JPH1078496A - 原子炉停止制御装置 - Google Patents

原子炉停止制御装置

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JPH1078496A
JPH1078496A JP8233921A JP23392196A JPH1078496A JP H1078496 A JPH1078496 A JP H1078496A JP 8233921 A JP8233921 A JP 8233921A JP 23392196 A JP23392196 A JP 23392196A JP H1078496 A JPH1078496 A JP H1078496A
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reactor
cooling
pressure vessel
control device
reactor pressure
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JP8233921A
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Inventor
Kazuhiko Takayama
和彦 高山
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子力プラントにおける各種パラメータを計算
機による演算処理により自動的に原子炉の停止操作を行
うか、又は計算機支援による人間系操作により停止時間
を短縮して安全な停止作業を行う原子炉停止制御装置を
提供する。 【解決手段】請求項1記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子力プラントにおける炉水温度43と原子炉圧
力45及び原子炉圧力容器の表面温度47を基にしてそれぞ
れの変化率を計算すると共に、許容変化率を遵守しなが
ら予め設定した停止時プログラムに沿ってタービンバイ
パス弁38を調整して、原子力プラントの発電機解列20か
ら原子炉冷温停止到達21までを自動的に原子炉圧力を降
下させる原子炉減圧制御装置48からなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】原子力プラントにおける原子
炉の停止操作を自動的に実施する原子炉停止制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力発電プラントを例にする
と、定期検査等に際して原子力プラントを停止させる過
程においては、原子炉を発電機より解列してから原子炉
の冷温停止、さらに原子炉圧力容器(Reactor Pressuer
Vessel,以下、RPVと略称する)ヘッドの冷却作業に
至るまで、当該原子炉の状態である原子炉の圧力、温
度、炉水の循環、炉水中の放射性クラッド量等のパラメ
ータは大きく変化する。
【0003】また、原子力プラントの停止過程において
は、原子炉の安全性を維持するために、原子炉圧力降下
率、温度降下率、RPVの上下温度差等の規制値が存在
しており、これらを遵守する必要がある。従来は、この
原子力プラントにおける状態が大きく変化する時期の運
転操作を、運転員が前記した様々なパラメータを監視し
ながら行っていた。しかしながら、運転員は多くのパラ
メータを監視すると共に、評価と判断を下しながら運転
操作を行うために、その評価と判断が保守的になり操作
に時間がかかっていた。
【0004】図13の系統構成図は、残留熱除去系(Resi
dual Heat Removal System, 以下、RHRと略称する)
とRHRヘッドスプレーラインを示し、RPV1には主
蒸気隔離弁2を介挿した主蒸気管3が接続されている。
なおRHR系としては、RHR入口配管4を経由してR
HRポンプ5とRHR熱交換器6が接続されると共に、
RHR熱交換器6からのRHR炉心戻り調整弁7を介挿
したRHR出口配管8が接続されている。
【0005】また前記RHR熱交換器6には、RHR熱
交換器冷却水調整弁9を介挿したRHR熱交換器冷却水
配管10が接続している。さらに、前記RHR出口配管8
から分岐して、前記RPV1のRPVヘッド11の頂部に
設けた蒸気凝縮用のRHRヘッドスプレーノズル12に対
し、RHRヘッドスプレー調整弁13を介挿したRHRヘ
ッドスプレー配管14を接続している。
【0006】原子炉停止までの操作については、原子力
プラントの定期検査の開始に当たり、原子炉は定格出力
運転の状態から発電機解列を経て冷温停止に至るが、こ
の過程の原子炉出力と原子炉圧力及び炉水温度のパラメ
ータ変化と、原子炉停止及び冷却に関わるシステムの動
きの概略を図14の特性曲線図に示す。なお、図14(a)
は原子炉出力の時間経過、図14(b)は原子炉圧力の時
間経過で、図14(c)は炉水温度の時間経過を示してい
る。
【0007】先ず、定格出力運転状態から発電機解列ま
での原子炉は、原子炉出力が図14(a)に示すように、
出力降下前は原子炉定格出力15( 100%出力)で、原子
炉圧力は図14(b)に示すように原子炉定格圧力16(約
70kg/cm2 )、及び炉水温度は図14(c)に示すように
炉水定格温度17(約 270℃)で運転されている。
【0008】原子炉出力降下開始18から原子炉再循環系
の炉心流量を減少させると共に、図示しない制御棒を設
計で定めた順序に従い徐々に挿入して原子炉出力を低下
させると、原子炉出力は原子炉出力降下カーブ(発電
中)19のように変化する。このために発電機出力も徐々
に低下して、発電機出力の約5%程度になったところで
発電機解列20を行う。この間に原子炉圧力は、約70kg/
cm2 の原子炉定格圧力16をほとんど維持し、炉水温度も
飽和蒸気温度である約 270℃の炉水定格温度17のままで
ある。
【0009】次に、原子炉の発電機解列20から冷温停止
到達21までは、原子炉出力は図14(a)のように、制御
棒を徐々に挿入していくために下がり続けて、制御棒全
挿入完了22で核分裂は停止するが、崩壊熱による出力が
定格出力の数パーセントは残っている。従って、原子炉
出力は時間と共に徐々に低下するが、崩壊熱を出し続け
ることにより原子炉出力降下カーブ(崩壊熱減衰中)23
に示す変化をする。
【0010】また、原子炉圧力については図14(b)の
ように変化して、図示しないタービンバイパス弁により
徐々に降下するように制御される。この時の制限値は原
子炉圧力が4kg/cm2 以下で、炉水温度が55℃/h以下
であり、操作員はこの数値を守るように制御する。原子
炉圧力が約10kg/cm2 に到達した時点で、RHR系隔離
自動解除24がされるが、前記原子炉圧力は約10kg/cm2
に到達するまでは、原子炉圧力降下カーブ(タービンバ
イパス弁制御中)25による変化をする。
【0011】原子炉圧力が約5kg/cm2 に到達26後は、
RHR系冷却開始27となって原子炉圧力降下カーブ(R
HR冷却中)28による変化をする。さらに、冷温停止到
達21に至ると、原子炉圧力は大気圧と同じになり図示し
ないRPVベント弁を開く。従って、これ以降は原子炉
圧力が大気圧29となる。
【0012】炉水温度については、図14(c)に示すよ
うに変化する。炉水定格温度17は原子炉圧力の低下と共
に、飽和蒸気温度が低下するため一義的に低下し、制御
棒全挿入完了22より原子炉圧力約5kg/cm2 到達26まで
は、炉水温度降下カーブ(タービンバイパス弁制御中)
30による変化をする。また、RHR系冷却開始27以降
は、炉水温度降下カーブ(RHR冷却中)31となり、続
いて炉水温度降下カーブ(原子炉冷温停止後冷却中)32
のように変化する。
【0013】なお、RHR系による炉水冷却について
は、設計圧力が低いことから原子炉圧力約10kg/cm2
下でなければ使用できないという制限がある。従って、
RHR系を原子炉停止冷却モードで使用する場合には、
当該RHR系統保護のためのRHR系統隔離インターロ
ックが、原子炉圧力約10kg/cm2 以下となっていて、R
HR系隔離自動解除24された後に使用することになる。
【0014】またRHR系は直ちにインサービスできる
のではなく、次のような使用前準備が必要である。先
ず、系統フラッシングを行う。原子力プラント運転中の
RHR系は、サプレッションチャンバー(圧力抑制室)
水で置換されていて、非常時に対応するスタンバイ状態
にある。
【0015】しかし、このサプレッションチャンバー水
は、炉水に比較して水質が劣ることから、そのまま炉心
へ注入することは好ましくないので、炉水並に水質の良
い脱塩水あるいは復水による置換を必要とする。なお、
この置換作業は通常フラッシングと称しており、所用時
間は概ね2〜3時間である。
【0016】次いで、RHR系配管であるRHR入口配
管4及びRHR出口配管8等のウォーミングを行う。こ
れは冷えた状態のRHR系配管に約 150℃の炉水を突然
注入すると、急激な温度差でRHR系配管やサポートに
不要な熱膨脹による歪みを引き起こすことになる。従っ
て、炉水を僅かずつRHR系配管に流して徐々にウォー
ミングを行う。
【0017】ウォーミングが完了したらRHRポンプ5
を起動させて、RPV1内炉水の冷却を開始するが、こ
の場合にも温度変化率を監視しながら、たとえば制限値
55℃/h以内を守って、RHR熱交換器6の炉水通水量
あるいは冷却水通水量をRHR炉心戻り調整弁7で制御
して炉水冷却を続ける。
【0018】原子炉の冷温停止以降も炉水は引き続きR
HR系により冷却されて行き、これに伴ってRPV1の
胴部も温度が低下するが、RPV1の上部に位置するR
PVヘッド11の温度は、炉水温度が下がる速度と同程度
には低下しない。その理由は、高さ約20mのRPV1の
内で炉水が満たされているのは深さ13m程であり、従っ
て、RPVヘッド11は炉水と接していないことから、こ
の分厚い鉄容器には多くの熱がこもったままで冷め難い
からである。
【0019】原子力プラントによってRPVヘッド11に
対する冷却方法は異なるが、通常はRPVフラッディン
グ法とRPVヘッドスプレー法がある。図15の要部拡大
縦断面図に示すように、RPV1の上部を閉止するRP
Vヘッド11の頂部には、蒸気凝縮用として使用されるR
HRヘッドスプレーノズル12が設けてある。
【0020】また、RPVベントノズル33と予備ノズル
34も設けられているが、通常は使用されていない予備ノ
ズル34は盲蓋で閉止されている。なお、RPV1内で上
部には蒸気乾燥器35と気水分離器36が設置されている。
【0021】先ずRPVフラッディング法については、
原子炉の冷温停止以降で主蒸気隔離弁2を閉止するが、
この状態ではRPVヘッド11を含めてRPV1全体が大
きな容器となる。ここで、RPV1の中に徐々に復水を
満たすことにより内部が水で充満する。このRPV1内
に充満された水を前記RHR系において循環すると共
に、RHR熱交換器6において冷却することにより、こ
の冷却された水に接しているRPVヘッド11は、RPV
1の胴部と一緒で早期に冷却することができる。
【0022】しかしながら、このRPVフラッディング
法は、放射性クラッドを多く含んだ炉水を、通常は炉水
に接していない蒸気乾燥器35や気水分離器36に触れさせ
ることから、これらに強い放射能を持たせることにな
る。従って、この後にRPVヘッド11を開放して実施す
るRPV1内部の定期検査作業に際して、除染作業等が
必要となり作業員の被曝低減の支障になることから好ま
しくない。
【0023】次のRPVヘッドスプレー法については、
原子炉の冷温停止以降においてRHR系において炉水を
冷却する時に、炉心に戻す炉水の一部を蒸気凝縮用のR
HRヘッドスプレーノズル12を介してスプレーとしてR
PV1内に戻してやる。これにより、RHRヘッドスプ
レーノズル12からスプレー角度37で噴出された冷却水が
蒸気乾燥器35に衝突し、この跳ね返りがRPVヘッド11
の内面に当たることによりRPVヘッド11の冷却が早期
に行われる。
【0024】しかしながら、このRPVヘッドスプレー
法におていも、放射性クラッドを含んだ炉水を蒸気乾燥
器35に散布することになり、上記RPVフラッディング
法よりは少ないが、やはり強い放射能を持たせることに
なり好ましくない。なお、上記2つのRPVフラッディ
ング法とRPVヘッドスプレー法は、いずれも原子炉の
冷温停止以降に行われる方法であり、冷温停止までの作
業と並行して実施できるものではない。
【0025】さらに、現在の日本国内における原子力プ
ラントでは、RPVヘッド11の冷却を前記RPVフラッ
ディング法、あるいはRPVヘッドスプレー法で行うと
しても、この際にRPV1に接続された主蒸気管3に放
射能を含んだ水が入ることにより、主蒸気管3内に放射
性物質が付着して、このために、RPV1が設置してあ
るドライウェル内の雰囲気放射線量率が上昇して、定期
検査作業時に作業員に対する被曝を増加させることにな
る。
【0026】この対策としてRPVヘッド11の冷却作業
前に、予め主蒸気管3内に放射能の非常に少ない復水を
充満させて水張りをしておき、放射能を含んだ炉水の侵
入を阻止して、極力放射性物質の侵入による汚染を防止
するようにしている。しかしながら、原子力プラントの
運転中には、主蒸気管3内を約 270℃の蒸気が流れてい
るために、主蒸気管3は約 270℃の高温に維持されてい
る。
【0027】従って、原子力プラントが停止すると主蒸
気の温度は下がるが、主蒸気流量も極めて低下して主蒸
気流による冷却効果は著しく減少することから、主蒸気
管3の温度は炉水温度が下がるほどには低下しない。こ
の高温状態の主蒸気管3に汚染防止として常温の復水の
水張りを行うと、主蒸気管3と復水との温度差が大きい
ために、主蒸気管3やサポート及び主蒸気隔離弁2等に
大きな熱歪みを与えることになり、損傷あるいは故障の
原因になる可能性が生じて好ましくない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来は原子力プラント
で定期検査等のための原子炉停止に際して、原子炉の定
格出力運転状態から発電機解列を経てRPV1を開放す
るRPVヘッド11廻りの作業を行うまでの間で、原子力
プラントの状態が大きく変化する際には、操作員が多数
のパラメータの監視と評価を行いながら手動操作により
停止作業を行ってきた。しかしながら、原子炉停止時に
要求される圧力降下率、温度降下率、RPV1の上下温
度差等の各種規制による制限値を遵守しようとする余り
に、保守的な操作となりロスタイムが多くなり易かっ
た。
【0029】前記ロスタイムを極力削減させることは、
定期検査工程のクリティカルパスであるRPVヘッド廻
り作業にかかるまでの時間が短くなることから、定期検
査工期が短縮されて原子力プラントの稼働率と経済効率
は向上する。なお、原子炉において定格出力運転から原
子炉停止に至る過程は、原子力プラントの状態が大きく
変化する時であり、この時期を人間系の制御に頼ること
は、誤操作等の可能性を考慮して原子炉停止作業の安全
性と信頼性の点から改善が要望されていた。
【0030】本発明の目的とするところは、原子力プラ
ントにおける各種パラメータを計算機による制御装置の
演算処理により自動的に原子炉停止操作を行わせるか、
又は計算機支援による人間系での操作で、停止時間を短
縮して安全な停止作業を行う原子炉停止制御装置を提供
することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る原子炉停止制御装置は、原子
力プラントにおける炉水温度と原子炉圧力及び原子炉圧
力容器の表面温度を基にしてそれぞれの変化率を計算す
ると共に許容変化率を遵守しながら予め設定した停止時
プログラムに沿ってタービンバイパス弁を調整して、原
子炉の発電機解列から冷温停止に至るまでを自動的に原
子炉圧力を降下させる原子炉減圧制御装置からなること
を特徴とする。
【0032】原子炉減圧制御装置は、許容変化率を遵守
すると共に停止時プログラムに沿ってタービンバイパス
弁を調整して、原子炉圧力容器からの蒸気を放出するこ
とにより原子炉圧力を降下させる。これにより、炉水の
沸騰点が低下して蒸気温度も降下する。
【0033】請求項2記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器ヘッドに停止用原子炉圧力容器
ヘッドスプレーノズルを設けると共に原子炉冷却材浄化
系と原子炉冷却材浄化系原子炉圧力容器ヘッドスプレー
ラインで接続して、原子炉圧力容器ヘッド及び原子炉圧
力容器胴を冷却させる原子炉圧力容器ヘッド冷却装置か
らなることを特徴とする。
【0034】炉水と温度差が少なく水質の良い原子炉冷
却材浄化系の原子炉戻り水を、停止用原子炉圧力容器ヘ
ッドスプレーノズルから原子炉圧力容器ヘッドの内面に
直接散布することにより、原子炉停止過程における原子
炉圧力容器ヘッド及び原子炉圧力容器胴部を冷却する。
【0035】請求項3記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器ヘッドに設ける停止用原子炉圧
力容器ヘッドスプレーノズルを原子炉圧力容器ヘッドの
予備ノズルに取付けた原子炉圧力容器ヘッド冷却装置で
なることを特徴とする。停止用原子炉圧力容器ヘッドス
プレーノズルは、原子炉圧力容器ヘッドの予備ノズルを
利用することにより、原子炉圧力容器ヘッドに容易に取
付けることができる。
【0036】請求項4記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器における複数位置の温度から温
度変化率を計算して制御値及び停止時プログラムと比較
演算すると共に原子炉冷却材浄化系再生熱交換器バイパ
ス弁の開度を調整して、炉水と温度差が少なく水質の良
い原子炉冷却材浄化系の原子炉戻り水の温度を制御する
ことにより原子炉停止過程における原子炉圧力容器ヘッ
ド及び原子炉圧力容器胴の各部の温度降下を適切に制御
する原子炉圧力容器ヘッド冷却制御装置による原子炉圧
力容器ヘッド冷却装置からなることを特徴とする。
【0037】原子炉圧力容器ヘッド冷却制御装置は、原
子炉圧力容器の各位置の温度変化率から制御値及び停止
時プログラムと比較演算し、原子炉冷却材浄化系再生熱
交換器バイパス弁の開度を調整して、原子炉冷却材浄化
系の原子炉戻り水の温度を制御することにより、原子炉
停止過程において原子炉圧力容器ヘッド及び原子炉圧力
容器胴を適切な温度勾配で冷却する。
【0038】請求項5記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器における複数位置の温度から温
度変化率を計算して制御値及び停止時プログラムと比較
演算すると共に原子炉冷却材浄化系ヘッドスプレー調整
弁の開度を調整して、原子炉冷却材浄化系の原子炉戻り
水の流量を制御することにより各部の温度変化を適切に
制御する原子炉圧力容器ヘッド冷却制御装置による原子
炉圧力容器ヘッド冷却装置からなることを特徴とする。
【0039】原子炉圧力容器ヘッド冷却制御装置は、原
子炉圧力容器の各位置の温度変化率から、制御値及び停
止時プログラムと比較演算して、原子炉冷却材浄化系ヘ
ッドスプレー調整弁の開度を調整して、原子炉冷却材浄
化系の原子炉戻り水の温度を制御することにより、原子
炉停止過程において原子炉圧力容器ヘッド及び原子炉圧
力容器胴を適切な温度勾配で冷却する。
【0040】請求項6記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、停止用原子炉圧力容器ヘッドスプレーノズルと
接続した原子炉冷却材浄化系スプレー配管と蒸気凝縮用
の残留熱除去系ヘッドスプレーノズルと接続した残留熱
除去系スプレー配管のそれぞれに止弁を介挿すると共
に、前記両止弁の上流側において前記原子炉冷却材浄化
系スプレー配管と残留熱除去系スプレー配管を連通した
原子炉圧力容器ヘッド冷却装置からなることを特徴とす
る。
【0041】原子炉圧力容器ヘッド冷却装置は、停止用
原子炉圧力容器ヘッドスプレーノズルと蒸気凝縮用の残
留熱除去系ヘッドスプレーノズルのスプレー配管に設け
たそれぞれの止弁を切替えることにより、スプレー水の
供給が原子炉冷却材浄化系及び残留熱除去系から行える
と共に、両ヘッドスプレーノズルまでのスプレー配管が
共通化できる。
【0042】請求項7記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、停止用原子炉圧力容器スプレーノズルが円筒管
の下端に設けた中空円盤の上面及び周囲に複数の小孔を
あけた構成とすると共に、原子炉圧力容器ヘッドの内面
にスプレー水を散布して冷却する原子炉圧力容器ヘッド
冷却装置からなることを特徴とする。停止用原子炉圧力
容器スプレーノズルは、原子炉圧力容器内でスプレー水
が直接原子炉圧力容器ヘッドの内面にかかるように散布
するので、原子炉圧力容器ヘッドの冷却効果が高い。
【0043】請求項8記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、ドライウェルローカルクーラーに風量調整ダン
パーを介挿した複数の原子炉圧力容器冷却用ダクトを接
続すると共に前記原子炉圧力容器冷却用ダクトの冷風吹
出し口を原子炉圧力容器及び原子炉圧力ヘッドの近傍に
配置して、原子炉圧力容器の表面を冷却するドライウェ
ル空調風量調整装置による原子炉圧力容器表面冷却装置
からなることを特徴とする。
【0044】ドライウェル空調風量調整装置は、原子力
プラント停止時にドライウェルローカルクーラーからの
冷風を複数の原子炉圧力容器冷却用ダクトを介して、冷
風吹出し口から原子炉圧力容器及び原子炉圧力容器ヘッ
ドの表面に吹き付ける。これにより、原子炉圧力容器及
び原子炉圧力容器ヘッド冷却されると共に、風量調整ダ
ンパーの開度を調整することで、各冷風吹出し口からの
風量を制御して適切な冷却ができる。
【0045】請求項9記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、ドライウェルローカルクーラー出口側の原子炉
圧力容器冷却用ダクトにプラント停止時用ダンパーを介
挿すると共に、原子力プラント運転時に前記プラント停
止時用ダンパーを閉止するドライウェル空調風量調整装
置による原子炉圧力容器表面冷却装置からなることを特
徴とする。
【0046】ドライウェル空調風量調整装置は、原子力
プラント運転時にプラント停止時用ダンパーを閉止し
て、原子炉運転中の原子炉圧力容器表面の冷却をしない
ことから、原子炉運転効率の低下と原子炉格納容器内の
過剰温度上昇を防止する。
【0047】請求項10記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器表面の複数位置における温度を
検出してそれぞれの位置の温度変化率を計算すると共
に、制限値及び停止時プログラムと比較演算して原子炉
圧力容器ヘッド及び原子炉圧力容器胴の冷却を適切に行
うために原子炉圧力容器冷却用ダクト風量調整ダンパー
の制御とプラント停止時用ダンパーの開閉制御を行う原
子炉圧力容器表面冷却制御装置による原子炉圧力容器表
面冷却装置からなることを特徴とする。
【0048】原子炉圧力容器表面冷却制御装置は、原子
炉圧力容器表面の各位置における温度から温度変化率を
計算して、制限値及び停止時プログラムと比較演算によ
り原子炉圧力容器ヘッド及び原子炉圧力容器胴の各部に
対する冷風による冷却を適切に制御する。この際に、原
子炉圧力容器冷却用ダクト風量調整ダンパー開閉と、プ
ラント停止時用ダンパー開閉の制御を行う。
【0049】請求項11記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器に接続された主蒸気管に原子炉
冷却材浄化系より原子炉冷却材浄化系主蒸気管冷却調整
弁を介挿した原子炉冷却材浄化系主蒸気冷却ラインを接
続して、主蒸気管温度に近い温度の原子炉戻り水を主蒸
気管に供給する主蒸気管冷却装置からなることを特徴と
する。
【0050】主蒸気管冷却装置は、原子炉冷却材浄化系
より原子炉冷却材浄化系主蒸気管冷却調整弁を調整する
と共に、原子炉冷却材浄化系主蒸気冷却ラインを介して
主蒸気管に主蒸気管温度に近い温度の原子炉戻り水を供
給して、主蒸気の減少により冷却の遅れる主蒸気管を冷
却する。
【0051】請求項12記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器に接続された主蒸気管の複数位
置における温度と原子炉圧力容器温度を検出してそれぞ
れの位置の温度変化率を計算すると共に、制限値及び停
止時プログラムと比較演算して各部温度変化を適切にす
るように原子炉冷却材浄化系主蒸気管冷却調整弁の開度
を調整して主蒸気管の冷却速度を制御する主蒸気管冷却
制御装置による主蒸気管冷却装置からなることを特徴と
する。
【0052】主蒸気管冷却制御装置は、主蒸気管の複数
位置における温度と原子炉圧力容器温度による温度変化
率を、制限値及び停止時プログラムと比較演算して各部
温度変化を適切にするように、原子炉戻り水量を原子炉
冷却材浄化系主蒸気管冷却調整弁により主蒸気管の冷却
速度を制御する。
【0053】請求項13記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、主蒸気管冷却装置が、原子炉冷却材浄化系にお
ける原子炉冷却材浄化系再生熱交換器バイパス弁の開度
を調整して主蒸気管の冷却速度を制御する主蒸気管冷却
制御装置からなることを特徴とする。
【0054】主蒸気管冷却制御装置は、主蒸気管の複数
位置における温度と原子炉圧力容器温度による温度変化
率を、制限値及び停止時プログラムと比較演算して各部
温度変化を適切にするように、主蒸気管の冷却速度を原
子炉冷却材浄化系再生熱交換器バイパス弁を調整して制
御する。
【0055】請求項14記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器に接続された残留熱除去系の各
部に設けたの複数の復水洗浄弁と洗浄ドレン弁を自動制
御シーケンスで制御して残留熱除去系のフラッシングを
行う残留熱除去系冷却制御装置からなることを特徴とす
る。残留熱除去系冷却制御装置は、残留熱除去系の復水
洗浄弁と洗浄ドレン弁を自動制御シーケンスにより切替
え制御して残留熱除去系のフラッシングを行う。
【0056】請求項15記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、残留熱除去系冷却制御装置が、残留熱除去系に
設けた洗浄ドレン弁の上流で検出した電導度の数値を用
いてフラッシング完了の判断を行うことを特徴とする。
残留熱除去系冷却制御装置は、当該残留熱除去系におけ
るフラッシングの完了を、フラッシングによる流体の電
導度の低下により判断する。
【0057】請求項16記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器に接続された残留熱除去系の各
部の配管温度を入力すると共に、残留熱除去系の各部に
設けた複数のウォーミング弁と洗浄ドレン弁を自動制御
シーケンスで制御して残留熱除去系のウォーミングを行
う残留熱除去系冷却制御装置からなることを特徴とす
る。残留熱除去系冷却制御装置は、残留熱除去系のウォ
ーミング弁と洗浄ドレン弁を残留熱除去系各部の配管温
度と自動制御シーケンスにより切替え制御して残留熱除
去系のフラッシングを行う。
【0058】請求項17記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、炉水温度と各部の原子炉圧力容器表面温度から
それぞれの温度変化率を計算して制限値及び停止時プロ
グラムと比較演算すると共に、各部温度降下を適切に制
御するために残留熱除去系熱交換器に冷却水を供給する
残留熱除去系熱交換器冷却水流量調整弁の開度を調整す
る残留熱除去系冷却制御装置からなることを特徴とす
る。
【0059】残留熱除去系冷却制御装置は、炉水温度と
原子炉圧力容器各部の表面温度の温度変化率と制限値及
び停止時プログラムの比較演算により、残留熱除去系熱
交換器冷却水流量調整弁を調整して残留熱除去系熱交換
器出口水温度を制御する。
【0060】請求項18記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉圧力容器に接続された複数グループの残
留熱除去系に対してウォーミング弁と洗浄ドレン弁等を
自動制御シーケンスで切替えて順次グループ単位で前記
フラッシングとウォーミング及び炉水冷却を行う残留熱
除去系冷却制御装置からなることを特徴とする。残留熱
除去系冷却制御装置は、残留熱除去系のウォーミング弁
と洗浄ドレン弁等を自動制御シーケンスにより切替え制
御して、残留熱除去系の複数グループに対して順次フラ
ッシングとウォーミング及び炉水冷却作業を行う。
【0061】請求項19記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉減圧制御装置と原子炉圧力容器ヘッド冷
却制御装置、及び原子炉圧力容器表面冷却制御装置と主
蒸気管冷却制御装置、さらに残留熱除去系冷却制御装置
の少なくとも一部を統括制御して原子力プラントにおけ
る発電機解列から炉水の冷却完了までの原子炉停止冷却
作業を自動的に行う原子炉停止冷却制御装置からなるこ
とを特徴とする。
【0062】原子炉停止冷却制御装置は、原子炉減圧制
御装置と原子炉圧力容器ヘッド冷却制御装置、及び原子
炉圧力容器表面冷却制御装置と主蒸気管冷却制御装置、
残留熱除去系冷却制御装置に対して上位制御装置である
ことから、この原子炉停止冷却制御装置がインサービス
される時は、前記下位制御装置の少なくとも一部は原子
炉停止冷却装置により総括制御されるので、前記下位制
御装置における制御の相互間干渉が防止できる。
【0063】請求項20記載の発明に係る原子炉停止制御
装置は、原子炉減圧制御装置と、原子炉冷却材浄化系の
原子炉圧力容器ヘッドスプレーライン及び停止用原子炉
圧力容器ヘッドスプレーノズルヘッドとこれらを制御す
る原子炉圧力容器ヘッド冷却制御装置とからなる原子炉
圧力容器ヘッド冷却装置と、ドライウェル空調風量調整
装置とこれを制御する原子炉圧力容器表面冷却制御装置
とからなる原子炉圧力容器表面冷却装置と、原子炉冷却
材浄化系主蒸気冷却ライン及び主蒸気管冷却制御装置と
これらを制御する主蒸気管冷却装置と、残留熱除去系冷
却制御装置の少なくとも一部を総括して制御する原子炉
停止冷却制御装置とからなることを特徴とする。
【0064】原子炉停止制御装置は、前記原子炉減圧制
御装置と原子炉圧力容器ヘッド冷却装置、及び原子炉圧
力容器表面冷却装置と主蒸気管冷却装置、及び残留熱除
去系冷却制御装置と原子炉停止冷却制御装置の少なくと
も一部から構成されていることから、必要に応じた各構
成によりそれぞれの機能に応じて原子炉プラントの運転
停止時の原子炉冷却作業を、自動又は計算機支援による
人間系操作により停止時間を短縮して安全に行う。
【0065】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ
構成部分に付いては同一符号を付して詳細な説明は省略
する。第1実施の形態は請求項1に係り、原子炉減圧制
御装置は計算機を主体とした制御装置で、原子炉の発電
機解列から冷温停止に至るまでについて、次の入力を得
て計算機により演算を行い出力端の機器を制御する。
【0066】入力…炉水温度、RPV表面温度、原子炉
圧力、停止時プログラム。 演算…停止時プログラム比較演算、制限値比較演算、温
度変化率計算、圧力変化率計算、RPV各部温度差計
算、出力端選択、出力端制御。 出力…タービンバイパス弁開度。
【0067】図1(a)の系統構成図に示すようにRP
V1には、主蒸気隔離弁2,2とタービンバイパス弁38
を介挿した主蒸気管3がタービン主復水器39との間に接
続されていて、前記タービンバイパス弁38の調節により
蒸気をタービン主復水器39に放出することで、RPV1
内の圧力が低減される。再循環ポンプ40が再循環入口配
管41と再循環出口配管42とによりRPV1に接続されて
いて、この運転により炉心流量を変化することができ
る。なお、再循環入口配管41には炉水温度43を検出する
炉水温度センサーが設けられている。
【0068】また、RPV1には給水系44が接続される
と共に、RPV圧力45を検出するRPV圧力計とRPV
水位46を検出するRPV水位計、及びRPV1の各位置
のRPV表面温度47を検出する複数の金属表面温度セン
サーが配置されている。なお、図1(b)のブロック構
成図に示すように原子炉減圧制御装置48は、停止時プロ
グラム49と共に、前記炉水温度センサーからの炉水温度
43とRPV圧力計からの原子炉圧力45、及び金属表面温
度センサーからのRPV表面温度47を入力する。
【0069】これにより原子炉減圧制御装置48において
は、前記停止時プログラム49,炉水温度43,原子炉圧力
45,RPV表面温度47の入力により、発電機解列20から
原子炉冷温停止21に至るまでを計算機により各種の演算
を行う。この演算は、停止時プログラム比較演算、制限
値比較演算、温度変化率計算、圧力変化率計算、RPV
各部温度差計算、出力端選択、出力端制御等で、この演
算結果の出力としてタービンバイパス弁38の開度制御を
するように構成されている。
【0070】次に、上記構成による作用について説明す
る。発電機解列20後に原子炉は冷温停止21に向けた操作
が行われるが、図2のフロー図に示すように通常の発電
機解列20の時は、原子炉圧力45は約70kg/cm2 で、炉水
温度43が約 270℃であるが、先ず原子炉圧力45を下げ始
める。
【0071】沸騰水型原子炉では発生する飽和蒸気を使
用してタービン発電機を運転していることから、原子炉
圧力45が低下すると炉水の沸騰点も下がり蒸気温度も降
下する。原子炉圧力を下げる方法は様々あるが、原子炉
減圧制御装置48による方法では、タービンバイパス弁38
を減圧制御に使用している。
【0072】発電機解列20をして図示しないタービン主
蒸気止め弁を閉止すると、原子炉内の残留崩壊熱により
発生する蒸気は、タービンバイパス弁38を開くことによ
りタービン主復水器39に放出されて、タービン主復水器
39において凝縮される。この時に、タービンバイパス弁
38の開度を調整することにより、炉内から放出する蒸気
量を加減して原子炉圧力45の減少を制御することができ
る。本原子炉減圧制御装置48はこの原理を利用したもの
である。
【0073】図1に示すように、タービンバイパス弁38
を開くことによりRPV1内で発生した蒸気は主蒸気管
3に入り、主蒸気隔離弁2,2を経てタービンバイパス
弁38を通りタービン主復水器39に至り凝縮される。な
お、RPV1において蒸気となり失われた分の水は、給
水系44から逐次補給されると共に、RPV1内の炉水は
再循環系により循環撹拌されて均一な温度に保たれる
が、この炉水は再循環入口配管41から再循環ポンプ40に
よりポンプアップされて、再循環出口配管42によりRP
V1へ戻る。
【0074】炉水温度センサーは再循環入口配管41に配
置されていて、RPV1にはRPV圧力計とRPV水位
計が設けられている。さらに、RPV1の表面には複数
のRPV金属表面温度センサーが取付けられており、R
PV1の様々な部位の温度が監視できるようになってい
る。
【0075】タービンバイパス弁38の開度により原子炉
圧力45と炉水温度43が変えられるので、原子炉圧力45と
炉水温度43、及びRPV表面温度47の値の変化率を計算
して、制限値(圧力変化率4kg/cm2 以下、温度変化率
55℃/h以下)を遵守しながら、最も大きい値に制御す
ることにより効果的に減圧させることができる。また、
原子炉減圧制御装置48においては、停止時プログラム49
と共に上記の原子炉圧力45と炉水温度43が入力される
と、この原子炉圧力45と炉水温度43について停止時プロ
グラム49との比較演算が行われる。
【0076】この比較演算により原子炉圧力45と炉水温
度43が、停止時プログラム49に合致する変化となるよう
に、タービンバイパス弁38の開度を制御すると共に圧力
変化率と温度変化率とを計算して、制限値を越えないよ
うにタービンバイパス弁38の開度を制御する。なお、停
止時プログラム49に対する制御と制限値に対する制御
は、制限値に対する制御が優先するものである。
【0077】第2実施の形態は請求項2乃至請求項7に
係り、RPVヘッド冷却装置は、原子力プラントの停止
過程におけるRPVヘッド11及びRPV1の胴上部を効
果的に冷却するためのもので、次の3つで構成されてい
る。 (1)原子炉冷却材浄化系(Reactor Water Cleanup Sy
stem, 以下、CUWと略称する)RPVヘッドスプレー
ラインは、CUW系のRPV戻りラインからRPVヘッ
ドスプレーラインを分岐させて、RPVヘッド11の予備
ノズル34に接続させた配管及び弁類による装置である。
【0078】(2)停止用RPVヘッドスプレーノズル
は、RPVヘッド11及びRPV1胴上部の冷却を効果的
に実施するために、CUW戻り水をスプレー水としてR
PVヘッド11の内面、及びRPV1胴上部内面の金属面
に直接散布するノズルヘッドである。
【0079】(3)RPVヘッド冷却制御装置は、発電
機解列20からRPVヘッド11の開放作業に至るまで、R
PVヘッド11及びRPV1の胴部を効率良く短時間で冷
却できるように次の入力を得て、計算機により演算を行
い出力端の機器を制御するものである。
【0080】入力…炉水温度、RPV表面温度、原子炉
圧力、CUW非再生熱交換器出口温度、CUWヘッドス
プレー水温度、停止時プログラム。 演算…停止時プログラム比較演算、制限値比較演算、温
度変化率計算、RPV各部温度差計算、出力端選択、出
力端制御。 出力…CUW再生熱交換器バイパス弁開度、CUWヘッ
ドスプレー調整弁開度。
【0081】図3の系統構成図に示すようにCUW系と
しては、RPV1に接続されたCUW入口配管50が、C
UWポンプ51を介挿してCUW再生熱交換器52に接続し
ていて、CUW再生熱交換器52にはCUW非再生熱交換
器53が接続しており、このCUW非再生熱交換器53には
CUW熱交換器冷却水配管54が接続されている。
【0082】また、CUW非再生熱交換器53にはCUW
ろ過脱塩器55が接続され、CUWろ過脱塩器戻り配管56
は再びCUW再生熱交換器52を経由してCUW戻り流量
調整弁57を介挿したCUW戻り配管58によりRPV1と
接続している。なお、前記CUWろ過脱塩器戻り配管56
でCUW再生熱交換器52の入口側と出口側にはCUW再
生熱交換器出口バイパス弁59が接続されている。
【0083】さらに、CUW系RPVヘッドスプレーラ
インとして太線で示すように、前記CUW戻り配管58に
設けたCUW戻り流量調整弁57の入口側から分岐し、C
UWヘッドスプレー調整弁60を介挿したCUWヘッドス
プレー配管61を、RPVヘッド11の頂部に設置した前記
予備ノズル34を用いた停止用RPVヘッドスプレーノズ
ルのCUWヘッドスプレーノズル62に接続して構成する
(請求項2,3)。
【0084】上記構成におけるRPVヘッド冷却装置に
よる作用としては、CUW炉心戻り流量調整弁57を通っ
てRPV1へ戻る浄化水の水温は、定格運転状態ではC
UW再生熱交換器52により加熱されて、RPV1内の炉
水温度より約50℃低くなっており、この温度差は約 270
℃の定格炉水温度から見れば、温度差は少ないものと見
なして良い。
【0085】なお、CUW系は系統設計圧力が高いため
に、原子炉の定格圧力状態からCUWヘッドスプレーが
かけられるので、従来より早い時期から使用することが
できる。また、前記CUW系RPVヘッドスプレーライ
ンは、CUW再生熱交換器出口バイパス弁59の開度を調
整することで、CUWヘッドスプレーノズル62における
スプレー水の温度を調整することができる。
【0086】すなわち、CUW再生熱交換器出口バイパ
ス弁59を開くと、CUW再生熱交換器52を通過する戻り
水の水量が減少し、このCUW再生熱交換器52において
全戻り水として取戻す熱量が少なくなるために戻り水温
度は下がる。従って、このCUW再生熱交換器出口バイ
パス弁59を操作することにより、戻り水温度を制御し
て、この戻り水をスプレー水としたRPVヘッド11の冷
却による温度変化を制御することができる。
【0087】なお、設立年代の早い原子力プラントで
は、前記CUW再生熱交換器出口バイパス弁59が設置さ
れていないものがあるが、この場合にはCUWヘッドス
プレー調整弁60の開度を調整することによりスプレー水
の流量を変化させて、冷却能力を制御することによりR
PVヘッド11の温度制御が可能である。
【0088】図4の系統構成図に示すものは、上記図3
に示したCUW系RPVヘッドスプレーラインの変形例
で、ヘッドスプレー配管設備を簡素化すると共に、給水
源としてCUW系とRHR系を併用したものである。
【0089】RHR系でRHRヘッドスプレー調整弁13
とRHRヘッドスプレーノズル12との間のRPVヘッド
スプレー配管14にRHRヘッドスプレー止弁63を介挿す
ると共に、前記RHRヘッドスプレー調整弁13の下流側
でRPVヘッドスプレー配管14に、図示しないCUW系
からのCUWヘッドスプレー調整弁60を介挿したCUW
ヘッドスプレー配管61を接続する。
【0090】さらに、前記両配管の接続点の下流側とR
PVヘッド11のCUWヘッドスプレーノズル62との間に
は、CUWヘッドスプレー止弁64を介挿して構成する
(請求項6)。
【0091】上記構成におけるRPVヘッド冷却装置に
おいては、前記RHRヘッドスプレー調整弁13によるR
HR系と、CUWヘッドスプレー調整弁60による図示し
ないCUW系とから適切な流量による給水が行われると
共に、RHRヘッドスプレーノズル12とCUWヘッドス
プレーノズル62への配管を、例えばRPVヘッドスプレ
ー配管14において共用することができる。
【0092】さらに、RHRヘッドスプレー止弁63とC
UWヘッドスプレー止弁64の操作により、RHRヘッド
スプレーノズル12とCUWヘッドスプレーノズル62との
使い分けが容易にできる。すなわち、RHRヘッドスプ
レーノズル12によりRPV1内のドームに充満している
蒸気を冷却して凝縮させる場合には、CUWヘッドスプ
レー調整弁60とCUWヘッドスプレー止弁64を閉じて、
RHRヘッドスプレー調整弁13とRHRヘッドスプレー
止弁63を開く。
【0093】また、CUWヘッドスプレーノズル62をプ
ラント停止時のRPVヘッド11の冷却に使用する場合
は、CUWヘッドスプレー調整弁60とCUWヘッドスプ
レー止弁64を開き、RHRヘッドスプレー調整弁13とR
HRヘッドスプレー止弁63を閉じることにより実施でき
る。
【0094】RPVヘッドスプレーノズル装置において
は、図5(a)の拡大縦断面図に示すRPVヘッド冷却
用ノズル65は、図5(b)の要部拡大縦断面図に示すス
プレーノズル本体66を、図5(c)の縦断面図に示すよ
うにRPVヘッド11の予備ノズル34に設置するものであ
る。
【0095】前記スプレーノズル本体66は、円筒管の下
端に形成された中空円盤の上面と周囲に、図5(d)の
図5(b)における矢視平面図に示すように、小孔67を
多数あけて、前記RPVヘッド11の内面に一様にスプレ
ー水が散布されるようにスプレー角度68に配置にして構
成すると共に、上端のフランジ69により前記予備ノズル
34に固定する(請求項3,7)。
【0096】これにより、停止用RPVスプレーノズル
であるRPVヘッド冷却用ノズル65は、従来よりRPV
ヘッド11に設置してある予備ノズル34において、図示し
ない盲蓋を外すことにより容易に取付けることができ
る。なお、前記小孔67の位置については、実際のRPV
ヘッド11で散布状態を確認すると共に、この時の結果は
データとしてスプレー流量と散布状態の関連を把握して
おき実機に適用する場合の基礎データとする。
【0097】また、図5(c)に示すように、通常RP
Vヘッド11の上部には3箇所にノズルが設けられてお
り、その1つはドームにおける蒸気凝縮用のRHRヘッ
ドスプレーノズル12で、2つ目はRPVベントノズル33
であり、3つ目が本RPVヘッド冷却用ノズル65を設置
する予備ノズル34である。
【0098】上記構成による作用としては、スプレーノ
ズル本体66で中空円盤の上面と周囲に開けた多数の小孔
67は、RPVヘッド11の内面に対して一様にスプレー水
を散布するように配置してあることから、原子力プラン
トの停止時にRPVヘッド冷却用ノズル65からスプレー
水を散布することにより、RPVヘッド11の内側で金属
面に十分なスプレー水が直接かかるので早期冷却が行わ
れる。
【0099】また、RPVヘッド11を冷却した水は、R
PV1内の蒸気乾燥器35及び気水分離器36にも降りかか
るが、RPVヘッド冷却用ノズル65からのスプレー水
は、炉水と異なり放射能を含んでいないので、蒸気乾燥
器35及び気水分離器36が汚染されて、定期検査等に際し
て作業員が被曝することがない。
【0100】RPVヘッド冷却制御装置70は計算機を主
体とした制御装置で、図2に示すように、炉水温度43、
RPV表面温度47、原子炉圧力45と、図3に示すCUW
ろ過脱塩器戻り配管56に設けたCUWろ過脱塩器戻り水
温度センサーからのCUW非再生熱交換器出口温度71、
CUWヘッドスプレー水温度センサーからのCUWヘッ
ドスプレー水温度72、停止時プログラム49を入力する。
【0101】これにより、停止時プログラム比較演算、
制限値比較演算、温度変化率計算、RPV各部温度差計
算、出力端選択、出力端制御の演算を行い、この結果と
してCUW再生熱交換器バイパス弁59の開度と、CUW
ヘッドスプレー調整弁60の開度の調整をする。
【0102】前記RPVヘッドスプレーノズル装置によ
りRPVヘッド11を冷却する場合には、RPVヘッド11
の温度分布を正しく把握しておく必要があると共に、C
UW戻り配管58に設けたCUW戻り水温度センサーによ
りCUW戻り水温度73を確認する。
【0103】RPVヘッド11の各部に配置した複数のR
PV金属表面温度センサーからのRPV表面温度47によ
り、RPVヘッド11における不均一な温度分布を検出し
て、これにより、温度差が大きい部位あるいは、温度降
下率が小さい部分等のスプレー散布ポイントを適切に選
択することと、冷却水の温度を適切に選択することを組
合わせることで容易に達成できる。
【0104】先ず、散布ポイントの選択は、前記RPV
ヘッド冷却用ノズル65のスプレーノズル本体66にCUW
戻り水を通水した時に、その流量と散布状況を予め定量
的に把握しておき、冷却したいポイントに散布を集中さ
せたり、あるいは、温度降下率が大き過ぎて冷却したく
ないポイントは、散布量を減らしたりすることをスプレ
ー流量等の制御により効果的に冷却させる。
【0105】次の冷却水の温度を選択する方法は、上記
図3に示すCUW再生熱交換器出口バイパス弁59の開度
を調整して、CUW戻り水がCUW再生熱交換器52から
取戻す熱量を制御することにより、CUW戻り水の温度
を選択することができる(請求項4)。また、上記図3
に示すCUWヘッドスプレー調整弁58の開度を調整し
て、CUWヘッドスプレー60に供給するCUW戻り水の
流量を制御することにより、CUW戻り水の温度を選択
することができる(請求項5)。
【0106】このRPVヘッド冷却制御装置70は、RP
Vヘッド11に配置した複数のRPV金属表面温度センサ
ーからのRPV温度信号47を受けて温度変化率を計算
し、それぞれのRPV金属表面温度センサーの位置が予
め設定された温度降下率と比較する。
【0107】この比較の結果が設定値に近くなるよう
に、予め設定されたスプレー流量と散布状態の関連を基
にして、CUWヘッドスプレー調整弁60とCUW再生熱
交換器出口バイパス弁59を調整する。
【0108】なお、RPVヘッド冷却制御装置70は、単
独でRPVヘッド11の冷却制御を行うことができるが、
この装置の上位制御装置である原子炉停止冷却制御装置
74がインサービスされる時は、この上位装置である原子
炉停止冷却装置74により制御される。この場合に前記C
UWヘッドスプレー調整弁60とCUW再生熱交換器出口
バイパス弁59に対する制御信号は原子炉停止冷却制御装
置74を通して出力される。
【0109】第3実施の形態は請求項8乃至請求項10に
係り、RPV表面冷却装置としては、原子力プラントの
停止過程におけるRPVヘッド11及びRPV1の胴部外
表面の冷却を炉水の冷却に合わせて効果的に実施するた
めの設備で、次の2つの装置により構成されている。
【0110】(1)ドライウェル空調風量調整装置は、
ドライウェルローカルクーラーの冷風をRPV1の表面
に吹付けるための複数のローカルダクトと、風量調節ダ
ンパーから構成されている。 (2)RPV表面冷却制御装置は、発電機解列20からR
PVヘッド11の開放作業に至るまでを、冷風によりRP
V1を表面から効率良く短時間で冷却できるように、次
の入力から計算機で演算して出力端の機器を制御するも
のである。
【0111】入力…炉水温度43、RPV表面温度47、原
子炉圧力45、停止時プログラム49。 演算…停止時プログラム比較演算、制限値比較演算、温
度変化率計算、RPV各部温度差計算、出力端選択、出
力端制御。 出力…各ローカルクーラー流量調整ダンパー開度、プラ
ント停止時用ダンパー開閉。
【0112】原子力プラントの停止過程におけるRPV
表面温度の変化は、炉水温度変化に比べて遅くなると共
に、時間遅れの温度降下率大が発生する可能性がある。
この場合に炉水温度変化を緩めても即座には応答しない
ために、RPV1の表面をドライウェルローカルクーラ
ーによる冷風を直接吹付ける。なお、この冷風を吹付け
る部位は温度制限値を越えた場所付近として、これによ
り温度降下率大の部分を積極的に冷却するものである。
【0113】ドライウェル空調風量調整装置は、図6の
概要構成図に示すように、内部にRPV1を据付た原子
炉格納容器75内に設置したドライウェルローカルクーラ
ー76と、このドライウェルローカルクーラー76と接続し
て、前記RPV1及びRPVヘッド11の外周で複数箇所
に冷風吹出し口を開けた、ドライウェル内空調ダクト77
を設置している。
【0114】さらに、このドライウェル内空調ダクト77
のドライウェルローカルクーラー76出口側にはプラント
停止用ダンパー78が、また、それぞれの冷風吹出し口の
近くには、RPV冷却用ダクト風量調整ダンパー79が介
挿して構成されている(請求項8)。
【0115】なお、ドライウェル内空調ダクト77は、た
とえば、RPV1の全高のうちでプラント運転中の通常
水位より1m上から高さ方向で約1m毎に、周方向は約
60度毎に冷風吹出し口を配置し、RPV冷却用ダクト風
量調整ダンパー79は、生体遮蔽80を貫通する前の上流側
に設ける。
【0116】また、RPV1の胴部はコンクリートの生
体遮蔽80に囲まれていることから、ドライウェル内空調
ダクト77は生体遮蔽80を貫通して設置することになるの
で、生体遮蔽80における放射線遮蔽の効果を損なわない
ように、生体遮蔽80を斜めに貫通させて、RPV1の表
面からの放射線がドライウェル内空調ダクト77を通っ
て、原子炉格納容器75内に漏れないようにする。
【0117】RPVヘッド11においては、RPVヘッド
保温架台81で覆われているために、このRPVヘッド保
温架台81を貫通して、ドライウェル内空調ダクト77を配
置する。なお、RPV冷却用ダクト風量調整ダンパー79
は、RPVヘッド保温架台81を貫通する前の上流側に設
ける。
【0118】図6(b)のブロック構成図に示すよう
に、RPV表面冷却制御装置82は計算機を主体とした制
御装置であり、炉水温度43、RPV表面温度47、原子炉
圧力45、停止時プログラム49を入力して、停止時プログ
ラム比較演算、制限値比較演算、温度変化率計算、RP
V各部温度差計算の演算をして、出力端選択、出力端制
御を行うように構成されている。
【0119】次ぎに、上記構成におけるRPV表面冷却
制御装置82による作用について説明する。RPV表面冷
却制御装置82において行われた各種演算の結果により、
先ず複数の部位におけるRPV表面温度47から温度変化
率を計算すると共に、停止時プログラム49により設定さ
れた温度降下率と比較する。次いで前記設定値になるよ
うに、個々のRPV冷却用ダクト風量調整ダンパー79に
制御信号を出力して、個々のRPV冷却用ダクト風量調
整ダンパー79の調整を行う(請求項9)。
【0120】これにより、原子力プラントの停止に際し
て低下する炉水温度変化に比べて、時間的に遅れがちな
RPV1の表面温度に対して、原子炉格納容器75内で生
体遮蔽80及びRPVヘッド保温架台81で囲まれたRPV
1の表面を、ドライウェルローカルクーラー76からの冷
風を直接吹付けて早期に冷却することができる。また、
冷風の吹付け部位は、温度制限値を越えた場所に積極的
に行うことにより、特に温度降下率大の部分を有効に冷
却することで、RPV1の全体を均等化して効率的で早
期に冷却できる。
【0121】前記プラント停止時用ダンパー78について
は、プラント停止時のみに開かせるもので、もしも、原
子力プラント運転中にこのプラント停止時用ダンパー78
が開くと、ドライウェルローカルクーラー76からの冷風
は、原子炉運転による発熱をRPV1の表面から奪って
ドライウェル内に放出することになる。
【0122】これにより、原子炉の運転効率が低下する
こと、また原子炉格納容器75のドライウェル内温度が過
剰に上昇することを防止するために、RPV表面冷却制
御装置82が機能しないと、前記プラント停止時用ダンパ
ー78が開かないようなインターロックを組込む(請求項
10)。なお、プラント停止時用ダンパー78は、ドライウ
ェル内の計器用圧縮空気により操作し、この圧縮空気の
喪失時には閉じる形式のものとすることにより、安全性
が向上する。
【0123】前記RPV表面冷却制御装置82は、単独で
RPV1及びRPVヘッド11の冷却制御を行うことがで
きるが、この装置の上位制御装置である原子炉停止冷却
制御装置74がインサービスされる時は、この原子炉停止
冷却制御装置74により制御される。この場合に前記RP
V冷却用ダクト風量調整ダンパー79に対する制御信号は
原子炉停止冷却制御装置74を通して出される。
【0124】第4実施の形態は請求項11乃至請求項13に
係り、主蒸気管冷却装置は、原子炉の冷温停止による主
蒸気隔離弁2閉止後に、主蒸気管3の冷却を適切な冷却
速度により行うための装置で、次ぎの2つの装置により
構成されている。
【0125】(1)CUW系主蒸気冷却ラインは、CU
W系RPV戻りラインからCUW主蒸気冷却ラインを分
岐させて、主蒸気ドレン配管に接続させた配管及び弁等
により構成されている。 (2)主蒸気管冷却制御装置は、原子力プラント冷温停
止後に主蒸気隔離弁2を閉止するが、主蒸気管3の冷却
を適切な冷却速度により冷却するためもので次の入力を
計算機により演算を行い出力端の機器を制御する装置で
ある。
【0126】入力…炉水温度43、CUW非再生熱交換器
出口温度71、CUW戻り水温度73、主蒸気管温度、停止
時プログラム49。 演算…停止時プログラム比較演算、制限値比較演算、温
度変化率計算、圧力変化率計算、RPV各部温度差計
算、出力端選択、出力端制御。 出力…CUW再生熱交換器バイパス弁開度、CUW主蒸
気冷却流量調整弁開度。
【0127】原子力プラントの停止過程では主蒸気流量
が著しく減少するために、保温材に包まれた主蒸気管3
は前記主蒸気を媒体とした除熱が行われ難く、このため
に、主蒸気管3部分の温度降下が著しく遅い。一方、原
子力プラントの停止から原子炉開放作業の過程で、主蒸
気管3に脱塩水を充填する作業があるが、この際に温度
が下がり切らない主蒸気管3に常温の脱塩水を注入する
ことは、主蒸気管3を急冷させることになり急激な収縮
が生じ易い。
【0128】この主蒸気管3の急激な収縮は、配管やサ
ポートに対しても不要な応力集中を発生すると共に、主
蒸気管3に介挿された主蒸気隔離弁2や、図示しない主
蒸気逃し安全弁のステライトシートの割れ等、好ましく
ない現象が発生する可能性が大きくなる。本主蒸気管冷
却装置は、主蒸気管3に温度センサーを設けると共に、
主蒸気管3にCUW戻り配管58を接続して、主蒸気管3
の温度を監視しながらCUW戻り水を注入することによ
り、適切な温度降下率を達成させるものである。
【0129】CUW系主蒸気冷却ラインについては、図
7の系統構成図に示すように、RPV1とタービン主復
水器39の間には主蒸気隔離弁2とタービンバイパス弁38
を介挿した主蒸気管3が接続されおり、前記主蒸気隔離
弁2と並列に主蒸気ドレン弁83が設けられている。この
主蒸気管3において、RPV1と前記主蒸気隔離弁2及
び主蒸気ドレン弁83との間には、各部位で主蒸気管温度
84を検出する複数の主蒸気管温度センサーが配置されて
いる。
【0130】また、前記主蒸気隔離弁2及び主蒸気ドレ
ン弁83の上流側と、CUW系でCUW炉心戻り流量調整
弁57の上流側のCUW戻り配管58との間に、太線で示す
CUW系主蒸気冷却ラインであるCUW主蒸気管冷却流
量調整弁85を介挿した主蒸気管冷却管86を接続して構成
する(請求項11)。
【0131】次ぎに上記構成における主蒸気管冷却制御
装置87による作用について説明する。原子力プラントの
停止過程では主蒸気流量が著しく減少するために、保温
材に包まれた主蒸気管3は主蒸気による除熱ができなく
なり温度降下が著しく遅くなる。
【0132】一方、原子力プラントの停止からRPVヘ
ッド11を開ける原子炉開放作業に入ると、通常は発電機
解列20後の3〜4日目にはRPV1を満水にする工程に
入る。このRPV1を満水にする場合に、RPV1に接
続されている主蒸気管3に対して高い放射能で汚染した
炉水が侵入して、主蒸気管3を介してドライウェル内に
おける作業員が被曝しないために、炉水の侵入を防止す
る目的で予め放射能の少ない水を張っておく必要があ
る。
【0133】前記CUW系においては、常時RPV1内
の炉水をCUW入口配管50を通してCUWポンプ51で吸
い込み、CUW再生熱交換器52とCUW非再生熱交換器
53で約50℃まで冷却すると共に、CUWろ過脱塩器55に
おいて浄化して炉水の放射能を下げて水質を向上させ
る。この浄化水は、再びCUW再生熱交換器52を通り熱
を取り戻すことにより、RPV1内の炉水より僅かに温
度の低い温水としてCUW戻り配管58を通してRPV1
に戻している。
【0134】原子力プラント停止に際して、前記CUW
系主蒸気冷却ラインのCUW主蒸気管冷却流量調整弁85
を開くことにより、CUW戻り配管58の途中から主蒸気
管冷却管86を通って、主蒸気管3内に炉水温度に近いC
UW系で浄化された水が送られ、これにより主蒸気管3
は温度差の少ない浄化水で徐々に冷却される。
【0135】なお、主蒸気管3には主蒸気管冷却管86の
接続点の下流側に主蒸気隔離弁2と主蒸気ドレン隔離弁
83が設けられており、主蒸気管3にCUW系からの浄化
された水を張る場合には、前記主蒸気隔離弁2と主蒸気
ドレン隔離弁83は共に閉じておく。
【0136】さらに、主蒸気管3にCUW系から浄化さ
れた水を張る間は、主蒸気管温度84から図2で示す主蒸
気管冷却装置87において、主蒸気管3の温度降下率を計
算し、適切な温度降下率になるようにCUW主蒸気管冷
却流量調整弁85の開度を調整する。これにより、CUW
戻り配管58から主蒸気管3に流入する水の流量が変化す
る。また、CUW再生熱交換器出口バイパス弁59の開度
を調整して、CUW系からの浄化水の温度を変化させ
る。
【0137】従って、主蒸気管3は温度差の大きい水張
りによる急激な収縮に起因する配管及びサポートに対す
る応力集中や、主蒸気隔離弁2及び図示しない主蒸気逃
し安全弁のステライトシートの割れ等の不具合は発生し
ない。また、主蒸気管3には放射能のないCUW系で浄
化された水が充填されることから、炉水の侵入が少なく
放射能による汚染も少なく作業員に対する被曝とこの対
策が軽減される。
【0138】主蒸気管冷却制御装置87は、計算機を主体
とした制御装置であり、複数の主蒸気管温度センサーか
らの主蒸気管温度84を入力して温度変化率を計算し、予
め設定された温度降下率と比較して、当該設定値になる
ようにCUW主蒸気管冷却流量調整弁85、及びCUW再
生熱交換器出口バイパス弁59を調整する(請求項12,1
3)。
【0139】なお、この主蒸気管冷却制御装置87は、単
独で主蒸気管冷却操作を行うことができるが、この装置
の上位制御装置である前記原子炉停止冷却制御装置74が
インサービスされている時は、この上位装置である原子
炉停止冷却制御装置74により制御される。なお、この場
合にCUW主蒸気管冷却流量調整弁85と、CUW再生熱
交換器出口バイパス弁59に対する制御は、原子炉停止冷
却制御装置74により行われる。
【0140】第5実施の形態は請求項14乃至請求項17に
係り、RHR系冷却制御装置は、原子力プラント停止時
のプログラムと共に、次の入力から計算機による演算を
行い出力端の機器を制御することで、発電機解列20から
RPVヘッド11の冷却までを短時間で行う炉水冷却を制
御する装置である。
【0141】入力…炉水温度43、原子炉圧力45、RHR
熱交換器入口温度、RHR熱交換器出口温度、RHRヘ
ッドスプレー温度、停止時プログラム49。 演算…停止時プログラム比較演算、制限値比較演算、温
度変化率計算、圧力変化率計算、RPV各部温度差計
算、出力端選択、出力端制御。 出力…RHR熱交換器バイパス弁開度、RHR熱交換器
冷却流量調整弁開度、フラッシング開始、ウォーミング
開始、RHR冷却開始、RHRヘッドスプレー開始。
【0142】RHR停止冷却モードはRHR系の基本機
能の1つであり、原子力プラント停止時には最も重要な
機能である。ここでRHR停止冷却系については図8の
系統構成図に示すように、RPV1に接続したRHR入
口配管4は、第1ウォーミング弁88を介してRHRポン
プ5とRHR熱交換器6に接続されているが、RHRポ
ンプ5の入口側には分岐して炉水吸入隔離弁としての第
1復水洗浄弁89が接続されている。
【0143】また、前記RHRポンプ5とRHR熱交換
器6との間には、分岐して電導度90を検出する電導度セ
ンサーと洗浄ドレン弁91が接続されている。なお、RH
R熱交換器6の入口側と出口側を結んでRHR熱交換器
バイパス弁92が接続されると共に、RHR熱交換器冷却
水調整弁9を介挿したRHR熱交換器冷却水配管10が接
続されている。
【0144】さらに、RHR熱交換器6に接続されたR
HR出口配管8は、RHR戻り調整弁7と冷却水注入隔
離弁である第2ウォーミング弁93を介してRPV1に接
続すると共に、前記第2ウォーミング弁93の入口側で分
岐して第2復水洗浄弁94を接続している。また、前記R
HR出口配管8から分岐して、前記RPVヘッド11の頂
部に設けた蒸気凝縮用ノズルであるRHRヘッドスプレ
ー12に対して、RHRヘッドスプレー調整弁13を介挿し
たRHRヘッドスプレー配管14を接続する。
【0145】さらに、このRHRヘッドスプレー配管14
と前記RHR出口配管8の各部においてRHR配管温度
95を検出する複数のRHR配管温度センサーと、RHR
ヘッドスプレーノズル12の近傍でRHRヘッドスプレー
温度96を検出するRHRヘッドスプレー温度センサーを
配置して構成されている。
【0146】次に上記構成におけるRHR系冷却制御装
置97による作用について説明する。図2に示すように原
子炉圧力が約10kg/cm2 程度に下がると、RHR系統自
動隔離解除24がRHR系冷却制御装置97に発せられる。
RHR系冷却制御装置97は計算機を主体とした制御装置
で、図9(a)に示すフラッシングシーケンスと図9
(b)ロジック、図10(a)に示すウォーミングシーケ
ンスと図10(b)のロジック、さらに図11(a)に示す
炉水冷却シーケンスと図11(b)のロジックを備えてい
る。
【0147】先ずフラッシング作業について、RHR系
冷却制御装置97は前記RHR系統自動隔離解除24の入力
により、図9(a)に示すようにフラッシング開始98を
出力する。次にフラッシング用RHR系統構成99を発し
て、予め選択されたRHR系で、たとえば複数のグルー
プがあれば、それぞれに対してフラッシングのための系
統構成と作業の優先順序を決定する。
【0148】前記系統構成及び優先順序が完了すると、
第1復水洗浄弁89の開89O と洗浄ドレン弁91の開91O
する。これにより、復水がRHR系の配管内に注入さ
れ、元の水質の悪いサプレッションチェンバーの水がパ
ージされて水質の良い復水に置換される。
【0149】第1グループのパージ完了は、予め設定さ
れた時間か、又は洗浄ドレン弁91の直ぐ上流で検出され
た電導度90が所定値以下の数値を示した時点で電導度低
完了100 を出力する。この電導度低完了100 は、第1復
水洗浄弁89の閉89C と洗浄ドレン弁91の閉91C を行い、
これで第1グループのフラッシングが完了する(請求項
15)。
【0150】また、前記電導度低完了100 は、第1グル
ープのフラッシング完了の信号として、第2グループの
フラッシングに入るために第2復水洗浄弁94の開94
O と、洗浄ドレン弁91の開91O を行う。以下、第2グル
ープに対して前記第1グループと同様に第2グループの
フラッシングを完了101 させると共に、順次第Nグルー
プに対してフラッシングを実施し、最終の第Nグループ
のフラッシングを完了102 させる(請求項14)。
【0151】次いでRHR系冷却制御装置97は、図9
(b)に示すように全フラッシング完了103 を発して、
全ての復水洗浄弁と洗浄ドレン弁を閉じてフラッシング
作業を完了させてから、ウォーミング開始104 を出力す
る。次ぎにウォーミング作業について、RHR系冷却制
御装置97は図10(a)に示すように、前記ウォーミング
開始104 を入力して、ウォーミング用RHR系統構成10
5 を発し、予め選択されたRHR系に対してウォーミン
グのための系統構成及び作業の優先順序を決定をする。
【0152】系統構成及び作業の優先順序が完了すると
第1ウォーミング弁88を開88O とする。次いで洗浄ドレ
ン弁91を僅かに開91O として第1グループのウォーミン
グを開始する。これにより、僅かな原子炉圧力を利用し
て原子炉から炉水を第1グループの系統に流し込んで、
徐々に配管温度95を上昇させる。RHR入口配管4及び
RHR出口配管8等には、各位置に複数の配管温度セン
サーが取付けられており、各位置のRHR配管温度95が
RHR系冷却制御装置97に入力される。
【0153】RHR系冷却制御装置97では、温度変化率
を計算してこの温度変化率が制限値(55℃/h以内)に
収まるように洗浄ドレン弁91の開閉制御をする。また、
炉水と第1グループにおける各位置のRHR配管温度95
を比較して、全てのRHR配管温度95の差が制限値以内
となった時に第1グループのウォーミング完了106 を発
する。
【0154】同時に第1ウォーミング弁88の閉88C 及び
洗浄ドレン弁91の閉91C を行うと共に、次の第2グルー
プのウォーミングに入るために、第2ウォーミング弁93
と洗浄ドレン弁91を開91O にする。
【0155】以下第2グループに対して前記第1グルー
プと同様に第2ウォーミングを完了107 させると共に、
順次第Nグループに対して複数に分割してウォーミング
を実施して、最終の第Nグループのウォーミングを完了
108 させる(請求項16)。
【0156】次いでRHR系冷却制御装置97は、図10
(b)に示すように全ウォーミング完了109 を発して、
全ての復水洗浄弁と洗浄ドレン弁を閉じてウォーミング
作業を完了させてから、RHR炉水冷却開始110 を出力
する。次ぎにRHR炉水冷却作業について、RHR系冷
却制御装置97は図11(a)に示すように、前記RHR炉
水冷却開始110 を入力して、炉水冷却用RHR系統構成
111 を発し、予め選択されたRHR系に対して炉水冷却
のための系統構成を行う。
【0157】この系統構成が完了するとRHRポンプ5
を起動させるが、RHR熱交換器バイパス弁92は初め全
開92O として、RHR熱交換器6による熱交換をしない
で、RHR系統をRPV1のRHR入口配管4から取出
した温度の高い炉水に馴染ませる。
【0158】図11(b)に示すように、選択されたRH
R系統の各位置におけるRHR配管温度95が、炉水温度
と等しくなったことをRHR系冷却制御装置97が判断し
た後に、RHR炉水系の流量をRHR炉水戻り調整弁7
を調整して所定値に保ちながら、RHR熱交換器バイパ
ス弁92を少しずつ閉92C にする。これにより、RPV1
からの高温の炉水がRHR熱交換器6を通り始めて、R
HR熱交換器6で冷やされた炉水は、RHR出口配管8
より再びRPV1内に戻されて炉水全体の温度が下がり
始める。
【0159】前記RHR系冷却制御装置97には、炉水温
度43,RPV表面温度47,原子炉圧力45が入力されて、
それぞれの変化率を計算して、各変化率が停止時プログ
ラム49及び制限値(原子炉圧力45は4kg/cm2 /M以
内、炉水温度43は55℃/h以内)に収まるように、RH
R熱交換器バイパス弁92,RHR炉心戻り調整弁7及び
RHR熱交換器冷却水調整弁9の開度を調整する(請求
項17,18)。
【0160】なお例えば、炉水温度43が 100℃を下回っ
た時、及び原子炉圧力45が大気圧29となった時にRHR
系冷却制御装置97は、冷温停止到達信号112 を出力す
る。この冷温停止到達信号112 は、別途定期検査開始時
の様々なインターロックを解除するために使用される。
また、予めRHR系冷却制御装置97に設定しておいた目
標炉水温度まで、上記制御は続けられて、炉水温度43が
設定値到達113 となるとRHR系冷却制御装置解除114
となる。
【0161】なお、RHR系冷却制御装置97は、単独で
炉水の冷却制御を行うことができるが、この装置の上位
装置である原子炉停止冷却制御装置74がインサービスさ
れる時は、この上位装置である原子炉停止冷却装置74に
より制御される。この場合に前記RHRポンプ5,RH
R熱交換器バイパス弁92,RHR炉心戻り調整弁7等の
制御信号は原子炉停止冷却制御装置74を通して出力され
る。
【0162】第6実施の形態は請求項19に係り、原子炉
停止冷却制御装置74は計算機を主体とした制御装置で、
次に示す5つの制御装置である原子炉減圧制御装置48と
RPVヘッド冷却制御装置70,RPV表面冷却制御装置
82と主蒸気管冷却制御装置87,及びRHR系冷却制御装
置97の少なくとも一部を統括制御する。
【0163】これにより、原子力プラントの発電機解列
20から冷温停止到達21を経てRPVヘッド11の冷却まで
の工程を、予め入力したプログラムに沿って最短時間で
達成させるための計算機を構成要素の中心としたもので
ある。従って、次の入力を得て計算機により演算を行い
出力端の機器を制御する。
【0164】入力…炉水温度43,CUW非再生熱交換器
出口温度71,CUW戻り水温度73,主蒸気管温度84,停
止時プログラム49。 出力…原子炉減圧制御装置48,RPVヘッド冷却制御装
置70,RPV表面冷却制御装置82,主蒸気管冷却制御装
置87,RHR系冷却制御装置97の制御信号。 演算…停止時プログラム比較演算、制限値比較演算、温
度変化率計算、圧力変化率計算、RPV各部温度差計
算、出力端選択、出力端制御。
【0165】原子炉停止冷却制御装置74は、上記5つの
制御装置を統括制御するが、その各制御装置相互間の情
報である各入力と各出力の授受関係を図2に示す。ま
た、図12のインサービス期間図は、各制御装置における
発電機解列20から炉心冷却完了115 までのインサービス
期間と、始動条件及び使用解除条件の関係を示したもの
で、例えば、冷温停止21を原子炉圧力45が大気圧、炉水
温度43を100℃以下に規定して安全停止の確認をする。
【0166】すなわち、原子炉停止冷却制御装置74にお
いては、上記5つの制御装置における全ての入力と同じ
信号と停止時プログラム、及び5つの制御装置からの出
力が入力されて、原子炉停止冷却制御装置74は、上記5
つの制御装置とその支配下にある全ての出力端に制御信
号を出力する。
【0167】従って、原子炉減圧制御装置48におけるイ
ンサービス期間は、発電機解列20とRHR系統自動隔離
解除24及び冷温停止到達21であり、これに対して始動条
件が発電機解列20又は原子炉停止冷却制御装置74の指令
で、使用解除条件は冷温停止到達21又は原子炉停止冷却
制御装置74の指令である。
【0168】RHR系冷却制御装置97におけるインサー
ビス期間は、RHR系統自動隔離解除24と冷温停止到達
21及び炉心冷却完了115 であり、これに対して始動条件
がRHR系統自動隔離解除24又は原子炉停止冷却制御装
置74の指令で、使用解除条件は炉水温度43の制限値又は
原子炉停止冷却制御装置74の指令である。
【0169】RPVヘッド冷却制御装置70及びRPV表
面冷却制御装置82におけるインサービス期間は、共に発
電機解列20とRHR系統自動隔離解除24、及び冷温停止
到達21と炉心冷却完了115 であり、これに対して始動条
件が発電機解列20又は原子炉停止冷却制御装置74の指令
で、使用解除条件が炉水温度43の制限値又は原子炉停止
冷却制御装置74の指令である。
【0170】主蒸気管冷却制御装置87におけるインサー
ビス期間は、冷温停止到達21及び炉心冷却完了115 であ
り、これに対して始動条件が主蒸気隔離弁2閉又は原子
炉停止冷却制御装置74の指令で、使用解除条件が炉水温
度43の制限値又は原子炉停止冷却制御装置74の指令であ
る。
【0171】原子炉停止冷却制御装置74におけるインサ
ービス期間は、発電機解列20とRHR系統自動隔離解除
24、及び冷温停止到達21と炉心冷却完了115 であり、こ
れに対して始動条件が発電機解列20で、使用解除条件が
炉水温度43の制限値又は原子炉停止冷却制御装置74の指
令である。
【0172】原子炉停止冷却制御装置74がインサービス
される時は、上記5つのそれぞれの制御装置の出力は、
原子炉停止冷却制御装置74の入力となり、原子炉停止冷
却制御装置74を通して全ての出力端に制御信号が出力さ
れる。このことは、共通の制御装置を持つ出力端に、そ
れぞれの制御装置から異なる制御信号が出されることを
防止するためであり、この原子炉停止冷却制御装置74
は、原子炉全体における停止と温度降下状態を監視し
て、総合的に適切な停止冷却制御を行わせるためであ
る。
【0173】また、原子炉停止冷却制御装置74は、停止
時プログラム49の進行に合わせて、上記5つの制御装置
の使用開始及び終了を指令する機能を備えていて、停止
時プログラム49は、原子力プラント停止過程の時刻と温
度、圧力、水位及び電導度等の制限値、許容変化率、イ
ンサービスする制御装置の選択、使用する出力端機器の
選択等が行われる。
【0174】第7実施の形態は請求項20に係り、原子炉
停止制御装置は上記原子炉減圧制御装置48と、CUW系
のRPVヘッドスプレーライン及び停止用RPVヘッド
スプレーノズルヘッドとこれらを制御するRPVヘッド
冷却制御装置70とからなるRPVヘッド冷却装置と、ド
ライウェル空調風量調整装置とこれを制御するRPV表
面冷却制御装置82とからなる原子炉圧力容器表面冷却装
置と、CUW系主蒸気冷却ライン及び主蒸気管冷却制御
装置87とこれらを制御する主蒸気管冷却装置と、RHR
系冷却制御装置97の少なくとも一部とを総括して制御す
る原子炉停止冷却制御装置74とから構成されている。
【0175】このように構成された原子炉停止制御装置
においては、定期検査等で原子力プラントの運転停止に
際して、前記全装置あるいは、その一部により原子力プ
ラントにおける各種調整弁やダンパー、あるいは系統等
の様々な設備を制御して、炉水やRPV1あるいは主蒸
気管3等の冷却作業を予め設定した停止時プログラムに
沿って自動的に短時間で行うことができる。
【0176】
【発明の効果】以上本発明によれば、原子力プラントに
おける原子炉の停止冷却に際して、本原子炉停止制御装
置の全部あるいは一部による自動操作や、本原子炉停止
制御装置の支援による人間系での操作により容易に行え
る。これにより、原子炉の停止作業が運転員の負担を軽
減して、効率良く安全に実施できることから、作業の信
頼性が向上して原子力プラントの定期検査期間を短縮し
て稼働率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施の形態の原子炉減圧制御
装置で、(a)は系統構成図、(b)はブロック構成
図。
【図2】本発明に係る一実施の形態の原子炉停止制御装
置の情報授受フロー図。
【図3】本発明に係る第2実施の形態のRPVヘッド冷
却装置のCUW系スプレーライン系統構成図。
【図4】本発明に係る第2実施の形態で、他のCUW系
スプレーライン系統構成図。
【図5】本発明に係る第2実施の形態のRPVヘッドス
プレーノズルで、(a)はスプレーノズルヘッドの縦断
面図、(b)は(a)における矢視平面図、(c)はR
PVヘッド縦断面図、(d)はスプレーノズル取付部の
縦断面図。
【図6】本発明に係る第3実施の形態のRPV表面冷却
装置の概要構成図。
【図7】本発明に係る第4実施の形態の主蒸気管冷却装
置の系統構成図。
【図8】本発明に係る第5実施の形態のRHR系冷却制
御装置の系統構成図。
【図9】本発明に係る第5実施の形態のフラッシングシ
ーケンス。
【図10】本発明に係る第5実施の形態のウォーミング
シーケンス。
【図11】本発明に係る第5実施の形態の炉水冷却シー
ケンス。
【図12】本発明に係る一実施の形態の各制御装置イン
サービス期間図。
【図13】従来のRHR系統構成図。
【図14】従来の原子炉停止過程の各パラメータ特性曲
線図で、(a)は原子炉出力、(b)は原子炉圧力、
(c)は炉水温度を示す。
【図15】従来のRPVヘッド要部拡大縦断面図。
【符号の説明】
1…RPV、2…主蒸気隔離弁、3…主蒸気管、4…R
HR入口配管、5…RHRポンプ、6…RHR熱交換
器、7…RHR炉心戻り調整弁、8…RHR熱交換器出
口配管、9…RHR熱交換器冷却水調整弁、10…RHR
熱交換器冷却水配管、11…RPVヘッド、12…RHRヘ
ッドスプレーノズル、13…RHRヘッドスプレー調整
弁、14…RHRヘッドスプレー配管、15…原子炉定格出
力、16…原子炉定格圧力、17…炉水定格温度、18…原子
炉出力降下開始、19…原子炉出力降下カーブ(発電
中)、20…発電機解列、21…冷温停止到達、22…制御棒
全挿入完了、23…原子炉出力降下カーブ(崩壊熱減衰
中)、24…RHR系隔離自動解除、25…原子炉圧力降下
カーブ(タービンバイパス弁制御中)、26…原子炉圧力
の約5kg/cm2 到達、27…RHR系冷却開始、28…原子
炉圧力降下カーブ(RHR冷却中)、29…大気圧、30…
炉水温度降下カーブ(タービンバイパス弁制御中)、31
…炉水温度降下カーブ(RHR冷却中)、32…炉水温度
降下カーブ(原子炉冷温停止後冷却中)、33…RPVベ
ントノズル、34…予備ノズル、35…蒸気乾燥器、36…気
水分離器、37,68…スプレー角度、38…タービンバイパ
ス弁、39…タービン主復水器、40…再循環ポンプ、41…
再循環入口配管、42…再循環出口配管、43…炉水温度、
44…給水系、45…RPV圧力、46…RPV水位、47…R
PV表面温度、48…原子炉減圧制御装置、49…停止時プ
ログラム、50…CUW入口配管、51…CUWポンプ、52
…CUW再生熱交換器、53…CUW非再生熱交換器、54
…CUW熱交換器冷却水配管、55…CUWろ過脱塩器、
56…CUWろ過脱塩器戻り配管、57…CUW戻り流量調
整弁、58…CUW戻り配管、59…CUW再生熱交換器出
口バイパス弁、60…CUWヘッドスプレー調整弁、61…
CUWヘッドスプレー配管、62…CUWヘッドスプレー
ノズル、63…RHRヘッドスプレー止弁、64…CUWヘ
ッドスプレー止弁、65…RPVヘッド冷却用ノズル、66
…スプレーノズル本体、67…小孔、69…フランジ、70…
RPVヘッド冷却制御装置、71…CUW非再生熱交換器
出口温度、72…CUWヘッドスプレー水温度、73…CU
W戻り水温度、74…原子炉停止冷却制御装置、75…原子
炉格納容器、76…ドライウェルローカルクーラー、77…
ドライウェル内空調ダクト、78…プラント停止用ダンパ
ー、79…RPV冷却用ダクト風量調整ダンパー、80…生
体遮蔽、81…RPVヘッド保温架台、82…RPV表面冷
却制御装置、83…主蒸気ドレン弁、84…主蒸気管温度、
85…CUW主蒸気管冷却流量調整弁、86…CUW系主蒸
気冷却ライン、87…主蒸気管冷却制御装置、88…第1ウ
ォーミング弁、88C …第1ウォーミング弁閉、88O …第
1ウォーミング弁開、89…第1復水洗浄弁、89C …第1
復水洗浄弁閉、89O …第1復水洗浄弁開、90…電導度、
91…洗浄ドレン弁、91C …洗浄ドレン弁閉、91O …洗浄
ドレン弁開、92…RHR熱交換器バイパス弁、92C …R
HR熱交換器バイパス弁閉、92O …RHR熱交換器バイ
パス弁開、93…第2ウォーミング弁、93O …第2ウォー
ミング弁開、94…第2復水洗浄弁、94O …第2復水洗浄
弁開、95…RHR配管温度、96…RHRヘッドスプレー
温度、97…RHR系冷却制御装置、98…フラッシング開
始、99…フラッシング用RHR系統構成,100 …電導度
低完了(第1グループフラッシング完了)、101 …第2
グループフラッシング完了、102 …第Nグループフラッ
シング完了、103 …全フラッシング完了、104 …ウォー
ミング開始、105 …ウォーミング用RHR系統構成、10
6 …第1グループウォーミング完了、107 …第2ウォー
ミング完了、108 …第Nグループウォーミング完了、10
9 …全ウォーミング完了、110 …RHR炉水冷却開始、
111…炉水冷却用RHR系統構成、112 …冷温停止到達
信号、113 …炉水温度設定値到達、114 …RHR系冷却
制御装置解除、115 …炉心冷却完了。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力プラントにおける炉水温度と原子
    炉圧力及び原子炉圧力容器の表面温度を基にしてそれぞ
    れの変化率を計算すると共に許容変化率を遵守しながら
    予め設定した停止時プログラムに沿ってタービンバイパ
    ス弁を調整して、原子炉の発電機解列から冷温停止に至
    るまでを自動的に原子炉圧力を降下させる原子炉減圧制
    御装置からなることを特徴とする原子炉停止制御装置。
  2. 【請求項2】 原子炉圧力容器ヘッドに停止用原子炉圧
    力容器ヘッドスプレーノズルを設けると共に、原子炉冷
    却材浄化系と原子炉冷却材浄化系原子炉圧力容器ヘッド
    スプレーラインで接続して原子炉圧力容器ヘッド及び原
    子炉圧力容器胴を冷却させる原子炉圧力容器ヘッド冷却
    装置からなることを特徴とする原子炉停止制御装置。
  3. 【請求項3】 前記原子炉圧力容器ヘッドに設ける停止
    用原子炉圧力容器ヘッドスプレーノズルを原子炉圧力容
    器ヘッドの予備ノズルに取付けた原子炉圧力容器ヘッド
    冷却装置からなることを特徴とする請求項2記載の原子
    炉停止制御装置。
  4. 【請求項4】 原子炉圧力容器における複数位置の温度
    から温度変化率を計算して制御値及び停止時プログラム
    と比較演算すると共に原子炉冷却材浄化系再生熱交換器
    バイパス弁の開度を調整して、炉水と温度差が少なく水
    質の良い原子炉冷却材浄化系の原子炉戻り水の温度を制
    御することにより原子炉停止過程における原子炉圧力容
    器ヘッド及び原子炉圧力容器胴の各部の温度降下を適切
    に制御する原子炉圧力容器ヘッド冷却制御装置による原
    子炉圧力容器ヘッド冷却装置からなることを特徴とする
    原子炉停止制御装置。
  5. 【請求項5】 原子炉圧力容器における複数位置の温度
    から温度変化率を計算して制御値及び停止時プログラム
    と比較演算すると共に原子炉冷却材浄化系ヘッドスプレ
    ー調整弁の開度を調整して原子炉冷却材浄化系の原子炉
    戻り水の流量を制御することにより各部の温度変化を適
    切に制御する原子炉圧力容器ヘッド冷却制御装置による
    原子炉圧力容器ヘッド冷却装置からなることを特徴とす
    る原子炉停止制御装置。
  6. 【請求項6】 停止用原子炉圧力容器ヘッドスプレーノ
    ズルと接続した原子炉冷却材浄化系スプレー配管と蒸気
    凝縮用の残留熱除去系ヘッドスプレーノズルと接続した
    残留熱除去系スプレー配管のそれぞれに止弁を介挿する
    と共に前記両止弁の上流側において前記原子炉冷却材浄
    化系スプレー配管と残留熱除去系スプレー配管を連通し
    た原子炉圧力容器ヘッド冷却装置からなることを特徴と
    する原子炉停止制御装置。
  7. 【請求項7】 停止用原子炉圧力容器スプレーノズルが
    円筒管の下端に設けた中空円盤の上面及び周囲に複数の
    小孔をあけた構成とすると共に原子炉圧力容器ヘッドの
    内面にスプレー水を散布して冷却する原子炉圧力容器ヘ
    ッド冷却装置からなることを特徴とする原子炉停止制御
    装置。
  8. 【請求項8】 ドライウェルローカルクーラーに風量調
    整ダンパーを介挿した複数の原子炉圧力容器冷却用ダク
    トを接続すると共に前記原子炉圧力容器冷却用ダクトの
    冷風吹出し口を原子炉圧力容器及び原子炉圧力ヘッドの
    近傍に配置して原子炉圧力容器の表面を冷却するドライ
    ウェル空調風量調整装置による原子炉圧力容器表面冷却
    装置からなることを特徴とする原子炉停止制御装置。
  9. 【請求項9】 前記ドライウェルローカルクーラー出口
    側の原子炉圧力容器冷却用ダクトにプラント停止時用ダ
    ンパーを介挿すると共に原子力プラント運転時に前記プ
    ラント停止時用ダンパーを閉止するドライウェル空調風
    量調整装置による原子炉圧力容器表面冷却装置からなる
    ことを特徴とする請求項8記載の原子炉停止制御装置。
  10. 【請求項10】 原子炉圧力容器表面の複数位置におけ
    る温度を検出してそれぞれの位置の温度変化率を計算す
    ると共に制限値及び停止時プログラムと比較演算して原
    子炉圧力容器ヘッド及び原子炉圧力容器胴の冷却を適切
    に行うために原子炉圧力容器冷却用ダクト風量調整ダン
    パーの制御とプラント停止時用ダンパーの開閉制御を行
    う原子炉圧力容器表面冷却制御装置による原子炉圧力容
    器表面冷却装置からなることを特徴とする原子炉停止制
    御装置。
  11. 【請求項11】 原子炉圧力容器に接続された主蒸気管
    に原子炉冷却材浄化系より原子炉冷却材浄化系主蒸気管
    冷却調整弁を介挿した原子炉冷却材浄化系主蒸気冷却ラ
    インを接続して、主蒸気管温度に近い温度の原子炉戻り
    水を主蒸気管に供給する主蒸気管冷却装置からなること
    を特徴とする原子炉停止制御装置。
  12. 【請求項12】 原子炉圧力容器に接続された主蒸気管
    の複数位置における温度と原子炉圧力容器温度を検出し
    てそれぞれの位置の温度変化率を計算すると共に制限値
    及び停止時プログラムと比較演算して各部温度変化を適
    切にするように原子炉冷却材浄化系主蒸気管冷却調整弁
    の開度を調整して主蒸気管の冷却速度を制御する主蒸気
    管冷却制御装置による主蒸気管冷却装置からなることを
    特徴とする原子炉停止制御装置。
  13. 【請求項13】 前記主蒸気管冷却装置が、原子炉冷却
    材浄化系における原子炉冷却材浄化系再生熱交換器バイ
    パス弁の開度を調整して主蒸気管の冷却速度を制御する
    主蒸気管冷却制御装置からなることを特徴とする請求項
    12記載の原子炉停止制御装置。
  14. 【請求項14】 原子炉圧力容器に接続された残留熱除
    去系の各部に設けたの複数の復水洗浄弁と洗浄ドレン弁
    を自動制御シーケンスにより制御して残留熱除去系のフ
    ラッシングを行う残留熱除去系冷却制御装置からなるこ
    とを特徴とする原子炉停止制御装置。
  15. 【請求項15】 前記残留熱除去系冷却制御装置が、残
    留熱除去系に設けた洗浄ドレン弁の上流で検出した電導
    度の数値を用いてフラッシング完了の判断を行うことを
    特徴とする請求項14記載の原子炉停止制御装置。
  16. 【請求項16】 原子炉圧力容器に接続された残留熱除
    去系の各部の配管温度を入力すると共に残留熱除去系の
    各部に設けた複数のウォーミング弁と洗浄ドレン弁を自
    動制御シーケンスにより制御して残留熱除去系のウォー
    ミングを行う残留熱除去系冷却制御装置からなることを
    特徴とする原子炉停止制御装置。
  17. 【請求項17】 炉水温度と各部の原子炉圧力容器表面
    温度からそれぞれの温度変化率を計算して制限値及び停
    止時プログラムと比較演算すると共に各部温度降下を適
    切に制御するために残留熱除去系熱交換器に冷却水を供
    給する残留熱除去系熱交換器冷却水流量調整弁の開度を
    調整する残留熱除去系冷却制御装置からなることを特徴
    とする原子炉停止制御装置。
  18. 【請求項18】 原子炉圧力容器に接続された複数グル
    ープの残留熱除去系に対してウォーミング弁と洗浄ドレ
    ン弁等を自動制御シーケンスで切替えて順次グループ単
    位で前記フラッシングとウォーミング及び炉水冷却を行
    う残留熱除去系冷却制御装置からなることを特徴とする
    請求項14乃至請求項17記載の原子炉停止制御装置。
  19. 【請求項19】 原子炉減圧制御装置と原子炉圧力容器
    ヘッド冷却制御装置、及び原子炉圧力容器表面冷却制御
    装置と主蒸気管冷却制御装置、さらに残留熱除去系冷却
    制御装置の少なくとも一部を統括制御して原子力プラン
    トにおける発電機解列から炉水の冷却完了までの原子炉
    停止冷却作業を自動的に行う原子炉停止冷却制御装置か
    らなることを特徴とする原子炉停止制御装置。
  20. 【請求項20】 原子炉減圧制御装置と、原子炉冷却材
    浄化系の原子炉圧力容器ヘッドスプレーライン及び停止
    用原子炉圧力容器ヘッドスプレーノズルヘッドとこれら
    を制御する原子炉圧力容器ヘッド冷却制御装置とからな
    る原子炉圧力容器ヘッド冷却装置と、ドライウェル空調
    風量調整装置とこれを制御する原子炉圧力容器表面冷却
    制御装置とからなる原子炉圧力容器表面冷却装置と、原
    子炉冷却材浄化系主蒸気冷却ライン及び主蒸気管冷却制
    御装置とこれらを制御する主蒸気管冷却装置と、残留熱
    除去系冷却制御装置の少なくとも一部を総括して制御す
    る原子炉停止冷却制御装置とからなることを特徴とする
    原子炉停止制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110107880A (zh) * 2019-05-23 2019-08-09 中国电力工程顾问集团西南电力设计院有限公司 火力发电厂防循环水倒灌入凝汽器的系统
CN111951985A (zh) * 2020-07-15 2020-11-17 四川大学 一种模块化空间核反应堆发电单元

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