JPH09159817A - カラーフィルタパネルおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】カラーフィルタの表面をほとんど平坦な面とす
ることができるカラーフィルタパネルを提供する。 【解決手段】基板１に遮光膜の形状に対応する凹部１ａ
を設けて、この凹部１ａ内に前記遮光膜３を形成すると
ともに、前記基板１の上にカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，
２Ｂを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、カラー液晶表示
素子やカラー撮像素子等に用いるカラーフィルタパネル
およびその製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カラー液晶表示素子やカラー撮像素子等
に用いるカラーフィルタパネルは、ガラス等からなる透
明な基板に、複数の色のカラーフィルタ、例えば赤、
緑、青の三色のカラーフィルタを交互に並べて設けると
ともに、各色のカラーフィルタの間の部分に対応させ
て、一般にブラックマスクまたはブラックマトリックス
と呼ばれる遮光膜を設けた構成となっている。

【０００３】この種のカラーフィルタパネルとしては、
従来、カラーフィルタと遮光膜とを基板上に形成したも
のが知られており、このカラーフィルタパネルは、基板
上にまず遮光膜を形成し、その後、前記基板上に各色の
カラーフィルタを順次形成する方法で製造されている。

【０００４】上記遮光膜は、一般に、基板上にクロム等
の金属膜を成膜してこの金属膜をフォトリソグラフィ法
によりパターニングするか、あるいは、黒色系の顔料を
添加した遮光性樹脂を基板上に塗布してその膜をフォト
リソグラフィ法によりパターニングする方法で形成され
ている。

【０００５】また、カラーフィルタは、一般に、所望の
色の顔料を添加した着色樹脂を基板上に塗布してその膜
をフォトリソグラフィ法によりパターニングする方法で
形成されており、このカラーフィルタは、そのパターニ
ング精度に誤差（露光マスクの位置合わせ誤差）があっ
ても遮光膜との間に隙間ができて漏光を生じることがな
いようにするため、フィルタ周縁部が遮光膜の縁部の上
にある程度のラップ代をもって重なる大きさに形成され
ている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のカ
ラーフィルタパネルは、カラーフィルタの縁部が、基板
上に形成された遮光膜の縁部の上に重なっているため、
カラーフィルタの表面の凹凸（基板上に形成された中央
部と遮光膜の上に重なっている縁部との間の段差）が大
きい。特に、遮光膜を遮光性樹脂で形成しているもの
は、充分な遮光性を得るために遮光膜を厚くする必要が
あるため、前記凹凸がかなり大きい。

【０００７】そして、このカラーフィルタの表面の凹凸
は、カラーフィルタパネルの上に形成する被膜類の形状
に影響するため、例えばカラー液晶表示素子において
は、カラーフィルタパネルの上に形成した配向膜に凹凸
が生じて液晶の配向不良の原因となる。

【０００８】この発明は、カラーフィルタの表面をほと
んど平坦な面とすることができるカラーフィルタパネル
を提供するとともに、あわせてその製造方法を提供する
ことを目的としたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明のカラーフィル
タパネルは、基板に遮光膜の形状に対応する凹部を設け
て、この凹部内に前記遮光膜を形成するとともに、前記
基板の上にカラーフィルタを形成したことを特徴とする
ものである。

【００１０】このカラーフィルタパネルによれば、基板
に凹部を設けてこの凹部内に遮光膜を形成しているた
め、基板面と遮光膜の表面との段差を小さくすることが
でき、したがって、基板上に設けるカラーフィルタをそ
の縁部を前記遮光膜の縁部の上に重ねて形成しても、こ
のカラーフィルタの表面をほとんど平坦な面とすること
ができる。

【００１１】このカラーフィルタパネルにおいて、前記
凹部は、この凹部内に形成する遮光膜の厚さとほぼ同じ
深さに形成するのが望ましく、このようにすれば、前記
遮光膜の表面が基板面とほぼ面一になるため、前記カラ
ーフィルタの表面をより平坦にすることができる。

【００１２】また、この発明のカラーフィルタパネルの
製造方法は、基板に遮光膜の形状に対応する凹部をフォ
トリソグラフィ法により形成する工程と、前記凹部に遮
光性樹脂を充填して遮光膜を形成する工程と、前記基板
上にカラーフィルタを形成する工程とからなることを特
徴とするものであり、この方法によれば、上記カラーフ
ィルタパネルを製造することができる。

【００１３】この製造方法において、前記遮光膜を、基
板上に遮光性樹脂を供給してこの遮光性樹脂を基板上の
余剰樹脂を掻き取りながら前記凹部に充填し、その後、
前記凹部に充填された遮光性樹脂を硬化させる方法で形
成すれば、前記凹部内に遮光膜を容易にかつその表面が
基板面と面一になるように形成することができる。

【００１４】また、上記製造方法において、前記遮光膜
は、基板上に遮光性樹脂を塗布して前記基板の凹部に充
填した後、基板上の余剰樹脂をフォトリソグラフィ法に
より除去し、その後、前記凹部に充填された遮光性樹脂
を硬化させる方法で形成してもよく、この方法によって
も前記凹部内に遮光膜を形成することができる。

【００１５】また、この発明の他のカラーフィルタパネ
ルは、基板に遮光膜の形状に対応する遮光膜形成用凹部
を設け、この遮光膜形成用凹部内に前記遮光膜を形成す
るとともに、前記基板に前記遮光膜の間の部分をその全
幅にわたって凹入させたフィルタ形成用凹部を形成し、
このフィルタ形成用凹部内にカラーフィルタを形成した
ことを特徴とするものである。

【００１６】このカラーフィルタパネルによれば、基板
に遮光膜形成用凹部を設けてこの凹部内に遮光膜を形成
するとともに、前記基板に前記遮光膜の間の部分をその
全幅にわたって凹入させたフィルタ形成用凹部を形成し
てこの凹部内にカラーフィルタを形成しているため、カ
ラーフィルタをその側面を遮光膜の側面に密着させて形
成することができ、したがって、漏光をなくすためにカ
ラーフィルタの縁部を遮光膜の縁部の上に重ねる必要は
ないから、カラーフィルタの表面をほとんど平坦な面と
することができる。

【００１７】このカラーフィルタパネルにおいて、前記
遮光膜形成用凹部は、この凹部内に形成する遮光膜の厚
さとほぼ同じ深さに形成し、前記フィルタ形成用凹部
は、この凹部内に形成するカラーフィルタの厚さとほぼ
同じ深さに形成するのが望ましく、このようにすれば、
遮光膜の表面とカラーフィルタの表面と基板面とがほぼ
面一になるため、カラーフィルタパネルの表面全体をほ
ぼ平坦面にすることができる。

【００１８】また、この発明のカラーフィルタパネルの
製造方法は、基板に遮光膜の形状に対応する遮光膜形成
用凹部をフォトリソグラフィ法により形成する工程と、
前記遮光膜形成用凹部に遮光性樹脂を充填して遮光膜を
形成する工程と、前記基板に前記遮光膜の間の部分をそ
の全幅にわたって凹入させたフィルタ形成用凹部をフォ
トリソグラフィ法により形成する工程と、前記フィルタ
形成用凹部に着色樹脂を充填してカラーフィルタを形成
する工程とからなることを特徴とするものであり、この
方法によれば、上記カラーフィルタパネルを製造するこ
とができる。

【００１９】この製造方法において、前記遮光膜を、基
板上に遮光性樹脂を供給してこの遮光性樹脂を基板上の
余剰樹脂を掻き取りながら遮光膜形成用凹部に充填し、
その後前記凹部に充填された遮光性樹脂を硬化させる方
法で形成し、前記カラーフィルタを、基板上に着色樹脂
を供給してこの着色樹脂を基板上の余剰樹脂を掻き取り
ながらフィルタ形成用凹入部に充填し、その後前記凹部
に充填された着色樹脂を硬化させる方法で形成すれば、
前記遮光膜形成用凹部内に遮光膜を容易にかつその表面
が基板面と面一になるように形成するとともに、前記フ
ィルタ形成用凹入部内にカラーフィルタを容易にかつそ
の表面が基板面と面一になるように形成することができ
る。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、この発明をカラー液晶表示
素子に用いるカラーフィルタパネルに適用したときの実
施の形態を図面を参照して説明する。図１および図２は
この発明の第１の実施例を示しており、図１はカラーフ
ィルタパネルの一部分の断面図、図２は前記カラーフィ
ルタパネルの製造方法を示す各工程における一部分の断
面図である。

【００２１】この実施例のカラーフィルタパネルは、図
１のように、ガラス等からなる透明な基板１に、複数の
色のカラーフィルタ、例えば、赤色フィルタ２Ｒと緑色
フィルタ２Ｇと青色フィルタ２Ｂの三色のカラーフィル
タを交互に並べて設けるとともに、各色のカラーフィル
タ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂの間の部分に対応させて、一般にブ
ラックマスクまたはブラックマトリックスと呼ばれる遮
光膜３を設けたものであり、このカラーフィルタパネル
では、前記基板１に遮光膜３の形状に対応する遮光膜形
成用凹部１ａを設け、この凹部１ａ内に前記遮光膜３を
形成するとともに、基板１の上に各色のカラーフィルタ
２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを形成している。

【００２２】上記遮光膜３は、黒色系の顔料を添加した
遮光性樹脂で形成されており、この遮光膜３は、基板１
に設ける遮光膜形成用凹部１ａを前記遮光膜３の厚さと
ほぼ同じ深さに形成することにより、遮光膜３の表面が
基板１面とほぼ面一になるように形成されている。

【００２３】また、上記各色のカラーフィルタ２Ｒ，２
Ｇ，２Ｂはそれぞれ、赤、緑、青の顔料を添加した着色
樹脂で形成されており、これらのカラーフィルタ２Ｒ，
２Ｇ，２Ｂは、そのパターニング精度に誤差があっても
遮光膜３との間に隙間ができて漏光を生じることがない
ように、フィルタ周縁部が遮光膜３の縁部の上にある程
度のラップ代をもって重なる大きさに形成されている。

【００２４】このカラーフィルタパネルによれば、基板
１に凹部１ａを設けてこの凹部１ａ内に遮光膜３を形成
しているため、基板１面と遮光膜３の表面との段差を小
さくすることができ、したがって、基板１上に設けるカ
ラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂをその縁部を前記遮光膜
３の縁部の上に重ねて形成しても、このカラーフィルタ
２Ｒ，２Ｇ，２Ｂの表面をほとんど平坦な面とすること
ができる。

【００２５】この実施例では、前記凹部１ａを、この凹
部１ａ内に形成する遮光膜３の厚さとほぼ同じ深さに形
成しているため、前記遮光膜３の表面を基板１面とほぼ
面一にすることができ、したがって、カラーフィルタ２
Ｒ，２Ｇ，２Ｂの表面をより平坦にすることができる。

【００２６】上記カラーフィルタパネルは、基板１に遮
光膜３の形状に対応する遮光膜形成用凹部１ａをフォト
リソグラフィ法により形成し、前記凹部１ａに遮光性樹
脂を充填して遮光膜３を形成した後、基板１上に各色の
カラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを形成する方法で製造
する。

【００２７】このカラーフィルタパネルの製造方法を図
２を参照して説明する。まず、図２の（ａ）のように、
本例では、透明ガラスからなる基板１上にポジ型のフォ
トレジストを塗布して、このレジスト膜１１を、上記遮
光膜３の形状に対応する開口パターンの露光マスク１１
を用いて露光処理し、その後、現像処理を行なって、図
２の（ｂ）のように、基板１面を遮光膜３の形成部分を
除いて覆うレジストマスク１０ａを形成する。なお、こ
のレジストマスク１０ａは、ネガ型のフォトレジストを
用いて形成してもよく、その場合は、露光マスクに逆パ
ターンのものを用いればよい。

【００２８】次に、上記基板１を弗酸等のエッチング液
を用いてエッチングし、図２の（ｃ）のように、基板１
面に、遮光膜３の形状に対応する遮光膜形成用凹部１ａ
を、この凹部１ａ内に形成する遮光膜３の厚さとほぼ同
じ深さに形成する。

【００２９】次に、上記レジストマスク１０ａを剥離
し、その後、上記凹部１ａに遮光性樹脂を充填して、図
２の（ｄ）のように遮光膜３を形成する。この遮光膜３
は、基板１の一端側の上に、熱硬化性樹脂に黒色系の顔
料を添加した遮光性樹脂を滴下等の手段により供給し、
この遮光性樹脂をスキージ（図示せず）によって基板１
の他端側に押し流してゆくことにより、基板１上の余剰
樹脂を前記スキージで掻き取りながら上記凹部１ａに充
填し、その後、前記凹部１ａに充填された遮光性樹脂を
焼成して硬化させて形成する。

【００３０】この後は、図２の（ｅ）のように，基板１
上に各色のカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂをフォトリ
ソグラフィ法により任意の順序で形成し、上述したカラ
ーフィルタパネルを完成する。

【００３１】上記カラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂは、
感光性樹脂に赤、緑、青のいずれかの色の顔料を添加し
た着色樹脂を基板１上に塗布し、その膜を、形成するカ
ラーフィルタの形状に対応する露光マスクを用いて露光
処理した後に現像処理することによりカラーフィルタの
形状にパターニングし、その後、前記着色樹脂を焼成し
て硬化させる方法を繰り返して形成する。

【００３２】すなわち、上記製造方法は、基板１に遮光
膜３の形状に対応する遮光膜形成用凹部１ａをフォトリ
ソグラフィ法により形成する工程と、前記凹部１ａに遮
光性樹脂を充填して遮光膜３を形成する工程と、前記基
板１上に各色のカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを形成
する工程とからなるものであり、この方法によれば、上
記カラーフィルタパネルを円滑に製造することができ
る。

【００３３】そして、この実施例の製造方法において
は、前記遮光膜３を、基板１上に遮光性樹脂を供給して
この遮光性樹脂を基板１上の余剰樹脂を掻き取りながら
基板１の凹部１ａに充填し、その後、前記凹部１ａに充
填された遮光性樹脂を硬化させる方法で形成しているた
め、前記凹部１ａ内に遮光膜３を容易にかつその表面が
基板１面と面一になるように形成することができる。

【００３４】また、この製造方法では、基板１にフォト
リソグラフィ法によって遮光膜形成用凹部１ａを形成し
ているが、その際に用いるフォトレジストは顔料を添加
していない高解像度のものであるため、基板１上に精細
度の高いレジストマスク１０ａを形成して、基板１を精
度良くエッチングし、高精細度の遮光膜形成用凹部１ａ
を形成することができる。

【００３５】そして、この製造方法では、基板１に形成
した遮光膜形成用凹部１ａに遮光性樹脂を充填して遮光
膜３を形成しているため、この遮光膜３は精細度の高い
遮光膜である。

【００３６】また、上記実施例では、各色のカラーフィ
ルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを、感光性樹脂に顔料を添加した
着色樹脂の露光および現像により形成しているため、こ
のカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを高精細度に形成す
ることは難しいが、カラー液晶表示素子の画素の形状は
遮光膜３で規制され、カラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂ
の周縁部（遮光膜３の上に重なっている部分）は見えな
いから、カラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂの精細度が悪
くても特に問題は生じない。

【００３７】なお、上記実施例では、遮光膜３を、熱硬
化性樹脂に黒色系の顔料を添加した遮光性樹脂で形成し
ているが、この遮光膜３は、光硬化性樹脂に黒色系の顔
料を添加した遮光性樹脂で形成してもよく、その場合
は、遮光膜形成用凹部１ａに充填された遮光性樹脂を紫
外線光の照射によって硬化させればよい。

【００３８】また、上記実施例では、遮光膜３を、基板
１上に遮光性樹脂を供給してこの遮光性樹脂を基板１上
の余剰樹脂を掻き取りながら基板１の凹部１ａに充填
し、その後、前記凹部１ａに充填された遮光性樹脂を硬
化させる方法で形成しているが、前記遮光膜３は、次の
ような方法で形成してもよい。

【００３９】図３は、遮光膜の他の形成方法を示す各工
程における一部分の断面図であり、この方法は、基板１
上に遮光性樹脂を塗布して基板１の凹部１ａに充填した
後、基板１上の余剰樹脂をフォトリソグラフィ法により
除去し、その後、前記凹部１ａに充填された遮光性樹脂
を硬化させて遮光膜を形成する方法である。

【００４０】なお、図３の（ａ）〜（ｃ）に示した工
程、つまり基板１に遮光膜形成用凹部１ａを形成するま
での工程は、上述した実施例と同じであるから、その説
明は図に同符号を付して省略する。

【００４１】この遮光膜の形成方法では、基板１にフォ
トリソグラフィ法によって遮光膜形成用凹部１ａを形成
し、その際に基板１上に形成したレジストマスク１０ａ
を剥離した後、図３の（ｄ）のように、基板１上に、熱
硬化性樹脂に黒色系の顔料を添加した遮光性樹脂３′を
塗布して前記遮光膜形成用凹部１ａに充填し、この遮光
性樹脂３′の膜を仮焼成（プリベーク）する。

【００４２】次に、図３の（ｄ）に示したように、遮光
性樹脂３′の膜の上に、フォトレジストを塗布して露光
および現像することにより、形成する遮光膜３の形状に
対応するレジストマスク１２を形成し、その後、前記遮
光性樹脂３′の膜をエッチングして基板１上の余剰樹脂
を除去し、図３の（ｅ）のように、基板１上の余剰樹脂
をフォトリソグラフィ法により除去する。

【００４３】この後は、上記レジストマスク１２を剥離
して、上記遮光膜形成用凹部１ａに充填された遮光性樹
脂３′を焼成（ポストベーク）により硬化させ、図３の
（ｆ）のように、前記遮光性樹脂３′からなる遮光膜３
を形成する。

【００４４】なお、この遮光膜の形成方法では、遮光性
樹脂３′として、熱硬化性樹脂に黒色系の顔料を添加し
たものを用いているが、遮光膜３の精細度を問題としな
い時は、遮光性樹脂に、感光性樹脂に黒色系の顔料を添
加したものを用いてもよく、その場合は、この遮光性樹
脂の膜を露光および現像することによって、基板１上の
余剰樹脂を除去できるから、上記レジストマスク１２の
形成は不要である。

【００４５】図４および図５はこの発明の第２の実施例
を示しており、図４はカラーフィルタパネルの一部分の
断面図、図５は前記カラーフィルタパネルの製造方法を
示す各工程における一部分の断面図である。

【００４６】このカラーフィルタパネルは、図４のよう
に、基板１に遮光膜３の形状に対応する遮光膜形成用凹
部１ａを設け、この遮光膜形成用凹部１ａ内に前記遮光
膜３を形成するとともに、前記基板１に各遮光膜３の間
の部分をその全幅にわたって凹入させたフィルタ形成用
凹部１ｂを形成し、このフィルタ形成用凹部１ｂ内に、
赤、緑、青のカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを形成し
たものであり、この実施例では、前記遮光膜形成用凹部
１ａを、この凹部１ａ内に形成する遮光膜３の厚さとほ
ぼ同じ深さに形成し、前記フィルタ形成用凹部１ｂを、
この凹部１ｂ内に形成するカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，
２Ｂの厚さとほぼ同じ深さに形成して、遮光膜３の表面
とカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂの表面と基板１面と
がほぼ面一になるようにしている。

【００４７】この実施例のカラーフィルタパネルによれ
ば、基板１に遮光膜形成用凹部１ａを設けてこの凹部１
ａ内に遮光膜３を形成するとともに、前記基板１に各遮
光膜３の間の部分をその全幅にわたって凹入させたフィ
ルタ形成用凹部１ｂを形成してこの凹部１ｂ内にカラー
フィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを形成しているため、カラー
フィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂをその側面を遮光膜３の側面
に密着させて形成することができ、したがって、漏光を
なくすためにカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂの縁部を
遮光膜３の縁部の上に重ねる必要はないから、カラーフ
ィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂの表面をほとんど平坦な面とす
ることができる。

【００４８】しかも、この実施例では、前記遮光膜形成
用凹部１ａを、この凹部１ａ内に形成する遮光膜３の厚
さとほぼ同じ深さに形成し、前記フィルタ形成用凹部１
ｂを、この凹部１ｂ内に形成するカラーフィルタ２Ｒ，
２Ｇ，２Ｂの厚さとほぼ同じ深さに形成しているため、
遮光膜３の表面とカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂの表
面と基板１面とがほぼ面一になり、したがって、カラー
フィルタパネルの表面全体をほぼ平坦面にすることがで
きる。

【００４９】この実施例のカラーフィルタパネルは、上
述した第１の実施例の製造方法と同様にして、基板１に
遮光膜３の形状に対応する遮光膜形成用凹部１ａをフォ
トリソグラフィ法により形成し、前記凹部１ａに遮光性
樹脂を充填して遮光膜３を形成した後、前記基板１に各
遮光膜３の間の部分をその全幅にわたって凹入させたフ
ィルタ形成用凹部１ｂをフォトリソグラフィ法により形
成し、これらのフィルタ形成用凹部１ａに着色樹脂を充
填して各色のカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを形成す
る方法で製造する。

【００５０】このカラーフィルタパネルの製造方法を図
５を参照して説明する。なお、この製造方法における、
基板１に遮光膜形成用凹部１ａを形成してその凹部１ａ
内に遮光膜３を形成するまでの工程は、上述した第１の
実施例の製造方法と同じであるから、図５では、遮光膜
３を形成するまでの工程を省略し、その後のカラーフィ
ルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂの形成工程だけを示している。

【００５１】この製造方法では、基板１の遮光膜形成用
凹部１ａ内に遮光膜３を形成した後、まず、図５の
（ａ）のように、基板１上にポジ型のフォトレジストを
塗布し、このレジスト膜１３を、赤、緑、青のうちの１
つの色のカラーフィルタ、例えば赤色フィルタ２Ｒの形
状に対応する開口パターンの露光マスク１４を用いて露
光処理するとともに、その後現像処理を行なって、図５
の（ｂ）のように、基板１面を前記赤色フィルタ２Ｒの
形成部分を除いて覆うレジストマスク１３ａを形成す
る。なお、このレジストマスク１３ａは、ネガ型のフォ
トレジストを用いて形成してもよく、その場合は、露光
マスクに逆パターンのものを用いればよい。

【００５２】次に、上記基板１を弗酸等のエッチング液
を用いてエッチングし、図５の（ｃ）のように、基板１
面に、上記赤色フィルタ２Ｒの形状に対応するフィルタ
形成用凹部１ｂを、この凹部１ｂ内に形成する赤色フィ
ルタ２Ｒの厚さとほぼ同じ深さに形成する。

【００５３】次に、上記レジストマスク１３ａを剥離
し、その後、上記フィルタ形成用凹部１ａに遮光性樹脂
を充填して、図５の（ｄ）のように赤色フィルタ２Ｒを
形成する。この赤色フィルタ２Ｒは、基板１の一端側の
上に、熱硬化性樹脂に赤の顔料を添加した着色樹脂を滴
下等の手段により供給し、この着色樹脂をスキージ（図
示せず）によって基板１の他端側に押し流してゆくこと
により、基板１上の余剰樹脂を前記スキージで掻き取り
ながら上記フィルタ形成用凹部１ｂに充填し、その後、
前記凹部１ｂに充填された着色樹脂を焼成して硬化させ
て形成する。

【００５４】次に、上記赤色フィルタ２Ｒの形成工程と
同様な工程を繰り返して、緑色フィルタ２Ｇと青色フィ
ルタ２Ｂを順次形成する。すなわち、緑色フィルタ２Ｇ
は、基板１にフォトリソグラフィ法により緑色フィルタ
２Ｇの形状に対応するフィルタ形成用凹部１ｂを前記緑
色フィルタ２Ｇの厚さとほぼ同じ深さに形成した後、レ
ジストマスクを剥離し、基板１上に熱硬化性樹脂に緑の
顔料を添加した着色樹脂を供給して基板１上の余剰樹脂
を掻き取りながらフィルタ形成用凹部１ｂに充填し、そ
の後、前記凹部１ｂに充填された着色樹脂を焼成して硬
化させることによって図５の（ｅ）のように形成する。

【００５５】また、青色フィルタ２Ｂは、基板１にフォ
トリソグラフィ法により青色フィルタ２Ｇの形状に対応
するフィルタ形成用凹部１ｂを前記青色フィルタ２Ｂの
厚さとほぼ同じ深さに形成した後、レジストマスクを剥
離し、基板１上に熱硬化性樹脂に青の顔料を添加した着
色樹脂を供給して基板１上の余剰樹脂を掻き取りながら
フィルタ形成用凹部１ｂに充填し、その後、前記凹部１
ｂに充填された着色樹脂を焼成して硬化させることによ
って図５の（ｆ）のように形成する。

【００５６】すなわち、上記製造方法は、基板１に遮光
膜３の形状に対応する遮光膜形成用凹部１ａをフォトリ
ソグラフィ法により形成する工程と、前記遮光膜形成用
凹部１ａに遮光性樹脂を充填して遮光膜３を形成する工
程と、前記基板１に各遮光膜３の間の部分をその全幅に
わたって凹入させたフィルタ形成用凹部１ｂをフォトリ
ソグラフィ法により形成する工程と、前記フィルタ形成
用凹部１ｂに着色樹脂を充填して各色のカラーフィルタ
２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを形成する工程とからなるものであ
り、この方法によれば、図４に示したカラーフィルタパ
ネルを製造することができる。

【００５７】そして、この実施例の製造方法において
は、前記遮光膜３を、基板１上に遮光性樹脂を供給して
この遮光性樹脂を基板１上の余剰樹脂を掻き取りながら
遮光膜形成用凹部１ａに充填し、その後前記凹部１ａに
充填された遮光性樹脂を硬化させる方法で形成し、前記
カラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを、基板１上に着色樹
脂を供給してこの着色樹脂を基板１上の余剰樹脂を掻き
取りながらフィルタ形成用凹入部１ｂに充填し、その後
前記凹部１ｂに充填された着色樹脂を硬化させる方法で
形成しているため、前記遮光膜形成用凹部１ａ内に遮光
膜３を容易にかつその表面が基板１面と面一になるよう
に形成するとともに、前記フィルタ形成用凹入部１ｂ内
にカラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂを容易にかつその表
面が基板１面と面一になるように形成することができ
る。

【００５８】なお、上記実施例では、遮光膜３およびカ
ラーフィルタ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂの樹脂材料に熱硬化性樹
脂を用いたが、この樹脂材料は光硬化性樹脂であっても
よく、その場合は、遮光膜形成用凹部１ａに充填された
遮光性樹脂の硬化およびフィルタ形成用凹部１ｂに充填
された着色樹脂の硬化を紫外線光の照射によって行なえ
ばよい。

【００５９】また、この発明は、カラー液晶表示素子に
用いるカラーフィルタパネルに限らず、カラー撮像素子
等に用いるカラーフィルタパネルにも適用できるし、カ
ラーフィルタの色も赤、緑、青に限らない。

【００６０】

【発明の効果】この発明のカラーフィルタパネルによれ
ば、基板に凹部を設けてこの凹部内に遮光膜を形成して
いるため、基板面と遮光膜の表面との段差を小さくする
ことができ、したがって、基板上に設けるカラーフィル
タをその縁部を前記遮光膜の縁部の上に重ねて形成して
も、このカラーフィルタの表面をほとんど平坦な面とす
ることができる。

【００６１】このカラーフィルタパネルにおいて、前記
凹部を、この凹部内に形成する遮光膜の厚さとほぼ同じ
深さに形成すれば、前記遮光膜の表面が基板面とほぼ面
一になるため、前記カラーフィルタの表面をより平坦に
することができる。

【００６２】また、この発明のカラーフィルタパネルの
製造方法は、基板に遮光膜の形状に対応する凹部をフォ
トリソグラフィ法により形成する工程と、前記凹部に遮
光性樹脂を充填して遮光膜を形成する工程と、前記基板
上にカラーフィルタを形成する工程とからなるものであ
り、この方法によれば、上記カラーフィルタパネルを製
造することができる。

【００６３】この製造方法において、前記遮光膜を、基
板上に遮光性樹脂を供給してこの遮光性樹脂を基板上の
余剰樹脂を掻き取りながら前記凹部に充填し、その後、
前記凹部に充填された遮光性樹脂を硬化させる方法で形
成すれば、前記凹部内に遮光膜を容易にかつその表面が
基板面と面一になるように形成することができる。

【００６４】また、上記製造方法において、前記遮光膜
は、基板上に遮光性樹脂を塗布して前記基板の凹部に充
填した後、基板上の余剰樹脂をフォトリソグラフィ法に
より除去し、その後、前記凹部に充填された遮光性樹脂
を硬化させるという方法で形成してもよく、この方法に
よっても前記凹部内に遮光膜を形成することができる。

【００６５】また、この発明の他のカラーフィルタパネ
ルによれば、基板に遮光膜形成用凹部を設けてこの凹部
内に遮光膜を形成するとともに、前記基板に前記遮光膜
の間の部分をその全幅にわたって凹入させたフィルタ形
成用凹部を形成してこの凹部内にカラーフィルタを形成
しているため、カラーフィルタをその側面を遮光膜の側
面に密着させて形成することができ、したがって、漏光
をなくすためにカラーフィルタの縁部を遮光膜の縁部の
上に重ねる必要はないから、カラーフィルタの表面をほ
とんど平坦な面とすることができる。

【００６６】このカラーフィルタパネルにおいて、前記
遮光膜形成用凹部を、この凹部内に形成する遮光膜の厚
さとほぼ同じ深さに形成し、前記フィルタ形成用凹部
を、この凹部内に形成するカラーフィルタの厚さとほぼ
同じ深さに形成すれば、遮光膜の表面とカラーフィルタ
の表面と基板面とがほぼ面一になるため、カラーフィル
タパネルの表面全体をほぼ平坦面にすることができる。

【００６７】また、この発明のカラーフィルタパネルの
製造方法は、基板に遮光膜の形状に対応する遮光膜形成
用凹部をフォトリソグラフィ法により形成する工程と、
前記遮光膜形成用凹部に遮光性樹脂を充填して遮光膜を
形成する工程と、前記基板に前記遮光膜の間の部分をそ
の全幅にわたって凹入させたフィルタ形成用凹部をフォ
トリソグラフィ法により形成する工程と、前記フィルタ
形成用凹部に着色樹脂を充填してカラーフィルタを形成
する工程とからなるものであり、この方法によれば、上
記カラーフィルタパネルを製造することができる。

【００６８】この製造方法において、前記遮光膜を、基
板上に遮光性樹脂を供給してこの遮光性樹脂を基板上の
余剰樹脂を掻き取りながら遮光膜形成用凹部に充填し、
その後前記凹部に充填された遮光性樹脂を硬化させる方
法で形成し、前記カラーフィルタを、基板上に着色樹脂
を供給してこの着色樹脂を基板上の余剰樹脂を掻き取り
ながらフィルタ形成用凹入部に充填し、その後前記凹部
に充填された着色樹脂を硬化させる方法で形成すれば、
前記遮光膜形成用凹部内に遮光膜を容易にかつその表面
が基板面と面一になるように形成するとともに、前記フ
ィルタ形成用凹入部内にカラーフィルタを容易にかつそ
の表面が基板面と面一になるように形成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施例を示すカラーフィルタ
パネルの一部分の断面図。

【図２】第１の実施例のカラーフィルタパネルの製造方
法を示す各工程における一部分の断面図。

【図３】遮光膜の他の形成方法を示す各工程における一
部分の断面図。

【図４】この発明の第２の実施例を示すカラーフィルタ
パネルの一部分の断面図。

【図５】第２の実施例のカラーフィルタパネルの製造方
法を示す各工程における一部分の断面図。

【符号の説明】

１…基板 １ａ…遮光膜形成用凹部 １ｂ…フィルタ形成用凹部 ２Ｒ，２Ｇ，２Ｂ…カラーフィルタ ３…遮光膜

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基板に複数の色のカラーフィルタと各色の
   カラーフィルタの間の部分に対応する遮光膜とを設けた
   カラーフィルタパネルにおいて、 前記基板に前記遮光膜の形状に対応する凹部を設け、こ
   の凹部内に前記遮光膜を形成するとともに、前記基板の
   上に前記カラーフィルタを形成したことを特徴とするカ
   ラーフィルタパネル。
2. 【請求項２】凹部は、この凹部内に形成する遮光膜の厚
   さとほぼ同じ深さに形成されていることを特徴とする請
   求項１に記載のカラーフィルタパネル。
3. 【請求項３】請求項１に記載のカラーフィルタパネルの
   製造方法であって、 基板に遮光膜の形状に対応する凹部をフォトリソグラフ
   ィ法により形成する工程と、 前記凹部に遮光性樹脂を充填して遮光膜を形成する工程
   と、 前記基板上にカラーフィルタを形成する工程と、からな
   ることを特徴とするカラーフィルタパネルの製造方法。
4. 【請求項４】遮光膜は、基板上に遮光性樹脂を供給して
   この遮光性樹脂を基板上の余剰樹脂を掻き取りながら基
   板の凹部に充填し、その後、前記凹部に充填された遮光
   性樹脂を硬化させて形成することを特徴とする請求項３
   に記載のカラーフィルタパネルの製造方法。
5. 【請求項５】遮光膜は、基板上に遮光性樹脂を塗布して
   前記基板の凹部に充填した後、基板上の余剰樹脂をフォ
   トリソグラフィ法により除去し、その後、前記凹部に充
   填された遮光性樹脂を硬化させて形成することを特徴と
   する請求項３に記載のカラーフィルタパネルの製造方
   法。
6. 【請求項６】基板に複数の色のカラーフィルタと各色の
   カラーフィルタの間の部分に対応する遮光膜とを設けた
   カラーフィルタパネルにおいて、 前記基板に前記遮光膜の形状に対応する遮光膜形成用凹
   部を設け、この遮光膜形成用凹部内に前記遮光膜を形成
   するとともに、前記基板に前記遮光膜の間の部分をその
   全幅にわたって凹入させたフィルタ形成用凹部を形成
   し、このフィルタ形成用凹部内に前記カラーフィルタを
   形成したことを特徴とするカラーフィルタパネル。
7. 【請求項７】遮光膜形成用凹部は、この凹部内に形成す
   る遮光膜の厚さとほぼ同じ深さに形成されており、フィ
   ルタ形成用凹部は、この凹部内に形成するカラーフィル
   タの厚さとほぼ同じ深さに形成されていることを特徴と
   する請求項６に記載のカラーフィルタパネル。
8. 【請求項８】請求項６に記載のカラーフィルタパネルの
   製造方法であって、 基板に遮光膜の形状に対応する遮光膜形成用凹部をフォ
   トリソグラフィ法により形成する工程と、 前記遮光膜形成用凹部に遮光性樹脂を充填して遮光膜を
   形成する工程と、 前記基板に前記遮光膜の間の部分をその全幅にわたって
   凹入させたフィルタ形成用凹部をフォトリソグラフィ法
   により形成する工程と、 前記フィルタ形成用凹部に着色樹脂を充填してカラーフ
   ィルタを形成する工程と、からなることを特徴とするカ
   ラーフィルタパネルの製造方法。
9. 【請求項９】遮光膜は、基板上に遮光性樹脂を供給して
   この遮光性樹脂を基板上の余剰樹脂を掻き取りながら遮
   光膜形成用凹部に充填し、その後、前記遮光膜形成用凹
   部に充填された遮光性樹脂を硬化させて形成し、カラー
   フィルタは、基板上に着色樹脂を供給してこの着色樹脂
   を基板上の余剰樹脂を掻き取りながらフィルタ形成用凹
   入部に充填し、その後、前記フィルタ形成用凹部に充填
   された着色樹脂を硬化させて形成することを特徴とする
   請求項８に記載のカラーフィルタパネルの製造方法。