JPH09158055A - 接着芯地及びこれを用いた衣服 - Google Patents

接着芯地及びこれを用いた衣服

Info

Publication number
JPH09158055A
JPH09158055A JP33602495A JP33602495A JPH09158055A JP H09158055 A JPH09158055 A JP H09158055A JP 33602495 A JP33602495 A JP 33602495A JP 33602495 A JP33602495 A JP 33602495A JP H09158055 A JPH09158055 A JP H09158055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
polyurethane
resin
interlining
fiber sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33602495A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3184442B2 (ja
Inventor
Tatsuro Nakamura
達郎 中村
Takahiro Yokoyama
隆博 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP33602495A priority Critical patent/JP3184442B2/ja
Publication of JPH09158055A publication Critical patent/JPH09158055A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3184442B2 publication Critical patent/JP3184442B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Garments (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacturing Of Multi-Layer Textile Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維シート上の接着剤の繊維シート反対面へ
の滲出が少なく、しかもスチーム処理しても接着力の低
下の小さい接着芯地、及びこの接着芯地を用いた衣服を
提供すること。 【解決手段】 本発明の接着芯地は繊維シート上に接着
剤を有するものであり、この接着剤中に、接着樹脂とブ
ロックイソシアネート基を有するポリウレタンとを含
み、これらの重量を100とした時に、ブロックイソシ
アネート基を有するポリウレタンが1〜15重量%を占
めるものである。また、本発明の衣服は上記の接着芯地
を接着した生地を使用したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着芯地及びこの接
着芯地を用いた衣服に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から衣服においては、生地の特性を
活かし、生地の弱点を補強するために、種々の芯地が使
用されている。これら芯地の1つとして、繊維シートの
片面に接着剤を付着させた、いわゆる接着芯地があり、
この接着芯地は生地への接着作業性に優れているため、
好適に使用されている。しかしながら、従来の接着芯地
は、接着芯地を生地に接着する際に、繊維シート上の接
着剤が繊維シートの反対面に滲出して、アイロン滑りが
悪くなるという問題があった。また、接着芯地を接着し
た生地を縫合して形成した衣服の皺を取り除くために、
一般にスチーム処理をするが、このスチーム処理によっ
て、接着芯地の接着力が著しく低下してしまい、衣服を
着用している時や、洗濯又はドライクリーニングした時
に剥離し、芯地の働きをなさない場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためになされたものであり、本発明の目的は、
繊維シート上の接着剤の繊維シート反対面への滲出が少
なく、しかもスチーム処理しても接着力の低下の小さい
接着芯地、及びこの接着芯地を用いた衣服を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の接着芯地は繊維
シート上に接着剤を有するものであり、この接着剤中
に、接着樹脂とブロックイソシアネート基を有するポリ
ウレタンとを含み、これらの重量を100とした時に、
ブロックイソシアネート基を有するポリウレタン(以
下、「BIポリウレタン」という)が1〜15重量%を
占めている。そのため、この接着芯地を生地に接着する
際に、BIポリウレタンのイソシアネート基をブロック
しているブロック剤が解離して、このイソシアネート基
によって接着樹脂を架橋するため、接着樹脂の溶融粘度
が高くなり、繊維シート上の接着剤の繊維シート反対面
への滲出が少なくなる。また、接着樹脂が架橋してお
り、耐水性が向上しているため、スチーム処理しても、
接着力の低下が小さい。
【0005】本発明の衣服は上記の接着芯地を接着した
生地を使用しているため、アイロン滑りが良く、しかも
衣服を着用している時や、洗濯又はドライクリーニング
した時に接着芯地が剥離するということのないものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の接着芯地の接着剤中に含
まれる接着樹脂としては、ポリアミド系、ポリ塩化ビニ
ル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエチレン
などのポリオレフィン系などの樹脂を単独で、又は混合
して使用できる。これらの中でも、ポリアミド系やポリ
ウレタン系の接着樹脂は活性水素を有し、BIポリウレ
タンのイソシアネート基との反応性が高いので好適に使
用でき、ポリアミド系の接着樹脂は各種生地との接着力
に優れているため、特に好適に使用できる。
【0007】本発明の接着芯地の接着剤においては、接
着樹脂とBIポリウレタンとを含み、これらの重量を1
00とした時に、BIポリウレタンが1〜15重量%を
占めている(以下、BIポリウレタンの重量%について
の記載は、接着樹脂とBIポリウレタンとの重量を10
0とした時の値とする)ため、接着する際に接着樹脂が
架橋して、繊維シート上の接着剤の繊維シート反対面へ
の滲出を抑えることができ、しかも耐水性、耐溶剤性、
及び耐熱性も向上するため、スチーム処理後の接着力の
低下が少なく、また、耐洗濯性や耐ドライクリーニング
性にも優れている。更に、ポリウレタンであるため、伸
縮性や弾力性を有し、風合を損なわないという特長もあ
る。
【0008】このBIポリウレタンの量が1重量%未満
であると、接着樹脂の溶融粘度があまり高くならず、繊
維シート上の接着剤の繊維シート反対面への滲出を抑え
ることができなくなったり、スチーム処理後の接着力の
低下が大きく、15重量%を越えると、接着樹脂量が少
なくなり、初期の接着力が低下してしまうためである。
なお、繊維シートが撥水処理されている場合には、3〜
12重量%、より好ましくは5〜10重量%のBIポリ
ウレタンを混合し、繊維シートが撥水処理されていない
場合には、1〜10重量%、より好ましくは2〜7重量
%のBIポリウレタンを混合する。なお、BIポリウレ
タンの反応促進剤を含む場合には、この反応促進剤の量
もBIポリウレタンの重量として考える。
【0009】このBIポリウレタンは接着樹脂との接触
箇所が多ければ多いほど、より効率的に架橋反応を進行
させることができるので、接着樹脂の平均粒径を1とし
た場合、0.1以下の平均粒径を有するBIポリウレタ
ンを使用するのが好ましい。本発明で使用する接着樹脂
の平均粒径は、加工性及び接着樹脂の繊維シートからの
突出の程度を考慮すると、20〜80μm程度であるの
が好ましいため、BIポリウレタンの粒径は8μm以下
であるのが好ましい。そのため、BIポリウレタンはエ
マルジョン状又はサスペンジョン状のものを使用するの
が好適である。このBIポリウレタンは乳化剤により強
制的に分散させたものでも良いし、親水性セグメントを
有するポリウレタン及び/又は親水性基を有するブロッ
ク剤を使用し、乳化剤を使用しないものでも良いが、後
者の乳化剤を使用しないものは、乳化剤による耐水性や
接着性の低下がより小さいので、より好適に使用でき
る。
【0010】本発明で使用できるイソシアネート基のブ
ロック剤としては、酸性亜硫酸ソーダ、芳香族2級アミ
ン、3級アルコール、アミド、フェノール、ラクタム、
複素環化合物、青酸、亜硫酸塩、マロン酸ジエチルエス
テル、アセト酢酸エステル、アセチルアセトンなどの、
熱、圧力、紫外線、酸素、オゾン、化学薬品、微生物、
超音波、高エネルギー線などを単独、又は組み合わせて
作用させることにより、容易に解離するものが好適に使
用できる。これらの中でも、従来から接着芯地は熱及び
圧力によって生地と接着しているため、従来と同様の方
法で解離するブロック剤であり、しかも低温で容易に解
離する酸性亜硫酸ソーダが特に好適に使用できる。
【0011】本発明のポリウレタンとしては、イソシア
ネートと、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、アクリルポリオール、ヒマシ油誘導体、或はト
ール油誘導体とを反応させて得られるものであれば良
い。例えば、イソシアネートとして、2,4−トリレン
ジイソシアネート、65/35トリレンジイソシアネー
ト、80/20トリレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアニシジンジイ
ソシアネート、トリデンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネー
ト、フェニルイソシアネート、パラクロルフェニルイソ
シアネート、オルソクロルフェニルイソシアネート、メ
タクロルフェニルイソシアネート、3,4−ジクロルフ
ェニルイソシアネート、2,5−ジクロルフェニルイソ
シアネート、メチルイソシアネート、エチルイソシアネ
ート、n−ブチルイソシアネート、n−プロピルイソシ
アネート、オクタデシルイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、トランスビニレンジイソシアネート、N,N’
(4,4’−ジメチル3,3’−ジフェニルジイソシア
ネート)ウレジオン、4,4’,4”−トリメチル3,
3’,3”−トリイソシアネート2,4,6−トリフェ
ニルシアヌレート、2,6−ジイソシアネートメチルカ
プロエート、或はこれらの誘導体又は水添加物を単独
で、又は混合して使用できる。
【0012】また、ポリエステルポリオールとしては、
アジピン酸、フタル酸、ダイマー酸、二量化リノレイン
酸、マレイン酸などの有機酸を単独で、又は混合したも
のと、エチレン、プロピレン、ブチレン、ジエチレンな
どのグリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール、グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタ
エリスリトールなどを単独で、又は混合して形成したも
のを使用できる。なお、ポリエーテルポリオールとして
は、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ(オキシプ
ロピレン)ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ
(オキシブチレン)グリコール、ポリ(オキシテトラメ
チレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)トリオ
ール、ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレ
ン)トリオール、ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキ
シエチレン)ポリ(オキシプロピレン)トリオール、ポ
リ(オキシプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシプロ
ピレン)ポリ(オキシエチレン)ポリオールなどを単独
で、又は混合して使用できる。
【0013】本発明の接着芯地の繊維シート上に有する
接着剤は、前述のような接着樹脂及びBIポリウレタン
を含んだものであり、ペースト状であっても、粉末状で
あっても良いが、前述のように、エマルジョン状又はサ
スペンジョン状のBIポリウレタンを使用するのが好ま
しいので、ペースト状の接着剤であるのがより好まし
い。このペースト状の接着剤の場合、接着樹脂及びBI
ポリウレタン以外に、増粘剤、分散剤、或はBIポリウ
レタンの反応促進剤などを含ませても良い。このペース
ト状の接着剤は接着樹脂及びBIポリウレタン、必要で
あれば他のものを撹拌するのみで、容易に形成できる。
【0014】本発明の接着芯地を構成する繊維シートが
撥水処理されていると、撥水処理されていない繊維シー
トを使用した接着芯地と比較して、接着剤と繊維シート
との接触角が大きくなる、つまり接着剤がより少ない接
触面積で繊維シートに付着する結果として、従来と同量
の接着剤を付与すれば、繊維シート上に突出した接着剤
量が多くなるため、接着する生地中に侵入しやすく、し
かも接着樹脂がBIポリウレタンにより架橋し、接着芯
地と生地との界面及び生地中における凝集力が向上する
ため、従来よりも生地との初期接着力、及びスチーム処
理後の接着力が飛躍的に向上し、他方、従来よりも少な
い量の接着剤を付与しても、繊維シート上に突出した接
着剤量を従来と同等にすることができ、しかも接着芯地
と生地との界面及び生地中における凝集力が向上するた
め、従来よりも優れた初期接着力、及びスチーム処理後
の接着力を確保できるばかりでなく、従来よりも風合を
向上させることができるという、優れた効果を有する。
特に、この効果は接着剤がペースト状のものを使用した
場合に顕著である。
【0015】この撥水処理で使用できる撥水剤として
は、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などがあ
る。これらの中でも、シリコーン系樹脂は撥水と同時に
繊維シートを柔軟にすることができるので、好適に使用
できる。この撥水の程度は、上記の効果が生じやすいよ
うに、JIS-L-1092に規定する撥水度試験におい
て、60以上を示す程度、より好ましくは80以上を示
す程度にする。
【0016】本発明の接着芯地を構成する繊維シートと
しては、例えば、織物、編物、不織布などがあるが、本
発明において好適なペースト状の接着剤を使用する場合
には、より接着性に優れた不織布が好適に使用できる。
以下、不織布について簡単に説明する。
【0017】不織布を構成する繊維としては、例えば、
ポリエステル繊維、ナイロン繊維などの単一樹脂成分か
らなる合成繊維、溶剤抽出法により形成したセルロース
繊維やポリノジック繊維などの再生繊維、天然繊維、ポ
リエステルとナイロンや、6,6ナイロンと6ナイロン
のように、複数の樹脂成分からなり、収縮性、熱融着
性、或いは分割性などを有する複合繊維などを、単独
で、又は混合して使用することができる。これらの中で
も、分割性を有する繊維や溶剤抽出法により形成したセ
ルロース繊維は、外力を作用させることにより、前者は
分割し、後者はフィブリル化するため、繊維がより絡み
やすく、強度的に優れたものになり、しかも曲げなどに
対する抵抗が小さくなるため、ドレープ性に優れた不織
布とすることができ、更には、不織布構造が緻密になる
ため、接着剤を付与しても抜けがないという特長を有す
る。
【0018】これら繊維の繊度(分割性を有する繊維や
溶剤抽出法により形成したセルロース繊維の場合には、
分割後、又はフィブリル化後の繊度)は0.001〜5
デニール程度であるのが好ましい。0.001デニール
以上であれば、不織布の強度が著しく低下することはな
く、5デニール以下であれば、ドレープ性を損わないた
めである。また、繊維長が1mm以上であれば、繊維同士
の結合を強固に行うことができ、塑性変形の生じにくい
不織布を形成できる。
【0019】このような繊維を使用し、カード法やエア
レイ法などの乾式法や、湿式法により繊維ウエブを形成
した後に、バインダーを部分的又は全面的に含浸した
り、繊維ウエブを構成する繊維を部分的又は全面的に融
着したり、水などの流体流によって絡合したり、或はこ
れらを適宜組み合わせて繊維ウエブを結合して不織布を
形成する。なお、分割性を有する繊維や溶剤抽出法によ
り形成したセルロース繊維を含んだ繊維ウエブを流体流
で絡合すると、この流体流の作用によって分割したり、
フィブリル化が同時に生じ、分割化やフィブリル化など
の別工程を採る必要がないという効果がある。また、不
織布と織物、編物、糸などとを複合しても良い。
【0020】このようにして得られる不織布、又は不織
布との複合体の目付は、10〜45g/m2であるのが好ま
しい。目付が10g/m2以上であれば、塑性変形の生じに
くいものであり、45g/m2以下であればドレープ性を損
うことがないためで、より好ましくは、15〜40g/m2
である。
【0021】次いで、繊維シート上に前述の接着剤を全
面的又は部分的に付与するが、後者のように、部分的に
付与した方が、より風合に優れた接着芯地とすることが
できるので、より好適である。接着剤が粉末状の場合に
は散布し、ペースト状の場合にはスクリーンやグラビア
ロールなどを使用して付与することができる。いずれの
場合も、風合を損なわないように、接着剤重量(固形
分)は3〜30g/m2、より好ましくは5〜20g/m2であ
り、後者のペースト状の場合には、接着剤の密度10〜
250個/cm2、より好ましくは30〜180個/cm2
する。
【0022】次いで、繊維シート表面に接着剤を固定す
るために、熱、圧力、紫外線、酸素、オゾン、化学薬
品、微生物、超音波、高エネルギー線など単独、又は組
み合わせて作用させるが、この処理によってもBIポリ
ウレタンのブロック剤が解離し、一部のイソシアネート
基が反応するため、溶融粘度が増大し、繊維シート内へ
の浸透が抑えられるため、より繊維シート反対面への滲
出が生じにくい。しかしながら、この処理条件が強すぎ
ると、イソシアネート基の反応が進行しすぎて、生地と
接着することができなくなるので、ブロック剤の種類に
よって処理条件を適宜設定する必要がある。例えば、ブ
ロック剤が酸性亜硫酸ソーダを使用したBIポリウレタ
ンを含む接着剤を、加熱によって固定する場合、80〜
130℃の温度で、20〜120秒処理するのが好まし
い。
【0023】本発明の衣服は上述の接着芯地を接着した
生地を使用したものであるため、アイロン滑りが良く、
しかも衣服を着用している時や、洗濯又はドライクリー
ニングした時に接着芯地が剥離するということのないも
のである。本発明の接着芯地を生地に接着する場合に
は、イソシアネート基の反応が十分に進行するように、
熱、圧力、紫外線、酸素、オゾン、化学薬品、微生物、
超音波、高エネルギー線など単独、又は適宜組み合わせ
て作用させ、十分に接着するのが好ましい。
【0024】なお、従来から接着芯地は熱及び圧力によ
って接着しているため、従来と同様の方法で接着する場
合には、ブロック剤が解離するように、十分な熱と圧力
を作用させるのが好ましい。例えば、ブロック剤が酸性
亜硫酸ソーダの場合には、110〜150℃の温度で、
5〜60秒間熱処理し、しかも0.5〜2kg/cm2で瞬時
に加圧するのが好ましい。なお、この接着芯地の接着工
程において、十分に架橋していなかったとしても、通
常、衣服を形成した後に、スチーム処理を施すので、こ
のスチーム処理の熱によっても架橋反応が進行するの
で、必ずしも十分に接着する必要はない。この場合、ス
チーム後の接着樹脂の劣化による接着力の低下は架橋に
より補われるので、接着剤の接着力の低下は小さい。
【0025】以下に本発明の実施例を示すが、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
(実施例1〜5、比較例1〜2)繊度1デニール、繊維
長38mmからなるナイロン繊維100%をランダムカー
ドウェッバーにより形成した繊維ウエブを、部分的に熱
融着し(全表面積の10%を融着)、目付25g/m2の不
織布を形成した。次いで、この不織布をシリコーン系撥
水剤で処理して、撥水度80以上(JIS-L-1092
の撥水度試験に準じて測定)とした。他方、表1に示す
ような配合で各種ペーストを調合した。
【0027】
【表1】
【0028】次いで、これらペーストをスクリーンによ
り、撥水処理した不織布に、ドット1個の面積0.36m
m2、密度37個/cm2、量9g/m2で転写した後、温度1
00℃の温風ドライヤーで60秒間熱処理して、ペース
トを撥水処理した不織布に固定し、接着芯地を形成し
た。
【0029】(初期接着力の測定)ウール100%の綾
織物と、実施例1〜5及び比較例1〜2の接着芯地の接
着樹脂固定面とが接触するように、それぞれ重ね合せた
後、ローラープレス機(アサヒ繊維工業(株)製、JR
−600)を用いて、テンポ5m/分で移動させなが
ら、温度130℃で10秒間加熱し、また最後の段階に
おいて、1kg/cm2で加圧して、綾織物と接着芯地とを接
着した。そして、この接着物を1日放置した後、5cmに
裁断し、引張試験機(オリエンテック(株)製、テンシ
ロンUCT−100)により、速度300mm/分で引っ
張り、接着箇所が40mm剥離したところで引っ張るのを
中止した。この測定の結果である剥離距離−荷重のグラ
フの極大値を平均して、剥離強度、つまり、初期接着力
とした。この結果は図1に示すとおりであった。
【0030】(スチーム処理後の接着力の測定)上記の
初期接着力の測定の場合と同様にして、綾織物と接着芯
地とを接着し、1日放置した後、5kg/cm2に加圧した蒸
気を30秒間吹き付けた。そして、この接着物の剥離強
度を、初期接着力の測定の場合と同様にして測定した。
この結果も図1に示す通りであった。
【0031】(接着樹脂の滲出性試験)ポリエステル:
ウール=55:45からなる平織物と、実施例1〜5及
び比較例1〜2の接着芯地の接着樹脂固定面とが接触す
るように、それぞれ重ね合せ、次いで、この接着芯地の
上に、この接着芯地と同じ接着芯地の接着樹脂固定面の
反体面が接触するようにそれぞれ重ね合わせ、更に、こ
の接着芯地の上に前記と同じ平織物を重ね合せた後、初
期接着力の測定と同じ方法で、平織物と接着芯地とを接
着した。そして、1日放置した後、接着芯地同士の接着
力を初期接着力の測定と同じ方法で測定した。この結果
は図2に示すとおりであった。
【0032】(実施例6)不織布をシリコーン系撥水剤
で処理していないこと以外は、実施例2と全く同様にし
て、接着芯地を形成した。この接着芯地の初期接着力、
スチーム処理後の接着力、及び接着樹脂の滲出性を前記
と同様の方法で測定したところ、順に、0.62kg/5cm
幅、0.48kg/5cm幅、150g/5cm幅であった。
【0033】
【発明の効果】本発明の接着芯地は繊維シート上に接着
剤を有するものであり、この接着剤中に、接着樹脂とブ
ロックイソシアネート基を有するポリウレタンとを含
み、これらの重量を100とした時に、ブロックイソシ
アネート基を有するポリウレタンが1〜15重量%を占
めているため、この接着芯地を生地に接着する際に、ブ
ロックイソシアネート基を有するポリウレタンのイソシ
アネート基をブロックしているブロック剤が解離して、
このイソシアネート基によって接着樹脂を架橋するた
め、接着樹脂の溶融粘度が高くなり、繊維シート上の接
着剤の繊維シート反対面への滲出が少なくなる。また、
接着樹脂が架橋しており、耐水性が向上しているため、
スチーム処理したとしても、接着力の低下が小さい。
【0034】本発明の衣服は上記の接着芯地を接着した
生地を使用しているため、アイロン滑りが良く、しかも
衣服を着用している時や、洗濯又はドライクリーニング
した時に接着芯地が剥離するということのないものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブロックイソシアネート基を有するポリウレ
タンの重量比率と、初期接着力及びスチーム処理後の接
着力との関係を表すグラフ
【図2】 ブロックイソシアネート基を有するポリウレ
タンの重量比率と、接着樹脂の滲出による接着力との関
係を表すグラフ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維シート上に接着剤を有する接着芯地
    において、該接着剤中に、接着樹脂とブロックイソシア
    ネート基を有するポリウレタンとを含み、これらの重量
    を100とした時に、ブロックイソシアネート基を有す
    るポリウレタンが1〜15重量%を占めることを特徴と
    する接着芯地。
  2. 【請求項2】 繊維シートが撥水処理されていることを
    特徴とする請求項1記載の接着芯地。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の接着芯地を
    接着した生地を使用していることを特徴とする衣服。
JP33602495A 1995-11-29 1995-11-29 接着芯地及びこれを用いた衣服 Expired - Fee Related JP3184442B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33602495A JP3184442B2 (ja) 1995-11-29 1995-11-29 接着芯地及びこれを用いた衣服

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33602495A JP3184442B2 (ja) 1995-11-29 1995-11-29 接着芯地及びこれを用いた衣服

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09158055A true JPH09158055A (ja) 1997-06-17
JP3184442B2 JP3184442B2 (ja) 2001-07-09

Family

ID=18294914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33602495A Expired - Fee Related JP3184442B2 (ja) 1995-11-29 1995-11-29 接着芯地及びこれを用いた衣服

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3184442B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002045532A3 (fr) * 2000-12-04 2002-08-01 Protechnic Sa Produit thermoadhesif notamment pour l'industrie textile
JP2011503372A (ja) * 2007-11-09 2011-01-27 カール・フロイデンベルク・カー・ゲー 熱融着性織布
JP2011503371A (ja) * 2007-11-09 2011-01-27 カール・フロイデンベルク・カー・ゲー 融着性織布
JP2019094585A (ja) * 2017-11-21 2019-06-20 島田商事株式会社 衣類の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3491042B1 (en) 2016-07-28 2020-06-24 3M Innovative Properties Company Segmented silicone polyamide block copolymers and articles containing the same

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002045532A3 (fr) * 2000-12-04 2002-08-01 Protechnic Sa Produit thermoadhesif notamment pour l'industrie textile
JP2011503372A (ja) * 2007-11-09 2011-01-27 カール・フロイデンベルク・カー・ゲー 熱融着性織布
JP2011503371A (ja) * 2007-11-09 2011-01-27 カール・フロイデンベルク・カー・ゲー 融着性織布
US8354144B2 (en) 2007-11-09 2013-01-15 Carl Freudenberg Kg Thermofusible textile fabric
US8500942B2 (en) 2007-11-09 2013-08-06 Carl Freudenberg Kg Fusible textile fabric
JP2019094585A (ja) * 2017-11-21 2019-06-20 島田商事株式会社 衣類の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3184442B2 (ja) 2001-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4560611A (en) Moisture-permeable waterproof coated fabric
US4429000A (en) Moisture-permeable waterproof coated fabric and method of making the same
CN100486803C (zh) 叠层布帛
CN101517155B (zh) 耐磨损性良好的布帛、复合布帛、纤维制品及其制造方法
DE2012662C3 (ja)
GB2039790A (en) A moisture-permeable waterproof coated fabric and method of making the same
US5209969A (en) Carbamate/urethane composition and textile lamination process
US4535008A (en) Moisture-permeable waterproof coated fabric having a microporous polyurethane layer
TWI283635B (en) 2-in-1 shoe component
JP3184442B2 (ja) 接着芯地及びこれを用いた衣服
JP3909264B2 (ja) 透湿性防水シート及びその製造方法
JPH07229070A (ja) 透湿防水性コーティング布帛の製造方法
JPH11107170A (ja) 透湿性防水布帛およびその製造方法
JP6509672B2 (ja) 積層布帛、シームテープ及びリペアパッチ、並びに医療用外衣
JPS60162872A (ja) 透湿性防水布帛の製造方法
JPH061813Y2 (ja) ターポリンシート
JP4328552B2 (ja) 制電性透湿防水布帛
JPS62206083A (ja) 制電性透湿防水布帛の製造方法
JPS6354831B2 (ja)
JPS6330435B2 (ja)
JP3282572B2 (ja) 目ずれ防止織物接着芯地
JPS60154054A (ja) 透湿性防水布帛およびその製造方法
JP3986689B2 (ja) 透湿防水積層布帛の製造方法
JP2004324000A (ja) 透湿防水性コーティング布帛とその製造方法
JPH0364633B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees