JPH09159547A - 熱検出回路及びこれを用いた熱抵抗測定法 - Google Patents

熱検出回路及びこれを用いた熱抵抗測定法

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JPH09159547A
JPH09159547A JP32288695A JP32288695A JPH09159547A JP H09159547 A JPH09159547 A JP H09159547A JP 32288695 A JP32288695 A JP 32288695A JP 32288695 A JP32288695 A JP 32288695A JP H09159547 A JPH09159547 A JP H09159547A
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temperature
detection circuit
heat
thermal resistance
heat detection
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Hiroyuki Yamada
浩幸 山田
Shohei Seki
昇平 関
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象の熱抵抗の測定に用いられるリング
発振器を有する熱検出回路。 【解決手段】 発振周波数が温度に依存して変化するタ
イプの温度測定手段を用いて測定対象の熱抵抗を測定す
る熱検出回路において、温度変化に応じて伝播速度を変
化させる3個以上の奇数個のインバータを具え、これら
のインバータの出力端子および入力端子が順次に接続さ
れてリング発振器を構成し、このリング発振器を構成す
るいずれかひとつのインバータの出力端子から発振周波
数信号を検出することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱検出回路およ
び熱抵抗測定方法、特に半導体集積回路チップの熱抵抗
の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱抵抗とは、物体に熱が流れるのを妨げ
ようとする力の尺度のことをいい、物体の相対する面間
の温度差を、熱流速度で割ったもので表される。従来、
熱抵抗を測定する装置および方法としては、例えば、文
献「応用エレクトロニクス(第1版)、p171〜p1
72、(株)裳華房」に開示されているものがある。
【0003】この文献に紹介されている熱検出回路の構
成例は、ダイオードを受熱部分とし、受け取った熱エネ
ルギに応じてダイオードのアノード電位(アノード電極
の電位)が変化することを利用している。ダイオードに
は定電流電源が接続されており、ダイオードに流れる順
方向電流が一定値の状態に保たれている。そして、ダイ
オードのアノード電極は増幅器に接続されており、アノ
ード電位を増幅検出する構成である。ダイオードに流れ
る電流が一定のときには、アノード電位とダイオードの
温度とは比例関係にある。そこで、ダイオードのアノー
ド電位を検出することによって、与えられた熱エネルギ
に応じたダイオードの温度に依存する出力が得られる。
【0004】前述した熱検出回路を用いて以下に説明す
るようにして、測定対象の熱抵抗が求められる。先ず、
前述の熱検出回路の出力電圧とダイオードに与えられた
熱エネルギとの関係を予め求めておく。次に、ダイオー
ドが測定対象から受け取った熱エネルギと、これに対す
る出力電圧の変化量を測定し、この出力電圧の変化量か
らダイオードの温度変化量を求める。これら熱エネルギ
と温度変化量との比が測定対象の熱抵抗を表しており、
これを算出することによって、測定対象の熱抵抗が得ら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱検出回路においては、定電流電源を用いてダイオード
に流れる電流を一定にする構成となっている。このため
電圧に対する制限がなく、従ってダイオードに過大な電
圧が印加される場合がある。すなわち、ダイオードの温
度上昇に伴いアノード電位が増加してサージ等が生じ、
このため、過大電圧が印加されたダイオードの特性が劣
化、もしくは破壊されるといった問題点があった。
【0006】また、検出されるアノード電位の温度依存
性が微弱なために増幅器が必要となり、増幅器自体の温
度特性をも考慮する必要があった。
【0007】従って、従来よりサージ等に影響されない
熱検出回路であって、しかも、出力信号の温度依存性が
大きくそのため従来必要とされたような増幅器を不要と
した熱検出回路の出現が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の熱検出回路に
よれば、発振周波数が温度に依存して変化するタイプの
温度測定手段を用いて測定対象の熱抵抗を測定する熱検
出回路において、温度変化に応じて伝播速度を変化させ
る3個以上の奇数個のインバータを具え、これらのイン
バータの出力端子および入力端子が順次に接続されてリ
ング発振器を構成し、このリング発振器を構成するいず
れかひとつのインバータの出力端子から発振周波数信号
を検出することを特徴とする。
【0009】上述したように、この構成の熱検出回路
は、温度の変化によって、伝播速度が変化するインバー
タを用いたリング発振器から構成されている。ここで、
インバータの伝播速度とは、インバータのスイッチング
特性のことであり、インバータの入力信号に対する出力
信号の応答時間をいう。前述のインバータの各出力端子
および入力端子が接続されてリング発振器が構成されて
おり、このリング発振器の発振周波数は、リング発振器
を構成している各インバータの伝播速度に依存する。従
って、リング発振器の発振周波数は温度依存性を示す。
インバータの入力端子と出力端子とを接続して発振を行
わせるには、入力信号が回路に入力されて出力信号が発
生するまでの時間に両信号が重ならない程度の時間差が
なければならない。従って、効果的に発振を行わせるに
は、少なくとも3個以上の奇数個のインバータが必要で
ある。
【0010】また、この発明の熱検出回路を用いた熱抵
抗測定方法によれば、前述の熱検出回路を用いて測定対
象の熱抵抗を測定するに当たり、熱検出回路の温度と発
振周波数との関係を表している温度較正特性を予め求め
ておき、前述の熱検出回路、熱源および測定対象を含む
測定系の周囲温度を一定にした状態で、前述の熱源を作
動させてこの測定対象に熱エネルギを与え、前述の熱検
出回路の温度変化量を発振周波数の変化と前述の温度較
正特性から知り、この温度変化量と測定対象に与えられ
た熱エネルギとの比から測定対象の熱抵抗を求めること
を特徴とする。
【0011】上述のように、測定対象の熱抵抗を測定す
るに当たり、先ず、熱検出回路の出力信号の周波数と熱
検出回路に与えられた熱エネルギとの関係を求める。次
に、熱検出回路が測定対象から受け取った熱エネルギ
と、この熱エネルギの受け取りに対してどれだけ周波数
が変化したかを測定し、求めてあった熱検出回路の出力
信号の周波数と熱検出回路に与えられた熱エネルギとの
関係から、この周波数の変化量に対する熱検出回路の温
度変化量を求める。これら熱エネルギおよび温度変化量
の比が測定対象の熱抵抗を表しており、これを算出する
ことによって測定対象の熱抵抗値が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態について説明する。
【0013】図1は、この実施の形態の熱検出回路の構
成を示す回路図である。この構成例の熱検出回路は、先
ず、温度変化に応じて伝播速度を変化させる3個以上の
奇数個のインバータIM (M=0、1、・・・、2N;
但し、Nは、N>0を満たす整数。)を具える。これら
のインバータIM の出力端子が入力端子に順次に接続さ
れてリング発振器32を構成する。すなわち、インバー
タI0 の出力端子がインバータI1 の入力端子に接続さ
れ、インバータI1 の出力端子がインバータI2 の入力
端子に接続されるといった具合である。そして、インバ
ータI2Nの出力端子がインバータI1 の入力端子に接続
される。また、このリング発振器32を構成するインバ
ータI2Nの出力端子から発振周波数信号を検出する。こ
の実施の形態においては、I2Nの出力端子から発振周波
数信号を検出しているが、これに限らず、リング発振器
32を構成するインバータIM のいずれかひとつの出力
端子から検出すればよい。また、この熱検出回路の例で
はインバータI2Nと、この出力端子10との間には、バ
ッファ12を接続し、このバッファ12の出力端子を周
波数カウンタ等の図示していない信号処理手段に接続し
ている。検出された発振周波数信号はバッファ12に一
定時間蓄えられ、信号処理手段の信号処理速度が信号検
出速度に追従できるようにしている。発振周波数信号は
バッファ12を通過した後に、信号処理手段に伝送さ
れ、周波数カウンタ等によって信号値が表示される。
尚、このバッファ12は設計に応じて設ければ良く、従
って、必ずしも熱検出回路の一部分として含ませる必要
はない。
【0014】図2は、この実施の形態の熱検出回路の各
インバータIM の構成を示す回路図である。この構成例
のインバータIM は、電源端子VDDおよび接地端子GN
D間に設けられたデプレッション型の第1電界効果トラ
ンジスタ(以下、電界効果トランジスタをFETと称す
る。尚、この構成例に用いるFETはn型とする。)1
4、エンハンスメント型の第2FET16および温度の
変化に応じて抵抗値が変化する負荷素子18で構成され
ている。各FET14および16には、例えば、GaA
s−MESFET、またはSi−MOSFETを用いる
のが好適である。また、負荷素子18として、例えば、
ショットキーダイオード、または半導体基板(熱検出回
路を作り込んである半導体基板とするのが好適であ
る。)にイオン注入を施して形成された抵抗(注入抵抗
と称する。)を用いるのが好適である。
【0015】尚、この熱検出回路を構成する各FET、
負荷素子およびバッファ等は、共通の半導体基板に通常
の半導体技術を利用して容易に作り込むことができる。
【0016】各構成要素の接続は、以下に説明する通り
である。先ず、第1FET14の第1主電極S1 および
第1制御電極G1 間に負荷素子18が接続されている。
次に、第1FET14の第2主電極D1 が電源端子VDD
に接続される。第2FET16の第3主電極D2 は第1
FET14の第1制御電極G1 および負荷素子18の接
続点Pに接続され、第2FET16の第4主電極S2
接地端子GNDに接続される。そして、第2FET16
の第2制御電極G2 を入力端子Vinとし、および接続点
Pを出力端子Vout としてなる。尚、この例では、G1
およびG2 をゲートとし、S1 およびS2 をソースと
し、D1 およびD2 をドレインとしている。
【0017】次に、この構成例の熱検出回路の動作につ
いて説明する。この熱検出回路は、発振周波数の温度依
存性を利用して測定対象の熱(熱エネルギ)を測定する
回路である。この熱検出回路から出力される発振周波数
は、熱検出回路のリング発振器を構成しているインバー
タの各々の伝播速度(スイッチング速度、駆動能力)に
依存している。また、インバータの駆動能力は、出力端
子および接地端子間に形成される負荷容量に起因してお
り、半導体中のキャリアの移動時間が駆動能力に影響す
る。この実施の形態の熱検出回路のインバータは、上述
したように、二つのFET14、16から構成されてお
り、電源端子VDD、第1主電極S1 、負荷素子18、第
2主電極D1 、第3主電極D2 、第4主電極S2 および
接地端子GND間を流れる電流がインバータの駆動能力
に影響する。
【0018】例えば、いわゆる駆動FETである第2F
ET16が高インピーダンス状態(OFF状態)のとき
には、出力端子Vout および接地端子GND間は非導通
である。このとき、前述の負荷容量には電荷が充電され
る。そして、第2FET16が低インピーダンス状態
(ON状態)から高インピーダンス状態(OFF状態)
に変わるとき、出力端子Vout および接地端子GND間
は導通するが、このとき負荷容量に蓄えられていた電荷
が放電される。この放電の影響で、出力端子Vout の電
位状態が高電位(H)状態から低電位(L)状態に移る
のに時間的な遅れが生じる。従って、インバータの駆動
能力(伝播速度)は低下する。この駆動能力は負荷容量
に充電される電荷量、すなわち、第1FET14の主電
極間を流れる電流値に依存することが理解される。
【0019】この構成例のインバータにおいては、第1
FET14の第2主電極S1 および接続点P間に負荷素
子18を接続することによって、電源端子VDDから接続
点Pに流れ込む電流を制御している。この構成例の負荷
素子18は、温度が上昇するとその抵抗値が増加するの
で、この接続点Pに流れ込む電流は減少し、インバータ
の駆動能力は低下する。従って、負荷素子18の温度が
上昇すればリング発振器32の発振周波数は低くなる。
逆に、負荷素子18の温度が減少すればリング発振器3
2の発振周波数は高くなる。
【0020】第1FET14として、閾値電圧が−1
[V]、およびドレインピンチオフ電流とゲート電圧か
ら閾値電圧を差し引いたものの2乗との比であるk値が
1[mA・V-2]のものを用い、注入抵抗として抵抗値
が1[KΩ]のものを用いたときには、温度変化に従い
抵抗値が10%減少した場合、第1FET14のドレイ
ン電流は25%増加する。また、この構成例の注入抵抗
または通常の一般的な抵抗の抵抗値は、温度が100
[K]変化する場合、15%〜20%の増加を示す。
【0021】図3は、この構成例のリング発振器32の
発振周波数の温度依存性を示すグラフである。横軸に負
荷素子18の温度、縦軸に発振周波数を取って示す。グ
ラフに示されるように、リング発振器32の発振周波数
は、負荷素子18の温度の上昇に従い減少する。この構
成例の熱検出回路によれば、負荷素子18の温度上昇1
[K]当たり10[KHz]の発振周波数の減少変化が
認められる。
【0022】以上説明した通り、この構成例の熱検出回
路によれば、発振周波数の温度依存性を利用して測定対
象の温度を求めることができる。前述した従来の熱検出
回路が電位の変化によって測定を行うのに対し、この構
成例の熱検出回路においては周波数の変化によって測定
を行う。
【0023】従来のダイオードのアノード電位を検出す
る熱検出回路においては、このダイオードに10μAの
順電流が流れている場合、アノード電位の温度依存性は
1[K]当たり1mVの変化を示す。このようなアナロ
グ的な電圧測定においては、検出電圧に通常10mV程
度のノイズ電圧が含まれてしまいS/N比が悪く、従っ
て1[K]程度の温度変化の測定は困難である。
【0024】一般に、電圧の測定はノイズが乗り易くノ
イズによって測定精度が決まってしまうが、この構成例
の熱検出回路においては、周波数の測定であるのでノイ
ズが乗りにくく測定精度が向上するといった効果を有し
ている。従って、特に増幅器を必要とする構成ではな
く、この増幅器の温度依存性を考慮する必要がない。
【0025】また、従来の熱検出回路においては、受熱
部分が定電流電源等の半導体素子外部に接続され、外部
からの影響を受け易い。これに対し、この構成例の熱検
出回路においては、受熱部分である各負荷素子18が半
導体素子外部に接続されることなく、外部からの影響を
受けにくいといった効果がある。
【0026】また、発振周波数の温度依存性を利用する
熱検出回路としては、例えば、水晶振動子を利用したも
のがある(前記文献p173)。しかしながら、この従
来の水晶振動子を利用した熱検出回路の変換係数が1
[KHz/K]であるのに対して、この実施の形態の構
成例は10[KHz/K]もの変換係数を示すものであ
る。そして、半導体集積回路で構成することができるの
で、測定対象が半導体集積回路である場合には、同一の
基板に作り込むがことが可能であり測定が容易になる。
【0027】次に、前述した熱検出回路を用いて、測定
対象の熱抵抗を測定する方法について説明する。この実
施の形態においては、測定対象として半導体チップ(以
下、ICチップと称する。)を選び、この熱抵抗を測定
する。
【0028】この実施の形態の熱検出回路を用いた熱抵
抗測定法は、先ず、熱検出回路の温度と、熱検出回路の
発振周波数との関係を表している温度較正特性を予め求
める。最初に、熱検出回路の受熱部分である負荷素子1
8の近傍に測定対象を設け、また、測定対象に熱を与え
る熱源を測定対象の近傍に設ける。図4は、これら熱検
出回路、測定対象および熱源の配置を示す図である。I
Cチップ20は半導体基板22にボンディングされて設
けられ、このICチップ20の対向する二つの側面pお
よびqの近傍にそれぞれ熱検出回路24および熱源26
が設けられている。熱検出回路24およびまたは熱源2
6は、半導体基板22に搭載するのではなく、半導体基
板22自体に作り込まれていてもよい。但し、熱源26
に接続される電源や配線、また、熱検出回路24に接続
される信号処理装置等は省略してある。これら熱検出回
路24、ICチップ20および熱源26を以下で測定系
28と称する。
【0029】この測定系28を恒温槽30内に設けて、
測定系28の周囲温度T0 を一定にした状態にする。こ
のとき、熱源26は未だ作動させない状態にしておく。
そして、恒温槽30の温度T1 を変えて、測定系28の
周囲温度T0 を変えてゆき、熱検出回路24の発振周波
数F0 を測定する。ここで、恒温槽30の温度T1 と測
定系28の周囲温度T0 とは同一であり、熱検出回路2
4の受熱部分すなわち負荷素子18の温度T2 もこれら
の温度と同一とみなすことは十分許容される。この熱抵
抗測定ステップによって、熱検出回路24の負荷素子1
8の温度T2 (=T1 =T0 )と発振周波数との関係
(温度較正特性)が得られる。
【0030】次に、この測定系28の周囲温度T0 を一
定値にした状態で、熱源26を作動させてICチップ2
0に熱エネルギを与える。例えば、周囲温度T0 は室温
とする。熱源26からICチップ20に単位時間当たり
に与えられる熱エネルギP0は、その一部がICチップ
20の温度上昇に寄与し、残りが熱検出回路24に伝熱
される。これらの伝熱過程は、主に基板22を通じての
熱伝導によって行われる。熱検出回路24および熱源2
6は十分ICチップ20の近傍に配置されているので、
この測定系28の外部に散逸される熱は無いものとみな
すことができる。また、熱源26から放出される単位時
間当たりの熱エネルギP1 は予め既知であるとして、発
生する全ての熱エネルギP1 がICチップ20に与えら
れるとみなし、よってP1 =P0 とする。さらに、熱検
出回路24の負荷素子18の温度T2 と、ICチップ2
0の温度とは同一とみなせる。この熱抵抗測定ステップ
に従い、ICチップ20に与えられた単位時間当たりの
熱エネルギP0 と熱検出回路24の発振周波数F1 との
関係が求められる。そして、測定した発振周波数F1
を、前のステップで求めた温度較正特性に基づき温度に
変換し、与えられた熱エネルギP0 に対する温度変化量
ΔTを求める。次式(1)に示すように、これらの熱エ
ネルギP0 と温度変化量ΔTとの比からICチップ20
の熱抵抗Rが求められる。
【0031】 R=ΔT/P0 (1) ICチップの熱抵抗値が分かれば、これにICの消費電
力を乗じたものがICを動作させたときのICチップの
表面温度であり、ICチップを実装した場合にどれだけ
温度が上昇するのかを見積もることができる。従って、
半導体集積回路の熱設計を行う際に役立つ。
【0032】以上説明した通り、この実施の形態の熱検
出回路を用いた熱抵抗測定法によれば、ICチップが実
装された状態に近い環境でICチップの熱抵抗の測定を
行っているので、より正確な熱設計を行うことが可能に
なる。
【0033】
【発明の効果】この発明の熱検出回路によれば、外部か
らの影響が及びにくいのでサージ等に対して強いといっ
た効果を奏する。また、検出される信号も温度依存性が
従来のものに比べ大きいので増幅器を必要とせず、増幅
器自体の温度特性を考慮する必要がない。さらに、この
熱検出回路を用いて行う熱抵抗測定方法においては、従
来より精度の高い測定が行われるといった効果がもたら
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施の形態の熱検出回路の構成を示す回路
図である。
【図2】この実施の形態のインバータの構成を示す回路
図である。
【図3】この実施の形態のリング発振器の発振周波数の
温度依存性を示す図である。
【図4】熱抵抗測定時の構成要素の配置を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 〜I2N:インバータ VDD:電源端子 GND:接地端子 Vin:入力端子 Vout 、10:出力端子 P:接続点 G1 :第1制御電極 G2 :第2制御電極 S1 :第1主電極 S2 :第4主電極 D1 :第2主電極 D2 :第3主電極 12:バッファ 14:第1FET 16:第2FET 18:負荷素子 20:ICチップ 22:基板 24:熱検出回路 26:熱源 28:測定系 30:恒温槽 32:リング発振器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振周波数が温度に依存して変化するタ
    イプの温度測定手段を用いて測定対象の熱抵抗を測定す
    る熱検出回路において、 温度変化に応じて伝播速度を変化させる3個以上の奇数
    個のインバータを具え、該インバータの出力端子および
    入力端子が順次に接続されてリング発振器を構成し、該
    リング発振器を構成するいずれかひとつのインバータの
    出力端子から発振周波数信号を検出することを特徴とす
    る熱検出回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱検出回路において、
    前記インバータは、電源端子および接地端子間に設けら
    れたデプレッション型の第1電界効果トランジスタ、エ
    ンハンスメント型の第2電界効果トランジスタおよび温
    度の変化に応じて抵抗値が変化する負荷素子で構成され
    ており、前記第1電界効果トランジスタの第1主電極お
    よび第1制御電極間に前記負荷素子が接続され、前記第
    1電界効果トランジスタの第2主電極が前記電源端子に
    接続され、前記第2電界効果トランジスタの第3主電極
    が前記第1電界効果トランジスタの前記第1制御電極お
    よび前記負荷素子の接続点に接続され、該接続点を出力
    端子とし、前記第2電界効果トランジスタの第4主電極
    が前記接地端子に接続され、前記第2電界効果トランジ
    スタの第2制御電極を入力端子として成ることを特徴と
    する熱検出回路。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の熱検出回路を用いて測
    定対象の熱抵抗を測定するに当たり、 熱検出回路の温度と発振周波数との関係を表している温
    度較正特性を予め求めておき、 該熱検出回路、熱源および測定対象を含む測定系の周囲
    温度を一定にした状態で、該熱源を作動させて該測定対
    象に熱エネルギを与え、 前記熱検出回路の温度変化量を発振周波数の変化と前記
    温度較正特性から知り、該温度変化量と前記測定対象に
    与えられた熱エネルギとの比から前記測定対象の熱抵抗
    を求めることを特徴とする熱抵抗測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の熱抵抗測定方法におい
    て、前記熱源を作動させずに前記測定系の周囲温度に対
    する前記熱検出回路の発振周波数を測定して前記温度較
    正特性を得ることを特徴とする熱抵抗測定方法。
JP32288695A 1995-12-12 1995-12-12 熱検出回路及びこれを用いた熱抵抗測定法 Withdrawn JPH09159547A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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