JPH09162096A - 荷電ビーム成形用アパーチャおよび荷電ビーム露光装置 - Google Patents

荷電ビーム成形用アパーチャおよび荷電ビーム露光装置

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JPH09162096A
JPH09162096A JP7316762A JP31676295A JPH09162096A JP H09162096 A JPH09162096 A JP H09162096A JP 7316762 A JP7316762 A JP 7316762A JP 31676295 A JP31676295 A JP 31676295A JP H09162096 A JPH09162096 A JP H09162096A
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JP
Japan
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aperture
substrate
charged beam
margin
opening
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Application number
JP7316762A
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English (en)
Inventor
Jun Takamatsu
松 潤 高
Yoshimitsu Kato
藤 善 光 加
Toru Koike
池 徹 小
Kazuyoshi Sugihara
原 和 佳 杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電ビーム露光装置で用いられるキャラクタ
アパーチャまたは分割マスクにおいて、アパーチャ間ま
たは分割マスク間の間隔を最小にして、一定の面積にで
きるだけ多くのアパーチャまたはマスクを配置する。 【解決手段】 アパーチャ(マスク)プレートを、アパ
ーチャ(マスク)部分とそれを支持する基板とで構成
し、基板には主表面の面方位[110]のシリコン単結
晶基板を用いる。異方性エッチングによって、基板に垂
直な側壁を持った開孔を形成する。アパーチャへの入射
ビームの入射角に応じて、基板の開口の大きさが最小に
なるように決定し、一定の面積に配置し得るアパーチャ
数が最大になるようにし、あるいはアパーチャが配置さ
れる面積が最小になるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビーム成形用アパ
ーチャ基板へのパターン描画に用いられるビーム成形用
アパーチャ及びこのアパーチャを用いる荷電ビーム露光
装置に係り、さらに、前記ビーム成形用アパーチャを備
える荷電ビーム装置により製造された半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】キャラクタ・プロジェクション方式の荷
電ビーム露光装置においては、露光させて形成しようと
するパターンの中で繰り返し現れる基本的パターンを複
数抽出し、これらをアパーチャ基板上に配置して、アパ
ーチャ選択用偏向器によって所望のパターンをもつアパ
ーチャを選択して、試料上に次々に転写していくという
方法が用いられる。
【0003】また、荷電ビームパターン転写装置におい
ては、転写すべきパターンを複数の領域に分割し、これ
らをマスク基板上に配置して、各領域を選択用偏向器、
またはマスク移動によって選択してパターンの転写を行
なうという方法が用いられている。
【0004】これらの装置で用いられるビーム成形用ア
パーチャあるいはパターン転写用分割マスクは、該アパ
ーチャあるいは該マスクを形成する薄膜部分と、それを
支持する基板部分とによって構成される。この構成にお
いて、パターン形状を定義するのは薄膜部分である。そ
れを支持する基板には、通過する電子ビームを遮らない
大きさの開孔部分(アパーチャ)を設ける。
【0005】このようなビーム成形用アパーチャ(以
下、アパーチャと呼ぶ)、あるいはパターン転写用分割
マスク(以下、マスクと呼ぶ)の基板には、従来、主表
面の面方位が[100]のシリコン単結晶が用いられて
きた。このシリコン単結晶基板に開孔を形成するには、
普通、水酸化カリウム(KOH)水溶液等のアルカリ性
溶液による異方性エッチングを用いる。このように、エ
ッチングで異方性が生じる理由は、シリコン単結晶の面
方位[100]面あるいは[110]面に対して、[1
11]面のエッチングレートが著しく遅いためである。
シリコン単結晶では、[100]面に対する[111]
面のなす角は、
【0006】
【数1】 である。そこで、主表面の面方位が[100]である基
板に矩型の開口パターンを設けてKOHエッチングを行
なうと、主表面に対して54.74度のテーパ角をもっ
た4面の[111]面によって構成される四面体(ピラ
ミッド)状の側壁を持った開孔部を形成することができ
る。このようなアパーチャの断面図を図8に示す。
【0007】こうした基板の開孔は、アパーチャの薄膜
部分が設けられているのとは反対側の、基板の裏面から
開けられるのが普通である。アパーチャあるいはマスク
が、1つの基板上に複数設けられている場合には、各々
のアパーチャあるいはマスクに対して、個別に開孔を設
けるのがよい。それは、以下の理由による。すなわち、
個別に開孔を設けることによって、隣合うアパーチャ
間、あるいはマスク間に、「梁」に相当する部分が残る
ため、アパーチャあるいはマスクへのビーム照射による
発熱を効率的に散逸させることで、熱的な変形を抑える
ことができる。また、薄膜がセルフサポートしている部
分の面積が減るために、アパーチャあるいはマスクの機
械的な強度が増加する。
【0008】このように個別に開孔する方式では、隣合
うアパーチャ間、あるいはマスク間の間隔は、基板があ
る程度厚い場合には、基板に開孔を形成するため基板の
裏面に設けられる開口パターンの大きさによって決めら
れる。そして、この基板裏面の開口パータンの大きさ
は、基板の厚さに依存する。したがって、ある一定の面
積に配置可能なアパーチャあるいはマスクの最大個数
は、基板の厚さによって制限されることになる。以下に
これについて、図8を用いて説明する。
【0009】図8において、アパーチャ1は、面方位
[100]の主面と厚さDとを有するシリコン基板2
と、このシリコン基板2上に設けられるアパーチャ薄膜
3と、を備えている。このアパーチャ薄膜3には、アパ
ーチャ部4が所定の形状により形成されている。
【0010】主表面の面方位[100]のシリコン単結
晶基板を用いた場合、開孔部分のテーパ形状の長さLT
は、基板の厚さDに対して、
【0011】
【数2】 となる。このことから、隣合うアパーチャ同士の間隔L
Mは、
【0012】
【数3】 としなければならない。また、この時、基板裏面開口の
一辺の長さSは、アパーチャ領域の大きさをSA ×SA
とした場合、
【0013】
【数4】 となる。例えば基板の厚さが625μmの場合には、隣
合うアパーチャ同士の間隔LM は884μm以上に、ま
た基板裏面の開口パターンの大きさSは、SA +884
μm以上にしなければならない。この場合、例えば90
0μm□の領域に配置できる100μm□のアパーチャ
は、最大で2×2=4個にしかならない。
【0014】基板の厚さが薄い場合には、上述の数1か
らわかるように、隣合うアパーチャ同士の間隔が小さく
なる。したがって、薄い基板を用いた場合には、所定の
面積に配置することができるアパーチャの数を、基板が
厚い場合に比べて増やすことができる。例えば基板の厚
さが100μmの場合、上の例と同じ条件では、4×4
=16個のアパーチャを配置することができる。しか
し、薄い基板で製作を行なうのは容易ではない。その理
由は、製作に用いる装置が薄い基板には対応していない
場合が多く、また薄い基板では強度が十分ではないた
め、製作途中あるいは完成後における取り扱いが難しい
からである。
【0015】一方、アパーチャをどのように設けるべき
かという配置の条件は、描画装置の電子光学系からも制
限を受ける。しかし、この場合、隣合うアパーチャ間の
間隔に対する制限は、上述の場合に比べて、通常厳しく
ない。例えばアパーチャ領域SA を100μm□とする
と、これを照明するビームの大きさは120μm□程度
あれば十分である。このような場合、隣合うアパーチャ
同士の間隔を100μmとすれば、ビームが照射されて
いるアパーチャに近接する他のアパーチャが、露光結果
に影響を与えることはない。したがって、例えば上記9
00μm□の領域には、少なくとも縦横5×5の配列に
より25個のアパーチャを配置することができることに
なる。
【0016】上述のように、主表面の面方位[100]
のシリコン単結晶を基板とするアパーチャを製作する場
合において、基板の厚さによっては、一定の面積に配置
可能なアパーチャ数が、描画装置の電子光学系によって
ではなく、基板裏面の開口パターンの大きさによって制
限される場合がある。一定面積に対して、より多数のア
パーチャを配置したいという要請に対しては、この制限
は不利である。
【0017】このような問題を解消するために、基板と
して主表面の面方位[110]のシリコン単結晶を用い
ることにより、アパーチャプレートの特定の面積に配置
できるアパーチャ数を、[100]基板の場合と異な
り、基板の厚さに依存しないように構成する提案もなさ
れている。このように主面方位[110]の単結晶シリ
コン基板を用いてアパーチャを形成した場合であって
も、荷電ビームは所定の入射角度を有しているためビー
ム入射角に関する問題は解消していない。
【0018】しかし、このような主面方位[110]の
単結晶シリコン基板を用いた場合であっても、荷電ビー
ムの入射角に対して所定のマージンを設けなくてはなら
ないという制約については何らの対策も講じられていな
かった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記問題を
解決するためになされたものであり、アパーチャプレー
トを保持する単結晶シリコン基板として主面方位[11
0]を有する単結晶シリコン基板を用いて基板に設ける
開孔の側壁を主面に直交する側壁とすると共に、アパー
チャの位置に応じて荷電ビームの入射角を考慮したマー
ジンを予め確保することにより面積効率の良いアパーチ
ャプレートを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明に係る荷電ビーム成形用アパーチャプレー
トは、荷電ビームを通過させるアパーチャ部が形成され
る薄膜と、該薄膜を支持する基板とを備え、荷電ビーム
露光装置の光学系のビーム通路に設けられてパターン形
状のビームを成形する荷電ビーム成形用アパーチャプレ
ートにおいて、前記基板は、その主表面の結晶面方位が
[110]である単結晶シリコン基板より構成されると
共に、前記アパーチャ部を構成する1または複数のアパ
ーチャに対応して前記単結晶シリコン基板に形成される
開孔部分が、前記主面方位に直交すると共に互いに平行
する2つの[111]面の側壁によって形成され、か
つ、これらの側壁が基板の主表面に対する垂直側壁であ
ることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る荷電ビーム
成形用アパーチャの好適な実施の形態について、図1な
いし図7を用いて詳細に説明する。
【0022】この発明の好適な実施の形態について、図
2及び図3に従い詳細に説明する。図2に示すように、
この発明によれば単結晶シリコンの主面方位[110]
と面方位が[111]の側壁とが、垂直となっている。
【0023】図2において、アパーチャの基板10は、
オリエンテーションフラット部(以下、オリフラと呼
ぶ)11に沿うように設けられた複数列の開孔部12、
13及び14が形成されている。この開孔部12(13
及び14も同一構成である)は図2(a)の平面図に示
されるように、オリフラ11に沿う側の2つの側壁が主
面に垂直となり、他の2つの側壁は図2(a)及びこの
A‐A’線断面図である図2(b)に示されているよう
に、基板10の図中の上面と下面とで異なる角度で傾斜
する異形の形状となっている。なお、図2(c)は、図
2(a)におけるB‐B’線断面図である。この長手状
の開孔部12、13及び14の全ての側壁は、図示の通
り[111]の面方位を有している。
【0024】なお、図3は、図2(a)(b)(c)の
平面図及び2方向の断面図に基づいて書き起こされた斜
視図であり、同図においても単結晶シリコン基板10
は、オリフラ11に双方向に長手状に形成された複数列
の開孔部12、13及び14を備えている。
【0025】図2及び図3における単結晶シリコン基板
10について、更に詳細に説明を加える。シリコン単結
晶には、[110]面と垂直に交わる[111]面があ
る。そのため、主表面[110]の基板に対して、KO
H水溶液等のアルカリ性溶液による異方性エッチングを
行なうと、主表面に対して垂直な[111]面の側壁を
もつ開孔部を形成することができる。この場合、例え
ば、幅100μm、長さ900μmの帯状の開孔を、間
隔100μmで5本並べて設けることができる。そうす
ると、上述の900μm□の領域に、5×5配列で25
個のアパーチャを配置することが可能になる。すなわ
ち、上述の100μm厚の[100]基板を用いた場合
よりも、配置できるアパーチャ数は多くなる。この場
合、一つの帯状開孔に対して、複数個のアパーチャを配
置することになり、薄膜のセルフサポート部分の面積が
増える。しかし、帯状開孔の幅を小さくすることによっ
て、薄膜の機械的強度の低下を抑えることができる。
【0026】以上のように、[110]基板を用いれ
ば、[100]基板を用いた場合と比較して一定面積に
配置できるアパーチャ数を容易に増加させることができ
る。
【0027】ところで、描画装置の電子光学系によって
は、アパーチャあるいはマスクに入射するビームの入射
角は、垂直とは限らない。このため、[110]基板を
用いたアパーチャの場合、[100]基板では生じなか
った問題が生じる。すなわち、[100]基板の場合に
は、開孔部が傾斜角度54.74度のテーパ形状になっ
ているために、ビームが垂直から多少ずれて入射した場
合でも、アパーチャを通過して成形されたビームが、基
板開孔部の側壁によって遮られることはない。一方、
[110]基板を用いた場合、アパーチャに入射するビ
ームが、アパーチャに対して垂直からずれている場合、
アパーチャを通過して成形されたビームがアパーチャ基
板の開孔部の垂直な側壁で遮られてしまうことがある。
【0028】アパーチャを通過して成形されたビーム
が、基板開孔部の側壁に遮られないようにするために
は、図1のようにアパーチャ領域と基板裏面開孔部の垂
直側壁との間に、適当な長さの「開口マージン」Mを設
ければ良い。このような開口マージンは、従来、一律に
同じ長さで設けられることが普通であった。
【0029】しかし、この開口マージンMが長くなる
と、隣合うアパーチャ同士の間隔が大きくなり、アパー
チャを配置する領域の面積が増加する。アパーチャ配置
領域の面積が大きくなると、アパーチャ選択偏向器の偏
向領域を大きくしなければならない。これは偏向歪が大
きくなる点から好ましくない。また、アパーチャを形成
している薄膜の、セルフサポートの部分の面積が大きく
なるため、アパーチャの機械的強度が弱くなること、ま
た熱の伝導がわるくなり、効率的に熱を散逸させること
ができないこと等の点からも好ましくない。
【0030】ところで、アパーチャ領域あるいはマスク
領域に入射するビームは、図4に示すような電子光学系
においては、該領域が電子光学系の中心軸から離れてい
る場合、該中心軸に向かう方向に斜めに入射する。この
場合、該領域が光学系中心軸から離れるにしたがって、
入射ビームが該領域に入射するときの角度の垂直からの
ずれが大きくなる。そのため、ビームが該領域を通過
後、基板開孔部の側壁に遮られないようにするために
は、上記マージンMを大きくしなければならない。一
方、アパーチャあるいは分割マスク領域が電子光学系の
中心軸に近い場所にある場合には、このマージンMは相
対的に小さくてもよい。
【0031】以上のように、アパーチャに入射するビー
ムの入射角に応じて、マージンを設定することによっ
て、アパーチャ位置に応じた必要最小限のマージン長を
設定することができる。この最小マージン長MMIN は、
次の関係式、 MMIN =D・θ (4) によって決定できる。ここでは、θはアパーチャへのビ
ームの入射角の垂直方向からのずれであり、またDはア
パーチャ基板の厚さである。実際には、アパーチャの傾
き等に対応するオフセットmを考慮して、マージンをM
MIN +mとする必要がある。普通、m〜5μmとするこ
とができる。
【0032】このようにビームの入射角度のずれθ及び
基板の厚さDと、開口マージンMとの関係式を用いるこ
とによって、各々のアパーチャについて必要最小限度の
開口マージンMを設定できる。
【0033】これを具体的に、図1を用いて説明する。
この図では、電子光学系の中心軸からの距離が異なる2
つの開孔部12及び13と、この開孔部12及び13に
対応して薄膜15に形成された2つのアパーチャ16及
び17を示している。図1において、2つのアパーチャ
16及び17に入射するビーム21及び22の入射角の
大きさの関係は、θ1<θ2となる。この時、最小の開
孔マージンは式(4)から計算でき、M1<M2とな
る。
【0034】一方、図1からわかるように、開孔部の側
壁のうち、電子光学系中心軸20から遠い方の側壁に対
しては、ビームはこの側壁から離れる方向に進むため
に、ビームが側壁によって遮られることがない。そのた
め、この場合には、上で述べた条件式を適用する必要は
なく、より小さな開口マージンM’で十分である。実際
には、M’は、上述のオフセットmと同じにすればよ
い。
【0035】帯状開口の幅Sは、図1のように、 S=SA +M+M’ (5) となる。ここで、SA はアパーチャ領域の幅、M、M’
は開口マージンである。開口マージンM、M’を最適化
することによって、開口の幅Sを小さくできる。そのた
め、複数の帯状開口を必要最小限の面積に配置すること
ができ、したがって、最小面積にアパーチャ群を収める
ことができる。
【0036】キャラクタプロジェクション方式を採用し
ている電子ビーム露光装置の概念図を図5に示す。ま
た、その電子光学系を図4に示す。この光学系では、成
形アパーチャから45mm上流に投影レンズを配置し、7
0mm下流に制限アパーチャを配置している。以下、図4
及び図5に示されている電子ビーム露光装置について概
略説明する。
【0037】図4において、電子ビーム露光装置の電子
光学系20は、電子銃24と、照明系25と、ブランキ
ング板26と、第1の成形アパーチャ27と、投影レン
ズ29よりなるビーム成形・ビーム選択偏向器28と、
第2の成形アパーチャ30と、制限アパーチャ31と、
縮小レンズ32と、対物レンズ34を含む位置決め偏向
器33と、を備えている。符号35は、ビーム21によ
りパターンが形成される試料面である。
【0038】図5に従い電子ビーム露光装置の電子光学
系20の詳細な概念について説明する。図4と同一符号
を付したものは図4に示される構成要件と同一又は相当
する構成要件を示している。図5において、電子光学系
20は、照明レンズ25と、ブランキグ電極26と、第
1の成形アパーチャ27と、投影レンズ29と、第2の
成形アパーチャ30と、第1の成形アパーチャ27・投
影レンズ29・第2の成形アパーチャ30を備える成形
偏向系28と、第2の成形アパーチャ30を構成するキ
ャラクタアパーチャ36と、インレンズ・オクタポール
対物偏向器37と、対物レンズ34と、対物偏向器37
及び対物レンズ34を備える対物偏向系38と、を含ん
で構成されている。なお、符号39はパターンが形成さ
れる試料面を有するウェハであり、このウェハ39上に
描画パターン40が描かれることになる。
【0039】図6は、この発明に係る主面方位[11
0]の単結晶シリコン基板を用いるアパーチャプレート
の一例を示している。図4及び図5に示された電子光学
系20においては第2の成形アパーチャ30に用いられ
ており、図1ないし図3に対応させて同一構成要素には
同一符号を付して説明すると、単結晶シリコン基板10
には、金(Au)により形成された薄膜15が積層され
ており、この薄膜の下側には、長手状の前記開孔部12
ないし14が形成されている。それぞれの開孔部12、
13及び14には、形成しようとするパターンに応じた
種々の形状を有するパターン16、17及び18が形成
されている。
【0040】成形アパーチャを設ける基板を、主表面の
面方位が[110]で厚さが625μmのSi単結晶基
板とする。各成形アパーチャの大きさを100μm□と
し、それらを図6のように帯状に配列する。基板の開孔
を、この帯状の領域のそれぞれに対して個別に設ける。
隣合う帯状開孔同士の間にある「梁」に相当する部分に
よって、アパーチャ基板の機械的強度を保持するように
する。この梁の部分の幅を50μmとする。
【0041】いま、上述のような帯状の成形アパーチャ
領域を30本、平行に配置するとする。
【0042】従来は、光学系の中心軸から最も遠くに配
置される帯状領域の開孔マージンMMAX を、一律にすべ
ての帯状領域に適用していた。この開孔マージンMMAX
は、式(4)を用いて算出できる。式(4)中のビーム
の入射角θは、 θ=(光学系の中心軸から帯状領域までの距離)/(成
形アパーチャ基板から制限アパーチャまでの距離) により近似できる。上述の光学系の条件、及び成形アパ
ーチャの仕様値を考慮すると、MMAX は、約26μmと
なる。開孔マージンMを、すべての帯状領域について一
律に、片側26μmとすると、30本の帯状領域は、幅
6076μmの中に納まる。
【0043】これに対して、式(4)を用いて、各帯状
領域毎に、この開孔マージンが最小になるように設定す
るとする。ただし、開孔マージンは5μmを下回らない
ことにする。また、光学系の中心軸から遠い側の開孔マ
ージンは、一律に5μmとする。そうすると、30本の
帯状領域を、幅4936μmに納めることができる。
【0044】以上の例においては、本発明による開孔マ
ージンの設定方法によって、アパーチャが配置されてい
る帯状領域の幅を1mm以上(約20%)も小さくする
ことができた。このように、開孔マージンの設定に関す
る、本発明の方法によって、光学系の中心軸から遠い帯
状領域を選択する場合のビームの偏向量を小さくでき、
選択偏向器の偏向歪を低減するのに有効であることがわ
かる。
【0045】また、これと逆に、選択偏向器の偏向幅が
予め決められている場合には、この新しい設定方法を用
いることによって、配置できる帯状領域の数を多くでき
る。例えば、上述の例における条件を仮定すれば、新し
い設定方法によって、上述のように約5mmの幅の中に
30本の帯状領域を配置できるのに対し、従来の設定方
法では25本しか配置できない。
【0046】このようなアパーチャは、以下のように製
作する。アパーチャ制作方法の説明図を図7に示す。ま
ず、主表面の面方位[110]のシリコン単結晶の基板
50において、基板の主表面と垂直に交わり、かつ互い
【0047】
【数5】 で交わる2種類の[111]結晶面のうちの、一方の面
が主表面と交わる交線に対して平行に第1のオリエンテ
ーションフラット(以下、オリフラと呼ぶ)を形成し、
他方の面が主表面と交わる交線に対して平行となるよう
に第2のオリフラを形成する。
【0048】この基板の両面に、シリコン窒化膜51及
び52をLPCVDで150nm成膜する。次に、基板
主表面にチタン(Ti)を100nm、引き続いてパラ
ジウム(Pd)を50nm、スパッタリングによって連
続的に成膜してチタン層53及びパラジウム層54を形
成する。
【0049】次に、レジストPMMA55及び56を厚
さ5μmで塗布する。次に、電子線描画装置によって、
アパーチャのパターンを描画する。アパーチャ群は、第
1のオリフラに対して、平行に配置する。次に、例えば
酢酸イソペンチル等の現像液によって現像を行なう。次
に、現像によって露出したパラジウム層54の表面に残
ったレジスト残膜を除去するために、RIE処理を行な
う。これは、メッキ下地として用いているパラジウム層
54と、メッキ金層15との密着性を向上させるために
行なう。次に、電解メッキ法を用いて、金(Au)を厚
さ4μm成膜する。
【0050】次に、基板裏面に光りレジストを塗布し、
両面露光装置によって、主表面上に設けられた位置合わ
せ用マークを用いてアパーチャ群と正確に位置合わせを
行なって、開口パターンを露光する。現像後、RIEに
よって、シリコン窒化膜をパターニングする。RIEの
条件は、例えばCHF3:O2=40:20[scc
m]、圧力8Pa、パワー300Wで、2分間である。
【0051】その後、濃度20w%、液温90℃のKO
H水溶液によってシリコン基板50をエッチングする。
この際、アパーチャパターンのある側には、KOH水溶
液が回り込まないような治具を用いる。主面側に設けら
れているシリコン窒化膜51がエッチングのストップ層
になる。
【0052】次に、このシリコン窒化膜51をCDEに
よって除去する。CDEの条件は、例えばCF4:O2
=100:100[sccm]、RFパワー300Wと
して、2分間である。次に、アパーチャ部分を貫通させ
るために、フッ酸を用いてチタン層を除去し、さらに塩
酸:硝酸:酢酸=3:30:200の混合液を用いてパ
ラジウム層54を除去する。つぎに、CDEによって、
PMMA55及び56を除去する。CDEの条件は、例
えばCF4:O2=100:5[sccm]、RFパワ
ー300Wとして、10分間である。
【0053】次に、硫酸・過酸化水素水混合液を用いて
基板の洗浄を行なう。次に真空蒸着装置を用いて、基板
両面に金をそれぞれ50nm成膜して金層15を形成す
る。次に、ダイシングを行ない、ホルダーに装着して完
成である。
【0054】なお、アパーチャ基板は、必ずしもシリコ
ン(Si)である必要はなく、モリブデン(Mo)、タ
ンタル(Ta)、タングステン(W)、あるいはベリリ
ウム(Be)等の金属、あるいは炭素(C)等の場合に
も、垂直な側壁をもった基板の開孔が設けられている場
合、この新しい設定方法を適用できる。
【0055】
【発明の効果】アパーチャの基板に面方位[110]の
シリコン単結晶の基板を用いると、基板主表面に対して
垂直な側壁をもつ開孔を形成することができるため、シ
リコン[100]基板を用いた場合と比較して、一定面
積に、より多くのアパーチャ群を配置することが容易に
可能になる。この場合、アパーチャ薄膜部に「開口マー
ジン」をもたせることによって、ビームの入射角が垂直
ではない場合でも、ビームが基板開孔の垂直な側壁に遮
られないようにすることができる。その開口マージンの
大きさを、ビームの入射角に応じて変えることによっ
て、必要最小限度の長さの開口マージンを設定すること
ができる。また、開孔部分を形成する側壁の中で、アパ
ーチャから出射するビームが遠ざかる方の側壁について
は、ビームの入射角とは関係なく、必要最小限の長さの
開口マージンを設定すれば良い。
【0056】以上のように開口マージンの設定条件を決
めることによって、一律に同じ長さのマージンを設定す
る場合に比べて、基板開孔の幅が最小になるように最適
化にすることができ、したがって配置されるアパーチャ
数の密度を向上させることができる。
【0057】これによって、例えば配置すべきアパーチ
ャ数が予め決まっている場合には、より小さな面積にア
パーチャを配置できるため、アパーチャを選択する際の
偏向歪を小さくすることができる。逆に、アパーチャを
配置する領域の面積が予め決まっている場合には、より
多くのアパーチャを配置することが出来る。
【0058】開口マージンの設定条件を、本発明のよう
にビームの入射角に応じて決めることによって、一律に
同じ長さのマージンを設定する場合に比べて、アパーチ
ャ数の密度を向上させることができる。
【0059】これによって、例えば配置すべきアパーチ
ャ数が予め決まっている場合には、より小さな面積にア
パーチャを配置できるため、アパーチャを選択する際の
偏向歪を小さくすることができ、電子ビーム露光装置に
おける描画精度を向上させることができる。
【0060】逆に、アパーチャを配置する領域の面積が
予め決まっている場合には、より多くのアパーチャを配
置することが出来る。これによって、露光において、よ
り多くの種類のアパーチャを用いることができ、露光の
速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアパーチャの開口マージンを説明
するための断面図である。
【図2】本発明に係る主面方位[110]の単結晶シリ
コン基板を用いたアパーチャの基板の平面図、横断面図
及び縦断面図である。
【図3】図1に示される基板の斜視図である。
【図4】電子線描画装置の電子光学系の概略を示す説明
図である。
【図5】キャラクタプロダクション方式を採用した電子
ビーム露光装置の概念を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る主面方位[110]の単結晶シリ
コン基板を用いたアパーチャプレートの例を示す断面図
である。
【図7】本発明に係る荷電ビーム成形用アパーチャの製
作方法を示す断面図である。
【図8】従来の主面方位[100]単結晶シリコン基板
を用いたアパーチャの概略を示す断面図である。
【符号の説明】
10 [110] 単結晶シリコン基板 12、13、14 開孔部 15 薄膜 16、17、18 アパーチャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉 原 和 佳 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33 株式会 社東芝生産技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電ビームを通過させるアパーチャ部が形
    成される薄膜と、該薄膜を支持する基板とを備え、荷電
    ビーム露光装置の光学系のビーム通路に設けられてパタ
    ーン形状のビームを成形する荷電ビーム成形用アパーチ
    ャにおいて、 前記基板は、その主表面の結晶面方位が[110]であ
    る単結晶シリコン基板より構成されると共に、 前記アパーチャ部を構成する1または複数のアパーチャ
    に対応して前記単結晶シリコン基板に形成される開孔部
    分が、平行する2つの[111]面の側壁によって形成
    され、かつ、これらの側壁が基板の主表面に対する垂直
    側壁であることを特徴とする荷電ビーム成形用アパーチ
    ャ。
  2. 【請求項2】前記アパーチャ部に対応して前記単結晶シ
    リコン基板に設けられた前記開孔部分の前記垂直側壁と
    前記アパーチャ部の延長線との間の距離である開孔マー
    ジンが、前記アパーチャ部に入射するビームの入射角度
    に応じて決定され、少なくとも「ビーム入射角度の垂直
    からのずれ量」に「基板の厚さ」を乗じた所定値により
    規定される長さ以上の開孔マージンを持っていることを
    特徴とする請求項1に記載された荷電ビーム成形用アパ
    ーチャ。
  3. 【請求項3】前記開孔マージンのうち前記荷電ビーム露
    光装置の前記光学系の中心軸に近い第1の辺側の開孔マ
    ージンが、前記所定値により規定される関係から求めら
    れる長さより大きく設定され、また、前記第1の辺に対
    向すると共に前記中心軸より遠い方の第2の辺側の開孔
    マージンが、上記の第1の辺側の開孔マージンより小さ
    く設定されていることを特徴とする請求項2に記載され
    た荷電ビーム成形用アパーチャ。
  4. 【請求項4】前記開孔マージンのうち前記アパーチャ部
    より出射される荷電ビームが近づいていく側壁側の第3
    の辺側の開孔マージンが、前記所定値により規定される
    関係から求められる長さより大きく設定され、また、前
    記アパーチャ部より出射される荷電ビームが遠ざかる第
    4の辺側の開孔マージンが、前記所定値により基底され
    る関係より求められる長さより小さく設定されているこ
    とを特徴とする請求項2に記載された荷電ビーム成形用
    アパーチャ。
  5. 【請求項5】光学系と、この光学系を透過する荷電ビー
    ム通路に設けられてパターン形状にビームを成形する荷
    電ビーム成形用アパーチャと、備える荷電ビーム露光装
    置において、 前記荷電ビーム成形用アパーチャが、荷電ビームを通過
    させるアパーチャ部が形成される薄膜と、該薄膜を支持
    する基板とから成り、 前記基板は、その主表面の結晶面方位が[110]であ
    る単結晶シリコン基板より構成されると共に、前記アパ
    ーチャ部を構成する1または複数のアパーチャに対応し
    て前記単結晶シリコン基板に形成される開孔部分が、平
    行する2つの[111]面の側壁によって形成され、か
    つ、これらの側壁が基板の主表面に対する垂直側壁を備
    えることを特徴とする荷電ビーム露光装置。
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