、ウェット酸
化でもドライ酸化でもよいが、本実施例ではドライ酸化
による熱酸化膜1206を約500Åを半導体基板12
05の全面に拡散成長させた。そのうえの金属配線12
07は、Alをスパッタにて成膜した、Alには、Si
を2%混合したターゲットを用いて、Alのヒロックを
防止している。金属配線1207としてのAlは、厚さ
1μm、幅1μmのアスペクト比1になるよに、異方性
ドライエッチングを行って形成してある。配線間隔は、
0.3〜1.0μmの間で変化させた。
【0242】絶縁膜1208の成膜において、本発明を
実施した。活性な酸素の中の電荷による影響が少ないた
めに半導体基板1205に高周波バイアスを印加して酸
素イオンによるスパッタも同時に行い、炭素の主として
二重結合を含む炭素汚染物の除去を行う。圧力は1×1
-3〜5×10-5Torrで行うが、典型的には3×1
-4Torrで行う。マイクロ波電力は500〜200
0Wで典型的は1200Wで行う。基板温度は室温〜5
00℃で典型的には250℃で行う。酸素の流量は5〜
200SCCMで典型的には80SCCMで行う。基板
バイアスは、高周波電力として0.01〜0.5W/c
2 で典型的には0.1W/cm2 を印加する。
【0243】活性な酸素による炭素の主として二重結合
を含む炭素汚染物の除去を行った後に、ECRなどのマ
イクロ波と磁場によるプラズマを利用して活性な水素に
よって炭素の主として一重結合を含む炭素汚染物の除去
を行う。活性な水素の中の電荷による影響が全くないた
めに半導体基板1205に高周波バイアスを印加して水
素イオンによるスパッタも同時に行い、炭素の主として
一重結合を含む炭素汚染物の除去を行う。圧力は1×1
-3〜5×10-5Torrで行うが、典型的には5×1
-4Torrで行う。マイクロ波電力は500〜200
0Wで典型的は1200Wで行う。基板温度は室温〜5
00℃で典型的には250℃で行う。水素の流量は5〜
200SCCMで典型的には80SCCMで行う。基板
バイアスは、高周波電力として0.01〜1.0W/c
2 で典型的には0.2W/cm2 を印加する。
【0244】炭素のクリーニングが終了後、大気に触れ
させることなく絶縁膜1204を成膜する。絶縁膜12
08としては、酸化珪素や窒素ドープの酸化珪素または
リンドープの酸化珪素、あるいは窒化珪素などを成膜す
る。成膜方法としては、減圧CVDやスパッタ、あるい
は平行平板プラズマCVDやECRプラズマCVDやI
CPプラズマCVDなどのプラズマCVD、などを用い
る。典型的には、ECRプラズマCVDを用いる。EC
RプラズマCVDによって絶縁膜1208を成膜するた
めに炭素除去を行う処理室と同じ処理室にて連続的行
い、そのためにタクトタイムを向上できる。
【0245】成膜条件としては、基板温度300〜60
0℃で典型的には400℃。シランと酸素によって行
う。酸素をECRによって分解しECR領域と半導体基
板1205の間にシランを流して、そこでプラズマ化さ
れた活性な酸素とシランによって気相反応をおこす。シ
ラン:酸素=1:1〜20で典型的には1:5で行う。
圧力は1×10-3〜5×10-5Torrで典型的には5
×10-4Torrで行う。マイクロ波としては1〜20
GHzで典型的には2.45GHzで、電力は0.5〜
3.0kWで典型的には1.5kWを印加する。磁場と
してはソレノイドコイルによって875ガウスを印加す
る。絶縁膜1208の厚さとしては0.8〜2.5μm
で、典型的には1μmを成膜する。
【0246】
【0247】シランの代わりに、フッ化シランとシラン
の混合気体などのFを含む有機シランを用いることで、
SiOX よりも誘電率の低いFドープのSiOX を作製
することができるために、LSIでの配線間の横方向の
容量を低減することが可能である。
【0248】ECRプラズマによる成膜のために絶縁膜
1208を成膜すると金属配線1207の上のみ三角形
状1209が発生する。これを平坦にするためには、エ
ッチバックやスパッタまたは化学研磨(いわゆるCM
P:Chemical Mechanical Pol
ishing)などをもちいる。
【0249】本発明を用いた炭素除去を行った後の、絶
縁膜の成膜は、下地との密着性が高い。三次元デバイス
の作製においても、層間膜を成膜に応用することで、安
定して積層形成が行える。
【0250】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明は、半
導体装置製造方法における、炭素汚染物除去に関し、炭
素の一重結合を含む全ての炭素汚染による基板の表面の
汚染を除去することで、半導体界面が特に重要となるM
OS、MIS型構造などの半導体の特性ならびに信頼性
の向上に大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、基板表面のXPSによる炭素不
純物の除去程度をしめすグラフ。
【図2】従来の技術による、基板表面のXPSによる炭
素不純物の除去程度を示すグラフ。
【図3】本発明を実施するための装置を示す図。
【図4】本発明を実施するための装置を示す図。
【図5】本発明の原理の一部を表す図。
【図6】本発明を実施するための装置を示す図。
【図7】本発明を実施するための装置を示す図。
【図8】本発明を実施するための装置を示す図。
【図9】本発明を実施するための装置を示す図。
【図10】本発明を実施するための装置を示す図。
【図11】本発明を用いた半導体工程を示す図。
【図12】本発明を用いた半導体工程を示す図。
【符号の説明】
3001 導波管 3002 導入窓 3010 トップ配管 3011 トップ配管 3012 テーパ配管 3013 テーパ配管 3020 ソレノイドコイル 3021 拡散磁石 3022 拡散磁石 3030 空洞共振室 3031 反射板 3032 テーパ室 3033 反応室 3034 ポンプバルブ 3035 コンダクタンス調整器 3036 ポンプ 3037 排気管 3040 空洞共振プラズマ領域 3050 ゲートバルブ 3051 ヒンジ 3052 開状態のゲートバルブ 3053 ゲートバルブ 3054 減圧室 3060 中心線 3070 基板支持台 3071 プッシャーピン 3072 プッシャーピン 3073 基板固定器 3075 基板 3076 基板 3080 高周波電源 3081 整合器 1201 半導体基板 1202 熱酸化膜 1203 金属配線 1204 絶縁膜

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層形成を行う前に、減圧状態でマイクロ
    波と磁場で活性化された水素によって、被積層形成面上
    の少なくともその一部において炭素の一重結合を含む汚
    染物を減少させ、その後前記被積層形成面上に前記積層
    形成を行う半導体装置製造方法において、半導体基板上
    方の絶縁膜形成前に前記汚染物を減少させることを特徴
    とする半導体装置製造方法。
  2. 【請求項2】積層形成を行う前に、減圧状態でマイクロ
    波と磁場で活性化された水素によって、被積層形成面上
    の少なくともその一部において炭素の一重結合を含む汚
    染物を減少させ、その後前記汚染物を減少させるための
    処理室と同一の処理室において、前記被積層形成面を大
    気に触れさせることなく、前記被積層形成面上に前記積
    層形成を行う半導体装置製造方法において、半導体基板
    上方の絶縁膜形成前に前記汚染物を減少させることを特
    徴とする半導体装置製造方法。
  3. 【請求項3】被膜形成を行う半導体装置製造方法におい
    て、積層形成を行う前に、減圧状態でマイクロ波と磁場
    で活性化された水素によって、被積層形成面上の少なく
    ともその一部において炭素の一重結合を含む汚染物を減
    少させ、その後前記汚染物を減少させるための処理室と
    はゲートバルブによって隔てられている別の処理室にお
    いて、前記被積層形成面を大気に触れさせることなく、
    前記被積層形成面上に前記積層形成を行う半導体装置製
    造方法において、半導体基板上方の絶縁膜形成前に前記
    汚染物を減少させることを特徴とする半導体装置製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項3において、汚染物を減少させるた
    めの処理室と積層形成を行う処理室の間に接続室があ
    り、前記接続室内を通って前記処理室の間を被積層形成
    面をもつ半導体装置が移動することを特徴とする半導体
    装置製造方法。
  5. 【請求項5】積層形成を行う前に、減圧状態でマイクロ
    波と磁場で活性化された水素と酸素を同時または片方づ
    つ用いることによって、被積層形成面上の少なくともそ
    の一部において炭素の一重結合および二重結合を含む汚
    染物を減少させ、その後前記被積層形成面上に前記積層
    形成を行う半導体装置製造方法において、半導体基板上
    方の絶縁膜形成前に前記汚染物を減少させることを特徴
    とする半導体装置製造方法。
  6. 【請求項6】積層形成を行う前に、減圧状態でマイクロ
    波と磁場で活性化された水素と酸素を同時または片方づ
    つ用いることによって、被積層形成面上の少なくともそ
    の一部において炭素の一重結合および二重結合を含む汚
    染物を減少させ、その後前記汚染物を減少させるための
    処理室と同一の処理室において、前記被積層形成面を大
    気に触れさせることなく、前記被積層形成面上に前記積
    層形成を行う半導体装置製造方法において、半導体基板
    上方の絶縁膜形成前に前記汚染物を減少させることを特
    徴とする半導体装置製造方法。
  7. 【請求項7】積層形成を行う前に、減圧状態でマイクロ
    波と磁場で活性化された水素と酸素を同時または片方づ
    つ用いることによって、被積層形成面上の少なくともそ
    の一部において炭素の一重結合および二重結合を含む汚
    染物を減少させ、その後前記汚染物を減少させるための
    処理室とはゲートバルブによって隔てられている別の処
    理室において、前記被積層形成面を大気に触れさせるこ
    となく、前記被積層形成面上に前記積層形成を行う半導
    体装置製造方法において、半導体基板上方の絶縁膜形成
    前に前記汚染物を減少させることを特徴とする半導体装
    置製造方法。
  8. 【請求項8】積層形成を行う前に、減圧状態でマイクロ
    波と磁場で活性化された水素によって、被積層形成面上
    の少なくともその一部において炭素の一重結合を含む汚
    染物を減少させ、その後前記被積層形成面上に前記積層
    形成を行う半導体装置製造方法において、半導体基板上
    方の導電膜あるいは半導体膜形成前に前記汚染物を減少
    させることを特徴とする半導体装置製造方法。
  9. 【請求項9】積層形成を行う前に、減圧状態でマイクロ
    波と磁場で活性化された水素によって、被積層形成面上
    の少なくともその一部において炭素の一重結合を含む汚
    染物を減少させ、その後前記汚染物を減少させるための
    処理室と同一の処理室において、前記被積層形成面を大
    気に触れさせることなく、前記被積層形成面上に前記積
    層形成を行う半導体装置製造方法において、半導体基板
    上方の導電膜あるいは半導体膜形成前に前記汚染物を減
    少させることを特徴とする半導体装置製造方法。
  10. 【請求項10】被膜形成を行う半導体装置製造方法にお
    いて、積層形成を行う前に、減圧状態でマイクロ波と磁
    場で活性化された水素によって、被積層形成面上の少な
    くともその一部において炭素の一重結合を含む汚染物を
    減少させ、その後前記汚染物を減少させるための処理室
    とはゲートバルブによって隔てられている別の処理室に
    おいて、前記被積層形成面を大気に触れさせることな
    く、前記被積層形成面上に前記積層形成を行う半導体装
    置製造方法において、半導体基板上方の導電膜あるいは
    半導体膜形成前に前記汚染物を減少させることを特徴と
    する半導体装置製造方法。
  11. 【請求項11】請求項10において、汚染物を減少させ
    るための処理室と積層形成を行う処理室の間に接続室が
    あり、前記接続室内を通って前記処理室の間を被積層形
    成面をもつ半導体装置が移動することを特徴とする半導
    体装置製造方法。
  12. 【請求項12】積層形成を行う前に、減圧状態でマイク
    ロ波と磁場で活性化された水素と酸素を同時または片方
    づつ用いることによって、被積層形成面上の少なくとも
    その一部において炭素の一重結合および二重結合を含む
    汚染物を減少させ、その後前記被積層形成面上に前記積
    層形成を行う半導体装置製造方法において、半導体基板
    上方の導電膜あるいは半導体膜形成前に前記汚染物を減
    少させることを特徴とする半導体装置製造方法。
  13. 【請求項13】積層形成を行う前に、減圧状態でマイク
    ロ波と磁場で活性化された水素と酸素を同時または片方
    づつ用いることによって、被積層形成面上の少なくとも
    その一部において炭素の一重結合および二重結合を含む
    汚染物を減少させ、その後前記汚染物を減少させるため
    の処理室と同一の処理室において、前記被積層形成面を
    大気に触れさせることなく、前記被積層形成面上に前記
    積層形成を行う半導体装置製造方法において、半導体基
    板上方の導電膜あるいは半導体膜形成前に前記汚染物を
    減少させることを特徴とする半導体装置製造方法。
  14. 【請求項14】積層形成を行う前に、減圧状態でマイク
    ロ波と磁場で活性化された水素と酸素を同時または片方
    づつ用いることによって、被積層形成面上の少なくとも
    その一部において炭素の一重結合および二重結合を含む
    汚染物を減少させ、その後前記汚染物を減少させるため
    の処理室とはゲートバルブによって隔てられている別の
    処理室において、前記被積層形成面を大気に触れさせる
    ことなく、前記被積層形成面上に前記積層形成を行う半
    導体装置製造方法において、半導体基板上方の導電膜あ
    るいは半導体膜形成前に前記汚染物を減少させることを
    特徴とする半導体装置製造方法。
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