JPH09165394A - 新規リン酸ジエステル - Google Patents

新規リン酸ジエステル

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JPH09165394A
JPH09165394A JP8260831A JP26083196A JPH09165394A JP H09165394 A JPH09165394 A JP H09165394A JP 8260831 A JP8260831 A JP 8260831A JP 26083196 A JP26083196 A JP 26083196A JP H09165394 A JPH09165394 A JP H09165394A
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JP
Japan
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tocopherol
compound
ascorbic acid
acid
reaction
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Withdrawn
Application number
JP8260831A
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English (en)
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Masayuki Nakamura
雅之 中村
Kazumi Ogata
一美 緒方
Yukihiro Sakagami
享宏 阪上
Noriko Saito
則子 斎藤
Masahito Iemura
雅仁 家村
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた抗酸化剤(ラジカル消去剤)および虚血
性臓器障害(たとえば心筋梗塞、心不全、不整脈、脳梗
塞、脳卒中、腎不全など)予防・治療剤を提供する。 【解決手段】式(I) 【化1】 で表されるL−アスコルビン酸の5位の水酸基とトコフ
ェロールの水酸基がリン酸を介してエステル結合したリ
ン酸ジエステルまたはその薬理学的に許容できる塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規かつ有用なリ
ン酸ジエステル、その製造法、それを含有してなる抗酸
化剤および虚血性臓器障害予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素は、生物が生きる上に不可欠な物質
であると同時に酸化障害を引き起こす有害物質でもあ
る。生体内において、酸素は、大部分が生命現象を維持
するためのエネルギー代謝系の電子受容体として機能す
る。しかしながら一方では、過酸化脂質生成による生体
膜の損傷、酸化還元系への障害、または好中球の過剰防
衛による正常組織への障害などさまざまな組織機能に障
害をもたらす原因ともなっている(島崎弘幸,The Lipi
d,3(3),222-228(1992-4))。
【0003】従来、かかる活性化された酸素(活性酸
素)による反応を抑制する薬剤、とりわけ生体膜の脂質
の酸化を抑制し、膜安定化作用を有する薬剤として、L
−アスコルビン酸やdl−α−トコフェロールなどが知ら
れている。しかしながら、これらはいずれもその作用の
強さ、水溶性および安定性などの点で医薬品として実用
化するうえで問題があった。
【0004】また、すでにL−アスコルビン酸の2位の
水酸基とトコフェロールの水酸基がリン酸を介してエス
テル結合したリン酸ジエステルは、その抗酸化作用によ
る虚血性臓器障害予防・治療効果を有することが報告さ
れている(特開平2-111722号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、本
発明者らは、さらに強力な抗酸化作用および優れた水溶
性を示す、上記の類縁化合物を得るべく種々研究を重ね
てきた。その結果、下記の式(I) で表されるリン酸ジエ
ステルおよびその薬理学的に許容できる塩の合成に成功
し、しかも、これら化合物が強力な抗酸化作用および虚
血性臓器障害予防・治療効果並びに優れた水溶性を有す
ることを見出した。本発明はこれら新知見に基づき完成
されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)式(I)
【化3】
【0007】で表されるL−アスコルビン酸の5位の水
酸基とトコフェロールの水酸基がリン酸を介してエステ
ル結合したリン酸ジエステルまたはその薬理学的に許容
できる塩(以下、本化合物(I) という。)、(2)トコ
フェロールがα−トコフェロールである本化合物(I) 、
(3)本化合物(I) の製造法、(4)本化合物(I) を含
有してなる抗酸化剤、並びに(5)本化合物(I) を含有
してなる虚血性臓器疾患予防・治療剤に関するものであ
る。
【0008】本化合物(I) の塩としては、薬理学的に許
容できる塩であればいずれのものであってもよく、たと
えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、
カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属
塩が挙げられる。
【0009】本化合物(I) は、次の反応式により、また
はこれに準じて適宜製造することができる。すなわち、
化合物(II)および化合物(III) を反応させて、化合物(I
V)とした後、化合物(IV)の保護基を離脱させることによ
り、本化合物(I) を製造することができる。
【0010】
【化4】
【0011】上記反応式中の化合物(II)は、2位および
3位の水酸基に保護基を有するアスコルビン酸を表し、
Aは保護基を示す。その保護基としては、ベンジル基や
メトキシメチル基などが挙げられる。
【0012】上記反応式中の化合物(III)は、ハロリン
酸エステル化されたトコフェロールを表し、Xは塩素、
臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を示す。トコフェロー
ルとしては、α−トコフェロール、β−トコフェロー
ル、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールが挙げら
れ、これらのいずれもが本発明の目的のため適宜に使用
することができる。ハロリン酸エステル化剤としては、
オキシ三塩化リンやオキシ三臭化リンなどが好ましい。
【0013】化合物(II)と化合物(III)から化合物(IV)
[Aは前記と同義である。]を得る反応は、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、アセトンなど
の常用の溶媒中で行われるが、反応に悪影響を及ぼさな
い溶媒であればその他いかなる有機溶媒でも用いること
ができる。この反応においては、脱ハロゲン化試薬とし
て有機塩基を用いるが、その塩基としては、ピリジン、
ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン
などが挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通
常は冷却下、室温または加温下に適宜反応が行われ、ま
た本反応は約50℃において約4時間程度で終了する。
【0014】化合物(IV)から本化合物(I) の反応は、ア
スコルビン酸の水酸基の保護基の種類により、通常行わ
れる方法を適宜選択して行う。たとえば、保護基がベン
ジル基の場合は、パラジウム−カーボン(5%)存在下で水
素を吹き込み(接触還元)、また保護基がメトキシメチ
ル基の場合は、通常用いられる酸、たとえば塩酸、硫
酸、リン酸などによって加水分解することにより本化合
物(I) を得ることができる。反応溶媒は酢酸エチル、メ
タノール、エタノール、水、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジクロロメタン、アセトンなどの常用の溶媒が
用いられるが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば
その他いかなる有機溶媒でもよい。反応温度は特に限定
されないが、通常は冷却下、室温または加温下に反応が
適宜行われ、また本反応は室温において約16時間程度
で終了する。
【0015】このようにして得られる本化合物(I) は、
文献未載の新規化合物であって、優れた抗酸化作用(ラ
ジカル消去作用)および優れた水溶性を有し、過酸化脂
質生成の抑制およびタンパクの架橋などを引き起こす生
体内酸化反応を効果的に抑制するので、虚血性臓器障害
(たとえば心筋梗塞、心不全、不整脈、脳梗塞、脳卒
中、腎不全など)の他、白内障などの種々の疾患の予防
・治療剤および老化防止剤として有利に用いられる。ま
た、本化合物(I) は更年期障害予防・治療剤および抗炎
症剤としても期待できる。さらに、本化合物(I) は、化
粧品用剤および食品に適宜配合することができる。
【0016】本化合物(I) を上記のような種々の疾患の
ための医薬品として用いる場合は、一般的に使用されて
いるあらゆる製剤形態で、たとえば錠剤、粉末、顆粒、
カプセル剤、シロップ剤、注射剤、点眼剤等の形態で、
経口的にまたは非経口的に、局所的または全身的に投与
することができる。これら製剤には通常用いられる担
体、賦形剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、保存剤、安定
化剤、乳化剤、粘稠剤、キレート剤、pH調整剤、溶解
補助剤、界面活性剤等の薬理学的に許容できる公知の添
加剤を適宜配合することができる。
【0017】また、本化合物(I) を化粧品用剤として用
いる場合は、紫外線吸収や美肌を目的とし、またはその
他の化粧品材料の安定化を目的として、クリーム剤、ロ
ーション剤や化粧水などに適宜配合することができる。
本化合物を化粧品用剤に配合させるときは、通常化粧品
用剤に用いられる成分を適宜添加することができる。
【0018】本化合物(I) を医薬品として使用する際の
投与量は、その化合物の種類、治療対象疾患の種類、投
与ルート、症状、患者の状態あるいは年齢などによって
も異なるが、たとえば注射剤の場合は、成人1日1回約
0.1mg〜約30mg、内服剤の場合は、成人1日数回、
1回量約1mg〜約100mg程度投与するのがよい。さら
に、成人患者の白内障治療のためには、1日数回、1回
数滴、その濃度が約0.01〜5(w/v)% 、好ましくは約0.05
〜2(w/v)% の点眼液を投与するのがよい。
【0019】また、本化合物(I) を化粧品用剤として用
いる場合は、その化合物の種類、配合しようとする化粧
品用剤の種類や配合目的などによっても異なるが、通常
約0.001 〜5(w/w)% 、好ましくは0.005 〜0.2(w/w)% 程
度配合することが望ましい。
【0020】さらに、本化合物(I) を抗酸化成分として
食品に添加する場合は、その化合物の種類や食品の種類
などによっても異なるが、通常0.001 〜5(w/w)% 程度、
好ましくは0.005 〜0.2(w/w)% 程度配合するのがよい。
【0021】本発明の製剤には、目的と必要に応じて、
本化合物のうち1種または2種以上を適宜組み合せて用
いることもできる。
【0022】
【実施例】以下、実施例および製剤実施例を挙げて、本
発明をさらに詳細に説明する。
【0023】[実施例1] L-アスコルビン酸5-[3,4-
ジヒドロ-2,5,7,8- テトラメチル-2-(4,8,12- トリメチ
ルトリデシル)-2H-1- ベンゾピラン-6- イルハイドロジ
ェンホスフェイト]の合成 2,3-O- ジベンジル-5,6- O- イソプロピリデン-L
- アスコルビン酸の合成(公知化合物) 5,6-O−イソプロピリデン-L- アスコルビン酸100gを
N,N−ジメチルホルムアミド300ml とテトラヒドロフ
ラン250ml に溶解し、炭酸カリウム128gを加えた。この
液を30℃以下に保ちながら攪拌下、ベンジルブロマイド
206gを滴下した。反応液に酢酸60ml、精製水800ml を加
えて中和し、ジクロロメタン800ml で抽出した。抽出液
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液400ml で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで脱水後、減圧濃縮した。残渣を酢酸
エチル500ml とイソプロピルエーテル50mlで再結晶し、
結晶を減圧乾燥して、2,3-O- ジベンジル-5,6- O- イ
ソプロピリデン-L- アスコルビン酸80g を得た。
【0024】 2,3-O- ジベンジル-L- アスコルビン
酸の合成(公知化合物) このようにして得られた2,3-O- ジベンジル-5,6- O-
イソプロピリデン-L-アスコルビン酸80g をテトラヒド
ロフラン250ml 、稀塩酸200ml に溶解し、攪拌下40〜45
℃で2 時間反応させた。反応終了後、精製水300ml を加
え、酢酸エチル600ml で抽出し、抽出液を飽和食塩水で
洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで脱水
後、減圧濃縮した。さらに、残渣を酢酸エチル80mlとヘ
キサン600ml で再結晶し、結晶を減圧乾燥して、2,3-O
- ジベンジル-L- アスコルビン酸70g を得た。
【0025】 L-アスコルビン酸5-[3,4-ジヒドロ-
2,5,7,8- テトラメチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデシ
ル)-2H-1- ベンゾピラン-6- イルハイドロジェンホスフ
ェイト]カリウム塩の合成 このようにして得られた2,3-O- ジベンジル-L- アスコ
ルビン酸20g をテトラヒドロフラン200ml に溶解し、ピ
リジン10g を加えた。トコフェロールホスホロジクロリ
デート28g をテトラヒドロフラン50mlに溶解し、2,3-O
- ジベンジル-L- アスコルビン酸の溶液に滴下して、そ
の後50℃で4時間反応させた。反応終了後、不溶物を濾
去し、氷冷下希塩酸200ml を加え攪拌した。この液に酢
酸エチル300ml を加えて抽出し、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液300ml で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水
した。次いで酢酸エチルを減圧留去した。残渣を酢酸エ
チル300ml に溶解し、パラジウム−カーボン(5%)4.0gを
加えて常圧で水素を吹き込んで約16時間接触還元した。
反応終了後、パラジウム−カーボンを濾去して3.5%の
塩酸で洗浄後、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで脱水
後、酢酸エチルを減圧留去してオイル状物26g を得た。
このオイル状物200mg を下記に示す条件を用い、HPLCに
より主成分を分取した。これを6回繰り返し得られた溶
離液を合わせ約1/3 まで濃縮後、同量の酢酸エチルと精
製水を加え抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシ
ウムで脱水後、酢酸エチルを減圧留去して無色のオイル
状物を得た。これをイソプロピルアルコール40mlに溶解
して1N- 水酸化カリウム/イソプロピルアルコール溶
液を加えてpH6 に調整して、結晶を析出させた。結晶を
遠心分離機で採取した後、減圧乾燥して、目的化合物で
あるL-アスコルビン酸5-[3,4-ジヒドロ-2,5,7,8- テト
ラメチル-2-(4,8,12- トリメチルトリデシル)-2H-1- ベ
ンゾピラン-6- イルハイドロジェンホスフェイト]カリ
ウム塩90mgを得た。
【0026】(HPLC 分取条件) カラム:YMC−Pack ODS S−5 20×250mm 移動層:結晶リン酸二水素ナトリウム0.4g、塩化ナトリ
ウム0.3gおよび過塩素酸ナトリウム11.2g を水200ml に
溶解し、メタノール500ml およびアセトニトリル450ml
を加える。この液にリン酸を加えてpH4 に調整する。 流量:20ml/min. 波長:225nm
【0027】IR(cm -1,KBr)3405(O-H),2927(chain, C-
H),1764(C=O),1681(C=C),1461(C-H),1087(P-O-C).
【0028】1 H- NMR(CD3OD270 MHz)δ:
0.84-0.89(m,12H),1.11-1.58(m,21H),1.20(s,3H),1.74-
1.80(m,2H),2.03(s,3H),2.15(s,3H),2,19(s,3H),2.58
(t,2H),3.67(dd,1H),3.85(dd,1H),4.56-4.65(m,1H),4.9
6(dd,1H) .
【0029】13C−NMR(CD3OD67.5MHz)δ:
12.1,13.5,14.4,20.1,20.2,21,8,22.1,23.1,24.2,25.4,
25.9,29.2,32.8,33.9,38.3,38.8,40.6,40.8,62.4,64.7,
75.9,76.3,118.4,120.3,123.2,127.0,128.8,144.2,144.
3,148.9,154.7,173.5.
【0030】SIMS−MSm/s707(M+H)+
【0031】[実施例2]ラット脳ホモジネートの自動
酸化に対するL-アスコルビン酸5-[3,4-ジヒドロ-2,5,
7,8- テトラメチル-2-(4,8,12- トリメチルトリデシル)
-2H-1- ベンゾピラン-6- イルハイドロジェンホスフェ
イト]カリウム塩の効果
【0032】ラットはWistar系( 雄, 11週齢) を用い
た。断頭後、脳を取り出し1g 当たり4ml の50mMリン酸
食塩緩衝液(pH7.4) を加えてホモジナイズし遠心分離(1
000g,10 分間) 後、上清を採取した。試験溶液は10-7
10-4M(エタノール最終濃度1%になるように溶解) とし
た。試験溶液100 μl に上記脳ホモジネート200 μl と
リン酸食塩緩衝液700 μl を加えて37℃で30分間インキ
ュべートし脂質過酸化反応を起こした。反応を35% 過塩
素酸200 μl を添加し停止させ、遠心分離(1300g,10 分
間) し、その上清のMDA( マロンジアルデヒド) 値を
TBA(チオバルビツール酸)法により測定した。
【0033】その結果を表1に示す。
【表1】濃度(M) 過酸化脂質生成抑制率(%) 10-4 98.5 10-5 98.7 10-6 93.310-7 24.7
【0034】表1から明らかなように、L-アスコルビン
酸5-[3,4-ジヒドロ-2,5,7,8- テトラメチル-2-(4,8,12
- トリメチルトリデシル)-2H-1- ベンゾピラン-6- イル
ハイドロジェンホスフェイト]カリウム塩はラット脳ホ
モジネートの自動酸化を顕著に抑制した。
【0035】[実施例3]L-アスコルビン酸5-[3,4-ジ
ヒドロ-2,5,7,8- テトラメチル-2-(4,8,12- トリメチル
トリデシル)-2H-1- ベンゾピラン-6- イルハイドロジェ
ンホスフェイト]カリウム塩のDPPH(1,1-ジフェニ
ル-2- ピクリルヒドラジル) ラジカル消去能0.11mM-
DPPHエタノール溶液2.7ml に試験溶液300 μl を加
え攪拌した後、20分間放置し、波長517nm における吸光
度を測定した。以下の式に従い、各試験溶液のラジカル
消去率(%)を求めた。
【0036】
【数1】ラジカル消去率(%)=(コントロールの吸光
度−試料溶液の吸光度)/コントロールの吸光度×10
【0037】その結果を表2に示す。
【表2】 濃度(M) ラジカル消去率(%) 10-3 96.7 10-4 97.3 5×10-5 71.710-5 13.1
【0038】表2から明らかなように、L-アスコルビン
酸5-[3,4-ジヒドロ-2,5,7,8- テトラメチル-2-(4,8,12
- トリメチルトリデシル)-2H-1- ベンゾピラン-6- イル
ハイドロジェンホスフェイト]カリウム塩はDPPHラ
ジカルを顕著に消去した。
【0039】[製剤実施例1]注射剤 L-アスコルビン酸5-[3,4-ジヒドロ-2,5,7,8- テトラメ
チル-2-(4,8,12- トリメチルトリデシル)-2H-1- ベンゾ
ピラン-6- イルハイドロジェンホスフェイト] カリウム塩 20mg ブドウ糖 5g 注射用蒸留水 全量100ml 上記の成分を用いて、常法により注射剤を調製する。
【0040】[製剤実施例2]点眼剤 L-アスコルビン酸5-[3,4-ジヒドロ-2,5,7,8- テトラメ
チル-2-(4,8,12- トリメチルトリデシル)-2H-1- ベンゾ
ピラン-6- イルハイドロジェンホスフェイト] 以上の成分を常法により混和して点眼剤とする。
【0041】[製剤実施例3]内服錠 L-アスコルビン酸5-[3,4-ジヒドロ-2,5,7,8- テトラメ
チル-2-(4,8,12- トリメチルトリデシル)-2H-1- ベンゾ
ピラン-6- イルハイドロジェンホスフェイト] カリウム塩 100mg 乳糖 80mg デンプン 17mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 以上の成分を1錠分として常法により錠剤とする。
【0042】[製剤実施例4]化粧水 L-アスコルビン酸5-[3,4-ジヒドロ-2,5,7,8- テトラメ
チル-2-(4,8,12- トリメチルトリデシル)-2H-1- ベンゾ
ピラン-6- イルハイドロジェンホスフェイト] カリウム塩 1.0g クエン酸 0.1g グリセリン 5.0g エチルアルコール 8.0ml P−オキシ安息香酸メチル 0.1g 滅菌精製水 全量100ml 以上の成分を用いて常法により化粧水とする。
【0043】[製剤実施例5]化粧用クリーム剤 L-アスコルビン酸5-[3,4-ジヒドロ-2,5,7,8- テトラメ
チル-2-(4,8,12- トリメチルトリデシル)-2H-1- ベンゾ
ピラン-6- イルハイドロジェンホスフェイト] カリウム塩 1.0g ステアリン酸 2.0g ステアリルアルコール 7.0g スクワラン 5.0g オクチルドデカノール 6.0g ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル 3.0g グリセリンモノステアレート 2.0g プロピレングリコール 5.0g P−オキシ安息香酸メチル 0.2g P−オキシ安息香酸プロピル 0.1g 滅菌精製水 68.7g 以上の成分を混和して化粧用クリーム剤とする。
【0044】
【発明の効果】本化合物(I) は、優れた抗酸化作用(ラ
ジカル消去作用)および水溶性を有するので、虚血性臓
器障害(たとえば心筋梗塞、心不全、不整脈、脳梗塞、
脳卒中、腎不全など)の他、白内障などの種々の疾患の
予防・治療剤および老化防止剤として有利に用いられ
る。また、本化合物(I) は、更年期障害予防・治療剤お
よび抗炎症剤としても期待できる。さらに、本化合物
(I) は、化粧品用剤の紫外線吸収成分、美肌成分および
その他の化粧品材料の安定化成分としても、また、食品
添加物としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/665 ABQ A61K 31/665 ABQ ABR ABR ABS ABS ACV ACV ADS ADS AED AED AGZ AGZ C09K 15/32 C09K 15/32 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 (I) 【化1】 で表されるL−アスコルビン酸の5位の水酸基とトコフ
    ェロールの水酸基がリン酸を介してエステル結合したリ
    ン酸ジエステルまたはその薬理学的に許容できる塩。
  2. 【請求項2】 トコフェロールがα−トコフェロールで
    ある請求項1記載のリン酸ジエステルまたはその薬理学
    的に許容できる塩。
  3. 【請求項3】 2位および3位の水酸基に保護基を有す
    るアスコルビン酸(II)[式中Aは保護基を示す。]と、
    ハロリン酸エステル化されたトコフェロール(III) [式
    中Xはハロゲン原子を示す。]とを反応させて、化合物
    (IV)[式中Aは前記と同義である。]とした後、化合物
    (IV)の保護基を離脱させることを特徴とする、下記の反
    応式で示される、請求項1または2記載のリン酸ジエス
    テルまたはその薬理学的に許容できる塩の製造法。 【化2】
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のリン酸ジエステ
    ルまたはその薬理学的に許容できる塩を含有してなる抗
    酸化剤。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載のリン酸ジエステ
    ルまたはその薬理学的に許容できる塩を含有してなる虚
    血性臓器障害予防・治療剤。
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