JPH09161270A - 磁気ディスクとその製造方法及び磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスクとその製造方法及び磁気ディスク装置

Info

Publication number
JPH09161270A
JPH09161270A JP32135895A JP32135895A JPH09161270A JP H09161270 A JPH09161270 A JP H09161270A JP 32135895 A JP32135895 A JP 32135895A JP 32135895 A JP32135895 A JP 32135895A JP H09161270 A JPH09161270 A JP H09161270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon substrate
recording medium
magnetic
single crystal
crystal silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP32135895A
Other languages
English (en)
Inventor
Iwao Okamoto
巌 岡本
Kenji Sato
賢治 佐藤
Masaki Shinohara
正喜 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP32135895A priority Critical patent/JPH09161270A/ja
Publication of JPH09161270A publication Critical patent/JPH09161270A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気ディスクの製造方法及に関し、シリコン基
板上に形成された磁気記録媒体層が1500 Oe 以上の
高い保磁力を付与すること。 【解決手段】抵抗率が0.1Ωcm以下となる不純物含有
量の単結晶シリコン基板10をターゲットに対向させる
工程と、前記単結晶シリコン基板10上にバイアススパ
ッタにより磁気記録媒体層12を形成する工程とを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクとそ
の製造方法及び磁気ディスク装置に関し、より詳しく
は、単結晶シリコン基板の上に磁気記録媒体層が形成さ
れた磁気ディスクとその製造方法、およびその磁気ディ
スクを有する磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置に用いられる磁気記録
媒体においては、高記録密度化を図るために高い保磁力
の確保が必要になる。磁気情報が書き込まれる磁気記録
媒体層は、基板上に中間層を介して形成されるのが一般
的である。中間層としてクロム膜を使用し、磁気記録媒
体層としてコバルトクロム系の磁性膜を使用したものが
特開平1−256017号、特開平4−228105
号、特公平5−72016号、特開平7−50008号
公報及び米国特許5004652号公報に記載されてい
る。
【0003】そのうち、特開平4−228105号、特
公平5−72016号では、少なくとも磁気記録媒体層
をバイアススパッタにより形成している。磁気記録媒体
層が形成される基板としては、ニッケルリン(NiP )が
塗布されたアルミニウム(Al)基板が一般に使用されて
いるが、このAl基板は次のような問題が生じている。
【0004】クロム(Cr)を下地にしてコバルトクロム
(CoCr)系磁性膜を成長する場合には、その磁性材料を
280℃で加熱することにより高い保磁力が発現する。
磁気ディスクのような両面成膜装置においては、スパッ
タによる成膜中に基板を加熱することが困難なために、
予め基板を加熱しておいて余熱の状態においてスパッタ
を行うので、CoCr系磁性膜を成長するためには基板を予
め300℃以上に加熱する必要がある。
【0005】しかし、Al基板を300℃以上に加熱する
と、その表面のNiP 層が熱により結晶化して大きな磁化
が発生し、しかもNiP の結晶化によって表面に凹凸が発
生するといった問題があった。一方、高記録密度の磁気
ディスク装置では、磁気ヘッドを20〜30nm程度の高
さで浮上させて磁気記録媒体の磁気記録情報を読み出す
ようにしている。この場合、磁気記録媒体表面の最大突
起の高さ(以下、グライドハイトという)を10nm程度
にする必要がある。
【0006】磁気ディスク装置では、記録密度が高くな
るにつれて磁気ヘッド上の磁気抵抗効果素子と磁気ディ
スクとの距離を小さくする必要があるので、グライドハ
イトを確保するためには磁気記録媒体層の表面の凹凸を
小さくする必要がある。しかし、Al基板の表面を研磨し
てもその平均表面粗さを0.7nmよりも小さくすること
は難しく、しかも研磨されたAl基板上の磁気媒体層に生
じる突起の最大高さは約7nmになるので、Al基板を有す
る磁気ディスクではグライドハイトを10nm確保するこ
とは困難になるといった問題があった。
【0007】また、磁気ディスク装置の小型化に伴っ
て、磁気記録媒体層が成膜される基板を薄く形成する必
要がある。しかし、Al基板を0.3mm以下に薄くすると
湾曲し易くなるので、磁気ディスク装置の小型化に対応
させることができないという問題があった。このような
問題を解決するために、単結晶シリコン基板を用いた磁
気記録媒体が特開昭59−96539号、特開平6−6
8463号公報に記載されている。シリコン基板は、耐
熱性が良く、加熱による磁化の発生もなく、しかも研磨
による平坦性も良いという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に用いら
れている単結晶シリコン基板の表面にバイアススパッタ
により磁性膜を成長したところその保磁力は1500エ
ルステッド(Oe)以下となり、高い保磁力を得ることは
困難であった。その単結晶シリコン基板の抵抗率は1Ω
cm以上であった。
【0009】本発明は、シリコン基板上に形成された磁
気記録媒体層が1500 Oe 以上の高い保磁力が得られ
る磁気ディスクとその製造方法およびその磁気ディスク
を有する磁気ディスク装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(手 段)上記した課題は、図1に例示するように、抵
抗率が0.1Ωcm以下となる不純物含有量の単結晶シリ
コン基板10を磁性材ターゲットT1 、T2 に対向させ
る工程と、バイアススパッタにより前記磁性材ターゲッ
トT1 、T2 から磁性材を飛散させて前記単結晶シリコ
ン基板10上に磁気記録媒体層12を形成する工程とを
有することを特徴とする磁気ディスクの製造方法により
解決する。
【0011】上記磁気ディスクの製造方法において、前
記単結晶シリコン基板10の一部を導電性支持体5に接
触させることにより前記単結晶シリコン基板10を前記
磁性材ターゲットT1 、T2 から間隔をおいて支持して
前記磁性材ターゲットT1 、T2 に対向させていること
を特徴とする。上記磁気ディスクの製造方法において、
前記単結晶シリコン基板10に直流の又は交流のバイア
ス電圧Vb を印加しながら前記磁気記録媒体層12を形
成することを特徴とする。
【0012】上記磁気ディスクの製造方法において、前
記磁気記録媒体層12を形成する際の前記単結晶シリコ
ン基板10の温度を280℃以上とすることを特徴とす
る。上記磁気ディスクの製造方法において、前記単結晶
シリコン基板10を前記磁性材ターゲットT1 、T2
対向させる前に、表面平均粗さが0.5nm以下となるよ
うに前記単結晶シリコン基板10の表面を研磨すること
を特徴とする。
【0013】上記磁気ディスクの製造方法において、前
記単結晶シリコン基板10を前記磁性材ターゲット
1 、T2 に対向させる前に、厚さが0.3mm以下且つ
0.1mm以上となるように前記単結晶シリコン基板10
を薄層化することを特徴とする。上記磁気ディスクの製
造方法において、前記磁気記録媒体層12を形成する前
に、前記単結晶シリコン基板10を非磁性材ターゲット
に対向させて、前記単結晶シリコン基板10上にスパッ
タにより予め下地層11を形成する工程を有することを
特徴とする。
【0014】上記磁気ディスクの製造方法において、ク
ロムを主成分とする材料から前記下地層11を形成し、
クロムを含み且つコバルトを主成分とする材料から前記
磁気記録媒体層12を形成することを特徴とする。この
場合、例えば、Cr組成比を14〜25 atoms%、Ta組成
比を1〜7.5 atoms%、Pt組成比を2〜20 atoms
%、残量をCoとした合金によってCoCrTaPt磁気記録媒体
層12を形成し、そのBr t値を120Gμm以下、膜
厚を30nm以下にするとともに、前記単結晶シリコン基
板10に印加する負の基板バイアス電圧Vb を−200
Vより大きくすることを特徴とする。
【0015】または、例えばCr組成比を14〜25 ato
ms%、Ta組成比を1〜7.5 atoms%、Pt組成比を4〜
15 atoms%、残量をCoとした合金によってCoCrTaPt磁
気記録媒体層12を形成し、そのBr t値を120Gμ
m以下、膜厚を30nm以下にするとともに、前記単結晶
シリコン基板10に印加する負の基板バイアス電圧V b
を−200Vより大きくすることを特徴とする。
【0016】または、Cr組成比を15.5〜23.5 a
toms%、Ta組成比を1〜7.5 atoms%、Pt組成比を4
〜17 atoms%、残量をCoとした合金によってCoCrTaPt
磁気記録媒体層12を形成し、そのBr t値を120G
μm以下、膜厚を30nm以下にするとともに、前記単結
晶シリコン基板10に印加する負の基板バイアス電圧V
b を−200Vより大きくすることを特徴とする。
【0017】または、Cr組成比を16.5〜22 atoms
%、Ta組成比を1〜3 atoms%、Pt組成比を2〜20 a
toms%、残量をCoとした合金によってCoCrTaPt磁気記録
媒体層12を形成し、そのBr t値を120Gμm以
下、膜厚を30nm以下にするとともに、前記単結晶シリ
コン基板10に印加する負の基板バイアス電圧Vb を−
200Vより大きくすることを特徴とする。
【0018】上記磁気ディスクの製造方法において、前
記Crを主成分とする材料よりなる前記下地層11を25
nm以下の厚さに形成することを特徴とする。上記磁気デ
ィスクの製造方法において、表面に二酸化シリコン膜が
形成されている前記単結晶シリコン基板10を使用する
ことを特徴とする。上記した課題は、図14に例示する
ように、上記した磁気ディスクの製造方法によって形成
された磁気ディスク21と、前記磁気ディスク21に対
向させて配置される磁気抵抗効果ヘッド22とを有する
ことを特徴とする磁気ディスク装置によって解決する。
【0019】上記した課題は、図3(c) に示すように、
抵抗率が0.1Ωcm以下となる不純物含有量の単結晶シ
リコン基板10と、前記単結晶シリコン基板10の上に
形成された下地層11と、前記下地層の上に形成された
磁気記録媒体層12と、前記磁気記録媒体層12の上に
形成された保護膜13とを有することを特徴とする磁気
ディスクによって解決する。 (作 用)次に、本発明の作用について説明する。
【0020】本発明によれば、バイアススパッタによっ
て単結晶シリコン基板の上に磁気記録媒体層を形成する
場合に、単結晶シリコン基板の抵抗率が0.1Ωcm以下
になる量の不純物を単結晶シリコン基板にドープしてい
る。したがって、単結晶シリコン基板に流れるバイアス
電流が大きくなって、磁気記録媒体層内の磁性体の密度
が高くなり、その保磁力が高くなる。バイアス電流を高
くする方法として、単結晶シリコン基板の抵抗を0.1
Ωcmより大きくしてバイアス電流を大きくすることも考
えられるが、単結晶シリコン基板表面に異常放電が生じ
ることが確かめられ、この方法は好ましくないことがわ
かった。
【0021】その単結晶シリコン基板に印加するバイア
ス電圧としては交流又は直流のいずれを用いても、磁気
記録媒体層の保磁力は容易に1500 Oe 以上になる。
しかも、単結晶シリコン基板は、280℃以上の熱によ
って変形せず、研磨によって表面粗さを0.5nm以下に
することができ、10nm以下のグライドハイトの確保が
容易になる。また、研磨などによって0.3mm以下の厚
さの単結晶シリコン基板を容易に得ることができるの
で、磁気ディスク装置の小型化に寄与する。
【0022】なお、バイアススパッタにより形成される
磁気記録媒体層は、単結晶シリコン基板の表面の下地層
を介して形成されることが多く、この場合にも上記した
作用が得られる。その下地層の厚さは、25nm以下にす
ることにより磁気記録媒体層の媒体S/N比が大きくな
ることが実験により確かめられた。その下地層を構成す
る材料としては、例えばクロムを主成分とする材料を用
い、また、前記磁気記録媒体層を構成する材料として
は、クロムを含み且つコバルトを主成分とする材料を用
いる。
【0023】以上のような製造方法により形成された磁
気ディスクはMRヘッドとともに用いることによって磁
気ディスク装置の小型化をさらに促進する要因となる。
【0024】
【発明の実施の形態】そこで、以下に本発明の実施例を
図面に基づいて説明する。まず、単結晶シリコン基板上
に磁気記録媒体層を形成するための成膜装置の概要を図
1を参照して説明する。この成膜装置はDCバイアスマ
グネトロンスパッタ装置であるが、高周波バイアススパ
ッタ装置を使用してもよい。
【0025】DCバイアスマグネトロンスパッタ装置に
おいて、成膜室1内には磁性材よりなる2つのターゲッ
トT1 、T2 が間隔をおいて配置され、それらのターゲ
ットT1 、T2 には負の直流電圧V1 が印加されてい
る。以下の実施形態では、ターゲットT1 、T2 への印
加電圧V1 を−300Vに設定している。2つのターゲ
ットT1 、T2 の背面側にはそれぞれマグネット2が配
置されていてターゲットの表面において磁界が外側から
内側に向いた磁界が発生している。
【0026】また、成膜室1の一方には単結晶のシリコ
ン基板10を加熱するための加熱用ランプ3が配置され
ている。なお、加熱は別室で行われてもよい。シリコン
基板10は円盤状に形成されたものを使用する。シリコ
ン基板10は導電性のパレット4内で導電性の板バネ
(支持体)5によって3か所支持されていて、ターゲッ
トT1 、T2 間に置かれたシリコン基板10は、板バネ
5及びパレット4を介して接地され又は負の直流バイア
ス電圧Vb が印加されている。図2はシリコン基板10
を取り付けたパレット4を示す平面図である。
【0027】なお、シリコン基板10の中央に形成され
た支持孔10aの内周縁に導電性の支持部材を接触さ
せ、その支持部材によってリコン基板10を成長室1内
で支持してもよい。 (第1実施形態)図1のようなDCバイアスマグネトロ
ンスパッタ装置を用いて、抵抗率の異なる複数の単結晶
シリコン基板10を用意し、それらの表面にクロム(C
r)よりなる下地(ベース)層11を60nmの厚さに形
成した。そして、図3(a) 〜(c) に示すように、以下に
述べる工程に従って各Cr下地層11上にCoCrTaよりなる
磁気記録媒体層12を18nmの厚さに成長し、さらに磁
気記録媒体層12上に炭素よりなる保護膜13を形成し
た。
【0028】なお、それぞれのシリコン基板10には燐
がドープされ、それらのドーピング量の相違によってシ
リコン基板10の抵抗率を異ならせている。CoCrTa磁気
記録媒体層12を成膜する際には、パレット4に装着さ
れたシリコン基板10を加熱用ランプ3によって約30
0℃に加熱した後に、そのパレット4を上昇させてシリ
コン基板10を2つのターゲットT1 、T2 の間に位置
させる。ターゲットT1 、T2 としてCoCrTa板を使用す
る。
【0029】そして、シリコン基板10に−300Vの
バイアス電圧Vb を印加するとともに、ターゲット
1 、T2 にも−300Vの電圧を印加した。さらに、
ターゲットT1 、T2 間にアルゴン(Ar)ガスを導入す
るとともに、その間の圧力を1mTorr に減圧した。この
条件下で、それぞれのシリコン基板10の上にCr下地層
11を介してCoCrTa磁気記録媒体層12を成長した。Co
CrTa成長時における、シリコン基板10に流れるバイア
ス電流Ib とシリコン基板10の抵抗率との関係を調べ
たところ図4の実線のような関係が得られた。さらに、
CoCrTa記録媒体層12の成長後に、CoCrTa磁気記録媒体
層12の保磁力とシリコン基板10の抵抗率との関係を
調べたところ、図4の一点鎖線に示すような関係が得ら
れた。
【0030】シリコン基板10の抵抗率が小さくなるほ
どシリコン基板10に流れるバイアス電流Ib が大きく
なるので、シリコン基板10に大きなバイアス電流Ib
を流すことによって保磁力Hc の大きなCoCrTa磁気記録
媒体層12が形成されることがわかった。また、シリコ
ン基板10の抵抗率が小さくなるほど保磁力は大きくな
ることがわかった。
【0031】これらの結果から、シリコン基板10に大
きなバイアス電流Ib が流れるということは、Arプラズ
マがシリコン基板10に引き寄せられることによる。こ
のArプラズマにより、Cr下地層11、CoCrTa記録媒体層
12を構成する原子の再配置がうながされ、高い保磁力
が発現する。また、抵抗率が10Ωcmと大きなシリコン
基板10にバイアス電流を流そうとすると、板バネ5か
らシリコン基板10に異常放電が発生し、欠陥のある磁
気記録媒体層が形成されてしまう。したがって、抵抗率
の大きなシリコン基板10に大きな基板バイアス電圧を
印加してバイアス電流を大きくすることは問題があるこ
とがわかった。
【0032】CoCrTa磁気記録媒体層12は磁気ディスク
の磁気記録媒体層となり、その保磁力は1500 Oe 以
上となるのが望ましい。したがって、図4から、シリコ
ン基板10の抵抗率を0.1Ωcm以下になるように設定
するのが良い。抵抗率0.1Ωcm、基板バイアス電圧−
300Vの時にはバイアス電力は約2Wとなる。比較の
ために、上記したと同じスパッタ条件下で、NiP がコー
ティングされたAl基板の上にCoCrTa層を形成したとこ
ろ、バイアス電力が3Wとなり、しかも1500 Oe 以
上の保磁力が得られた。
【0033】次に、磁気記録媒体層成長時の基板温度、
基板バイアス電圧、成長雰囲気圧力、磁気記録媒体層1
2の膜厚の相違によってBr t値、保磁力(Hc )、角
型比(S)、保磁力角型比(S* )がそれぞれどのよう
に変化するかを実験して調べたところ、表1のような結
果が得られた。この実験は、0.01Ωcmの抵抗率を有
する単結晶のシリコン基板10の上にCr下地膜11を6
0nmの厚さに形成し、その上に成長条件を変えてCo77Cr
15Pt8磁気記録媒体層12を15.0μm〜20.0μ
mの厚さに形成して行った。
【0034】
【表1】
【0035】表1によれば、基板温度を高く且つ基板バ
イアス電圧を印加することによって高い保磁力が得ら
れ、また、高い基板温度によって大きなほぼ一定の角型
比及び保磁力角型比が得られることがわかった。例え
ば、DCバイアスマグネトロンスパッタ装置の成膜室1
内のアルゴンガス雰囲気の圧力を5 mTorr、基板バイア
ス電圧Vb を−300V、成膜開始温度を280℃に設
定して、Co77Cr15Pt8 よりなる磁気記録媒体層12をシ
リコン基板10の両面に同時に形成したところ、両面の
Co77Cr15Pt8 磁気記録媒体層12の保磁力は1900 O
e と高くなった。なお、Co77Cr15Pt8 の添字は、組成比
(atoms %)を示している。以下の実施でも同様とす
る。
【0036】上記したBr t値は、図5のB−Hヒステ
リシスループに示す磁気記録媒体層の残留磁化(Br
と膜厚(t)の積である。角型比Sは、残留磁化
(Br )を飽和磁化(Bs )で割った値(Br /Bs
であり、大きいほど磁気記録媒体層の磁気出力が大きく
なる。保磁力角型比S* は、図3に示すヒステリシスル
ープの矩形比を示すパラメータであって、(Hc −Δ
H)/Hc の式で表わされる。S* が“1”に近づくほ
ど高記録密度特性に優れた磁気記録媒体が得られる。
【0037】表1によれば、低抵抗のシリコン基板10
にバイアス電圧を印加することにより磁気記録媒体層1
2のSとS* を向上できることができることがわかった
ので、次にバイアス電圧と媒体ノイズとの関係を詳細に
説明する。 (第2実施形態)バイアス電圧と媒体ノイズとの関係を
調べるために、図1に示したDCバイアスマグネトロン
スパッタ装置を用いて、図3に示すように抵抗率0.0
1Ωcmの単結晶シリコン基板10の上に、Crよりなる下
地膜11とCo77Cr15Ta4Pt4よりなる磁気記録媒体層12
と炭素(C)よりなる保護膜13とを順に形成して磁気
ディスクを作製した。それらの層は次のようにして形成
された。
【0038】まず、Cr下地層11の成長前にスパッタ雰
囲気を3×10-7Torr以下の圧力に排気した後に、シリ
コン基板10を200〜320℃で加熱し、ついでCrよ
りなるターゲットT1 、T2 間にシリコン基板10を配
置してからアルゴンガスが導入されたスパッタ雰囲気を
5 mTorrに保持する。これにより、Crよりなる下地層1
1を10〜40nmの厚さに形成した。
【0039】続いて、別の成膜室1で、ターゲット
1 、T2 の間にシリコン基板10を置いてCo77Cr15Ta
4Pt4よりなる磁気記録媒体層12を下地層11の上に形
成した。また、磁気記録媒体層12の成膜時には0〜−
400VのDCバイアス電圧をシリコン基板10に印加
した。また、磁気記録媒体層12のBr t値を120G
μmになるようにした。
【0040】さらに別の成膜室1で、炭素ターゲットT
1 、T2 の間にシリコン基板10を置いて磁気記録媒体
層12の上に保護膜13を形成した。このような条件で
形成された磁気ディスクの基板バイアス電圧依存性を調
べたところ図6のような結果が得られた。これにより、
負の基板バイアス電圧Vb を高くするほど媒体S/N比
が高くなることがわかる。これは、基板バイアス電圧V
b が高くなるほど磁性粒界に偏析するCrが多くなり、磁
性粒子同士が磁気的に良好に分断され、媒体ノイズが減
ったためであると考えられる。
【0041】次に、媒体S/N比とCr下地層11の膜厚
との関係を調べたところ、図7に示すような関係が得ら
れ、Cr下地層11の厚さは25nm以下になると120kF
ci、160kFciともに媒体S/N比の値が大きくなるこ
とがわかった。なお、磁気抵抗効果型(MR)ヘッドを
使用して磁気記録媒体層12の磁気情報を読み出す構造
を採用する場合には、磁気記録媒体層12のBr tの最
適値は120Gμmであった。
【0042】そして、そのような磁気記録媒体層12が
形成された直径95mmのシリコン基板11からなる磁気
ディスクを4枚間隔をおいて重ね、さらにMRヘッドを
用いて面記録密度400Mb/in2 (装置容量で1.
5GB以上)の記録容量を有する磁気ディスク装置を作
製した。その磁気ディスクは0.25mmと薄いシリコ
ン基板を用いている。この基板径で標準的な基板厚さは
0.8mmであるから、基板を4枚用いる場合には約
2.2m程度装置の高さを低減でき、小型、大容量のデ
ィスクが構成される。 (第3実施形態)上記した実施形態では、抵抗率0.1
Ωcm以下のシリコン基板を使用してその上にバイアスス
パッタにより磁気記録媒体層を形成することについて説
明した。本実施ではそのような成長方法を用いてCoCrTa
Ptよりなる磁気記録媒体層を形成する場合に、CoCrTaPt
の各構成元素の組成比(atoms %)が保磁力にどのよう
な影響を及ぼすかを実験により調べた。
【0043】実験は、図1に示したDCバイアスマグネ
トロンスパッタ装置を用いておこなった。まず、図3
(a) 〜(c) と同様に、シリコン基板10表面にCrよりな
る下地層11を成長する。Crの成長前にスパッタ雰囲気
を3×10-7Torr以下の圧力に排気し、その後にシリコ
ン基板10を400℃で加熱し、ついでCrよりなるター
ゲットT1 、T2間にシリコン基板10を配置してから
スパッタ雰囲気を5 mTorrに保持する。そして、−40
0Vの基板バイアス電圧Vb をシリコン基板10に印加
しながらその表面にCrよりなる下地層11を10nmの厚
さに形成した。
【0044】続いて、別の成膜室1内にシリコン基板1
0を移動して加熱ランプ3によって400℃に加熱した
後に、ターゲットT1 、T2 の間にシリコン基板10を
配置し、アルゴンガスが導入されたスパッタ雰囲気を5
mTorrに保持した。そして、−400Vの基板バイアス
電圧Vb をシリコン基板10に印加しながら下地層11
の上にBr t値が100GμmのCoCrTaPtよりなる磁気
記録媒体層12を形成した。
【0045】この場合、ターゲットT1 、T2 として、
CoCr板の表面の一部領域にTaチップ及びPtチップを取付
けて構成された複合ターゲットT1 、T2 を用いた。ま
た、CoCr板として、組成の異なる複数のCo84Cr16、Co82
Cr18、Co78Cr22又はCo76Cr24を交換して使用するととも
に、TaチップとPtチップの大きさを変えて、組成の異な
るCoCrTaPt磁気記録媒体層12を形成した。この結果、
図8〜図10に示すような特性が得られた。
【0046】図8は、磁気記録媒体層12のPtの組成比
と磁気記録媒体層12の保磁力の関係を示し、Pt組成比
が5〜15 atoms%で保磁力のピークが存在した。しか
も、特に図示しないが、Ta組成比が1〜7.5 atoms%
で且つPt組成比が2〜20 atoms%の範囲で保磁力が1
500 Oe を越えることがわかった。図9は、磁気記録
媒体層12のTaの組成比と磁気記録媒体層12の保磁力
の関係を示し、2〜5 atoms%付近でその保磁力がピー
クを有し、Taの組成比をそれ以上増やすと保磁力は大幅
に減少した。また、Pt組成比が4〜15 atoms%で且つ
Ta組成比が1〜7.5 atoms%の範囲で保磁力が150
0 Oe を越えることがわかった。
【0047】図8、図9によれば、Pt組成比を変えるよ
りもTa組成比を変える方が保磁力の変化が大きいので、
Taの添加量を精度良く調整する必要があることがわか
る。なお、図8及び図9の調査の際には、Co78Cr22板を
有するターゲットT1 、T2 を使用して磁気記録媒体層
12を形成した。図10は、磁気記録媒体層12のCrの
組成比と磁気記録媒体層12の保磁力の関係を示し、Cr
組成比が15〜20 atoms%でピークを持つが、21 a
toms%以上でも、Pt組成比が4 atoms%、Ta組成比が2
atoms%の場合に磁気記録媒体層12の保磁力が200
0 Oe 以上と高くなった。
【0048】磁気記録媒体層12は1500 Oe 以上の
保磁力を持つ方が好ましいので、Taを5 atoms%以下に
する必要があるが、その他の構成元素の組成比の選択範
囲はTaの組成比の選択範囲よりも広い。ところで、第2
実施形態では磁気記録媒体層12を形成する際の負の基
板バイアス電圧Vb を高くするほど媒体S/N比が改善
されることを示した。S/N比を改善するためには、飽
和磁化(図3におけるMs )を大きくして角形比を大き
くする必要があるので、ターゲットT1 、T2 を構成す
るCoCr板のCr組成比と飽和磁化の関係を調べたところ図
11の実線に示すような関係が得られた。
【0049】これによれば、Cr組成比が小さくなるほど
飽和磁化が大きくなるが、図10に示すCr組成比と保磁
力の関係から、Cr組成比を単に小さくすれば良いもので
はなく保磁力の大きさによってその組成比を決定する必
要がある。また、図11の破線はターゲットT1 、T2
を構成するCoCr板(バルク)の飽和磁化とCr組成比の関
係を示しており、バルクのCoCrの飽和磁化よりもスパッ
タにより形成された薄膜のCoCrの飽和磁化が大きいこと
がわかる。これは、基板バイアス電圧Vb を印加するこ
とによってCrが結晶粒界に偏析し易くなって磁性粒相互
間の分断が良好になるからである。
【0050】次に、抵抗率0.1Ωcm以下のシリコン基
板10の上にCr下地層11を介して形成したCoCrTaPt磁
気記録媒体層12の好ましい組成、Br t値及び膜厚の
一例を挙げる。第1の好ましい例は、Cr組成比を14〜
25 atoms%、Ta組成比を1〜7.5atoms%、Pt組成
比を2〜20 atoms%、残量をCoとした合金によってCo
CrTaPt磁気記録媒体層12を形成し、そのBr t値を1
20Gμm以下、膜厚を30nm以下にすることである。
この場合、負の基板バイアス電圧Vb を−200Vより
大きくする。
【0051】第2の好ましい例は、Cr組成比を14〜2
5 atoms%、Ta組成比を1〜7.5atoms%、Pt組成比
を4〜15 atoms%、残量をCoとした合金によってCoCr
TaPt磁気記録媒体層12を形成し、そのBr t値を12
0Gμm以下、膜厚を30nm以下にすることである。こ
の場合、負の基板バイアス電圧Vb を−200Vより大
きくする。
【0052】第3の好ましい例は、Cr組成比を15.5
〜23.5 atoms%、Ta組成比を1〜7.5 atoms%、
Pt組成比を4〜17 atoms%、残量をCoとした合金によ
ってCoCrTaPt磁気記録媒体層12を形成し、そのBr
値を120Gμm以下、膜厚を30nm以下にすることで
ある。この場合、負の基板バイアス電圧Vb を−200
Vより大きくする。
【0053】第4の好ましい例は、Cr組成比を16.5
〜22 atoms%、Ta組成比を1〜3atoms%、Pt組成比
を2〜20 atoms%、残量をCoとした合金によってCoCr
TaPt磁気記録媒体層12を形成し、そのBr t値を12
0Gμm以下、膜厚を30nm以下にすることである。こ
の場合、負の基板バイアス電圧Vb を−200Vより大
きくする。 (第4実施形態)次に、シリコン基板の平坦性について
説明する。
【0054】まず、図12に示すように、2.5インチ
直径のシリコン基板10の平均表面粗さ(Ra)が0.
5nmとなるようにその表面をラップ研磨した後に、その
上にチタン膜を形成し、さらにチタン膜をパターニング
して高さ10nm、直径約2.54mm(100mil )の突
起14を形成した。その突起14はシリコン基板10の
直径方向に複数個形成した。
【0055】そして、シリコン基板10上にヘッドを置
いてその状態でシリコン基板10を回転させ、そしてア
コースティックエミッション(AE)法によりシリコン
基板10の表面状態を調べた。このAE法によれば、図
13のような波形が得られ、突起14に対応した時点で
高さHの明瞭な凸状の波形が検出されるとともに、それ
以外には高さ0.5nm以上の波は存在しないことがわか
る。
【0056】従って、研磨によればシリコン基板10の
最大表面粗さを平均表面粗さに近づけることができるの
で、シリコン基板10を用いた磁気ディスクにより10
nm以下の極めて低いグライドハイトが保証されることに
なり、かつ高記録密度に適した磁気ディスクの形成が可
能になる。 (第5実施形態)上記した実施形態により、磁気ディス
クを構成するシリコン基板の抵抗率を0.1Ωcm以下に
することが磁気記録媒体層の高保磁力化に有効であるこ
とがわかった。
【0057】そのような単結晶のシリコン基板は、ラッ
プ研磨によって薄層化しても全体に湾曲が生じないの
で、図14に示すようなICメモリカードサイズの高記
録密度の磁気ディスク装置の実用化に有用である。例え
ばラップ研磨によってシリコン基板を0.3mmの厚さに
薄層化すると、その平均表面粗さは0.5nmとなった。
この薄層化されたシリコン基板に下地層、磁気記録媒体
層、保護膜を形成して磁気ディスク21を形成した。そ
して、磁気ディスク21の両面に、取付け高さ0.61
mmの磁気抵抗効果型ヘッド22を取付けることにより、
磁気ディスク21及び磁気ヘッド22の全体の高さを
1.52mm程度に抑制できた。さらに、磁気ディスク2
1を回転させるためのスピンドルモータ23と磁気ヘッ
ド駆動用のボイスコイルモータ24を合わせたところ、
それら全体の高さを2mm程度に抑えることができた。
【0058】従って、肉厚1.48mmのハウジング25
を使用するとすれば、厚さ3mmのICメモリカードサイ
ズの高記録密度の磁気ディスク装置が形成できることに
なる。なお、磁気ディスク21を構成する単結晶のシリ
コン基板については、0.05mm程度の厚さで0.5nm
の平均表面粗さとなるまで研磨することが可能である
が、その機械的強度を考慮すると、0.1mm以上の厚さ
が望ましい。
【0059】なお、図14中符号26は半導体集積回路
デバイス(IC)、27はコネクタであり、27は磁気
抵抗効果型ヘッドを支持する弾性体よりなるアームであ
る。 (その他の実施形態)上記した実施形態で示した以外の
硬磁性体よりなる磁気記録媒体層を形成する場合に、磁
性材の種類によって加熱温度が異なる場合があるが、シ
リコン基板によれば1200℃まで加熱しても変形はほ
とんどない。
【0060】また、二酸化シリコン膜が形成されたシリ
コン基板を用いて、その二酸化シリコン膜の上に下地
層、磁気記録媒体層を形成するようにしてもよい。さら
に、上記した下地層としては、Cr層の他にCrTiのような
Crを主成分としたものを使用してもよい。
【0061】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、バイ
アススパッタによって単結晶シリコン基板の上に磁気記
録媒体層を形成する場合に、単結晶シリコン基板の抵抗
率が0.1Ωcm以下になる量の不純物を単結晶シリコン
基板にドープしているので、単結晶シリコン基板に流れ
るバイアス電流が大きくなって、磁気記録媒体層内の磁
性体の密度を高くし、その保磁力を高くすることができ
る。
【0062】その単結晶シリコン基板に印加するバイア
ス電圧としては交流又は直流のいずれを用いても、磁気
記録媒体層の保磁力を容易に1500 Oe 以上にするこ
とができる。しかも、単結晶シリコン基板は、280℃
以上の熱によって変形せず、研磨によって表面粗さを
0.5nm以下にすることができ、10nm以下のグライド
ハイトの確保が容易になる。また、研磨などによって
0.3mm以下の厚さの単結晶シリコン基板を容易に得る
ことができるので、磁気ディスク装置の小型化を促進す
ることができる。
【0063】バイアススパッタにより形成される磁気記
録媒体層は、単結晶シリコン基板の表面の下地層を介し
て形成されることが多く、その下地層の厚さを25nm以
下にすることにより磁気記録媒体層の媒体S/N比を大
きくなることができる。以上のような製造方法により形
成された磁気ディスクはMRヘッドとともに用いること
によって磁気ディスク装置の小型化をさらに促進するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の使用するDCマグネトロンバ
イアススパッタ装置の成膜室の概要を示す構成図であ
る。
【図2】図2は、単結晶シリコン基板を保持した状態の
パレットの例を示す平面図である。
【図3】図3(a) 〜図3(c) は、図1で示したDCマグ
ネトロンバイアススパッタ装置を使用して磁気ディスク
を形成する工程を示す断面図である。
【図4】図4は、図1で示したDCマグネトロンバイア
ススパッタ装置における基板抵抗率とバイアス電流の関
係と、基板抵抗率と磁気記録媒体層の保磁力の関係を示
す図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態により形成された磁
気記録媒体層のB−H曲線である。
【図6】図6は、本発明に実施形態で使用される単結晶
シリコン基板の上に形成された磁気記録媒体層のバイア
ス電圧と媒体S/N比の関係を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態により単結晶シリコ
ン基板上に形成されたクロム下地層とCoCrTaPt磁気記録
媒体層において、下地層の膜厚と磁気記録媒体層の媒体
S/N比の関係を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態により単結晶シリコ
ン基板上に形成されたCoCrTaPt磁気記録媒体層におい
て、プラチナの組成比と保磁力の関係を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態により単結晶シリコ
ン基板上に形成されたCoCrTaPt磁気記録媒体層におい
て、タンタルの組成比と保磁力の関係を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態により単結晶シ
リコン基板上に形成されたCoCrTaPt磁気記録媒体層にお
いて、クロムの組成比と保磁力の関係を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態により単結晶シ
リコン基板上に形成されたCoCr層とCoCrターゲット(バ
ルク)のそれぞれについて、クロム組成比と飽和磁化の
関係を示す図である。
【図12】図12は、本発明に使用される単結晶シリコ
ン基板の表面に突起を形成した状態を示す平面図であ
る。
【図13】図13は、図12に示した結晶シリコン基板
の表面状態をアコースティックエミッション法により測
定して得られた波形図である。
【図14】図14は、本発明の実施形態により形成され
た磁気ディスクを装着したカード型の磁気ディスクドラ
イブを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 成膜室 2 マグネット 3 加熱用ランプ 4 パレット 5 板バネ(支持体) T1 、T2 ターゲット 10 単結晶シリコン基板 10a 支持孔 11 下地層 12 磁気記録媒体層 13 保護膜 14 突起 21 磁気ディスク 22 磁気抵抗効果型ヘッド
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 14/56 C23C 14/56 H K

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抵抗率が0.1Ωcm以下となる不純物含有
    量の単結晶シリコン基板を磁性材ターゲットに対向させ
    る工程と、 バイアススパッタにより前記磁性材ターゲットから磁性
    材を飛散させて前記単結晶シリコン基板上に磁気記録媒
    体層を形成する工程とを有することを特徴とする磁気デ
    ィスクの製造方法。
  2. 【請求項2】前記単結晶シリコン基板の一部を導電性支
    持体に接触させることにより、前記単結晶シリコン基板
    を前記磁性材ターゲットから間隔をおいて支持して前記
    磁性材ターゲットに対向させていることを特徴とする請
    求項1記載の磁気ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】前記単結晶シリコン基板に直流又は交流の
    バイアス電圧を印加しながら前記磁気記録媒体層を形成
    することを特徴とする請求項1記載の磁気ディスクの製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記磁気記録媒体層を形成する際の前記単
    結晶シリコン基板の温度を280℃以上とすることを特
    徴とする請求項1記載の磁気ディスクの製造方法。
  5. 【請求項5】前記単結晶シリコン基板は表面平均粗さが
    0.5nm以下となるように研磨されていることを特徴と
    する請求項1記載の磁気ディスクの製造方法。
  6. 【請求項6】前記単結晶シリコン基板の厚さは0.3mm
    以下且つ0.1mm以上であることを特徴とする請求項1
    記載の磁気ディスクの製造方法。
  7. 【請求項7】前記磁気記録媒体層を形成する前に、前記
    単結晶シリコン基板を非磁性材ターゲットに対向させ
    て、前記単結晶シリコン基板上にスパッタにより予め下
    地層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1
    記載の磁気ディスクの製造方法。
  8. 【請求項8】クロムを主成分とする材料から前記下地層
    を形成し、クロムを含み且つコバルトを主成分とする材
    料から前記磁気記録媒体層を形成することを特徴とする
    請求項7記載の磁気ディスクの製造方法。
  9. 【請求項9】前記Crを主成分とする前記下地層を25nm
    以下の厚さに形成することを特徴とする請求項7又は8
    記載の磁気ディスクの製造方法。
  10. 【請求項10】表面に二酸化シリコン膜が形成されてい
    る前記単結晶シリコン基板を使用することを特徴とする
    請求項1〜7いずれか記載の磁気ディスクの製造方法。
  11. 【請求項11】抵抗率が0.1Ωcm以下となる不純物含
    有量の単結晶シリコン基板と、 前記単結晶シリコン基板の上に形成された下地層と、 前記下地層の上に形成された磁気記録媒体層と、 前記磁気記録媒体層の上に形成された保護膜とを有する
    ことを特徴とする磁気ディスク。
  12. 【請求項12】請求項1〜10記載の磁気ディスクの製
    造方法によって形成された磁気ディスクと、 前記磁気ディスクに対向させて配置される磁気抵抗効果
    ヘッドとを有することを特徴とする磁気ディスク装置。
JP32135895A 1995-12-11 1995-12-11 磁気ディスクとその製造方法及び磁気ディスク装置 Withdrawn JPH09161270A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32135895A JPH09161270A (ja) 1995-12-11 1995-12-11 磁気ディスクとその製造方法及び磁気ディスク装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32135895A JPH09161270A (ja) 1995-12-11 1995-12-11 磁気ディスクとその製造方法及び磁気ディスク装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09161270A true JPH09161270A (ja) 1997-06-20

Family

ID=18131686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32135895A Withdrawn JPH09161270A (ja) 1995-12-11 1995-12-11 磁気ディスクとその製造方法及び磁気ディスク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09161270A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009070464A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 情報記録媒体用基板、およびそれを用いた情報磁気記録媒体
JP2010040098A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 情報記録媒体用基板の製造方法および該基板を用いた情報磁気記録媒体
JP2011119009A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Toshiba Corp 電鋳用原盤、及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009070464A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 情報記録媒体用基板、およびそれを用いた情報磁気記録媒体
JP2010040098A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 情報記録媒体用基板の製造方法および該基板を用いた情報磁気記録媒体
JP2011119009A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Toshiba Corp 電鋳用原盤、及びその製造方法
US8349163B2 (en) 2009-12-07 2013-01-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Perpendicular magnetic recording medium, method of manufacturing the same, and magnetic read/write apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3099790B2 (ja) 垂直磁気記録媒体
JP6284126B2 (ja) 垂直記録媒体、垂直記録再生装置
JP2002208126A (ja) 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法、および磁気記録装置
JP3666853B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録装置
JP2001052330A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録装置
JPH09161270A (ja) 磁気ディスクとその製造方法及び磁気ディスク装置
JP3345199B2 (ja) 垂直磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP2003288713A (ja) 垂直磁気記録媒体とそれを備えた磁気記録装置及び垂直磁気記録媒体の製造方法並びに製造装置
JP4391010B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録装置
JP2003296925A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録装置
JP3582435B2 (ja) 垂直磁気記録媒体
KR100639620B1 (ko) 자기 기록 매체 및 그 제조 방법과 자기 디스크 장치
JP3945742B2 (ja) 磁性合金と磁気記録媒体およびその製造方法と磁性膜形成用ターゲットおよび磁気記録装置
JP2000082210A (ja) 下地膜用ターゲット及び磁気記録媒体
JPH09265619A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記憶装置
JP2906480B2 (ja) 磁気記録体
JP4060859B2 (ja) 多層構造膜およびその製造方法
US6301086B1 (en) Thin-film magnetic head supporting structure and method for manufacturing the same
JP2559984B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS61199233A (ja) 磁気記録媒体
JPH10261520A (ja) 磁性記録媒体及びその製造方法
JPH06187628A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置
JP3658586B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記憶装置
JPH0969460A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH0969459A (ja) 磁気記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030304