JPH09154951A - 医療用ガイドワイヤ−およびその製造方法 - Google Patents
医療用ガイドワイヤ−およびその製造方法Info
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- JPH09154951A JPH09154951A JP7322612A JP32261295A JPH09154951A JP H09154951 A JPH09154951 A JP H09154951A JP 7322612 A JP7322612 A JP 7322612A JP 32261295 A JP32261295 A JP 32261295A JP H09154951 A JPH09154951 A JP H09154951A
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- Japan
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- guide wire
- polymer substance
- medical guide
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 湿潤時に表面潤滑性を発現し、かつ摩擦耐久
性に優れ、持続的な潤滑性を有する医療用ガイドワイヤ
−およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 内芯部の表面に、親水性高分子物質と、
カルボキシル基含有高分子物質と、1分子中に水酸基、
アミノ基、イソシアネ−ト基からなる群から選ばれた官
能基を少なくとも1含有する化合物との混合物の溶液ま
たは懸濁液を被覆し、加熱処理を施すことによって、金
属製内芯部の表面に親水性高分子物質と架橋カルボキシ
ル基含有高分子物質との相互侵入ポリマ−網目構造の被
膜が形成されてなる湿潤時に表面潤滑性を発現する医療
用ガイドワイヤ−およびその製造方法である。
性に優れ、持続的な潤滑性を有する医療用ガイドワイヤ
−およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 内芯部の表面に、親水性高分子物質と、
カルボキシル基含有高分子物質と、1分子中に水酸基、
アミノ基、イソシアネ−ト基からなる群から選ばれた官
能基を少なくとも1含有する化合物との混合物の溶液ま
たは懸濁液を被覆し、加熱処理を施すことによって、金
属製内芯部の表面に親水性高分子物質と架橋カルボキシ
ル基含有高分子物質との相互侵入ポリマ−網目構造の被
膜が形成されてなる湿潤時に表面潤滑性を発現する医療
用ガイドワイヤ−およびその製造方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管、消化管、尿
管、気管、胆管、その他の体腔あるいは組織中に挿入さ
れるカテ−テルの内腔に挿入される医療用ガイドワイヤ
−に関し、詳しくは内芯部の表面に親水性高分子物質を
被覆した水または体液との接触により優れた表面潤滑性
を発現する医療用ガイドワイヤ−とその製造方法に関す
る。
管、気管、胆管、その他の体腔あるいは組織中に挿入さ
れるカテ−テルの内腔に挿入される医療用ガイドワイヤ
−に関し、詳しくは内芯部の表面に親水性高分子物質を
被覆した水または体液との接触により優れた表面潤滑性
を発現する医療用ガイドワイヤ−とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しょうとする課題】従
来、大動脈から分岐している動脈にカテ−テルを選択的
に侵入させて、目的とする部位にカテ−テルを導入し易
くするためにガイドワイヤ−が開発されている。これら
のガイドワイヤ−としては、ステンレススチ−ル線から
なる金属製ガイドワイヤ−や、造影金属線の表面を合成
樹脂で被覆した合成樹脂製ガイドワイヤ−等がある。こ
れらのガイドワイヤ−の表面は、内芯表面にフッ素樹
脂、シリコ−ン樹脂、ウレタン樹脂等の表面コ−トが施
されていて、カテ−テルとの滑りを良くしたり、凝血防
止等が行われている。しかしながら、これらの素材を用
いて基材表面をコ−トする場合には、摩擦抵抗が十分に
低減しない欠点がある。
来、大動脈から分岐している動脈にカテ−テルを選択的
に侵入させて、目的とする部位にカテ−テルを導入し易
くするためにガイドワイヤ−が開発されている。これら
のガイドワイヤ−としては、ステンレススチ−ル線から
なる金属製ガイドワイヤ−や、造影金属線の表面を合成
樹脂で被覆した合成樹脂製ガイドワイヤ−等がある。こ
れらのガイドワイヤ−の表面は、内芯表面にフッ素樹
脂、シリコ−ン樹脂、ウレタン樹脂等の表面コ−トが施
されていて、カテ−テルとの滑りを良くしたり、凝血防
止等が行われている。しかしながら、これらの素材を用
いて基材表面をコ−トする場合には、摩擦抵抗が十分に
低減しない欠点がある。
【0003】これらの欠点を解消した医療用具として、
特開平6-7426号公報に、表面がポリウレタンからなる基
材を、メチルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体
のメチルエチルケトン溶液に浸漬し、乾燥後、水処理す
ることで潤滑性皮膜を形成させ、湿潤時に表面が潤滑性
を発現するようにしたガイドワイヤ−が紹介されてい
る。このガイドワイヤ−は、湿潤時に表面潤滑性を発現
するが、カテ−テル中で繰り返し応力を受けると表面潤
滑性が低下する傾向がある。
特開平6-7426号公報に、表面がポリウレタンからなる基
材を、メチルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体
のメチルエチルケトン溶液に浸漬し、乾燥後、水処理す
ることで潤滑性皮膜を形成させ、湿潤時に表面が潤滑性
を発現するようにしたガイドワイヤ−が紹介されてい
る。このガイドワイヤ−は、湿潤時に表面潤滑性を発現
するが、カテ−テル中で繰り返し応力を受けると表面潤
滑性が低下する傾向がある。
【0004】また、医療用具を構成する内芯の表面に存
在する反応性官能基と、無水マレイン酸系高分子物質と
を共有結合させ、湿潤時に表面が潤滑性を発現するよう
にしたガイドワイヤ−が特公平1-33181号公報に紹介さ
れている。このガイドワイヤ−は、湿潤時に表面潤滑性
を発現し、挿入されたカテ−テル中で繰り返し応力を受
けても、表面潤滑性は安定している。しかし表面に官能
基を存在させるために、下地層を形成する際にイソシア
ネ−ト基、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等の官
能基を有する化合物の溶液で処理しなければならず、未
反応物が残っていると安全性の面で問題があった。
在する反応性官能基と、無水マレイン酸系高分子物質と
を共有結合させ、湿潤時に表面が潤滑性を発現するよう
にしたガイドワイヤ−が特公平1-33181号公報に紹介さ
れている。このガイドワイヤ−は、湿潤時に表面潤滑性
を発現し、挿入されたカテ−テル中で繰り返し応力を受
けても、表面潤滑性は安定している。しかし表面に官能
基を存在させるために、下地層を形成する際にイソシア
ネ−ト基、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等の官
能基を有する化合物の溶液で処理しなければならず、未
反応物が残っていると安全性の面で問題があった。
【0005】更に、内芯表面に存在する反応性官能基
と、水溶性高分子物質またはその誘導体とをイオン結合
させ、湿潤時に表面が潤滑性を発現するようにした医療
用具が特公平4-12145号公報に紹介されている。これに
より作成されたガイドワイヤ−は、湿潤すると表面潤滑
性を発現するが、水溶性高分子物質がイオン結合で固定
されているために、生理食塩水等のイオンを含有する溶
液中では、水溶性高分子物質が剥がれてしまう問題点を
有している。
と、水溶性高分子物質またはその誘導体とをイオン結合
させ、湿潤時に表面が潤滑性を発現するようにした医療
用具が特公平4-12145号公報に紹介されている。これに
より作成されたガイドワイヤ−は、湿潤すると表面潤滑
性を発現するが、水溶性高分子物質がイオン結合で固定
されているために、生理食塩水等のイオンを含有する溶
液中では、水溶性高分子物質が剥がれてしまう問題点を
有している。
【0006】また、基質の表面をジイソシアネ−トで部
分架橋された無水マレイン酸共重合体ハ−フエステルま
たはその誘導体で被覆することで、湿潤時に表面が潤滑
性を発現するようにした医療用具が特開平3-236854号公
報に提案されている。これにより作成されたガイドワイ
ヤ−は湿潤すると表面潤滑性を発現し、挿入されたカテ
−テル中で繰り返し応力を受けても表面潤滑性は安定し
ている。しかし、被膜形成時にジイソシアネ−ト基を有
する化合物を混合するために、被膜形成後、未反応物が
残存していると安全性の面で問題がある。また、メチル
ビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体のハ−フエス
テルはそれ自身疎水性基を有するために表面潤滑性が不
十分であり、架橋すると分子鎖が束縛され、表面潤滑性
がさらに低下するという問題点を有している。本発明の
目的は、湿潤時に表面潤滑性を発現し、かつ摩擦耐久性
に優れ、持続的な潤滑性を有する医療用ガイドワイヤ−
およびその製造方法を提供することである。
分架橋された無水マレイン酸共重合体ハ−フエステルま
たはその誘導体で被覆することで、湿潤時に表面が潤滑
性を発現するようにした医療用具が特開平3-236854号公
報に提案されている。これにより作成されたガイドワイ
ヤ−は湿潤すると表面潤滑性を発現し、挿入されたカテ
−テル中で繰り返し応力を受けても表面潤滑性は安定し
ている。しかし、被膜形成時にジイソシアネ−ト基を有
する化合物を混合するために、被膜形成後、未反応物が
残存していると安全性の面で問題がある。また、メチル
ビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体のハ−フエス
テルはそれ自身疎水性基を有するために表面潤滑性が不
十分であり、架橋すると分子鎖が束縛され、表面潤滑性
がさらに低下するという問題点を有している。本発明の
目的は、湿潤時に表面潤滑性を発現し、かつ摩擦耐久性
に優れ、持続的な潤滑性を有する医療用ガイドワイヤ−
およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであって、内芯部の表面に、親
水性高分子物質と、カルボキシル基含有高分子物質と、
1分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からな
る群から選ばれた官能基を少なくとも1含有する化合物
との混合物の溶液または懸濁液を被覆し、加熱処理を施
すことによって、金属製内芯部の表面に親水性高分子物
質と架橋カルボキシル基含有高分子物質との相互侵入ポ
リマ−網目構造の被膜が形成されてなる、湿潤時に表面
潤滑性を発現する医療用ガイドワイヤ−である。
するためになされたものであって、内芯部の表面に、親
水性高分子物質と、カルボキシル基含有高分子物質と、
1分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からな
る群から選ばれた官能基を少なくとも1含有する化合物
との混合物の溶液または懸濁液を被覆し、加熱処理を施
すことによって、金属製内芯部の表面に親水性高分子物
質と架橋カルボキシル基含有高分子物質との相互侵入ポ
リマ−網目構造の被膜が形成されてなる、湿潤時に表面
潤滑性を発現する医療用ガイドワイヤ−である。
【0008】また、本発明は、内芯部の表面に、親水性
高分子物質と架橋カルボキシル基含有高分子物質との相
互侵入ポリマ−網目構造体の被膜が形成された後に、加
水分解処理を施すことによって、被膜表面がより親水性
になって柔軟になり、ガイドワイヤ−を湿潤したときに
表面潤滑性がより大きく発現する医療用ガイドワイヤ−
を製造することを可能とする。
高分子物質と架橋カルボキシル基含有高分子物質との相
互侵入ポリマ−網目構造体の被膜が形成された後に、加
水分解処理を施すことによって、被膜表面がより親水性
になって柔軟になり、ガイドワイヤ−を湿潤したときに
表面潤滑性がより大きく発現する医療用ガイドワイヤ−
を製造することを可能とする。
【0009】更に、本発明は、内芯部と合成樹脂製被覆
部とからなる医療用ガイドワイヤ−において、前記合成
樹脂製被覆部が親水性高分子物質と、架橋カルボキシル
基含有高分子物質とが相互に網目状に入り組んだ相互侵
入ポリマ−網目構造からなる医療用ガイドワイヤ−であ
る。
部とからなる医療用ガイドワイヤ−において、前記合成
樹脂製被覆部が親水性高分子物質と、架橋カルボキシル
基含有高分子物質とが相互に網目状に入り組んだ相互侵
入ポリマ−網目構造からなる医療用ガイドワイヤ−であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によれば、内芯部の表面
に、親水性高分子物質と、カルボキシル基含有高分子物
質と、1分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基
からなる群から選ばれた官能基を少なくとも1含有する
化合物との混合物の溶液または懸濁液を被覆した後に、
加熱処理を施すと、カルボキシル基含有高分子物質と1
分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からなる
群から選ばれた官能基を少なくとも1含有する化合物と
の間で架橋構造を形成し、架橋カルボキシル基含有高分
子物質が得られる。そして、この架橋構造中に親水性高
分子物質が相互に入り組んだ相互侵入ポリマ−網目構造
の被膜が得られる。この被膜は、湿潤状態になると親水
性高分子物質によって表面潤滑性を発現するとともに、
親水性高分子物質は相互侵入ポリマ−網目構造によって
ある程度束縛を受けているので、湿潤時においても溶出
しにくいだけでなく、摩擦によってよっても剥がれにく
くなり持続的に表面潤滑性を発現する。
に、親水性高分子物質と、カルボキシル基含有高分子物
質と、1分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基
からなる群から選ばれた官能基を少なくとも1含有する
化合物との混合物の溶液または懸濁液を被覆した後に、
加熱処理を施すと、カルボキシル基含有高分子物質と1
分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からなる
群から選ばれた官能基を少なくとも1含有する化合物と
の間で架橋構造を形成し、架橋カルボキシル基含有高分
子物質が得られる。そして、この架橋構造中に親水性高
分子物質が相互に入り組んだ相互侵入ポリマ−網目構造
の被膜が得られる。この被膜は、湿潤状態になると親水
性高分子物質によって表面潤滑性を発現するとともに、
親水性高分子物質は相互侵入ポリマ−網目構造によって
ある程度束縛を受けているので、湿潤時においても溶出
しにくいだけでなく、摩擦によってよっても剥がれにく
くなり持続的に表面潤滑性を発現する。
【0011】内芯部の基材としては、タングステン、ス
テンレス鋼、金、白金等の造影金属材料からなる金属
線、Ti−Ni合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金等の弾性合金
からなる金属線、あるいは弾性合金からなる金属線の先
端部に造影金属材料からなる小球が設けられた金属線、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル等からなる合成樹脂を金属線の表面に被覆した合成
樹脂製線または合成樹脂製チュ−ブの内腔に金属線が内
挿された合成樹脂製線等が挙げられる。
テンレス鋼、金、白金等の造影金属材料からなる金属
線、Ti−Ni合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金等の弾性合金
からなる金属線、あるいは弾性合金からなる金属線の先
端部に造影金属材料からなる小球が設けられた金属線、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル等からなる合成樹脂を金属線の表面に被覆した合成
樹脂製線または合成樹脂製チュ−ブの内腔に金属線が内
挿された合成樹脂製線等が挙げられる。
【0012】本発明は、内芯部と合成樹脂製被覆部とか
らなる医療用ガイドワイヤ−であって、前記合成樹脂製
被覆部が親水性高分子物質と、架橋カルボキシル基含有
高分子物質とが相互に入り組んだ網目構造をした相互侵
入ポリマ−網目構造からなる医療用ガイドワイヤ−であ
る。網目構造を形成する一方の高分子物質である親水性
高分子物質は相互侵入ポリマ−網目構造体にあって、表
面潤滑性を発現する作用をする。親水性高分子物質とし
ては、アルギン酸ナトリウム、プルラン等の多糖類、ポ
リグルコシルオキシエチルメタクリレ−ト等の側鎖に糖
を有する高分子物質、メチルビニルエ−テル・無水マレ
イン酸共重合体、メチルビニルエ−テル・無水マレイン
酸共重合体のハ−フエステル、メチルビニルエ−テル・
無水マレイン酸共重合体とメチルビニルエ−テル・無水
マレイン酸共重合体のハ−フエステルとの混合物、メチ
ルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体と親水性維
持付与機能物質との反応物が挙げられる。
らなる医療用ガイドワイヤ−であって、前記合成樹脂製
被覆部が親水性高分子物質と、架橋カルボキシル基含有
高分子物質とが相互に入り組んだ網目構造をした相互侵
入ポリマ−網目構造からなる医療用ガイドワイヤ−であ
る。網目構造を形成する一方の高分子物質である親水性
高分子物質は相互侵入ポリマ−網目構造体にあって、表
面潤滑性を発現する作用をする。親水性高分子物質とし
ては、アルギン酸ナトリウム、プルラン等の多糖類、ポ
リグルコシルオキシエチルメタクリレ−ト等の側鎖に糖
を有する高分子物質、メチルビニルエ−テル・無水マレ
イン酸共重合体、メチルビニルエ−テル・無水マレイン
酸共重合体のハ−フエステル、メチルビニルエ−テル・
無水マレイン酸共重合体とメチルビニルエ−テル・無水
マレイン酸共重合体のハ−フエステルとの混合物、メチ
ルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体と親水性維
持付与機能物質との反応物が挙げられる。
【0013】メチルビニルエ−テル・無水マレイン酸共
重合体と親水性維持付与機能物質との反応物の親水性維
持付与機能物質としては、アンモニア、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン等が挙げられる。内芯部
に親水性高分子物質のみを被覆したガイドワイヤ−は、
それのみでも十分な表面潤滑性を発現するが、カテ−テ
ル内に挿入すると容易に被覆物が溶出し表面潤滑性が低
下する。このために、相互侵入ポリマ−網目構造を形成
することによって、親水性高分子物質の溶出を防止す
る。
重合体と親水性維持付与機能物質との反応物の親水性維
持付与機能物質としては、アンモニア、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン等が挙げられる。内芯部
に親水性高分子物質のみを被覆したガイドワイヤ−は、
それのみでも十分な表面潤滑性を発現するが、カテ−テ
ル内に挿入すると容易に被覆物が溶出し表面潤滑性が低
下する。このために、相互侵入ポリマ−網目構造を形成
することによって、親水性高分子物質の溶出を防止す
る。
【0014】相互侵入ポリマ−網目構造を形成する他方
の高分子物質である架橋カルボキシル基含有高分子物質
は、カルボキシル基含有高分子物質と、1分子中に水酸
基、アミノ基、イソシアネ−ト基からなる群から選ばれ
た官能基を少なくとも1含有する化合物との反応体から
なる。カルボキシル基含有高分子物質としては、無水マ
レイン酸系高分子物質またはその加水分解分解物、ポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸等があげられる。また、
1分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からな
る群から選ばれた官能基を少なくとも1含有する化合物
のうち、1分子中に水酸基を少なくとも1含有する化合
物としては、エチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ル、
グリセリン、ポリビニルアルコ−ル等が挙げられ、カル
ボキシル基含有高分子物質のカルボキシル基と反応して
エステル結合を形成する架橋剤として使用される。
の高分子物質である架橋カルボキシル基含有高分子物質
は、カルボキシル基含有高分子物質と、1分子中に水酸
基、アミノ基、イソシアネ−ト基からなる群から選ばれ
た官能基を少なくとも1含有する化合物との反応体から
なる。カルボキシル基含有高分子物質としては、無水マ
レイン酸系高分子物質またはその加水分解分解物、ポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸等があげられる。また、
1分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からな
る群から選ばれた官能基を少なくとも1含有する化合物
のうち、1分子中に水酸基を少なくとも1含有する化合
物としては、エチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ル、
グリセリン、ポリビニルアルコ−ル等が挙げられ、カル
ボキシル基含有高分子物質のカルボキシル基と反応して
エステル結合を形成する架橋剤として使用される。
【0015】また、1分子中にアミノ基を少なくとも1
含有する化合物としては、ヒドラジン、エチレンジアミ
ン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、エチレンイミン重合体等が挙げられ、カルボキシ
ル基含有高分子物質のカルボキシル基と反応してアミド
結合を形成する架橋剤として使用される。1分子中にイ
ソシアネ−ト基を少なくとも1含有する化合物としては
ジフエニルメタンジイソシアネ−ト、トルエンジイソシ
アネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソホロ
ンジイソシアネ−ト、4,4, −ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネ−トが挙げられ、カルボキシル基含有高
分子物質のカルボキシル基と反応してアミド結合を形成
する架橋剤として使用される。その他に、1分子中に水
酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からなる群から選ば
れた官能基を少なくとも1含有する化合物としてはエタ
ノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン等が挙げられる。
含有する化合物としては、ヒドラジン、エチレンジアミ
ン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、エチレンイミン重合体等が挙げられ、カルボキシ
ル基含有高分子物質のカルボキシル基と反応してアミド
結合を形成する架橋剤として使用される。1分子中にイ
ソシアネ−ト基を少なくとも1含有する化合物としては
ジフエニルメタンジイソシアネ−ト、トルエンジイソシ
アネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソホロ
ンジイソシアネ−ト、4,4, −ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネ−トが挙げられ、カルボキシル基含有高
分子物質のカルボキシル基と反応してアミド結合を形成
する架橋剤として使用される。その他に、1分子中に水
酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からなる群から選ば
れた官能基を少なくとも1含有する化合物としてはエタ
ノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン等が挙げられる。
【0016】かかる親水性高分子物質と、カルボキシル
基含有高分子物質と、1分子中に水酸基、アミノ基、イ
ソシアネ−ト基からなる群から選ばれた官能基を少なく
とも1含有する化合物との混合物を溶液または懸濁液に
して、内芯部の表面に被覆するには、該混合物の溶液ま
たは懸濁液中に、ガイドワイヤ−を構成する内芯部を浸
漬して被覆する。前記混合物の溶液または懸濁液として
使用される液体としてはメチルエチルケトン、アセト
ン、テトラヒドロフラン、水等が挙げられ、0.02〜2重
量%の濃度で使用される。前記混合物の混合割合は、親
水性高分子物質が0.01〜1重量%、カルボキシル基含有
高分子物質が0.01〜1重量%、1分子中に水酸基、アミ
ノ基、イソシアネ−ト基からなる群から選ばれた官能基
を少なくとも1含有する化合物が、カルボキシル基を有
する高分子物質のモノマ−ユニット当たり官能基数にし
て1〜50モル%である。
基含有高分子物質と、1分子中に水酸基、アミノ基、イ
ソシアネ−ト基からなる群から選ばれた官能基を少なく
とも1含有する化合物との混合物を溶液または懸濁液に
して、内芯部の表面に被覆するには、該混合物の溶液ま
たは懸濁液中に、ガイドワイヤ−を構成する内芯部を浸
漬して被覆する。前記混合物の溶液または懸濁液として
使用される液体としてはメチルエチルケトン、アセト
ン、テトラヒドロフラン、水等が挙げられ、0.02〜2重
量%の濃度で使用される。前記混合物の混合割合は、親
水性高分子物質が0.01〜1重量%、カルボキシル基含有
高分子物質が0.01〜1重量%、1分子中に水酸基、アミ
ノ基、イソシアネ−ト基からなる群から選ばれた官能基
を少なくとも1含有する化合物が、カルボキシル基を有
する高分子物質のモノマ−ユニット当たり官能基数にし
て1〜50モル%である。
【0017】次に、内芯部の表面を前記混合物で被覆し
た被覆物を80〜140 ℃の温度で5分〜3時間加熱処理す
ることによって、カルボキシル基含有高分子物質と1分
子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からなる群
から選ばれた官能基を少なくとも1含有する化合物とが
反応して架橋カルボキシル基含有高分子物質を形成し、
親水性高分子物質と架橋カルボキシル基含有高分子物質
とが網目構造をした相互侵入ポリマ−網目構造体が内芯
部の表面に形成される。
た被覆物を80〜140 ℃の温度で5分〜3時間加熱処理す
ることによって、カルボキシル基含有高分子物質と1分
子中に水酸基、アミノ基、イソシアネ−ト基からなる群
から選ばれた官能基を少なくとも1含有する化合物とが
反応して架橋カルボキシル基含有高分子物質を形成し、
親水性高分子物質と架橋カルボキシル基含有高分子物質
とが網目構造をした相互侵入ポリマ−網目構造体が内芯
部の表面に形成される。
【0018】また、他の医療用ガイドワイヤ−の製造方
法として、内芯部の表面が、親水性高分子物質と架橋カ
ルボキシル基含有高分子物質との相互侵入ポリマ−網目
構造体の被膜が形成された後に、加水分解処理を施すこ
とによって被膜表面がより親水性になり柔軟になって、
ガイドワイヤ−を湿潤したときに表面潤滑性がより大き
く発現する。加水分解処理の条件としては、苛性ソ−
ダ、苛性カリの水溶液中に医療用ガイドワイヤ−を室温
で5秒〜60分間浸漬する。以下、実施例で本発明の一例
を説明する。
法として、内芯部の表面が、親水性高分子物質と架橋カ
ルボキシル基含有高分子物質との相互侵入ポリマ−網目
構造体の被膜が形成された後に、加水分解処理を施すこ
とによって被膜表面がより親水性になり柔軟になって、
ガイドワイヤ−を湿潤したときに表面潤滑性がより大き
く発現する。加水分解処理の条件としては、苛性ソ−
ダ、苛性カリの水溶液中に医療用ガイドワイヤ−を室温
で5秒〜60分間浸漬する。以下、実施例で本発明の一例
を説明する。
【0019】
【実施例1】直径0.48mmのTi−Ni合金(ダイメック社
製)の芯線をエ−テル系ポリウレタン(ダウケミカル社
製ペレセン)で被覆した基材をメチルビニルエ−テル・
無水マレイン酸共重合体のメチルエチルケトン溶液(濃
度0.75重量%)に10秒間浸漬した後に、110 ℃で2時間
加熱した。その後、0.1N苛性ソ−ダ水溶液に3分間浸漬
した。このようにして得られた合成樹脂で被覆された内
芯部をメチルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体
のナトリウム塩0.25重量%、エチレングリコ−ル0.025
重量%およびアルギン酸ナトリウム0.25重量%の混合水
溶液中に浸漬した後、110 ℃で2時間加熱処理した。こ
のようにして得られた医療用ガイドワイヤ−を表面潤滑
性試験に供した。その摩擦抵抗値を表1に示す。
製)の芯線をエ−テル系ポリウレタン(ダウケミカル社
製ペレセン)で被覆した基材をメチルビニルエ−テル・
無水マレイン酸共重合体のメチルエチルケトン溶液(濃
度0.75重量%)に10秒間浸漬した後に、110 ℃で2時間
加熱した。その後、0.1N苛性ソ−ダ水溶液に3分間浸漬
した。このようにして得られた合成樹脂で被覆された内
芯部をメチルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体
のナトリウム塩0.25重量%、エチレングリコ−ル0.025
重量%およびアルギン酸ナトリウム0.25重量%の混合水
溶液中に浸漬した後、110 ℃で2時間加熱処理した。こ
のようにして得られた医療用ガイドワイヤ−を表面潤滑
性試験に供した。その摩擦抵抗値を表1に示す。
【0020】図1は医療用ガイドワイヤ−の表面潤滑性
試験の説明図である。約25cmの長さにカットした内径1.
1mm のアンギオカテ−テルを図1に示すような形状に湾
曲させ、その基端部Bを固定する。このアンギオカテ−
テルの内腔に、予め3分間生理食塩水で湿潤させておい
た医療用ガイドワイヤ−を挿入し、ガイドワイヤ−の先
端がアンギオカテ−テルの先端Aから出ている状態にし
て挿入と引き抜きの操作を繰り返し行い、所定繰り返し
回数における挿入時と引き抜き時における応力を引張試
験機(島津製作所製S500D)で測定した。挿入時の応力と
引き抜き時の応力の和の2分の1を摩擦抵抗値とした。
試験の説明図である。約25cmの長さにカットした内径1.
1mm のアンギオカテ−テルを図1に示すような形状に湾
曲させ、その基端部Bを固定する。このアンギオカテ−
テルの内腔に、予め3分間生理食塩水で湿潤させておい
た医療用ガイドワイヤ−を挿入し、ガイドワイヤ−の先
端がアンギオカテ−テルの先端Aから出ている状態にし
て挿入と引き抜きの操作を繰り返し行い、所定繰り返し
回数における挿入時と引き抜き時における応力を引張試
験機(島津製作所製S500D)で測定した。挿入時の応力と
引き抜き時の応力の和の2分の1を摩擦抵抗値とした。
【0021】
【実施例2】実施例1で得られたエステル系ポリウレタ
ンで被覆した基材をメチルビニルエ−テル・無水マレイ
ン酸共重合体のメチルエチルケトン溶液(濃度0.75重量
%)に10秒間浸漬した後に、130 ℃で2時間加熱した。
その後、0.1N苛性ソ−ダ水溶に3分間浸漬した。このよ
うにして得られた合成樹脂で被覆された内芯部をメチル
ビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体の加水分解物
0.125 重量%、グリセリン0.0046重量%およびアルギン
酸ナトリウム0.25重量%の混合水溶液に浸漬した後、13
0 ℃で2時間熱処理した。その後、得られた医療用ガイ
ドワイヤ−を0.1N苛性ソ−ダ水溶液で3分間処理して被
膜表面を加水分解した。このようにして得られた医療用
ガイドワイヤ−を表面潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗
値を表1に示す。
ンで被覆した基材をメチルビニルエ−テル・無水マレイ
ン酸共重合体のメチルエチルケトン溶液(濃度0.75重量
%)に10秒間浸漬した後に、130 ℃で2時間加熱した。
その後、0.1N苛性ソ−ダ水溶に3分間浸漬した。このよ
うにして得られた合成樹脂で被覆された内芯部をメチル
ビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合体の加水分解物
0.125 重量%、グリセリン0.0046重量%およびアルギン
酸ナトリウム0.25重量%の混合水溶液に浸漬した後、13
0 ℃で2時間熱処理した。その後、得られた医療用ガイ
ドワイヤ−を0.1N苛性ソ−ダ水溶液で3分間処理して被
膜表面を加水分解した。このようにして得られた医療用
ガイドワイヤ−を表面潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗
値を表1に示す。
【0022】
【実施例3】実施例2で得られた合成樹脂で被覆された
内芯部をメチルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合
体ナトリウム塩0.125 重量%、ポリビニルアルコ−ル0.
0022重量%およびアルギン酸ナトリウム0.25重量%の混
合水溶液に浸漬し、130 ℃で2時間熱処理した。その
後、得られた医療用ガイドワイヤ−を0.1N苛性ソ−ダ水
溶液で3分間処理して被膜表面を加水分解した。このよ
うにして得られた医療用ガイドワイヤ−を表面潤滑性試
験に供し、その摩擦抵抗値を表1に示す。
内芯部をメチルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合
体ナトリウム塩0.125 重量%、ポリビニルアルコ−ル0.
0022重量%およびアルギン酸ナトリウム0.25重量%の混
合水溶液に浸漬し、130 ℃で2時間熱処理した。その
後、得られた医療用ガイドワイヤ−を0.1N苛性ソ−ダ水
溶液で3分間処理して被膜表面を加水分解した。このよ
うにして得られた医療用ガイドワイヤ−を表面潤滑性試
験に供し、その摩擦抵抗値を表1に示す。
【0023】
【比較例1】実施例1で得られたエステル系ポリウレタ
ンで被覆した基材をメチルビニルエ−テル・無水マレイ
ン酸共重合体のメチルエチルケトン溶液(濃度0.75重量
%)に10秒間浸漬した後に、110 ℃で2時間加熱した。
その後、0.1N苛性ソ−ダ水溶液に3分間浸漬した。この
ようにして得られた合成樹脂で被覆された内芯部を表面
潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗値を表1に示す。
ンで被覆した基材をメチルビニルエ−テル・無水マレイ
ン酸共重合体のメチルエチルケトン溶液(濃度0.75重量
%)に10秒間浸漬した後に、110 ℃で2時間加熱した。
その後、0.1N苛性ソ−ダ水溶液に3分間浸漬した。この
ようにして得られた合成樹脂で被覆された内芯部を表面
潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗値を表1に示す。
【0024】
【比較例2】比較例1で得られた合成樹脂で被覆された
内芯部をアルギン酸ナトリウム0.75重量%水溶液に浸漬
した後、110 ℃で2時間加熱処理した。このようにして
得られた医療用ガイドワイヤ−を表面潤滑性試験に供
し、その摩擦抵抗値を表1に示す。
内芯部をアルギン酸ナトリウム0.75重量%水溶液に浸漬
した後、110 ℃で2時間加熱処理した。このようにして
得られた医療用ガイドワイヤ−を表面潤滑性試験に供
し、その摩擦抵抗値を表1に示す。
【0025】
【比較例3】比較例1で得られた合成樹脂で被覆された
内芯部をメチルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合
体ナトリウム塩0.25重量%およびエチレングリコ−ル0.
05重量%の混合水溶液に浸漬した後、110 ℃で2時間加
熱処理した。このようにして得られた医療用ガイドワイ
ヤ−を表面潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗値を表1に
示す。
内芯部をメチルビニルエ−テル・無水マレイン酸共重合
体ナトリウム塩0.25重量%およびエチレングリコ−ル0.
05重量%の混合水溶液に浸漬した後、110 ℃で2時間加
熱処理した。このようにして得られた医療用ガイドワイ
ヤ−を表面潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗値を表1に
示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、本発明の実施例
の医療用ガイドワイヤ−はいずれも表面潤滑性に優れ、
摩擦耐久性に優れている。これに対して比較例1の医療
用ガイドワイヤ−は10回までの摺動回数では本発明の医
療用ガイドワイヤ−と同じ摩擦抵抗値を示したが、その
後、摺動回数を増加させることによって摩擦抵抗値が大
きくなり摩擦耐久性が悪くなった。比較例2および比較
例3の医療用ガイドワイヤ−は使用以前から表面潤滑性
が悪かった。
の医療用ガイドワイヤ−はいずれも表面潤滑性に優れ、
摩擦耐久性に優れている。これに対して比較例1の医療
用ガイドワイヤ−は10回までの摺動回数では本発明の医
療用ガイドワイヤ−と同じ摩擦抵抗値を示したが、その
後、摺動回数を増加させることによって摩擦抵抗値が大
きくなり摩擦耐久性が悪くなった。比較例2および比較
例3の医療用ガイドワイヤ−は使用以前から表面潤滑性
が悪かった。
【0028】
【発明の効果】本発明の医療用ガイドワイヤ−は、親水
性高分子物質が相互侵入ポリマ−網目構造に束縛されて
水または体液との接触によっても容易に溶出せず、持続
的な潤滑性を発現することができる。
性高分子物質が相互侵入ポリマ−網目構造に束縛されて
水または体液との接触によっても容易に溶出せず、持続
的な潤滑性を発現することができる。
【図1】本発明医療用ガイドワイヤ−を表面潤滑性試験
に供する際の説明図。
に供する際の説明図。
Claims (9)
- 【請求項1】 内芯部と合成樹脂製被覆部とからなる医
療用ガイドワイヤ−において、前記合成樹脂製被覆部が
親水性高分子物質と、架橋カルボキシル基含有高分子物
質との相互侵入ポリマ−網目構造からなる医療用ガイド
ワイヤ−。 - 【請求項2】 親水性高分子物質が、無水マレイン酸系
高分子物質である請求項1記載の医療用ガイドワイヤ
−。 - 【請求項3】 無水マレイン酸系高分子物質と親水性維
持機能付与物質とが反応してなる請求項1または請求項
2記載の医療用ガイドワイヤ−。 - 【請求項4】 親水性維持機能付与物質がアンモニアま
たはアミン類である請求項3記載の医療用ガイドワイヤ
−。 - 【請求項5】 親水性高分子物質が多糖類系高分子物質
である請求項1記載の医療用ガイドワイヤ−。 - 【請求項6】 親水性高分子物質が側鎖に糖を有する高
分子物質である請求項1記載の医療用ガイドワイヤ−。 - 【請求項7】 架橋カルボキシル基含有高分子物質がカ
ルボキシル基含有高分子物質と、1分子中に水酸基、ア
ミノ基、イソシアネ−ト基からなる群から選ばれた官能
基を少なくとも1含有する化合物との反応体である請求
項1〜6のいずれかに記載の医療用ガイドワイヤ−。 - 【請求項8】 親水性高分子物質と、カルボキシル基含
有高分子物質と、1分子中に水酸基、アミノ基、イソシ
アネ−ト基からなる群から選ばれた官能基を少なくとも
1含有する化合物との混合物の溶液または懸濁液を、内
芯部の表面に被覆した後に、加熱処理を施すことを特徴
とする医療用ガイドワイヤ−の製造方法。 - 【請求項9】 内芯部の表面に、親水性高分子物質と架
橋カルボキシル基含有高分子物質との相互侵入ポリマ−
網目構造体の被膜が形成された後に、加水分解処理を施
すことを特徴とする請求項8記載の医療用ガイドワイヤ
−の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7322612A JPH09154951A (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 医療用ガイドワイヤ−およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7322612A JPH09154951A (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 医療用ガイドワイヤ−およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09154951A true JPH09154951A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18145665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7322612A Pending JPH09154951A (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 医療用ガイドワイヤ−およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09154951A (ja) |
-
1995
- 1995-12-12 JP JP7322612A patent/JPH09154951A/ja active Pending
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