JPH09157584A - 非汚染塗料組成物 - Google Patents

非汚染塗料組成物

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JPH09157584A
JPH09157584A JP7315413A JP31541395A JPH09157584A JP H09157584 A JPH09157584 A JP H09157584A JP 7315413 A JP7315413 A JP 7315413A JP 31541395 A JP31541395 A JP 31541395A JP H09157584 A JPH09157584 A JP H09157584A
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浩史 仲居
Takanori Nakashiyouya
隆典 中庄谷
Hisashi Suzuki
久志 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗膜形成直後より、該塗膜表面が親水性を有
し、汚染物質を洗い流すソイルリリース効果を示し、特
に油性汚れの染み込み抵抗性にもすぐれ、重ね塗りを行
う場合にも層間密着性がよく、経時的にブリスターやワ
レが発生しないような塗膜を与える非汚染塗料組成物を
提供する。 【解決手段】(A)ポリオール、特にアクリルポリオー
ル、(B)ポリアルキレンオキサイド鎖、特にポリエチ
レンオキサイド鎖を有するアルコキシシラン化合物、
(C)アルキルシリケート類、(D)アミン化合物、及
び(E)ポリイソシアネートを所定比率で混合する。
(A)〜(E)は適当に組み合わせて予備混合し、2パ
ックタイプの塗料組成物としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、ガラス、磁
器タイル、コンクリート、サイディングボード、押出成
形板、プラスチック等の各種素材の表面仕上げに使用さ
れる非汚染塗料組成物に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より建築物、土木構築物等の躯体の
保護、意匠性の付与および、美観の向上のため塗装仕上
げが行われており、特に、近年フッソ樹脂塗料、アクリ
ルシリコン樹脂塗料あるいはアクリルウレタン樹脂塗料
等の高耐久性塗料の出現により、躯体の保護においては
大きな進歩を遂げた。しかしながら、これら高耐久性塗
料では、その優れた耐久性により、かえって塗膜表面の
汚染の問題がクローズアップされる結果となった。すな
わち、これら高耐久性塗料出現以前の塗料によって形成
される塗膜は、太陽光の紫外線によって表面が劣化し、
汚染物質の付着が生じたとしても、塗膜表面の劣化部分
と共に剥落除去されていたのであるが、高耐久性塗料の
出現により塗膜の耐久性が向上したため、塗膜表面の劣
化剥落の機構が機能できなくなった。特に最近は都心や
都市近郊部において、自動車等からの排出ガスにより、
大気中に油性の汚染物質が浮遊しており、それら油性の
汚染物質が、高耐久性塗料から形成された塗膜表面に付
着した場合には、塗膜表面の劣化剥落の機構が機能でき
ない状況下では、著しいすす状、或いはすじ状の汚染
(雨筋汚れ)を生じ、塗膜面に付着したままとなり、都
市景観の向上のため施した塗装仕上げが、意味をなさな
い場合があった。
【0003】かかる問題を解決する方法として、塗膜表
面を親水性にし、降雨時の雨水が塗膜表面に広がる作用
を利用し、付着した油性の汚染物質を剥離し洗い流して
しまう非汚染形塗料が各種発表されている。例えば、特
開平4−370176号公報には、ポリアルキレンオキ
サイドセグメントなどの親水性セグメントと、ポリシロ
キサンなどの疎水性セグメントとを含むセグメント化ポ
リマーを塗料に含めることによって塗膜表面に疎水性と
親水性を同時に付与し、汚染物質の付着の抑制および降
雨による洗浄効果を期待したものがある。塗膜表面の親
水性は、例えば図1のような、塗膜表面の水に対する接
触角に表れ、この値が小さいものほど親水性塗膜である
といえる。この塗膜表面の親水性により、降水等に由来
する水が塗膜と汚染物質との界面に浸透、流入し、その
水とともに汚染物質を洗い流す効果(ソイルリリース効
果)が得られるものである。
【0004】このような塗膜表面の親水性化の機構につ
いては、雑誌「表面」Vol.32No.6(199
4)第55〜61頁に、「コーティング材料としてのシ
リコーン系ポリマーの表面特性」として、前記、特開平
4−370176の発明者自身により紹介されており、
塗膜表面の親水性/疎水性の変換がモルフォロジー変化
によって生じることが以下のように記載されている。親
水性セグメントであるアシルウレタン結合と疎水性セグ
メントであるシロキサン結合とが隣接した構造のシリコ
ーンマクロモノマーを合成し、その共重合体(シリコー
ンマクロモノマー20wt%含有)の膜表面における、
親水性/疎水性それぞれのセグメントの配向状態と塗膜
表面の雰囲気との関係について検討を行った結果、共重
合体膜表面の初期の水との接触角は90°であったが、
その塗膜を室温で2週間水浸漬した後は74°とシリコ
ーンを含まない系よりも低く、表面が親水性となり、次
いで1週間放置・乾燥すると水との接触角は回復し、疎
水性となる傾向を示した。比較サンプルとするシリコー
ンマクロモノマーを含まないアクリル共重合体膜では、
このような現象は示さず、親水性・疎水性の変換現象は
シリコーンマクロモノマーの構造に起因するものと推定
できる。また、乾燥後の表面(DRY)と2週間水浸漬
直後の表面(WET)とのESCAによる深さ方向の分
析を行った結果、親水性セグメントの表面での濃度を示
す元素としてN、疎水性セグメントの表面での濃度を示
す元素としてSiを選択して元素分析を行い、両者の濃
度比により塗膜表層の状態を考察すると、塗膜表面の環
境が疎水性の場合、シリコーンセグメントが表面に濃縮
され、逆に親水性となる場合、アシルウレタンセグメン
トが濃縮されるモルフォロジー変化が生じていることが
推測された。
【0005】上記文献に述べられた現象は、表面自由エ
ネルギーの低い疎水性セグメント部の塗膜表面への局在
化に引っ張られるように、塗膜表面近辺に局在化した親
水性部が、塗膜表面環境、すなわち降雨等により水が存
在する場合に、塗膜表面へと移行して局在化するという
モルフォロジー変化が起こっていることを示すものであ
る。しかしながら、上記文献にも記載されているよう
に、実際に塗膜表面の疎水性から親水性へのモルフォロ
ジー変化は即時に行われるものではなく、塗膜表面への
降雨がある程度長期にわたり、表面と水との接触時間が
長い場合において、徐々に親水性へと移行することがで
きるものである。
【0006】さらに、降雨がある程度長期間無かった場
合、つまり晴天が続いた場合には、塗膜表面は疎水性へ
と逆行していく為、塗膜表面が親水性へ移行するために
は、再度長期間の水との接触が必要である。短期間の水
との接触によって塗膜表面を親水性へ移行させる方策の
一つとして、モルフォロジー変化を生じやすくするため
に塗膜形成用ポリマーのガラス転移点を低く設定する方
法がある。しかし、そのようにすれば塗膜の表面硬度が
低下する結果、ソイルリリース効果による洗い流しの不
可能な塵埃の物理的付着を招き、かえって永久的な汚染
につながることになる。
【0007】一方、特願平6−506632(国際公開
WO94/06870号公報)には、塗料中にオルガノ
シリケートを混合し、それらの反応によって塗膜表面に
親水性化、硬度の向上の双方を図った方法が示されてい
る。一般にオルガノシリケートは、下記反応式〔化7〕
に示されるような反応を起こし、このような反応で生ず
るシラノール基が塗膜表面の親水性の要因となる。従っ
て、塗膜表面の親水性化、硬度の向上のためには第1段
階の酸触媒の存在による加水分解反応が律速となる。こ
のような理由から上記塗料においては、当該オルガノシ
リケートの反応を進行させるために、酸などの表面処理
が必要となる。実際の建物外壁への塗装を考慮すると、
酸性雨などにより、反応は進行すると考えられるが、前
述のように、ソイルリリース効果を十分に発揮するに必
要な親水性表面となるには、塗膜形成後かなりの長期間
を必要とし、塗膜が親水性になる以前に油性の汚れが付
着し、染み込む結果となる。
【0008】
【化7】
【0009】さらに、特開平6−145453号公報に
は、アクリルシリコン樹脂にオルガノシリケートを混合
し、親水性塗膜を得る方法が開示されている。アクリル
シリコン樹脂は、その硬化に寄与する官能基が、オルガ
ノシリケートと類似した加水分解性シリル基であるため
硬化機構も同様であり、従って、塗膜形成のためには通
常、酸又は塩基が硬化触媒として混合される。これらの
触媒は当該オルガノシリケートの反応も同時に進行させ
るため、塗膜表面の親水化は比較的早く達成される。し
かしながら、特開平6−145453号公報記載のよう
に、本来その分子中の一部に加水分解性シリル基を含有
し、塗膜の架橋度合いを調整するアクリルシリコン樹脂
に対して、架橋部位の多いオルガノシリケートを多量に
配合すると、塗膜の架橋密度が大きくなりすぎ、塗膜が
脆くなると共に、イオン結合性が強く、酸又は塩基によ
る加水分解性の高いシロキサン結合が多数導入される結
果、塗膜の耐薬品性の低下を招き、これらの結果として
塗膜の耐候性が低下する。従って、塗膜の親水性向上の
ためにはオルガノシリケートの多量配合が必要である
が、多量に入れると塗膜物性が損なわれるという矛盾が
あった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来からの
非汚染型塗料によって形成される塗膜のうち、表面の親
水性化に長期間を要するものは、塗膜形成後の初期にお
ける非汚染性の低さから、塗装工事施工終了後、ごく短
期間において雨筋汚れ等を生じる結果となる。本来、非
汚染型塗料とは汚染しないことをその効果とするもので
あり、また、使用するユーザー、塗装工事を依頼する施
主は、その効果を期待しているものである。従って、塗
膜形成後初期であっても、汚れの発生を生じることは、
これらユーザーや施主の期待を一時的にせよ裏切るもの
であり、また長期間においての非汚染効果にまで不安感
を与えるものとなる。さらに、従来からの非汚染塗料で
は降雨による汚染物質の流下を主目的とするあまりに、
一度付着した汚れの染み込み抵抗性に劣り、長期にわた
って降雨が無かった場合には、塗膜中に油性汚れが浸透
して、もはや降雨によっては流下困難な汚れが残ってし
まうことが判明した。
【0011】さらに、一般的に使用されているウレタン
樹脂塗料に、非汚染性を付与する目的で、単にオルガノ
シリケートを混入しただけの塗料は、特に、現場塗装に
おいて、下地上に一回塗付したところ、下地の凹凸面の
影響や、吸い込みむらによる塗装むらが発生することが
判明した。また、その塗装むらをカバーするために一層
目の塗膜上に、さらにもう一度このオルガノシリケート
を混入しただけの塗料を塗付すると、外見上は美しい塗
膜が形成できるが、層間密着性が著しく低下しているこ
とが原因と考えられるブリスターが、塗膜表面に経時的
に発生し、また塗膜のワレの発生も認められ、本来のウ
レタン樹脂塗料の特徴である高耐久性能が欠落したもの
となることが明らかになった。従って、複数回の塗装を
行う場合、特に補修塗装等の場合には長期間経過後に再
度部分塗りを行う為、このような層間密着性の低下は大
きな問題となる。一般的なウレタン樹脂塗料に、単にオ
ルガノシリケートを混入しただけのウレタン樹脂塗料の
場合は、ウレタン樹脂が架橋硬化反応するためにある程
度の時間を要する一方、オルガノシリケートが塗膜表面
に局在化する傾向を示して空気中の水分により反応をす
るために、表面の架橋密度が非常に高い塗膜が形成され
ていると考えられる。このような表面の架橋密度の高い
塗膜が、第2層目の上塗り塗膜との間での密着性の極端
な低下を招き、前述のような層間密着性の低下を生ずる
ものと推定される。
【0012】従って本発明が解決しようとする課題は、
降雨等の塗膜形成後に生ずる作用により、初めて塗膜が
親水性となるのではなく、塗膜形成直後より、その表面
が親水性となり、汚染物質を洗い流すソイルリリース効
果を有し、特定の架橋構造により強固でありながら脆く
ならず、油性汚れの染み込み抵抗性にも優れ、耐候性、
その他の塗膜物性が良好で、かつ、多数回塗りを行う際
の層間密着性(以下「リコート性」という)に優れ、経
時によるブリスターやワレの発生、又はリフティングの
発生などを効果的に防止できる非汚染型の塗膜を形成す
る非汚染塗料組成物を得ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の非汚染塗
料組成物に係るものである。即ち、 1.(A)重量平均分子量が5000〜80000、水
酸基価が20 KOHmg/g 〜150 KOHmg/g であるポリ
オールの固形分100重量部に対して、(B)繰り返し
単位の数が2〜40の、アルキレンオキサイド鎖を含有
する、重量平均分子量150〜3500のアルコキシシ
ラン化合物が、固形分で0.1〜20重量部、(C)一
般式
【化8】Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4) (R1、R2、R3、R4は炭素数1〜10の同一又は異な
ったアルキル基)で表されるアルキルシリケート又はこ
れらの縮合物の少なくとも一方が固形分で1〜40重量
部、(D)アミン化合物が固形分で0.02〜5.0重
量部、及び硬化剤成分として(E)ポリイソシアネート
が、(A)のポリオールの水酸基に対して、OH/NC
O当量比が0.6〜1.5となるように含有されている
ことを特徴とする非汚染塗料組成物に関する。また、
【0014】2.(A)重量平均分子量で5000〜
80000、水酸基価が20 KOHmg/g 〜150 KOHmg
/g であるポリオール、(B)繰り返し単位が2〜40
のアルキレンオキサイド鎖を含有する重量平均分子量1
50〜3500のアルコキシシラン化合物、(C)一般
式が前記〔化8〕で表されるアルキルシリケート又はこ
れらの縮合物の少なくとも一方、及び(D)アミン化合
物を含有する主剤と、 (E)ポリイソシアネートを含有する硬化剤の2パッ
クから構成され、使用時(A)の固形分100重量部に
対して、固形分換算で(B)が0.1〜20重量部、
(C)が1〜40重量部、(D)が0.02〜5.0重
量部となり、かつ(E)が、(A)の水酸基に対して、
OH/NCO当量比が0.6〜1.5となるように主剤
および硬化剤を混合して使用される2液タイプの非
汚染塗料組成物にも関し、主剤と硬化剤の2液型の塗料
組成として構成する成分の組み合わせとして、
【0015】3.前記(A)成分のポリオール、及び前
記(D)アミン化合物を含有する主剤と、前記(B)
成分のアルコキシシラン化合物、前記(C)一般式が前
記〔化7〕で表されるアルキルシリケート又はこれらの
縮合物の少なくとも一方、及び前記(E)ポリイソシア
ネートを含有する硬化剤の2パックから構成される塗
料組成物、
【0016】4.前記(A)成分であるポリオール、前
記(B)成分であるアルコキシシラン化合物、及び前記
(D)成分であるアミン化合物を含有する主剤、
(C)一般式が前記〔化7〕で表されるアルキルシリケ
ート又はこれらの縮合物の少なくとも一方、及び前記
(E)ポリイソシアネートを含有する硬化剤の2パッ
クから構成される塗料組成物、又は、
【0017】5.前記(A)成分であるポリオール、及
び(C)一般式が前記〔化7〕で表されるアルキルシリ
ケート又はこれらの縮合物の少なくとも一方、及び前記
(D)成分であるアミン化合物を含有する主剤、
(B)成分であるアルコキシシラン化合物、及び前記
(E)成分のポリイソシアネートを含有する硬化剤の
2パックからなり、使用時(A)の固形分100重量部
に対して、固形分換算で(B)が0.1〜20重量部、
(C)が1〜40重量部、(D)が0.02〜5重量部
となり、かつ(E)が、(A)の水酸基に対して、OH
/NCO比率で0.6〜1.5となるように、それぞれ
主剤と硬化剤を混合して使用される非汚染塗料組成物に
も関する。本発明の非汚染塗料組成物に使用される
(A)成分のポリオールは、アクリルポリオールである
ことが好ましい。
【0018】また、(B)成分のアルコキシシラン化合
物としては、ポリアルキレンオキサイド鎖が、片末端が
水酸基であるエチレンオキサイド鎖を有する化合物を使
用することが好ましい。かかる片末端が水酸基であるポ
リエチレンオキサイド鎖を有するアルコキシシラン化合
物であっても、2パックタイプの塗料組成物の成分とし
て使用することが可能である。
【0019】さらに、(C)成分であるアルキルシリケ
ートとしては、テトラメチルシリケート、テトラエチル
シリケートの少なくとも1種を使用することが好まし
い。(D)成分のアミン化合物として一般式
【化9】N(R5)(R6)(R7) (R5、R6、R7は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数
1〜5のアルカノール基、炭素数1〜5のアミノアルキ
ル基、炭素数1〜5のアルコキシシリル基より選ばれ
る、同一又は異なった基)で表されるアミン化合物を使
用することは本発明の非汚染塗料組成物の大きな特徴で
ある。
【0020】(E)成分のポリイソシアネートは、ケト
ンを5重量%以上含有する溶剤に溶解されていること
は、保存安定性の観点より好ましい。前記(A)〜
(E)成分に加えて、(F)成分として着色顔料を含有
することも好ましく、かかる着色顔料は、主剤に添加し
たものであることが好ましい。着色顔料に替えて、又は
これと共に、(G)成分として体質顔料を含有せしめる
ことも、塗膜が艶消し状である非汚染塗料組成物を得る
のに効果的な方法である。前記(F)成分として着色顔
料の場合と同様に、(G)成分の体質顔料は主剤に、含
有することが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態と
ともに詳細に説明する。(A)成分のポリオールは、ポ
リウレタン技術分野、特にポリウレタン塗料の技術分野
において一般的に使用されるポリオールを意味し、硬化
剤であるポリイソシアネートと混合・反応することによ
り、非汚染塗料組成物より形成される非汚染塗膜におい
て、塗膜形成主要素となるものである。
【0022】このようなポリオールとしては、ポリエー
テルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポ
リオール等がある。ポリエーテルポリオールとしては、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グル
コース、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコ
ールの1種又は2種以上にプロピレンオキサイド、エチ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサ
イド等の1種又は2種以上を付加して得られるポリオー
ル類、および、前記多価アルコールにテトラヒドロフラ
ンを開環重合により付加して得られるポリオキシテトラ
メチレンポリオール類がある。
【0023】ポリエステルポリオール類としてはエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールあるいはその他の低分子量多
価アルコールの1種又は2種以上とグルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スペリン酸、セバシン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸ある
いはその他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種
又は2種以上との縮合重合体、プロピオラクトン、カプ
ロラクトン、バレロラクトン等の開環エステル類の開環
重合体等のポリオール類が例示できる。
【0024】また、アクリル共重合体において、アクリ
ル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシ
プロピル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリ
ル酸β−ヒドロキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル、アクリル酸β−ヒドロキシペンチル等のアクリ
ル酸のヒドロキシアルキルエステル又はメタクリル酸の
同様なヒドロキシアルキルエステル、さらにグリセリ
ン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールのアク
リル酸モノエステル又はこれらと同様なメタクリル酸モ
ノエステル、N−メチロールアクリルアミド又はN−メ
チロールメタクリルアミド等の水酸基を有するモノエチ
レン性不飽和モノマーを共重合モノマーとした1分子中
に2以上の水酸基を有するアクリルポリールが使用でき
る。その他、フェノールレジンポリオール、エポキシポ
リール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポ
リオール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、ア
クリル、スチレン等の単量体をビニル付加ないし分散せ
しめたポリマーポリオール、ウレア分散ポリオール、カ
ーボネートポリオール等が本発明のポリオールとして使
用することが可能である。特に、本発明の組成物から形
成される非汚染塗膜の耐候性を考慮した場合には、アク
リルポリオールが望ましい。
【0025】本発明に使用する前記ポリオールの分子量
は、重量平均分子量にて5000〜80000、好まし
くは20000〜60000である。分子量が5000
より小さくなる場合には、塗膜の硬化性、耐久性が十分
でなく、80000より大きくなる場合には、塗膜の仕
上がり性が十分ではない。
【0026】さらに、これらポリオールの水酸基価は2
0 KOHmg/g 〜150 KOHmg/g 、好ましくは30 KOH
mg/g 〜100 KOHmg/g である。水酸基価が20 KOH
mg/g 未満の場合は、塗膜の耐久性、汚染性が劣り、1
50 KOHmg/g を超える場合は、塗膜の耐久性、可撓性
が十分でない。また、これらポリオールのガラス転移点
は−10℃〜150℃、好ましくは10℃〜100℃で
ある。−10℃より低い時は汚染除去性、汚染回復性が
劣り、150℃より高い時は可撓性、耐久性が劣る結果
となる。
【0027】次に、本発明に使用される(B)成分であ
るポリアルキレンオキサイド鎖を含有するアルコキシシ
ラン化合物(以下、単に(B)成分という)は、アルキ
レンオキサイドの繰り返し単位と、少なくとも1個以上
のアルコキシシリル基を有する化合物である。かかる
(B)成分のポリアルキレンオキサイド繰り返し単位
は、そのアルキレン部分の炭素数は2〜4であり、繰り
返し単位の数は2〜40、好ましくは2〜20である。
(B)成分は、そのポリアルキレンオキサイド鎖の両末
端がアルコキシシリル基であってもよく、一端がアルコ
キシシリル基であって、他端がその他の官能基であって
もよい。このような片末端に有することのできる官能基
としては、例えば、ビニル基、ヒドロキシル基、エポキ
シ基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基等が
挙げられる。特にヒドロキシル基(水酸基)であるもの
の使用が好ましい。また、該官能基は、アルコキシシリ
ル基との間にウレタン結合、尿素結合、シロキサン結
合、アミド結合、エーテル結合等を介して結合されたも
のであっても良い。
【0028】このような(B)成分は、例えば、ポリア
ルキレンオキサイド鎖含有化合物と、アルコキシシリル
基含有化合物(以下カップリング剤という。)を反応さ
せて合成したものが使用できる。
【0029】前記ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合
物は、重量平均分子量が150〜3500が好ましく、
200〜1500がさらに好ましい。重量平均分子量が
150未満の場合、最終的に得られる硬化塗膜の親水性
に劣り、降雨による汚染物質の洗浄効果が得られず、重
量平均分子量が3500を越える場合、硬化物の耐水性
や硬度が低下する。
【0030】このようなポリアルキレンオキサイド鎖含
有化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリエチ
レン−プロピレングリコール、ポリエチレン−テトラメ
チレングリコール、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリオキシエチレンジグリコール酸、ポリエチ
レングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジビニルエーテル、ポリエチレングリコールアリルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテルなど
が挙げられる。また、該ポリアルキレンオキサイド鎖含
有化合物は、1種もしくは2種以上の組み合わせから選
択することができる。2種以上のモノマーを使用する場
合は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体で
あっても構わない。
【0031】一方、カップリング剤は、例えば、一分子
中に、少なくとも1個以上のアルコキシシリル基とその
ほかの置換基を有する化合物である。カップリング剤と
しては具体的には、例えば、β−(3、4エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、イソシアネー
ト官能性シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロオピルメチルジエ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシランなどが挙げられる。
【0032】(B)成分の合成は、特に限定されない
が、ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物とカップリ
ング剤とを別々に用意し、例えば重合性二重結合を有す
る各化合物についてはラジカル重合開始剤を用いて共重
合させる他、アミノ基/エポキシ基、イソシアネート基
/水酸基またはイソシアネート基/アミノ基等の付加反
応など公知の方法によって合成することができる。ま
た、第1級、第2級アミノ基等の活性水素基を有するア
ルコキシシリル化合物にエチレンオキサイドを開環付加
せしめる方法によっても合成可能である。
【0033】ラジカル重合開始剤を用いて共重合させる
場合は、重合性二重結合を有するポリアルキレンオキサ
イド鎖含有化合物の少なくとも1種以上と、カップリン
グ剤の少なくとも1種以上を非反応性の適当な溶媒中で
反応させて得ることができる。この際、使用されるラジ
カル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、2,5−
ジ(パーオキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,3−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
t−ブチルパーベンゾエートなどのパーエステル化合
物、アゾビスイソブチロニトリルおよびジメチルアゾブ
チレートなどのアゾ化合物、および有機過酸化物などが
挙げられる。
【0034】重合性二重結合を有するポリアルキレンオ
キサイド鎖含有化合物としては、例えば、ポリエチレン
グリコールビニルエーテルを用いることができ、カップ
リング剤には、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキ
シシランおよびγ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシランなどを単独もしくは2種以上を組み合わせて使
用できる。
【0035】イソシアネート/ポリオールの付加反応に
より合成する場合、例えばポリアルキレンオキサイド鎖
含有化合物には、ポリエチレングリコールなどの末端に
ヒドロキシル基を有する化合物と、カップリング剤には
イソシアネート含有カップリング剤などのイソシアネー
ト基を有する化合物を混合し合成させる。この合成方法
においては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズ
マレートまたはジオクチルスズマレートなどの、ポリウ
レタン合成の分野において周知の有機金属系反応触媒を
使用することも可能である。
【0036】上述の反応によって合成される(B)成分
としては、ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物の両
末端又は片末端にカップリング剤を付加したものが得ら
れるが、これらは、それぞれ単独で使用してもよく、ま
た混合物として使用してもよい。
【0037】これら(B)成分の中で、アルキレンオキ
サイド鎖がエチレンオキサイド鎖であり片末端が水酸基
であるものが、本発明の汚染防止効果、すなわち耐汚染
性ならびに染み込み抵抗性等が高いため最も好ましい。
【0038】(B)成分の配合割合は、(A)成分の樹
脂固形分100重量部に対し、固形分で0.1〜20重
量部、好ましくは0.2〜10重量部である。0.1重
量部未満では得られる硬化物の親水性が充分でなく、2
0重量部を越えると、樹脂との相溶性、硬化物の耐水性
などが劣る結果となる。
【0039】次に、本発明に使用される(C)成分であ
る一般式〔化1〕で表されるアルキルシリケートまたは
これらの縮合物(以下、単に(C)成分という)は、例
えば、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケー
ト、テトラ−n−プロピルシリケート、テトラ−i−プ
ロピルシリケートから選択される1種以上が、縮合物と
しては、上記テトラアルキルシリケートを加水分解条件
下にて縮合させて得られるものから選択される1種以上
があげられる。これらのアルキルシリケートとそれらの
縮合物はそれぞれ単独で使用しても良く、アルキルシリ
ケートを複数種使用しても、また、アルキルシリケート
の1種以上とそれらの縮合物を併用しても構わない。特
にテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケートの
少なくとも1種またはこれらの縮合物の使用が形成され
た塗膜の可撓性と緻密性のバランスの点から好ましい。
縮合物を使用する場合は、その縮合度は2〜20が好ま
しく、縮合度が20を超えると、縮合物の粘度が上昇
し、取扱いが不便になるとともにポリオールとの相溶性
が悪くなり、塗料に白濁を生じる結果となる。
【0040】また、(C)成分の混合割合は、(A)成
分の樹脂固形分100重量部に対し、固形分で1〜40
重量部、好ましくは2〜20重量部が適当である。これ
は、1重量部未満では硬化塗膜の表面硬度が十分でな
く、汚染物質の物理的付着を招き、永久的な汚染が生
じ、40重量部を超えると、樹脂との相溶性、硬化物に
おける外観が悪化したり、クラックが発生するといった
問題があるためである。
【0041】次に、本発明に使用される(D)成分であ
るアミン化合物は、水溶性アミン類が好ましく、エチル
アミン、ジメチルアミン、ジアミルアミン、シクロヘキ
シルアミン、アニリン、ヘキサメチレンジアミン、エチ
レンジアミン等の第1級、第2級アミン、アルキル基の
みを置換基としたアミン化合物としてトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン等、アルカノール基を置換基とし
て含むものとしてエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、エチルフェニルエタ
ノールアミン等、アミノアルキル基を含む化合物として
は、トリエチレンジアミン(〔2,2,2〕ジアザビシ
クロオクタン)、テトラメチルエチレンジアミン、ペン
タメチルジエチレントリアミン等、その他ピリジン、モ
ルホリン等の有機アミン類が例示できる。上記のトリエ
チレンジアミンの場合のように、アミノアルキル基置換
アミン化合物〔化6〕において、R5、R6、R7が他の
窒素原子を介して連結された環状構造を形成したもので
あっても本発明の範囲に含まれる。
【0042】また、アルコキシシリル基を有するアミン
化合物としては、アミノメチルトリエトキシシラン、ジ
アミノメチルジエトキシシラン、γ−アミノイソブチル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエト
キシシラン等のアミノシラン類が例示される。
【0043】このようなアミン化合物を混入することに
よって、特にリコート性が向上し、強固な塗膜を形成す
ることができ、極めて耐久性に優れた非汚染塗膜を得る
ことが可能になった。その理由は明確ではないが、かか
るアミン化合物の使用により、アルコキシシリル基を有
する化合物の架橋反応とポリウレタン生成反応のバラン
スがとれて、特にアルキルシリケートの塗膜表面への極
端な局在化が防止され、ポリウレタン成分が塗膜表面に
存在する割合が高くなる結果、リコート性が向上し、同
時にアルキレンオキサイド鎖を有するアルコキシシラン
化合物の効果が十分に発揮されるようになるものと推測
される。
【0044】このようなアミン化合物のうち、前記一般
式〔化6〕で示されるような第三級アミン化合物が最も
好適に使用することができる。その理由は、アミン化合
物が第一級アミン、第二級アミンの場合はNH基が存在
し、この水素原子は活性であり、イソシアネートのNC
O基と反応しやすいためである。NH基とNCO基が反
応すると尿素結合が形成されるが、NH基とNCO基の
反応による尿素結合の生成はOH基とNCO基が反応し
てウレタン結合を生成するよりも早く、従って、NH基
の存在はウレタン結合の生成反応を阻害し、塗膜の性質
に多少影響を及ぼすためである。しかし、たとえNH基
が存在していたとしても、アミン化合物の添加量を考慮
すれば実用上は大きな問題とはならない。
【0045】アミン化合物の混合割合は、(A)成分の
固形分100重量部に対して、0.02〜5.0重量部
であり、好適には0.05〜2.0重量部である。アミ
ン化合物が0.02重量部未満の場合はリコート性がな
くなり、本発明の目的とする効果が得られない。一方で
5.0重量部を超える場合は、塗膜の耐候性が低下し実
用性に欠けるものになる。このアミン化合物は、通常の
塗料用原料と同様にして取り扱い、添加すればよい。
【0046】本発明では、(E)ポリイソシアネート
(以下、単に(E)成分という)を配合して架橋硬化さ
せ非汚染塗膜を形成する。このような硬化剤としては、
トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(pure−MDI)、ポ
リメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XD
I、水添MDI等のイソシアネートモノマーをアロファ
ネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン化)、
3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジ
イミド化反応等により、誘導体化したもの、および、そ
れらの混合物が使用可能である。特に、形成される塗膜
の黄変を考慮すると、脂肪族系もしくは脂環族系のポリ
イソシアネート、又はこれらの混合物を使用することが
望ましい。さらに、これらの(E)成分は、アルコール
類、フェノール類、ε−カプロラクタム、オキシム類、
活性メチレン化合物類等のブロック剤を用いたブロック
イソシアネートの形態でも使用できる。これらの(E)
成分も活性水素を含有しない溶剤による溶液として使用
されるのが好ましい。
【0047】これらのポリイソシアネートと(A)成分
との混合は、OH/NCO比で0.6〜1.5、好まし
くは0.8〜1.2となるような比率で行う。このとき
OH/NCO比が0.6より小さいと、塗膜の硬化性、
耐久性が低下すると共に、いわゆる汚染回復性、即ちポ
リアルキレンオキサイド鎖含有アルコキシシアラン化合
物の添加による汚れの洗い流し効果、も低下し、汚れの
染み込み抵抗性が十分でなくなる。逆に、1.5より大
きいと、NCO基が大幅に過剰になるため、全てのNC
O基の反応が終了するまでに時間がかかる結果、硬化性
が低下し、硬化後の塗膜は架橋密度が高く、気温変動に
よる膨張・収縮の繰り返しにより微小なクラックが発生
しやすくなり、このクラック内に汚れが入り込むため耐
久性、汚染除去性が十分でなくなる。
【0048】これら(A)、(B)、(C)、(D)、
(E)成分は、使用時に各成分を混合することによっ
て、非汚染塗膜を形成することが可能であるが、通常
は、(A)、(B)、(C)、(D)成分を混合したも
のと、(E)成分の2パック、(A)、(D)成分を混
合したものと、(B)、(C)、(E)成分の2パッ
ク、(A)、(B)、(D)成分と、(C)、(E)成
分の2パック、又は(A)、(C)、(D)成分を混合
したものと、(B)、(E)成分の2パックにて保管
し、使用時にそれら両者を最適なOH/NCO比となる
ような比率で混合しても良い。特に(A)、(D)成分
を混合したものと、(B)、(C)、(E)成分の2パ
ックが(B)、(C)成分の貯蔵安定性の面から望まし
い。この場合、常法に従い、水酸基を含む成分を主剤、
イソシアネート基(NCO基)を含む成分を硬化剤と称
する。これらの(E)成分は活性水素を含有しない溶剤
による溶液として使用することが好ましく、特に、アセ
トン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキ
サノン、シクロヘキサノン等の単独または混合物からな
るケトンを5重量%以上使用したものが好ましく、前記
溶剤は貯蔵安定性の点で優れた効果を示すと共に、特
に、(C)成分であるアルキルシリケートを(E)成分
に混合した系の相溶性が良好であるという効果も示す。
特に、保存容器内に侵入する水分によりイソシアネート
基が反応し、不活性化することを防止するために、Ad
ditive TI(バイエル社製)を添加することが
望ましい。
【0049】さらに、前述のブロックイソシアネートを
使用した場合には、(A)、(B)、(C)、(D)、
(E)を1パックにすることが可能であり、この1パッ
クタイプの塗料を使用した場合は、塗装後に加熱等によ
りブロック剤を解離させることによりNCO基を発生さ
せて塗膜を架橋・硬化させることができる。この場合
に、イソシアネート基と水酸基の反応促進のために通常
使用される触媒を添加することが好ましい。
【0050】本発明組成物では(A)、(B)、
(C)、(D)、(E)成分による透明(クリヤー)塗
膜の他に、着色顔料を配合して、着色(エナメル)塗膜
としてもよい、このような着色顔料としては、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(べんが
ら)、クロム酸鉛(モリブデードオレンジ)黄鉛、黄色
酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系
顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラ
キノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、
イソインドリノン系、ベンツイミダゾール系、フタロシ
アニン系、キノフタロン系等の有機顔料が使用できる。
【0051】また、重質炭酸カルシウム、クレー、カオ
リン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホ
ワイトカーボン、珪藻土等の体質顔料を使用することも
可能である。特に、艶消し塗膜を形成する場合には、塗
膜表面における非汚染効果を損なうことの最も少ないホ
ワイトカーボン、珪藻土を使用することが最適である。
なお、これらの無機質を塗料に添加する際に、粉体表面
をカップリング剤で処理したり、塗料にカップリング剤
を添加することは好ましい手段である。
【0052】本発明組成物には、通常塗料に配合するこ
とが可能な各種添加剤を本発明の効果に影響しない程度
に配合するとが可能である。このような添加剤として
は、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリ
ング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、紫外線
吸収剤等があげられる。
【0053】本発明の塗料組成物は、各成分をプロペラ
式等の一般的な攪拌装置によって混合することが可能で
あり、また、得られた組成物は、塗装において一般的に
使用される塗装方法、例えばスプレー塗装、刷毛塗り等
により塗装することができる。また、マルチヘッドタイ
プのスプレー装置のように混合と塗装を同時に行う装置
を使用しても構わない。
【0054】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴をより明確にする。 (合成例1) ポリアルキレンオキサイド鎖含有カップリング剤1合成
例 加熱装置、撹拌器、還流装置、脱水装置、温度計を備え
た反応槽に、ポリエチレングリコール200(平均分子
量200;和光純薬(株)社製)20重量部と、イソシ
アネート含有シランであるY−9030(日本ユニカー
(株)社製)54.3重量部を、ジブチルスズジラウリ
レート0.05重量部とを仕込み、50℃にて8時間反
応させ、淡黄色のポリエチレンオキサイド鎖含有カップ
リング剤(1)を得た。このポリエチレンオキサイド鎖
含有カップリング剤の重量平均分子量は、ゲル浸透クロ
マトグラフィー(以下GPCという)のポリスチレン換
算により測定した結果800であった。
【0055】(合成例2) ポリアルキレンオキサイド鎖含有カップリング剤2合成
例 加熱装置、撹拌器、還流装置、脱水装置、温度計を備え
た反応槽に、ポリエチレングリコールグリシジルエーテ
ルであるエポライト40E(平均分子量170:共栄社
化学(株)社製)100重量部と、アミノ基含有シラン
であるA−1100(日本ユニカー(株)社製)63.
0重量部とを仕込み、50℃にて8時間反応させ、淡黄
色のポリエチレンンオキサイド鎖含有カップリング剤
(2)を得た。このポリエチレンオキサイド鎖含有カッ
プリング剤の重量平均分子量は、GPCのポリスチレン
換算により測定した結果、980であった。
【0056】(実施例1)150mm×70mm×0.
8mmのアルミニウム板12枚に、SK#1000プラ
イマー(エポキシ樹脂系プライマー、エスケー化研株式
会社製)を、乾燥膜厚が約30μmとなるようにスプレ
ー塗装し、気温20℃、湿度65%で8時間乾燥を行っ
た。次に表1に示した原料を使用して、表2の配合比率
に示したようにアクリルポリオール1の固形分100重
量部に対して、酸化チタン42重量部を均一に混練し、
これにポリエチレンオキサイド鎖含有カップリング剤1
を3.0重量部、メチルシリケート1を10重量部、ア
ミン化合物1を0.5重量部配合し、白色塗料の主剤を
作製した。この主剤に対し、硬化剤としてヘキサメチレ
ンジイソシアネート三量体を7.5重量部添加した非汚
染塗料組成物を、上記アルミニウム板のSK#1000
プライマー表面に、乾燥膜厚が25μmとなるようにス
プレー塗装した。この反応におけるOH/NCO当量比
率は0.9である。
【0057】<試験体の作製>このように塗装したアル
ミ板12枚のうち7枚は、以下の(1)から(7)の試
験用として、気温20℃、湿度65%で3日間養生させ
た後、さらに同一の配合比率にて作製した非汚染塗料組
成物を、乾燥膜厚が25μmとなるように、再度スプレ
ー塗装した。このとき全体の非汚染塗膜の乾燥膜厚は5
0μmであった。
【0058】<試験方法> (1)塗膜硬化後の外観の評価 試験体を気温20℃、湿度65%で7日間養生し、JIS
K5400(1990)7.1塗膜の外観試験に準じ、塗膜の外観を評
価した。
【0059】(2)耐久性評価 試験体を気温20℃、湿度65%で7日間養生し、JIS
K5400(1990) 8.20耐沸騰水性試験に準じ、沸騰水に1時
間浸漬した後、水を振り切り、気温20℃、湿度65%
で2時間乾燥させた後の塗膜の外観を評価した。
【0060】(3)耐酸性評価 試験体を気温20℃、湿度65%で7日間養生し、JIS
K5400 8.22耐酸性試験に準じ、20℃の5wt%硫酸水
溶液に1週間浸漬処理した後、塗膜面を水洗し、20℃
で2時間乾燥させた後の塗膜の外観を評価した。
【0061】(4)耐アルカリ性評価 試験体を気温20℃、湿度65%で7日間養生し、JIS
K5400 8.21耐アルカリ性試験に準じ、20℃の5wt%
水酸化ナトリウム水溶液に1週間浸漬処理した後、塗膜
面を水洗し、20℃で2時間乾燥させた後の塗膜の外観
を評価した。
【0062】(5)水に対する接触角測定 試験体作製後、気温20℃、湿度65%で24時間、7
2時間および14日乾燥させた後の塗膜表面に、0.2
ccの脱イオン水を滴下し、20℃にて滴下直後、1分
後の接触角を協和界面科学(株)社製CA−A型接触角
測定装置にて測定した。
【0063】(6)耐汚染性 試験体を気温20℃、湿度65%で7日間養生した後、
大阪府茨木市で南面向き45度傾斜にて屋外暴露を実施
し、初期と6ヵ月後の明度差(△L値)を、東京電色
(株)社製TC−1800型色差計用いて測色した。
【0064】(7)汚れの染み込み抵抗性 試験体を気温20℃、湿度65%で7日間養生し、JIS
K5400 8.10 耐汚染性試験に準じ、塗膜面に15重量%
のカーボンブラック水分散ペースト液を、直径20m
m、高さ5mmとなるように滴下し、50℃の恒温室中
に2時間放置する。その後、流水中にて洗浄し、塗膜表
面の汚染の程度を目視により評価した。
【0065】<層間密着性評価用試験体の作製>前述の
ように塗装した12枚のアルミ板の残り5枚を、気温2
0℃、湿度65%で16時間、1日、3日、5日、7日
間乾燥後に、同一の配合比率にて作製した非汚染塗料組
成物を用いて、乾燥膜厚が25μとなるように、再度ス
プレー塗装し、層間密着性評価用試験体とした。このと
き全体の非汚染塗膜の乾燥膜厚は50μmであった。
【0066】(8)層間密着性評価 作製した試験体を、気温20℃、湿度65%で7日間養
生後、JIS K5400(1990)8.5 付着性試験の8.5.1 碁盤目
法に準じて、付着性の評価を行った。評価は表2のよう
な点数にて示した。評価点数が大きいほど良好な塗膜で
ある。
【0067】<評価結果> (実施例1)硬化後の塗膜外観評価、耐久性、耐酸性、
耐アルカリ性評価ともに塗膜に異常は見られず良好な塗
膜状態であった。水に対する接触角は、24時間後測定
時で滴下直後が68゜、1分後が62゜、72時間後測
定時で滴下直後が58゜、1分後が52゜、14日後測
定時で滴下直後が58゜、1分後が52゜であり、何れ
も比較例より24時間、72時間等の初期の時点で接触
角が低かった。また、耐汚染性評価では、ΔL値が−
1.9であり、良好な耐汚染性が得られた。さらに、汚
れの染み込み抵抗性試験では痕跡を認められなかった。
したがって付着した汚れは塗膜表面にのみ存在し、降雨
によって完全に流下することができる優れた非汚染塗料
であることが証明された。
【0068】さらに、層間密着性について良好な密着性
を示し、リコート性に優れていることがわかる。とく
に、最初の塗膜形成後長期間の経過後に、第2層目を積
層塗付した場合にも層間密着性に優れていることから、
リコート性に優れた非汚染塗料であることが証明され
た。
【0069】(実施例2〜6)表3記載の配合にて、実
施例1に準じて混合物を作製し、実施例1と同様の評価
を行ったところ、表5のような結果となり、何れも比較
例より24時間、72時間等の初期の時点で接触角が低
かった。また、耐汚染性および汚れの染み込み性評価に
おいても良好な結果となり、層間密着性においては全く
剥離を生じなかった。
【0070】(比較例1)表4記載の配合のように、ポ
リエチレンオキサイド鎖含有カップリング剤1の代わり
に、ポリエチレングリコール1を使用した以外は実施例
1と同様にして評価を行ったところ、表6のような結果
となり、塗膜の耐水性、耐酸性、耐アルカリ性試験にお
いて艶引けを生じた。さらに初期における接触角の低下
は実施例ほどではなく、耐汚染性および汚れの染み込み
性評価においても良好な結果が得られなかった。なお、
層間密着性については特に問題はなかった。
【0071】(比較例2)表4記載の配合のように、ポ
リエチレンオキサイド鎖含有カップリング剤1の代わり
に、ポリエチレングリコール2を使用した以外は実施例
4と同様にして評価を行ったところ、表6のような結果
となり、硬化後の塗膜が艶引けし、塗膜の耐水性、耐酸
性、耐アルカリ性試験においても艶引けを生じた。さら
に初期における接触角の低下は実施例ほどではなく、耐
汚染性および汚れの染み込み性評価においても良好な結
果が得られなかった。なお、層間密着性については特に
問題はなかった。
【0072】(比較例3)表4記載の配合のように、ポ
リエチレンオキサイド鎖含有カップリング剤1の代わり
に、ポリエチレングリコール2を使用した以外は実施例
3と同様にして評価を行ったところ、表6のような結果
となり、塗膜の耐水性、耐酸性、耐アルカリ性試験にお
いて艶引けを生じた。さらに初期における接触角の低下
は実施例ほどではなく、耐汚染性および汚れの染み込み
性評価においても良好な結果が得られなかった。なお、
層間密着性については特に問題はなかった。
【0073】(比較例4)表4記載の配合のように、ア
ミン化合物を用いない以外は実施例1と同様にして評価
を行ったところ、表6のような結果となり、塗膜の耐水
性、耐酸性、耐アルカリ性試験においては特に問題を生
じなかったが、層間密着性については、リコートまでの
経過日数が長くなるほど、著しく剥離が生じるという結
果となった。
【0074】(比較例5)表4記載の配合のように、ア
ミン化合物2が0.01重量部と本発明で規定する範囲
の下限を外れている以外は実施例5と同様にして評価を
行ったところ、表6のような結果となり、塗膜の耐久
性、耐酸性、耐アルカリ性試験においては特に問題を生
じなかったが、初期における接触角の低下は実施例に及
ばず、層間密着性については、リコートまでの経過日数
が長くなるほど、著しく剥離が生じるという結果となっ
た。
【0075】(比較例6)表4記載の配合のように、ア
ミン化合物2の添加量が6重量部と本発明で規定する範
囲の上限を外れている以外は実施例5と同様にして評価
を行ったところ、表6のような結果となり、塗膜の耐久
性、耐酸性、耐アルカリ性試験において塗膜に変色を生
じ、一方初期における接触角の低下は実施例に及ばず、
層間密着性については、リコートまでの経過日数が長く
なるほど、著しく剥離が生じるという結果となった。
【0076】(比較例7)表4記載の配合のように、ア
クリルポリオール2に、エチルシリケート1と硬化剤を
配合し、実施例1と同様にして評価を行ったところ、表
6のような結果となり塗膜の耐水性、耐酸性、耐アルカ
リ性に異常はなかったが、初期における接触角の低下は
実施例ほどではなく、耐汚染性および汚れの染み込み性
評価においても良好な結果が得られなかった。また、層
間密着性については、リコートまでの経過日数が長くな
るほど、著しく剥離が生じるという結果となった。
【0077】
【発明の効果】本発明の非汚染塗料組成物によれば、降
雨等の塗膜形成後に生ずる作用によって、初めて塗膜が
親水性になるのではなく、塗膜形成直後よりその表面が
親水性であり、また汚れの染み込み抵抗性が高いため、
降雨によって雨水と共に汚染物質が洗い流され、また耐
候性に優れたウレタン系塗膜が得られるため、被塗物の
表面を汚さず美しく保つことができるという効果を有す
る。さらに、付随的効果ではあるが、アミン化合物を含
む塗膜は、これを含まない塗膜と比較すると初期の接触
角の低下が認められ、親水性がなお改良されていること
が分かった。
【0078】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】塗膜と水との接触角
【符号の説明】 a 水滴 b 塗膜 θ 接触角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中庄谷 隆典 大阪府茨木市清水1丁目25番10号 エスケ ー化研株式会社研究所内 (72)発明者 鈴木 久志 大阪府茨木市清水1丁目25番10号 エスケ ー化研株式会社研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)重量平均分子量が5000〜800
    00、水酸基価が20 KOHmg/g 〜150 KOHmg/g の
    ポリオールの固形分100重量部に対して、(B)繰り
    返し単位の数が2〜40のポリアルキレンオキサイド鎖
    を含有する、重量平均分子量150〜3500のアルコ
    キシシラン化合物が、固形分で0.1〜20重量部、
    (C)一般式 【化1】Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4) (R1、R2、R3、R4は炭素数1〜10の、同一又は異
    なったアルキル基)で表されるアルキルシリケート又は
    これらの縮合物の少なくとも一方が固形分で1〜40重
    量部、(D)アミン化合物が固形分で0.02〜5.0
    重量部、及び(E)ポリイソシアネートが、(A)のポ
    リオールの水酸基に対してOH/NCO当量比が0.6
    〜1.5となるように含有されていることを特徴とする
    非汚染塗料組成物。
  2. 【請求項2】(A)重量平均分子量が5000〜80
    000、水酸基価が20 KOHmg/g 〜150 KOHmg/g
    のポリオール、(B)繰り返し単位の数が2〜40のポ
    リアルキレンオキサイド鎖を含有する重量平均分子量1
    50〜3500のアルコキシシラン化合物、(C)一般
    式 【化2】Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4) (R1、R2、R3、R4は炭素数1〜10の、同一又は異
    なったアルキル基)で表されるアルキルシリケート又は
    これらの縮合物の少なくとも一方、及び(D)アミン化
    合物を含有する主剤、 (E)ポリイソシアネートを含有する硬化剤の2パッ
    クからなり、使用時(A)の固形分100重量部に対し
    て、固形分換算で(B)が0.1〜20重量部、(C)
    が1〜40重量部、(D)が0.02〜5.0重量部と
    なり、かつ(E)が、(A)の水酸基に対して、OH/
    NCO当量比が0.6〜1.5となるように主剤と硬
    化剤を混合して使用される非汚染塗料組成物。
  3. 【請求項3】(A)重量平均分子量が5000〜80
    000、水酸基価が20 KOHmg/g 〜150 KOHmg/g
    のポリオール、及び(D)アミン化合物を含有する主
    剤、 (B)繰り返し単位の数が2〜40のポリアルキレン
    オキサイド鎖を含有する重量平均分子量150〜350
    0のアルコキシシラン化合物、(C)一般式 【化3】Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4) (R1、R2、R3、R4は炭素数1〜10の、同一又は異
    なったアルキル基)で表されるアルキルシリケート又は
    これらの縮合物の少なくとも一方、及び(E)ポリイソ
    シアネートを含有する硬化剤の2パックからなり、使用
    時(A)の固形分100重量部に対して、固形分換算で
    (B)が0.1〜20重量部、(C)が1〜40重量
    部、(D)が0.02〜5.0重量部となり、かつ
    (E)が、(A)の水酸基に対して、OH/NCO当量
    比が0.6〜1.5となるように主剤と硬化剤を混
    合して使用される非汚染塗料組成物。
  4. 【請求項4】(A)重量平均分子量で5000〜80
    000、水酸基価が20 KOHmg/g 〜150 KOHmg/g
    のポリオール、(B)繰り返し単位の数が2〜40のポ
    リアルキレンオキサイド鎖を含有する重量平均分子量1
    50〜3500のアルコキシシラン化合物、及び(D)
    アミン化合物を含有する主剤、 (C)一般式 【化4】Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4) (R1、R2、R3、R4は炭素数1〜10の、同一又は異
    なったアルキル基)で表されるアルキルシリケート又は
    これらの縮合物の少なくとも一方、及び(E)ポリイソ
    シアネートを含有する硬化剤の2パックからなり、使用
    時(A)の固形分100重量部に対して、固形分換算で
    (B)が0.1〜20重量部、(C)が1〜40重量
    部、(D)が0.02〜5重量部となり、かつ(E)
    が、(A)の水酸基に対して、OH/NCO当量比が
    0.6〜1.5となるように主剤と硬化剤を混合し
    て使用される非汚染塗料組成物。
  5. 【請求項5】(A)重量平均分子量が5000〜80
    000、水酸基価が20 KOHmg/g 〜150 KOHmg/g
    のポリオール、(C)一般式 【化5】Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4) (R1、R2、R3、R4は炭素数1〜10の、同一又は異
    なったアルキル基)で表されるアルキルシリケート又は
    これらの縮合物の少なくとも一方、及び(D)アミン化
    合物を含有する主剤、 (B)繰り返し単位の数が2〜40のポリアルキレン
    オキサイド鎖を含有する重量平均分子量150〜350
    0のアルコキシシラン化合物、(E)ポリイソシアネー
    トを含有する硬化剤の2パックからなり、使用時(A)
    の固形分100重量部に対して、固形分換算で(B)が
    0.1〜20重量部、(C)が1〜40重量部、(D)
    が0.02〜5重量部となり、かつ(E)が、(A)の
    水酸基に対して、OH/NCO当量比が0.6〜1.5
    となるように主剤および硬化剤を混合して使用され
    る非汚染塗料組成物。
  6. 【請求項6】(A)のポリオールがアクリルポリオール
    である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非汚
    染塗料組成物。
  7. 【請求項7】(B)の化合物は、ポリアルキレンオキサ
    イド鎖として、片末端が水酸基であるポリエチレンオキ
    サイド鎖であるアルコキシシラン化合物を使用する請求
    項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非汚染塗料組成
    物。
  8. 【請求項8】(C)のアルキルシリケートとしてテトラ
    メチルシリケート、テトラエチルシリケートの少なくと
    も1種を使用する請求項1〜請求項5のいずれか1項に
    記載の非汚染塗料組成物。
  9. 【請求項9】(D)のアミン化合物が一般式 【化6】N(R5)(R6)(R7) (R5、R6、R7は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数
    1〜5のアルカノール基、炭素数1〜5のアミノアルキ
    ル基、炭素数1〜5のアルコキシシリル基より選ばれ
    る、同一又は異なった基)で表されるアミン化合物であ
    ることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか
    1項に記載の非汚染塗料組成物。
  10. 【請求項10】(E)のポリイソシアネートが、脂肪族
    系もしくは脂環族系のポリイソシアネート、又はこれら
    の混合物であることを特徴とする請求項1から請求項5
    のいずれか1項に記載の非汚染塗料組成物。
  11. 【請求項11】(E)のポリイソシアネートが、ケトン
    を5重量%以上含有する溶剤に溶解されていることを特
    徴とする、請求項3又は請求項4に記載の非汚染塗料組
    成物。
  12. 【請求項12】成分として、さらに(F)着色顔料を含
    有するものであることを特徴とする請求項1記載の非汚
    染塗料組成物。
  13. 【請求項13】主剤が、さらに(F)着色顔料を含有す
    るするものであることを特徴とする請求項2から請求項
    5のいずれかに記載の非汚染塗料組成物。
  14. 【請求項14】成分として、さらに(G)体質顔料を含
    有するものであることを特徴とする請求項1記載の艶消
    し非汚染塗料組成物。
  15. 【請求項15】主剤が、さらに(G)体質顔料を含有す
    るものであることを特徴とする請求項2から請求項5の
    いずれか1項に記載の艶消し非汚染塗料組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999024517A3 (en) * 1997-11-10 1999-09-02 Du Pont Coatings that may comprrise reactive silicon oligomers
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JP2008280477A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Auto Kagaku Kogyo Kk 湿気硬化性組成物及び湿気硬化性シーリング材
JP5568716B1 (ja) * 2013-03-21 2014-08-13 日本ミラクトラン株式会社 防汚性樹脂組成物

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