JPH09318783A - 原子炉プラントの冷却設備 - Google Patents

原子炉プラントの冷却設備

Info

Publication number
JPH09318783A
JPH09318783A JP8131610A JP13161096A JPH09318783A JP H09318783 A JPH09318783 A JP H09318783A JP 8131610 A JP8131610 A JP 8131610A JP 13161096 A JP13161096 A JP 13161096A JP H09318783 A JPH09318783 A JP H09318783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
water
containment vessel
cooling
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8131610A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Fujii
正 藤井
Yoshiyuki Kataoka
良之 片岡
Kenichi Sato
憲一 佐藤
Kouhei Hisamochi
康平 久持
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP8131610A priority Critical patent/JPH09318783A/ja
Publication of JPH09318783A publication Critical patent/JPH09318783A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シビアアクシデント発生時に、原子炉格納容器
からのガスベントを回避しながらも、シビアアクシデン
トを収束させる。 【解決手段】室内に建屋外への排気手段が装備された原
子炉建屋9と、前記原子炉建屋9に囲われた原子炉格納
容器5と、前記原子炉建屋9と前記原子炉格納容器5と
の間隙と、前記間隙に前記原子炉格納容器5の外側に置
かれた冷却水水源24,25からポンプ26,27で送
水される注水流路31を連通接続した注水手段と、圧力
抑制室4よりも高い高さ位置の前記間隙の雰囲気を前記
室内に連通する流路と、使用済燃料プール10に冷却水
水源24,25からポンプ26,27で送水する注水流
路32と、前記使用済燃料プール10から前記間隙内に
溢水を注水する他の注水流路33とを備えた原子炉設備
の冷却手段。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シビアアクシデン
ト時の原子炉格納容器の健全性を確保する技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】従来の沸騰水型原子炉においては、図2
に示すように、ポンプ6と熱交換器7を用いて、原子炉
容器1内の炉水や圧力抑制プール4水を冷却すること
で、残留熱を除去する方式を採用している。
【0003】図2の例では、コンクリート製の原子炉建
屋9内に鋼製のMark−II型格納容器5を備えている。
【0004】原子炉建屋9には、格納容器5からの配管
の貫通口11や機器ハッチ17等多数の貫通箇所があ
り、運転階には、使用済燃料15を冷却する使用済燃料
プール10が設けられている。
【0005】このような既設炉の安全性をさらに向上さ
せる目的で、発生確率は非常に小さいが設計で想定すべ
き事故事象を越えるようなシビアアクシデントが発生し
た場合の対応策(アクシデントマネージメント)が検討
されている。
【0006】沸騰水型原子炉においても、現有設備を利
用したアクシデントマネージメントとして、復水貯蔵タ
ンクや消火系からの冷却水をポンプで原子炉容器や格納
容器に供給する代替注水設備や、空調系のダクトを耐圧
強化して格納容器内のガスをベントする方策等が定めら
れ、今後設備の改造が実施されることが想定される。ま
た、コンクリート製の格納容器とその内側のライナとの
間に原子炉圧力抑制プール内の冷却水をポンプで注水し
てシビアアクシデント時の格納容器の過圧破損を防止す
る技術が特開昭62−167499号公報に掲載されている。
【0007】その公報には、格納容器とその内側のライ
ナとの間の注水冷却水をポンプで抜いて圧力抑制プール
に戻し入れる系統も開示している。
【0008】また、特開昭61−189490号公報や特開平5
−232278 号公報に記載のように、ポンプ等の動的機器
を用いることなく、格納容器上方に設けた冷却水のプー
ルから冷却水を鋼製格納容器の外表面にスプレイ乃至は
注水して冷却する例がある。
【0009】上記各公報に記載の例は、鋼製格納容器乃
至はライナと原子炉建屋の間隙に冷却水を蓄積させるこ
とで圧力抑制プールの外側領域に外周プールが形成され
る。特開平5−232278 号公報は、さらに格納容器からの
放熱により、外周プール水は蒸発し、その蒸発蒸気を放
出する配管を原子炉建屋内に設けて排気筒から放出する
内容が開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の既設炉のアクシ
デントマネージメントのうち、耐圧強化ベント策では、
圧力抑制室の気相空間であるウエットウエル内のガスを
排気筒から放出することで、格納容器の過圧を防止す
る。
【0011】しかし、シビアアクシデント時の周辺地区
に及ぼす事故による影響を極力小さくする観点からは格
納容器の内側のガスを外側に放出するガスベントを回避
することが好ましい。
【0012】また、前記の代替注水設備では、従来、そ
の設備を用いた冷却系で格納容器自体を冷却することは
考えていない。
【0013】また、特開昭62−167499号公報による従来
技術では、圧力抑制プール内の冷却水をライナの外側に
散水するものであるが、シビアアクシデント時には、格
納容器内の熱が圧力抑制プール内に移行しているから、
散水される冷却水は既に加熱されており、冷却効果が大
きく期待できない。
【0014】特開昭61−189490号公報や特開平5−23227
8 号公報に記載の例では、スプレイ水を保有する格納容
器上方の冷却水プールや外周プールからの蒸気放出配管
等の専用設備が必要である。
【0015】スプレイ水の供給は、冷却プールからの重
力落下によるものであるため、外周プールの水位を形成
するのに時間を要する。
【0016】さらに、既設炉に適用する場合には、外周
プールから蒸発した蒸気の放出ルートの新設に伴う改造
が原子炉建屋内での配置上の制約が大きく、コストも過
大となる。
【0017】なお、原子炉建屋に付帯する使用済燃料プ
ールと、その冷却系に関し、シビアアクシデント時に機
能喪失することをも想定すると、使用済燃料プールは、
燃料の冷却と放射線遮蔽を兼ねて水深を深くしている
が、プール水の冷却機能が喪失するとプール水が蒸発す
るため、代替の注水系等を設置することが必要となる。
なお、上記の既設炉のアクシデントマネージメントや、
特開平5−232278 号公報には、シビアアクシデント時に
おける使用済燃料プール冷却系の機能喪失に対する解決
策の記載はされていない。
【0018】従って、本発明の第1目的は、事故時に原
子炉格納容器の冷却を外側から迅速且つ効率良く冷却す
ることにあり、第2目的は、事故時に原子炉格納容器の
冷却を外側の外周プールで冷却する設備において外周プ
ールからの蒸発蒸気の排出を簡単に達成できることにあ
り、第3目的は、事故時に原子炉格納容器の冷却を外側
の外周プールで冷却する設備において原子炉建屋に付属
する使用済燃料プールの冷却を維持することにあり、第
4目的は、上記第1目的から第3目的までの全ての目的
を同時に達成して原子炉設備の安全性を向上することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記第1目的を達成する
ため第1手段は、原子炉建屋に囲われた原子炉格納容器
と前記建屋との間隙に、前記原子炉格納容器の外側に置
かれた冷却水水源からポンプで送水される注水流路を連
通接続してある原子炉プラントの冷却設備であり、事故
時には原子炉格納容器の外側に置かれて事故時にあって
も高熱を受けにくい水源からポンプにより強制的に冷却
水が注水流路を経由して原子炉格納容器と前記建屋との
間隙に迅速に注水され、迅速に原子炉格納容器を外側か
ら冷却することができる。
【0020】上記第2目的を達成するための第2手段
は、室内に建屋外への排気手段が装備された原子炉建屋
と、前記原子炉建屋に囲われるとともに圧力抑制室を包
含する原子炉格納容器と、前記原子炉建屋と前記原子炉
格納容器との間隙と、前記間隙に前記原子炉格納容器の
外側に置かれた冷却水水源からポンプで送水される注水
流路を連通接続した注水手段と、前記圧力抑制室よりも
高い高さ位置の前記間隙の雰囲気を前記室内に連通する
流路とを備えた原子炉プラントの冷却設備であり、事故
時には原子炉格納容器の外側に置かれた水源からポンプ
により強制的に冷却水が注水流路を経由して原子炉格納
容器と前記建屋との間隙に迅速に注水され、迅速に原子
炉格納容器を外側から冷却し、冷却時に蒸発した蒸気は
前記間隙から前記室内に流入して、さらにその室内から
原子炉建屋に既設にて備えられている排気手段で排気さ
れてゆき、前記間隙の圧力が過大になったり、冷却効果
が低下したりすることを抑制する作用が得られる。
【0021】上記第3目的を達成するための第3手段
は、原子炉設備の使用済燃料プールに前記原子炉格納容
器の外側に置かれた冷却水水源からポンプで送水する注
水流路と、前記使用済燃料プールから前記原子炉格納容
器と原子炉建屋との間隙内に前記使用済燃料プールから
の溢水を注水する他の注水流路とを備えた原子炉プラン
トの冷却設備であり、冷却水源からポンプにより強制的
に使用済燃料プール内へ冷却水が注水されるから、使用
済燃料プール内の冷却を行う設備が稼動しない場合で
も、使用済燃料プール内の冷却水が枯渇することがなく
て使用済燃料プール内は冷却され、さらに使用済燃料プ
ール内の冷却水は使用済燃料プール内から溢水して原子
炉格納容器と原子炉建屋との間隙内に流入して原子炉格
納容器を外側から冷却する作用が得られる。
【0022】上記第4目的を達成するための第4手段
は、室内に建屋外への排気手段が装備された原子炉建屋
と、前記原子炉建屋に囲われるとともに圧力抑制室を包
含する原子炉格納容器と、前記原子炉建屋と前記原子炉
格納容器との間隙と、前記間隙に前記原子炉格納容器の
外側に置かれた冷却水水源からポンプで送水される第1
の注水流路を連通接続した注水手段と、前記圧力抑制室
よりも高い高さ位置の前記間隙の雰囲気を前記室内に連
通する流路と、原子炉設備の使用済燃料プールに前記原
子炉格納容器の外側に置かれた冷却水水源からポンプで
送水する第2の注水流路と、前記使用済燃料プールから
前記原子炉格納容器と原子炉建屋との間隙内に前記使用
済燃料プールからの溢水を注水する第3の注水流路とを
備えた原子炉プラントの冷却設備であり、事故時にはポ
ンプで強制的に冷却水水源から冷却水が前記間隙内に注
水されて原子炉格納容器を迅速に冷却し、その冷却時に
発生した前記間隙内の蒸発蒸気は原子炉建屋の室内に流
入してから原子炉建屋に付属した排気手段で排出され、
前記間隙内での冷却水による原子炉格納容器の冷却と前
記間隙内での過大圧力の発生を抑制する作用、並びに、
使用済燃料プール内に冷却水水源からポンプで冷却水が
送水されて、使用済燃料プール内は冷却され、使用済燃
料プール内から溢水した冷却水は前記間隙内に注水され
て原子炉格納容器を外側から冷却する作用が得られる。
【0023】同じく第5手段は、第4手段において、冷
却水源は、復水貯蔵タンク又は消火系のろ過水タンク内
の水であることを特徴とした原子炉プラントの冷却設備
であり、第4手段による作用に加えて、復水貯蔵タンク
又は消火系のろ過水タンク内の水がポンプにより強制的
に原子炉格納容器と原子炉建屋との間隙に注水され、原
子炉格納容器を外側から冷却する冷却水として使用され
る作用が得られ、その使用冷却水たる水は既存のタンク
内に貯えられているから、新設の水源確保手段としての
タンク設備を必要としない。
【0024】同じく第6手段は、第4手段又は第5手段
において、前記間隙の雰囲気を前記室内に連通する流路
は、原子炉建屋の室内と原子炉格納容器とを連絡してい
る機器ハッチの外周囲と前記原子炉建屋壁との間隙に備
えられていることを特徴とした原子炉プラントの冷却設
備であり、第4手段又は第5手段による作用に加えて、
機器ハッチを装備するために原子炉建屋に開口した開口
部を通して、新たな開口を設けることなく、前記間隙内
の蒸気や圧力を排気することができるという作用が得ら
れる。
【0025】第7手段によれば、第1手段から第6手段
までのいずれか一手段において、原子炉建屋と原子炉格
納容器との間隙の冷却水を前記隙間の外に排出する排水
設備を備えたことを特徴とした原子炉の冷却手段であ
り、原子炉格納容器を外側から冷却するのに用いられた
冷却水が原子炉格納容器と原子炉建屋との間隙に溜った
後に事故が収束した際、排水設備でその間隙に溜った冷
却水を排水してその間隙に溜った冷却水による圧力が原
子炉格納容器に大きな負担となることを抑制するという
作用が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の各実施例を、図1,図3
〜図8に基づいて説明する。
【0027】図1は、図2に示した従来例と同様、Mark
−II型の原子炉格納容器5を有する原子炉プラントの冷
却設備の概略系統図を示したものである。
【0028】格納容器5は、原子炉建屋9に収納されて
いる。
【0029】本実施例においては、原子炉建屋9と格納
容器5の間隙に復水貯蔵タンク等からの冷却水を供給す
るための注水系配管31,32,33、及び弁34,3
5,36を設ける。
【0030】配管31は、従来のアクシデントマネージ
メントの一つであるドライウエル2下部への注水配管2
1から分岐しており、弁34を開くことで注水配管21
を流れる冷却水の一部を圧力抑制プール4の外側で原子
炉建屋9と格納容器5の間隙に供給する。
【0031】配管32は、復水貯蔵タンク等からの冷却
水を、弁35を開くことで使用済燃料プール10に供給
する。
【0032】配管33は、弁36を開くことで、使用済
燃料プール10でのオーバーフロー水をすきまサージタ
ンク16を介して、格納容器5の外側に設けたスプレイ
ヘッダ42に供給する。
【0033】また、原子炉建屋9壁と配管貫通部の間隙
については、格納容器5の円筒部(ウェットウエル3と
圧力抑制プール4)に面する箇所と機器ハッチ17より
上方領域では密封構造とし、格納容器5の円すい部上端
位置近傍には原子炉建屋9の運転階に連通する配管41
を設ける。
【0034】図3は、復水貯蔵タンク24とろ過水タン
ク25内の冷却水を供給する代替注水設備の概略系統図
を示したものである。
【0035】従来のアクシデントマネージメントにおい
ては、事故発生時に非常用炉心冷却系のポンプ6が作動
しない場合、復水貯蔵タンク24とろ過水タンク25内
の冷却水を、復水補給水系ポンプ26と消火系ポンプ2
7により一旦配管20に供給する。
【0036】この配管20から、ドライウエル2の下部
への注水配管21,原子炉容器1内への注水配管22,
13,ドライウエル2内のスプレイヘッダへの配管2
3,14に冷却水が分配され、原子炉容器1,ドライウ
エル2を冷却する。
【0037】本実施例では、上記の注水系に加えて、下
部ドライウエル2への注水配管21から分岐した配管3
1を設けているので、復水貯蔵タンク24等からの冷却
水を原子炉建屋9と格納容器5の間隙に注水することが
できる。
【0038】事故時においては、従来の注水系配管21
等から原子炉容器1やドライウエル2への注水により圧
力抑制プール4の水位が上昇する。
【0039】また、配管31を介した注水により、原子
炉建屋9と格納容器5の間隙で、圧力抑制プール4の外
側領域に外周プール30が形成される。
【0040】圧力抑制プール4は、事故時にドライウエ
ル2に放出された蒸気が流入して凝縮するので、蒸気の
潜熱を吸収して温度が上昇している。
【0041】しかし、外周プール30に供給される水温
は約30℃程度であるので、圧力抑制プール4と外周プ
ール30の温度差が大きくなり、鋼製の格納容器5壁自
体を伝熱面とした自然放熱により格納容器5を冷却でき
る。
【0042】なお、残留熱除去のためのポンプ6が作動
しているが、熱交換器7の除熱機能が喪失した場合に
は、圧力抑制プール4水位は、ほぼ定格値のままで変化
せず、逃がし安全弁からの蒸気凝縮で圧力抑制プール4
の温度が上昇する。
【0043】この場合、外周プール30への伝熱面積を
拡大するため外周プール30の水位を上昇させることが
好ましいが、水位差が大きくなると外周プール30から
格納容器5に外圧が加わる可能性がある。
【0044】しかし、圧力抑制プール4の水温上昇によ
り格納容器5の内圧が上昇しているので、水位差による
外圧の影響は緩和される。
【0045】したがって、外周プール30水位を圧力抑
制プール4の水位より高くすることが可能であり、ウェ
ットウエル3領域からの放熱も期待できる。
【0046】なお、外周プール30は、放熱により温度
が上昇して100℃になると蒸発して水位が減少する。
【0047】このため、図1に示すように水位計70を
設置し、水位信号により弁34の開度を調節することで
水位一定に制御すれば、伝熱面積の変動が小さくなり、
安定して格納容器5を冷却できる。
【0048】但し、水位信号は必須項目ではなく、事故
時に発生する熱量に相当する量を注水する制御系でも可
能である。
【0049】図4は、本実施例における使用済燃料プー
ル冷却系の概略系統図を示す。
【0050】復水貯蔵タンク24やろ過水タンク25か
らの冷却水は、配管32から使用済燃料プール10に供
給される。
【0051】冷却水は、使用済燃料プール10のせきか
ら溢水してすきまサージタンク16に流入する。
【0052】通常時には、すきまサージタンク16内の
プール水は配管50を流れて、ポンプ51で昇圧され
て、ろ過脱塩装置52を経由して熱交換器53で原子炉
補機冷却系54の冷却水で除熱される。
【0053】崩壊熱除去に失敗した事故の場合には、原
子炉補機冷却系54側の除熱機能が喪失し、使用済燃料
プール10の水温上昇や水位低下が生じる可能性があ
る。
【0054】しかし、本実施例では、配管32を介し
て、復水貯蔵タンク24やろ過水タンク25から低温の
冷却水が供給されるので、使用済燃料15の冷却機能を
維持できる。
【0055】さらに、すきまサージタンク16からの冷
却水を配管33を介して格納容器5と原子炉建屋9の間
隙に設けたスプレイヘッダ42に供給することができ
る。
【0056】これにより、ドライウエル2領域と接する
格納容器5の上部の円すい部領域に冷却水をスプレイす
ることが可能になり、格納容器5の冷却性能が向上す
る。
【0057】なお、配管32,33を用いた使用済燃料
プール冷却系への注水量を多くすれば、ドライウエル2
領域と接する格納容器5の円すい部を冷却しながら、外
周プール30を形成することも可能である。
【0058】図5は、本実施例において原子炉建屋9と
機器ハッチ17の貫通部との間隙から、外周プール30
で発生した蒸気を原子炉建屋9内に放出する場合の概念
図である。
【0059】本実施例の原子炉建屋9内の機器配置にお
いては、非常用炉心冷却系の電気品等は機器ハッチ17
の貫通部より上方の階にあり、その箇所における原子炉
建屋9と他の配管貫通部との間隙は密封構造としてい
る。
【0060】そこで、原子炉建屋9と機器ハッチ17の
貫通部との間隙から選択的に外周プール30からの蒸気
を放出するものである。
【0061】図6は、換気空調系の排気ダクトの概略系
統図を示す。
【0062】本実施例では、外周プール30からの蒸気
が機器ハッチ17の貫通部のある階と配管41により運
転階に放出されるので、排気ダクト60,61から、フ
ィルタ62,ブロワ63を介して排気筒65より原子炉
建屋9外へ蒸気を排気する。図7は、出力110万kW
e級で、格納容器直径が約26mの場合における除熱性
能を評価した結果の一例を示す。
【0063】この評価例では、格納容器5の下部円筒領
域(圧力抑制室から外周プール)からの除熱のみを考慮
している。
【0064】原子炉建屋9と格納容器5の間隙に注水し
て、外周プール30の水位を約11m確保すれば、除熱
量が崩壊熱を上回り、格納容器5の圧力が耐圧強化ベン
トの開始圧力である設計圧力の2倍に達しない結果とな
り、格納容器5からのガスベントを回避できる。
【0065】また、使用済燃料プール10冷却系からの
スプレイ水による格納容器5の上部円すい領域における
除熱も考慮すれば、格納容器5の圧力上昇をさらに効果
的に抑制できる。
【0066】なお、除熱量に応じて外周プール30から
蒸気が発生して、換気空調系の排気ダクト60,61か
ら排気筒65に放出される。
【0067】しかし、蒸気の最大流量は換気空調系の定
格風量と比較すると小さく、原子炉建屋9内の圧力上昇
に及ぼす影響は小さい。
【0068】図8は、事故収束後における本実施例の概
略系統図を示す。
【0069】事故収束後は、残留熱除去系のポンプ6や
熱交換器7の機能が回復するので、まず熱交換器7によ
り圧力抑制プール4を冷却して、格納容器5内の蒸気分
圧を低下させる。
【0070】また、外周プール30への伝熱面積を拡大
するために圧力抑制プール4の水位を上昇させた場合に
は、ドレン系のポンプ18を起動して定格水位まで排水
することで、ウェットウエル3容積を回復し不凝縮性気
体分圧を低下させる。
【0071】この際、外周プール30の水位が圧力抑制
プール4の水位より高く、かつ格納容器5の内圧が低下
した場合には、外圧による座屈が生じる可能性がある。
【0072】このため、外周プール30の排水用のポン
プ38を起動して、水位を低下させる。
【0073】本実施例では、外周プール30の排水先を
圧力抑制プール4としており、両プール間の水位差が拡
大しないようにしている。
【0074】以上述べたように、本実施例では、シビア
アクシデント発生後に復水貯蔵タンク等からの冷却水を
鋼製の格納容器と原子炉建屋の間隙に注水することで、
格納容器内のガスをベントすることを回避できる。
【0075】また、冷却水の注水によって形成された外
周プールからの蒸気は、非常用炉心冷却系機器に影響し
ない領域の原子炉建屋内に放出して、換気空調系の排気
ダクトを介して排気筒から放出させることができ、新設
の蒸気放出配管などが不要である。
【0076】さらに、使用済燃料プールの冷却機能を維
持しながら格納容器の冷却性能を向上させることが可能
となる。
【0077】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、シビアアクシ
デント時においても、ポンプを用いた注水で短時間に原
子炉格納容器に接する外周プールを形成し、原子炉格納
容器を外部から冷却することで原子炉格納容器のガスベ
ントを回避して事故を迅速に収束させることができるの
で原子炉の安全性が向上する。
【0078】請求項2の発明によれば、シビアアクシデ
ント時においても、ポンプを用いた注水で短時間に原子
炉格納容器に接する外周プールを形成し、原子炉格納容
器を外部から冷却することで原子炉格納容器のガスベン
トを回避して事故を迅速に収束させることができるので
原子炉の安全性が向上する上、外周プールからの蒸発蒸
気を原子炉建屋内の換気空調系の排気手段を利用して放
出できるので、原子炉格納容器の冷却効果が向上すると
ともに、新規の蒸気放出系設備が不要となる。請求項3
の発明によれば、シビアアクシデント時においても、ポ
ンプを用いた注水で短時間に原子炉格納容器に接する外
周プールを形成し、原子炉格納容器を外部から冷却する
ことで原子炉格納容器のガスベントを回避して事故を迅
速に収束させることができるので原子炉の安全性が向上
する上、使用済燃料プールの冷却機能を維持しながら原
子炉格納容器の冷却性能をさらに向上できる。
【0079】請求項4の発明によれば、シビアアクシデ
ント時においても、ポンプを用いた注水で短時間に原子
炉格納容器に接する外周プールを形成し、原子炉格納容
器を外部から冷却することで原子炉格納容器のガスベン
トを回避して事故を収束させることができるので原子炉
の安全性が向上する上、使用済燃料プールの冷却機能を
維持しながら原子炉格納容器の冷却性能をさらに向上
し、その冷却により生じた蒸発蒸気を原子炉建屋内の換
気空調系の排気手段を介して放出できるので、冷却機能
の継続が維持でき、しかも既設の原子炉設備に本発明を
採用した際には、上記蒸気の放出のための新規の蒸気放
出系設備が不要となる。
【0080】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
による効果に加えて、原子炉格納容器を外側から冷却す
るために用いる冷却水の水源水を貯える新設のタンクを
必要としない。
【0081】請求項6の発明によれば、請求項4又は請
求項5の発明による効果に加えて、原子炉格納容器を外
側から冷却したことにより生じた蒸発蒸気の排出を原子
炉建屋に専用の開口部を新設することなく達成できる。
【0082】請求項7の発明によれば、請求項1から請
求項6までのいずれか一項の発明による効果に加えて、
事故収束後に外周プールの水位を低減させるための排水
系設備を設けたことにより、外周プール内冷却水による
原子炉格納容器の座屈を防止することが容易となるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における原子炉格納容器の冷
却設備の系統図である。
【図2】従来の原子炉の冷却設備の冷却水供給系統図で
ある。
【図3】本発明の一実施例における代替注水設備の系統
図である。
【図4】本発明の一実施例における使用済燃料プール冷
却系の系統図である。
【図5】本発明の一実施例における原子炉建屋内への蒸
気流路を示す概念図である。
【図6】本発明の一実施例における原子炉建屋内の換気
空調設備の排気ダクト系の概略系統図である。
【図7】本発明の一実施例における除熱性能評価結果を
示したグラフ図である。
【図8】本発明の他の実施例における原子炉格納容器の
冷却設備の系統図である。
【符号の説明】
1…原子炉容器、2…ドライウエル、3…ウェットウエ
ル、4…圧力抑制プール、5…原子炉格納容器、6,3
8,51…ポンプ、7…熱交換器、9…原子炉建屋、1
0…使用済燃料プール、11…貫通口、12,13,1
4,20,21,22,23,31,32,33,3
7,41,50,64…配管、15…使用済燃料、16
…すきまサージタンク、17…機器ハッチ、18…ドレ
ン系ポンプ、24…復水貯蔵タンク、25…ろ過水タン
ク、26…復水補給水系ポンプ、27…消火系ポンプ、
28,34,35,36,39,40…弁、30…外周
プール、42…スプレイヘッダ、52…ろ過脱塩装置、
53…燃料プール熱交換器、54…原子炉補機冷却系、
60,61…排気ダクト、62…フィルタ、63…ブロ
ワ、65…排気筒。
フロントページの続き (72)発明者 久持 康平 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉建屋に囲われた原子炉格納容器と前
    記建屋との間隙に、前記原子炉格納容器の外側に置かれ
    た冷却水水源からポンプで送水される注水流路を連通接
    続してある原子炉プラントの冷却設備。
  2. 【請求項2】室内に建屋外への排気手段が装備された原
    子炉建屋と、前記原子炉建屋に囲われるとともに圧力抑
    制室を包含する原子炉格納容器と、前記原子炉建屋と前
    記原子炉格納容器との間隙と、前記間隙に前記原子炉格
    納容器の外側に置かれた冷却水水源からポンプで送水さ
    れる注水流路を連通接続した注水手段と、前記圧力抑制
    室よりも高い高さ位置の前記間隙の雰囲気を前記室内に
    連通する流路とを備えた原子炉プラントの冷却設備。
  3. 【請求項3】原子炉設備の使用済燃料プールに前記原子
    炉格納容器の外側に置かれた冷却水水源からポンプで送
    水する注水流路と、前記使用済燃料プールから前記原子
    炉格納容器と原子炉建屋との間隙内に前記使用済燃料プ
    ールからの溢水を注水する他の注水流路とを備えた原子
    炉プラントの冷却設備。
  4. 【請求項4】室内に建屋外への排気手段が装備された原
    子炉建屋と、 前記原子炉建屋に囲われるとともに圧力抑制室を包含す
    る原子炉格納容器と、 前記原子炉建屋と前記原子炉格納容器との間隙と、 前記間隙に前記原子炉格納容器の外側に置かれた冷却水
    水源からポンプで送水される第1の注水流路を連通接続
    した注水手段と、 前記圧力抑制室よりも高い高さ位置の前記間隙の雰囲気
    を前記室内に連通する流路と、 原子炉設備の使用済燃料プールに前記原子炉格納容器の
    外側に置かれた冷却水水源からポンプで送水する第2の
    注水流路と、 前記使用済燃料プールから前記原子炉格納容器と原子炉
    建屋との間隙内に前記使用済燃料プールからの溢水を注
    水する第3の注水流路とを備えた原子炉プラントの冷却
    設備。
  5. 【請求項5】請求項4において、冷却水源は、復水貯蔵
    タンク又は消火系のろ過水タンク内の水であることを特
    徴とした原子炉プラントの冷却設備。
  6. 【請求項6】請求項4又は請求項5において、前記間隙
    の雰囲気を前記室内に連通する流路は、原子炉建屋の室
    内と原子炉格納容器とを連絡している機器ハッチの外周
    囲と前記原子炉建屋壁との間隙に備えられていることを
    特徴とした原子炉プラントの冷却設備。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項6までのいずれか一項
    において、原子炉建屋と原子炉格納容器との間隙の冷却
    水を前記隙間の外に排出する排水設備を備えたことを特
    徴とした原子炉の冷却手段。
JP8131610A 1996-05-27 1996-05-27 原子炉プラントの冷却設備 Pending JPH09318783A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8131610A JPH09318783A (ja) 1996-05-27 1996-05-27 原子炉プラントの冷却設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8131610A JPH09318783A (ja) 1996-05-27 1996-05-27 原子炉プラントの冷却設備

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09318783A true JPH09318783A (ja) 1997-12-12

Family

ID=15062096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8131610A Pending JPH09318783A (ja) 1996-05-27 1996-05-27 原子炉プラントの冷却設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09318783A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1583105A3 (en) * 2004-03-26 2006-11-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Pressure suppression and decontamination apparatus and method for reactor container
CN105023619A (zh) * 2015-07-06 2015-11-04 中科华核电技术研究院有限公司 一种用于安全壳的抵压水池系统及核岛安全壳
CN105210152A (zh) * 2013-03-14 2015-12-30 西屋电气有限责任公司 用于非能动冷却核电站冷却剂存储器的设备
CN108335764A (zh) * 2018-01-24 2018-07-27 中广核研究院有限公司 一种小型堆乏燃料冷却和净化系统

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1583105A3 (en) * 2004-03-26 2006-11-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Pressure suppression and decontamination apparatus and method for reactor container
US7813465B2 (en) 2004-03-26 2010-10-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Pressure suppression and decontamination apparatus and method for reactor container
CN105210152A (zh) * 2013-03-14 2015-12-30 西屋电气有限责任公司 用于非能动冷却核电站冷却剂存储器的设备
US10872706B2 (en) 2013-03-14 2020-12-22 Westinghouse Electric Company Llc Apparatus for passively cooling a nuclear plant coolant reservoir
CN105023619A (zh) * 2015-07-06 2015-11-04 中科华核电技术研究院有限公司 一种用于安全壳的抵压水池系统及核岛安全壳
CN108335764A (zh) * 2018-01-24 2018-07-27 中广核研究院有限公司 一种小型堆乏燃料冷却和净化系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2507694B2 (ja) 原子炉設備
JP5006178B2 (ja) 原子炉格納容器およびそれを用いた原子力プラント
JP4660270B2 (ja) 熱交換器とその製造方法、ならびに原子炉格納容器システム
US10290379B2 (en) Passive containment cooling and filtered venting system, and nuclear power plant
KR101659864B1 (ko) 원전
KR101473377B1 (ko) 피동격납건물살수계통
TW201324534A (zh) 具有小型被動安全系統之壓水式反應器
JP5540362B2 (ja) 原子炉冷却システム
JP2014010080A (ja) 原子力プラントおよび静的格納容器冷却系
JP3159820B2 (ja) 原子炉格納設備
KR100856174B1 (ko) 원자로 플랜트, 원자로 플랜트의 구성 및 가동 방법, 냉각 시스템, 핵 열원 냉각 방법
JPH0341395A (ja) 原子炉容器用の受動熱除去系
JP2013011502A (ja) 原子力プラント及びその燃料プール水冷却方法
JPH05180974A (ja) 原子炉及び原子炉冷却設備並びに原子力発電プラント及びその運転方法
JPH06265674A (ja) 原子炉格納容器の冷却システムとその冷却システムに利用される部品
JPH09318783A (ja) 原子炉プラントの冷却設備
JPH06294884A (ja) 原子炉システム
KR101473378B1 (ko) 피동안전설비 및 이를 구비하는 원전
JP6771402B2 (ja) 原子力プラント
JP6359318B2 (ja) 静的原子炉格納容器冷却系および原子力発電プラント
JP2001228280A (ja) 原子炉
JPH08334584A (ja) 沸騰水型原子炉における凝縮器プールの水インベントリを管理するシステムおよび方法
JPH04157396A (ja) 自然冷却型格納容器
JP4340521B2 (ja) 原子炉建屋
JP2000019285A (ja) 原子炉除熱系