JPH09154969A - 植物屋根の防災装置 - Google Patents

植物屋根の防災装置

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JPH09154969A
JPH09154969A JP32335895A JP32335895A JPH09154969A JP H09154969 A JPH09154969 A JP H09154969A JP 32335895 A JP32335895 A JP 32335895A JP 32335895 A JP32335895 A JP 32335895A JP H09154969 A JPH09154969 A JP H09154969A
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plant roof
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Yukio Yoshiba
吉葉裕毅雄
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高志 浅見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】植物屋根の火災を早期に検出する。屋根深部で
発生した深部火災に対しても火災拡大の抑制、消火をは
かる。また、屋根で発生した火災の拡大を抑制・阻止す
る。 【解決手段】植物屋根内に煙流入口を有するする筒状体
を設け、筒状体内に流入した煙を煙検出部で検出する。
屋根の周囲に泡ヘッドを設け、火災時に泡ヘッドから消
火用泡を屋根に放出させる。屋根裏に噴霧ノズルを設
け、火災時に噴霧ノズルから消火用水を屋根裏に放出さ
せる。屋根の内部に不燃材シートを張設する。モニタノ
ズルを、その放出方向が植物屋根の屋根部材の軸方向と
なるように設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、植物屋根の建物
に対する防災装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】茅葺き屋根、檜皮葺き屋根、柿葺き屋根
などの植物屋根を有する建物、例えば神社仏閣や文化財
の建物では、近隣の火災によって生じる火の粉や、たき
火による火の粉が風によって運ばれて屋根に落下し、こ
れが原因で屋根が燃えだし火災となる場合が多い。
【0003】このため、この種建物では、建物内に火災
監視のため、例えば、銅パイプの空気管を用い、空気管
内の空気が火災時の熱によって熱せられて膨張するのを
検出する分布式差動式感知器といわれる熱式感知器、光
電式もしくはイオン化式の煙感知器、或いは炎式感知器
を設けている。
【0004】また、火災時の消火のため、建物の内部や
周囲に消火栓装置を設けたり、場合によっては建物の周
囲を水幕で囲う水幕装置を設けたりしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、建物内に火
災感知器を設けた場合、建物内の火災を熱、煙、あるい
は炎によって早期に検出することができるが、植物屋根
で火災が発生した場合にはなかなか発見することができ
ない。
【0006】このため、空気管あるいは熱によって抵抗
値が変化する感熱線を植物屋根内に設置して火災を監視
することが考えられる。しかし、屋根内での火災が感熱
線などの近傍で発生した場合は火災を早期に検出できる
が、感熱線などから離れた屋根内で火災が発生した場合
は、その火災の熱は感熱線などに達するまでの間に屋根
の部材によって熱が奪われてしまい、火災による熱の検
出が遅れてしまう場合が考えられる。
【0007】一方、水幕装置は、建物の周囲に水幕を形
成するので、飛んでくる火の粉に対しては有効な防火手
段である。しかし、設置費用が非常に高価であるととも
に、保守管理が大変なため、一部の建物にしか使用され
ていないのが実状である。そして、水幕装置は火の粉に
対しては有効であるが、火の粉などによって屋根の内部
に火がつく、すなわち深部火災が発生すると、消火に時
間がかかるという問題が発生する。これは、植物屋根の
屋根部材の表面には油分が内部から滲み出ており、この
油分によって水が内部まで進入しにくいことによる。
【0008】また、消火栓装置のホースを用いて屋根に
放水しても、屋根の表面には水がかかるが屋根の深部に
は、屋根部材表面の油分のため、なかなか浸透しない。
【0009】また、屋根の深部で火災が発生した場合に
は、火災は屋根表面(外)側と屋根裏側に拡大してい
く。屋根表面側に広がった火災に対しては、水幕装置に
よる水幕や消火栓装置のホースによる放水は有効である
が、屋根裏側に広がった火災は火のついた屋根部材の破
片が天井板の上や室内に落下し、建物内に火災を広げる
こととなる。
【0010】この発明の防災装置は、上記の点に鑑み、
植物屋根で発生する火災を早期に検出することを目的と
する。
【0011】また、植物屋根の内面で発生する火災を消
火するとともに、建物内に屋根の火災が拡大するのを防
止することを目的とするものである。
【0012】また、植物屋根の表面で発生する火災はも
ちろん、屋根内部で発生する火災を消火するとともに、
火災が拡大するのを防止することを目的とするものであ
る。
【0013】更に、植物屋根の表面で発生した火災が屋
根内面に達するのを阻止することを目的とするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の植物屋根の防
災装置は、植物屋根の建物において、前記植物屋根内に
設けられた煙流入口を有する筒状体と、前記筒状体内に
流入した煙を検出する煙検出部と、とを有することを特
徴とするものである。
【0015】また、前記建物の屋根裏に、消火用水を噴
霧する噴霧ノズルを設けたことを特徴とするものであ
る。
【0016】また、前記建物の周囲に、前記屋根に対し
て消火用泡もしくは泡混合液を放出する泡ノズルを設け
たことを特徴とするものである。
【0017】また、前記植物屋根の内部に、植物屋根を
表面側と裏面側とに分ける不燃材シートを設けたことを
特徴とするものである。
【0018】また、前記植物屋根内に設けられた煙流入
口を有する筒状体と、前記筒状体内に流入した煙を検出
する煙検出部と、前記建物の屋根裏に設けられた消火用
水を噴霧する噴霧ノズルと、とが設けられたことを特徴
とするものである。
【0019】また、前記筒状体は周壁に複数の煙流入口
が設けられた直線状の筒体であり、前記筒体の両端に煙
検出部の発光部と受光部とが設けられてなることを特徴
とするものである。
【0020】また、 前記筒状体は周壁に複数の煙流入
口が設けられた吸引パイプからなり、前記吸引パイプは
前記煙検出部に接続され、前記煙検出部は、前記吸引パ
イプから空気を吸引する吸引ファンと、前記吸引ファン
によって吸引された空気中から煙を検出する煙感知部と
を有していることを特徴とするものである。
【0021】また、建物の周囲に消火用液体を放出する
モニタノズルを、その放出方向が前記植物屋根の屋根部
材の軸方向となるように設けたことを特徴とするもので
ある。 また、前記モニタノズルから、消火用液体とと
もに不活性ガスが放出されることを特徴とするものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下この発明による植物性屋根の
火災検知装置並びに消火装置の実施形態を、図1〜図3
の1実施例により説明する。
【0023】図1〜図3において、10は建物、20は
建物10の植物屋根、例えば茅葺き屋根である。30は
屋根20の中間部に設けられた火災成長抑制用の不燃材
シート、例えばガラス繊維製でなる不燃布で、この不燃
布30により、屋根20は上部部分21と下部部分22
とに分けられている。
【0024】40は、屋根20の上部部分21内に複数
設けられた減光式煙感知器の直線状の筒体である。この
筒体40は、図2に示されているように、屋根20の一
辺に近い長さを有し、その両端には、図示しない発光回
路や発光素子を有する発光部41と、受光素子、受光回
路や火災判別回路などを有する受光部42とが設けられ
ている。また、筒体40の側壁には、複数の煙流入口4
3が設けられている。なお、筒体40は、円筒や角筒状
のパイプ、あるいは、筒状にした網などが用いられる
が、パイプの側壁に開口された煙流入口43あるいは網
目の大きさは、屋根20の茅の破片が入らない程度の大
きさにするのが好ましい。
【0025】50は、屋根20の下部部分22内に張り
巡らされた吸引式煙検出器の煙吸引パイプで、その基端
側は図3に示すように集合管51を介して煙検出部52
に接続されている。煙検出部52は、吸引した空気中に
含まれている塵埃を除去するフィルタ53と、フィルタ
53を通過した空気中の煙を検出する例えば光電式の煙
感知部54と、空気を吸引する吸引ファン55とから構
成されている。なお、煙吸引パイプ50には、煙吸引用
の複数の小孔56が煙流入口として例えば一定間隔で設
けられている。
【0026】60は、減光式煙感知器の受光部42の出
力や吸引式煙検出器の煙検出部52の出力が接続された
火災受信機で、建物10内もしくは管理事務所などに設
けられる。
【0027】70は、屋根20の頂部23に配設された
泡ノズルの一例としての複数の泡ヘッドで、泡ヘッド7
0は泡混合器71を介してポンプ72と消火用水供給源
73並びに泡原液タンク74に接続されている。この泡
ヘッド70は、泡混合器71から泡原液と消火用水の泡
混合液が供給されると、発泡倍率が例えば数十倍の低膨
張泡77を生成して屋根20の表面に放出散布する。な
お、泡ヘッド70から高膨張泡を放出するようにしても
良い。
【0028】80は、屋根裏11に配設された噴霧ノズ
ルで、噴霧ノズル80はポンプ81を介して消火用水供
給源73に接続されている。
【0029】なお、ポンプ72とポンプ81とは、本実
施例では火災受信機60に接続されており、火災受信機
60によって減光式煙感知器や吸引式煙検出器の火災信
号出力によって連動制御されるようになっている。
【0030】また、図中、74、82は配管、75、8
3は逆止弁、76は例えばボールタップなどの給水弁で
ある。
【0031】次にこの防災装置の動作について説明す
る。
【0032】通常は、減光式煙感知器は、発光部41の
図示しない発光素子が例えば3秒おきに間欠的に発光
し、この発光素子からの光を受光部42が発光素子で受
光して減光量を測定し、筒体40内に煙が入っているか
否かを監視している。また、吸引式煙検出器は、吸引フ
ァン55によって吸引パイプ50の小孔56から屋根2
0内の空気、本実施例の場合は屋根20の下部部分22
の空気を吸引し、煙感知部54で吸引した空気中に煙が
含まれているか否かを監視している。
【0033】例えば、近隣の建物で火災が発生し、その
火の粉が屋根20に落下して屋根20に着火し、屋根部
材がくすぶりだして煙が発生すると、その煙が屋根部材
の隙間を通って屋根20内を拡散し、筒体40内に煙流
入口43を通って流入する。発光部41の間欠動作によ
って受光部42が所定レベルの煙による減光を検出する
と、受光部42は火災信号を火災受信機60に出力す
る。
【0034】この減光式煙感知器からの火災信号によ
り、火災受信機60はポンプ72を起動し、消火用水供
給源73から消火用水を泡ヘッド70に向け供給する。
この消火用水の供給により混合器71は泡原液タンク7
4から泡原液を吸い上げて消火用水中に所定の割合で混
合して例えば表面張力の低い低発泡用の泡混合液を生成
し、この泡混合液が配管74を介して泡ヘッド70に供
給される。
【0035】泡ヘッド70は供給された泡混合液を例え
ば20倍の低膨張泡にして屋根20に放出する。屋根2
0の上に放出された泡77は、屋根20上に落下した際
にその一部が衝撃で消泡するとともに、屋根20上を流
下し、流下する途中で消泡して泡混合液に戻る。この消
泡して戻った泡混合液の一部は、含まれている泡原液の
作用により、屋根20の部材の表面に滲み出た油分によ
ってはじかれることなく、屋根20の内部に浸透する。
【0036】そして、屋根20上を流下する泡と泡混合
液によって、屋根20表面部分の火災が消火されるとと
もに、屋根深部の火災は屋根内部に浸透した泡混合液に
よって火災拡大の抑制ならびに消火が行われる。
【0037】なお、泡ヘッド70から高膨張泡を放出し
た場合には、泡が屋根20上に堆積され、これによって
火の粉が屋根20に達するのを阻止するとともに、屋根
20に接している泡は重みによって押しつぶされて消泡
し、上記と同様に屋根20内に浸透する。
【0038】また、屋根20の上部部分21で発生した
火災の煙が不燃布のわずかな隙間を通って下部部分に流
入すると、その煙は吸引式煙検出器の吸引パイプ50の
小孔56から吸引され、集合管51を通り、フィルタ5
3で大きめな塵埃が除去されて煙感知部54に流入す
る。煙感知部54では、例えば低濃度の煙を検出するた
め、図示しない高輝度の発光素子、例えばキセノンラン
プが間欠的に発光しており、この間欠発光の光の煙によ
る散乱光の受光レベルが所定レベルに達すると、検出信
号を火災受信機60に出力する。
【0039】火災受信機60は、吸引式煙検出器から所
定レベルの検出信号を受信すると、煙検出器が火災によ
る煙を検出したと判断して、ポンプ81を起動する。
【0040】起動されたポンプ81は、消火用水供給源
73の消火用水を噴霧ノズル80に供給し、噴霧ノズル
80から消火用水を小粒子にして屋根裏11に放出す
る。噴霧ノズル80から屋根裏11に小粒子で放出され
た消火用水は、その一部は小粒子なので下部部分22内
に浸透し屋根部材を加湿し、また、他の部分は天井板1
2や屋根裏11の図示しない梁や柱に散布して加湿し、
火災拡大を防止する。
【0041】なお、噴霧ノズル80として放出孔の径が
細い微噴霧ノズルを、ポンプ81として高圧ポンプ例え
ばプランジャポンプを用いるようにしても良い。このよ
うに、微噴霧ノズル80とプランジャポンプ(高圧ポン
プ)81を用い、プランジャポンプ81によって消火用
水を高圧で微噴霧ノズル80に供給すると、微噴霧ノズ
ル80から数十ミクロン〜数百ミクロン、例えば150
ミクロン前後の微粒子が屋根裏11に放出される。
【0042】この微噴霧ノズル80から放出された消火
用水は、微粒子でありかつかなりの流速を持っているた
め、屋根20内に屋根部材の隙間を通って屋根20の深
部まで入り込み加湿する。また屋根裏11内では放出さ
れた微粒子はその空間内を漂いながら屋根裏11内を冷
却するとともに、徐々に落下して梁や柱そして天井板1
2の表面に付着する。この消火用水の付着は、微粒子で
あるため少ない水量で密に付着する。従って、少量の消
火用水で十分な火災拡大抑制効果や消火効果が得られる
とともに、部屋部分13への消火用水の流出が少なくて
済み、水損を防止することができる。
【0043】ところで、屋根20の上部部分21の深部
で火災が発生、もしくは火災が拡大し、その火災が不燃
布30に達すると、不燃布30によって下部部分22へ
の火災の拡大が阻止または抑制される。
【0044】そして、不燃布30によって火災の下部部
分22への拡大が阻止または抑制されている間に、泡ヘ
ッド70からの泡の放出や噴霧ノズル80からの消火用
水の放出により火災の抑制・鎮静化がはかれるととも
に、消防隊がかけつけ消火作業を開始する時間を確保す
ることができる。
【0045】なお、上記説明では、泡ヘッド70を屋根
20の頂部に設けたが、ここに限らず屋根20の表面に
泡を放出散布できる屋根の周囲、すなわち、屋根20の
下端縁部分もしくはこれと頂部との間に設けるようにし
ても良く、また、建物の近傍にパイプを立て、その先端
に設けるようにしても良い。
【0046】また、泡ヘッド70もしくは泡ノズルから
泡混合液を発泡させずにそのまま屋根20上に放出させ
るようにしても良い。この場合も、放出された泡混合液
は、混合している泡原液の作用により屋根上での流下速
度が低下し、消火効率を高め津とともに、上記と同様に
屋根20内に浸透する。
【0047】また、上記説明では、泡ヘッド70からの
泡放出や噴霧ヘッド80からの消火用水の放出による火
災抑制や消火の効果をより高めるため、不燃布などの不
燃材シート30を屋根20に設けるようにしたが、泡ヘ
ッド70もしくは噴霧ヘッド80が設けられている場合
には、不燃材シート30を省略しても良い。
【0048】また、不燃材シート30を屋根20表側と
裏側との間に設けた場合、不燃材シート30によって火
災の拡大を抑制・防止し、その間に消防隊が駆けつける
時間を確保できるので、不燃材シート30のみを設ける
だけでも良い。
【0049】図4は他の実施例で、図1と同一のものは
同一符号を付してあり、その説明を省略する。
【0050】図4において、図1の実施例と異なるの
は、屋根20の頂部23に泡ノズルとしての泡ヘッド7
0を設ける代わりに、建物10の周囲に塔77を設け、
その先端部分に泡ノズルとして泡モニタノズル78を、
配管74を介して供給される例えば表面張力の弱い泡混
合液を、屋根20の表面に屋根部材の軸方向(繊維方
向)に沿う方向に放出するように設けた点である。ま
た、不燃布30を省略した点である。
【0051】このように構成される防災装置は、屋根2
0で火災が発生し、その煙が筒体40または吸引パイプ
50に流入して減光式煙感知器または吸引式煙検知器が
火災信号または検出信号を出力すると、火災受信機60
はポンプ72とポンプ81とを駆動する。このポンプ8
1の駆動により、噴霧ヘッド80から消火用水の放出が
行われる。
【0052】また、ポンプ72の駆動により、混合器7
1で例えば表面張力の弱い泡混合液が生成されて泡モニ
タノズル78に供給され、ノズル78は泡混合液を屋根
20に放出する。屋根20に放出される泡混合液は、そ
の放出方向が屋根部材の軸方向であり、かつ速度エネル
ギーを有しているため、その一部は屋根部材の軸と軸と
の間から屋根20内に進入して深部に達するとともに、
その残りは屋根20の表面に散布される。これにより、
屋根20の表面での火災はもちろん、深部の火災も、火
災の拡大抑制や消火が行われる。
【0053】なお、本実施例において、泡モニタノズル
の代わりに放水銃などともいわれるモニタノズルを用
い、このモニタノズルから消火用水を、その放出方向が
屋根部材の軸方向となるように放出させるようにしても
良い。この場合には、図3において、泡混合器71と泡
原液タンク74を取り除けばよい。
【0054】そして、泡モニタノズル78から泡混合液
とともに、また、モニタノズルから消火用水とともに、
窒素ガスや炭酸ガスなどの不活性ガスを同時に放出させ
るようにしても良い。この場合、不活性ガスは、消火用
液体中に混入させて放出するようにしても、また、二重
筒のノズルを用い、消火用液体の外側を囲うようにもし
くは消火用液体の中心となるように放出するようにして
も良い。このようにすると、同時に放出される不活性ガ
スは屋根20の深部にまで進入して拡散するので、その
作用により、火災抑制効果や消火効果がより向上する。
【0055】なお、上記各実施例では、屋根20内に減
光式煙感知器の筒体40と吸引式煙検知器の吸引パイプ
50の両方を設けたが、その設ける位置は逆でも良く、
いずれか一方の機種を用いるようにしても良い。そし
て、吸引式煙検知器の煙感知部54は、イオン化式、光
電式や減光式などのいずれの煙感知部を用いても良く、
これらとともに焦げ臭を感知できる臭い検知器を煙検出
部52設け、煙感知部54の検出出力と臭い検知器の検
出出力とから火災を判断するようにしても良い。
【0056】
【効果】この発明の植物屋根の防災装置は、植物屋根の
建物において、前記植物屋根内に設けられた煙流入口を
有する筒状体と、前記筒状体内に流入した煙を検出する
煙検出部と、とを有するので、屋根深部で火災が発生し
ても、その火災による煙を確実に検出することができ
る。
【0057】また、植物屋根の建物において、前記建物
の屋根裏に、消火用水を噴霧する噴霧ノズルを設けたの
で、屋根裏は噴霧ノズルから放出される消火用水によっ
て満たされるので、屋根裏側の屋根部材はもちろん天井
部材も消火用水によって湿らされ、消火はもちろん火災
拡大の防止もできる。特に、噴霧ノズルから、消火用水
を霧状の微少な粒径で放出するようにした場合には、ノ
ズルから放出された微粒径の消火用水は、屋根裏側から
植物屋根の屋根部材の隙間を通して深部にまで入り込む
ので、深部火災の抑制や消火が可能になる。
【0058】また、植物屋根の建物において、前記建物
の周囲に、前記屋根に対して消火用泡もしくは泡混合液
を放出する泡ノズルを設けたので、火災時に泡ヘッドか
ら放出された消火用泡は屋根に当たって消泡されて泡混
合液に戻り、この泡混合液は、屋根の表面を流れるとと
もに混合液中に含まれた泡原液の作用により、屋根深部
に浸透し、深部火災を抑制したり消火したりする。
【0059】また、植物屋根の建物において、前記植物
屋根の内部に、植物屋根を表面側と裏面側とに分ける不
燃材シートを設けたので、屋根の表面側部分で発生した
火災の裏側部分側への進行は不燃材シートで阻止され、
屋根裏側へ火災が拡大するのを抑制する。
【0060】また、前記植物屋根内に設けられた煙流入
口を有する筒状体と、前記筒状体内に流入した煙を検出
する煙検出部と、前記建物の屋根裏に設けられた消火用
水を噴霧する噴霧ノズルと、とが設けられたので、屋根
部分で発生した火災を屋根内で拡散流動する煙を確実に
とらえて検出することができるとともに、屋根の屋根裏
側が消火用水によって湿らされるため、火災が建物内に
広がるのを阻止することができる。
【0061】また、前記筒状体は周壁に複数の煙流入口
が設けられた直線状の筒体であり、前記筒体の両端に煙
検出部の発光部と受光部とが設けられてなるので、屋根
の面積に応じた数の筒体を屋根内に埋設し、信号線を例
えば建物内もしくは管理室のある建物に設けた火災受信
機等の受信部に接続すればよく、設置が容易となる。
【0062】また、 前記筒状体は周壁に複数の煙流入
口が設けられた吸引パイプからなり、前記吸引パイプは
前記煙検出部に接続され、前記煙検出部は、前記吸引パ
イプから空気を吸引する吸引ファンと、前記吸引ファン
によって吸引された空気中から煙を検出する煙感知部と
を有していることにより、屋根内の空気が強制的に煙検
出部に吸引されるので、より早期の煙検出が可能とな
る。
【0063】また、植物屋根の建物の周囲にモニタノズ
ルを、その放出方向が前記植物屋根の屋根部材の軸方向
となるように設けたことにより、モニタノズルから放出
される消火用水や泡混合液などの消火用液体は植物屋根
の深部にまで達することができる。
【0064】また、前記モニタノズルから、消火用液体
とともに不活性ガスが放出されることにより、不活性ガ
スは屋根の深部にまで進入して拡散するので、その作用
により、火災抑制効果や消火効果がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による防災装置の第1の実施例による
建物への設置状況を説明する図である。
【図2】図1の屋根部分への設置状況を説明する概略図
である。
【図3】図1の防災装置の系統図である。
【図4】この発明による防災装置の第2の実施例による
建物への設置状況を説明する図である。
【符号の説明】
10 建物 11 屋根裏 12 天井板 20 屋根 30 不燃材シート 40 筒体(筒状体) 41 発光部 42 受光部 43 煙流入口 50 吸引パイプ(筒状体) 51 集合管 52 煙検出部 53 フィルタ 54 煙感知部 55 吸引ファン 56 小孔(煙流入口) 60 火災受信機 70 泡ヘッド(泡ノズル) 71 混合器 72 ポンプ 73 消火用水供給源 74 泡原液タンク 78 モニタノズル 80 噴霧ヘッド 81 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04D 13/00 E04D 13/00 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物屋根の建物において、前記植物屋根
    内に設けられた煙流入口を有する筒状体と、前記筒状体
    内に流入した煙を検出する煙検出部と、とを有すること
    を特徴とする植物屋根の防災装置。
  2. 【請求項2】 植物屋根の建物において、前記建物の屋
    根裏に、消火用水を噴霧する噴霧ノズルを設けたことを
    特徴とする植物屋根の防災装置。
  3. 【請求項3】 植物屋根の建物において、前記建物の周
    囲に、前記屋根に対して消火用泡もしくは泡混合液を放
    出する泡ノズルを設けたことを特徴とする植物屋根の防
    災装置。
  4. 【請求項4】 植物屋根の建物において、前記植物屋根
    の内部に、植物屋根を表面側と裏面側とに分ける不燃材
    シートを設けたことを特徴とする植物屋根の防災装置。
  5. 【請求項5】 植物屋根の建物において、前記植物屋根
    内に設けられた煙流入口を有する筒状体と、前記筒状体
    内に流入した煙を検出する煙検出部と、前記建物の屋根
    裏に設けられた消火用水を噴霧する噴霧ノズルと、とが
    設けられたことを特徴とする植物屋根の防災装置。
  6. 【請求項6】 前記筒状体は周壁に複数の煙流入口が設
    けられた直線状の筒体であり、前記筒体の両端に煙検出
    部の発光部と受光部とが設けられてなることを特徴とす
    る請求項1または5記載の植物屋根の防災装置。
  7. 【請求項7】 前記筒状体は周壁に複数の煙流入口が設
    けられた吸引パイプからなり、前記吸引パイプは前記煙
    検出部に接続され、前記煙検出部は、前記吸引パイプか
    ら空気を吸引する吸引ファンと、前記吸引ファンによっ
    て吸引された空気中から煙を検出する煙感知部とを有し
    ていることを特徴とする請求項1または5記載の植物屋
    根の防災装置。
  8. 【請求項8】 植物屋根の建物において、建物の周囲に
    消火用液体を放出するモニタノズルを、その放出方向が
    前記植物屋根の屋根部材の軸方向となるように設けたこ
    とを特徴とする植物屋根の防災装置。
  9. 【請求項9】 前記モニタノズルから、消火用液体とと
    もに不活性ガスが放出されることを特徴とする請求項8
    記載の植物屋根の防災装置。
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