JPH09161277A - ピックアップ動作装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立て後にピックアップの角度調整ができる
ような角度調整機構を備え、また、ディスク信号を読み
取りながら角度調整可能とすること。 【解決手段】 ピックアップ２を移動させる動作機構を
動かすモ−タと、前記ピックアップを移動し案内するガ
イド部材５と、前記ガイド部材の一端を保持するガイド
受け部３ｃを設けたベ−ス部材３と、前記ガイド部材の
一端を前記ガイド受け部に取り付けるための取付部材８
と、前記ピックアップの移動方向に対して略直角にガイ
ド部材の他端と当接して取付けられた調整部材１２と、
前記ガイド部材５を挟んで前記調整部材１２と略対向し
た位置に設けたガイド部材の他端を受けて付勢力を付与
するバネ部材１９と、から構成され、前記調整部材１２
を前進後退させることにより、前記ばね部材１９を伸縮
させ、前記ガイド部材５の取付け傾斜角を変化させ、ピ
ックアップの取付け傾斜角を調整すること。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、円盤状記録媒体よ
り光学的に信号を読み出す、特に高密度記録媒体に対応
する光学式ピックアップ動作装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在広く普及しているコンパクトディス
ク（ＣＤ）やレ−ザ−ディスク（ＬＤ）といった円盤状
記録媒体（以下、ディスクと呼ぶ）に関して、光学的な
ディスクを再生するためのピックアップ動作装置がいろ
いろ作られている。これらのピックアップ動作装置は、
使用するレ−ザ−の波長が７８０ｎｍ前後であり、ま
た、トラックピッチも１．６μｍ程度であり、比較的デ
ィスクの記録密度が低いため、ピックアップの光学的傾
き許容精度が大きく、各部品の単品精度を加工精度内に
抑えておけば、組立て後の総合精度としてピックアップ
の光学的傾きが問題にならないレベルの製品であった。

【０００３】また、量産製品ではあまり見られないが、
レ−ザディスクのような大きなディスクについては、デ
ィスクの自重による傾き分等のピックアップに対する角
度ズレを補正しながら動作するといったものがあるが
（特開平１−２５１４３３号公報）、これは、ピックア
ップ動作装置の組立て精度が問題というものではなく、
光学的許容範囲を越えるようなディスクの傾きに対して
信号が読み取れるよう、傾きを検知してモ−タによりピ
ックアップの角度を補正する機構であり、機構が複雑で
あり、かつコストがかかるため現在はほとんど採用され
ていなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近
は、ディスクの記録密度を上げたデジタルビデオディス
ク（ＤＶＤ）といった高密度記録ディスクの規格が発表
され、これに対応して、使用するレ−ザの波長が６５０
ｎｍになり、トラックピッチが０．７４μｍといった厳
しい規格条件が要求され、ピックアップの光学的傾き
が、従来のＣＤの約半分程度に抑えなければならないと
いった技術的な厳しさが要求されるようになってきた。

【０００５】そして、これは、規格上でのディスク自体
の精度が厳しくなったのは勿論、従来通りにディスク以
外の各部品の単品精度を厳しく抑えても、組立てバラツ
キによる取付け誤差により、ピックアップ動作装置とし
て総合組立て精度的に光学的な傾き許容精度が満足され
ないという問題が生じていた。

【０００６】また、従来のディスクの傾きに合わせてピ
ックアップの角度補正を行うような機構は、ディスク自
体の傾きに合わせて角度補正を行うため、傾き検知手段
や傾き補正の機構、それを駆動するモ−タが必要であ
り、非常にコストがかかり製品単価がアップするため、
より安くて光学的な傾き精度を満足するような安価なピ
ックアップ動作装置が望まれていた。

【０００７】本発明は、かかる従来技術の欠点を除き、
高密度ディスクに対しても光学的傾きが問題とならない
安価なピックアップ動作装置を実現することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明は、ピックアップの動作ガイドのガイド部材
の取付けを、一端は装置のベ−ス部材に設けた受け部と
取付け部材で受け、他端はバネ部材と調整部材で受け、
バネ部材からガイド部材が押される付勢力を調整部材で
受け、調整部材の前進後退によりバネ部材の付勢力に抗
してガイド部材の角度が変化するように調整可能に設け
た。

【０００９】また、調整部材を、ディスクのタ−ンテ−
ブル装着状態において、ディスクの外側に設け、ピック
アップによりディスクの信号を読み出しながら、信号が
最適になるようにガイド部材の角度が変化できるように
調整可能に構成した。

【００１０】以上のような構成を採用することにより本
発明は次のような機能を達成することができる。

【００１１】本発明は、ピックアップを移動し案内する
ガイド部材を、ベ−ス部材に保持取り付ける取付け部材
により一端を保持させ、他端にピックアップの移動方向
に略直角にガイド部材に当接させた調整部材を設け、調
整部材を前進または後退させることにより、ガイド部材
を挟んで前記調整部材と対向した位置に設けたバネ部材
によりガイド部材が付勢力を受け、調整部材の前進また
は後退の動きに追従してガイド部材が動き、ガイド部材
の取付け角度が変化する。従って、ガイド部材に取り付
けられたピックアップの光学的な傾斜角を変化させるこ
とができ、最適な傾斜角に調整することができる。

【００１２】また、調整部材をディスクのタ−ンテ−ブ
ル装着状態において、ディスクの外側に設けたので、デ
ィスクの信号を読み出しながら信号が最適になるよう
に、ピックアップの光学的な傾斜角を調整することがで
き、正確に簡単に作業が行なえるる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明によるピックアップ
動作装置の一実施形態を図面により詳細に説明する。

【００１４】図１は、本発明の一実施形態を示すピック
アップ動作装置の平面図、図２は、ピックアップとガイ
ド部材を示す平面図、図３は、ピックアップ動作装置の
裏面図、図４は、ガイドシャフトＡの構成を示す要部断
面図、図５は、ガイドシャフトＡを＋θ度だけ傾けた状
態を示す要部断面図、図６は、ガイドシャフトＢの構成
を示す要部断面図、図７は、ガイドシャフトＢを−θ度
だけ傾けた状態を示す要部断面図である。

【００１５】図１、図２、図３において、１はディス
ク、２はピックアップ、３はベ−ス、４はガイドシャフ
トＡ、５はガイドシャフトＢ，６はタ−ンテ−ブル、７
はガイドシャフトＡ４取付け部材、８はガイドシャフト
Ｂ５取付け部材、１１はガイドシャフトＡ４取付け調整
ネジ、１２はガイドシャフトＢ５取付け調整ネジ、 １
４はガイドシャフトＡ４駆動用の伝達ギヤ、１３はピッ
クアップ２のスライド動作駆動用のスレッドモ−タ、１
６はガイドシャフトＢ４のスクリュ−部４ａと噛み合っ
てピックアップ２をスライド動作するためのスライドギ
ヤ、１７はディスク１回転駆動用のディスクモ−タであ
る。

【００１６】ピックアップ２は、ガイドシャフトＡ４、
ガイドシャフトＢ５と係合部２ａ，２ｂとで案内され、
矢印の方向に移動可能に取り付けられている。ガイドシ
ャフトＡ４には、スクリュ−部４ａとギヤ部４ｂが設け
られていて、スクリュ−部４ａは、ピックアップ２に取
り付けられたスライドギヤ１６と噛み合っており、スレ
ッドモ−タ１３の駆動力をモ−タ軸に設けたギヤ１３ａ
から伝達ギヤ１４、ギヤ部４ｂへと伝達し、ガイドシャ
フトＡ４を回転させることによって、前記したスライド
ギヤ１６により、ガイドシャフトＡ４の回転数とスクリ
ュ−部４ａの送りピッチとの乗算分だけ回転方向に応じ
てピックアップ２がスライド移動する。ガイドシャフト
Ａ４のスラスト受けとして、バネ性を持ったスラスト受
け１５が設けてある。

【００１７】ディスク１は、タ−ンテ−ブル６の上に取
り付けられ、図示しないディスククランパによってタ−
ンテーブル６に密着される。タ−ンテ−ブル６は、ディ
スクモ−タ１７の回転シャフト１７ａに取り付けられて
おり、ディスクモ−タ１７が回転することによりタ−ン
テ−ブル６とディスク１が一体に回転する。ピックアッ
プ２は、レ−ザ光線を出してディスク１面にある記録情
報（ピット情報）を反射光から読み取り、信号としてデ
ジタル回路へ送る。

【００１８】次に、図４〜図７により、ガイドシャフト
Ａ４、ガイドシャフトＢ５の取付け構造及び角度調整機
構について説明する。まず、図４と図６において、ベ−
ス３には、ガイドシャフトＡ４、ガイドシャフトＢ５の
受け部としてディスクモ−タ側に略半円断面形状の受け
部３ａ、３ｃを設けてありバネ性のある取付け部材７、
８にてガイドシャフトＡ４、ガイドシャフトＢ５を取付
け、また、もう一方の側には、スプリング１８、１９の
取付け用の凹部３ｂ、３ｄが設けられている。

【００１９】前記凹部３ｄには、圧縮スプリング１９が
取り付けられ、ガイドシャフトＢ５と当接し、また、取
付け調整ネジ１２がネジ取付けべ−ス９に前進後退可能
に取り付けられ、かつ、ガイドシャフトＢ５と当接し、
スプリング１９に抗してガイドシャフトＢ５を設計値の
位置に保っている。また、前記凹部３ｂには、圧縮スプ
リング１８が取り付けられ、軸受２０と当接し、取付け
調整ネジ１１が、ネジ取付けベ−ス１０に前進後退可能
に取り付けられ、かつ、軸受２０と当接し、スプリング
１８に抗してガイドシャフトＡ４を設計値の位置に保っ
ている。

【００２０】次に、ピックアップ２の角度補正について
説明する。

【００２１】設計値の位置でのピックアップ２のレ−ザ
光線が、ディスク１に当たり反射してピックアップ２に
戻って来るが、この時、角度ズレがあると必要な光量が
光検出器に戻って来ないため、信号の読み取りが出来な
くなってしまう。そのため、ディスク１に対するピック
アップ２の相対位置の角度ズレを補正する必要が出て来
る。

【００２２】図５と図７において、ベ−ス３に対するタ
−ンテ−ブル６の取付け角度ズレや、ピックアップ２の
取付け角度ズレ等により高密度対応のディスク１に対し
て、ピックアップ２からのレ−ザ光線の光学的な傾き角
度が許容精度を満足できないおそれがあるとき、例え
ば、最初の設定位置より反時計方向にθ度だけ傾き角度
を補正する必要がある時、取付け調整ネジ１２を前進方
向に回すことにより角度を調整できる。この時、ガイド
シャフトＢ５は、取付け調整ネジ１２により押され、ス
プリング１９が圧縮されて、θ度傾くことで、ピックア
ップ２が同様にθ度傾く。

【００２３】ガイドシャフトＢ５の他端は、略半円断面
形状の受け部３ｃとバネ性のある取付け部材８で受けて
いるので、θ度の取付け角度変化は当接面の位置が移動
するので問題無い。同様に、時計方向にθ度だけ傾き角
度を補正する様、取付け調整ネジ１１を後退方向に回す
ことにより角度を調整出来る。また、ガイドシャフトＡ
４の角度調整に際して、ガイドシャフトＡ４は、回転す
るため、直接にスプリング１８や取付け調整ネジ１１が
当たらないように軸受２０を設け、軸受２０と取付け調
整ネジ１１やスプリング１８を当接させ、角度調整を行
なっている。

【００２４】前記した角度調整機構により、ピックアッ
プ２の光学的傾き角度を調整できるので、従来のＣＤよ
りも高密度なディスク１に対しても、単品精度を抑えて
も組立て総合精度として許容角度精度内に入らないピッ
クアップ２の取付け角度誤差分を調整にて対応可能にで
きる。

【００２５】前記調整は、規格寸法のディスク（調整用
ディスク）に対して最適角度に調整を行って組立て時の
組立てバラツキ誤差によるピックアップの光学的傾きを
補正するもので、規格内寸法のディスクに対しては、角
度調整は必要なく、組立て後に一度調整すればその後は
角度調整は行う必要は無い。

【００２６】また、ピックアップ２の取付け角度補正の
調整は、ディスク１のタ−ンテ−ブル６に装着された状
態において、ディスク１の外側に取付け取付け調整ネジ
１１、１２を設けているので、ディスク１を回転動作さ
せ、実際に信号を読み出しながら最適読み出し状態に角
度補正の調整ができるので、非常に使い勝手が良い。

【００２７】

【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、ピッ
クアップのガイド部材を取付けベ−ス部材に対して取付
け角度調整を可能とし、ピックアップの光学的傾き角度
を調整可能としたため、円盤状記録媒体が高密度とな
り、タ−ンテ−ブルやピックアップの単品精度を抑えて
も組立てバラツキにより組立て総合精度として許容角度
精度内に入らない場合でも、組立て後にピックアップの
取付け角度を調整し、高密度円盤状記録媒体の信号読み
取り動作に対応できる。

【００２８】また、角度調整機構も簡単な構成であり、
ディスクの傾き角度を検知する検知手段やピックアップ
を傾ける駆動モ−タを用いた複雑な構成では無いため、
コスト的にも安価であるという多大な効果を有してい
る。

【００２９】また、角度調整の取り付け調整ネジを、円
盤状記録媒体の外側の位置に配置したので、円盤状記録
媒体からピックアップにて信号を読みだしながら、最適
信号読み出し状態に角度調整が簡単に正確に出来、非常
に使い勝手が良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すピックアップ動作装
置の全体平面図である。

【図２】ピックアップとガイド部材の取付けを示す平面
図である。

【図３】ピックアップ動作装置の全体裏面図である。

【図４】ガイドシャフトＢ周りの構成を示す要部断面図
である。

【図５】ガイドシャフトＢを＋θ度だけ角度調整した状
態を示す要部断面図である。

【図６】ガイドシャフトＡ周りの構成を示す要部断面図
である。

【図７】ガイドシャフトＡを−θ度だけ角度調整した状
態を示す要部断面図である。

【符号の説明】

１ ディスク ２ ピックアップ ３ ベ−ス ４ ガイドシャフトＡ ５ ガイドシャフトＢ ６ タ−ンテ−ブル ７，８ 取付け部材 ９，１０ ネジ取付けベ−ス １１，１２ 取付け調整ネジ １３ スレッドモ−タ １４ 伝達ギヤ １６ スライドギヤ １７ ディスクモ−タ １８，１９ スプリング

フロントページの続き (72)発明者 滝田 耕平 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マルチメディアシステム 開発本部内 (72)発明者 杉山 俊夫 岩手県水沢市真城字北野１番地 株式会社 日立メディアエレクトロニクス内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円盤状記録媒体より光学的に信号を読み
   出すピックアップを、前記円盤状記録媒体のトラックに
   対し略直交する方向に移動させる動作機構を備えたピッ
   クアップ動作メカニズムにおいて、 前記円盤状記録媒体を回転動作させるモ−タと、 前記モ−タの回転軸に設け且つ円盤状記録媒体を乗せて
   回転させるタ−ンテ−ブルと、 前記ピックアップを移動させる動作機構を動かすモ−タ
   と、 前記ピックアップを移動し案内するガイド部材と、 前記ガイド部材の一端を保持するガイド受け部を設けた
   ベ−ス部材と、 前記ガイド部材の一端を前記ガイド受け部に取り付ける
   取付部材と、 前記ピックアップの移動方向に対して略直角にガイド部
   材の他端と当接して取付けられた調整部材と、 前記ガイド部材を挟んで前記調整部材と略対向した位置
   に設けたガイド部材の他端を受けて付勢力を付与するバ
   ネ部材と、 から構成され、前記調整部材を前進後退させることによ
   り、前記ばね部材を伸縮させ、前記ガイド部材の取付け
   傾斜角を変化させ、ピックアップの取付け傾斜角を調整
   することを特徴とするピックアップ動作装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記調整部材は、前記円盤状記録媒体がタ−ンテ−ブル
   に装着された状態において円盤状記録媒体の外側に設置
   され、前記円盤状記録媒体を回転して前記ピックアップ
   で信号出力を読み出しながら最適な信号の読み出し状態
   になるように、前記調整部材を前進後退させてピックア
   ップの取付け傾斜角を調整することを特徴とするピック
   アップ動作装置。