JPH09166706A - カラーフィルタ基板およびその製造方法ならびにカラー液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ基板およびその製造方法ならびにカラー液晶表示装置

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JPH09166706A
JPH09166706A JP34775695A JP34775695A JPH09166706A JP H09166706 A JPH09166706 A JP H09166706A JP 34775695 A JP34775695 A JP 34775695A JP 34775695 A JP34775695 A JP 34775695A JP H09166706 A JPH09166706 A JP H09166706A
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JP
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layer
transparent conductive
conductive layer
black matrix
color filter
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Application number
JP34775695A
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English (en)
Inventor
Masayuki Ando
雅之 安藤
Norikatsu Ono
典克 小野
Kei Ikegami
圭 池上
Hiroyoshi Omika
広芳 大美賀
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色層にピンホールの発生がなく、優れた表
示品質を示す信頼性の高いカラー液晶表示装置と、この
カラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板および
その製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁性の透明基板と、該透明基板上に積
層された第1の透明導電層と、該第1の透明導電層の上
に配列形成されたブラックマトリックスおよび着色層
と、これらのブラックマトリックスおよび着色層の上に
形成された第2の透明導電層を備えるカラーフィルタ基
板において、前記第1の透明導電層と前記着色層との
間、前記第2の透明導電層と前記ブラックマトリックス
との間、および隣接する着色層とブラックマトリックス
との間にシラン系表面処理剤層が介在されているように
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラーフィルタ基板
およびその製造方法ならびにカラー液晶表示装置に係
り、特に表示品質に優れ、信頼性の高いカラー液晶表示
装置と、これに用いるカラーフィルタ基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フラットディスプレイとして、カ
ラーの液晶表示装置が注目されている。一般に、カラー
液晶表示装置は、ブラックマトリックスと複数の色(通
常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなる
着色層を備えたカラーフィルタ基板と対向電極基板との
間に液晶層を挟持した構造である。そして、各色の着色
層R、G、Bのそれぞれの画素に対応する部分の液晶層
の光透過率を制御することによりカラー画像を得るよう
に構成されている。したがって、上記のカラーフィルタ
基板は、カラー液晶表示装置にとり必須であり、カラー
液晶表示装置の表示品位そのものを左右する重要な部材
である。
【0003】従来、カラーフィルタ基板のブラックマト
リックスや着色層は、染色基材を塗布し、フォトマスク
を介して露光・現像して形成したパターンを染色する染
色法、感光性レジスト内に予め着色顔料を分散させてお
き、フォトマスクを介して露光・現像する顔料分散法、
および、印刷インキで各色を印刷する印刷法等により形
成されていた。近年、さらに製造コストが低く、かつ、
高性能なカラーフィルタ基板が要望され、このような要
望に応えるものとして、塗料の使用効率が高く、ブラッ
クマトリックスや着色層の形成時間が短時間(数十秒)
で生産能力の優れた電着法により製造されたカラーフィ
ルタ基板が注目されている。
【0004】上述の電着法では、透明基板上に電着用の
透明導電層を形成し、その透明導電層上にポジ型のレジ
スト(層)を形成して所定のパターンを有するマスクを
介して露光を行い、次いで、露光部分を溶解除去して透
明導電層の所定箇所を露出させ、その後、透明基板を所
定色の電着液中に浸漬した状態で、透明基板の周辺の透
明導電層から通電して電着を行い、このような電着操作
を繰り返すことによって順次ブラックマトリックス、着
色層を設けてカラーフィルタ層を形成している。このよ
うにしてブラックマトリックスと着色層からなるカラー
フィルタ層が形成された後、基板の全面に紫外線を照射
して残余のポジ型のレジスト(層)を除去し、その後、
カラーフィルタ層の上に液晶層を駆動するための透明導
電層を形成し、さらに、配向層としてポリイミドを塗
布、焼成してから配向処理(ラビング)を行ってカラー
フィルタ基板とされる。
【0005】上述のような電着法を用いたカラーフィル
タ基板の製造方法は、従来、例えば、特開昭61−20
3403号公報、特開昭61−270701号公報等に
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような電着法に
よって作製されたカラーフィルタ基板では、ブラックマ
トリックスや着色層からなるカラーフィルタ層は、電着
用の透明導電層上に形成されている。しかしながら、従
来の電着法における着色層の電着の挙動を詳細に観察し
た結果、以下のような不都合が生じることが判明した。
すなわち、電着法における着色層の形成に際して、着色
層形成のために現像処理して凹部を形成した基板を、塗
料に浸漬したときに、泡がかんでしまい、最終的に着色
層を形成した時に、着色層にピンホールが発生しやすい
のである。着色層に発生するこのような欠陥は、直接、
製品品質に影響を及ぼすために、早急な対応策が要求さ
れている。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、着色層にピンホールの発生がなく、優れ
た表示品質を示す信頼性の高いカラー液晶表示装置と、
このカラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、絶縁性の透明基板と、該透明基板
上に積層された第1の透明導電層と、該第1の透明導電
層の上に配列形成されたブラックマトリックスおよび着
色層と、これらのブラックマトリックスおよび着色層の
上に形成された第2の透明導電層を備えるカラーフィル
タ基板において、前記第1の透明導電層と前記着色層と
の間、前記第2の透明導電層と前記ブラックマトリック
スとの間、および隣接する着色層とブラックマトリック
スとの間に表面処理剤層が介在されているように構成さ
れる。
【0009】また、本発明は、絶縁性の透明基板と、該
透明基板上に配列形成された第1の透明導電層と、第1
の透明導電層の間隙に配列形成されたブラックマトリッ
クスと、第1の透明導電層の上に配列形成された着色層
と、これらのブラックマトリックスおよび着色層の上に
形成された第2の透明導電層を備えるカラーフィルタ基
板において、前記第1の透明導電層と前記着色層との
間、および隣接する着色層とブラックマトリックスとの
間に表面処理剤層が介在されているように構成される。
【0010】また、本発明のカラーフィルタ基板の製造
方法は、絶縁性の透明基板の上に第1の透明導電層を形
成する工程と、第1の透明導電層の上にレジストを塗布
し、所定パターンの露光・現像を行い現像凹部を形成し
て、当該現像凹部にブラックマトリックスを形成する工
程と、ブラックマトリックス形成後の未露光のレジスト
を所定パターンで露光・現像し着色層形成のための現像
凹部を形成した後に、当該現像凹部およびブラックマト
リックスの上に表面処理剤層を形成し、しかる後、この
表面処理された着色層形成のための現像凹部に着色層を
形成させる工程、を含むように構成される。
【0011】また、本発明のカラーフィルタ基板の製造
方法は、絶縁性の透明基板の上に第1の透明導電層を配
列形成する工程と、第1の透明導電層および絶縁性の透
明基板の上にレジストを塗布し所定パターンの露光・現
像を行い第1の透明導電層の間隙に現像凹部を形成し、
当該現像凹部にブラックマトリックスを形成する工程
と、第1の透明導電層の上およびブラックマトリックス
の上にレジストを塗布し所定パターンの露光・現像を行
い第1の透明導電層とブラックマトリックスの一部を露
出させて着色層形成のための現像凹部を形成した後に、
当該現像凹部の上に表面処理剤層を形成し、しかる後、
この表面処理された着色層形成のための現像凹部に着色
層を形成させる工程、を含むように構成される。
【0012】また、本発明のカラー液晶表示装置は、相
対向するカラーフィルタ基板および対向電極基板と、前
記両基板間に密封された液晶層とを有し、前記カラーフ
ィルタ基板は、絶縁性の透明基板と、該透明基板上に積
層された第1の透明導電層と、該第1の透明導電層の上
に配列形成されたブラックマトリックスおよび着色層
と、これらのブラックマトリックスおよび着色層の上に
形成された第2の透明導電層を備え、前記第1の透明導
電層と前記着色層との間、前記第2の透明導電層と前記
ブラックマトリックスとの間、および隣接する着色層と
ブラックマトリックスとの間に表面処理剤層が介在され
ているように構成される。
【0013】また、本発明のカラー液晶表示装置は、相
対向するカラーフィルタ基板および対向電極基板と、前
記両基板間に密封された液晶層とを有し、前記カラーフ
ィルタ基板は、絶縁性の透明基板と、該透明基板上に配
列形成された第1の透明導電層と、第1の透明導電層の
間隙に配列形成されたブラックマトリックスと、第1の
透明導電層の上に配列形成された着色層と、これらのブ
ラックマトリックスおよび着色層の上に形成された第2
の透明導電層を備え、前記第1の透明導電層と前記着色
層との間、および隣接する着色層とブラックマトリック
スとの間に表面処理剤層が介在されているように構成さ
れる。
【0014】このような構成を備える本発明によれば、
露出した第1の透明導電層上に着色層を電着する前に予
め、表面処理を施して、第1の透明導電層、ブラックマ
トリックス、およびレジストの濡れ性を同じにしている
ので、基板を着色層形成のための塗料中に浸漬した際に
泡かみの発生が防止でき、電着により形成された着色層
中のピンホールの発生が抑えられる。また、第1の透明
導電層と着色層の接着性も向上する。従って、正確な駆
動が可能で信頼性の高いカラー液晶表示装置が可能とな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0016】図1は本発明のカラーフィルタ基板の一例
を示す概略構成図である。
【0017】図1において、本発明のカラーフィルタ基
板1は、絶縁性の透明基板2に設けられた電着用の第1
の透明導電層3と、この第1の透明導電層3の上に所定
のパターンで配列形成されたブラックマトリックス6お
よび着色層7R,7G,7Bと、これらのブラックマト
リックス6および着色層7R,7G,7Bの上に形成さ
れた第2の透明導電層8を備えている。
【0018】そして、本発明における第1の特徴は、前
記第1の透明導電層3と前記着色層7R,7G,7Bと
の間、前記第2の透明導電層8と前記ブラックマトリッ
クス6との間、および隣接する着色層(7R,7G,7
B)とブラックマトリックス6との間に表面処理剤層4
が介在されていることにある。この表面処理剤層4の存
在により、基板を着色層形成のための塗料中に浸漬した
際に着色層が形成されるべく凹部での泡かみの発生が防
止でき、これに伴い電着により形成された着色層中のピ
ンホールの発生が抑えられる。さらに、表面処理剤層を
介して第1の透明導電層と着色層との接着力の向上が図
られる。
【0019】このようなカラーフィルタ基板1を構成す
る絶縁性の透明基板2としては、石英ガラス、パイレッ
クスガラス、合成石英板等の可撓性のないリジット材、
あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を
有するフレキシブル材を用いることができる。この中で
特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さ
い素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作
業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない
無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス
方式によるLCD用のカラー液晶表示装置に使用するカ
ラーフィルタ基板に適している。
【0020】また、カラーフィルタ基板1を構成する第
1の透明導電層3および第2の透明導電層8は、酸化イ
ンジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ス
ズ(SnO)等、およびその合金等を用いて、スパッタ
リング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法
により形成されたものである。電着用の第1の透明導電
層3の厚みは90〜190nm程度、好ましくは100
〜175nm程度とすることができ、また、液晶駆動用
の第2の透明導電層8の厚みは20〜200nm程度、
好ましくは90〜190nm程度とすることができる。
【0021】第1の透明導電層3の上に形成されるブラ
ックマトリックス6は、後の製造方法のところで詳述す
るが、ここで簡単に説明しておくと、第1の透明導電層
3上にポジ型レジストを塗布し、マスクを用いて露光を
行い現像し、ブラックマトリックスに相当する部分の第
1の透明導電層3を露出させ、この露出した第1の透明
導電層3の上にブラックマトリックスを形成させるので
ある。この際のブラックマトリックス形成方法として
は、公知の種々の方法が採用できるが、特に、電着法に
よることが望ましい。
【0022】このようなブラックマトリックス6を形成
し、ついで着色層形成のための現像凹部を形成した後に
(詳細は後述する)、上記の表面処理剤層4が形成され
る。
【0023】表面処理剤層4は、シラン系の表面処理剤
層、すなわち、下記のようなシランカップリング剤ある
いは表面改質剤を用いて形成された透明の薄層とするこ
とが好ましい。また、表面処理剤層4は、シラン系の表
面処理剤の他に、チタネート系、アルミニウム系の表面
処理剤であってもよい。
【0024】表面処理剤層4を形成するためのシランカ
ップリング剤としてはビニルシラン、アクリルシラン、
エポキシシラン、アミノシラン等を挙げることができ
る。より具体的には、ビニルシランとして、ビニルトリ
クロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン等を使用することができる。
【0025】また、アクリルシランとしては、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げること
ができる。
【0026】エポキシシランとしては、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトシキシラン等を挙げる
ことができる。
【0027】さらに、アミノシランとしては、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
メチルジトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン等を使用することができる。その他の
シランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルメチルジエトキシシラン等を使用することが
できる。
【0028】一方、表面処理剤層4を形成するための表
面改質剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、
シラザン等を使用することができる。具体的には、クロ
ロシランとしては、メチルトリクロロシラン、メチルジ
クロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルジクロ
ロシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルク
ロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルクロ
ロジシラン、フェニルトリクロロシラン、トリフェニル
クロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、ジフェ
ニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、
クロロメチルジメチルクロロシラン等を使用することが
できる。
【0029】アルコキシシランとしては、トリメチルメ
トキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メチルジメ
トキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエト
キシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラ
ン、デシルトリメトキシシラン、ジメチルビニルメトキ
シシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニ
ルメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等を
使用することができる。また、シラザンとしては、ヘキ
サメチルジシラザン、サイクリックシラザン混合物、
N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、N−トリ
メチルシリルアセトアミド、ジメチルトリメチルシリル
アミン、ジエチルトリメチルシリルアミン、トリメチル
シリルイミダゾール、N−トリメチルシリルフェニルウ
レア等を使用することができる。また、上述したように
表面処理剤層4は、シラン系の表面処理剤の他に、チタ
ネート系、アルミニウム系の表面処理剤であってもよ
い。
【0030】表面処理剤層4は、上記のようなシランカ
ップリング剤、表面改質剤あるいは表面処理剤を用い
て、スピンコーター、ロールコーター、ディップコータ
ー、スプレイコーター等の公知の塗布手段により形成す
ることができるが、特にシランカップリング剤を使用す
ることが好ましい。表面処理剤層4の厚みに特に制限は
ないが、表面処理剤層が数μm以上であると、透明導電
層と着色層との接着力を低下させるだけでなく、着色層
の硬化性を低下させたり、着色層の透過率を著しく低下
させる。したがって、透明導電層と着色層との間に表面
処理剤が均一に単分子層存在することが好ましい。
【0031】このような表面処理剤層4が形成された後
に、着色層7R,7G,7Bが形成される。なお、着色
層7R,7G,7Bは、その色毎に順次電着されるの
で、各色が電着される前には必ず表面処理剤層4を形成
するための処理が逐次行われる。
【0032】カラーフィルタ基板1の着色層7R,7
G,7Bは、詳細には、赤色パターン7R、緑色パター
ン7Gおよび青色パターン7Bがモザイク型、ストライ
プ型、トライアングル型、4画素配置型等の所望の形態
で配列されてなり、ブラックマトリックス6は各着色パ
ターンの間および着色層7R,7G,7B形成領域の外
側に設けられている。
【0033】上述の本発明のカラーフィルタ基板は、電
着用の第1の透明導電層3が透明基板2の全面に形成さ
れたものであるが、本発明のカラーフィルタ基板では、
透明導電層3を着色層7R,7G,7Bおよびブラック
マトリックス6の形成領域の所定箇所にのみ設けること
もできる。このような本発明のカラーフィルタ基板の例
を図2乃至図4を参照して説明する。
【0034】まず、図2に示される本発明のカラーフィ
ルタ基板1は、絶縁性の透明基板2上に、電着用の第1
の透明導電層3を着色層7R,7G,7Bおよびブラッ
クマトリックス6の形成領域内に相当する部分にのみに
設け、その領域部分とさらに絶縁性の透明基板2の端部
周縁上に表面処理剤層4を形成した例である。さらに、
図3に示されるように、表面処理剤層4を第1の透明導
電層3の領域内のみ形成してもよい。
【0035】また、図4に示される本発明のカラーフィ
ルタ基板1では、絶縁性の透明基板2上に設けられる第
1の透明導電層3は、着色層7R,7G,7Bに相当す
る領域にのみ形成されている。
【0036】この場合は、ブラックマトリックス6は電
着法では形成することができず、カーボンや黒色顔料を
分散させたレジストを用いて形成する。この製造方法
は、透明基板2上に透明導電層3をパターニングし、ブ
ラックマトリックス用レジストを全面に塗布し、マスク
を介して露光し、現像して、ブラックマトリックス6の
パターンを形成する。次いで、全面にポジ型レジストを
形成し、1色目の着色層形成予定部分を着色層パターン
より若干大きめのマスク(一部ブラックマトリックス上
に重なるマスク)を介して露光し現像し透明導電層とブ
ラックマトリックスの一部を露出させる。露出された透
明電極とブラックマトリックスの一部の上に表面処理剤
層を形成するための処理を行い、次いで第1色目の着色
層を形成する。第2色目および第3色目についても順次
同様な手段を繰り返して図4に示される本発明のカラー
フィルタ基板1が形成される。
【0037】この場合は、表面処理剤層は、ブラックマ
トリックス上の全面を覆う必要はなく、側面と着色層に
接する端部のみの形成となるが、これでも十分な効果が
得られる。このような方法で形成する場合、ブラックマ
トリックスの抵抗が十分に大きければその下部に透明電
極層が形成されていてもかまわない。
【0038】さらに、本発明のカラーフィルタ基板は、
ブラックマトリックス6と着色層7R,7G,7Bとか
らなる層の上に、保護膜を設けこの上に液晶駆動用の第
2の透明導電層8を設けるようにしてもよい。図5は図
1に示される本発明のカラーフィルタ基板1において、
ブラックマトリックス6,着色層7R,7G,7Bと第
2の透明導電層8との間に保護膜9を設けた例を示す概
略構成図である。このような保護膜9は、例えば、アク
リル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等の熱硬
化性高分子材料あるいは紫外線硬化性高分子材料を用い
て形成することができる。保護膜9の厚さは、0.2〜
10μm、好ましくは0.5〜5μm程度とすることが
できる。なお、図2乃至図4に示される本発明の他の態
様のカラーフィルタ基板においても、図5と同様な保護
層を設けてもよいことは勿論のことである。
【0039】次に、本発明のカラーフィルタ基板の製造
方法を、図1に示されるカラーフィルタ基板1を例にと
り図6に基づいて説明する。
【0040】まず、多面付けの絶縁性の透明基板2の全
面に酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電性物質
により第1の透明導電層3を形成した後、この第1の透
明導電層3の上に、ポジ型のフォトレジストを塗布して
レジスト(層)10を形成し、所望のブラックマトリッ
クスパターンに対応したフォトマスク11を介してレジ
スト(層)10を露光する(図6(A))。
【0041】次いで、現像・乾燥してブラックマトリッ
クスのパターンに対応した形状に第1の透明導電層3を
露出させて現像凹部6aを形成し、この透明基板2を黒
色顔料を分散させた電着浴中に浸漬し、透明導電層3に
電圧を印加して現像凹部6a内に黒色電着材を析出さ
せ、十分に水洗した後に乾燥してピンホールのないブラ
ックマトリックス6を形成する(図6(B))。
【0042】次いで、ブラックマトリックス形成後の未
露光の(残余の)レジストを所定パターンで露光・現像
した後に表面処理(例えば、シランカップリング処理)
が行なわれる。ここでは着色層の形成がR→G→Bの順
に行われる場合を例にとって説明する。まず、ブラック
マトリックス形成後の未露光の(残余の)レジスト(R
に相当する部分)を所定パターンで露光・現像し、着色
層形成のための現像凹部7R’を形成した後に、当該現
像凹部7R’およびブラックマトリックス6並びに残余
のレジスト(G,Bに相当する部分10G,10B)の
上に連続的に表面処理剤層4を形成する(図6
(C))。表面処理剤層4の形成は、スピンコーター、
ロールコーター、ディップコーター、スプレイコーター
等の公知の塗布手段により行うことができる。
【0043】次いで、着色層形成のための現像凹部7
R’に着色層7Rを形成させる。すなわち、R色(赤
色)顔料を分散させた電着浴中に上記の透明基板2を浸
漬し、透明導電層3に電圧を印加してR色(赤色)電着
材を析出させ、十分に水洗した後に乾燥して赤色パター
ンの着色層7Rを形成する(図7(D))。この時、画
像凹部7R’にはあらかじめ表面処理剤層4が形成され
ているので、電着の際に泡かみが防止され、その結果で
き上がった着色層7Rには、ピンホールがみられない。
【0044】次いで、すでに説明した図7(C)および
図7(D)の工程を、G色およびB色に対してそれぞれ
繰り返し、緑色パターンの着色層7Gおよび青色パター
ンの着色層7Bを形成する(図7(E))。本発明にお
いては、各色に対するレジストの各現像ごとに表面処理
剤層4の形成(例えば、シランカップリング処理)が行
われることになる。
【0045】上記の工程において用いられる電着材料
は、一般に有機材料(高分子材料)からなり、その原形
は電着塗装法としてよく知られている。電着塗装では、
電気化学的な主電極との反応によりカチオン電着とアニ
オン電着とがある。これは、電着材料がカチオンとして
存在するか、アニオンとして挙動するかで分類される。
電着に用いられる有機高分子物質としては、天然油脂
系、合成油脂系、アルキッド樹脂系、ポリエステル樹脂
系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系等の種々の有機高
分子物質が挙げられる。
【0046】アニオン型では、古くからマレイン化油や
ポリブタジエン系樹脂が知られており、電着物質の硬化
は酸化重合反応による。カチオン型はエポキシ系樹脂が
多く、単独あるいは変性されて使用できる。その他に、
メラミン系樹脂、アクリル系樹脂等のいわゆるポリアミ
ノ系樹脂が多く用いられ、熱硬化や光硬化等により強固
な着色層が形成できる。
【0047】カラーフィルタ基板製造における電着で
は、アニオン型またはカチオン型電着浴中に微粉砕され
た顔料や染料を分散させ、イオン性高分子材料とともに
導電性部に共析させる。
【0048】次いで、ブラックマトリックス6および着
色層7R,7G,7Bを覆うように第2の透明導電層8
が形成される(図7(F))。この透明導電層8は、上
述ように酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(Z
nO)、酸化スズ(SnO)等、およびその合金等を用
いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一
般的な成膜方法により形成することができる。
【0049】次に、本発明のカラー液晶表示装置につい
て説明する。本発明のカラー液晶表示装置は、上記のよ
うなカラーフィルタ基板と対向電極基板との間に液晶層
を密封したものである。
【0050】図7は、このような本発明のカラー液晶表
示装置の一例を示す部分断面図である。図7において、
本発明のカラー液晶表示装置21は、上述のような本発
明のカラーフィルタ基板1と対向電極基板23とを所定
の間隔で対向させ、周辺部をシール部材24により封止
し、両基板間に厚さ5〜10μm程度の液晶層25を形
成したものである。尚、カラーフィルタ基板1と対向電
極基板23の外側には、それぞれ偏光板26,27が配
設されている。また、カラーフィルタ基板1の液晶層2
5に接する面には、配向層29が設けられている。
【0051】上記のカラー液晶表示装置21を構成する
対向電極基板23は、透明基板31上に液晶駆動用の透
明電極32および薄膜トランジスタ(TFT)33を備
え、透明電極32を覆うように配向層34が形成されて
いる。この対向電極基板23には、薄膜トランジスタ
(TFT)33を開閉するゲート線群(図示せず)、映
像信号を供給する信号線群(図示せず)、および、カラ
ーフィルタ基板側のコーナーの取り出し部から受け渡し
(トランスファー部(設計により1〜3か所の取り出し
部に設ける))されたカラーフィルタ電極への電圧供給
線が配設されている。これらのリード線35は、通常、
薄膜トランジスタ(TFT)33の製造工程で一括して
形成されたAl等の金属からなるものであり、透明電極
32に接続されているとともに、外部の駆動IC41か
らの電気的な接続線42に接続されている。また、対向
電極基板23の液晶層25に接する面には、配向層34
が設けられている。
【0052】カラーフィルタ基板1に設けられた配向層
29、および、対向電極基板23に設けられた配向層3
4は、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリウレタン系お
よびポリ尿素系の有機化合物のなかの少なくとも1種を
含むような層であり、厚みは0.01〜1μm、好まし
くは0.03〜0.5μm程度とすることができる。こ
のような配向層29,34は、種々の印刷法等、公知の
塗布方法により塗布した後、焼成してから配向処理(ラ
ビング)が行われる。
【0053】このカラー液晶表示装置21では、カラー
フィルタ基板1の各着色パターン(着色層)7R,7
G,7Bが画素を構成し、偏光板27側から照明光を照
射した状態で各画素に対応する液晶駆動用の透明電極を
オン、オフさせることで液晶層25がシャッタとして作
動し、着色パターン7R,7G,7Bのそれぞれの画素
が光を透過してカラー表示が行われる。このようなカラ
ー液晶表示装置21は、上記の本発明のカラーフィルタ
基板1を用いることによって、着色層7R,7G,7B
の欠陥がなく、しかも着床高温高湿の環境下であっても
優れた表示品質を示し、信頼性の高いものとなる。
【0054】上述の実施例では、駆動方式としてTFT
アクティブマトリックス方式を用いているが、本発明の
カラー液晶表示装置はこれに限定されるものではなく、
例えば、単純マトリックスやセグメント等の方式、MI
M(金属/絶縁物/金属)等の2端子素子を用いたアク
ティブマトリックス方式等を用いたものでもよいことは
勿論である。
【0055】
【実施例】次に、より具体的な実施例を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。
【0056】(実施例1)厚み1.1mmのガラス基板
(コーニング(株)製7059)上に、酸化インジウム
スズ(ITO)をスパッタリング法により成膜して、電
着用の第1のITO透明導電層(厚み113nm、シー
ト抵抗13Ω/SQ)を形成した。
【0057】次いで、このように形成した電着用の第1
のITO透明導電層上に、感光性レジスト(東京応化工
業(株)製OFPR−800)をスピンコートにより塗
布してレジスト(層)(厚み2.5μm)を形成した。
このレジスト(層)に、ブラックマトリックス用のパタ
ーンを有するフォトマスクを介して露光を行った。この
露光は、超高圧水銀ランプを有する紫外線露光装置
((株)オーク製作所製JL3300)を用いて70m
J/cm2 の紫外線を照射して行った。次に、露光部分
を現像除去し、ブラックマトリックス用のパターンを有
するレジスト層を形成した。
【0058】次いで、下記の組成のブラックマトリック
ス用電着液中に、上記のITO透明導電層を陽極とし、
白金電極を陰極として、電極間隔50mmとなるように
ガラス基板を浸漬し、直流電圧28V、25℃で20秒
間通電して電着を行った。次に、電着液から取り出した
ガラス基板を充分に水洗した後、80℃、10分間の乾
燥を行ってブラックマトリックスを形成した。
【0059】 (ブラックマトリックス用電着液) アクリル樹脂 750.0重量部 (東亜合成化学(株)製 アロンS−4030) メラミン樹脂(住友化学(株)製 M−66B) 250.0重量部 トリエチルアミン 61.8重量部 カーボンブラック 333.0重量部 脱イオン水 11935.2重量部 次に、上記のレジスト層の未露光部を、赤色パターン用
のパターンを有するフォトマスクを介して露光を行っ
た。この露光は、超高圧水銀ランプを有する紫外線露光
装置((株)オーク製作所製 JL3300)を用いて
100mJ/cm2 の紫外線を照射して行った。次に、
露光部分を現像除去し、赤色パターン用のパターンでI
TO透明導電層を露出させた(現像凹部7R’の作
成)。
【0060】次に、このような当該現像凹部7R’およ
びブラックマトリックス6並びに未露光の(残余の)レ
ジスト(G,Bに相当する部分10G,10B)の上
に、アミノシランカップリング剤(信越化学工業(株)
製KBM602)のエチルセロソルブアセテート0.5
%溶液をスピンコート法で塗布し、その後、120℃で
30分乾燥してシラン系表面処理剤層を形成した。
【0061】次いで、このものを下記の組成の赤色(R
色)パターン用電着液中に浸漬し、ITO透明導電層を
陽極、白金電極を陰極として、ブラックマトリックス形
成と同様に電着を行った。次に、電着液から取り出した
ガラス基板を充分に水洗した後、80℃、10分間の乾
燥を行って透明性の良好な赤色パターン層(着色層R)
を形成した。
【0062】 (赤色パターン用電着液) アクリル樹脂 750.0重量部 (東亜合成化学(株)製 アロンS−4030) メラミン樹脂(住友化学(株)製 M−66B) 250.0重量部 トリエチルアミン 61.8重量部 ピグメントレッド48S(山陽工業(株)製) 500.0重量部 脱イオン水 13438.2重量部 さらに、上記のレジスト層の未露光部を、緑色(G色)
パターン用のパターンを有するフォトマスクを介して、
赤色パターン形成時と同様に露光を行い、その後、露光
部分を現像除去し、緑色パターン用のパターンでITO
透明導電層を露出させた(現像凹部7G’の作成)。
【0063】次に、このような当該現像凹部7G’およ
びブラックマトリックス6並びに未露光の(残余の)レ
ジスト(Bに相当する部分10B)の上に、上記と同様
な手法でシラン系表面処理剤層を形成した。
【0064】次いで、赤色顔料(ピグメントレッド48
S)の代わりに緑色顔料(フタロシアニングリーン)を
用いた他は、上記の赤色パターン層用の電着液と同様に
して作成した緑色パターン用の電着液を用いて、緑色
(G色)パターンの着色層の電着を行った。すなわち、
緑色パターン用電着液中に、ITO透明導電層を陽極と
し、白金電極を陰極として、電極間隔50mmとなるよ
うに基板を浸漬し、直流電圧30V、25℃で20秒間
通電して電着を行った。次に、電着液から取り出したガ
ラス基板を充分に水洗した後、80℃、10分間の乾燥
を行って透明性の良好な緑色パターン層(着色層G)を
形成した。
【0065】さらに、上記のレジスト層の未露光部を、
青色(B色)パターン用のパターンを有するフォトマス
クを介して、赤色パターン形成時と同様に露光を行い、
その後、露光部分を現像除去し、青色パターン用のパタ
ーンでITO透明導電層を露出させた(現像凹部7B’
の作成)。
【0066】次に、このような当該現像凹部7B’およ
びブラックマトリックス6の上に、上記と同様な手法で
シラン系表面処理剤層を形成した。
【0067】次いで、赤色顔料(ピグメントレッド48
S)の代わりに青色顔料(フタロシアニンブルー)を用
いた他は、上記の赤色パターン層用の電着液と同様にし
て作成した青色パターン用の電着液を用いて、青色(B
色)パターンの着色層の電着を行った。すなわち、青色
(B色)パターン用電着液中に、ITO透明導電層を陽
極とし、白金電極を陰極として、電極間隔80mmとな
るように基板を浸漬し、直流電圧30V、25℃で20
秒間通電して電着を行った。次に、電着液から取り出し
たガラス基板を充分に水洗した後、80℃、10分間の
乾燥を行って透明性の良好な青色パターン層(着色層
B)を形成した。
【0068】その後、200mJ/cm2 の紫外線を照
射し、残るレジスト層を現像して剥離した。これによ
り、ブラックマトリックス、赤色パターン、緑色パター
ンおよび青色パターンからなる着色層7R,7G,7B
を形成した。次いで、200℃で1時間硬化してカラー
フィルタ基板を得た。
【0069】このようにして得られたカラーフィルタ基
板の着色層を顕微鏡により観察したところ、R,G,B
の各画素についてピンホールの発生は全く発見されなか
った。
【0070】(実施例2)上記実施例1において用いた
シラン系表面処理剤層形成の材料を、ビニルシランカッ
プリング剤(信越化学工業(株)製KBM1003)の
エチルセロソルブアセテート0.5%溶液に変えた。そ
れ以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板を作
製した。このカラーフィルタ基板に対して、実施例1と
同様に評価した結果、着色層中のピンホールの発生は見
られなかった。
【0071】(実施例3)実施例1において用いたシラ
ン系表面処理剤層形成の材料を、表面改質剤ヘキサメチ
ルジシラザン(東レ・シリコーン(株)製SZ607
9)のエチルセロソルブアセテート0.5%溶液に変え
た。それ以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ基
板を作製した。このカラーフィルタ基板に対して、実施
例1と同様に評価した結果、着色層中のピンホールの発
生は見られなかった。
【0072】(比較例)実施例1におけるシラン系表面
処理剤層を形成しなかった。それ以外は実施例1と同様
にしてカラーフィルタ基板を作製した。このカラーフィ
ルタ基板に対して、実施例1と同様に評価した結果、着
色層中のピンホールの発生が確認された。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば本
発明によれば、露出した第1の透明導電層上に着色層を
電着する前に予め、シランカップリング処理を施して、
第1の透明導電層、ブラックマトリックス、およびレジ
ストの濡れ性を同じにしているので、基板を着色層形成
のための塗料中に浸漬した際に泡かみの発生が防止で
き、電着により形成された着色層中のピンホールの発生
が抑えられる。
【0074】従って、このように構成されたカラーフィ
ルタ基板と対向電極基板とを相対向させ、前記両基板間
に液晶層と密封してカラー液晶表示装置とすることによ
り、カラー液晶表示品質に優れ、しかも、正確な駆動が
可能で信頼性の高いカラー液晶表示装置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタ基板の一例を示す概略
構成図である。
【図2】本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概
略構成図である。
【図3】本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概
略構成図である。
【図4】本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概
略構成図である。
【図5】本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概
略構成図である。
【図6】本発明のカラーフィルタ基板の製造方法を説明
するための図である。
【図7】本発明のカラー液晶表示装置の一例を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
1…カラーフィルタ基板 2…透明基板 3…第1の透明導電層 4…シラン系表面処理剤層 6…ブラックマトリックス 7(7R,7G,7B)…着色層 8…第2の透明導電層 9…保護膜 21…カラー液晶表示装置 23…対向電極基板 25…液晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池上 圭 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 大美賀 広芳 神奈川県横浜市港北区篠原東三丁目20番17 号

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の透明基板と、該透明基板上に積
    層された第1の透明導電層と、第1の透明導電層の上に
    配列形成されたブラックマトリックスおよび着色層と、
    これらのブラックマトリックスおよび着色層の上に形成
    された第2の透明導電層を備えるカラーフィルタ基板に
    おいて、 前記第1の透明導電層と前記着色層との間、前記第2の
    透明導電層と前記ブラックマトリックスとの間、および
    隣接する着色層とブラックマトリックスとの間に表面処
    理剤層が介在されていることを特徴とするカラーフィル
    タ基板。
  2. 【請求項2】 絶縁性の透明基板と、該透明基板上に配
    列形成された第1の透明導電層と、第1の透明導電層の
    間隙に配列形成されたブラックマトリックスと、第1の
    透明導電層の上に配列形成された着色層と、これらのブ
    ラックマトリックスおよび着色層の上に形成された第2
    の透明導電層を備えるカラーフィルタ基板において、 前記第1の透明導電層と前記着色層との間、および隣接
    する着色層とブラックマトリックスとの間に表面処理剤
    層が介在されていることを特徴とするカラーフィルタ基
    板。
  3. 【請求項3】 前記着色層と前記第2の透明導電層との
    間に保護膜を備えることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載のカラーフィルタ基板。
  4. 【請求項4】 前記表面処理剤層は、シラン系の表面処
    理剤層である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    のカラーフィルタ基板。
  5. 【請求項5】 絶縁性の透明基板の上に第1の透明導電
    層を形成する工程と、 第1の透明導電層の上にレジストを塗布し所定パターン
    の露光・現像を行い現像凹部を形成して、当該現像凹部
    にブラックマトリックスを形成する工程と、 ブラックマトリックス形成後の未露光のレジストを所定
    パターンで露光・現像し着色層形成のための現像凹部を
    形成した後に、当該現像凹部およびブラックマトリック
    スの上に表面処理剤層を形成し、しかる後、この表面処
    理された着色層形成のための現像凹部に着色層を形成さ
    せる工程、を含むことを特徴とするカラーフィルタ基板
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 絶縁性の透明基板の上に第1の透明導電
    層を配列形成する工程と、 第1の透明導電層および絶縁性の透明基板の上にレジス
    トを塗布し所定パターンの露光・現像を行い第1の透明
    導電層の間隙に現像凹部を形成して、当該現像凹部にブ
    ラックマトリックスを形成する工程と、 第1の透明導電層の上およびブラックマトリックスの上
    にレジストを塗布し所定パターンの露光・現像を行い第
    1の透明導電層とブラックマトリックスの一部を露出さ
    せて着色層形成のための現像凹部を形成した後に、当該
    現像凹部の上に表面処理剤層を形成し、しかる後、この
    表面処理された着色層形成のための現像凹部に着色層を
    形成させる工程、を含むことを特徴とするカラーフィル
    タ基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記表面処理剤層は、シラン系の表面処
    理剤層である請求項5または請求項6に記載のカラーフ
    ィルタ基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 相対向するカラーフィルタ基板および対
    向電極基板と、前記両基板間に密封された液晶層とを有
    するカラー液晶表示装置において、 前記カラーフィルタ基板は、絶縁性の透明基板と、該透
    明基板上に積層された第1の透明導電層と、該第1の透
    明導電層の上に配列形成されたブラックマトリックスお
    よび着色層と、これらのブラックマトリックスおよび着
    色層の上に形成された第2の透明導電層を備え、 前記第1の透明導電層と前記着色層との間、前記第2の
    透明導電層と前記ブラックマトリックスとの間、および
    隣接する着色層とブラックマトリックスとの間に表面処
    理剤層が介在されていることを特徴とするカラー液晶表
    示装置。
  9. 【請求項9】 相対向するカラーフィルタ基板および対
    向電極基板と、前記両基板間に密封された液晶層とを有
    するカラー液晶表示装置において、 前記カラーフィルタ基板は、絶縁性の透明基板と、該透
    明基板上に配列形成された第1の透明導電層と、第1の
    透明導電層の間隙に配列形成されたブラックマトリック
    スと、第1の透明導電層の上に配列形成された着色層
    と、これらのブラックマトリックスおよび着色層の上に
    形成された第2の透明導電層を備え、 前記第1の透明導電層と前記着色層との間、および隣接
    する着色層とブラックマトリックスとの間に表面処理剤
    層が介在されていることを特徴とするカラー液晶表示装
    置。
  10. 【請求項10】 前記表面処理剤層は、シラン系の表面
    処理剤層である請求項8または請求項9に記載のカラー
    液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990070839A (ko) * 1998-02-25 1999-09-15 윤종용 컬러 필터 기판 및 그 제조 방법
US7899284B2 (en) 2006-01-06 2011-03-01 Tomoegawa Co., Ltd. Process for producing optical connector, apparatus for producing the same, and process for forming polymer coating
CN115268150A (zh) * 2022-07-19 2022-11-01 广州华星光电半导体显示技术有限公司 显示面板及其制作方法、显示装置

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