JPH09156812A - 用紙の搬送方向切り換え爪 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙の搬送方向切り換え時の搬送信頼性を高
めることができる用紙の搬送方向切り換え爪を提供す
る。 【解決手段】 用紙の搬送方向を切り換える切り換え爪
４を、固定部４ａと揺動部４ｂとからなる構成とし、用
紙搬送途中で急にモードが切り換わり、切り換え爪４と
ガイド板の間に用紙が挟まれたとき、揺動部４ｂが退避
することによって用紙をスムーズに搬送できるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、用紙の搬送路にお
いて、用紙の搬送方向を切り換える切り換え爪の構造に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図１４ないし図１６は従来の切り換え爪
による不具合を示す動作工程図である。

【０００３】これらの図に示す用紙搬送路は複写機の内
部を示している。

【０００４】用紙搬送路は、図示しない画像形成部で画
像形成された用紙を導く第１の用紙搬送路１と、この第
１の用紙搬送路１から略直角に分岐する第２の用紙搬送
路（反転搬送路）２と、第３の用紙搬送路（非反転搬送
路）３とから構成されており、切り換え爪４はその分岐
部に配置されている。この切り換え爪４は支軸５を中心
にして揺動可能となっている。

【０００５】分岐部、第２の用紙搬送路２、第３の用紙
搬送路３にはそれぞれ搬送ローラ６，７，８が設けてあ
り、また第２の用紙搬送路２には搬送ローラ７と接離す
る接離コロ９が設けてある。

【０００６】このような構成において用紙Ｐを反転させ
る場合は、図１４に示すように、切り換え爪４を時計回
り方向に揺動させて第３の用紙搬送路３を塞ぎ、用紙を
第２の搬送路２に向かわせる。用紙Ｐの後端が切り換え
爪４の先端を抜けた後、図１５に示すように、接離コロ
９が搬送ローラ７に当接し、用紙Ｐは今までの用紙後端
を今度は先頭にして第３の用紙搬送路３に搬送される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、複数の用紙
が反転モードで搬送中に、非反転モードで搬送されるべ
き用紙が搬送されてきたときに、切り換え爪４は、図１
６に示すように、反時計回り方向に揺動し、第３の用紙
搬送路３を開くが、この際、Ａ点において、用紙Ｐを切
り換え爪４の一部でガイド板に押し付けてしまう。従っ
て、反転搬送中の用紙Ｐに傷を付けたり、さらには用紙
搬送不良を引き起こし、ジャムの原因となる。

【０００８】また、上記のモードにおいて、反転搬送さ
れた用紙Ｐが切り換え爪４の周辺を通過後に、切り換え
爪４を回転させて搬送経路を切り換えると、用紙Ｐを手
前で一時待機させなければならず、システムでの画像生
産性が低下する。

【０００９】本発明の目的は、用紙の搬送方向切り換え
時の搬送信頼性を高めることができる用紙の搬送方向切
り換え爪を提供することにある。

【００１０】本発明の第１の目的は、切り換え爪と用紙
搬送路の壁面（ガイド板）の間に用紙が挟まれても、揺
動部が退避することで用紙の破損とジャムを防止するこ
とができ、また反転モード中に、割り込み等による非反
転モードの用紙を受け入れることが可能であり、生産性
の低下を防止することができる用紙の搬送方向切り換え
爪を提供することにある。

【００１１】本発明の第２の目的は、揺動部で用紙を押
圧することができて、切り換え爪と搬送ローラが交互に
配置されている形式の装置に適用することができる用紙
の搬送方向切り換え爪を提供することにある。

【００１２】本発明の第３の目的は、揺動部が固定部に
対してずれた位置にあっても、元に戻すための特別な構
成を必要とせずに、非常に簡素な構成となり、コスト的
にも安価である用紙の搬送方向切り換え爪を提供するこ
とにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記第１の目的は、用紙
の搬送路の分岐部に配置され、回転する支軸と共に揺動
することによって用紙の搬送方向を切り換える切り換え
爪において、支軸に固定された固定部と、この固定部に
対して揺動可能な揺動部とを備えた第１の手段により達
成される。

【００１４】上記第２の目的は、また第１の手段におい
て、固定部と揺動部のそれぞれに、互いに力を及ぼし合
うための当接部を設けた第２の手段により達成される。

【００１５】上記第３の目的は、また第１の手段におい
て、揺動部は自己潤滑性を持つ材質で構成されている第
３の手段により達成される。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明は、用紙の搬送方向を切り
換える切り換え爪を、固定部と揺動部とからなる構成と
し、用紙搬送途中で急にモードが切り換わり、切り換え
爪とガイド板の間に用紙が挟まれたとき、揺動部が退避
することによって用紙をスムーズに搬送できるようにし
たものである。

【００１７】以下、本発明の実施の形態を説明する。な
お、従来例と同一個所には同一符号を付して重複する説
明は省略する。

【００１８】図１は本発明の一実施の形態に係る切り換
え爪を有する用紙搬送路の構成図、図２は本発明の一実
施の形態に係る切り換え爪の斜視図、図３は同、固定部
の斜視図、図４は同、揺動部の斜視図、図５は固定部の
正面図、図６は揺動部の正面図、図７は切り換え爪の正
面図である。

【００１９】図１４ないし図１６に示す従来例と同様、
切り換え爪４は、第１、第２、第３の用紙搬送路１，
２，３の分岐部に配置されている。本発明の切り換え爪
４は固定部４ａと揺動部４ｂとから構成されている。

【００２０】固定部４ａは支軸５に固定されている。ま
た揺動部４ｂは固定部４ａの両側部外方から固定部４ａ
に嵌合されており、支軸５及び固定部４ａに対して揺動
もしくは回転可能になっている。

【００２１】図５、図６に示すように、固定部４ａと揺
動部４ｂにはそれぞれ、平坦状の当接面１０，１１が図
において左側に形成されており、これによって揺動部４
ｂは固定部４ａに対してその揺動範囲が規制されるよう
になっている。

【００２２】従って、図７に示すように、揺動部４ｂが
矢印Ｂ方向に力を受けたとき、あるいは支軸５が矢印Ｃ
方向にトルクを受けたとき、切り換え爪４全体がその方
向に力またはトルクを受ける。

【００２３】次に、実施の形態の動作について説明す
る。図８ないし図１１は本発明の切り換え爪の動作を示
す工程図である。

【００２４】用紙の反転モード時は、図１４、図１５で
説明したように、用紙Ｐ１は、搬送ローラ７と接離コロ
９によって第２の用紙搬送路２から第３の用紙搬送路３
に搬送され、搬送ローラ８によってさらに下流側に搬送
される（図８参照）。

【００２５】この反転モード時に、１枚だけ非反転モー
ドの割り込みが発生すると、図９に示すように、切り換
え爪４は、反時計回り方向に回動し、第１の用紙搬送路
１と第３の用紙搬送路３を連通するが、このとき従来の
切り換え爪４であると、図中の点線部が反転された用紙
Ｐ１を押し付けてしまう。しかし、本発明の切り換え爪
４は、固定部４ａと揺動部４ｂに分かれており、揺動部
４ｂが回転して退避する。

【００２６】従って、用紙Ｐ１はスムーズに第３の用紙
搬送路３に搬送され、一方、次の用紙（割り込み用紙）
Ｐ２はそのまま第３の用紙搬送路３に搬送される。

【００２７】次に、再び反転モードに戻ると、図１０に
示すように、切り換え爪４は、時計回り方向に揺動し、
第２の用紙搬送路２に次に反転される用紙Ｐ３を案内す
る。このとき、揺動部４ｂは固定部４ａに対して時計回
り方向に揺動した状態となっているが、図１１に示すよ
うに、用紙Ｐ３の先端で押されて元の状態に戻る。

【００２８】なお、揺動部４ｂの材質としては、ＰＯ
Ｍ，ＰＣ等が適切であり、支軸５に対して適切な嵌め合
いを行うことができる。

【００２９】このような用紙搬送路は、片面画像時に、
コピー時にはヘェイスアップ、プリンタ時にはフェイス
ダウン（即ち、用紙を反転）させて、排出する複合複写
機、またはそれに装着されるソータ、フィニッシャ等の
後処理装置に実装される。

【００３０】本発明においては、反転モード中に、割り
込み等による非反転モードの用紙を受け入れることが可
能であり、生産性の低下を防止することができる。

【００３１】図１２、図１３は切り換え爪及び搬送ロー
ラの駆動系の一例を示す斜視図である。図１２、図１３
に示すように、切り換え爪４の端部に、ブラケット２
１、ソレノイド２２、引張スプリング２３等が組み付け
られ、また切り換え爪４と搬送ローラ６が交互に配置さ
れている場合には、用紙を第２の用紙搬送路２に搬送す
るときに、切り換え爪４が用紙を搬送ローラ６に押し付
け、用紙と搬送ローラ６の摩擦によって用紙搬送が行わ
れる。従って、引張スプリング２３がブラケット２１を
引くことによって固定部４ａは揺動部４ｂを押して、そ
の揺動部４ｂが用紙Ｐを押すことが可能となり、切り換
え爪４が２部品に分かれていても、搬送力を生じること
が可能となる。

【００３２】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、切り換え
爪と用紙搬送路の壁面（ガイド板）の間に用紙が挟まれ
ても、揺動部が退避することで用紙の破損とジャムを防
止することができる。また反転モード中に、割り込み等
による非反転モードの用紙を受け入れることが可能であ
り、生産性の低下を防止することができる。

【００３３】請求項２記載の発明によれば、揺動部で用
紙を押圧することができるので、切り換え爪と搬送ロー
ラが交互に配置されている形式の装置に適用することが
できる。

【００３４】請求項３記載の発明によれば、揺動部が固
定部に対してずれた位置にあっても、元に戻すための特
別な構成を必要としない。そのため、非常に簡素な構成
となり、コスト的にも安価である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る切り換え爪を有す
る用紙搬送路の構成図である。

【図２】本発明の一実施の形態に係る切り換え爪の斜視
図である。

【図３】同、固定部の斜視図である。

【図４】同、揺動部の斜視図である。

【図５】固定部の正面図である。

【図６】揺動部の正面図である。

【図７】切り換え爪の正面図である。

【図８】本発明の切り換え爪の動作を示す工程図であ
る。

【図９】本発明の切り換え爪の動作を示す工程図であ
る。

【図１０】本発明の切り換え爪の動作を示す工程図であ
る。

【図１１】本発明の切り換え爪の動作を示す工程図であ
る。

【図１２】切り換え爪及び搬送ローラの駆動系の一例を
示す斜視図である。

【図１３】切り換え爪及び搬送ローラの駆動系の一例を
示す斜視図である。

【図１４】従来の切り換え爪の動作工程図である。

【図１５】従来の切り換え爪の動作工程図である。

【図１６】従来の切り換え爪の動作工程図である。

【符号の説明】

４ 切り換え爪 ４ａ 固定部 ４ｂ 揺動部 ５ 支軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙の搬送路の分岐部に配置され、回転
   する支軸と共に揺動することによって用紙の搬送方向を
   切り換える切り換え爪において、 支軸に固定された固定部と、この固定部に対して揺動可
   能な揺動部とを備えたことを特徴とする用紙の搬送方向
   切り換え爪。
2. 【請求項２】 請求項１記載において、前記固定部と揺
   動部のそれぞれに、互いに力を及ぼし合うための当接部
   を設けたことを特徴とする用紙の搬送方向切り換え爪。
3. 【請求項３】 請求項１記載において、前記揺動部は自
   己潤滑性を持つ材質で構成されていることを特徴とする
   用紙の搬送方向切り換え爪。