JPH09165740A - 地盤改良装置の固化材流路切換装置 - Google Patents

地盤改良装置の固化材流路切換装置

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JPH09165740A
JPH09165740A JP34819895A JP34819895A JPH09165740A JP H09165740 A JPH09165740 A JP H09165740A JP 34819895 A JP34819895 A JP 34819895A JP 34819895 A JP34819895 A JP 34819895A JP H09165740 A JPH09165740 A JP H09165740A
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兌 三原
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 掘削軸自体の構成のみならず、固化材供給系
全体の構成を著しく簡単かつ安価とすること。 【解決手段】 固化材供給流路が形成された掘削軸の外
周面には一対の流路切換部材が突設され、掘削軸に回転
自在に支持された円筒体には、掘削軸の円筒体に対する
相対回転の範囲を規定する一対のストッパが設けられた
地盤改良装置の固化材流路切換装置。流路切換部材が一
方に回転すると、固化材供給流路は軸方向吐出流路を規
定し、他方に回転すると、固化材供給流路は横方向吐出
流路を規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掘削軸に形成され
た実質上一本の固化材供給流路に供給される固化材を、
掘削軸の下端近傍において、掘削軸の回転作動のみによ
って、軸方向吐出又は横方向吐出に切換制御することが
できる、新規な地盤改良装置の固化材流路切換装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、杭打機、あるいは油圧ショベ
ル等の建設機械に装着された掘削軸下端の攪拌機を回転
させ、地盤に垂直孔を掘削すると共に、掘削軸から固化
材を吐出し、攪拌機により掘削土と固化材とを攪拌・混
練することによって地盤の改良を行なう、地盤改良装置
は当業者には広く知られ、実用に供されている。
【0003】前記形態の地盤改良装置において、掘削軸
をそれぞれ攪拌翼が連結された内筒軸と外筒軸による二
重軸に構成し、内筒軸内に内側固化材供給流路を形成
し、内筒軸と外筒軸との間に外側固化材供給流路を形成
し、固化材を、内側固化材供給流路を通して掘削軸の下
端から軸方向に吐出させると共に外側固化材供給流路を
通して掘削軸の攪拌翼の近傍から横方向に吐出させるよ
うにして、地盤の改良を行なうようにしたものが知られ
ている(例えば、実開平5−61225号公報参照)。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】前記形態の地盤改良装置においては、固化
材を軸方向及び横方向に吐出させるために、掘削軸を二
重軸構造として二つの固化材供給流路を形成し、それぞ
れの流路に固化材が独立して供給されるよう構成されて
いる。すなわち固化材の供給は軸方向吐出用の固化材供
給系と横方向吐出用の固化材供給系との二系列を必要と
していた(固化材供給ポンプ、固化材供給ホース、掘削
軸に設けられたスイベルジョイント及び前記固化材供給
流路等からなる固化材供給系が二系列となる)。その結
果、掘削軸自体の構成のみならず、固化材供給系全体の
構成が著しく複雑かつ高価となり、改善が要望されてい
た。
【0005】本発明は前記事実に基づいてなされたもの
で、その目的は、掘削軸自体の構成のみならず、固化材
供給系全体の構成を著しく簡単かつ安価とすることがで
きる、新規な地盤改良装置の固化材流路切換装置を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明によれば、内部には固化材供給流路が形成さ
れ下端には削孔刃体が装着された掘削軸と、該掘削軸の
該削孔刃体より上方に回転自在に支持された円筒体と、
該掘削軸の該円筒体の直上部の外周面から相反する外方
に延出するよう固定された一対の流路切換部材と、該円
筒体の上端外周面に周方向に等間隔を置いて突設され該
掘削軸の該円筒体に対する相対回転を該間隔の範囲内に
規定するよう該流路切換部材の相対回転を阻止する一対
のストッパと、該円筒体を含む該掘削軸の下端部領域に
設けられた攪拌翼とを備え、該円筒体の上端及び下端の
内周面と、対応する該掘削軸の外周面との間にはそれぞ
れシール手段が介在されて該上端及び下端間に密封領域
が形成され、該密封領域において、該円筒体には一対の
側面吐出横孔が、また該円筒体の内周面には一対の縦溝
が形成され、該掘削軸には上横孔と下横孔が形成され、
該流路切換部材の一方向の回転が該ストッパに阻止され
た状態で、該固化材供給流路は、該上横孔、該縦溝の各
々及び下横孔を介して連通される軸方向吐出流路を規定
し、該流路切換部材の他方向の回転が該ストッパに阻止
された状態で、該固化材供給流路は、該上横孔及び該側
面吐出横孔の各々を介して連通される横方向吐出流路を
規定する、ことを特徴とする地盤改良装置の固化材流路
切換装置、が提供される。
【0007】本発明による地盤改良装置の固化材流路切
換装置において、掘削軸が一方向、例えば上方から見て
時計方向に回転駆動されると、それと一体の流路切換部
材の各々が円筒体の各ストッパにより規定される周方向
の間を同方向に相対回転した後、対応するストッパにそ
の回転を阻止される。このことに起因して、その後の掘
削軸の同方向の回転において、円筒体は流路切換部材の
各々及びストッパの各々を介して掘削軸と一体的に回転
させられ、両者の相対位置は変化しない。この一体的な
状態で、掘削軸に形成された固化材供給流路は、上横
孔、縦溝の各々及び下横孔を介して連通される軸方向吐
出流路を規定する。したがって、固化材供給流路に供給
された固化材は、上横孔、縦溝の各々及び下横孔を通っ
て掘削軸の下端から軸方向に吐出される。
【0008】逆に、掘削軸が他方向である反時計方向に
回転駆動されると、流路切換部材の各々が円筒体の各ス
トッパにより規定される周方向の間を同方向に相対回転
した後、対応するストッパにその回転を阻止される。こ
のことに起因して、その後の掘削軸の同方向の回転にお
いて、円筒体は流路切換部材の各々及びストッパの各々
を介して掘削軸と一体的に回転させられ、両者の相対位
置は変化しない。この一体的な状態で、掘削軸に形成さ
れた固化材供給流路は、上横孔及び側面吐出横孔の各々
を介して連通される横方向吐出流路を規定する。したが
って、固化材供給流路に供給された固化材は、上横孔を
通って側面吐出横孔の各々から横方向(半径方向外方)
に吐出される。
【0009】以上の説明から明らかなように、流路切換
部材の各々がストッパの各々間に設けられた周方向間隔
を相対回転することにより、掘削軸と円筒体との周方向
の相対位置が変更され、その結果、固化材供給流路の切
換が行なわれる。固化材供給流路の切換には特別な装置
を必要とせず、掘削軸の回転方向を変えるのみで自動的
に遂行される。
【0010】すなわち本発明においては、掘削軸に形成
された実質上一本の固化材供給流路に供給される固化材
を、掘削軸の下端近傍において、掘削軸の回転作動のみ
によって、軸方向吐出又は横方向吐出に切換制御するこ
とができる。その結果、固化材供給系を一系列とするこ
とができるので、掘削軸自体の構成のみならず、固化材
供給系全体の構成が著しく簡単となり、コストも大幅に
低減される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図10を参照して本
発明の実施の形態について説明する。なお、図1〜図1
0において同一部分は同一符号で示してある。先ず図1
を参照して、2は地盤改良装置、4はリーダであって、
杭打機6の前部に直立して設けられている。8は駆動装
置であって、リーダ4の頂部にワイヤ10により昇降自
在に吊り下げられている。12は掘削軸であって、その
上端は駆動装置8に連結され、下端には攪拌機14が連
結されている。16は掘削軸12のための振れ止めであ
って、リーダ4の下端部に装着されている。Gは地盤、
18は攪拌機14により掘削された垂直孔を示してい
る。掘削軸12は、後述するように、円筒状の外軸と、
外軸内に配置された中軸とから構成されている。駆動装
置8は、図示しない電動モータにより、これら外軸及び
中軸を互いに反対方向に回転させることができるよう構
成されている。
【0012】図2を参照して、掘削軸12は、中軸20
と、中軸20の外周に対し間隔を置いて配置された円筒
状の外軸22とを含んでいる。中軸20は、外軸22の
下端部から下方に延び出るよう配置されている。中軸2
0には、その全体は図示されていないが略その上端から
下端にわたり、実質上一本の固化材供給流路が形成され
ている。24は上外翼支持体であって、中軸20に回転
自在に支持されている。26は削孔刃体(削孔ヘッド)
であって、中軸20の延出部分の下端部、すなわち中軸
20の最下端に装着されている。削孔刃体26は、中軸
20の周面からその軸線に直交する両方向に羽根状に延
出するよう構成され、その下端に掘削刃が櫛状に形成さ
れている。28は下外翼支持体であって、削孔刃体26
より上方における中軸20の延出部分に回転自在に支持
されている。中軸20の延出部分にはまた後に詳述する
固化材流路切換装置40が設けられている。固化材流路
切換装置40は、上外翼支持体24と下外翼支持体28
の中間部に配置されている。攪拌機14の貫入時(掘削
時)には、中軸20は、駆動装置8によって上方から見
て時計方向に回転駆動され、また外軸22は、上方から
見て反時計方向に回転駆動される。
【0013】図7に示すように、中軸20は、中空円筒
体20a及びその下端部に離脱自在に連結されたジョイ
ント部20bを含んでいる。ジョイント部20bにはそ
の軸線と共通の軸線を有する貫通孔すなわち縦孔21が
形成されている。上外翼支持体24は、ジョイント部2
0bに軸受30及び32を介して回転自在に支持された
環状の主支持部材34と、主支持部材34の上部に重合
・連結された環状の部材35及び36と、主支持部材3
4の下部に重合・連結された環状の部材37及び38と
を備えている。部材35及び37とジョイント部20b
の外周面との間には複数のパッキン及びOリングが介在
され、部材36及び38とジョイント部20bの外周面
との間には複数のOリングが介在されている。上外翼支
持体24の潤滑部にはグリスが封入されるよう構成され
ている。図7から明らかなように、上外翼支持体24
は、ジョイント部20bに対し回転自在であるが軸方向
には移動できないよう支持されている。外軸22は中空
円筒体22aを含み、中空円筒体22aの下端は、上外
翼支持体24の部材36の上端部に離脱自在に連結され
ている。したがって、外軸22は上外翼支持体24を含
み、上外翼支持体24は外軸22の下端部を規定してい
る。
【0014】図2に示すように、ジョイント部20bの
下方には中軸20の一部を構成する他のジョイント部2
0cが離脱自在に連結され、ジョイント部20cの下端
には更に他のジョイント部20dが離脱自在に連結され
ている。ジョイント部20cには固化材流路切換装置4
0が設けられ、ジョイント部20dには下外翼支持体2
8が回転自在に支持され、ジョイント部20dの最下端
に削孔刃体26が離脱自在に装着されている。ジョイン
ト部20bの、上外翼支持体24より下方の部分、ジョ
イント部20c及びジョイント部20dは、中軸20の
前記延出部分を規定している。下外翼支持体28は上外
翼支持体24と実質上同一の構成を有しているので、説
明は省略する。
【0015】次に固化材流路切換装置40について説明
する。図2〜図4及び図8を参照して、42は円筒体で
あって、ジョイント部20cに回転自在にかつ軸方向に
は移動できないよう支持されている。44は一対の流路
切換部材であって、ジョイント部20cの円筒体42の
直上部の外周面から相反する外方に延出するよう固定さ
れている。実質上同一の構成をなす各流路切換部材44
は、それぞれ半径方向外方に延出する部分とその先端部
において軸線方向の下方に延出する部分とからなる、略
L形の平板部材からなり、両面が軸線に平行となるよう
位置付けられている。各流路切換部材44の下方に延出
する部分の半径方向内縁部は、円筒体42の上端外周面
に隙間を置いて位置付けられている。46は一対のスト
ッパであって、円筒体42の上端外周面に周方向に等間
隔を置いて突設されている。実質上同一の構成をなす各
ストッパ46は、断面が矩形をなす円弧状の細長い板部
材ないしは帯状部材からなり、それぞれ周方向に略90
°の範囲にわたって延びている。各流路切換部材44
の、下方に延出する部分は、各ストッパ46間に形成さ
れた周方向間隔内に位置付けられている。掘削軸20、
すなわちジョイント部20cの円筒体に対する相対回転
は、各流路切換部材44が対応するストッパ46の周方
向縁部に当接することにより阻止される。したがって、
各ストッパ46は、掘削軸20の円筒体42に対する相
対回転を、各ストッパ46の周方向間隔の範囲内(略9
0°)に規定する。
【0016】円筒体42の上端及び下端の内周面にはそ
れぞれ複数のパッキンが配設されている。各パッキン
は、対応するジョイント部20cの外周面との間をシー
ルするシール手段を規定する。したがって、円筒体42
の上端及び下端間には密封領域が形成される。この密封
領域において、ジョイント部20cには上横孔48と下
横孔50が軸方向に間隔を置いてかつ周方向の同一位置
に形成され、また円筒体42の内周面には一対の縦溝5
2が周方向に等間隔を置いて形成され、更に円筒体42
の上横孔48に対応する軸方向位置には一対の側面吐出
横孔54が周方向に等間隔を置いて形成されている。上
横孔48及び下横孔50の各軸線は、それぞれジョイン
ト部20cの軸線を水平にクロスするよう位置付けられ
ている。図5に示すように、各側面吐出横孔54には中
軸20の固化材供給流路の側面吐出口を規定する部材5
4aが配設され、各部材54aにはハットバルブ54b
が配設され、通常は該側面吐出口を閉じている。各ハッ
トバルブ54bは可撓性を有する板部材、例えば合成ゴ
ム板からなり、したがって固化材の供給圧により該側面
吐出口を開く。なお、図4及び図6は各ハットバルブ5
4bは省略して示している。
【0017】ジョイント部20cには上縦孔56と下縦
孔58とが形成されている。上縦孔56の下端は上横孔
48に開口し、上端は前記ジョイント部20bの縦孔2
1に接続されている。下縦孔58の上端は下横孔50に
開口し、下端は前記ジョイント部20dに形成された図
示しない縦孔に接続されている。ジョイント部20dに
形成された縦孔はその下端に開口し、この開口は中軸2
0の固化材供給流路の軸線方向の吐出口を規定してい
る。前記ジョイント部20bの縦孔21の上端は、前記
中空円筒体20aの中空部(縦孔)に接続され、この中
空部は、中軸20の上端まで延在し、スイベルジョイン
ト、固化材供給ホース等を介して固化材供給ポンプに接
続されている(何れも図示せず)。これらの各縦孔は、
中軸20に形成された、実質上一本の固化材供給流路を
規定する。
【0018】図3及び図4は、中軸20が時計方向に回
転し、各流路切換部材44が対応するストッパ46の周
方向の一端に当接して、円筒体42に対する同方向の相
対回転が阻止された状態を示している。この状態におい
て、各側面吐出横孔54はジョイント部20cの外周面
により閉じられ、上横孔48及び下横孔50は縦溝52
の各々を介して連通される。すなわちジョイント部20
cの上縦孔56と各側面吐出横孔54との連通が遮断さ
れ、上縦孔56と下縦孔58とが連通するので、中軸2
0の固化材供給流路は軸方向吐出流路を規定する。した
がって固化材供給流路に供給された固化材は、全て、ジ
ョイント部20dの下端、すなわち中軸20の最下端に
形成された図示しない吐出口から軸線方向に吐出され
る。
【0019】図5及び図6は、中軸20が反時計方向に
回転し、各流路切換部材44が対応するストッパ46の
周方向の他端に当接して、円筒体42に対する同方向の
相対回転が阻止された状態を示している。この状態にお
いて、下横孔50は円筒体42の内周面により閉じら
れ、上横孔48が側面吐出横孔54の各々に連通され
る。すなわちジョイント部20cの上縦孔56と下縦孔
58との連通が遮断され、上縦孔56と側面吐出横孔5
4の各々とが連通するので、中軸20の固化材供給流路
は横方向吐出流路を規定する。したがって固化材供給流
路に供給された固化材は円筒体42の側面吐出口の各々
から横方向(半径方向外方)に吐出される。
【0020】図2を参照して、中軸20の前記延出部分
には、上述したとおり、それと一体的に回転しうる一対
の流路切換部材44、円筒体42等が設けられている。
したがって、この延出部分は、流路切換部材44、円筒
体42等を含む中軸20の下端部領域を規定する。中軸
20の下端部領域には攪拌翼が取り付けられている。具
体的に説明すると、円筒体42の外周面には、一対の水
平翼60が取り付けられている。水平翼60の各々は、
矩形の細長い板状部材からなり、円筒体42の外周面か
ら互いに反対方向にかつ水平に延出するよう、それぞれ
の一端が該外周面に固定されている。前記流路切換部材
44の各々は、前記したようにそれぞれ略L形の平板部
材からなり、攪拌翼としての機能をも有している。した
がって各水平翼60及び各流路切換部材44は内翼を規
定する。
【0021】次に、外軸22の下端部に連結され、それ
と一体に回転する外翼70について説明する。72はそ
れぞれ実質上同一の構成をなす三つの縦翼であって、そ
れぞれ細長い板状部材から形成されている。74は周方
向に間隔を置いて配置された三つの上水平翼であって、
縦翼72の各々の上端部と上外翼支持体24との間を離
脱自在にかつそれぞれの半径方向の長さを変えうるよう
連結している。76は周方向に間隔を置いて配置された
三つの下水平翼であって、縦翼72の各々の下端部と下
外翼支持体28との間を離脱自在にかつそれぞれの半径
方向の長さを変えうるよう連結している。
【0022】各縦翼72の各々の上端部内側には、半径
方向内方に水平に延出する上水平翼片74aが取り付け
られている。上水平翼片74aの各々は矩形の板状部材
からなり、それぞれの一端が該内側に固定されている。
各上水平翼片74aには図示しない一つの取付孔対が形
成されている。各縦翼72の各々の下方における内側に
も、上水平翼片74aと実質上同一の構成を有する下水
平翼片76aが、同様の形態で取り付けられている。各
縦翼72の各々の内側であって、上水平翼片74aと下
水平翼片76aとの中間位置には、水平翼78が取り付
けられている。各水平翼78は、取付孔対が形成されて
いないことを除き、前記上水平翼片74a及び下水平翼
片76aと略同一の構成を有すると共に、それらと同様
の形態で対応する縦翼72に取り付けられている。
【0023】上外翼支持体24の主支持部材34(図7
参照)の外周面には、半径方向外方に水平に延出する三
つの上水平翼片74bが取り付けられている。上水平翼
片74bの各々は実質上同一の構成をなす矩形の板状部
材からなり、それぞれの一端が該外周面に固定されてい
る。上水平翼片74bの各々は、周方向に等間隔を置い
て配置されている(したがって上水平翼片74bの各々
の周方向ピッチは120°となる)。各上水平翼片74
bにはその長手方向に間隔を置いて図示しない複数の取
付孔対が配列されている。下外翼支持体28の外周面に
も、上水平翼片74bと実質上同一の構成を有する下水
平翼片76bが、同様の形態で取り付けられている。
【0024】前記上水平翼片74aの各々の取付孔対
は、対応する上水平翼片74bの取付孔対の各々と整合
しうるよう構成され、前記下水平翼片76aの各々の取
付孔対は、対応する下水平翼片76bの取付孔対の各々
と整合しうるよう構成されている。上水平翼片74aの
各々は、対応する上水平翼片74bの取付孔対の一つを
介して図示しないボルト・ナットにより離脱自在に連結
され、また下水平翼片76aの各々は、対応する下水平
翼片76bの取付孔対の一つを介して図示しないボルト
・ナットにより離脱自在に連結されている。この装着状
態において、各上水平翼片74aとこれに対応する上水
平翼片74bとは各上水平翼74を規定し、各下水平翼
片76aとこれに対応する下水平翼片76bとは各下水
平翼76を規定する。前記各水平翼78は、中軸20に
取り付けられた一対の流路切換部材44と一対の水平翼
60の上下方向中間に、相互に干渉しないよう配置され
ている。
【0025】次に、以上のように構成された、固化材流
路切換装置40を含む攪拌機14を備えた地盤改良装置
2の作用について説明する。図1〜図3を参照して、先
ず、地盤改良装置2は所定の位置に移動させられ、据え
付けが行なわれる。駆動装置8によって、掘削軸12の
中軸20を時計方向に、また外軸22を反時計方向にそ
れぞれ回転させながら攪拌機14を降下させて地盤Gに
貫入させる。中軸20の時計方向の回転により、円筒体
42は各流路切換部材44及び各ストッパ46を介して
中軸20と一体的に回転させられる。地盤Gの掘削は、
中軸20の下端に装着され、攪拌機14の最下端を規定
する削孔刃体26が時計方向に回転しながら地盤Gに作
用することにより遂行される。中軸20の固化材供給流
路に供給された固化材(この実施の形態ではセメント系
固化材)は、固化材流路切換装置40において、上縦孔
56、上横孔48、縦溝52の各々、下横孔50及び下
縦孔58を通って最下端の吐出口から軸線方向に吐出さ
れる。
【0026】削孔刃体26により掘削された掘削土は、
次に、削孔刃体26の上部に位置する外翼70及び内翼
(60、44)からなる攪拌部分により固化材と攪拌・
混練される。内翼である水平翼60及び流路切換部材4
4は削孔刃体26と一体的に時計方向に回転し、外翼7
0の縦翼72、上水平翼74、中間水平翼78及び下水
平翼76は反時計方向に回転するので、前記攪拌作用は
効果的に遂行される。以上のようにして、削孔刃体26
を含む攪拌機14は所定深さまで地盤Gを掘削、攪拌・
混練して垂直孔18を形成する。
【0027】次いで中軸20及び外軸22をそれぞれ前
記と逆方向に回転させながら攪拌機14を垂直孔18か
ら引き抜く。中軸20が反時計方向に回転させられる
と、各流路切換部材44は円筒体46に対し各ストッパ
46により規定された周方向の間を相対回転した後、そ
れらに当接する。この間に中軸20と円筒体46との相
対位置が変更される。次いで円筒体42は各流路切換部
材44及び各ストッパ46を介して中軸20と一体的に
回転させられる。中軸20の固化材供給流路に供給され
た固化材は、固化材流路切換装置40において、上縦孔
56、上横孔48及び側面吐出横孔54を通って、側面
吐出口の各々から横方向に吐出される。この場合、固化
材は、前記と逆方向にそれぞれ回転する外翼70及び内
翼(60、44)が存在する攪拌部に吐出されるので、
攪拌は一層効果的かつ効率的に遂行される。以上により
地盤中には強固な改良柱体が造成される。
【0028】なお、前記掘削を遂行するに際して、掘削
すべき垂直孔18の径を変更する場合には、垂直孔18
の径に合わせて、各上水平翼片74aの、対応する上水
平翼片74bに対する取り付け位置及び各下水平翼片7
6aの、対応する下水平翼片76bに対する取り付け位
置をそれぞれ変更することにより、各上水平翼74及び
各下水平翼76の半径方向の長さ、したがって各縦翼7
2の最大回転半径を所定値に規定することができる。ま
た削孔刃体26を垂直孔18の径に合わせて交換するこ
とにより、削孔刃体26の最大回転半径を前記所定値に
規定することができる。この実施の形態においては、各
上水平翼片74b及び各下水平翼片76bには、複数の
取付孔対が半径方向に間隔を置いて配列されているの
で、径の異なる複数の垂直孔18を掘削することができ
る。また削孔刃体26は径の異なる複数が用意される。
各縦翼72の重量は、各上水平翼片74a、各下水平翼
片76a及び水平翼78を含んでいても、攪拌機14全
体に比べ著しく軽量である。その結果、掘削すべき垂直
孔18の径の変更作業はきわめて簡単となる。更に、垂
直孔18の径の相違に対応して用意すべき部材は削孔刃
体26のみであり、大幅なコストダウンを図ることがで
きる。
【0029】図9は、前記固化材流路切換装置40を適
用した攪拌機の他の形態を示すもので、固化材流路切換
装置40は単一の掘削軸80に配設されている。82及
び84はそれぞれ一対の水平翼であって、固化材流路切
換装置40の直上部及び直下部における掘削軸80に取
り付けられている。掘削軸80が時計方向に回転させら
れると、掘削軸80に設けられた固化材供給流路は、固
化材流路切換装置40により軸方向吐出流路を規定し、
また、掘削軸80が反時計方向に回転させられると、掘
削軸80に設けられた固化材供給流路は、固化材流路切
換装置40により横方向吐出流路を規定する。
【0030】図10は、前記固化材流路切換装置40を
適用した攪拌機の更に他の形態を示すもので、固化材流
路切換装置40を配設した単一の掘削軸80が平行に配
列されている。各掘削軸80は相互に同方向に回転駆動
されると共に、地盤Gに対し一体的に貫入され、また引
き抜かれる。各掘削軸80の貫入時には、各掘削軸80
に設けられた固化材供給流路は、それぞれ固化材流路切
換装置40により軸方向吐出流路を規定し、また、掘削
軸80の引抜き時には、各固化材供給流路は、それぞれ
固化材流路切換装置40により横方向吐出流路を規定す
る。各掘削軸80が相互に逆方向に回転駆動される場合
においても、固化材の供給は実質上同様にして遂行され
るよう構成される。
【0031】以上、本発明に従って構成された地盤改良
装置の固化材流路切換装置攪拌機の実施の形態について
説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形
あるいは修正が可能である。例えば、各流路切換部材4
4はそれぞれ略L形の平板部材からなり、その下方は円
筒体42の上端外周面に延出するよう構成され、円筒体
42のストッパの各々は、円弧状の細長い板部材ないし
は帯状部材から構成されているが、これらの部材の形状
及び配置はこの実施の形態に限られる理由はない。要
は、掘削軸が円筒体に対し周方向に所定の範囲だけ両方
向に相対回転でき、それ以上は両者が一体に回転できる
よう、それぞれの形状及び配置を規定すればよい。
【0032】
【発明の効果】本発明に従って構成された地盤改良装置
の固化材流路切換装置によれば、掘削軸に形成された実
質上一本の固化材供給流路に供給される固化材を、掘削
軸の下端近傍において、掘削軸の回転作動のみによっ
て、軸方向吐出又は横方向吐出に切換制御することがで
きる。その結果、固化材供給系を一系列とすることがで
きるので、掘削軸自体の構成のみならず、固化材供給系
全体の構成が著しく簡単となり、コストも大幅に低減さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従って構成された固化材流路
切換装置の実施の形態が適用された攪拌機を備えた地盤
改良装置の側面概略図。
【図2】図1に示す攪拌機において、周方向に等間隔を
有する三つの縦翼のうちの二つを平面に展開した状態で
示す拡大側面図。
【図3】図2に示す攪拌機に適用されている固化材流路
切換装置の一つの作動形態を示す断面図。
【図4】図3のA−A矢視断面図。
【図5】図3に示す固化材流路切換装置の他の作動形態
を示す部分断面図。
【図6】図5のB−B矢視断面図。
【図7】図2に示す攪拌機の上外翼支持体の一部を破断
して示す側面図。
【図8】図3に示す固化材流路切換装置の斜視概略図。
【図9】本発明に従って構成された固化材流路切換装置
を適用した攪拌機の他の形態を示す側面図。
【図10】本発明に従って構成された固化材流路切換装
置を適用した攪拌機の更に他の形態を示す側面図。
【符号の説明】
2 地盤改良装置 8 駆動装置 12 掘削軸 14 攪拌機 18 垂直孔 20 中軸 22 外軸 24 上外翼支持体 26 削孔刃体 28 下外翼支持体 40 固化材流路切換装置 42 円筒体 44 流路切換部材 46 ストッパ 48 上横孔 50 下横孔 52 縦溝 54 側面吐出横孔 60 水平翼 70 外翼 72 縦翼 74 上水平翼 74a及び74b 上水平翼片 76 下水平翼 76a及び76b 下水平翼片 78 水平翼 80 掘削軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部には固化材供給流路が形成され下端
    には削孔刃体が装着された掘削軸と、該掘削軸の該削孔
    刃体より上方に回転自在に支持された円筒体と、該掘削
    軸の該円筒体の直上部の外周面から相反する外方に延出
    するよう固定された一対の流路切換部材と、該円筒体の
    上端外周面に周方向に等間隔を置いて突設され該掘削軸
    の該円筒体に対する相対回転を該間隔の範囲内に規定す
    るよう該流路切換部材の相対回転を阻止する一対のスト
    ッパと、該円筒体を含む該掘削軸の下端部領域に設けら
    れた攪拌翼とを備え、 該円筒体の上端及び下端の内周面と、対応する該掘削軸
    の外周面との間にはそれぞれシール手段が介在されて該
    上端及び下端間に密封領域が形成され、 該密封領域において、該円筒体には一対の側面吐出横孔
    が、また該円筒体の内周面には一対の縦溝が形成され、
    該掘削軸には上横孔と下横孔が形成され、 該流路切換部材の一方向の回転が該ストッパに阻止され
    た状態で、該固化材供給流路は、該上横孔、該縦溝の各
    々及び下横孔を介して連通される軸方向吐出流路を規定
    し、 該流路切換部材の他方向の回転が該ストッパに阻止され
    た状態で、該固化材供給流路は、該上横孔及び該側面吐
    出横孔の各々を介して連通される横方向吐出流路を規定
    する、ことを特徴とする地盤改良装置の固化材流路切換
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001049657A (ja) * 1999-08-09 2001-02-20 Toa Kohatsu Kk 地盤の改良工法および注入装置
JP2021059853A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社テノックス 合成コラムの築造方法および築造装置

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