JPH09155875A - 樹脂導光板成形用金型及び該金型を用いた樹脂導光板の成形法 - Google Patents

樹脂導光板成形用金型及び該金型を用いた樹脂導光板の成形法

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JPH09155875A
JPH09155875A JP7337673A JP33767395A JPH09155875A JP H09155875 A JPH09155875 A JP H09155875A JP 7337673 A JP7337673 A JP 7337673A JP 33767395 A JP33767395 A JP 33767395A JP H09155875 A JPH09155875 A JP H09155875A
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mold
guide plate
light guide
molding
resin
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Tokuji Ogawa
徳治 小川
Hiroshi Kataoka
紘 片岡
Nobuyuki Hosonuma
信行 細沼
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂導光板を射出成形する方法において、金
型表面の微細な凹凸形状の転写性を向上させ、従来品よ
り輝度及び光均斉度の高い導光板を、能率良く成形する
金型及び該金型を用いた樹脂導光板の成形法を提案す
る。 【解決手段】 片面に光散乱部を形成する導光板を射出
成形する金型において、金型の型表面を構成する型の一
面に、凹凸状に粗面化されたパターン表面を有する金属
板、及び該金属板の裏側に耐熱性重合体である断熱層か
ら成る層構造を設けることを特徴とする樹脂導光板成形
用金型及び該金型を用いた樹脂導光板の成形法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置のバ
ックライトや看板、避難誘導灯などに使用される面光源
用樹脂導光板成型用金型及び該金型を用いた成形法に関
し、更に詳しくは、樹脂導光板の光散乱部を形成する金
型表面の微細な凹凸形状の転写を均一にする金型及び該
金型を用いた樹脂導光板の成形法を提案するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】導光板を用いた面光源装置は、薄肉且つ
軽量であるため、ワードプロセッサーやパーソナルコン
ピュター等のOA(オフィスオートメーション)機器、
或いは画像信号の各種モニター等に用いられる液晶表示
装置のバックライトや発光看板、装飾性を高めた薄型の
避難誘導灯などに使用されている。この面光源装置の断
面を示す模式図は、一般に図1に示すような構成となっ
ており、は導光板、は光散乱部、は反射シート、
は拡散シートは光源、は光入射面、光出射面で
ある。
【0003】この導光板の光散乱部は、導光板の片面に
微細な凹凸形状のシボパターンが形成されて光散乱を起
こし、光出射面全体が均一に光るように工夫されてい
る。例えば、光源の近くでは小さく、光源から遠く離れ
るほど大きくなるようにシボパターンが形成され、光源
から遠ざかるにつれて光散乱量が増大する。また、光散
乱部の配置、例えば形状や大きさの変化の仕方は、光出
射面積や導光板の厚みによってそれぞれ変わってくる。
このような面光源装置に関する技術としては、例えば特
開平4ー52286号公報、特開平4ー162002号
公報、特開平7ー104296号公報、特開平7−15
9622号公報、特開平7−159623号公報などに
開示されている。
【0004】特開平4ー52286号公報はフォトエッ
チングにより金型キャビティ部へ所望するパターンを形
成する加工技術に関し、特開平4ー162002号公報
は光反射層側表面に凹凸部の光散乱部を形成する導光板
を金型により一体成型する技術に関し、特開平7−15
9622号公報は楔形導光板のドットパターンや溝加工
を定量的に施す技術に関し、特開平7−159623号
公報は導光板用の金型で凹部を多数形成したベース板の
該表面形状を転写した部材を金型の部品に用いることが
開示されている。いずれも導光板の反射面に多数の凹凸
状パターンや凹溝加工を形成する導光板に関するもので
あり、これらは、適当な金型を用いて射出成形法で製造
すれば簡便に安価で多量に生産が可能である。
【0005】最近の液晶表示装置は、薄肉、軽量化、省
電力化、高精細化の方向にあり、更なる面光源装置の高
輝度化が要求されている。射出成形による方法では、金
型表面の凹凸形状転写性が導光板の輝度に大きく影響す
る。特開平7ー164496号公報には、射出成形によ
る偏肉成型品の製造方法として、金型キャビティ内に樹
脂を高速充填して保圧に切り替えた後、保圧を段階的に
昇圧させ成型品の変形を防止すると共に、金型表面形状
の転写を均一にする方法が提案されている。
【0006】従来、射出成形による金型表面の形状形態
の付与再現性を良くするには、樹脂温度を高くしたり、
射出圧力を高くする或いは保圧力を高くする等の成形条
件を選ぶことによりある程度達成できるが、射出圧力や
保圧力を高めることは、成型品の内部残留応力が大きく
なったり、冷却ムラによる離型時の不均一な離型で転写
ムラが生じ易い。これらの要因の中で金型表面形状の転
写に最も大きな影響があるのは金型温度であり、金型温
度を高くする程好ましい。しかし、金型温度を高くする
と、可塑化された樹脂の冷却固化に必要な冷却時間が長
くなり成形能率が下がる。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】上記に挙げた他にも面
光源装置に関する発明は多数あるが、本発明のように射
出成形法で金型面の光散乱部の凹凸形状を再現性良く樹
脂導光板に転写し、導光板の光出射面における輝度を高
く且つ均一にした高均斉度の導光板を成形するための具
体的技術については開示されていない。射出成形は、複
雑な形状の成型品が一度の成形で得られることに最大の
長所があり、この長所を保持しつつ金型内の冷却時間が
長くならず、且つ金型表面形状の再現性を良くし、高輝
度、高均斉度化された導光板を成形することが要求され
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本出願人は、先に、金型
温度を高くすることなく、又金型温度を高くしても必要
な冷却時間が長くならない方法として、金型キャビティ
を形成する型壁面を熱伝導率の小さいポリイミド層で被
覆する方法を示し、金型表面の再現性に優れた高光沢成
型品が得られることを特願平3−253522号として
提案した。
【0009】本発明者は、更に前記課題を解決するた
め、断熱層で被覆した金型について鋭意研究した結果、
予め光散乱部の凹凸形状のパターンを形成した金型を薄
い金属板で制作し、該金型金属板を母型に熱伝導率の小
さい樹脂断熱層で密着固定した金型キャビティを用いる
ことにより、射出成形のさい凹凸形状のパターンが良好
に転写され、光出射面の輝度が高く且つ高均斉度の導光
板が得られることを見出し本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、樹脂導光板の側端を
光入射面とし、これと直交する片面に凹凸状の光散乱部
を形成し、この反対面を光出射面とする導光板を射出成
形する金型において、金型の型表面を構成する型の一面
が、凹凸状に粗面化されたパターン表面を有する金属
板、及び該金属板の裏側が耐熱性重合体である断熱層か
ら成る層構造を有することを特徴とし、金型面の転写性
に優れた樹脂導光板成形用金型及び該金型を用いた樹脂
導光板の成形法を提供するものである。
【0011】本発明に用いられる導光板材料は、透明な
熱可塑性樹脂であり、例えばアクリル樹脂、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート等が挙げられる。その中でも透明
性や耐光性に優れる点から、アクリル樹脂が特に望まし
い。好ましい導光板用材料としては、本出願人が先に出
願した特願平7ー33766号、特願平7−58671
号等に記載した樹脂が例示される。
【0012】本発明の樹脂導光板の片面に微細な凹凸状
の光散乱部を形成する方法は、金型を用いた射出成形に
よる金型表面の転写方法である。金型への微細な凹凸形
状の形成方法としては、金型表面にエッチング加工、切
削加工、放電加工法、電鋳加工法及び鋳造加工法などに
よる従来の公知な方法が適宜用いられる。例えば、予め
写真フィルム等に光散乱部の配列パターンを形成してお
き、金型金属板材料面にフォトレジスト法でこの配列パ
ターンに対応したマスクを形成し、その後金型金属板材
料をエッチングする方法が知られている。そして、望ま
しい微細凹凸状の光散乱部の配列パターンとしては、本
出願人が先に出願した特開平7−104296号公報等
にシボパターンの配置、形状、大きさ等が示されていれ
る。例えば、光散乱部を格子状に配置し、該光散乱部が
ほぼ長方形に形成されており、光入射面から遠ざかるほ
ど該長方形の光入射面に平行な辺の長さが増し、又、隣
り合った光散乱部の間の距離を小さくする。
【0013】更に電鋳加工方法の一例を説明すると、先
ず鋼鉄、アルミニウム又は黄銅等の電型用金属製ベース
材の表面に所望の形状パターンを有するマスターをかぶ
せ、形状パターンをエッチングにより削り込み或いは、
アクリル樹脂成形板に所望する形状パターンを切削によ
り、微細な凹凸形状を形成し、電鋳用の電型を作製す
る。次に、電着槽に入れ、この電型表面に金属メッキを
積層する電鋳加工を施し、メッキ層の厚みを0.1〜1
mmの範囲で所望する厚みとする。電着後、電型を電着
槽から取り出し、積層メッキ部分をベース材の電型から
剥離することにより、電型表面の凹凸形状が積層メッキ
材の表面に転写される。この転写された積層メッキ材を
射出成形用の金型部分の金属板として用いる。
【0014】金属板の厚みは、0.1〜1mmの範囲が
好ましく、例えば0.1mm以下では、金属板の剛性が
低く変形し易いことから取り扱いに欠点が生じる。又、
1mm以上では、金属板への熱伝導量が大きく、樹脂流
動端部では、樹脂温度が急速に軟化温度以下となり粘度
が高くなり、金型の転写性が悪化し本発明の効果が得ら
れ難くなる。最も好ましくは、0.2〜0.7mmであ
る。
【0015】本発明に用いられる母型及び金型材質は、
熱伝導率が0.05cal/cm・sec・℃以上のも
ので、鉄又は鉄を50重量%以上含有する鋼材、アルミ
ニウム又はアルミニウムを50重量%以上含有する合
金、ZAS等の亜鉛合金、ベリリウムー銅合金等の一般
に合成樹脂の成形に使用される金属金型を包含する。特
に鋼材から成る金型が良好に使用できる。これらの金属
から成る母型を形成する型壁面はクロムメッキ又はニッ
ケルメッキされていることが好ましい。クロムメッキ又
はニッケルメッキは断熱層のポリイミドとの密着性に優
れ、また耐蝕性にも優れている。射出成形中は、金型に
加熱と冷却が繰り返し加えられるため密着力が安定して
大きいことが非常に重要であり、数万回の成形に耐える
ためには、上記のメッキ効果が著しく大きく、好ましい
ものである。
【0016】本発明で断熱層に用いる耐熱性重合体は、
ガラス転移温度が200℃以上が好ましく、更に好まし
くは250℃以上の重合体である。耐熱性重合体の熱伝
導率は小さい程好ましく、熱伝導率が0.002cal
/cm・sec・℃以下のものが最も好ましく使用でき
る。
【0017】本発明で断熱層として良好に使用できる耐
熱性重合体は、主鎖に芳香環を有する耐熱性重合体であ
り、例えば、有機溶剤に溶解する各種非結晶性耐熱重合
体や、各種ポリイミド、エポキシ樹脂等が良好に使用で
きる。非結晶性耐熱重合体としてはポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン等である。ポリイミドは各種あるが、
直鎖型と熱硬化型に分けられ、それぞれのポリイミド前
駆体として各種知られているが、本発明で用いる主金型
面の裏側に設ける断熱層としては、熱伝導率が低いこと
以外に、耐熱性に優れること、引っ張り強度、伸びが大
きく冷熱サイクルに強いこと、金型本体への塗布が良好
であること、金型との密着性が良いこと等から直鎖型の
高分子量ポリイミドが使用される。例えば商品名がカプ
トン(東レ製)、ノバックス(三菱化成製)、ユーピレ
ックスS或いはユーピレックスR(宇部興産製)、La
rcTPI(三井東圧化学製)等が好ましいものであ
る。
【0018】ポリイミド層を金型に強固に密着させるに
は、直鎖型高分子量ポリイミドの前駆体溶液を金型に塗
布し、次いで加熱してポリイミドを形成させることが最
も好ましい。ポリイミドは、金型との密着性を阻害する
フッ素等を実質的に含有しないことが望ましい。該ポリ
イミドは、ガラス転移温度が200℃以上の高耐熱性樹
脂である。本発明者らの知見ではガラス転移温度が20
0℃以上が良く、更に好ましくは230℃以上である。
直鎖型高分子量ポリイミドの前駆体は、例えば芳香族ジ
アミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を開環重付加
反応させることにより合成される。これらポリイミド前
駆体は、加熱して脱水環化反応させることによりポリイ
ミドを形成する。ポリイミド前駆体のポリマーは、カル
ボキシル基等の極性基のため金型との密着性が良い。
【0019】上記のポリイミド前駆体のポリマーは、N
−メチルピロリドン等の溶媒に溶かし金型壁面に塗布さ
れる。ポリイミドの前駆体溶液には、コーティング時の
粘度を調整したり、溶液の表面張力を調整、チキソトロ
ピー性を調整するための添加物を加えたり、又は/及び
金型との密着性を上げるための微少の添加物を加えても
差し支えない。これらポリイミドの中では、ピロメリッ
ト酸ジ無水物系ポリイミドが、耐熱性、機械的性質等に
優れ最も好ましい。特に塗布用に変性したワニスは良好
に使用できる。しかし、ポリイミドの熱伝導率を大幅に
高くする様な添加物や金型との密着力を大幅に低下させ
る添加物は好ましくない。
【0020】また、耐熱性重合体としてのエポキシ樹脂
は、硬化剤と組み合わせたエポキシ樹脂硬化物或いは各
種充填剤を適量配合したエポキシ樹脂等も使用できる
(以後、エポキシ樹脂硬化物をエポキシ樹脂と称す
る)。エポキシ樹脂は一般に熱膨張係数が大きく、金属
金型との熱膨張係数の差が大きい。しかし、熱膨張係数
の小さいガラス、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシ
ウムアルミナ、マイカ等の粉体、ウィスカー、炭素繊維
等の適量をエポキシ樹脂に配合し、金属金型との熱膨張
係数の差を小さくした充填剤配合エポキシ樹脂は断熱層
として良好に使用できる。
【0021】断熱層の耐熱性重合体の厚みは、0.2〜
5mmの範囲で適度に選択される。0.2mm未満の厚
みでは金型表面の転写性改良効果が少なく、5mmを超
えると金型の冷却効果が低下し、成形効率が低下して本
発明の効果が得られ難くなる。金型温度が高いほど断熱
層の耐熱性重合体の厚みを薄くし、金型温度が低いほど
厚みを厚くする必要がある。射出成型品は、一般に射出
圧力が伝達されされやすい樹脂注入口(以後ゲートと称
す)付近は金型表面の転写性が良く、ゲートから離れる
に従って転写性は悪くなり、樹脂流動端部は最も悪くな
る。導光板の肉厚が薄くなったり或いは射出される樹脂
の粘度が高い場合、又は導光板面積が大きい場合等、特
にゲート部と樹脂流動端部の転写性差が大きくなる。
【0022】本発明において、金属板の厚みと耐熱性重
合体の断熱層の厚みの関係は、成形時に於ける導光板材
料樹脂の軟化温度以上に保たれる時間と成形効率のバラ
ンスから決定され、金属板の厚みは断熱層厚みの1/2
以下であることが好ましい。すなわち、金属板の厚みは
暑い程剛性が高く変形し難いことから取り扱い易いが、
金属板への熱伝導量が大きくなり樹脂温度が急速に軟化
温度以下に下がり、金属板表面の転写性が悪化する。金
属板表面の転写性から薄い方が好ましい。
【0023】また、耐熱性重合体の断熱層の厚みは厚い
程金属表面が軟化温度以上に保たれる時間が長くなり金
属板表面の転写性が良くなる反面、成形効率が低下する
ことから適当な厚さが要求される。従って、導光板材料
樹脂の軟化温度以上で効率良く転写性の得られるバラン
ス点は、金属板の厚みが断熱層厚みの1/2以下であ
り、好ましくは1/5以下である。
【0024】本発明は、更に優れた金型を提供する。す
なわち、断熱層の耐熱性重合体の厚みがゲート付近から
樹脂流動端部方向へ向って増大している金型である。特
に、楔型導光板等には効果的であり、導光板の薄肉部で
は耐熱性重合体の厚みを増すことが望ましい。なお、こ
こで述べるゲート付近とは、ダイレクトゲート、ピンポ
イントゲート、サイドゲート、ファンゲート等の一般に
使用されるゲート付近である。
【0025】樹脂流動端部付近とは、金型転写性の要求
される最も樹脂流動端部に近い部分、即ち樹脂流動端部
からゲートまでの距離の1/10付近を示す。本発明で
は、樹脂流動端部付近の耐熱性重合体の断熱層厚みはゲ
ート付近の断熱層厚みの1.1倍から4倍であり、好ま
しくは1.2倍から3倍で、更に好ましくは1.3倍か
ら2.5倍である。一般に、平行板間を流動する流体の
圧力損失は次式で示される。 ΔP=β×LηQ/H2 ΔP=圧力損失 H=平行板間距離 η=粘度 β=定数 Q=流量 L=流動距離
【0026】即ち、圧力損失は粘度と流動距離に比例
し、平行板距離の2乗に反比例する。射出成形では上記
数式から明らかな様にゲートから離れるに従って圧力損
失は大きくゲートから離れるほど金型面を押す樹脂圧力
は低下する。主金型の形状及びゲートの取り方、樹脂粘
度によって異なるが、一般に射出圧力が1000kg/
cm2 でも流動端部では数10kg/cm2 に低下して
いる。従って射出された樹脂が金型面に押しつけられる
力が流動端部では著しく低下し、金型面の転写性が低下
し導光板の輝度ムラにつながる。上記数式のLとηが大
きい場合、即ち大型で楔形導光板及び粘度の高い樹脂で
は差が大きくなる。本発明は、この様な時に発生する問
題点を解決するものである。
【0027】熱伝導率が良く且つ冷却された金型へ、加
熱可塑化された樹脂を射出すると、射出された樹脂は金
型面に接した部分で射出圧が十分にかかる前に直ちに冷
却固化するが、金型面が十分に転写される為には、金型
面に接した樹脂に軟化温度以上の状態で射出圧力が十分
にかかる必要がある。金型表面と母型の間に断熱層を設
けることにより、該金型は、加熱可塑化して射出された
樹脂の熱で金型面が一時的に加熱され、軟化温度以上の
状態で射出圧力がかかり、金型表面が十分に転写され
る。
【0028】断熱層の耐熱性重合体の厚みが厚いほど金
型面が軟化温度以上に保たれる時間が長くなり金型表面
の転写性が良くなる。更に樹脂流動端部の断熱層を厚く
することにより、導光板の金型表面の転写性を均一にす
るものである。金型は、一般に複雑な形状をしており、
射出圧力は単に流動距離Lだけによって低下してゆくも
のではない。前記数式のH、樹脂粘度等により大きく左
右される。本発明では、断熱層の耐熱性重合体の厚み
が、金型内の該射出圧力分布とほぼ逆の関係にあること
が好ましい。即ち、樹脂が充填された直後の金型内圧力
の高い所が薄く金型内圧力の低いところが厚い関係にあ
ることが好ましい。本発明により、転写性が向上し、転
写ムラ現象も解消するため、面光源としての導光板は、
輝度が高く、光の均一性も向上する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に図面を用い
て説明する。図2は、本発明の金型(B)の断面を示
す。熱伝導率が0.05cal/cm/sec・℃以上
の鋼鉄から作られた母型1で形成された型に入れ子コア
金型2の壁面に耐熱性重合体の断熱層3を塗布被覆し、
該断熱層に密着させて金型金属表面に微細な凹凸形状を
施した金属板4を配置する。一方、キャビティ型は光出
射面であり鏡面状に仕上げた金属板5で構成される金型
である。本発明の実施に当っては、金型表面の凹凸形
状、大きさ、パターン(構造、数)、形成手段、樹脂導
光板の構造、寸法、形状等の具体的態様は、上記発明の
趣旨に反しない限り様々に変更する事ができ、当然、コ
ア型とキャビティ型の表面状態が逆でも構わなく、本明
細書に具体的に示したものに限定するものではない。本
発明を具体的に説明するがこれらは本発明の範囲を制限
するものではない。尚、射出成形及び光学特性の測定等
は次の装置、条件、方法で行った。
【0030】(A)金型の作製 予め光散乱部の配列パターンを形成した写真フィルムを
作成し、フォトレジストを塗布した金型材上にこのパタ
ーンを投影して焼き付け、エッチング用マスクを作成し
た。得られたマスクを用いて金型材をエッチングし、光
散乱部に相当する部分が凹みパターン化した金型材とし
た。これを加工して入れ子式コア金型として、母型に組
み込んだ。入れ子金型の大きさは、220×160mm
の長方形で、樹脂導光板の板厚が最大で4mm、最小で
2mmのテーパー状(楔形導光板)偏肉形状とした。金
型キャビティ面を鏡面に仕上げて組込み、従来の射出成
型用金型(金型A)を得た。ゲート部は、サイドゲート
で導光板の肉厚部側に幅15mm、厚さ2mmで設け
た。
【0031】(B)本発明の金型の作製 上記の(A)で作製した金型を用い、アクリル樹脂成形
材料;旭化成デルペット80Nを用いて射出成形した導
光板を、電鋳用の電型として用いた。射出成形機は、住
友重機械製SG−220を用い、成形温度を260℃、
金型温度を85℃に設定し、冷却時間を5分間として樹
脂導光板を得た。電鋳加工は、上記の電型をニッケルを
主成分とするメッキ浴の電解槽に入れ、膜厚が0.3m
mになるように電着を施した。電着後、電着槽から取り
出して洗浄し、電型の導光板を剥離して、導光板の微細
な凹凸形状を粗面化し、パターンを転写した金属板4を
得る。
【0032】次いで、入れ子コア金型2の壁面にポリイ
ミドからなる耐熱性重合体3をゲート部では1.5m
m、流動末端部では3mmと段階的に厚みを変化させた
断熱層を形成し、金属板を密着させた。ポリイミドは、
東レ(株)商品名;ポリイミドワニス「トレニース#3
000」をN−メチルピロリドンに溶かし、主金型表面
及び金属板裏側を十分に脱脂した後、塗布し、160℃
で加熱し、この塗布、加熱を繰り返して指定の厚みと
し、最後は290℃に加熱し、ポリイミドの断熱層を形
成した。断熱層を密着させた金型を加工して入れ子式コ
ア金型2として、図2に示す母型1に組み込んだ。樹脂
導光板6の板厚が最大で4mm、最小で2mmのテーパ
ー状(楔形導光板)偏肉形状とし、金型キャビティ面を
鏡面に仕上げて組込み、本発明の射出成型用金型(金型
B)を得た。
【0033】(C)射出成形機及び導光板の成形 射出成形機は、住友重機械工業(株)製SGー220型
を用いた。成形温度;235℃、金型設定温度;75
℃、成形サイクル;60秒とした。 (D)成形材料 成形材料は、旭化成工業(株)製デルペット80NHを
用いた。
【0034】(E)成型品の転写性測定 転写性は、(株)東京精密製の表面粗さ形状測定機;サ
ーフコム570A型により導光板のゲート部と流動末端
部の凹凸面の形状を測定し、凹形状の深さを計測した。 (F)転写ムラの観察評価 成型品の表面を目視観察し、転写ムラの無い場合を○、
縞状ムラ及び離型ムラが観察された場合は×の記号で表
示した。
【0035】(G)導光板の輝度及び輝度分布測定 作成した導光板の光散乱部面に反射フィルム、発光面に
拡散フィルム、光入射面に冷陰極管(直径3mm、長さ
220mm)を配置し、インバーターに接続して面光源
装置(バックライト)を作成した。電源を投入して発光
させ、30分放置して明るさを安定させた後、ミノルタ
製輝度計を用いて導光板面の輝度分布を測定し、得られ
た輝度の平均値を輝度値として評価し、又縦、横を各5
分割して、25分割における輝度の最小値÷最大値の百
分率で得られる値を光均斉度として輝度ムラの比較を行
った。
【0036】
【実施例】
実施例1 上述の方法で作製された断熱層を有する金型(金型B)
を用い(C)の成形条件で成形された樹脂導光板の評価
結果を表にまとめて示す。成形サイクル時間が従来と変
わらなく、得られる導光板の凹凸形状の転写性が良く、
且つ転写ムラが見られない導光板であった。そして、8
5%以上の光均斉度で、1100ntの輝度値が得られ
た。
【0037】比較例1 従来の射出成型用金型(金型A)を用い、実施例1と同
様の成形条件で成形された導光板の評価結果を表にまと
めて示す。導光板の表面に縞模様の転写ムラが見られる
且つ、凹凸形状の深さムラが発生している。光均斉度が
65%と低く、輝度値は900ntである。実施例1に
比べ約15%低いものであった。
【0038】比較例2 比較例1の金型で、成形条件を金型設定温度を85℃、
成形温度を270℃として、成形サイクルを150秒と
して導光板を成形した。得られた導光板は、転写性にや
や改善が見られるものの、均斉度及び成形サイクル性に
劣るものであった。
【0039】比較例3 実施例1の金型において、断熱層の耐熱重合体の厚みを
7mmに変えた金型を用い、実施例1と同様の条件で導
光板を成形した。通常の成形サイクルでは、冷却不足と
なり導光板の取り出しで成型品が変形し、良好な導光板
が得られなかった。
【0040】比較例4 実施例1の金型において、断熱層の耐熱重合体の厚みを
0.05mmに変えた金型を用い、実施例1と同様の条
件で導光板を成形した。比較例1で得られる導光板と似
たもので、金型表面の凹凸形状の転写性に劣り、輝度値
の低いものであった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】導光板成型用の金型表面に凹凸状のパタ
ーンを有する金属板で、その裏側に耐熱性重合体である
断熱層から成る層構造を有する樹脂導光板用金型を使用
して導光板を射出成形することにより、金型表面の凹凸
状の転写性が向上し、且つ転写ムラ現象の解消により、
面光源としての導光板は、輝度が高く、光の均一性も向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の面光源装置の断面を示す模式図である。
【図2】本発明の成型用金型断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1 金型の母型 2 入れ子コア金型 3 耐熱性重合体の断熱層 4 電鋳加工金属板 5 キャビティ金型 6 樹脂導光板 導光板 光散乱部 反射シート 拡散シート 光源(冷陰極蛍光管) 光入射面 光出射面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:34

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂導光板の側端を光入射面とし、これ
    と直交する片面に凹凸状の光散乱部を形成し、この反対
    面を光出射面とする導光板を射出成形する金型におい
    て、金型の型表面を構成する一面が、凹凸状に粗面化さ
    れたパターン表面を有する金属板及び該金属板の裏側が
    耐熱性重合体である断熱層から成る層構造を有すること
    を特徴とした樹脂導光板成形用金型。
  2. 【請求項2】 金属板の厚みが0.1から1mm、断熱
    層の厚みが0.2〜5mmであり、金属板の厚みが断熱
    層厚みの1/2以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の樹脂導光板成形用金型。
  3. 【請求項3】 断熱層の耐熱性重合体がポリイミドであ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂導光板
    成形用金型。
  4. 【請求項4】 断熱層の厚みが樹脂注入口付近から樹脂
    流動端部方向へ向って増大していることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の樹脂導光板成形用金型。
  5. 【請求項5】 型表面を構成する金属板表面の形状が凹
    凸状に粗面化されたパターンを電鋳法で転写した金属板
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の樹脂導光板成形用金型。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂導
    光板成型用金型を用いることを特徴とする樹脂導光板の
    成形法。
JP7337673A 1995-12-04 1995-12-04 樹脂導光板成形用金型及び該金型を用いた樹脂導光板の成形法 Withdrawn JPH09155875A (ja)

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