JPH0915368A - 原子炉圧力容器上蓋の冷却装置 - Google Patents

原子炉圧力容器上蓋の冷却装置

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JPH0915368A
JPH0915368A JP7163970A JP16397095A JPH0915368A JP H0915368 A JPH0915368 A JP H0915368A JP 7163970 A JP7163970 A JP 7163970A JP 16397095 A JP16397095 A JP 16397095A JP H0915368 A JPH0915368 A JP H0915368A
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pressure vessel
reactor
reactor pressure
upper lid
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JP7163970A
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Kazuhiko Takayama
和彦 高山
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C15/00Cooling arrangements within the pressure vessel containing the core; Selection of specific coolants
    • G21C15/02Arrangements or disposition of passages in which heat is transferred to the coolant; Coolant flow control devices
    • G21C15/12Arrangements or disposition of passages in which heat is transferred to the coolant; Coolant flow control devices from pressure vessel; from containment vessel
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C15/00Cooling arrangements within the pressure vessel containing the core; Selection of specific coolants
    • G21C15/18Emergency cooling arrangements; Removing shut-down heat
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Abstract

(57)【要約】 【目的】原子炉圧力容器上蓋に冷却装置を設けて、冷却
水により原子炉圧力容器胴と共に均等に冷却して、定期
検査期間の短縮と作業員の安全性を向上した原子炉圧力
容器上蓋の冷却装置を提供する。 【構成】請求項1記載の発明に係る原子炉圧力容器上蓋
の冷却装置は、冷却エレメント14を設置した原子炉圧力
容器上蓋13と、前記冷却エレメント14に冷却媒体を供給
する冷却装置とからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉圧力容器に係り、
特に定期検査期間の短縮ができる原子炉圧力容器上蓋の
冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉における原子炉圧力容器
の上蓋は、図7の縦断面図に示すように構成されてい
て、原子炉圧力容器1の全体の高さは約20mあるが、上
部において上下に分割されている。上部は原子炉圧力容
器上蓋2であり、下部は容器としての原子炉圧力容器胴
3で、この原子炉圧力容器胴3の中に図示しない燃料棒
を含む炉心を収納しており、原子炉圧力容器上蓋2と原
子炉圧力容器胴3との接続面はフランジ構造となってい
る。
【0003】プラントの運転中は、原子炉圧力容器1は
約3分の2の高さまで炉水があり、炉心は水中で核熱を
発して炉水を沸騰させて蒸気を作る。原子炉圧力容器1
の上3分の1はこの蒸気が溜るドーム4となっている。
発生する蒸気および炉水は約 270℃の高温で、しかも高
圧の状態にあり、このために、原子炉圧力容器1も内面
は約 270℃となっている。なお、原子炉圧力容器1の外
側は、熱を逃がさないように保温材で囲まれており、し
たがって原子炉圧力容器1の外表面もほぼ 270℃となっ
ている。
【0004】原子炉圧力容器1のフランジ部では、原子
炉圧力容器上蓋2と原子炉圧力容器胴3とはスタッドボ
ルト5、およびナット6により締付けられている。ま
た、フランジの間には、図示しない金属Oリングにより
原子炉圧力容器1内の圧力をシールしている。これによ
り、原子炉圧力容器上蓋2と原子炉圧力容器胴3のフラ
ンジは、直接接触していないために互いの熱は伝わり難
い。図8の冷却系統構成図に示すように、原子炉格納容
器7の内部で中央には原子炉圧力容器1が設置されてい
る。
【0005】さらに原子炉格納容器7の内部には、再循
環ポンプ8と原子炉格納容器ローカルクーラー9、およ
び除湿器10などが設置されており、これらは冷却水を必
要としているので、原子炉補機冷却系11の冷却水配管11
aと原子炉格納容器内除湿系12の冷却水配管12aが巡ら
されている。
【0006】次に、プラントの運転中の状態から停止に
至る原子炉圧力容器1内の状況について説明する。運転
中に核熱により約 270℃の高温で高圧の状態であった原
子炉圧力容器1内は、停止操作を行うことにより圧力を
徐々に下げる。内部の圧力が下がると飽和蒸気の温度も
下がり、このようにして炉水温度が 100℃を下廻ると、
大気圧での沸騰がなくなる。
【0007】これにより、原子炉圧力容器上蓋2を開放
しても蒸気の噴出がない冷温停止に至ったと判断して、
本格的な定期検査作業に入る。このプラントの運転停止
と原子炉圧力容器上蓋2の開放に関する作業工程と温度
の推移を図9の工程および温度特性図により説明する。
1日目のAがプラント運転最終段階で発電機の解列を示
し、これが定期検査の開始となる。この時の炉水温度T
w は約 270℃であり、原子炉圧力容器上蓋2の温度TH
も同じく約 270℃となっている。
【0008】Bは原子炉建屋のコンクリート蓋取外し作
業で、2日目のCにおいて残留熱除去系が稼動すること
から炉水温度Tw は急速に下り始める。またDは冷温停
止状態を示し、炉水温度Tw が 100℃を切ることから、
Eの原子炉格納容器ヘッド取外し作業とFの原子炉圧力
容器上蓋2の保温架台取外し、および温度センサ信号線
切離し作業を行う。
【0009】この後は温度の低下を待つ待機Gで、この
間に炉水温度Tw はさらに低下するが、原子炉圧力容器
上蓋2の温度TH につていは緩やかな降下で、2日目で
も十分な高温状態が維持されている。
【0010】3日目は原子炉圧力容器上蓋2の温度TH
が未だ高温ではあるが、限られた定期検査期間の関係か
ら、作業員は火傷防止を考慮しながらHとして原子炉圧
力容器上蓋に設置してある温度センサの取外し、および
小口径配管等の取外しと原子炉圧力容器上蓋2の開放作
業を始める。
【0011】このように、原子炉圧力容器上蓋2は炉水
温度の下がり方に較べて温度の下がり方が遅く、この理
由は原子炉圧力容器上蓋2と原子炉圧力容器胴3が直接
接触しておらず、したがって、原子炉圧力容器胴3側の
温度低下に対して原子炉圧力容器上蓋2の熱が逃げ難い
ことにある。なお、この原子炉圧力容器上蓋2を冷却す
る方法として、従来は次の2つが考えられていた。その
1はフラッディング法で、炉水を増やして原子炉圧力容
器1を全て炉水で満す方法である。
【0012】この時の炉水は、残留熱除去系により冷却
されるために、この冷やされた水が原子炉圧力容器上蓋
2を効果的に冷却する。しかしこの方法は、炉停止直後
で強い放射能を持った浮遊物を原子炉圧力容器1内、お
よび原子炉圧力容器1につながる配管内に持ち込むこと
から、原子炉格納容器1内の雰囲気の放射線強度を上げ
てしまう欠点がある。
【0013】その2は原子炉圧力容器ヘッドスプレー法
で、残留熱除去系で冷やされた炉水を原子炉圧力容器上
蓋2の上部に設けたノズルから噴出させることにより、
原子炉圧力容器上蓋2の頂部の一点から熱を奪い去って
冷却する方法である。しかしこの方法は、原子炉圧力容
器上蓋2の温度分布を著しく変化させて熱応力歪を起こ
させ易いことから、特殊な状況下でなければ、あまり推
奨できない方法である。したがって、以上2つの方法は
共に原子炉が冷温停止(大気圧で炉水温度が 100℃以
下)になるまで、現実には使用できない技術であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図9に示したように原
子炉圧力容器上蓋2の取外し作業Hは、実質上定期検査
開始のAより約2日遅れて作業を開始されるが、これは
適切な原子炉圧力容器上蓋2の冷却方法がないために約
48時間の待時間を要する。したがって、定期検査期間を
延ばすことになり(約1日弱)、このことはプラントの
稼動率を下げることにつながる。
【0015】また、上蓋取外し作業着手時でも原子炉圧
力容器上蓋2の温度TH は高く、作業員が火傷をする危
険性もあり、さらに、雰囲気温度が高いために作業環境
を劣悪にしている問題があった。
【0016】本発明の目的とするところは、原子炉圧力
容器上蓋に冷却装置を設けて、冷却水により原子炉圧力
容器胴と共に均等に冷却して、定期検査期間の短縮と作
業員の安全性を向上した原子炉圧力容器上蓋の冷却装置
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る原子炉圧力容器上蓋の冷却装
置は、冷却エレメントを設置した原子炉圧力容器上蓋
と、前記冷却エレメントに冷却媒体を供給する冷却装置
とからなることを特徴とする。請求項2記載の発明に係
る原子炉圧力容器上蓋の冷却装置は、原子炉圧力容器上
蓋に設置した冷却エレメントが、中空環状で原子炉圧力
容器上蓋の表面に装着することを特徴とする。
【0018】請求項3記載の発明に係る原子炉圧力容器
上蓋の冷却装置は、冷却エレメントに供給する冷却媒体
が、原子炉格納容器内冷却系からの冷却水であることを
特徴とする。請求項4記載の発明に係る原子炉圧力容器
上蓋の冷却装置は、原子炉格納容器内冷却系が、原子炉
補機冷却系あるいは原子炉格納容器内除湿系であること
を特徴とする。
【0019】請求項5記載の発明に係る原子炉圧力容器
上蓋の冷却装置は、冷却エレメントと原子炉格納容器内
冷却系との接続が、端部にカプラーまたはユニオンある
いはフランジを設けたフレキシブルホースであることを
特徴とする。請求項6記載の発明に係る原子炉圧力容器
上蓋の冷却装置は、冷却エレメントと原子炉格納容器内
冷却系との接続が、止め弁と逃し弁を備えた配管による
ことを特徴とする。
【0020】請求項7記載の発明に係る原子炉圧力容器
上蓋の冷却装置は、冷却エレメントに供給する冷却媒体
流量を原子炉格納容器内冷却系より温度制御手段と流量
制御手段を備えた冷却装置を介して制御することを特徴
とする。請求項8記載の発明に係る原子炉圧力容器上蓋
の冷却装置は、冷却装置が原子炉圧力容器上蓋温度と炉
水温度とから冷却エレメントへの冷却媒体流量を制御す
ることを特徴とする。
【0021】
【作用】請求項1記載の発明は、原子炉圧力容器上蓋に
設置した冷却エレメントに冷却装置で温度および流量な
どを制御した冷却媒体を供給して、原子炉圧力容器上蓋
を冷却する。請求項2記載の発明は、中空環状の冷却エ
レメントを原子炉圧力容器上蓋の表面に設置、装着して
原子炉圧力容器上蓋を冷却する。
【0022】請求項3記載の発明は、冷却エレメントに
供給する原子炉圧力容器上蓋を冷却する冷却媒体を冷却
水として、この冷却水を原子炉格納容器内冷却系から供
給する。請求項4記載の発明は、冷却エレメントには原
子炉格納容器内冷却系である、原子炉補機冷却系あるい
は原子炉格納容器内除湿系から冷却水を供給する。
【0023】請求項5記載の発明は、プラント停止時の
み冷却エレメントと原子炉格納容器内冷却系とを、カプ
ラーまたはユニオンあるいはフランジを介したフレキシ
ブルホースにより接続するが、プラント運転時はフレキ
シブルホースを取り外して、原子炉圧力容器上蓋が冷却
されないようにする。
【0024】請求項6記載の発明は、プラント停止時は
止め弁を開いて冷却エレメントと原子炉格納容器内冷却
系とを連通し、原子炉圧力容器上蓋を冷却するが、プラ
ント運転時は止め弁を閉じて原子炉圧力容器上蓋の冷却
を停止すると共に、止め弁間に残留した冷却水を逃がし
弁から排出する。
【0025】請求項7記載の発明は、冷却装置の温度制
御手段は原子炉圧力容器上蓋温度および炉水温度を検出
し、流量制御手段では温度制御手段からの信号により冷
却エレメントに供給する冷却媒体流量を制御する。請求
項8記載の発明は、冷却装置では原子炉圧力容器上蓋温
度と炉水温度とから、原子炉圧力容器上蓋を冷却するの
に適切な冷却媒体流量を算出すると共に、冷却エレメン
トへの流量を制御して、原子炉圧力容器上蓋の冷却を行
う。
【0026】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照して説
明する。図1の要部縦断面図に示すように原子炉圧力容
器上蓋13は、その表面に環状の冷却エレメント14を1個
以上設置して構成している。なお、その外部には保温架
台15で覆っている。
【0027】また、原子炉圧力容器上蓋13に設置された
冷却エレメント14は、図2(a)の斜視図と(c)の平
面図に示すように円環中空状で、放射方向に切った断面
を図2(b)に示す。この中空には冷却水入口16へ図示
しない冷却水供給源から冷却水を流す。冷却エレメント
14における外表面の中心方向面は、原子炉圧力容器上蓋
13の外表面の曲面に密着して接触する形状で、流れる冷
却水の圧力に耐える機械的強度に見合う肉厚を確保して
いる。
【0028】また、冷却エレメント14はほぼ真円で、冷
却水入口16と冷却水出口17の間は隔壁18で仕切られてい
る。したがって、冷却水入口16から入った冷却水は、冷
却エレメント14内を1周して冷却水出口17から出てい
く。この冷却エレメント14を複数個設けた場合は、原子
炉圧力容器上蓋13における温度ムラを少なくするため
に、それぞれの冷却エレメント14における冷却水の流れ
を、時計廻りと反時計廻りとの交互に方向を変えるよう
にする。
【0029】さらに、原子炉圧力容器蓋13には吊耳19が
突起物としてあるために、冷却エレメント14の取付はこ
の部分を避ける。冷却エレメント14の外側には保温架台
15が載るが、この保温架台15は従来からあるものでプラ
ント運転中に原子炉圧力容器上蓋13からの放熱を抑制し
て熱効率を向上させる役割を担っている。原子炉圧力容
器上蓋13を新製する場合は、この冷却エレメント14を本
設品として一体に組み込むことにより冷却エレメント14
と原子炉圧力容器蓋13とが完全接触となるので冷却効率
が高く得られて、取扱いも容易である。
【0030】なお、すでに運転されている既設プラント
の原子炉圧力容器上蓋2に対しては、冷却エレメント14
を後から装着する構成になるが、この場合に原子炉圧力
容器上蓋2の曲面と、冷却エレメント14の外表面の中心
側接触面の曲面をできるだけ一致させ、接合面を熱伝導
に優れた介在物などにて熱伝達率が高くなるよう取付け
る。
【0031】図3の縦断面図および図8に示すように冷
却媒体としては、熱容量が大きく取扱い易い水を使用す
る。また、冷却エレメント14の設置状況から、原子炉格
納容器7内に入っている冷却水系である原子炉補機冷却
系11、あるいは原子炉格納容器内除湿系12の冷却水を、
それぞれ供給ライン20,21によりフレキシブルホース22
を介して利用する。
【0032】両系の冷却水は共に防蝕剤を含んでいるが
特に支障はなく、原子炉補機冷却系11は供給温度が25〜
30℃あるが信頼度が高い。また原子炉格納容器内除湿系
12の冷却水は7〜10℃で低温であるが、系統の信頼度は
原子炉補機冷却系11に比べてやや低いが、本発明では両
系統の冷却水の一方、または両方を適宜使うものとす
る。
【0033】原子炉圧力容器上蓋13の冷却に際しては、
各部の温度ムラをできるだけ少なく、また温度変化率の
大きさも一定以下にする必要がある。これは原子炉圧力
容器上蓋13における過大な熱による応力集中と、これに
よる歪変形を防止するためである。
【0034】冷却装置の系統および制御手段は、図4の
系統構成図に示すように、原子炉圧力容器上蓋13の各部
に複数の温度センサ23を取り付け、各温度センサ23から
の温度信号は、対応する計測装置24を介して温度制御装
置25に入力される。この温度制御装置25は、各部の温度
センサ23からの温度信号により、原子炉圧力容器上蓋13
全体の温度のバラツキを計算を求め、このバラツキをな
くするように各冷却エレメント14に流れる冷却水量を調
整するために、それぞれの冷却エレメント14に対応する
流量制御装置26に制御信号を出す。
【0035】また温度制御装置25は、個々の温度信号の
時間変化率も計算して、一定の変化率を越えないように
流量制御装置26に出す制御信号を制限する機能を持つ。
この制御信号により流量制御装置26は、各冷却エレメン
ト14を冷却する供給ライン20,21に取付けられた止め弁
27を介した流量調整弁28の開度を制御する流量制御信号
を出す。流量調整弁28は流量制御信号を受けて、空気あ
るいは電気作動で弁開度を調整して、冷却エレメント14
に流れる冷却水量を制御する。
【0036】なお、この原子炉圧力容器上蓋13に適用す
る冷却装置は、プラント停止過程でのみ使用するもので
あり、プラント運転中は絶対に使用してはならない設備
である。したがって、定期検査時のみに使用できるよう
にガードする必要があると共に、簡単に使用できる設備
とする。
【0037】この冷却装置と原子炉補機冷却系11、ある
いは原子炉格納容器内除湿系12との接続は、いずれも図
5の接続図に示すようにする。原子炉補機冷却系11の供
給ライン20と、原子炉格納容器内除湿系12の供給ライン
21には取出ライン29が、また冷却エレメント14からは取
合ライン30をいずれも止め弁27を介して引出している。
【0038】第1の接続法は図5(a)で示すように、
取出ライン29と取合ライン30は原子炉圧力容器上蓋13の
冷却時以外は接続を絶つ。このため取出ライン29と取合
ライン30の端末を、カプラー31かユニオンあるいはフラ
ンジ構造としている。プラント運転中の不使用時は、両
端末に盲栓あるいは盲フランジで蓋をすると共に、取出
ライン29と取合ラインには止め弁27を夫々取り付けてお
く。これにより、不使用時は止め弁27を閉め、盲栓ある
いは盲フランジの2重で取出ライン29から冷却水が原子
炉格納容器7内へ漏洩することを防止する。
【0039】原子炉圧力容器上蓋13の冷却時には、フレ
キシブルホース22を接続し、止め弁27を開くと、原子炉
補機冷却系11,12と冷却エレメント14が結ばれる。この
第1の接続法では、プラント運転中は原子炉補機冷却系
11あるいは原子炉格納容器内除湿系12は、絶対に原子炉
圧力容器上蓋13を冷却することはなく。プラント停止直
後で、未だ高温状態にある原子炉格納容器7内の点検を
作業員が入って行う方式のプラントで、点検の際に作業
員によりフレキシブルホース22の接続と、止め弁27を開
くことで実施できる。
【0040】第2の接続法は図5(b)で示すように、
取出ライン29と取合ライン30は常時配管で結合して止め
弁27で仕切っている。この第2の接続法ではフレキシブ
ルホース22を使用せず、原子炉補機冷却系11,12と冷却
エレメント14は、片ラインにつき止め弁27を2段に使用
している。このために、プラント運転中に止め弁27のシ
ートリークにより接続されてしまう確率は少ないが、前
記第1の接続法より信頼性は少し下がる。しかし、接続
が止め弁27の操作だけでできるため簡単である。
【0041】なお、第2の接続法では両止め弁27間の配
管に逃し弁32を取りつける必要がある。これは、両止め
弁27間における配管の体積は小さいが、定期検査終了後
にプラントの運転を開始すると原子炉格納容器7内温度
が上昇する。このために、両止め弁27間における配管中
の残留水が熱膨脹し、圧力が上って配管が加圧されるこ
とを防止するために、配管設計圧以下で吹き出させるも
ので、この逃し弁32の吹出し側は原子炉格納容器7内の
サンプ33に導く。
【0042】また、止め弁27には手動と、遠隔操作とす
る方法の2通りがあり、手動式は上記第1の接続法と同
じように、原子炉格納容器7内の点検時に原子炉格納容
器7内に入った作業員が開くことでインサービス可能と
なる。また、遠隔操作式は原子炉格納容器7の外で(例
えば中央制御室)、操作スイッチを操作することにより
止め弁27の開閉を行う。この遠隔操作式であれば、作業
員が原子炉格納容器7内に入らなくともインサービスが
可能となる。
【0043】しかし、原子炉格納容器7の外で操作でき
るということが、プラント運転中に誤って冷却装置を作
動させる支障があるので、この場合には遠隔操作式の制
御回路にプラント運転中は止め弁27の開操作が不能とな
るインターロックを設けると良い。このインターロック
は、例えば原子炉圧力容器圧力が1kg/cm2 ・g 以下で
許可されるものとする。
【0044】次に上記構成による作用について説明す
る。原子炉圧力容器上蓋13および冷却装置は、プラント
停止過程でのみ使用するものであり、したがって、定期
検査の工程と期間短縮を可能とするためには、その運用
方法が必要である。
【0045】この有効な運用としては、プラント停止過
程では発電機を解列した後に、原子炉の出力が下がり中
性子による核分裂反応は停止する。この際に崩壊熱は多
く残っているものの、これは指数的に減少していく。
【0046】次いで、定期検査に入るために炉圧を徐々
に下げ始めるが、炉圧が下がると沸騰点も下がり、発生
蒸気の温度も炉水温度も下がり始める。原子炉圧力容器
上蓋13も原子炉圧力容器胴3も、同様に肉厚が厚いため
に大きな保有熱量を持っているが、原子炉圧力容器胴3
の方は密度の高い炉水に触れているために、急速に炉水
に冷やされて炉水温度に近い温度降下を呈する。
【0047】しかし、冷却装置が運転されないと密度の
低い蒸気にのみ触れている原子炉圧力容器上蓋13におい
ては熱を逃がす率が小さい。したがって、ここで冷却装
置を始動することにより炉水の温度降下とほぼ同じよう
な冷却を行う。この原子炉圧力容器上蓋13に対する冷却
時のロジックを図6のフロー図に示すが、記載の便宜上
から原子炉圧力容器1を、RPV(Reactor Pressuer V
essel)と略記している。
【0048】原子炉圧力容器上蓋13の温度は、図4に示
す温度センサ23で検出され、計測装置24を通り温度信号
として、温度制御装置25の第1ロジック34に入力され
る。さらに、この第1ロジック34には別に炉水温度信号
35が入力される。この第1ロジック34では(原子炉圧力
容器上蓋温度)−(炉水温度)−A(℃)=Tの演算を
行い、T>0であれば信号が第2ロジック36に出力され
る。またT<0であれば、流量調整弁28を閉じる方向の
制御信号を流量制御装置26に出力する。
【0049】ここでバイアス値−A(℃)を設定した理
由は、発電機の解列後に本冷却装置の運転を実施して
も、原子炉圧力容器上蓋13の温度が炉水、あるいは炉蒸
気温度より低くならないようにするためのものである。
このバイアス値を設けないと、若しも冷却装置により冷
却された原子炉圧力容器上蓋13の温度が、炉水あるいは
炉蒸気温度より低くなった場合には、この冷却装置によ
り原子炉圧力容器7や炉水全体までも冷却することにな
り兼ねない。
【0050】しかしながら、この冷却装置はあくまでも
炉水温度よりも高い原子炉圧力容器上蓋13のみを冷却す
るためのものでり、しかも、その冷却容量から現実的で
はない。したがって、これを回避するためにバイアスA
の数値は5〜10℃程度に設定している。
【0051】この冷却装置の運転時期は炉圧を下げ始め
る時期とするが、上記図5における接続法の中で原子炉
格納容器7内で止め弁27の手動操作、あるいはフレキシ
ブルホース22の接続を伴う設備の場合に、原子炉格納容
器7内で運転停止直後の温態点検(高炉圧時)において
接続を行う。
【0052】なお、遠隔操作で止め弁27が操作できる設
備とした場合には、発電機の解列後すぐに止め弁27を開
いて良い。そして温度制御装置25、計測装置24、流量制
御装置26を作動させる。これにより、原子炉圧力容器上
蓋13の冷却装置は始動され、この後は炉水温度が下がり
始めると、この炉水温度よりバイアス値のA(℃)遅れ
で、原子炉圧力容器上蓋13の冷却が行われる。
【0053】また、第2ロジック36では温度降下率の制
定を行なう。プラント停止時の温度降下率55℃/H以下
をそのまま導入して、55℃/H以上の温度降下率であれ
ば流量調整弁28を閉じて冷却水流量を絞るが、55℃/H
以内であれば流量制御信号をそのまま通す。これによ
り、原子炉圧力容器上蓋13の温度降下率は55℃/Hより
小さく、かつ炉水温度を下回らない−A(℃)の温度を
維持しながら、速やかに温度を低下させることができ
る。
【0054】このように本発明によれば、原子炉圧力容
器1を開放するなどの原子炉圧力容器上蓋13に関連する
作業が早期に着手することができることから、プラント
の定期検査工程と共に所要期間が短縮され、原子力プラ
ントの稼動率が向上すると共に、作業員への被曝低減な
ど安全性と作業性が向上する。
【0055】なお、稼動率の簡単な定義は次の式(1) に
示されるもので、本発明の適用によりにより0.1 〜0.2
%稼動率が向上する。
【0056】
【数1】
【0057】
【発明の効果】以上本発明によれば、定期検査などのた
めに原子力プラントを停止した際に、原子炉圧力容器上
蓋を炉水より僅かに高い温度を保ちながら、迅速に炉水
とほぼ同様な温度とすることができる。
【0058】したがって、原子炉圧力容器を開放するな
どの上蓋に関連する作業が早期に着手できることから、
プラントの定期検査工程と共に所要期間が短縮できて原
子力プラントの稼動率が向上する。また、原子炉圧力容
器上蓋の温度を安全に低下できるることから、その雰囲
気と作業環境が改善され、作業員の火傷や被曝が軽減さ
れて安全性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の原子炉圧力容器上蓋の
要部縦断面図。
【図2】本発明に係る一実施例の冷却エレメントで、
(a)は斜視図、(b)は(a)の縦断面図、(c)は
平面図を示す。
【図3】本発明に係る一実施例の原子炉格納容器上部の
縦断面図。
【図4】本発明に係る一実施例の冷却装置の系統図。
【図5】本発明に係る一実施例の冷却装置と原子炉格納
容器内冷却系との接続図で、(a)は第1の接続法、
(b)は第2の接続法を示す。
【図6】本発明に係る一実施例の冷却装置における温度
制御ロジックのフロー図。
【図7】従来の原子炉圧力容器上蓋周辺の縦断面図。
【図8】原子炉格納容器内の冷却系統構成図。
【図9】定期検査初期の原子炉圧力容器上蓋回りの工程
および温度特性図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2,13…原子炉圧力容器上蓋、3
…原子炉圧力容器胴、4…ドーム、5…スタッドボル
ト、6…ナット、7…原子炉格納容器、8…再循環ポン
プ、9…ローカルクーラ、10…除湿機、11…原子炉補機
冷却系、11a,12a…冷却水配管、12…原子炉格納容器
内除湿系、14…冷却エレメント、15…保温架台、16…冷
却水入口、17…冷却水出口、18…隔壁、19…吊耳、20,
21…供給ライン、22…フレキシブルホース、23…温度セ
ンサ、24…計測手段、25…温度制御手段、26…流量制御
手段、27…止め弁、28…流量調整弁、29…取出しライ
ン、30…取合いライン、31…カプラー、32…逃し弁、33
…サンプ、34…第1ロジック、35…炉水温度、36…第2
ロジック。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却エレメントを設置した原子炉圧力容
    器上蓋と、前記冷却エレメントに冷却媒体を供給する冷
    却装置とからなることを特徴とする原子炉圧力容器上蓋
    の冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記原子炉圧力容器上蓋に設置した冷却
    エレメントが、中空環状で原子炉圧力容器上蓋の表面に
    装着することを特徴とする請求項1記載の原子炉圧力容
    器上蓋の冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却エレメントに供給する冷却媒体
    が、原子炉格納容器内冷却系からの冷却水であることを
    特徴とする請求項1記載の原子炉圧力容器上蓋の冷却装
    置。
  4. 【請求項4】 前記原子炉格納容器内冷却系が、原子炉
    補機冷却系あるいは原子炉格納容器内除湿系であること
    を特徴とする請求項3記載の原子炉圧力容器上蓋の冷却
    装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却エレメントと原子炉格納容器内
    冷却系との接続が、端部にカプラーまたはユニオンある
    いはフランジを設けたフレキシブルホースであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4記載の原子炉圧力容器
    上蓋の冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記冷却エレメントと原子炉格納容器内
    冷却系との接続が、止め弁と逃し弁を備えた配管による
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の原子炉圧
    力容器上蓋の冷却装置。
  7. 【請求項7】 前記冷却エレメントに供給する冷却媒体
    流量を原子炉格納容器内冷却系より温度制御手段と流量
    制御手段を備えた冷却装置を介して制御することを特徴
    とする請求項1記載の原子炉圧力容器上蓋の冷却装置。
  8. 【請求項8】 前記冷却装置が、原子炉圧力容器上蓋温
    度と炉水温度とから冷却エレメントへの冷却媒体流量を
    制御することを特徴とする請求項1乃至請求項7記載の
    原子炉圧力容器上蓋の冷却装置。
JP7163970A 1995-06-29 1995-06-29 原子炉圧力容器上蓋の冷却装置 Pending JPH0915368A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019146279A1 (ja) * 2018-01-23 2019-08-01 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 原子炉圧力容器の冷却装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019146279A1 (ja) * 2018-01-23 2019-08-01 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 原子炉圧力容器の冷却装置
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