JPH09164448A - 金属板の増肉加工方法 - Google Patents

金属板の増肉加工方法

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JPH09164448A
JPH09164448A JP34796595A JP34796595A JPH09164448A JP H09164448 A JPH09164448 A JP H09164448A JP 34796595 A JP34796595 A JP 34796595A JP 34796595 A JP34796595 A JP 34796595A JP H09164448 A JPH09164448 A JP H09164448A
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thickness
metal plate
heating
increase
longitudinal direction
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JP34796595A
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Yasuo Watanabe
康男 渡辺
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺の金属板の長手方向の一部領域に、片面
側のみに増肉させた厚肉部を形成する増肉方法を提供す
る。 【解決手段】 金属板1の長手方向の一部領域を、加熱
装置4で加熱して塑性変形容易な赤熱状態の加熱部5と
し、その加熱装置4を金属板1に沿って移動させること
で加熱部5を移動させ、同時に該加熱部5に圧縮装置3
で圧縮力を加えることで、その加熱部5を連続的に増肉
させ、その際、加熱部5の後端部分の周囲4面のうち、
広幅の面1Bとその両側の2面を金型7で規制すること
で、残りの1面1Aにのみ増肉を生じさせ、増肉発生直
後の部分に冷却装置6で冷却媒体6aを吹き付け、冷却
する構成とする。この方法により、金属板の片面のみに
増肉した厚肉部を連続的に形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺の金属板の長
手方向の一部領域を増肉して厚肉部を形成する金属板の
増肉加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の柱として、円筒状、角筒
状等の鋼管が使用されている。この鋼管製の柱に梁を接
続するには、通常、その柱の梁接続部に補強部材を取り
付けて補強を行っている。しかしながら、補強部材を取
り付けることは、余計な部品を要するのみならず、その
取付に人手作業を必要とし、コストアップの要因とな
る。そこで、鋼管の長手方向の一部領域に、あらかじめ
肉厚を増大させた厚肉部を形成しておき、その厚肉部を
梁接続部として用いることにより、補強部材を省略しう
ることが知られている。
【0003】この厚肉部を形成する一方法として、鋼管
の長手方向の小領域を加熱手段で局部的に加熱して赤熱
状態の加熱部を形成し、該加熱部を前記鋼管の長手方向
に相対的に移動させながら圧縮力を付与して増肉させ、
前記加熱部の後端部分を増肉直後に冷却することによ
り、鋼管を連続的に且つ局部的に増肉加工する方法が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、建築物の柱
には種々のサイズのものがあり、四角形断面の1辺が5
00mmを越えるような大型のものもある。このような
大型の柱は、通常4枚の長尺の鋼板を溶接等で接合して
組み立てているが、このような大型の柱に対しても、梁
接合部等に肉厚を大きくした厚肉部を形成しておくこと
が好ましい。しかしながら、大型の柱に対して上記した
増肉加工方法を適用しようとすると、実施するための装
置がきわめて大型化するので得策とは言えない。しか
も、柱の使用場所によっては、柱の内面側のみに増肉を
生じさせ、外面側には増肉を生じさせないことが望まし
い場合もある。
【0005】このように内面側のみに増肉を生じさせた
柱を製造するには、片面のみに増肉を生じさせた長尺の
鋼板を用意し、その鋼板を四角形に組み合わせ、溶接等
で接合すれば良いと考えられる。しかしながら、従来、
鋼板の長手方向の一部領域の片面のみを増肉させる加工
方法は知られていなかった。
【0006】本発明は、このような状況に鑑みて為され
たもので、鋼板等の長尺の金属板に対して、その長手方
向の一部領域を、片面側のみに増肉させることを可能と
した金属板の増肉加工方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願第一の発明は、従
来、鋼管の増肉加工方法として知られていた上述の増肉
加工方法を金属板に対して適用し、しかもその際、増肉
を生じさせるための加熱部に、その加熱部の周囲の4面
のうち、一つの広幅の面を除いた3面を成形手段で規制
し、残りの一つの広幅の面のみに増肉を生じさせるよう
にしたものである。
【0008】本願第二の発明は、第一の発明と同様に、
従来、鋼管の増肉加工方法として知られていた上述の増
肉加工方法を金属板に対して適用し、しかもその際、増
肉加工すべき金属板を2枚重ね合わせた状態に保持して
増肉加工を施すことで、2枚の金属板の互いに接する面
とは反対側の面に増肉を生じさせるようにしたものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、増肉加
工すべき金属板の長手方向の小領域を加熱手段で局部的
に加熱して赤熱状態の加熱部を形成し、該加熱部を前記
金属板の長手方向に相対的に移動させながら圧縮力を付
与して増肉させ、その際、前記加熱部の少なくとも後端
部分の周囲の4面のうち、一つの広幅の面を除いた3面
に成形手段を当接して面の位置を規制することで、前記
一つの広幅の面のみに増肉を生じさせ、前記加熱部の後
端部分を増肉直後に冷却する金属板の増肉加工方法であ
る。
【0010】この方法により、金属板の長手方向の所望
の領域に増肉加工を施すことができ、且つその増肉を生
じる加熱部の3面を増肉しないように規制したことで、
広幅の1面のみに増肉を生じさせることができ、片面の
みに増肉した金属板を得ることができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、2枚の増肉加工
すべき金属板を重ね合わせ、その2枚の金属板を重ね合
わせた状態に拘束した状態で、長手方向の小領域を加熱
手段で局部的に加熱して赤熱状態の加熱部を形成し、該
加熱部を前記金属板の長手方向に相対的に移動させなが
ら圧縮力を付与することで、前記2枚の金属板の互いに
接した面とは反対側の面に増肉を生じさせ、前記加熱部
の後端部分を増肉直後に冷却する金属板の増肉加工方法
である。
【0012】この方法により、2枚の金属板に同時に且
つ長手方向の所望の領域に増肉加工を施すことができ、
その際、その増肉を生じる加熱部の互いに接している面
が相互に干渉しあうことで、その面での増肉が抑制さ
れ、そのため、主として反対側の面に増肉が生じ、片面
に増肉した金属板を得ることができる。なお、この場合
には金属板の幅方向にも少量ではあるが増肉が生じ、こ
のため増肉部の幅が非増肉部に比べて若干大きくなる。
この幅の増加が問題となる場合には、金属板に形成する
加熱部の少なくとも後端部分を適当な成形手段で規制
し、幅の増加を抑制すればよい。
【0013】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。図
1は請求項1に記載の発明方法の実施に用いる増肉加工
装置の1例を、一部部品を断面で示した概略平面図、図
2はその増肉加工装置による増肉加工部分を拡大して示
す概略斜視図である。1は増肉加工すべき長尺の鋼板等
の金属板であり、以下説明の便宜上、周囲の4面のう
ち、二つの広幅の面を1A、1B、二つの狭幅の面(側
面)を1C、1Dとする。この金属板1は増肉加工装置
に対して、全体が水平になり、且つ広幅の面1A、1B
が垂直となるようにセットされている。1aは、金属板
1の一方の広幅の面1Aのみに突出するように形成され
た増肉部分である。2はその金属板1の一端を定位置に
固定、保持するストッパ、3は金属板1の他端を圧縮送
りするための圧縮装置であり、金属板1の一端を把持す
るクランプ3aと、そのクランプ3aを移動させる油圧
シリンダ3b等を備えている。この油圧シリンダ3bに
は、油圧シリンダ3bに供給される圧油の流量を制御す
るサーボ弁とその制御装置を備えた油圧装置(図示せ
ず)が連結されており、そのサーボ弁の制御により、ク
ランプ3aの位置及びその移動速度を任意に調整可能と
なっている。
【0014】4は、金属板1の長手方向の小領域を局部
的に塑性変形容易な赤熱状態に加熱して加熱部5とする
ことの可能な高周波加熱コイルからなる加熱装置であ
り、金属板1を取り囲む形状に作られている。6は、金
属板1の増肉を生じさせるべき面1Aに対向する位置に
且つ加熱装置4に隣接して配置された第一冷却装置であ
り、水等の冷却媒体6aを加熱部5の移動方向に関して
後端となる部分に吹き付ける構成となっている。7は加
熱装置4に近接配置され、加熱部5の後端部分の周囲4
面のうち、広幅の面1Aを除いた3面1B、1C、1D
に接触してその面の位置を規制する成形手段を構成する
金型である。すなわち、この金型7は、金属板1の広幅
の面1Bと、その両側の狭い幅の面1C、1Dを規制す
る成形面7aを備えている。この成形面7aの端部には
テーパ面7bが形成されており、加熱部5の面1B、1
C、1Dに一旦増肉が生じても、その増肉を生じた部分
を成形面7aにスムーズに案内して増肉を無くすことが
できるようになっている。なお、図示実施例では、成形
手段として、断面コ字状の一体構造の金型7を示してい
るが、成形手段はこの構成に限らず、規制すべき面1
B、1C、1Dにそれぞれ当接する成形面を備えた3個
の金型を用いてもよく、更には金型に代えて、ローラを
用いてもよい。
【0015】8は、金属板1を金型7に押し付けるよう
に設けられた押し付け装置であり、押し付けローラ8a
と、それを金属板1に押し付けるための油圧シリンダ8
bを備えている。この押し付けローラ8aの位置は、加
熱部5での曲がりを規制するため、できるだけ第一冷却
装置6の近傍で金属板1を金型7に押し付けるように定
めておくことが好ましい。9は第二冷却装置であり、金
属板1の増肉終了後の部分の全周に水等の冷却媒体を吹
き付ける構成となっている。10は加熱装置4の近傍の
前方に配置され、金属板1の位置を規制するガイドロー
ラである。
【0016】11は移動台であり、加熱装置4、第一冷
却装置6、金型7、押し付け装置8、第二冷却装置9、
ガイドローラ10等を搭載している。この移動台11
は、所定位置にセットされた金属板1に対して平行なレ
ール12に移動可能に保持されており、その移動によ
り、加熱装置4、第一冷却装置6、金型7、押し付け装
置8、第二冷却装置9、ガイドローラ10を一緒に、金
属板1に沿って移動させることができる。13は移動台
11を往復動させる駆動装置であり、移動台11に設け
ているナット(図示せず)に噛み合うねじ軸13aと、
そのねじ軸13aを回転駆動する駆動モータ13bを備
えている。ここで、駆動モータ13bはその回転速度を
自在に制御可能なモータであり、従って、駆動モータ1
3bの回転速度を変化させることにより、移動台11の
移動速度を自在に変化させることが可能である。なお、
移動台11を移動させる機構は、図示実施例に示したよ
うなねじ軸と駆動モータを利用したものに限らず、牽引
チェーンと駆動モータを利用したもの、油圧シリンダを
利用したもの等適宜変更可能である。また、加熱装置
4、第一冷却装置6、金型7、押し付け装置8、第二冷
却装置9、ガイドローラ10は、必ずしも1台の移動台
11に搭載する場合に限らず、複数の移動台に分けて搭
載し、複数の移動台を同期して移動させる構成としても
よい。
【0017】14は所定位置にセットされた金属板1の
両面位置を規制するよう、定位置に回転自在に設けられ
た設けられた固定ローラである。この固定ローラ14の
使用個数、配置位置等は、後述するように金属板1に対
して増肉加工を行う際に、加熱装置4や金型7等の移動
に干渉しないように、且つ金属板1に圧縮力を加えても
その金属板1に曲がりを生じないように定められる。
【0018】次に、上記構成の装置を用いた増肉動作を
説明する。金属板1を図1に示すようにセットし、加熱
装置4を増肉加工を開始すべき位置に位置させ、加熱装
置4への通電を開始し、金属板1の長手方向の小領域を
局部的に塑性変形容易な赤熱状態に加熱して加熱部5を
形成する。そしてこの加熱部5が所定温度に昇温した時
点で、移動台11の圧縮装置3に向かう方向の移動を開
始し、加熱装置4を金属板1に沿って長手方向に圧縮装
置3に向かう方向に移動させて加熱部5を移動させ、同
時に圧縮装置3を作動させて加熱部5より前方に位置す
る金属板部分を加熱部5に対して押し込み、加熱部5を
圧縮、増肉させる。この時、加熱部5の圧縮により、加
熱部5はその周囲の4面1A、1B、1C、1Dの方向
に増肉しようとするが、その加熱部5の後端部分には金
型7が存在していて、面1B、1C、1Dの位置を規制
するので、面1B、1C、1Dの方向には増肉せず、ま
た、一時的に増肉したとしても直ちに金型7がその増肉
が無くなるように矯正し、結局、増肉は金型7で規制さ
れない面1Aの方向にのみ生じる。そして、加熱部5の
増肉を生じた部分の後端に冷却装置6が冷却媒体6aを
吹き付けて冷却、固化させ、また、金型7がそれに接触
している金属板1の加熱部5の後ろの部分を徐々に冷却
して固化させ、それ以上の増肉が生じないように拘束す
る。その後、第二冷却装置9が金属板1を一層冷却して
固化させる。このようにして、金属板1の加熱部5を面
1Aの方向にのみ増肉させながら、長手方向に所望の範
囲に渡って移動させ、終了位置に達すると増肉操作を停
止する。かくして、金属板1の長手方向の一部領域に、
片面1Aのみに増肉部分1aが生じ、他の部分に比べて
肉厚が大きくなった厚肉部が形成される。
【0019】以上のように、本実施例では金属板1に対
して片面1Aのみに増肉を生じさせている。ところで、
一般に、金属板1を金型7で拘束しない状態で加熱部5
に増肉を生じさせた場合、増肉は両面1A、1Bにほぼ
均等に生じる。ところが、本発明者等が、加熱部5の両
面1A、1Bに温度差を設けて増肉を行ったところ、温
度が高い側の面における増肉量(突出量)が多くなるこ
とが判明した。これは温度を高くすると金属が流動しや
すくなるためと思われる。従って、図1に示すように、
面1A側にのみ増肉を生じさせたい場合、加熱装置4に
よって金属板1を加熱する際に、面1Aが面1Bに比べ
て高温となるように加熱することが好ましい。このよう
な温度分布を採用すると、金型7による面1B側の増肉
抑制や矯正を少なくできるので、増肉操作を安定して行
えることとなる。なお、その温度分布については、使用
材料、加熱部温度、増肉率等によって変化するので、実
験を行って適当に定めればよい。
【0020】以上に説明した金属板1の増肉加工におい
て、或る瞬間における増肉率βを元の肉厚t0 に対する
肉厚増加分の比率、即ち、β=(t−t0 )/t0 (但
し、tは増肉した部分の肉厚)とすると、その増肉率β
は、圧縮装置3が金属板1を押し込む押し込み速度V
と、加熱装置4の移動速度(即ち加熱部5の移動速度)
Wの関数となっており、 β=V/W の関係がある。従って、増肉加工によって形成される厚
肉部の厚さtは、 t=(1+β)t0 =(1+V/W)t0 となる。そこで、この押し込み速度Vと加熱装置4の移
動速度Wの比を一定に保つことにより、一定肉厚tの厚
肉部を形成でき、本実施例では、増肉を開始した後定常
状態に達した後は、押し込み速度Vと、加熱装置4の移
動速度Wとをそれぞれ一定に制御して、一定肉厚tの厚
肉部を形成している。
【0021】ところで、この増肉加工を開始する際、増
肉開始と同時に所定の増肉率となるように、押し込み速
度Vと加熱装置4の移動速度Wを制御することは可能で
ある。しかしながらその場合、増肉開始と同時に急激に
増肉が生じるため、操作が不安定となって増肉開始位置
にじゃばら状の変形が生じることがある。これを回避す
るため、増肉開始時には徐々に増肉率を増大させること
が望ましい。そこで、増肉開始時には、押し込み速度V
と移動速度Wとの比V/W(すなわち、増肉率β)が徐
々に増加するように押し込み速度V及び移動速度Wを制
御し、その比V/Wが所望の増肉率βに到達した後は、
一定に保つ。これにより、安定した増肉加工を開始する
ことができると共に、増肉加工で形成される厚肉部の一
端に肉厚が徐々に増加した傾斜面を形成できる。このよ
うな傾斜面は、この金属板1を柱等の構造用材料として
使用した時に、応力集中を回避できるので好ましいもの
である。また、増肉加工の終了時においても、押し込み
速度Vと移動速度Wとの比V/W(すなわち、増肉率
β)が徐々に減少するように押し込み速度V及び移動速
度Wを制御する。これにより、厚肉部の終端位置にも傾
斜面を形成できる。
【0022】なお、上記実施例では圧縮装置3の油圧シ
リンダ3bを、サーボ弁を備えた油圧装置で駆動し、そ
のサーボ弁の制御により、クランプ3aの位置及びその
移動速度(押し込み速度V)を制御する構成としている
が、本発明はこの構成に限らず、油圧シリンダ3bに一
定圧力の油圧を作用させ、金属板1に一定の押圧力を作
用させて増肉加工を行ってもよい。この場合、加熱装置
4による加熱部5の加熱温度を一定に保ち、且つ加熱装
置4の移動速度Wを一定に保っておくと、押し込み速度
Vもほぼ一定に保たれるので、一定増肉率での増肉加工
を行うことができる。また、加熱装置の移動速度Wを徐
々に減少させたり、逆に徐々に増加させたりすることに
より、増肉率を徐々に増加させたり、逆に減少させたり
することもできる。更には、油圧シリンダ3bに一定圧
力の油圧を作用させ、金属板1に一定の押圧力を作用さ
せて増肉加工を行う際において、押し込み速度Vをリア
ルタイムで測定し、それを基準として加熱装置の移動速
度Wを制御する構成としてもよい。
【0023】図3は、図1に示す増肉加工装置の一部を
変更した構成の増肉加工装置を示す図1と同様な図、図
4はその増肉加工装置による増肉加工部分を拡大して示
す概略斜視図である。図3、図4において、15は、金
属板1の増肉を生じさせるべき面1Aに対向する位置に
且つ加熱装置4に隣接して配置された移動金型、16は
その移動金型15を金属板1に押し付ける油圧シリンダ
である。第一冷却装置6は、その移動金型15の下流側
に配置されている。その他の構成は、図1に示す装置と
同様である。
【0024】図3、図4に示す実施例においても、図
1、2に示す実施例と同様に、金属板1の三つの面1
B、1C、1Dを金型7で規制した状態で増肉加工が行
われ、一つの面1Aのみに増肉した厚肉部を形成でき
る。その増肉加工の際、面1Aの増肉変形した面に移動
金型15が接触しているので、極めて平滑な面を得るこ
とができるという利点が得られる。
【0025】図5は請求項2に記載の発明方法の実施に
用いる増肉加工装置の1例を、一部部品を断面で示した
概略平面図であり、図1〜図4に示した装置に用いてい
るものと同一又は同様な部品には同一符号を付けて示
し、説明は省略する。図5に示す増肉加工装置は、2枚
の増肉加工すべき金属板1、1を、その広幅の面1B、
1Bを向かい合わせ、重ね合わせた状態でセットするこ
とができる構成となっている。20は、加熱装置4に取
り付けられ冷却装置であり、2枚の金属板1、1の外側
の面1A、1A及び両側面に水等の冷却媒体20aを吹
き付けることができる構成となっている。
【0026】22は定位置に設けられたフレームであ
り、所定位置にセットされた金属板1の両側に、金属板
1に平行なレール23A、23Bを有している。25
A、25Bはそれぞれ、そのレール23A、23Bにそ
れぞれ移動可能に保持された移動台であり、2枚の金属
板1、1に形成する加熱部5の前の部分を互いに接触し
た状態に保持するガイドローラ26と、加熱部5の後ろ
の部分を互いに接触した状態に保持する可動ローラ27
と、金属板1に増肉を生じる前でも生じた後でも、その
金属板1に可動ローラ27を押し付けることができるよ
う、可動ローラ27を保持した油圧シリンダ28を備え
ている。30A、30Bはそれぞれ移動台25A、25
Bに連結された同調油圧シリンダ、31は同調油圧シリ
ンダ30A、30Bを同調して動作させるように圧油を
供給する油圧ユニット、32はその油圧ユニット31の
制御装置である。この制御装置32は、移動台25A、
25Bが、加熱装置4を保持している移動台11と同期
して移動するように、油圧ユニット31を制御する構成
となっている。なお、加熱装置4、ガイドローラ26、
27を1台の移動台11に搭載して移動するようにして
もよい。
【0027】次に、上記構成の装置による増肉加工動作
を説明する。増肉加工すべき金属板1を2枚、広幅の面
1B、1Bが互いに接するように重ね合わせた状態で、
図5に示すようにセットし、加熱装置4を増肉加工を開
始すべき位置に位置させ、加熱装置4への通電を開始
し、金属板1の長手方向の小領域を局部的に塑性変形容
易な赤熱状態に加熱して加熱部5を形成する。そしてこ
の加熱部5が所定温度に昇温した時点で、移動台11の
圧縮装置3に向かう方向の移動を開始し、加熱装置4を
金属板1に沿って長手方向に圧縮装置3に向かう方向に
移動させて加熱部5を移動させ、同時に圧縮装置3を作
動させて加熱部5より前方に位置する金属板部分を加熱
部5に対して押し込み、加熱部5を圧縮、増肉させる。
また、加熱装置4の移動に同期させて移動台25A、2
5Bも移動させ、加熱部5の前後の領域で2枚の金属板
1、1を互いに押し付けた状態に保持しておく。これに
より、金属板1、1の互いに接触している側の面1B、
1Bは相互に干渉し合って増肉を阻止することとなり、
増肉は主として、その面1B、1Bとは反対側の面1
A、1Aに生じる。そして、加熱部5の増肉を生じた部
分の後端に冷却装置20が冷却媒体20aを吹き付けて
冷却、固化させる。このようにして、2枚の金属板1、
1の加熱部5を主として、その外側の面1A、1Aの方
向に増肉させながら、長手方向に所望の範囲に渡って移
動させ、終了位置に達すると増肉操作を停止する。増肉
操作終了後、2枚の金属板1、1を装置から外し、相互
に分離することで、長手方向の所望の位置に、且つ片面
のみに増肉を生じさせた厚肉部を有する金属板1を得る
ことができる。
【0028】この増肉方法においても、加熱装置4によ
って2枚の金属板1、1を加熱する際に、図1で説明し
た増肉方法の場合と同様に、それぞれの金属板1の外側
の面1Aが、内側の面1Bに比べて高温となるように加
熱することが好ましい。このような温度分布を採用する
と、面1B側への増肉の発生を温度分布によって抑制す
ることができるので、増肉操作を安定して行える利点が
得られる。
【0029】更に、図5で説明した増肉方法において
も、その増肉率βと、圧縮装置3が金属板1を押し込む
押し込み速度Vと、加熱装置4の移動速度(即ち加熱部
5の移動速度)Wとの関係は、図1で説明した増肉方法
と同じであり、β=V/Wの関係がある。従って、増肉
加工によって形成される厚肉部の厚さtを、押し込み速
度Vと、加熱部5の移動速度Wとを制御することによ
り、任意に設定でき、この押し込み速度V、移動速度W
の制御により、形成する厚肉部の厚さを所望パターンと
することができる。
【0030】なお、図5を参照して説明した増肉方法で
は、金属板1、1の側面1C、1Dに対する拘束を行っ
ていないので、その側面の方向にも増肉が生じ、形成し
た厚肉部の幅が若干増大する。この幅の増加が問題とな
る場合には、増肉を生じる加熱部5の両側面1C、1D
を金型或いはローラ等の適当な成形手段で規制し、幅の
増加を抑制する構成とすればよい。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載
の発明は、増肉加工すべき金属板の長手方向の小領域を
加熱手段で局部的に加熱して赤熱状態の加熱部を形成
し、該加熱部を前記金属板の長手方向に相対的に移動さ
せながら圧縮力を付与して増肉させ、その際、前記加熱
部の少なくとも後端部分の周囲の4面のうち、一つの広
幅の面を除いた3面に成形手段を当接して面の位置を規
制することで、前記一つの広幅の面のみに増肉を生じさ
せ、前記加熱部の後端部分を増肉直後に冷却するという
構成としたことにより、長手方向の所望の領域に且つ一
つの広い幅の面のみに増肉を生じさせた厚肉部を形成す
ることができるという効果を有している。
【0032】また、請求項2に記載の発明は、2枚の増
肉加工すべき金属板を重ね合わせ、その2枚の金属板を
重ね合わせた状態に拘束した状態で、長手方向の小領域
を加熱手段で局部的に加熱して赤熱状態の加熱部を形成
し、該加熱部を前記金属板の長手方向に相対的に移動さ
せながら圧縮力を付与することで、前記2枚の金属板の
互いに接した面とは反対側の面に増肉を生じさせ、前記
加熱部の後端部分を増肉直後に冷却する構成としたこと
により、長手方向の所望の領域に且つ主として一つの広
い幅の面に増肉を生じさせた厚肉部を形成することがで
き、しかも、2枚の金属板に同時に増肉加工を行うこと
ができるので、生産性が良いという効果を有している。
【0033】本発明方法によって製造された厚肉部を有
する金属板は、それを溶接等によって角柱状に接合する
ことにより、長手方向の一部領域に厚肉部を備えた構成
の柱を形成することができ、その構成の柱は、厚肉部を
そのまま梁接合等に使用できるので、補強部材の取付が
不要となり、建築物のコストダウンに大いに寄与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明方法の実施に用いる増肉加工装
置の1例を、一部部品を断面で示した概略平面図
【図2】図1に示す増肉加工装置による増肉加工部分を
拡大して示す概略斜視図
【図3】請求項1の発明方法の実施に用いる増肉加工装
置の他の例を、一部部品を断面で示した概略平面図
【図4】図3に示す増肉加工装置による増肉加工部分を
拡大して示す概略斜視図
【図5】請求項2の発明方法の実施に用いる増肉加工装
置の1例を、一部部品を断面で示した概略平面図
【符号の説明】
1 金属板 1A、1B 広幅の面 1C、1D 狭幅の面(側面) 2 ストッパ 3 圧縮装置 4 加熱装置 5 加熱部 6 第一冷却装置 6a 冷却媒体 7 金型 8 押し付け装置 8a 押し付けローラ 8b 油圧シリンダ 9 第二冷却装置 10 ガイドローラ 11 移動台 14 固定ローラ 15 移動金型 20 冷却装置 20a 冷却媒体 22 フレーム 25A、25B 移動台 26 ガイドローラ 27 可動ローラ 28 油圧シリンダ 30A、30B 同調油圧シリンダ 31 油圧ユニット 32 制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増肉加工すべき金属板の長手方向の小領
    域を加熱手段で局部的に加熱して赤熱状態の加熱部を形
    成し、該加熱部を前記金属板の長手方向に相対的に移動
    させながら圧縮力を付与して増肉させ、その際、前記加
    熱部の少なくとも後端部分の周囲の4面のうち、一つの
    広幅の面を除いた3面に成形手段を当接して面の位置を
    規制することで、前記一つの広幅の面のみに増肉を生じ
    させ、前記加熱部の後端部分を増肉直後に冷却する金属
    板の増肉加工方法。
  2. 【請求項2】 2枚の増肉加工すべき金属板を重ね合わ
    せ、その2枚の金属板を重ね合わせた状態に拘束した状
    態で、長手方向の小領域を加熱手段で局部的に加熱して
    赤熱状態の加熱部を形成し、該加熱部を前記金属板の長
    手方向に相対的に移動させながら圧縮力を付与すること
    で、前記2枚の金属板の互いに接した面とは反対側の面
    に増肉を生じさせ、前記加熱部の後端部分を増肉直後に
    冷却する金属板の増肉加工方法。
JP34796595A 1995-12-15 1995-12-15 金属板の増肉加工方法 Pending JPH09164448A (ja)

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