JPH09157232A - アミノポリカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

アミノポリカルボン酸類の製造方法

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JPH09157232A
JPH09157232A JP7324195A JP32419595A JPH09157232A JP H09157232 A JPH09157232 A JP H09157232A JP 7324195 A JP7324195 A JP 7324195A JP 32419595 A JP32419595 A JP 32419595A JP H09157232 A JPH09157232 A JP H09157232A
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acid
group
carbon atoms
salt
amino acid
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JP7324195A
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Inventor
Akira Suzuki
亮 鈴木
Hisashi Okada
久 岡田
Tadashi Inaba
正 稲葉
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】アミノポリカルボン酸類を高収率、高純度に製
造する方法。 【解決手段】アミノ酸とマレイン酸を用いたマイケル付
加反応によりアミノポリカルボン酸類を製造する方法に
おいて、アミノ酸とマレイン酸の濃度がそれぞれ1.2
mol/リットル〜3.4mol/リットルの範囲内にあり、アミノ酸と
マレイン酸の合計の酸当量に対する用いる塩基当量の比
が0.60〜1.40の範囲内にある一般式1のアミノ
ポリカルボン酸類の製造方法。 (R、R、RおよびRは同一でも異なってもよ
く各々脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基又は
水素原子を、nは0又は1を、M、M及びMはそ
れぞれ水素又はカチオンを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミノポリカルボ
ン酸類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノポリカルボン酸類は、キレート能
を有して金属イオンを隠蔽することができ、石鹸・洗剤
用ビルダー、繊維・染色用薬剤、金属表面処理用錯化
剤、紙パルプ用漂白剤、写真用薬剤、分析用金属イオン
隠蔽剤などに幅広く用いられている。従来、これら用途
に用いられていた代表的化合物であるエチレンジアミン
四酢酸などは、キレート能は優れているが生分解性が低
く、環境中に放出された場合、生体に有害な重金属類を
環境中に蓄積するなどの問題が懸念されており、これに
代わる生分解性の優れたキレート化剤の開発が望まれて
いた。本発明者らは、先に写真用薬剤として有用で生分
解性の高い化合物として一般式(I)で表される化合物
を開示している。これらの合成法としては、例えば、Re
cl.Trav.Chem.Pays-Bas,109(9), 474(1990) 、特開平5
−17014号、特開平5−320109号、特開平6
−95319号、特開平6−161054号等に記載さ
れている。しかしながら、これらに示されている合成法
では、長い反応時間を要する上に、目的物の生成率が低
い、副反応により多量のフマル酸が生成するといった問
題がある。例えば、Recl.Trav.Chem.Pays-Bas,109(9),
474(1990) に開示されている方法では、グリシンとマレ
イン酸を用いて、反応時間24時間で、マレイン酸の目
的物への転換率は71%であり、副生成物であるフマル
酸への転換率は29%である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、上述の課題を解決し、生分解性の優れたアミノポリ
カルボン酸類を、高収率、高純度で得ることができる工
業的に優れた製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、アミノ酸とマレ
イン酸を用いたマイケル付加反応によりアミノポリカル
ボン酸類を製造する方法において、アミノ酸とマレイン
酸の濃度をそれぞれ1.2mol/リットル〜3.4mol/リットルの
範囲内とし、更にアミノ酸とマレイン酸の合計の酸当量
に対する用いる塩基当量の比を0.60〜1.40の範
囲内で行うことにより、下記一般式(I)で表される生
分解性の優れたアミノポリカルボン酸類の高収率、高純
度な製造方法を見出すに至った。 一般式(I)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、
同一でも異なってもよく各々脂肪族炭化水素基、アリー
ル基、ヘテロ環基又は水素原子を表す。nは、0又は1
を表す。M1 、M2 及びM3 は、それぞれ水素原子又は
カチオンを表す。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の製造方法について
詳細に説明する。まず、本発明の製造方法によって合成
される一般式(I)で表される化合物について詳細に説
明する。R1 、R2 、R3 、R4 で表される脂肪族炭化
水素基は、直鎖、分岐または環状のアルキル基(好まし
くは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜10、
更に好ましくは炭素数1〜8)、アルケニル基(好まし
くは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜10、
更に好ましくは炭素数2〜7)、アルキニル基(好まし
くは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜10、
更に好ましくは炭素数2〜7)であり、置換基を有して
いてもよい。
【0008】置換基としては例えばアリール基(好まし
くは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜10、
特に好ましくは炭素数6〜8であり、例えばフェニル、
4−メチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、4−ヒ
ドロキシフェニルなどが挙げられる。)、アルコキシ基
(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜
6、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えばメトキ
シ、エトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基
(好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6
〜10、特に好ましくは炭素数6〜8であり、例えばフ
ェニルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好まし
くは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数2〜10、
特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばアセチルな
どが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好まし
くは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜10、
特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばメトキシカ
ルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ま
しくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数2〜1
0、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばアセト
キシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましく
は炭素数1〜10、より好ましくは炭素数2〜6、特に
好ましくは炭素数2〜4であり、例えばアセチルアミノ
などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましく
は炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、特に
好ましくは炭素数1〜4であり、例えばメタンスルホニ
ルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好
ましくは炭素数0〜10、より好ましくは炭素数0〜
6、特に好ましくは炭素数0〜4であり、例えばスルフ
ァモイル、メチルスルファモイルなどが挙げられ
る。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜10、
より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1
〜4であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル
などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭
素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6、特に好まし
くは炭素数1〜4であり、例えばメチルチオ、エチルチ
オなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭
素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6、特に好まし
くは炭素数1〜4であり、例えばメタンスルホニルなど
が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数
1〜8、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは
炭素数1〜4であり、例えばメタンスルフィニルなどが
挙げられる。)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シア
ノ基、スルホ基、ニトロ基、ヘテロ環基(例えばイミダ
ゾリル、ピリジルなどが挙げられる。)などが挙げられ
る。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置
換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。
【0009】R1 、R2 、R3 、R4 で表される脂肪族
炭化水素基の置換基として好ましくは、アリール基、ア
ルコキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基、イミダゾリル
基、ピリジル基であり、より好ましくは、フェニル基、
ヒドロキシ基である。R1 、R2 、R3 、R4 で表され
る脂肪族炭化水素基として好ましくはアルキル基であ
り、好ましい具体例としては、メチル、エチル、n−プ
ロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチ
ル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、ヒ
ドロキシメチル、メトキシメチル、スルホメチル、フェ
ニルメチル、4−ヒドロキシフェニルメチル、4−イミ
ダゾリルメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシ
エチル、2−スルホエチル、2−メチルチオエチルなど
が挙げられ、より好ましくはメチル、エチル、n−プロ
ピル、n−ブチル、フェニルメチル、2−メチルチオエ
チルであり、更に好ましくはメチル、エチル、n−プロ
ピル、n−ブチル、フェニルメチルである。
【0010】R1 、R2 、R3 、R4 で表されるアリー
ル基としては、好ましくは炭素数6〜20の単環または
二環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル等)であ
り、より好ましくは炭素数6〜15のフェニル基、更に
好ましくは6〜10のフェニル基である。R1 、R2
3 、R4 で表されるアリール基は置換基を有してもよ
く、置換基としては、R1 、R2 、R3 、R4 で表され
る脂肪族炭化水素の置換基として挙げたものの他、アル
キル基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素
数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば
メチル、エチルなどが挙げられる。)、アルケニル基
(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜
6、特に好ましくは炭素数2〜4であり、例えばビニ
ル、アリルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ま
しくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜6、特
に好ましくは炭素数2〜4であり、例えばプロパルギル
などが挙げられる。)、カルボキシ基等が挙げられる。
【0011】R1 、R2 、R3 、R4 で表されるアリー
ル基の置換基として好ましくは、アルキル基、アルコキ
シ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基であり、
より好ましくはアルキル基、カルボキシ基、ヒドロキシ
基である。R1 、R2 、R3 、R4 で表されるアリール
基の好ましい具体例としては、フェニル、2−ヒドロキ
シフェニルなどが挙げられる。R1 、R2 、R3 、R4
で表されるヘテロ環基は、N、OまたはS原子の少なく
とも一つを含む3ないし10員の飽和もしくは不飽和の
ヘテロ環であり、これらは単環であってもよいし、更に
他の環と縮合環を形成してもよい。ヘテロ環基として好
ましくは、5ないし6員の芳香族ヘテロ環基であり、よ
り好ましくは窒素原子を含む5ないし6員の芳香族ヘテ
ロ環基であり、更に好ましくは窒素原子を1ないし2原
子含む5ないし6員の芳香族ヘテロ環基である。ヘテロ
環基の具体例としては、例えばピロリジニル、ピペリジ
ル、ピペラジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジ
ル、キノリルなどが挙げられ、好ましくはイミダゾリ
ル、ピリジルである。
【0012】R1 、R2 、R3 、R4 で表されるヘテロ
環基は置換基を有してもよく、置換基としては、R1
2 、R3 、R4 で表される脂肪族炭化水素の置換基と
して挙げたものの他、アルキル基(好ましくは炭素数1
〜8、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭
素数1〜4であり、例えばメチル、エチルなどが挙げら
れる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜8、よ
り好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは炭素数2〜
4であり、例えばビニル、アリルなどが挙げられ
る。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜8、より
好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは炭素数2〜4
であり、例えばプロパルギルなどが挙げられる。)、カ
ルボキシ基等が挙げられる。R1 、R2 、R3 、R4
表されるヘテロ環基の置換基として好ましくは、アルキ
ル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ス
ルホ基であり、より好ましくはアルキル基、カルボキシ
基、ヒドロキシ基である。R1 、R2 、R3 、R4 とし
ては、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基が好まし
く、より好ましくは水素原子、メチル、エチル、n−プ
ロピル、n−ブチル、ヒドロキシメチル、フェニルメチ
ル、2−メチルチオエチル、4−イミダゾリルメチルで
あり、更に好ましくは、水素原子、メチル、エチル、フ
ェニルメチル、特に好ましくは水素原子、メチルであ
る。nは、0または1を表す。
【0013】M1 、M2 及びM3 で表されるカチオン
は、有機または無機のカチオンを表し、例えばアルカリ
金属(Li+ 、Na+ 、K+ 、Cs+ など)、アルカリ
土類金属(Mg2+、Ca2+など)、アンモニウム(アン
モニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモ
ニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアン
モニウム、テトラブチルアンモニウム、1,2−エタン
ジアンモニウムなど)、ピリジニウム、イミダゾリウ
ム、ホスホニウム(テトラブチルホスホニウムなど)な
どが挙げられる。M1 、M2 、M3 として好ましくは、
水素原子、Li+ 、Na+ 、K+ 、NH4 + である。一
般式(I)で表される化合物のうち、好ましくは一般式
(II)で表される化合物である。 一般式(II)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ一般式
(I)のR1 およびR2 と同義であり、また好ましい範
囲も同様である。nは、0又は1を表す。M1 、M2
びM 3 は、それぞれ水素原子又はカチオンを表す。) 一般式(I)で表される化合物のうち、さらに好ましく
は一般式(III-a) 、一般式(III-b) で表される化合物で
ある。 一般式(III-a)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R2 は、一般式(I)のR2 と同
義であり、また好ましい範囲も同様である。M1 、M2
及びM3 は、それぞれ水素原子又はカチオンを表す。) 一般式(III-b)
【0018】
【化5】
【0019】(式中、M1 、M2 及びM3 は、それぞれ
水素原子又はカチオンを表す。) 以下に一般式(I)で表される化合物の具体例を挙げる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】次に一般式(I)で表される化合物の製造
方法について詳細に説明する。原料であるマレイン酸は
特に制約はなく、市販のものを用いることができる。マ
レイン酸は、金属塩(例えばアルカリ金属塩(Li塩、
Na塩、K塩、Rb塩、Cs塩等)、アルカリ土類金属
塩(例えばCa塩、Mg塩、Ba塩等)、遷移金属塩
(例えばZn塩等)等)、アンモニウム塩(例えば、ア
ンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩等)、ピリジ
ニウム塩等であってもよく、無論、遊離の酸であっても
良い。また、マレイン酸の無水物である無水マレイン酸
を使用することもできるが、この時はアミノ酸と混合す
る前に水と反応させて、マレイン酸もしくは前述のマレ
イン酸塩にしておく必要がある。また、これらの形状と
しては、固形、スラリー、水溶液などいずれの形態でも
良い。
【0029】原料であるアミノ酸は、特に制約はなく、
市販のものを用いることができる。例えば、グリシン、
アラニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、メチオニ
ン、バリン、チロシンなど。また、アミノ酸の合成法と
して通常知られている方法(例えば「新実験化学講座」
第14巻、1672〜1697頁(日本化学会編)、
「実験化学講座」(第4版)第22巻、193〜214
頁(日本化学会編)に記載の方法)によって合成したも
のを用いることもできる。光学活性を有するアミノ酸を
用いる場合は、L体でもD体でもよく、またそれらを任
意の比率で組み合わせたものでもよい。アミノ酸は、金
属塩(例えばアルカリ金属塩(Li塩、Na塩、K塩、
Rb塩、Cs塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばCa
塩、Mg塩、Ba塩等)、遷移金属塩(例えばZn塩
等)等)、アンモニウム塩(例えば、アンモニウム塩、
トリエチルアンモニウム塩等)、ピリジニウム塩等であ
ってもよく、無論、遊離の酸であっても良い。これらの
形状としては、固形、スラリー、水溶液などいずれの形
態でも良い。
【0030】反応に使用する塩基としては、例えば、ア
ルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム等)、
アルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等)、アルカリ金属塩類(例えば炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナ
トリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、
ピロリン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、アルミン酸
ナトリウム、ケイ酸ナトリウム等)、三級アミン類(例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピ
ルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルア
ミン等)、ピリジン類(例えばピリジン、4−ピコリ
ン、2,6−ルチジン等)、水酸化四級アンモニウム化
合物類(水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テト
ラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニ
ウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメ
チルベンジルアンモニウム、水酸化セチルトリメチルア
ンモニウム、水酸化セチルピリジニウム等)、金属アル
コキシド類(例えばナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキ
シド等)等が挙げられる。これらの塩基は、単独または
任意の比率で組み合わせてもよい。用いる塩基として好
ましくは、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属塩
類、金属アルコキシド類であり、より好ましくはアルカ
リ金属の水酸化物である。
【0031】原料の混合順序は特に限定はないが、代表
的な手順としては、マレイン酸に溶媒を入れ、反応に供
するアミノ酸とマレイン類の合計の酸当量に対する用い
る塩基当量の比が0.65〜1.20の範囲内になるよ
うに塩基を加える。この溶液にアミノ酸類を加える方法
や、マレイン酸、アミノ酸、塩基を入れた反応容器に溶
媒を加える、等の方法をとる。反応に使用するマレイン
酸の量が1.2mol/リットルよりも少ない場合は、反応速度
が小さく工業的に経済的な製造が困難であり、また、副
生成物であるフマル酸の生成量も多くなる。また、3.
4mol/リットルよりも多い場合には、反応液のスラリー濃度
が増加し、攪拌が困難になり、製造に適さない。反応に
供するアミノ酸とマレイン酸の合計の酸当量に対する用
いる塩基の比が0.60より小さい場合は、反応速度が
小さく工業的に経済的な製造が困難であり、また、副生
成物であるフマル酸の生成量も多くなる。比が1.40
よりも大きい場合は、ヒドロキシル基がマレイン酸に付
加したリンゴ酸が副生しやすくなるため好ましくない。
本発明の方法における反応に用いる溶媒としては、反応
に関与しない限り限定されないが、水、あるいは有機溶
媒を使用できる。有機溶媒としては、例えばアルコール
類(例えばメタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、n−ブタノール等)、ケトン類(例えばアセトン、
メチルエチルケトン等)、エステル類(例えば酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、脂肪族炭化水素類
(例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン
等)、芳香族炭化水素類(例えばベンゼン、トルエン、
キシレン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アセトニトリル
等を挙げることができる。溶媒として好ましくは、水、
メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニ
トリル、テトラヒドロフラン、ジオキサンであり、より
好ましくは水、メタノール、エタノール、2−プロパノ
ールであり、特に好ましくは水である。また、上記溶媒
は混合して用いることもでき、その割合は任意である。
【0032】反応温度は化合物の種類によって異なる
が、通常70℃〜150℃が好ましく、より好ましくは
80℃〜140℃、さらに好ましくは80℃〜130℃
の範囲である。反応温度が70℃より低い場合は、反応
速度が小さく工業的に経済的な製造が困難であり、15
0℃より高い場合は副生成物であるフマル酸、リンゴ酸
の生成量が増え、目的物の生成量が低下する。また、反
応時間は、反応原料、反応温度、反応濃度、反応スケー
ル等によって異なるが、通常0.5〜50時間範囲であ
り、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは0.
5〜10時間の範囲である。反応終了後の反応液中に
は、生成物である一般式(I)で表される化合物が塩と
して存在しているが、反応液を冷却、濃縮等の操作をす
ることにより結晶として単離することができる。また、
濃縮等の操作により反応液の濃度を調整し、例えば写真
処理液等の調製に用いることもできる。また、前記反応
液に酸を加えて処理することにより、一般式(I)で表
される化合物を遊離酸として単離することもできる。反
応液の酸処理工程で使用される酸としては、鉱酸(例え
ば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等)、有機酸(例えば酢
酸、シュウ酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸等)等
が挙げられるが、鉱酸(例えば塩酸、硝酸、硫酸、リン
酸等)が好ましく、特に硫酸、塩酸が好ましい。本発明
の製造方法は、アミノ酸とマレイン酸の濃度がそれぞれ
1.2mol/リットル〜3.4mol/リットルの範囲内、アミノ酸と
マレイン酸の合計の酸当量に対する用いる塩基当量の比
が0.60〜1.40の範囲内であり、水溶媒中、塩基
としてアルカリ金属の水酸化物を用い、80℃〜130
℃の範囲で0.5〜10時間の反応時間で行うのが好ま
しい。この反応液から遊離酸を単離する際に反応液に加
える酸としては、鉱酸、特に硫酸、塩酸を用いるのが好
ましい。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0034】実施例1 無水マレイン酸98.1g(1.0モル)に30gの水
を加え、冷却攪拌しながら、ゆっくり48重量%水酸化
ナトリウム水溶液250.0g(3.0モル)を添加し
た。この溶液に、グリシン75.1g(1.0モル)を
添加し、水を適量加え、マレイン酸、アミノ酸のモル濃
度がそれぞれ3mol/リットルの溶液を調製した。このとき、
反応に供するアミノ酸とマレイン酸の合計の酸当量に対
する用いる塩基当量の比は1.0である。この溶液を還
流下4時間反応させた後、1H NMRにより反応液の組成の
分析と定量を行ったところ、目的物のナトリウム塩の生
成量は0.914mol(生成率91.4%)であった。
【0035】実施例2〜13 実施例1における本発明の合成法に準じて行った合成に
ついて、反応条件と共に結果を表1に示す。尚、生成物
の同定、定量は、1H NMRスペクトルにより行った。
【0036】実施例14 実施例1の反応液に40mlの水を加え、室温まで冷却し
た後、氷冷下攪拌しながら、97%硫酸151.7g
(1.5mol)を内温が80℃を越えないように滴下し
た。室温まで冷却した後、2時間攪拌し、生成した白色
結晶を濾取し、水、アセトンでかけ洗いした後、減圧下
乾燥して化合物1を166.3g(0.870mol)得
た。収率87.0%
【0037】比較例1〜3 実施例1の方法に準じて、条件を表1のように変化させ
て反応を行った結果について、結果を表1に示す。尚、
生成物の同定、定量は、1H NMRスペクトルにより行っ
た。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から明らかなように、本発明の
方法により一般式(I)で表される化合物が比較的短時
間で、且つ高収率で得られることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法により、生分解性に優れた
アミノポリカルボン酸類を高収率、高純度で製造するこ
とができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 319/20 7419−4H C07C 319/20 323/58 7419−4H 323/58 C07D 209/20 C07D 209/20 213/55 213/55 233/64 106 233/64 106

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸とマレイン酸を用いたマイケル
    付加反応によりアミノポリカルボン酸類を製造する方法
    において、アミノ酸とマレイン酸の濃度がそれぞれ1.
    2mol/リットル〜3.4mol/リットルの範囲内にあり、アミノ酸
    とマレイン酸の合計の酸当量に対する用いる塩基当量の
    比が0.60〜1.40の範囲内にあることを特徴とす
    る下記一般式(I)で表されるアミノポリカルボン酸類
    の製造方法。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、同一でも異な
    ってもよく各々脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ
    環基又は水素原子を表す。nは、0又は1を表す。
    1 、M2 及びM3 は、それぞれ水素原子又はカチオン
    を表す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007028244A1 (fr) * 2005-09-06 2007-03-15 Trung Bui-Khac Polymeres biodegradables modifies, leur preparation et leur usage pour la fabrication de biomateriaux et de pansements
DE102019124958B4 (de) 2019-09-17 2023-03-23 Zschimmer & Schwarz Mohsdorf GmbH & Co. KG. Phosphonsäurederivate und Verfahren zu deren Herstellung

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WO2007028244A1 (fr) * 2005-09-06 2007-03-15 Trung Bui-Khac Polymeres biodegradables modifies, leur preparation et leur usage pour la fabrication de biomateriaux et de pansements
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