JPH09157122A - 植物の栽培促進剤およびそれを用いた植物の栽培促進方法 - Google Patents
植物の栽培促進剤およびそれを用いた植物の栽培促進方法Info
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- JPH09157122A JPH09157122A JP7317998A JP31799895A JPH09157122A JP H09157122 A JPH09157122 A JP H09157122A JP 7317998 A JP7317998 A JP 7317998A JP 31799895 A JP31799895 A JP 31799895A JP H09157122 A JPH09157122 A JP H09157122A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 植物の栽培促進剤およびそれを用いた植物の
栽培促進方法の提供。 【解決手段】 植物の種子もしくは根部またはその近傍
に存在させることで植物の発芽および/または生育を促
進する性質を有するフラボバクテリウム属に属する微生
物および/またはその培養物を含んでなる植物の栽培促
進剤。
栽培促進方法の提供。 【解決手段】 植物の種子もしくは根部またはその近傍
に存在させることで植物の発芽および/または生育を促
進する性質を有するフラボバクテリウム属に属する微生
物および/またはその培養物を含んでなる植物の栽培促
進剤。
Description
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、微生物を利用した植物の栽培促進剤およびそ
れを用いた植物の栽培促進方法に関する。
れを用いた植物の栽培促進方法に関する。
【0002】背景技術 農作物を生産し、その商品価値を高めるには、収穫物の
品質、収量をある一定の水準に保つ必要がある。そのた
めには健全で揃いの良い苗を多量に作らねばならない。
しかし、作物の種類によっては、発芽率や初期生育が悪
く、苗の管理が容易でない場合が多い。
品質、収量をある一定の水準に保つ必要がある。そのた
めには健全で揃いの良い苗を多量に作らねばならない。
しかし、作物の種類によっては、発芽率や初期生育が悪
く、苗の管理が容易でない場合が多い。
【0003】ところで植物の根圏または根面には多種多
様の微生物が生息しており、これらの中には植物の生育
や病害の発生を促進あるいは抑制する作用を有するもの
が存在する。そこで、これらの根圏微生物の中から産業
上有用な微生物を分離し、これを農業生産性の向上のた
めに利用しようとする試みが従来から行われており、多
数の研究報告がある。
様の微生物が生息しており、これらの中には植物の生育
や病害の発生を促進あるいは抑制する作用を有するもの
が存在する。そこで、これらの根圏微生物の中から産業
上有用な微生物を分離し、これを農業生産性の向上のた
めに利用しようとする試みが従来から行われており、多
数の研究報告がある。
【0004】例えば、糸状菌では、ある種の菌根菌(En
dogone fasciculata )が土壌中の燐の利用効率を高
め、植物の必須元素である燐を植物に供給することによ
って植物の生育を促進することが知られている(Mycolo
gia (1965) vol.57,562-575 )。しかしながら、菌根菌
は活物寄生菌であるため、その培養には植物体そのもの
が必要であり、工業的にこれを多量培養することが困難
である。そのため、未だ実用化されるには至っていな
い。
dogone fasciculata )が土壌中の燐の利用効率を高
め、植物の必須元素である燐を植物に供給することによ
って植物の生育を促進することが知られている(Mycolo
gia (1965) vol.57,562-575 )。しかしながら、菌根菌
は活物寄生菌であるため、その培養には植物体そのもの
が必要であり、工業的にこれを多量培養することが困難
である。そのため、未だ実用化されるには至っていな
い。
【0005】また、細菌では、Pseudomonas (シュード
モナス)属に属する菌について検討した事例が最も多
い。Pseudomonas fluorescens を用い、温室トマトで
13.3%増収となり果実の大きさも11.1%増加
し、規格外品の生出率は減少するという報告(Soil Bio
logy Biochemistry 25(2).1993.269-272)がある。P.
pu tidaでは、冬コムギで11%の増収事例(Soil Biolo
gy Biochemistry 24(11).1992.1137-1146 )、ダイズの
組織培養でカルスのバイオマスが増加する事例(Soil B
iology Biochemistry 23(4).1991.331-334)、およびV
AM菌根菌との混合処理によりクローバーにおける根粒
着生率ならびに地上部乾物重が増加する事例(Soil Bio
logy Biochemistry 18(2).1986.185-190)が挙げられ
る。P. cepaci a では、冬コムギで6%増収の事例(So
il Biology Biochemistry 24(11).1992.1137-1146 )が
挙げられる。P. aeruginosaでは、ホウレンソウ,トウ
モロコシにおいて13−32%の生育促進事例(Soil B
iology Biochemistry 24(8).1992.751-759)が挙げられ
る。
モナス)属に属する菌について検討した事例が最も多
い。Pseudomonas fluorescens を用い、温室トマトで
13.3%増収となり果実の大きさも11.1%増加
し、規格外品の生出率は減少するという報告(Soil Bio
logy Biochemistry 25(2).1993.269-272)がある。P.
pu tidaでは、冬コムギで11%の増収事例(Soil Biolo
gy Biochemistry 24(11).1992.1137-1146 )、ダイズの
組織培養でカルスのバイオマスが増加する事例(Soil B
iology Biochemistry 23(4).1991.331-334)、およびV
AM菌根菌との混合処理によりクローバーにおける根粒
着生率ならびに地上部乾物重が増加する事例(Soil Bio
logy Biochemistry 18(2).1986.185-190)が挙げられ
る。P. cepaci a では、冬コムギで6%増収の事例(So
il Biology Biochemistry 24(11).1992.1137-1146 )が
挙げられる。P. aeruginosaでは、ホウレンソウ,トウ
モロコシにおいて13−32%の生育促進事例(Soil B
iology Biochemistry 24(8).1992.751-759)が挙げられ
る。
【0006】シュードモナス属に属する微生物以外の微
生物については、Enterobacter cl oacae およびAgroba
cterium rhizogenesが植物の生育を促進することが知
られている(特開昭63−102668号および特開昭
59−161306号)。
生物については、Enterobacter cl oacae およびAgroba
cterium rhizogenesが植物の生育を促進することが知
られている(特開昭63−102668号および特開昭
59−161306号)。
【0007】一方、Flavobacterium(フラボバクテリウ
ム)属に属する微生物については、アルギン酸分解能を
有するもの(特開昭59−143597号)およびコラ
ゲナーゼを生産するもの(特開平4−287685号)
が知られている。しかしながら、本発明者らが知る限り
では、フラボバクテリウム属に属する微生物が植物の発
芽および/または生育を促進するとの報告はなされてい
ない。
ム)属に属する微生物については、アルギン酸分解能を
有するもの(特開昭59−143597号)およびコラ
ゲナーゼを生産するもの(特開平4−287685号)
が知られている。しかしながら、本発明者らが知る限り
では、フラボバクテリウム属に属する微生物が植物の発
芽および/または生育を促進するとの報告はなされてい
ない。
【0008】
【発明の概要】本発明者らは、今般、フラボバクテリウ
ム属に属する微生物が植物の発芽および/または生育を
促進する性質を有し、農作物等の栽培効率を向上させる
ことを見出した。本発明は、かかる知見に基づくもので
ある。従って、本発明は、植物の栽培促進剤およびそれ
を用いた植物の栽培促進方法の提供をその目的としてい
る。
ム属に属する微生物が植物の発芽および/または生育を
促進する性質を有し、農作物等の栽培効率を向上させる
ことを見出した。本発明は、かかる知見に基づくもので
ある。従って、本発明は、植物の栽培促進剤およびそれ
を用いた植物の栽培促進方法の提供をその目的としてい
る。
【0009】そして、本発明による植物の栽培促進剤
は、植物の種子もしくは根部またはその近傍に存在させ
ることで植物の発芽および/または生育を促進する性質
を有するフラボバクテリウム属に属する微生物および/
またはその培養物を含んでなるもの、である。また、本
発明による植物の栽培促進方法は、上記植物の栽培促進
剤を植物の種子もしくは根部またはその近傍に存在させ
る工程を含んでなるもの、である。
は、植物の種子もしくは根部またはその近傍に存在させ
ることで植物の発芽および/または生育を促進する性質
を有するフラボバクテリウム属に属する微生物および/
またはその培養物を含んでなるもの、である。また、本
発明による植物の栽培促進方法は、上記植物の栽培促進
剤を植物の種子もしくは根部またはその近傍に存在させ
る工程を含んでなるもの、である。
【0010】
【発明の具体的説明】微生物 本発明において「フラボバクテリウム属に属する微生
物」は、植物の種子もしくは根部またはその近傍に存在
させることで植物の発芽および/または生育を促進する
性質を有する。フラボバクテリウム属に属するこのよう
な性質を有する微生物は、試験すべき菌株を種子および
/または根部、および/またはその近傍に存在させ、植
物の発芽および/または生育を促進すると認められる菌
株を自然界または公知のフラボバクテリウム属に属する
微生物の中から選抜することによって、再現性良く入手
することができる。このような菌株の選抜方法として
は、例えば、実施例1に記載される方法およびこれと同
等と認められる方法が挙げられる。
物」は、植物の種子もしくは根部またはその近傍に存在
させることで植物の発芽および/または生育を促進する
性質を有する。フラボバクテリウム属に属するこのよう
な性質を有する微生物は、試験すべき菌株を種子および
/または根部、および/またはその近傍に存在させ、植
物の発芽および/または生育を促進すると認められる菌
株を自然界または公知のフラボバクテリウム属に属する
微生物の中から選抜することによって、再現性良く入手
することができる。このような菌株の選抜方法として
は、例えば、実施例1に記載される方法およびこれと同
等と認められる方法が挙げられる。
【0011】本発明において上記性質を有するフラボバ
クテリウム属に属する微生物としては、例えば、フラボ
バクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium
me ningosepticum )が挙げられ、より具体的には、後
記する実施例において説明されているフラボバクテリウ
ム・メニンゴセプティカム・H3681菌株(以下「H
3681菌株」という)およびフラボバクテリウム・メ
ニンゴセプティカム・H3712菌株(以下「H371
2菌株」という)が挙げられる。なお、上記2菌株は、
後述するように菌学的性質は同じであるが生育形態が異
なることから異菌株である。
クテリウム属に属する微生物としては、例えば、フラボ
バクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium
me ningosepticum )が挙げられ、より具体的には、後
記する実施例において説明されているフラボバクテリウ
ム・メニンゴセプティカム・H3681菌株(以下「H
3681菌株」という)およびフラボバクテリウム・メ
ニンゴセプティカム・H3712菌株(以下「H371
2菌株」という)が挙げられる。なお、上記2菌株は、
後述するように菌学的性質は同じであるが生育形態が異
なることから異菌株である。
【0012】微生物の培養 本発明において微生物の培養は、培地の種類および培養
条件を含めて合目的的で任意のものでありうる。例え
ば、肉エキス培地など一般的な培地の他、好ましくはM
523培地(Phytopathology(1970)vol.60,969−976
)、キングB培地(J. Lab. Clin. Med.(1954)vol.4
4,301−307 )などが挙げられる。また、液体培地以外
に寒天入りの斜面培地および平板培地等の固体培地を用
いてもよい。そして、それら培養によって増殖させて、
所望の菌体量を得ることができる。
条件を含めて合目的的で任意のものでありうる。例え
ば、肉エキス培地など一般的な培地の他、好ましくはM
523培地(Phytopathology(1970)vol.60,969−976
)、キングB培地(J. Lab. Clin. Med.(1954)vol.4
4,301−307 )などが挙げられる。また、液体培地以外
に寒天入りの斜面培地および平板培地等の固体培地を用
いてもよい。そして、それら培養によって増殖させて、
所望の菌体量を得ることができる。
【0013】培地の炭素源としては、本発明による菌株
が同化しうるあらゆるものが利用可能である。具体的に
はグルコース、ガラクトース、ラクトース、アラビノー
ス、マンノース、麦芽エキス澱粉加水分解物などの糖の
外に、該菌株が利用し得る各種の合成または天然炭素源
がある。窒素源としても同様に、ペプトン、肉エキス、
酵母エキスなどの有機窒素含有物をはじめ、該菌株が利
用し得る各種の合成又は天然物が利用可能である。
が同化しうるあらゆるものが利用可能である。具体的に
はグルコース、ガラクトース、ラクトース、アラビノー
ス、マンノース、麦芽エキス澱粉加水分解物などの糖の
外に、該菌株が利用し得る各種の合成または天然炭素源
がある。窒素源としても同様に、ペプトン、肉エキス、
酵母エキスなどの有機窒素含有物をはじめ、該菌株が利
用し得る各種の合成又は天然物が利用可能である。
【0014】微生物培養の常法に従って、食塩、リン酸
塩などの無機塩類、カルシウム、マグネシウム、鉄など
の金属の塩類、ビタミン、アミノ酸などの微量栄養源も
必要に応じて添加することができる。培養は、振盪培
養、静置培養、通気培養などの好気的条件下で行なうこ
とができる。培養温度は20〜30℃、好ましくは25
〜28℃、pHは5〜8、好ましくは6〜7、培養期間
は1〜5日、好ましくは2〜3日が適当である。
塩などの無機塩類、カルシウム、マグネシウム、鉄など
の金属の塩類、ビタミン、アミノ酸などの微量栄養源も
必要に応じて添加することができる。培養は、振盪培
養、静置培養、通気培養などの好気的条件下で行なうこ
とができる。培養温度は20〜30℃、好ましくは25
〜28℃、pHは5〜8、好ましくは6〜7、培養期間
は1〜5日、好ましくは2〜3日が適当である。
【0015】植物の栽培促進剤 本発明による植物の栽培促進剤(以下単に「促進剤」と
いうことがある)は、上記微生物を水1mlあたり10
6〜1010個、好ましくは107〜109個、の割合で
含んでなるものである。あるいは、フラボバクテリウム
・メニンゴセプティカムの培養液の上清を原液〜1,0
00倍、好ましくは原液〜100倍、に希釈してなるも
のであるか、または、培養液を遠心分離せずに原液〜1
0,000倍、好ましくは原液〜1,000倍、に希釈
してなるものである。微生物は単一の菌株であっても、
上記性質を有する複数の菌株であってもよい。本発明に
よる促進剤が微生物の培養物として適用される場合、菌
体を依然として含んだものとして適用されるのが好まし
い。
いうことがある)は、上記微生物を水1mlあたり10
6〜1010個、好ましくは107〜109個、の割合で
含んでなるものである。あるいは、フラボバクテリウム
・メニンゴセプティカムの培養液の上清を原液〜1,0
00倍、好ましくは原液〜100倍、に希釈してなるも
のであるか、または、培養液を遠心分離せずに原液〜1
0,000倍、好ましくは原液〜1,000倍、に希釈
してなるものである。微生物は単一の菌株であっても、
上記性質を有する複数の菌株であってもよい。本発明に
よる促進剤が微生物の培養物として適用される場合、菌
体を依然として含んだものとして適用されるのが好まし
い。
【0016】本発明において、フラボバクテリウム・メ
ニンゴセプティカムの培養物とは、菌株の培養懸濁液、
生菌、培養ろ液、またはその発芽・成長促進に有効な成
分の抽出液をいうものとする。
ニンゴセプティカムの培養物とは、菌株の培養懸濁液、
生菌、培養ろ液、またはその発芽・成長促進に有効な成
分の抽出液をいうものとする。
【0017】本発明による促進剤は、いわゆる担体を更
に含んでいてもよい。好ましい担体の例としては、所望
によりpH緩衝液を加えた水溶性溶媒、スキムミルクな
どの保護剤とともに凍結乾燥後タルクなどの助剤を加え
た粉末剤、顆粒剤、ならびにバーミキュライトなどの多
孔質体等が挙げられる。本発明による促進剤は、液体、
粉末、錠剤、シート等のいずれの形態をも採ることがで
きる。
に含んでいてもよい。好ましい担体の例としては、所望
によりpH緩衝液を加えた水溶性溶媒、スキムミルクな
どの保護剤とともに凍結乾燥後タルクなどの助剤を加え
た粉末剤、顆粒剤、ならびにバーミキュライトなどの多
孔質体等が挙げられる。本発明による促進剤は、液体、
粉末、錠剤、シート等のいずれの形態をも採ることがで
きる。
【0018】本発明による促進剤は、他の有効成分と組
み合わされて、植物の発芽および/または生育を促進す
る作用を併せ持つ農薬組成物とされてもよい。この場合
の農薬組成物は、本発明による促進剤の範囲に含まれる
ことはいうまでもない。他の有効成分は特に限定される
ものではないが、例えば、殺虫剤、除草剤、殺菌剤等が
挙げられる。また、本発明による促進剤は、土壌改良
剤、堆肥、肥料等と組み合わせた組成物とされてもよ
い。
み合わされて、植物の発芽および/または生育を促進す
る作用を併せ持つ農薬組成物とされてもよい。この場合
の農薬組成物は、本発明による促進剤の範囲に含まれる
ことはいうまでもない。他の有効成分は特に限定される
ものではないが、例えば、殺虫剤、除草剤、殺菌剤等が
挙げられる。また、本発明による促進剤は、土壌改良
剤、堆肥、肥料等と組み合わせた組成物とされてもよ
い。
【0019】本発明による促進剤が適用可能な植物とし
ては、農作物、特に野菜類が好適であり、例えば、ナス
科(タバコ、トマト等)、マメ科(ダイズ、アズキ
等)、ウリ科(スイカ、キュウリ等)、ジュウジバナ科
(ダイコン、キャベツ等)、およびアカザ科(ホウレン
ソウ等)の農作物等が挙げられる。
ては、農作物、特に野菜類が好適であり、例えば、ナス
科(タバコ、トマト等)、マメ科(ダイズ、アズキ
等)、ウリ科(スイカ、キュウリ等)、ジュウジバナ科
(ダイコン、キャベツ等)、およびアカザ科(ホウレン
ソウ等)の農作物等が挙げられる。
【0020】本発明による促進剤の種子への導入は、例
えば播種の前日〜播種直前に、該促進剤を種子に直接接
触させることにより行うことができる。また、播種また
は仮植前(例えば、播種前日〜播種直前)の土壌に混入
するか、播種後(例えば、播種直後〜3日後)に土壌に
潅注することによっても行うことができる。種子に直接
接触させる場合には種子1個あたり上記促進剤0.1〜
1mlを、播種前に土壌に混入する場合には種子1個あ
たり上記促進剤0.5〜1mlを、播種後に土壌に潅注
する場合には種子1個あたり上記促進剤0.5〜1ml
を、それぞれ適用するのが好ましい。
えば播種の前日〜播種直前に、該促進剤を種子に直接接
触させることにより行うことができる。また、播種また
は仮植前(例えば、播種前日〜播種直前)の土壌に混入
するか、播種後(例えば、播種直後〜3日後)に土壌に
潅注することによっても行うことができる。種子に直接
接触させる場合には種子1個あたり上記促進剤0.1〜
1mlを、播種前に土壌に混入する場合には種子1個あ
たり上記促進剤0.5〜1mlを、播種後に土壌に潅注
する場合には種子1個あたり上記促進剤0.5〜1ml
を、それぞれ適用するのが好ましい。
【0021】本発明による促進剤の根部への導入は、該
促進剤を土壌に散布または潅注したり、該促進剤中へ根
部を浸漬することによって容易に行うことができる。こ
の場合、苗1本あたり上記促進剤1〜2mlを適用する
のが好ましい。また、該促進剤を混和した土壌に植物を
移植することによっても行うことができる。この場合土
壌1gあたり0.02〜0.04mlとなるよう、移植
の前(例えば、移植前日〜移植直前)に上記促進剤を土
壌に混和することが好ましい。
促進剤を土壌に散布または潅注したり、該促進剤中へ根
部を浸漬することによって容易に行うことができる。こ
の場合、苗1本あたり上記促進剤1〜2mlを適用する
のが好ましい。また、該促進剤を混和した土壌に植物を
移植することによっても行うことができる。この場合土
壌1gあたり0.02〜0.04mlとなるよう、移植
の前(例えば、移植前日〜移植直前)に上記促進剤を土
壌に混和することが好ましい。
【0022】なお、本発明において「植物」とは、その
種類等が制限されず、例えば穀物,野菜,花き、果樹等
を含む全ての農作物およびこれらの収穫物が挙げられ
る。また、「植物」には苗も包含され、全ての有用植物
の苗が挙げられる。また、本発明において「種子」と
は、ジャガイモ等の塊根類にあってはその種芋等も包含
されるものとする。更にまた、「根部」とは、植物を栽
培した場合に土壌中あるいは水耕液中にあって水分や栄
養分の吸収を行う部分をいうものとする。
種類等が制限されず、例えば穀物,野菜,花き、果樹等
を含む全ての農作物およびこれらの収穫物が挙げられ
る。また、「植物」には苗も包含され、全ての有用植物
の苗が挙げられる。また、本発明において「種子」と
は、ジャガイモ等の塊根類にあってはその種芋等も包含
されるものとする。更にまた、「根部」とは、植物を栽
培した場合に土壌中あるいは水耕液中にあって水分や栄
養分の吸収を行う部分をいうものとする。
【0023】本発明の別の態様によれば、本発明による
植物の栽培促進剤を植物の種子もしくは根部またはその
近傍に存在させる工程を含んでなる植物の栽培促進方法
が提供される。植物の種子もしくは根部またはその近傍
に存在させる場合の適用量および適用時期は、上記記載
に準じて行うことができる。
植物の栽培促進剤を植物の種子もしくは根部またはその
近傍に存在させる工程を含んでなる植物の栽培促進方法
が提供される。植物の種子もしくは根部またはその近傍
に存在させる場合の適用量および適用時期は、上記記載
に準じて行うことができる。
【0024】
【実施例】本発明を以下の実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 植物の発芽および/または生育を促進する菌
株の選抜 まず、健全なタバコ根部を堀取り、ハサミで根部を切り
離し、付着している土壌を振り落とした。約1cmの長
さに切断した根を10mlの滅菌水中に入れ、ミキサー
で撹拌した。次いで、得られた懸濁液を1白金耳取り、
M523培地(シュークローズ 10.0g,カゼイン
酵素分解物 8.0g,イーストエクストラクト 4.
0g,リン酸二カリウム 2.0g,硫酸マグネシウム
・7水和物 0.3g,蒸留水 1,000ml,寒天
15.0g:Phytopathology (1970)vol.60:969-976
)またはキングB培地(プロテオースペプトンNo3 2
0g,リン酸二カリウム 1.5g,硫酸マグネシウム
1.5g,グリセリン 10ml,蒸留水 1,00
0ml:J. Lab. Clin. Med (1954)vol.44:301-307)上
に画線した。28℃で3日間培養した後、得られた単一
のコロニーを−80℃のフリーザーで保存した。このよ
うにして、根面に良く定着すると考えられる細菌株約
2,000株をタバコ根面または根圏から分離した。ま
た、分離にあたっては、コロニーの色が黄色〜オレンジ
色で、かつ不透明なコロニーを選択すればフラボバクテ
リウム・メニンゴセプティカムに属する細菌株である可
能性が高まる傾向にあった。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 植物の発芽および/または生育を促進する菌
株の選抜 まず、健全なタバコ根部を堀取り、ハサミで根部を切り
離し、付着している土壌を振り落とした。約1cmの長
さに切断した根を10mlの滅菌水中に入れ、ミキサー
で撹拌した。次いで、得られた懸濁液を1白金耳取り、
M523培地(シュークローズ 10.0g,カゼイン
酵素分解物 8.0g,イーストエクストラクト 4.
0g,リン酸二カリウム 2.0g,硫酸マグネシウム
・7水和物 0.3g,蒸留水 1,000ml,寒天
15.0g:Phytopathology (1970)vol.60:969-976
)またはキングB培地(プロテオースペプトンNo3 2
0g,リン酸二カリウム 1.5g,硫酸マグネシウム
1.5g,グリセリン 10ml,蒸留水 1,00
0ml:J. Lab. Clin. Med (1954)vol.44:301-307)上
に画線した。28℃で3日間培養した後、得られた単一
のコロニーを−80℃のフリーザーで保存した。このよ
うにして、根面に良く定着すると考えられる細菌株約
2,000株をタバコ根面または根圏から分離した。ま
た、分離にあたっては、コロニーの色が黄色〜オレンジ
色で、かつ不透明なコロニーを選択すればフラボバクテ
リウム・メニンゴセプティカムに属する細菌株である可
能性が高まる傾向にあった。
【0025】次に、得られた約2,000の細菌株から
植物の発芽および/または成育を促進する菌株の選抜を
行った。選抜試験には、30cm×30cmの大きさで
36穴のビニールポット(ミネロン化成工業株式会社
製、商品名:移植鉢)を使用した。1穴あたりの大きさ
は、4cm×4cm、深さ5cmであった(以下、これ
を「ビニポット」という)。タバコ(品種名:BY4)
のコーティング種子を供試し、バーミキュライトを入れ
たビニポットに1穴あたり5粒づつ播種した。コーティ
ングは、特公昭47−031122号または特開昭48
−013110号に記載の方法に従って行った。細菌株
をキングB液体培地を用いて28℃、120rpmで2
日間培養した後、培養液をコーティング種子に1個あた
り0.1mlづつ落下して潅注することにより種子の近
傍に導入した。対照区には同量の水を処理した。その
後、20℃に設定した温室内に置き、2週間後にタバコ
の生育について調査し、有用な菌株を選抜した。その選
択にあたり、有用か否かは次の2つの基準によった。 対照区に比べて種子の発芽が均一して早く、発芽率が
高いこと。 対照区に比べて発芽後の生育が均一して旺盛で、生育
異常株または枯死株がないこと。
植物の発芽および/または成育を促進する菌株の選抜を
行った。選抜試験には、30cm×30cmの大きさで
36穴のビニールポット(ミネロン化成工業株式会社
製、商品名:移植鉢)を使用した。1穴あたりの大きさ
は、4cm×4cm、深さ5cmであった(以下、これ
を「ビニポット」という)。タバコ(品種名:BY4)
のコーティング種子を供試し、バーミキュライトを入れ
たビニポットに1穴あたり5粒づつ播種した。コーティ
ングは、特公昭47−031122号または特開昭48
−013110号に記載の方法に従って行った。細菌株
をキングB液体培地を用いて28℃、120rpmで2
日間培養した後、培養液をコーティング種子に1個あた
り0.1mlづつ落下して潅注することにより種子の近
傍に導入した。対照区には同量の水を処理した。その
後、20℃に設定した温室内に置き、2週間後にタバコ
の生育について調査し、有用な菌株を選抜した。その選
択にあたり、有用か否かは次の2つの基準によった。 対照区に比べて種子の発芽が均一して早く、発芽率が
高いこと。 対照区に比べて発芽後の生育が均一して旺盛で、生育
異常株または枯死株がないこと。
【0026】同様にしてキャベツ(品種名:照々丸)お
よびホウレンソウ(品種名:風太郎)のコーティング種
子をそれぞれ供試し、有用な菌株をさらに選抜した。選
抜基準はタバコの場合と同様の基準に従った。こうして
得られた有用菌株の中には、フラボバクテリウム・メニ
ンゴセプティカムに属する細菌株が多数認められた。菌
株の同定は、Bergey's Manual of Systematic Bacterio
logy volume 1 (1984)を参考にして行った。
よびホウレンソウ(品種名:風太郎)のコーティング種
子をそれぞれ供試し、有用な菌株をさらに選抜した。選
抜基準はタバコの場合と同様の基準に従った。こうして
得られた有用菌株の中には、フラボバクテリウム・メニ
ンゴセプティカムに属する細菌株が多数認められた。菌
株の同定は、Bergey's Manual of Systematic Bacterio
logy volume 1 (1984)を参考にして行った。
【0027】実施例2 H3681菌株の同定 実施例1に記載の方法に従って、福島県西白河郡泉崎村
のタバコ(品種名:みちのく1号)の根部からM523
培地によって一菌株を分離した。この菌株をH3681
菌株と命名した。H3681菌株の細菌学的性質は第1
表に示される通りであった。
のタバコ(品種名:みちのく1号)の根部からM523
培地によって一菌株を分離した。この菌株をH3681
菌株と命名した。H3681菌株の細菌学的性質は第1
表に示される通りであった。
【0028】
【表1】
【0029】また、H3681菌株の固形培地表面の集
落の形態は第2表に示される通りであった。
落の形態は第2表に示される通りであった。
【0030】
【表2】
【0031】H3681菌株は、以上の性質より、Berg
ey's Manual of Systematic Bacteriology volume 1 (1
984)を参考にして同定したところフラボバクテリウム・
メニンゴセプティカムに属する細菌株と判断された。
ey's Manual of Systematic Bacteriology volume 1 (1
984)を参考にして同定したところフラボバクテリウム・
メニンゴセプティカムに属する細菌株と判断された。
【0032】実施例3 H3681菌株によるタバコの
生育促進 H3681株をキングB液体培地を用いて25℃、72
時間で振とう培養(120rpm)したのち、遠心(1
0,000×g,15分)して集菌し、菌体と培養液上
清に分離した。菌体は滅菌水中に109/mlの濃度で
懸濁した。上清は原液を用いた。ビニポットに育苗用肥
土を詰め、これにタバコ(品種名:BY4号、6葉期
苗)を1本仮植した直後、上記の方法で得られた菌体水
懸濁液またはその培養液上清を苗1本あたり2mlずつ
タバコの株元の周りに落下させて潅注した。無処理区に
は,蒸留水またはキングB液体培地を同様の方法で潅注
した。その後22℃の温室に置き、土壌表面が乾かない
程度に潅水した。1区あたり苗12本を供試した。20
日後に12本の苗全部をハサミで地際部から切断後合わ
せて計量し、その値を12で割って地上部平均生重とし
た。根部平均生重は、残った地下部をていねいに堀取り
水洗し、ペーパータオルで余分な水分をとった後、12
本合わせて計量して算出した。結果は第3表に示される
通りであった。
生育促進 H3681株をキングB液体培地を用いて25℃、72
時間で振とう培養(120rpm)したのち、遠心(1
0,000×g,15分)して集菌し、菌体と培養液上
清に分離した。菌体は滅菌水中に109/mlの濃度で
懸濁した。上清は原液を用いた。ビニポットに育苗用肥
土を詰め、これにタバコ(品種名:BY4号、6葉期
苗)を1本仮植した直後、上記の方法で得られた菌体水
懸濁液またはその培養液上清を苗1本あたり2mlずつ
タバコの株元の周りに落下させて潅注した。無処理区に
は,蒸留水またはキングB液体培地を同様の方法で潅注
した。その後22℃の温室に置き、土壌表面が乾かない
程度に潅水した。1区あたり苗12本を供試した。20
日後に12本の苗全部をハサミで地際部から切断後合わ
せて計量し、その値を12で割って地上部平均生重とし
た。根部平均生重は、残った地下部をていねいに堀取り
水洗し、ペーパータオルで余分な水分をとった後、12
本合わせて計量して算出した。結果は第3表に示される
通りであった。
【0033】
【表3】
【0034】無処理区(水)ではタバコの生育がやや不
斉一で、生育が遅く、葉色も淡い傾向が見られた。一
方、菌体処理区では、いずれも生育が良好で葉色も濃
く、移植に適した大きさに達し、無処理区(水)と比較
した場合、地上部で97%、地下部で56%生重の増加
が認められた。また、培養液上清処理区についても無処
理区(キングB液体培地)と比較した場合、地上部で9
%、地下部で4%の生重が増加した。
斉一で、生育が遅く、葉色も淡い傾向が見られた。一
方、菌体処理区では、いずれも生育が良好で葉色も濃
く、移植に適した大きさに達し、無処理区(水)と比較
した場合、地上部で97%、地下部で56%生重の増加
が認められた。また、培養液上清処理区についても無処
理区(キングB液体培地)と比較した場合、地上部で9
%、地下部で4%の生重が増加した。
【0035】実施例4 H3681によるキャベツの生
育促進 ビニポットにバーミキュライトを詰め、これにキャベツ
種子(品種名:照々丸)を10粒播種した直後、実施例
3と同様のH3681菌株の菌体水懸濁液または培養液
上清を種子1個あたり1mlずつそれぞれ潅注した。無
処理区には、蒸留水またはキングB液体培地を同様の方
法で潅注した。その後22℃の温室に置き、表面が乾か
ない程度に潅水した。14日後に発芽した苗をすべて、
ていねいに堀取り水洗し、ペーパータオルで余分な水分
をとったのち、全部合わせて計量し、その値を発芽本数
で割って平均生重を算出した。なお、処理区間の発芽率
は、大差がなかった。結果は第4表に示されるとおりで
あった。
育促進 ビニポットにバーミキュライトを詰め、これにキャベツ
種子(品種名:照々丸)を10粒播種した直後、実施例
3と同様のH3681菌株の菌体水懸濁液または培養液
上清を種子1個あたり1mlずつそれぞれ潅注した。無
処理区には、蒸留水またはキングB液体培地を同様の方
法で潅注した。その後22℃の温室に置き、表面が乾か
ない程度に潅水した。14日後に発芽した苗をすべて、
ていねいに堀取り水洗し、ペーパータオルで余分な水分
をとったのち、全部合わせて計量し、その値を発芽本数
で割って平均生重を算出した。なお、処理区間の発芽率
は、大差がなかった。結果は第4表に示されるとおりで
あった。
【0036】
【表4】
【0037】無処理区では、生育が不斉一で遅延も見ら
れたが、菌体処理区では植物体の生育が良好で葉色が濃
く、その生重量は無処理区(水)に比較して46%増加
した。また、培養液上清処理区についても菌体処理区と
同様に良好な生育を示し、生重量は無処理区(キングB
液体培地)と比較して25%増加した。
れたが、菌体処理区では植物体の生育が良好で葉色が濃
く、その生重量は無処理区(水)に比較して46%増加
した。また、培養液上清処理区についても菌体処理区と
同様に良好な生育を示し、生重量は無処理区(キングB
液体培地)と比較して25%増加した。
【0038】実施例5 H3712菌株の同定 実施例1に記載の方法に従って、福島県西白河郡泉崎村
のタバコ(品種名:みちのく1号)の根部からM523
培地によって一菌株を分離した。この菌株をH3712
菌株と命名した。H3712菌株の細菌学的性質は第5
表に示されるとおりであった。
のタバコ(品種名:みちのく1号)の根部からM523
培地によって一菌株を分離した。この菌株をH3712
菌株と命名した。H3712菌株の細菌学的性質は第5
表に示されるとおりであった。
【0039】
【表5】
【0040】また、H3712菌株の固形培地表面の集
落の形態は第6表に示される通りであった。
落の形態は第6表に示される通りであった。
【0041】
【表6】
【0042】H3712菌株は、以上の性質より、Berg
ey's Manual of Systematic Bacteriology volume 1 (1
984)を参考にして同定したところフラボバクテリウム・
メニンゴセプティカムに属する細菌株と判断された。
ey's Manual of Systematic Bacteriology volume 1 (1
984)を参考にして同定したところフラボバクテリウム・
メニンゴセプティカムに属する細菌株と判断された。
【0043】実施例6 H3712菌株によるタバコの
生育促進 H3712株をキングB液体培地を用いて25℃、72
時間で振とう培養(120rpm)したのち、遠心(1
0,000×g,15分)して集菌し、菌体と培養液上
清に分離した。菌体は滅菌水中に109/mlの濃度で
懸濁した。上清は原液を用いた。ビニポットに育苗用肥
土を詰め、これにタバコ(品種名:BY4号、6葉期
苗)を仮植した直後、上記の方法で得られた菌体の水懸
濁液またはその培養液上清を苗1本あたり2mlずつタ
バコの株元の周りに落下させて潅注した。無処理区に
は、蒸留水またはキングB液体培地を同様の方法で潅注
した。その後22℃の温室に置き、土壌表面が乾かない
程度に潅水した。1区あたり苗12本を供試した。20
日後に12本の苗全部をハサミで地際部から切断後合わ
せて計量し、その値を12で割って地上部平均生重とし
た。根部平均生重は、残った地下部をていねいに堀取り
水洗し、ペーパータオルで余分な水分をとったのち、1
2本合わせて計量して算出した。結果は第7表に示され
るとおりであった。
生育促進 H3712株をキングB液体培地を用いて25℃、72
時間で振とう培養(120rpm)したのち、遠心(1
0,000×g,15分)して集菌し、菌体と培養液上
清に分離した。菌体は滅菌水中に109/mlの濃度で
懸濁した。上清は原液を用いた。ビニポットに育苗用肥
土を詰め、これにタバコ(品種名:BY4号、6葉期
苗)を仮植した直後、上記の方法で得られた菌体の水懸
濁液またはその培養液上清を苗1本あたり2mlずつタ
バコの株元の周りに落下させて潅注した。無処理区に
は、蒸留水またはキングB液体培地を同様の方法で潅注
した。その後22℃の温室に置き、土壌表面が乾かない
程度に潅水した。1区あたり苗12本を供試した。20
日後に12本の苗全部をハサミで地際部から切断後合わ
せて計量し、その値を12で割って地上部平均生重とし
た。根部平均生重は、残った地下部をていねいに堀取り
水洗し、ペーパータオルで余分な水分をとったのち、1
2本合わせて計量して算出した。結果は第7表に示され
るとおりであった。
【0044】
【表7】
【0045】無処理区(水)ではタバコの生育がやや不
斉一で、葉色も淡い傾向が見られた。一方、菌体処理区
では、生育が良好で葉色も濃く、移植に適した大きさに
達し、無処理区(水)と比較した場合、地上部で71
%、地下部で59%の生重の増加が認められた。また、
培養液上清処理区についても無処理区(キングB液体培
地)と比較した場合、地上部で7%、地下部で5%生重
が増加した。
斉一で、葉色も淡い傾向が見られた。一方、菌体処理区
では、生育が良好で葉色も濃く、移植に適した大きさに
達し、無処理区(水)と比較した場合、地上部で71
%、地下部で59%の生重の増加が認められた。また、
培養液上清処理区についても無処理区(キングB液体培
地)と比較した場合、地上部で7%、地下部で5%生重
が増加した。
【0046】実施例7 H3712菌株によるキャベツ
の生育促進 ビニポットにバーミキュライトを詰め、これにキャベツ
種子(品種名:照々丸)を10粒播種した直後、実施例
6と同様の方法で得られたH3712菌株の菌体水懸濁
液または培養液上清を種子1個あたり1mlずつそれぞ
れ潅注した。無処理区には、蒸留水またはキングB液体
培地を同様の方法で潅注した。その後22℃の温室に置
き、表面が乾かない程度に潅水した。14日後に発芽し
た苗をすべて、ていねいに堀取り水洗し、ペーパータオ
ルで余分な水分をとったのち、全部合わせて計量し、そ
の値を発芽本数で割って平均生重を算出した。なお、処
理区間の発芽率には大差がなかった。結果は第8表に示
されるとおりであった。
の生育促進 ビニポットにバーミキュライトを詰め、これにキャベツ
種子(品種名:照々丸)を10粒播種した直後、実施例
6と同様の方法で得られたH3712菌株の菌体水懸濁
液または培養液上清を種子1個あたり1mlずつそれぞ
れ潅注した。無処理区には、蒸留水またはキングB液体
培地を同様の方法で潅注した。その後22℃の温室に置
き、表面が乾かない程度に潅水した。14日後に発芽し
た苗をすべて、ていねいに堀取り水洗し、ペーパータオ
ルで余分な水分をとったのち、全部合わせて計量し、そ
の値を発芽本数で割って平均生重を算出した。なお、処
理区間の発芽率には大差がなかった。結果は第8表に示
されるとおりであった。
【0047】
【表8】
【0048】無処理区では、生育が不斉一で遅延する傾
向を示した。一方、菌体処理区では生育が良好となり、
葉色が濃く、その生重量は無処理区(水)に比較して6
2%増加した。また、培養液上清処理区についても菌体
処理区と同様に良好な生育を示し、生重量は無処理区
(キングB液体培地)に比べて19%増加した。
向を示した。一方、菌体処理区では生育が良好となり、
葉色が濃く、その生重量は無処理区(水)に比較して6
2%増加した。また、培養液上清処理区についても菌体
処理区と同様に良好な生育を示し、生重量は無処理区
(キングB液体培地)に比べて19%増加した。
【0049】実施例8 H3712菌株によるホウレン
ソウの生育促進 ビニポットにバーミキュライトを詰め、これにホウレン
ソウ種子(品種名:風太郎)を10粒播種した直後、実
施例6と同様の方法で得たH3712菌株の菌体水懸濁
液を種子1個あたり1mlずつ潅注した。無処理区に
は、蒸留水を同様の方法で潅注した。その後22℃の温
室に置き、表面が乾かない程度に潅水し、10日後、1
4日後に健全株数、生育異常株数、枯死株数、未発芽種
子数をそれぞれ調査した。結果は第9表に示される通り
であった。
ソウの生育促進 ビニポットにバーミキュライトを詰め、これにホウレン
ソウ種子(品種名:風太郎)を10粒播種した直後、実
施例6と同様の方法で得たH3712菌株の菌体水懸濁
液を種子1個あたり1mlずつ潅注した。無処理区に
は、蒸留水を同様の方法で潅注した。その後22℃の温
室に置き、表面が乾かない程度に潅水し、10日後、1
4日後に健全株数、生育異常株数、枯死株数、未発芽種
子数をそれぞれ調査した。結果は第9表に示される通り
であった。
【0050】
【表9】
【0051】無処理区では、発芽率は菌体懸濁液処理区
と大差がなかったが、生育異常株や枯死株が多く見ら
れ、健全株も生育が遅延し、不斉一であった。さらに、
発芽後の生育が異常となり、やがて枯死に至る場合も見
られた。一方、菌体懸濁液処理区では生育異常株や枯死
株はほとんど見られず、健全株の生育も旺盛であり、そ
の葉色も濃い傾向が見られた。
と大差がなかったが、生育異常株や枯死株が多く見ら
れ、健全株も生育が遅延し、不斉一であった。さらに、
発芽後の生育が異常となり、やがて枯死に至る場合も見
られた。一方、菌体懸濁液処理区では生育異常株や枯死
株はほとんど見られず、健全株の生育も旺盛であり、そ
の葉色も濃い傾向が見られた。
Claims (5)
- 【請求項1】植物の種子もしくは根部またはその近傍に
存在させることで植物の発芽および/または生育を促進
する性質を有するフラボバクテリウム属に属する微生物
および/またはその培養物を含んでなる、植物の栽培促
進剤。 - 【請求項2】フラボバクテリウム属に属する微生物がフ
ラボバクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacte
rium meningosepticum )である、請求項1記載の植物
の栽培促進剤。 - 【請求項3】フラボバクテリウム属に属する微生物がフ
ラボバクテリウム・メニンゴセプティカムH3681菌
株である、請求項1記載の植物の栽培促進剤。 - 【請求項4】フラボバクテリウム属に属する微生物がフ
ラボバクテリウム・メニンゴセプティカムH3712菌
株である、請求項1記載の植物の栽培促進剤。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一項に記載の植物
の栽培促進剤を、植物の種子もしくは根部またはその近
傍に存在させる工程を含んでなる、植物の栽培促進方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7317998A JPH09157122A (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 植物の栽培促進剤およびそれを用いた植物の栽培促進方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7317998A JPH09157122A (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 植物の栽培促進剤およびそれを用いた植物の栽培促進方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09157122A true JPH09157122A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18094350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7317998A Withdrawn JPH09157122A (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 植物の栽培促進剤およびそれを用いた植物の栽培促進方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09157122A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8383390B2 (en) | 2008-05-29 | 2013-02-26 | Japan Tobacco Inc. | Bacteria that reduce content of heavy metals in plant |
CN116790426A (zh) * | 2023-06-16 | 2023-09-22 | 西南大学 | 一株减少植物磷肥施用的黄杆菌菌株及其应用 |
-
1995
- 1995-12-06 JP JP7317998A patent/JPH09157122A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8383390B2 (en) | 2008-05-29 | 2013-02-26 | Japan Tobacco Inc. | Bacteria that reduce content of heavy metals in plant |
CN116790426A (zh) * | 2023-06-16 | 2023-09-22 | 西南大学 | 一株减少植物磷肥施用的黄杆菌菌株及其应用 |
CN116790426B (zh) * | 2023-06-16 | 2024-02-13 | 西南大学 | 一株减少植物磷肥施用的黄杆菌菌株及其应用 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20040325 |