JPH09159783A - 原子炉設備 - Google Patents

原子炉設備

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JPH09159783A
JPH09159783A JP7319949A JP31994995A JPH09159783A JP H09159783 A JPH09159783 A JP H09159783A JP 7319949 A JP7319949 A JP 7319949A JP 31994995 A JP31994995 A JP 31994995A JP H09159783 A JPH09159783 A JP H09159783A
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JP
Japan
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core
pressure
holding device
cooling water
temperature
Prior art date
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Pending
Application number
JP7319949A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Suzuki
洋明 鈴木
Michio Murase
道雄 村瀬
Osamu Yokomizo
修 横溝
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09159783A publication Critical patent/JPH09159783A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】仮想的な事故時に、格納容器の耐圧を高めるた
めの特別な対策を不要とする。 【解決手段】事故時の格納容器内圧力に対応した飽和温
度より30℃以上下回ることのない温度である100℃
以上に保持された冷却水を有するタンク40と下部ドラ
イウェル8とを連結する配管50を設置し、配管50に
弁70とポンプ60を設置する。圧力容器2の水位が低
下し、非常用炉心冷却系の注水にも成功しない仮想的な
事故時に、ポンプ60を起動し、弁70を開放する。こ
れにより、100℃以上の冷却材が下部ドライウェル8
に供給され、下部ドライウェル8に移行する可能性のあ
る損傷炉心を冷却する。 【効果】損傷炉心と冷却材との相互作用により発生する
水蒸気の量が抑制され、格納容器の健全性を維持するた
めの特別な対策を不要とできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事故時に炉心を冷
却する設備を備えた原子炉設備の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】発生する確率の極めて小さい炉心が溶融
するよう仮想的な事故を想定したときに、原子炉設備の
健全性を維持するための装置は従来よりいくつか提案さ
れているが、一例としては、特開平2−281190 号公報に
記載のように圧力抑制室の冷却材を重力を利用して圧力
容器下方の下部ダウンカマに注水するようにしたもの、
特開昭52−154988号公報に記載のように圧力容器の下方
に炉心保持装置及び冷却装置を設置したもの、特開平5
−249273 号公報に記載のように溶融物を凝固させるた
めの梁を積重ねた構造物を設置し、溶融物が凝固した後
に注水するようにしたもの、特開平6−130169 号公報に
記載のように溶融物を炉心保持装置で保持し、下部から
の冷却で凝固させた後に注水するようにしたもの、があ
る。また、仮想的な事故時を対象としたものではない
が、構造物の熱応力を緩和する観点から圧力容器内への
注水温度を昇温させた例として、特開昭56−7097号公
報,特開昭61−223584号公報,特開昭61−228391号公報
に開示されている内容が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち仮
想的な事故時を対象としたものは、仮想的な事故時にお
ける原子炉設備の健全性を維持する上で効果を有する
が、損傷炉心を効率的に冷却する点に十分配慮がされて
おらず、損傷炉心と冷却材との相互作用により発生する
水蒸気の量が多くなる可能性があるため、格納容器の健
全性を維持するために格納容器の耐圧を高めておく必要
があるか、もしくは、炉心保持装置自体の冷却について
は十分配慮がされておらず、炉心保持装置の規模が大き
くなるか又は炉心保持装置が複雑になるという問題点が
あった。また、上記従来技術のうち仮想的な事故時を対
象としていないものは、冷却材喪失事故時などの設計基
準事故時の熱応力緩和には効果を有するが、設計基準事
故を超える仮想的な事故時に格納容器内で損傷炉心と冷
却材との相互作用により発生する水蒸気の量を抑制する
点については十分配慮がされておらず、格納容器の健全
性を維持するために格納容器の耐圧を高めておく必要が
あるという問題点があった。
【0004】本発明の第1の目的は仮想的な事故時に損
傷炉心と冷却材との相互作用により発生する水蒸気の量
を抑制して、格納容器の耐圧を高めるための特別な対策
を不要とすることにある。
【0005】本発明の第2の目的は、第1の目的を達成
する信頼性の高い設備を提供することにある。
【0006】本発明の第3の目的は、第1の目的を達成
する安価な設備を提供することにある。
【0007】本発明の第4の目的は仮想的な事故時に圧
力容器からの除熱を行うとともに、第1の目的を達成す
ることにある。
【0008】本発明の第5の目的は格納容器外の熱源を
用いず第1の目的を達成することにある。
【0009】本発明の第6の目的は炉心保持装置自体の
冷却性を向上させて、炉心保持装置をコンパクトにする
ことにある。
【0010】本発明の第7の目的は炉心保持装置の強度
を向上させるとともに、第6の目的を達成することにあ
る。
【0011】本発明の第8の目的は耐熱材自体の特性を
変更して第6の目的を達成することにある。
【0012】本発明の第9の目的は炉心保持装置の下方
に冷却水を導くことなく第6の目的を達成することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1目的を達成するため
の第1手段は、炉心を内蔵する圧力容器と、前記圧力容
器を配置した格納容器と、水プールを備えた圧力抑制室
と、前記圧力抑制室と前記格納容器の内のドライウェル
空間とを連結するベント管と、前記圧力容器で発生した
蒸気により発電機を回転させるタービンと、前記タービ
ンを回転させた蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で
低下した冷却水の温度を上昇させる低圧給水加熱器なら
びに高圧給水加熱器とを備えた原子炉設備において、事
故時に前記圧力容器の下方に位置する下部ドライウェル
へ、事故時の格納容器内圧力に対応した飽和温度より3
0℃以上下回ることのない温度の冷却水を供給する手段
を設けたことを特徴とする原子炉設備であり、炉心が溶
融して圧力容器の下方に流出するような事故時に、下部
ドライウェルへ、事故時の格納容器内圧力に対応した飽
和温度より30℃以上下回ることのない温度の冷却水、
例えば100℃以上の冷却水、を供給する場合には、例
えばニュークリアー・セーフティVol.32,No.3,P.
342に記載されているように、飽和温度より30℃以
上下回る冷却水を供給する場合と比較して損傷炉心と冷
却材との相互作用に伴う急激な蒸気発生が極めて起りに
くくなる。このように、発生する水蒸気量が抑制される
ため、格納容器の耐圧を高めるための特別な対策が不要
となる。なお、初期注水だけ事故時の格納容器内圧力に
対応した飽和温度より30℃以上下回ることのない温度
とすれば、その後は損傷炉心からの熱で冷却水温度が上
昇し、さらには、損傷炉心自体の温度が低下するため、
その後は事故時の格納容器内圧力に対応した飽和温度よ
り30℃以上下回る温度の冷却水を供給しても損傷炉心
と冷却材との相互作用に伴う急激な蒸気発生は起らな
い。
【0014】第2目的を達成するための第2手段は、第
1手段において、事故時に前記圧力容器の下方に位置す
る下部ドライウェルへ、事故時の格納容器内圧力に対応
した飽和温度より30℃以上下回ることのない温度の冷
却水を供給する手段は、低圧給水加熱器のドレン水を有
する第1のタンクと、前記第1のタンクと前記圧力容器
の下方に位置する下部ドライウェルとを連結する第1の
配管と、前記第1の配管に第1の弁と第1のポンプを設
置し、少なくとも前記圧力容器の水位が所定の値より低
下するか、もしくは前記下部ドライウェルの温度が所定
の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量が所定の
値より小さい場合に、前記第1のポンプを起動し、前記
第1の弁を開放する制御手段を設けたことであることを
特徴とする原子炉設備であり、炉心が溶融して圧力容器
の下方に流出するような事故時に、圧力容器の水位が所
定の値より低下するか、もしくは下部ドライウェルの温
度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量
が所定の値より小さい場合には、第1のポンプが起動さ
れ、第1の弁が開放される。これにより、第1のタンク
内の事故時の格納容器内圧力に対応した飽和温度より3
0℃以上下回ることのない温度に保持された冷却水は第
1の配管を通って下部ドライウェルに供給される。圧力
容器の水位が所定の値より低下するか、もしくは下部ド
ライウェルの温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉
心冷却系の流量が所定の値より小さい場合には炉心の損
傷が発生し、一部の炉心は下部ドライウェルへ流出する
場合が想定し得るが、この場合にも低温の冷却水を供給
する場合と比較して損傷炉心と冷却材との相互作用に伴
う急激な蒸気発生が極めて起りにくくなる。低圧給水加
熱器のドレン水は常時確実に加熱されており、既存のタ
ービン系を有効利用することで、格納容器の耐圧を高め
るための特別な対策が不要となる信頼性の高い設備が提
供される。
【0015】第3目的を達成するための第3手段は、第
1手段において、事故時に前記圧力容器の下方に位置す
る下部ドライウェルへ、事故時の格納容器内圧力に対応
した飽和温度より30℃以上下回ることのない温度の冷
却水を供給する手段は、所内電源もしくは所内蒸気によ
り昇温された冷却水を有する第2のタンクと、前記第2
のタンクと前記圧力容器の下方に位置する下部ドライウ
ェルとを連結する第2の配管と、前記第2の配管に第2
の弁と第2のポンプを設置し、少なくとも前記圧力容器
の水位が所定の値より低下するか、もしくは前記下部ド
ライウェルの温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉
心冷却系の流量が所定の値より小さい場合に、前記第2
のポンプを起動し、前記第2の弁を開放する制御手段を
設けたことであることを特徴とする原子炉設備であり、
炉心が溶融して圧力容器の下方に流出するような事故時
に、圧力容器の水位が所定の値より低下するか、もしく
は下部ドライウェルの温度が所定の値より上昇し、かつ
非常用炉心冷却系の流量が所定の値より小さい場合に
は、第2のポンプが起動され、第2の弁が開放される。
これにより、第2のタンク内の事故時の格納容器内圧力
に対応した飽和温度より30℃以上下回ることのない温
度に保持された冷却水は第2の配管を通って下部ドライ
ウェルに供給される。圧力容器の水位が所定の値より低
下するか、もしくは下部ドライウェルの温度が所定の値
より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量が所定の値よ
り小さい場合には炉心の損傷が発生し、一部の炉心は下
部ドライウェルへ流出する場合が想定し得るが、この場
合にも低温の冷却水を供給する場合と比較して損傷炉心
と冷却材との相互作用に伴う急激な蒸気発生が極めて起
りにくくなる。第2のタンクは所内電源もしくは所内蒸
気により加熱されるが、タンクは大気圧にもつように常
用系と同様の設計をすれば良く、格納容器の耐圧を高め
るための特別な対策が不要となる設備が安価に提供され
る。
【0016】第4目的を達成するための第4手段は、第
1手段において、事故時に前記圧力容器の下方に位置す
る下部ドライウェルへ、事故時の格納容器内圧力に対応
した飽和温度より30℃以上下回ることのない温度の冷
却水を供給する手段は、常温の冷却水を有する第3のタ
ンクと、前記第3のタンクと前記圧力容器の上方の壁と
前記圧力容器の断熱材との間の空間とを連結する第3の
配管と、前記第3の配管に第3の弁と第3のポンプを設
置し、少なくとも前記圧力容器の水位が所定の値より低
下するか、もしくは前記下部ドライウェルの温度が所定
の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量が所定の
値より小さい場合に、前記第3のポンプを起動し、前記
第3の弁を開放する制御手段を設け、前記圧力容器の上
方の壁と前記圧力容器の断熱材との間の空間に供給され
た冷却水が前記下部ドライウェルへ流れ落ちることを可
能とする流路を確保したことであることを特徴とする原
子炉設備であり、炉心が溶融して圧力容器の下方に流出
するような事故時に、圧力容器の水位が所定の値より低
下するか、もしくは下部ドライウェルの温度が所定の値
より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量が所定の値よ
り小さい場合には、第3のポンプが起動され、第3の弁
が開放される。これにより、第3のタンク内の常温の冷
却水は第3の配管を通って圧力容器の上方の壁と圧力容
器の断熱材との間の空間に供給される。圧力容器の上方
の壁と圧力容器の断熱材との間の空間は通常運転時にお
いても280℃以上になっており、炉心が露出するよう
な仮想的な事故時にはさらに温度が上昇し得る。常温の
冷却水は圧力容器壁と断熱材との間の空間を流れ落ちる
が、この間に圧力容器からの伝熱により冷却水は加熱さ
れ、圧力容器は除熱される。冷却水流量を適切に選定す
れば、下部ドライウェルに流れ落ちる冷却水の温度は事
故時の格納容器内圧力に対応した飽和温度より30℃以
上下回ることのない温度となる。圧力容器の水位が所定
の値より低下するか、もしくは下部ドライウェルの温度
が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量が
所定の値より小さい場合には炉心の損傷が発生し、一部
の炉心は下部ドライウェルへ流出する場合が想定し得る
が、この場合にも低温の冷却水を供給する場合と比較し
て損傷炉心と冷却材との相互作用に伴う急激な蒸気発生
が極めて起りにくくなる。このように、発生する水蒸気
量が抑制されるため、格納容器の耐圧を高めるための特
別な対策が不要となるとともに、圧力容器の除熱も達成
される。
【0017】第5目的を達成するための第5手段は、第
1手段において、事故時に前記圧力容器の下方に位置す
る下部ドライウェルへ、事故時の格納容器内圧力に対応
した飽和温度より30℃以上下回ることのない温度の冷
却水を供給する手段は、前記格納容器の内部に常温の冷
却水を有する第4のタンクと、前記第4のタンクの液相
部と前記圧力容器の気相部とを連結する第4の配管と、
前記第4の配管に前記圧力容器の水位が所定の値より低
下した場合に開放される第4の弁と、前記第4のタンク
の気相部と前記圧力抑制室の液相部とを連結する第5の
配管と、前記第4のタンクと前記下部ドライウェルとを
連結する第6の配管と、前記第6の配管に第5の弁を設
置し、少なくとも前記圧力容器の水位が所定の値より低
下するか、もしくは前記下部ドライウェルの温度が所定
の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量が所定の
値より小さい場合に、前記第5の弁を開放する制御手段
を設けたことであることを特徴とする原子炉設備であ
り、圧力容器の水位が所定の値より低下した場合に第4
の弁が開放されると、圧力容器内の蒸気が第4の配管を
通って第4のタンクの液相部に流入し凝縮される。これ
に伴い、第4のタンクの水温と水位が上昇する。第4の
タンクの水温が事故時の格納容器内圧力に対応した飽和
温度より30℃以上下回ることのない温度を越え飽和温
度に近づくと凝縮性能が低下し、凝縮しきれなかった蒸
気は第5の配管を通って圧力抑制室の液相部に流入して
凝縮される。圧力容器の水位が更に低下するか、もしく
は下部ドライウェルの温度が所定の値より上昇し、かつ
非常用炉心冷却系の流量が所定の値より小さい場合に、
第5の弁が開放される。これにより、第4のタンク内の
事故時の格納容器内圧力に対応した飽和温度より30℃
以上下回ることのない温度を越えて加熱された冷却水は
重力により第6の配管を通って下部ドライウェルに供給
される。圧力容器の水位が所定の値より低下するか、も
しくは下部ドライウェルの温度が所定の値より上昇し、
かつ非常用炉心冷却系の流量が所定の値より小さい場合
には炉心の損傷が発生し、一部の炉心は溶融して下部ド
ライウェルへ流出する場合が想定し得るが、この場合に
も低温の冷却水を供給する場合と比較して損傷炉心と冷
却材との相互作用に伴う急激な蒸気発生が極めて起りに
くくなる。このように、発生する水蒸気量が抑制される
ため、格納容器の耐圧を高めるための特別な対策が不要
となる効果が格納容器外の熱源を用いず達成される。
【0018】第6目的を達成するための第6手段は、第
1手段において、前記圧力容器の下方に位置する下部ド
ライウェルで前記圧力容器から流出した炉心を受ける位
置に耐火材からなる炉心保持装置を設置し、前記注水に
より前記炉心保持装置が冠水したときに、前記炉心保持
装置の底面への熱を前記炉心保持装置の上方の冷却水に
伝える自然循環流路を前記炉心保持装置の内部に設置し
たことを特徴とする原子炉設備であり、圧力容器の水位
が所定の値より低下するか、もしくは下部ドライウェル
の温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の
流量が所定の値より小さい場合には炉心の損傷が発生
し、一部の炉心は溶融して下部ドライウェルへ流出する
場合が想定し得る。この損傷炉心は炉心保持装置により
保持され、かつ、下部ドライウェルへの注水により冷却
水と接した部分が冷却される。さらに、炉心保持装置が
冠水すると、炉心保持装置の底面と接する部分に伝えら
れた熱も、炉心保持装置の内部に設置された自然循環流
路を通じて炉心保持装置の上方の冷却水に伝えられる。
これにより、損傷炉心の冷却が促進されるて損傷炉心の
温度が速やかに低下するとともに、炉心保持装置自体の
温度も上昇しない。この為、炉心保持装置が熱により侵
食することもなく、その分炉心保持装置をコンパクト化
することが達成される。
【0019】第7目的を達成するための第7手段は、第
6手段において、前記炉心保持装置の底面への熱を前記
炉心保持装置の上方の冷却水に伝える前記自然循環流路
は、冷却水と冷却水上部の気相空間とを連結する第7の
配管を前記炉心保持装置の内部に設置して形成したこと
であることを特徴とする原子炉設備であり、圧力容器の
水位が所定の値より低下するか、もしくは下部ドライウ
ェルの温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却
系の流量が所定の値より小さい場合には炉心の損傷が発
生し、一部の炉心は下部ドライウェルへ流出する場合が
想定し得る。この損傷炉心は炉心保持装置により保持さ
れ、かつ、下部ドライウェルへの注水により冷却水と接
した部分が冷却される。さらに、炉心保持装置が冠水す
ると、冷却水は第7の配管を通って炉心保持装置の内部
に流入する。この冷却水は損傷炉心からの熱により一部
が蒸発する。蒸発した蒸気は第7の配管を通って抵抗の
小さい冷却水上部の気相空間に導かれる。すなわち、炉
心保持装置の底面と接する部分に伝えられた熱を炉心保
持装置の上方の冷却水に伝える自然循環流路が確立され
る。これにより、損傷炉心の冷却が促進されるため損傷
炉心の温度が速やかに低下するとともに、炉心保持装置
自体の温度も上昇しない。このため、炉心保持装置が熱
により侵食することもなく、その分炉心保持装置をコン
パクト化することが達成される。また、炉心保持装置の
内部に設置した配管は補強材としても働き、炉心保持装
置の強度の向上が達成される。
【0020】第8目的を達成するための第8手段は、第
6手段において、前記炉心保持装置の底面への熱を前記
炉心保持装置の上方の冷却水に伝える前記自然循環流路
は、前記炉心保持装置の内部に気孔の存在する領域を設
け、前記気孔の存在する領域と冷却水上部の気相空間と
を連結する第8の配管を設置して形成したことであるこ
とを特徴とする原子炉設備であり、圧力容器の水位が所
定の値より低下するか、もしくは下部ドライウェルの温
度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量
が所定の値より小さい場合には炉心の損傷が発生し、一
部の炉心は下部ドライウェルへ流出する場合が想定し得
る。この損傷炉心は炉心保持装置により保持され、か
つ、下部ドライウェルへの注水により冷却水と接した部
分が冷却される。さらに、炉心保持装置が冠水すると、
冷却水は炉心保持装置の内部に設けた気孔の存在する領
域、即ち気孔率の高い領域を通って炉心保持装置の内部
に流入する。この冷却水は損傷炉心からの熱により一部
が蒸発する。蒸発した蒸気は第8の配管を通って抵抗の
小さい冷却水上部の気相空間に導かれる。すなわち、炉
心保持装置の底面と接する部分に伝えられた熱を炉心保
持装置の上方の冷却水に伝える自然循環流路が確立され
る。これにより、損傷炉心の冷却が促進されるため損傷
炉心の温度が速やかに低下するとともに、炉心保持装置
自体の温度も上昇しない。このため、炉心保持装置が熱
により侵食もなく、その分炉心保持装置をコンパクト化
することが、耐熱材自体の特性の変更により達成され
る。
【0021】第9目的を達成するための第9手段は、第
6手段において、前記炉心保持装置の底面への熱を前記
炉心保持装置の上方の冷却水に伝える前記自然循環流路
は、前記炉心保持装置の内部と冷却水との間に設置した
ヒートパイプであることを特徴とする原子炉設備であ
り、圧力容器の水位が所定の値より低下するか、もしく
は下部ドライウェルの温度が所定の値より上昇し、かつ
非常用炉心冷却系の流量が所定の値より小さい場合には
炉心の損傷が発生し、一部の炉心は下部ドライウェルへ
流出する場合が想定し得る。この損傷炉心は炉心保持装
置により保持され、かつ、下部ドライウェルへの注水に
より冷却水と接した部分が冷却される。さらに、炉心保
持装置が冠水すると、炉心保持装置の底面と接する部分
に伝えられた熱はヒートパイプの作動流体、例えばナト
リウムに伝えられ、作動流体は蒸発し冷却水と接する低
温部分で凝縮する。凝縮した作動流体は毛細管現象を利
用して高温部分に戻される。すなわち、炉心保持装置の
底面と接する部分に伝えられた熱を炉心保持装置の上方
の冷却水に伝える自然循環流路が確立される。これによ
り、損傷炉心の冷却が促進されて損傷炉心の温度が速や
かに低下するとともに、炉心保持装置自体の温度も上昇
しない。このため、炉心保持装置が熱により侵食するこ
ともなく、その分炉心保持装置をコンパクト化すること
が、炉心保持装置の下方に冷却水を導くことなく達成さ
れる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1により説
明する。
【0023】図1は沸騰水型原子炉の断面図であり、炉
心1は圧力容器2で囲われ、圧力容器2は格納容器3の
内部に包含されている。
【0024】格納容器3の内部には水プールを備えた圧
力抑制室6と、圧力抑制室6の水プールと格納容器3内
部の上部ドライウェル7及び下部ドライウェル8とを連
結するベント管9が設置されている。
【0025】炉心1の発熱により発生した蒸気は主蒸気
管4を通って高圧タービン10に導かれ、高圧タービン
10を回転させて仕事をした後、湿分分離器11で湿分
を取り除かれ、さらに低圧タービン12及び13に導か
れて低圧タービンを回転させる。
【0026】タービンの回転により、発電機14も回転
して電気が発生する。
【0027】低圧タービン13を回転させて仕事をした
蒸気は復水器15で水に戻り、復水ポンプ20で低圧給
水加熱器16及び17に導かれる。
【0028】低圧給水加熱器に導かれた水は、タービン
からの抽気ライン30及び31を通って導かれた蒸気に
より加熱される。
【0029】この水は、さらに給水ポンプ21で高圧給
水加熱器18へ導かれ、高圧タービン10からの抽気ラ
イン32を通って導かれた蒸気によって更に加熱され、
給水管5を通って圧力容器2内部へ戻される。
【0030】タービンからの抽気ラインを通って給水加
熱器に導かれた蒸気は凝縮し、このドレン水はポンプ2
2及び23により給水管5へ戻されている。
【0031】本実施例の特徴は、低圧給水加熱器17の
ドレン水を保有するタンク40、例えば体積は20m3
を設置し、タンク40と下部ドライウェル8とを連結す
る配管50と、配管50に弁70とポンプ60、例えば
流量40t/hを設置し、圧力容器内の水位が所定の
値、例えば低圧の非常用炉心冷却系が起動する水位の設
定値より0.5m 下より低下するか、もしくは下部ドラ
イウェル8の温度が所定の値、例えば350℃、より上
昇し、かつ事故時に圧力容器2へ注水を行う安全系であ
る非常用炉心冷却系の流量が所定の値、例えば60t/
hより小さい場合に、ポンプ60を起動し、弁70を開
放する制御装置80を設けたことである。さらに、格納
容器3の外部に常温の冷却水を有するタンク41を設置
し、タンク41と配管50とを連結する配管51と、配
管51に弁71とポンプ61を設置し、ポンプ60の起
動信号がだされた後、所定の時間遅れ、例えばタンク4
0の冷却水量をポンプ60の流量で割って得られる値
0.5 時間の後、制御装置80によりポンプ61を起動
し、弁71を開放し、弁70を閉鎖するようになってい
る。
【0032】通常運転時には、低圧給水加熱器17のド
レン水はタンク40に流入し、さらに圧力差によって後
段の低圧給水加熱器16に導かれている。
【0033】タンク40の冷却水温度は事故時の格納容
器内圧力に対応した飽和温度より30℃以上下回ること
のない温度、例えば事故時の代表的な格納容器内圧力2.
5気圧に対応した飽和温度127℃より30℃以上下回
ることのない100℃としてある。
【0034】タンク40の周囲は断熱してあり、タンク
40を設けたことによる熱損失は無視できるほど小さく
なっている。
【0035】なお、図1では代表例として給水加熱器を
3台示しているが、給水加熱器の台数が多い場合でも適
切な給水加熱器を選定すれば、ドレン水の温度は70℃
から150℃程度の範囲で設定することが可能である。
【0036】このような原子炉において、例えば主蒸気
管4が破断し、かつ、炉心1への非常用炉心冷却水の注
入にも失敗するという確率的には極めて低い事象が仮に
発生したと想定すると、圧力容器内水位が低下し、炉心
1が露出し、崩壊熱により温度が上昇して溶融し、その
一部分が圧力容器2の下端にたまる。
【0037】ここでも、炉心1を冷却できなかったと仮
定すると、炉心1の一部分は圧力容器2の下端から下部
ドライウェル8に落下する場合が想定し得る。
【0038】このとき、少なくとも圧力容器内の水位は
所定の値である低圧の非常用炉心冷却系が起動する水位
の設定値より0.5m 下より低下するか、もしくは下部
ドライウェル8の温度は所定の値である350℃より上
昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量は所定の値である6
0t/hより小さくなっており、制御装置80はポンプ
60を起動する信号をポンプ操作器81に送り、弁70
を開放する信号を弁操作器82に送る。
【0039】これにより、タンク40の70℃以上に加
熱された冷却水は配管50を通って下部ドライウェル8
に供給される。
【0040】先に説明したように、初期注水に低温の冷
却水を供給する場合と比較して、事故時の格納容器内圧
力に対応した飽和温度より30℃以上下回ることのない
温度の冷却水を供給する場合には損傷炉心と冷却材との
相互作用に伴う急激な蒸気発生が極めて起りにくくな
り、蒸気発生量は数分の1に抑えられる。
【0041】タンク40の冷却水量をポンプ60の流量
で割って得られる値0.5 時間後に、制御装置80はポ
ンプ61を起動する信号をポンプ操作器83に送り、弁
71を開放する信号を弁操作器84に送り、弁70を閉
鎖する信号を弁操作器82に送る。
【0042】これにより、タンク41の常温の冷却水が
配管51及び配管50を通って下部ドライウェル8に供
給されるが、この時点では損傷炉心自体の温度が低下
し、さらに下部ドライウェル8に存在する冷却材は損傷
炉心からの熱で温度上昇しており、事故時の格納容器内
圧力に対応した飽和温度より30℃以上下回ることのな
い温度より低温の冷却水を供給しても損傷炉心と冷却材
との相互作用に伴う急激な蒸気発生は起らない。
【0043】本実施例によれば、低圧給水加熱器のドレ
ン水は常時確実に加熱されており、既存のタービン系を
有効利用することで、格納容器の耐圧を高めるための特
別な対策が不要となる信頼性の高い設備が提供される効
果がある。
【0044】本発明の他の実施例を図2により説明す
る。
【0045】図2は図1とは格納容器3の形式が異なる
原子炉に本発明を適用したものである。
【0046】さらに、図1との相違点は所内電源もしく
は所内蒸気により事故時の格納容器内圧力に対応した飽
和温度より30℃以上下回ることのない温度に保持され
た冷却水を保有するタンク42、例えば体積は12m3
を設置し、タンク42と下部ドライウェル8とを連結す
る配管52と、配管52に弁72とポンプ62、例えば
流量24t/hを設置し、圧力容器内の水位が所定の
値、例えば低圧の非常用炉心冷却系が起動する水位の設
定値より0.5m 下より低下するか、もしくは下部ドラ
イウェル8の温度が所定の値、例えば350℃より上昇
し、かつ事故時に圧力容器2へ注水を行う安全系である
非常用炉心冷却系の流量が所定の値、例えば35t/h
より小さい場合に、ポンプ62を起動し、弁72を開放
する制御装置80を設けたことである。
【0047】さらに、格納容器3の外部に常温の冷却水
を有するタンク41を設置し、タンク41と配管52と
を連結する配管51と、配管51に弁71とポンプ61
を設置し、ポンプ62の起動信号がだされた後、所定の
時間遅れ、例えばタンク42の冷却水量をポンプ62の
流量で割って得られる値0.5 時間の後、制御装置80
によりポンプ61を起動し、弁71を開放し、弁70を
閉鎖するようになっている。
【0048】通常運転時にはタンク42の冷却水は所内
電源又は所内蒸気により事故時の格納容器内圧力に対応
した飽和温度より30℃以上下回ることのない温度、例
えば100℃としてあるが、これは通常の給湯器と同様
の仕組みにより容易に達成される。
【0049】このようにタンク42は大気圧にもつよう
に常用系と同様の設計をすれば良く、設備費を安価にす
ることが可能である。
【0050】このような原子炉において、例えば主蒸気
管4が破断し、かつ、炉心1への非常用炉心冷却水の注
入にも失敗するという確率的には極めて低い事象が仮に
発生したと想定すると、圧力容器内水位が低下し、炉心
1が露出し、崩壊熱により温度が上昇して溶融し、その
一部分が圧力容器2の下端にたまる。
【0051】ここでも、炉心1を冷却できなかったと仮
定すると、炉心1の一部分は圧力容器2の下端から下部
ドライウェル8に落下する場合が想定し得る。
【0052】このとき、少なくとも圧力容器内の水位は
所定の値である低圧の非常用炉心冷却系が起動する水位
の設定値より0.5m 下より低下するか、もしくは下部
ドライウェル8の温度は所定の値である350℃より上
昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量は所定の値である3
5t/hより小さくなっており、制御装置80はポンプ
62を起動する信号をポンプ操作器85に送り、弁72
を開放する信号を弁操作器86に送る。
【0053】これにより、タンク42の70℃以上に加
熱された冷却水は配管52を通って下部ドライウェル8
に供給される。
【0054】先に説明したように、初期注水に低温の冷
却水を供給する場合と比較して、事故時の格納容器内圧
力に対応した飽和温度より30℃以上下回ることのない
温度の冷却水を供給する場合には損傷炉心と冷却材との
相互作用に伴う急激な蒸気発生が極めて起りにくくな
り、蒸気発生量は数分の1に抑えられる。
【0055】タンク42の冷却水量をポンプ62の流量
で割って得られる値0.5 時間後に、制御装置80はポ
ンプ61を起動する信号をポンプ操作器83に送り、弁
71を開放する信号を弁操作器84に送り、弁72を閉
鎖する信号を弁操作器85に送る。
【0056】これにより、タンク41の常温の冷却水が
配管51及び配管52を通って下部ドライウェル8に供
給されるが、この時点では損傷炉心自体の温度が低下
し、さらに下部ドライウェル8に存在する冷却材は損傷
炉心からの熱で温度上昇しており、事故時の格納容器内
圧力に対応した飽和温度より30℃以上下回ることのな
い温度より低温の冷却水を供給しても損傷炉心と冷却材
との相互作用に伴う急激な蒸気発生は起らない。
【0057】本実施例によれば、タンク42は所内電源
もしくは所内蒸気により加熱されるが、タンク42は大
気圧にもつように常用系と同様の設計をすれば良く、格
納容器の耐圧を高めるための特別な対策が不要となる設
備が安価に提供される効果がある。
【0058】本発明のさらに他の実施例を図3及び図4
により説明する。
【0059】図1の実施例との相違点は、常温の冷却水
を有するタンク43、例えば体積は1400m3 と、タ
ンク43と圧力容器2の上方の壁と圧力容器2の断熱材
100との間の空間とを連結する配管54と、配管54に
弁73とポンプ63を設置し、少なくとも圧力容器2の
水位が所定の値、例えば低圧の非常用炉心冷却系が起動
する水位の設定値より0.5m 下より低下するか、もし
くは下部ドライウェル8の温度が所定の値、例えば35
0℃より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量が所定の
値、例えば60t/hより小さい場合に、ポンプ63、
例えば最大流量は70t/hを起動し、弁73を開放す
る制御装置80を設け、圧力容器2の上方の壁と圧力容
器の断熱材100との間の空間に供給された冷却水が下
部ドライウェル8へ流れ落ちることを可能とする流路を
有する点である。
【0060】さらに、配管54と下部ドライウェル8と
を連結する配管55と、配管55に弁74が設置され、
ポンプ63が起動されてから所定の時間、例えば0.5
時間の後に、制御装置80は弁74を開放する信号を弁
操作器89に送るようになっている。
【0061】このような原子炉において、例えば主蒸気
管4が破断し、かつ、炉心1への非常用炉心冷却水の注
入にも失敗するという確率的には極めて低い事象が仮に
発生したと想定すると、圧力容器内水位が低下し、炉心
1が露出し、崩壊熱により温度が上昇して溶融し、その
一部分が圧力容器2の下端にたまる。
【0062】ここでも、炉心1を冷却できなかったと仮
定すると、炉心1の一部分は圧力容器2の下端から下部
ドライウェル8に落下する場合が想定し得る。
【0063】このとき、少なくとも圧力容器内の水位は
所定の値である低圧の非常用炉心冷却系が起動する水位
の設定値より0.5m 下より低下するか、もしくは下部
ドライウェル8の温度は所定の値である350℃より上
昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量は所定の値である6
0t/hより小さくなっており、制御装置80はポンプ
63を起動する信号をポンプ操作器87に送り、弁73
を開放する信号を弁操作器88に送る。
【0064】これにより、図4に詳細に示すように、タ
ンク43の冷却水は配管54を通って圧力容器2の上方
の壁と圧力容器2の断熱材100との間の空間に供給さ
れる。
【0065】圧力容器2の上方の壁と圧力容器の断熱材
100との間の空間は通常運転時においても280℃以
上になっており、炉心が露出するような仮想的な事故時
にはさらに温度が上昇し得る。
【0066】冷却水が圧力容器壁と断熱材との間の空間
を流れ落ちるようにスカート部101に流路孔102が、
下部の断熱材100に流路孔103が設置されている
が、冷却材はこの空間を流れ落ちる間に圧力容器2から
の伝熱により加熱され、圧力容器2は除熱される。
【0067】冷却水流量を例えば35t/hとした場
合、常温の冷却水を100℃まで昇温するのに要する熱
量は、損傷した炉心1から発生する崩壊熱の10%以下
であり、また伝熱面積も十分確保されることから、下部
ドライウェル8に流れ落ちるまでに冷却水の温度は容易
に事故時の格納容器内圧力に対応した飽和温度より30
℃以上下回ることのない温度である100℃以上とな
る。
【0068】先に説明したように、初期注水に低温の冷
却水を供給する場合と比較して、100℃以上の冷却水
を供給する場合には損傷炉心と冷却材との相互作用に伴
う急激な蒸気発生が極めて起りにくくなり、蒸気発生量
は数分の1に抑えられる。0.5 時間後に、制御装置8
0は弁74を開放する信号を弁操作器89に送る。
【0069】これにより、タンク43の常温の冷却水が
配管54及び配管55を通って下部ドライウェル8に供
給されるが、この時点では損傷炉心自体の温度が低下
し、さらに下部ドライウェル8に存在する冷却材は損傷
炉心からの熱で温度上昇しており、100℃より低温の
冷却水を供給しても損傷炉心と冷却材との相互作用に伴
う急激な蒸気発生は起らない。
【0070】本実施例によれば、格納容器の耐圧を高め
るための特別な対策が不要となるとともに、圧力容器の
除熱も達成される効果がある。
【0071】本発明のさらに他の実施例を図5により説
明する。
【0072】図3で示した実施例との相違点は、格納容
器3の内部に常温の冷却水を有するタンク44、例えば
体積は20m3 と、タンク44の液相部と圧力容器2の
気相部とを連結する配管57と、配管57に圧力容器2
の水位が所定の値、例えば通常水位より4m下より低下
した場合に開放される弁76と、タンク44の気相部と
圧力抑制室6の液相部とを連結する配管58と、タンク
44と下部ドライウェル8とを連結する配管59と、配
管59に弁75を設置し、少なくとも圧力容器2の水位
が所定の値、例えば低圧の非常用炉心冷却系が起動する
水位の設定値より0.5m 下より低下するか、もしくは
下部ドライウェル8の温度が所定の値、例えば350℃
より上昇し、かつ非常用炉心冷却系の流量が所定の値、
例えば60t/hより小さい場合に、弁75を開放する
制御装置80を有する点である。
【0073】さらに、格納容器3の外部に常温の冷却水
を有するタンク43を設置し、タンク43と下部ドライ
ウェル8とを連結する配管56と、配管56に弁74と
ポンプ63を設置し、弁75の開放信号がだされた後、
所定の時間遅れ、例えば0.5時間の後、制御装置80に
よりポンプ63を起動し、弁74を開放するようになっ
ている。
【0074】このような原子炉において、例えば主蒸気
管4が破断し、かつ、炉心1への非常用炉心冷却水の注
入にも失敗するという確率的には極めて低い事象が仮に
発生したと想定すると、圧力容器内水位が低下し、炉心
1が露出し、崩壊熱により温度が上昇して溶融し、その
一部分が圧力容器2の下端にたまる。
【0075】ここでも、炉心1を冷却できなかったと仮
定すると、炉心1の一部分は圧力容器2の下端から下部
ドライウェル8に落下する場合が想定し得る。
【0076】このとき、圧力容器内の水位はまず所定の
値である通常水位より4m下を下回り、弁76が開放さ
れる。
【0077】これにより、圧力容器2内の蒸気が配管5
7を通ってタンク44の液相部に流入し凝縮される。
【0078】これに伴い、タンク44の水温と水位が上
昇する。
【0079】タンク44の水温を事故時の格納容器内圧
力に対応した飽和温度より30℃以上下回ることのない
温度である100℃まで上昇させるのに要する熱量は、
圧力容器2内部に保有されている熱量の10%以下であ
り、タンク44の水温は容易に100℃以上となる。
【0080】タンク44の水温が100℃を越え飽和温
度に近づくと凝縮性能が低下し、凝縮しきれなかった蒸
気は配管58を通って圧力抑制室6の液相部に流入して
凝縮される。
【0081】圧力容器2の損傷が発生する場合には、圧
力容器2の水位が更に低下して所定の値である低圧の非
常用炉心冷却系が起動する水位の設定値より0.5m 下
より低下し、もしくは下部ドライウェル8の温度が所定
の値である350℃より上昇し、かつ非常用炉心冷却系
の流量が所定の値である60t/hより小さくなってお
り、制御装置80は弁75を開放する信号を弁操作器9
0に送る。
【0082】これにより、タンク44内の100℃を越
えて加熱された冷却水は重力により配管59を通って下
部ドライウェル8に供給される。
【0083】先に説明したように、初期注水に低温の冷
却水を供給する場合と比較して、100℃以上の冷却水
を供給する場合には損傷炉心と冷却材との相互作用に伴
う急激な蒸気発生が極めて起りにくくなり、蒸気発生量
は数分の1に抑えられる。0.5 時間後に、制御装置8
0はポンプ63を起動する信号をポンプ操作器87に送
り、弁74を開放する信号を弁操作器89に送る。
【0084】これにより、タンク43の常温の冷却水が
配管56を通って下部ドライウェル8に供給されるが、
この時点では損傷炉心自体の温度が低下し、さらに下部
ドライウェル8に存在する冷却材は損傷炉心からの熱で
温度上昇しており、70℃より低温の冷却水を供給して
も損傷炉心と冷却材との相互作用に伴う急激な蒸気発生
は起らない。
【0085】本実施例によれば、格納容器外の熱源を用
いず格納容器の耐圧を高めるための特別な対策が不要と
なる効果がある。
【0086】本発明のさらに他の実施例を図6及び図7
により説明する。
【0087】この実施例は、これまで説明してきた実施
例の下部ドライウェル8の下方に設置した耐火材110
及び111からなる炉心保持装置に関するものであり、
炉心保持装置が冠水したときに、冷却水と冷却水上部の
気相空間とを連結する配管112を炉心保持装置の内部
に有する点に特徴がある。
【0088】耐火材110は、例えば焼結された二酸化
ジルコニウムであり厚さは5cm、耐火材111は、例え
ばコンクリートと同様の製法で作成する不定形の酸化マ
グネシウムで厚さは30cm、配管112は、例えば直径
3cmで耐火材110との平均距離は5cmとする。
【0089】なお、配管112の水平部分については、
冷却水上部の気相空間と連結される側の高さを冷却水と
連結される側より、例えば3cm高くしておくことが望ま
しい。
【0090】このような原子炉において、圧力容器の水
位が所定の値より低下するか、もしくは下部ドライウェ
ル8の温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却
系の流量が所定の値より小さい場合には、確率は極めて
低いが炉心の損傷が発生し、一部の炉心は下部ドライウ
ェルへ流出する場合が想定し得る。
【0091】図7に示すように、この損傷炉心113は
耐火材110及び111からなる炉心保持装置により保
持され、かつ、下部ドライウェル8への注水により冷却
水と接した部分が冷却される。
【0092】さらに、炉心保持装置が冠水すると、冷却
水は配管112を通って炉心保持装置の内部に流入す
る。
【0093】この冷却水は損傷炉心113からの熱によ
り一部が蒸発する。蒸発した蒸気は配管112を通って
抵抗の小さい冷却水上部の気相空間側に導かれる。
【0094】すなわち、炉心保持装置の底面と接する部
分に伝えられた熱を炉心保持装置の上方の冷却水に伝え
る自然循環流路が確立される。
【0095】このような配管112を複数本、例えば1
00本設置すれば、損傷炉心113からの熱の約50%
を炉心保持装置の底面から除去することが可能となる。
これにより、損傷炉心113の冷却が促進されるて損傷
炉心113の温度が速やかに低下するとともに、炉心保
持装置自体の温度も上昇しない。
【0096】このため、炉心保持装置を形成する耐火材
110及び111が熱により侵食されることもなく、そ
の分炉心保持装置をコンパクト化することが可能となっ
ている。
【0097】また、炉心保持装置の内部設置した配管は
補強材としても働き、地震等に対する炉心保持装置の強
度の向上が達成される。
【0098】本実施例によれば、炉心保持装置の強度を
向上させるとともに、炉心保持装置をコンパクトにでき
る効果がある。
【0099】本発明のさらに他の実施例を図8及び図9
により説明する。図6の実施例との相違点は炉心保持装
置の内部に気孔率の高い領域120を設け、気孔率の高
い領域と冷却水上部の気相空間とを連結する配管121
を有する点である。
【0100】気孔率の高い領域120は、例えば厚さ3
0cmで軽石を敷詰めて形成され、その上部は多孔の鉄板
122でふたをされている。
【0101】このような原子炉において、圧力容器の水
位が所定の値より低下するか、もしくは下部ドライウェ
ル8の温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却
系の流量が所定の値より小さい場合には、確率は極めて
低いが炉心の損傷が発生し、一部の炉心は下部ドライウ
ェル8へ流出する場合が想定し得る。
【0102】図9に示すように、この損傷炉心113は
耐火材110及び気孔率の高い領域120からなる炉心
保持装置により保持され、かつ、下部ドライウェル8へ
の注水により冷却水と接した部分が冷却される。
【0103】さらに、炉心保持装置が冠水すると、冷却
水は鉄板122の孔を通って炉心保持装置の内部に流入
する。この冷却水は損傷炉心113からの熱により一部
が蒸発する。
【0104】蒸発した蒸気は配管121を通って抵抗の
小さい冷却水上部の気相空間側に導かれる。
【0105】すなわち、炉心保持装置の底面と接する部
分に伝えられた熱を炉心保持装置の上方の冷却水に伝え
る自然循環流路が確立される。
【0106】このようにして、損傷炉心113からの熱
の約50%を炉心保持装置の底面から除去することが可
能となる。
【0107】これにより、損傷炉心113の冷却が促進
されるため損傷炉心113の温度が速やかに低下すると
ともに、炉心保持装置自体の温度も上昇しない。
【0108】このため、炉心保持装置を形成する耐火材
110及び気孔率の高い領域120が熱により侵食され
ることもなく、その分炉心保持装置をコンパクト化する
ことが可能となっている。
【0109】本実施例によれば、炉心保持装置を形成す
る耐熱材自体の特性の変更により、炉心保持装置をコン
パクトにできる効果がある。
【0110】本発明のさらに他の実施例を図10及び図
11により説明する。図6で示した実施例との相違点は
耐火材110及び111から形成される炉心保持装置の
内部と冷却水との間に、ヒートパイプ130、例えば直
径は3cmが設置されている点である。
【0111】このような原子炉において、圧力容器の水
位が所定の値より低下するか、もしくは下部ドライウェ
ル8の温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却
系の流量が所定の値より小さい場合には、確率は極めて
低いが炉心の損傷が発生し、一部の炉心は下部ドライウ
ェルへ流出する場合が想定し得る。
【0112】図11に示すように、この損傷炉心113
は耐火材110及び111からなる炉心保持装置により
保持され、かつ、下部ドライウェル8への注水により冷
却水と接した部分が冷却される。
【0113】さらに、炉心保持装置が冠水すると、炉心
保持装置の底面と接する部分に伝えられた熱はヒートパ
イプ130の作動流体、例えばナトリウムに伝えられ、
作動流体は蒸発し冷却水と接する低温部分で凝縮する。
【0114】凝縮した作動流体は毛細管現象を利用して
高温部分に戻される。すなわち、炉心保持装置の底面と
接する部分に伝えられた熱を炉心保持装置の上方の冷却
水に伝える自然循環流路が確立される。
【0115】このようなヒートパイプ130を複数本、
例えば200本設置すれば、損傷炉心113からの熱の
約50%を炉心保持装置の底面から除去することが可能
となる。
【0116】これにより、損傷炉心113の冷却が促進
されて損傷炉心113の温度が速やかに低下するととも
に、炉心保持装置自体の温度も上昇しない。
【0117】このため、炉心保持装置を形成する耐火材
110及び111が熱により侵食されることもなく、そ
の分炉心保持装置をコンパクト化することが可能となっ
ている。
【0118】また、炉心保持装置の下方に冷却水を導く
ことがないため、仮に炉心保持装置が破損しても、損傷
炉心113と冷却水との間の相互作用が発生して急激な
蒸気発生が生じる可能性はまったくない。
【0119】本実施例によれば、炉心保持装置の下方に
冷却水を導くことなく、炉心保持装置をコンパクトにで
きる効果がある。
【0120】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、仮想的な事故
時に損傷炉心と冷却材との相互作用により発生する水蒸
気の量が抑制され、格納容器の耐圧を高めるための特別
な対策が不要となる効果がある。
【0121】請求項2の発明によれば、格納容器の耐圧
を高めるための特別な対策が不要となる信頼性の高い設
備を提供できる効果がある。
【0122】請求項3の発明によれば、格納容器の耐圧
を高めるための特別な対策が不要となる安価な設備を提
供できる効果がある。
【0123】請求項4の発明によれば、仮想的な事故時
に圧力容器からの除熱を行うとともに、格納容器の耐圧
を高めるための特別な対策が不要となる効果がある。
【0124】請求項5の発明によれば、格納容器外の熱
源を用いず、格納容器の耐圧を高めるための特別な対策
が不要となる効果がある。
【0125】請求項6の発明によれば、炉心保持装置自
体の冷却性が向上し、炉心保持装置がコンパクトになる
効果がある。
【0126】請求項7の発明によれば、炉心保持装置の
強度が向上するとともに、炉心保持装置がコンパクトに
なる効果がある。
【0127】請求項8の発明によれば、耐熱材自体の特
性を変更することで炉心保持装置がコンパクトになる効
果がある。
【0128】請求項9の発明によれば、炉心保持装置の
下方に冷却水を導くことなく炉心保持装置がコンパクト
になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による沸騰水型原子炉設備の
断面図である。
【図2】本発明の他の実施例による沸騰水型原子炉設備
の断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施例による沸騰水型原子
炉設備の断面図である。
【図4】図3の圧力容器とその周辺の断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例による沸騰水型原子
炉設備の断面図である。
【図6】図1,図3,図5の実施例における下部ドライ
ウェル底部に装備された炉心保持装置の拡大詳細断面図
である。
【図7】事故時における図6における冷却材の流れを示
す炉心保持装置の断面図である。
【図8】図6の変形例による炉心保持装置の断面図であ
る。
【図9】事故時における図8における冷却材の流れを示
す炉心保持装置の断面図である。
【図10】図6の他の変形例による炉心保持装置の断面
図である。
【図11】事故時における図10における冷却材の流れ
を示す炉心保持装置の断面図である。
【符号の説明】
1…炉心、2…圧力容器、3…格納容器、4…主蒸気
管、5…給水管、6…圧力抑制室、8…下部ドライウェ
ル、10…高圧タービン、12,13…低圧タービン、
15…復水器、16,17…低圧給水加熱器、18…高
圧給水加熱器、40,41,42,43,44…タン
ク、50,51,52,53,54,55,56,5
7,58,59,112,121…配管、60,61,
62,63…ポンプ、70,71,72,73,74,
75,76…弁、80…制御装置、100…圧力容器の
断熱材、110,111…耐火材、120…気孔率の高
い領域、130…ヒートパイプ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉心を内蔵する圧力容器と、前記圧力容器
    を配置した格納容器と、水プールを備えた圧力抑制室
    と、前記圧力抑制室と前記格納容器の内のドライウェル
    空間とを連結するベント管と、前記圧力容器で発生した
    蒸気により発電機を回転させるタービンと、前記タービ
    ンを回転させた蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で
    低下した冷却水の温度を上昇させる低圧給水加熱器なら
    びに高圧給水加熱器とを備えた原子炉設備において、事
    故時に前記圧力容器の下方に位置する下部ドライウェル
    へ、事故時の格納容器内圧力に対応した飽和温度より3
    0℃以上下回ることのない温度の冷却水を供給する手段
    を設けたことを特徴とする原子炉設備。
  2. 【請求項2】請求項1において、事故時に前記圧力容器
    の下方に位置する下部ドライウェルへ、事故時の格納容
    器内圧力に対応した飽和温度より30℃以上下回ること
    のない温度の冷却水を供給する手段は、低圧給水加熱器
    のドレン水を有する第1のタンクと、前記第1のタンク
    と前記圧力容器の下方に位置する下部ドライウェルとを
    連結する第1の配管と、前記第1の配管に第1の弁と第
    1のポンプを設置し、少なくとも前記圧力容器の水位が
    所定の値より低下するか、もしくは前記下部ドライウェ
    ルの温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系
    の流量が所定の値より小さい場合に、前記第1のポンプ
    を起動し、前記第1の弁を開放する制御手段を設けたこ
    とであることを特徴とする原子炉設備。
  3. 【請求項3】請求項1において、事故時に前記圧力容器
    の下方に位置する下部ドライウェルへ、事故時の格納容
    器内圧力に対応した飽和温度より30℃以上下回ること
    のない温度の冷却水を供給する手段は、所内電源もしく
    は所内蒸気により昇温された冷却水を有する第2のタン
    クと、前記第2のタンクと前記圧力容器の下方に位置す
    る下部ドライウェルとを連結する第2の配管と、前記第
    2の配管に第2の弁と第2のポンプを設置し、少なくと
    も前記圧力容器の水位が所定の値より低下するか、もし
    くは前記下部ドライウェルの温度が所定の値より上昇
    し、かつ非常用炉心冷却系の流量が所定の値より小さい
    場合に、前記第2のポンプを起動し、前記第2の弁を開
    放する制御手段を設けたことであることを特徴とする原
    子炉設備。
  4. 【請求項4】請求項1において、事故時に前記圧力容器
    の下方に位置する下部ドライウェルへ、事故時の格納容
    器内圧力に対応した飽和温度より30℃以上下回ること
    のない温度の冷却水を供給する手段は、常温の冷却水を
    有する第3のタンクと、前記第3のタンクと前記圧力容
    器の上方の壁と前記圧力容器の断熱材との間の空間とを
    連結する第3の配管と、前記第3の配管に第3の弁と第
    3のポンプを設置し、少なくとも前記圧力容器の水位が
    所定の値より低下するか、もしくは前記下部ドライウェ
    ルの温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系
    の流量が所定の値より小さい場合に、前記第3のポンプ
    を起動し、前記第3の弁を開放する制御手段を設け、前
    記圧力容器の上方の壁と前記圧力容器の断熱材との間の
    空間に供給された冷却水が前記下部ドライウェルへ流れ
    落ちることを可能とする流路を確保したことであること
    を特徴とする原子炉設備。
  5. 【請求項5】請求項1において、事故時に前記圧力容器
    の下方に位置する下部ドライウェルへ、事故時の格納容
    器内圧力に対応した飽和温度より30℃以上下回ること
    のない温度の冷却水を供給する手段は、前記格納容器の
    内部に常温の冷却水を有する第4のタンクと、前記第4
    のタンクの液相部と前記圧力容器の気相部とを連結する
    第4の配管と、前記第4の配管に前記圧力容器の水位が
    所定の値より低下した場合に開放される第4の弁と、前
    記第4のタンクの気相部と前記圧力抑制室の液相部とを
    連結する第5の配管と、前記第4のタンクと前記下部ド
    ライウェルとを連結する第6の配管と、前記第6の配管
    に第5の弁を設置し、少なくとも前記圧力容器の水位が
    所定の値より低下するか、もしくは前記下部ドライウェ
    ルの温度が所定の値より上昇し、かつ非常用炉心冷却系
    の流量が所定の値より小さい場合に、前記第5の弁を開
    放する制御手段を設けたことであることを特徴とする原
    子炉設備。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記圧力容器の下方に
    位置する下部ドライウェルで前記圧力容器から流出した
    炉心を受ける位置に耐火材からなる炉心保持装置を設置
    し、前記注水により前記炉心保持装置が冠水したとき
    に、前記炉心保持装置の底面への熱を前記炉心保持装置
    の上方の冷却水に伝える自然循環流路を前記炉心保持装
    置の内部に設置したことを特徴とする原子炉設備。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記炉心保持装置の底
    面への熱を前記炉心保持装置の上方の冷却水に伝える前
    記自然循環流路は、冷却水と冷却水上部の気相空間とを
    連結する第7の配管を前記炉心保持装置の内部に設置し
    て形成したことであることを特徴とする原子炉設備。
  8. 【請求項8】請求項6において、前記炉心保持装置の底
    面への熱を前記炉心保持装置の上方の冷却水に伝える前
    記自然循環流路は、前記炉心保持装置の内部に気孔の存
    在する領域を設け、前記気孔の存在する領域と冷却水上
    部の気相空間とを連結する第8の配管を設置して形成し
    たことであることを特徴とする原子炉設備。
  9. 【請求項9】請求項6において、前記炉心保持装置の底
    面への熱を前記炉心保持装置の上方の冷却水に伝える前
    記自然循環流路は、前記炉心保持装置の内部と冷却水と
    の間に設置したヒートパイプであることを特徴とする原
    子炉設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005195595A (ja) * 2003-12-31 2005-07-21 General Electric Co <Ge> 炉心キャッチャ冷却
JP4620449B2 (ja) * 2003-12-31 2011-01-26 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 炉心キャッチャ冷却のアセンブリおよび該アセンブリを有する原子炉

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