JPH09152682A - 感光性帯材容器 - Google Patents

感光性帯材容器

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JPH09152682A
JPH09152682A JP7335934A JP33593495A JPH09152682A JP H09152682 A JPH09152682 A JP H09152682A JP 7335934 A JP7335934 A JP 7335934A JP 33593495 A JP33593495 A JP 33593495A JP H09152682 A JPH09152682 A JP H09152682A
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睦男 赤尾
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哲夫 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性帯材容器中の帯状写真感光材料の光カブ
リを防止する。 【解決手段】帯状写真感光材料がロール状に巻回される
コアと該帯状写真感光材料が引き出される引出口と該ポ
ート口に設けられた遮光テレンプとを有する感光性帯材
容器において、該遮光テレンプが該帯状写真感光材料の
少なくとも赤感層の分光感度域に分光吸収(SQ値)を
有する着色染料で着色されたことを特徴とする感光性帯
材容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はロール状に巻かれた
印画紙や写真フィルムの如き感光性帯材の包装に関する
ものであり、更に詳しくは太陽光下または室内照明光下
等において感光性帯材を装填する時の光カブリ発生を防
止するために感光性帯材引出口(ポート口)に遮光部材
を設けた感光性帯材容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】JIS135サイズ写真フィルムパトロ
ーネあるいはカラー印画紙等の、感光性帯材を引き出す
構造の遮光容器の引出口(ポート口)からは、光が侵入
して感光性帯材に光カブリが発生しやすい。このため従
来より該引出口(ポート口)に様々な遮光手段が施され
てきた。遮光部材の材質の選択、着色等により遮光性向
上を図ったものとして、例えば以下の技術がある。
【0003】遮光容器の引出口に着色パイルを有する遮
光テレンプを設けたもの。パイルの色彩は特に限定はし
ないが遮光性確保のためには黒色が好ましいとされてい
る(実公平4−23237号公報)。この技術を用いて
以前から例えばJIS135サイズ写真フィルムパトロ
ーネ(金属製、プラスチック製とも含む)には、ポート
口に遮光部材(代表例は着色パイルを有する遮光テレン
プ)を設けて写真フィルムの光カブリを防止してきた。
その際、遮光部材は1番遮光性が大きいと考えられてき
た黒色に着色したパイルを有する遮光テレンプが用いら
れてきた。
【0004】その他にパイルを有する遮光部材が写真フ
ィルム出入口部に貼着された写真フィルムマガジンにお
いて、前記遮光部材がリン酸化合物系帯電防止剤および
潤滑剤で処理されたもの(特公平6−10748号公
報)。
【0005】感光性帯材がロール状に巻回されるコアと
該感光性帯材が引き出される引出口と該引出口に設けら
れた遮光テレンプとを有する遮光容器において、該遮光
テレンプの基布にポリオレフィン共重合体系溶融樹脂で
形成される目止め接着層が設けられたもの(特開昭63
−49756号公報)。
【0006】写真フィルム出入口部内側にパイルを有
し、目止め樹脂塗工を施した遮光用織布を貼着した写真
マガジンにおいて、前記遮光用織布の厚み誤差を30%
以下に抑えたもの(特開平2−72348号公報)等で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし遮光部材の材質
の選択のみにより完全な遮光性向上を図ることは困難で
ある。これは遮光部材を全く染色しなかった場合、写真
フィルムは4〜5周目まで光カブリが生じてしまうこと
から明らかである。一方実公平4−23237号公報で
はパイルを黒色染料で着色しており、この場合は無着色
の場合に比べて遮光効果が高い。しかし、遮光部材を単
に黒色染料のみで黒色に着色した遮光部材では、感光材
料のISO感度が400以上の高感度の写真感光材料
(例えばISO感度が400、600、800、100
0、1600、3200)収納遮光容器に用いた場合は
光カブリを完全に防止することが困難であることが本願
発明者等の研究により判った。すなわち、ポート口から
侵入する光は写真フィルムの裏面から入光し、光カブリ
を発生させる。遮光テレンプは外見は黒色に着色された
パイルから構成されているのにもかかわらず、R層及び
/またはB層に増感色素を含むカラーネガ写真フィル
ム、マイクロフィルム、カラー印画紙、印刷製版用フィ
ルム、電算写植フィルム、電算写植印画紙等の写真感光
材料、特にISO感度が400以上のカラーネガ写真フ
ィルムでは、R層の光カブリが発生する。その理由は黒
色染料により着色した遮光部材は長波領域の光吸収が短
波領域に比較して低いため、光カブリが生じうるからで
ある。
【0008】そこで本発明は、カラー印画紙、電算写植
フィルム、印刷製版用フィルム、電算写植印画紙、フル
カラー感熱紙、感光樹脂フィルム等の帯状の感光材料に
光カブリが絶対に発生しないようにした遮光部材、を容
器の引出口に設けた感光性帯材容器を提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、感光性帯材容
器を構成する遮光部材が帯状写真感光材料の少なくとも
R層の分光感度域に分光吸収(SQ値)を有する着色染
料で着色された、感光性帯材容器を提供する。すなわち
帯状写真感光材料の分光感度域に優れた分光吸収(SQ
値)を有する染料を遮光部材に用いることにより、感光
性帯材容器中での光カブリによる帯状写真感光材料の品
質劣化を完全に防止することができる。
【0010】ナイロン用黒色染料で染色した遮光テレン
プにつき自記分光光度計(日立製作所製U−4000
型)により全反射分光反射率測定を行った際の、各染料
で染色した各遮光テレンプとSQ値とカラーネガ写真フ
ィルムのR層の光カブリ濃度との関係を表1に、各遮光
テレンプの分光反射スペクトルを図1に示した。なおS
Q値とは各波長領域での吸光度の積分値を表し、この値
が高いほどその領域の光をよく吸収することを示す。す
なわち写真感光材料の光カブリ発生が少ないことを意味
する。例えばSQ値(300−400)とは300−4
00nmの光の吸光度の積分値を示す。また分光反射ス
ペクトルでは反射率が低い遮光テレンプ(図1で低い位
置にある)が光をよく吸収し写真感光材料の光カブリを
防止することを示す。
【0011】
【表1】
【0012】黒色染料のみを用いた各試料は長波領域
(略650nm以上)での光の吸収が短波領域に比較し
て悪い。すなわち特に長波領域の光が写真フィルムパト
ローネ内部に侵入すると、該光は写真フィルムの特にR
層を感光させ、写真フィルムに光カブリを生じさせてし
まうのである。このためポート口を狭くして光の侵入量
を減少させたり、パイル長を長くして光の侵入量を減少
させようとすると写真フィルムの引き出し抵抗が大きく
なり、写真フィルムに擦り傷やスタチックマークが発生
してしまい実用化が困難であった。そのために写真フィ
ルムパトローネには光の侵入量を多少許容し、写真フィ
ルムパトローネ収納用プラスチック容器に遮光性を持た
せてこれをカバーするためにプラスチック容器をカーボ
ンブラック等で黒色に着色して実用化している。
【0013】しかし写真フィルムパトローネ収納用プラ
スチック容器を黒色に着色し遮光性を持たせた結果、プ
ラスチック容器内の写真フィルムパトローネに印刷され
ている品種識別用の印刷や取扱い説明文が見えないた
め、プラスチック容器に白色インキで印刷したり、印刷
を施したレーベルを貼りつける工夫が行われている。
【0014】従ってISO感度が400以上の写真フィ
ルムに用いられている写真フィルムパトローネ収納用プ
ラスチック容器のコストは、ISO感度が100の写真
フィルムに用いられている未着色の写真フィルムパトロ
ーネ収納用プラスチック容器より、着色材料費及び着色
経費、色替えロス等のために20%以上高くなってい
た。しかも未着色の写真フィルムパトローネ収納用プラ
スチック容器と同じ射出成形機を用いることができない
ため成形機と金型及び樹脂サイロを別に必要とするた
め、設備費と場所(含む建屋)も2倍以上になるという
問題があった。
【0015】一方光カブリが発生するのは主にR層の光
カブリであり、B層及び緑感層(以下「G層」という)
の光カブリは殆ど発生しないという予想外の事が見出さ
れた。図2にJIS135サイズ写真フィルムパトロー
ネの断面の模式図を示す。遮光テレンプ2、2’はポー
ト部5に貼着されている。該遮光テレンプ2、2’が具
備すべき特性は遮光性、写真フィルム引出し性(引出し
トルク、アンチスタチック性、擦り傷発生防止)、写真
性等であるが、写真フィルムを光から守るという点で遮
光性が最も重要である。ポート口4近傍に遮光テレンプ
を全く貼着させない場合、写真フィルムは5〜6周目ま
で光カブリが生じることからも遮光性の重要性が認識さ
れる。
【0016】遮光性に影響を与える要因としては、遮光
テレンプの染色濃度、遮光テレンプに使用するパイルの
材質、密度、パイルの配置、高さ、圧縮弾性(圧縮に必
要とする応力)等がある。さらにこの中でも全く染色さ
れていない遮光テレンプを貼着した場合、写真フィルム
は4〜5周目まで光りカブリが生じることから遮光テレ
ンプの染色の重要性が理解できる。このため従来は遮光
テレンプを黒く染色することにより遮光性の確保を図っ
ていたがその効果は必ずしも十分ではなかった。
【0017】図3は図2のポート口4近傍を拡大したも
のである。光は遮光テレンプ2及び遮光テレンプ2’と
写真フィルム3との間隙から侵入しうる。ところで遮光
に効果を及ぼす遮光テレンプの長さについては、写真フ
ィルム上部の遮光テレンプ2(ストレート側)は遮光に
寄与する長さD1が11.5mmと長いため、写真フィ
ルム上部の遮光テレンプ2と写真フィルム3との間隙か
ら侵入した光は写真フィルム上部の遮光テレンプ2で吸
収されやすい。一方写真フィルム下部の遮光テレンプ
(ハゼ側)2’は遮光に寄与する長さD2が約5mmと
短いため、写真フィルム下部の遮光テレンプ2’と写真
フィルム3との間隙から侵入した光は写真フィルム下部
の遮光テレンプ2’で吸収しきれず、写真フィルムパト
ローネ本体1内部に、より侵入しやすい。このため写真
フィルムパトローネ本体1内部の写真フィルム3が感光
するのは主に写真フィルム3の裏面からの光の侵入によ
る。
【0018】図6に写真フィルムを構成する層の模式図
を示す。乳剤面からの光は写真フィルムに対して(保護
層→B層→黄色フィルター→G層→中間層→R層→ハレ
ーション防止層→下塗り層→写真フィルムベース)なる
経路で侵入する。ここでB層、G層、R層の各波長に対
する光感度は図4−(1)、図4−(2)、図4−
(3)に示す如くである。すなわちR層は乳剤面からの
光に対して長波領域(略580〜略690nm)に感度
を有する。一方、ポート口4から侵入した光(すなわち
写真フィルム3の裏面から侵入した光)は写真フィルム
に対して(写真フィルムベース→下塗り層→ハレーショ
ン防止層→R層→中間層→G層→黄色フィルター→B層
→保護層)なる経路で侵入する。ここでB層、G層、R
層の各波長に対する光感度はそれぞれ図5−(1)、図
5−(2)、図5−(3)に示す如くである。写真フィ
ルム3の裏面からの露光においてR層の分光感度は図5
−(3)に示したとおりであるから、ポート口4からの
光の侵入に対してR層は長波領域のみならず短波領域
(略380〜略470nm)に対しても感度を有する。
このためR層はポート口4から侵入した光のうち、長波
光のみならず短波光によっても光カブリが生ずる。
【0019】すなわちポート口4からの光による光カブ
リ(写真フィルム3の裏面からの露光による光カブリ)
においては、R層が長波光(略580〜略690nm)
及び短波光(略380〜略470nm)に同程度の感度
を有しているため、R層カブリはR層の分光感度域の分
光吸収SQ値(380−495)+SQ値(585−6
90)(以下「R層のSQ値」という)に支配される。
R層の光カブリを防止するための容器は、R層のSQ値
が400以上、好ましくは420以上、特に好ましくは
440以上、最も好ましくは450以上の着色染料で着
色された遮光部材を設けた感光材料用帯材容器である。
【0020】一方ポート口4から光が侵入した場合に
は、G層ではグリーン光がすでに吸収されているため、
G層カブリは発生しにくい。さらにG層と黄色フィルタ
ーによりブルー光が吸収されるためB層カブリは最も発
生しにくい。このようにポート口4からの光の侵入によ
り主としてR層に光カブリが生じる。本発明はかかる知
見に基づいてなされたものである。
【0021】請求項1記載の発明は帯状の感光材料の光
カブリの発生を完全に防止するために、帯状写真感光材
料がロール状に巻回されるコアと該帯状写真感光材料が
引き出される引出口と該引出口に設けられた遮光部材と
を有する感光性帯材容器において、該遮光部材が該帯状
写真感光材料の少なくともR層の分光感度域に分光吸収
(SQ値)を有する着色染料で着色した感光性帯材容器
である。
【0022】請求項2〜5は好ましい実施形態を表して
いる。すなわち請求項2記載の発明は、請求項1記載の
発明において該遮光部材が該帯状写真感光材料のB層と
R層との分光感度域に分光吸収(SQ値)を有する着色
染料で着色された感光性帯材容器である。請求項3記載
の発明は、請求項1または2記載の発明において前記遮
光部材が、青色染料等と黒色染料とで着色された感光性
帯材容器である。請求項4記載の発明は、請求項3記載
の発明において前記着色染料中の黒色染料と青色染料等
との重量比が50〜98:50〜2である感光性帯材容
器である。請求項5記載の発明は、請求項1〜4いずれ
か1項記載の発明において前記帯状感光材料がISO感
度400以上のカラーネガ写真フィルムである感光性帯
材容器である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に用いることができる遮光
部材は、感光性帯材容器内への光の侵入の防止に有効な
ものであればどのようなものであってもよいが、例えば
遮光テレンプ、電気植毛、不織布、スプンジ、紙等が挙
げられる。このなかで感光性帯材への擦り傷発生防止、
写真性への悪影響防止、防塵性、遮光性、引出しトルク
等の点から遮光テレンプが最も好ましい。
【0024】上記したように、ポート部からの光の侵入
により主としてR層に光カブリが生じる。各種の染料を
組み合わせて使用したR層のSQ値とR層の光カブリ濃
度との関係を図7に示す。図7は各種染料の組み合わせ
により、R層が380−495nmにも感度があり、写
真フィルム裏面から光が入射すると585−680nm
と380−495nmとは同じレベルの感度をもつこと
が判明したことから、両領域の吸収の和すなわちSQ値
(380−495)+SQ値(585−680)と、遮
光性能すなわちDRfog(R層の光カブリ濃度)との相関
を調べたものである。図7に示すように両者は非常に良
い相関があることが確認できる。したがってこれを防止
するため遮光テレンプに使用する染料としては、少なく
ともR層の分光感度域に分光吸収を有するものであるこ
とが必要であり、好ましくはさらにB層の分光感度域に
も分光吸収を有するものである。ところでR層の範囲は
増感色素の種類等により変動するものであるが、本発明
については略580〜略680nmであることが特に好
ましい。またB層の範囲は略380〜略480nmであ
ることが特に好ましい。
【0025】上記の条件を充足する染料であればどのよ
うなものであってもよいが、従来から用いている黒色染
料は略650nm以上の光に対する吸収は良好でない
(図1参照)。一方黒色染料は略650nm以下の光に
対しては極めてすぐれた吸収を示す。これは黒色染料の
濃度が5%o.w.f以上の場合に特に著しい(図1参
照)。したがって略650nm以上の光に対して優れた
吸収を示す染料と黒色染料とを併用することが写真パト
ローネ内部への光の侵入を防止し、写真フィルムの光カ
ブリを防止するために特に好ましい。さらに併用する黒
色染料の使用濃度を5%o.w.f以上とすることが写
真フィルムの光カブリを防止するために最も好ましい。
ただし略650nm未満の光を吸収できるものであれ
ば、黒色以外の色相が付加された染料であってもよい。
なお光カブリ防止に必要なSQ値は写真感光材料のIS
O感度によって変化する(図8、図9参照)。図8はカ
ラーネガ写真フィルム(ISO感度400)の分光感度
曲線を、図9はカラーネガ写真フィルム(ISO感度1
00)の分光感度曲線を示したものである。なお処理は
CN−16、濃度測定はStatus M相当、濃度は
最小濃度+1.0である。
【0026】図7から略650nm以上の光に対して優
れた吸収を示す染料でかつ感光材料の品質(写真性等)
に悪影響を及ぼさないものであればどのようなものでも
使用できる。青色染料、緑色染料、紫色染料が特に優れ
ている。あるいは例えば青色染料と緑色染料の中間の色
相を示す青緑色染料等であってもよい。いずれにしても
前記のR層のSQ値が400以上、好ましくは420以
上、特に好ましくは440以上、最も好ましくは450
以上となるように着色染料を組み合わせて用いれば、感
光材料の光カブリを防止できる。R層のSQ値が420
以上になるとISO感度400以上の写真感光材料であ
っても光カブリが防止でき、R層のSQ値が440以上
になるとISO感度1000以上の写真感光材料であっ
ても光カブリが防止できる。
【0027】ところで一般に染料とは、可視光線を強く
選択吸収または反射して、固有の色を有する色素のう
ち、適当な染色法によって植物性、動物性または合成繊
維に装着し、日光、洗濯、摩擦、昇華等に対して安定度
を有するものをいう。
【0028】染料の分類には染色性によるものと、化学
構造によるものとがあり、染色性による分類としては、
直接染料、酸性染料、塩基性染料、酸性媒染染料、金属
錯塩染料、硫化染料、バット染料、可溶性バット染料、
アゾイック染料(ナフトール染料)、分散染料、反応染
料、酸化染料、油溶染料等がある。いずれに分類される
染料であっても、黒色染料、青色染料、緑色染料、紫色
染料であれば特に限定されずに遮光テレンプに用いるこ
とができる。黒色染料の分光吸収が特定の場合には赤色
染料と組み合わせて用いると、SQ値が青色染料と組み
合わせて用いた場合より大きくなり写真感光材料の光カ
ブリを防止できる場合もある。かかる場合には黒色染料
と赤色染料との組み合わせであってもよい。
【0029】黒色染料としては例えば、Celliton Fast
Black B TNA(水溶性分散染料)、Acetamine Diazo Bla
ck RB(アゾイック染料)、Dispersol Diazo Black B,
2BS(アゾイック染料)、Artisil Diazo Black B(アゾ
イック染料)、Setacyl Diazo Black B, S(アゾイック
染料)、Latyl Diazo Black B(アゾイック染料)、C・
I. Sulphur Black 4, 38(硫化染料)、C・I.Direct Bla
ck 28(直接染料)、C・I. アシッドブラック21(スル
ホンシアニンブラック8B)(酸性染料)、Acetamine
Diazo Black 3B(アゾイック染料)、アニリンブラック
(酸化染料)がある。
【0030】青色染料の代表例としては例えば、Cellit
on Blue GA Extra CF.(分散染料)、Celliton Fast BL
ue FFRN Extra conc.(分散染料)、Celliton Fast Blu
e LAFR(分散染料)、Latyl Blue FL.(分散染料)、La
tyl Brilliant Blue 2G(分散染料)、Latyl Blue 4R,
RL, RB(分散染料)、Duranol Blue G(分散染料)、Pe
rliton Blue B, 3G(分散染料)、C・I Vat Blue 4, 43
(バット染料)、Perliton Navy Blue Br(分散染料)
がある。
【0031】紫色染料の代表例としては例えば、Cellit
on Fast Violet BA-CF(分散染料)、Latyl Violet BN,
2R(分散染料)、C・I. Direct Violet 11, 12(直接染
料)、C・I. Vat Violet 1,2,4(バット染料)がある。
【0032】緑色染料の代表例としては、C・I. Direct
Green 1, 6, 8(直接染料)、C・I.Vat Green 1(バット
染料)がある。
【0033】ただし、上述したものは例示に過ぎず、本
発明に使用できる染料はこれらに限定されない。例えば
黒色染料と赤色染料との組み合わせ、黒色染料と黄色染
料との組み合わせでもよく、あるいは3種以上の染料の
組み合わせであってもよい。また黒色染料と青色染料等
との使用重量比は50〜98:50〜2、好ましくは6
0〜95:40〜5、特に好ましくは80〜90:20
〜10の任意の比である。染料をかかる範囲内で遮光テ
レンプに使用すれば、写真フィルムパトローネ内部に侵
入しようとする可視領域の光を有効に吸収し、写真フィ
ルムの光カブリを防止することができる。
【0034】染色方法は浸染となつせん(捺染)に大別
され、それぞれ無地染めと模様染めに対応する。原理的
には、染料を何らかの方法で水溶液にしてその中に繊維
材料を浸漬すれば、浸染が行われる。また染料とのり剤
を混ぜたなつせんのりを模様に応じて繊維布上に印刷し
た上で染料をのりから布へ移行させれば、なつせんが行
われる。
【0035】染色される繊維は、木綿、麻などの植物性
天然繊維、羊毛、絹などの動物性天然繊維をはじめとし
て、ビスコース、キュプラなどの再生繊維、アセテー
ト、トリアセテートなどの半合成繊維、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリプロピレン、ポリアクロニトリル、ポ
リビニルアルコールホルマール化物などの合成繊維があ
り、それぞれのもつ化学構造の多様性は染色性の広汎な
差異を生じ、また合成繊維、半合成繊維の場合には繊維
製造の際の延伸、熱処理などの条件によって生じた物理
構造が染色性に著しい影響を及ぼす。染料は水溶性、イ
オン性などの化学特性が前記分類によって異なり、適用
できる繊維は比較的限定される。染料分子または染料イ
オンが繊維材料を形作る高分子そのものと分子間相互作
用しなければならないからである。一般に親水性繊維に
は親水性染料が染着し、疎水性繊維には疎水性染料が染
着する。この関係は化学構造の類似した物質は互いによ
く混ざり合う、like dissolves likeの通則と一致し、
定性的には有機性/無機性比によって推定することがで
きる。
【0036】このようにして、繊維が与えられれば、そ
れに適した染料分類が決まり、その中から望みの色相の
銘柄染料が選ばれて染色が行われるが、技術的に要求さ
れることは均染色である。均染性の染料が使用できない
場合には、装置などの機械的条件(たとえば染液の撹
拌、流動)の改良や、染色助剤(均染剤、緩染剤)の使
用により均染を得る。染色助剤としてはこのような均染
の目的のものばかりではなく、湿潤剤、浸透剤、分散
剤、堅ろう度増進剤などもある。さらに染色助剤は広義
に解すれば、例えば酸性染料による羊毛染色の際の無機
酸も染色助剤であり、媒染剤、なつせん用のり剤も含ま
れる。
【0037】従って、実際の染色系は、染浴中には染料
(多くの場合2種以上配合)のほかに各種助剤を含む系
であり、ここに繊維高分子が入れられた場合には、種々
の種の間で相互作用が起こる。
【0038】被染材料については、前述のような構成高
分子の多様性の他に、同一繊維であっても、種々の形態
をとる。すなわち、ステープル(天然繊維の場合にはわ
た状)のばら毛染色、長繊維のチーズ染色、ケーク染
色、糸染め、かせ(綛)染め、織物の布染め、メリヤス
染めなどである。それぞれに応じてばら毛染色機、チー
ズ染色機、ジッカー、かせ染め機などが用いられる。
【0039】ここでポリエステル繊維を染色する方法
(浸染法)についてのべる。ポリエステル繊維の染色は
分散染料によるキャリヤー染色、高温染色、ナフトール
染色、バット染色が行われるが、最も一般的なのは分散
染色である。疎水性繊維で、水中で膨張しにくく、構造
が緻密で染料分子が侵入しにくいので、キャリヤーとよ
ばれる膨潤剤を使うか、100℃以上の温度で、ポリエ
ステル鎖状の熱運動を活発にして、染料分子が内部に入
るのを容易にする染色法が行われる。キャリヤー染色で
は少量の水に溶かしたカセイソーダにo−フェニルフェ
ノールを溶かし、これを染料と非イオン活性剤を溶かし
た浴に加えて染浴をつくる。高温染色では、酢酸(40
%)1mll-1(または、硫酸アンモニウム0.5gl
-1)、分散剤0.5〜1gl-1、および分散染料を含む
浴中で120〜130℃で60分間染色する。サーモゾ
ル染法は、分散染料分散液でパッド後150℃で乾燥
し、ついで180℃で60〜90秒間乾熱処理する。ナ
フトール染料によるポリエステルの染色は一浴法で行わ
れる。染色については化学便覧応用編改訂3版 日本化
学会編 1980 第996頁〜第1008頁に記載さ
れている。
【0040】次に合成繊維の代表例としてナイロン6,
6を使用した遮光テレンプの染色について述べる。
【0041】遮光テレンプの構造は、ナイロン6,6の
パイル(太さ100デニール/48フィラメント、密度
約32000本/cm2)をV組織とし、ビスコースレ
ーヨンの経糸(太さ120デニール/40フィラメン
ト)、緯糸(太さ150デニール/30フィラメント:
打込み145±5回/3.788cm)を綾織にした基
布からなるものである。使用機械として、織り機として
はレピア織機を、染色機としてはウィンス染色機を用い
る。また最終工程の乾燥にはリボン乾燥機を用いる。
【0042】まず、20℃で15分間水洗処理し、糊抜
精錬を行う。次に染料としてビスコースレーヨン用染料
のカヤラスブラックGコンク(日本化薬製)と酸性ナイ
ロンブラックGL(住友化学製)及びアミニールブルー
F−GL(住友化学製)、(ただし黒色染料と青色染料
の重量比4:1)、助剤としてボウ硝30.0%、酢酸
0.2%とを用い、染色濃度5.0%o.w.f.浴比
1:30で95〜100℃60分間染色を行う。その
後、20℃で15分間水洗処理し、助剤としてニューサ
ンクレックス(日華化学製)0.2%を用いて50℃で
20分間ソーピング処理を行う。次に15℃で15分間
水洗処理し、サンソフロンBを3.5g/l用いて40
℃で10分間柔軟処理を行う。次に帯電防止剤としてデ
ートロンN(日華化学製)を1.0%用いて20℃で1
5分間帯電防止処理を行い、最後にリボン乾燥機を用い
て走行距離速度2.0〜3.0m/分で乾燥を行い染色
を完了する。
【0043】以下に本発明の具体的な実施形態を示す。
ただし、本発明は以下の実施形態になんら限定されるも
のではない。
【0044】[実施形態1]ポリエステル繊維よりなる
遮光テレンプは、高圧液流型染色機を用い、テレフター
ル酸/エチレングリコール/ポリエチレングリコールの
ブロック共重合体の水性分散液及びアニオン系帯電防止
剤と潤滑剤と、黒色染料及び青色染料を含む処理液中
(黒色染料と青色染料との重量比は8:2であり、処理
液中の染料の濃度は7%o.w.fである)に浸漬し、
120℃で30分間処理し、その後十分にソーピングを
行い、高圧液流型染色機から取り出して遠心脱水を行っ
て製造した遮光テレンプである。
【0045】この遮光テレンプを通常の方法に従ってJ
IS135サイズ写真フィルムパトローネのポート口に
設け、さらにこの写真フィルムパトローネ内にISO感
度800のスプールに巻回したカラーネガ写真フィルム
を装填し、透明写真フィルムパトローネ収納用プラスチ
ック容器内に収容した。そして、この状態で8万ルック
スの太陽光下に2時間曝露した後に、通常の方法で写真
フィルムを現像し、光カブリ、写真性の異常の有無、接
着マークを観察、判断した。尚遮光テレンプのパイル糸
は写真フィルムの引出し方向に傾斜させた。
【0046】なお遮光テレンプのパイル密度は3800
0本/cm2、パイル糸の高さは1.65mmである。
パイルの配置はストレート側の遮光に寄与する長さが1
1.5mm、ハゼ側の遮光に寄与する長さが5mmであ
る。またパイルを0.3mm圧縮するときの応力は66
g/cm2、パイルを0.5mm圧縮するときの応力は
257g/cm2、パイルを0.6mm圧縮するときの
応力は490g/cm2であった。
【0047】[実施形態2]実施形態1における青色染
料を紫色染料に置換した以外は全く実施形態1と同一
の、ポリエステル繊維よりなる遮光テレンプを製造し、
実施形態1と同一のJIS135サイズ写真フィルムパ
トローネのポート口に該遮光テレンプを設け、実施形態
1と同じ特性について観察、判断した。
【0048】[実施形態3]実施形態1における青色染
料を緑色染料に置換した以外は全く実施形態1と同一
の、ポリエステル繊維よりなる遮光テレンプを製造し、
実施形態1と同一のJIS135サイズ写真フィルムパ
トローネのポート口に該遮光テレンプを設け、実施形態
1と同じ特性について観察、判断した。
【0049】[実施形態4]実施形態1における青色染
料を紫色染料及び青色染料に置換した以外は実施形態1
と全く同一の、ポリエステル繊維よりなる遮光テレンプ
を製造し、実施形態1と同一のJIS135サイズ写真
フィルムパトローネのポート口に該遮光テレンプを設
け、実施形態1と同じ特性について観察、判断した。な
お黒色染料と紫色染料と青色染料との重量比は80:
5:15である。
【0050】[実施形態5]実施形態1におけるポリエ
ステル繊維をナイロン繊維に置換し、かつ高圧液流型染
色機をウィンス染色機に置換した以外は、実施形態1と
全く同一の、ナイロン繊維よりなる遮光テレンプを製造
し、実施形態1と同一のJIS135サイズ写真フィル
ムパトローネのポート口に該遮光テレンプを設け、実施
形態1と同じ特性について観察、判断した。但し遮光テ
レンプのパイル密度は32000本/cm2、パイル糸
の高さは1.65mmである。パイルの配置はストレー
ト側の遮光に寄与する長さが11.5mm、ハゼ側の遮
光に寄与する長さが5mmである。またパイルを0.3
mm圧縮するときの応力は66g/cm2であり、パイ
ルを0.5mm圧縮するときの応力は209g/cm2
であり、パイルを0.6mm圧縮するときの応力は38
8g/cm2であった。
【0051】[実施形態6]実施形態5における青色染
料を青色染料及び緑色染料に置換した以外は実施形態5
と全く同一の、ナイロン繊維よりなる遮光テレンプを製
造し、実施形態1と同一のJIS135サイズ写真フィ
ルムパトローネのポート口に該遮光テレンプを設け、実
施形態1と同じ特性について観察、判断した。なお黒色
染料と青色染料と緑色染料との重量比は80:10:1
0である。
【0052】[実施形態7]実施形態5における黒色染
料と青色染料との重量比を95:5に変更して用いた以
外は実施形態5と全く同一の、ナイロン繊維よりなる遮
光テレンプを製造し、実施形態1と同一のJIS135
サイズ写真フィルムパトローネのポート口に該遮光テレ
ンプを設け、実施形態1と同じ特性について観察、判断
した。
【0053】[実施形態8]実施形態5における黒色染
料と青色染料との重量比を55:45に変更して用いた
以外は実施形態5と全く同一の、ナイロン繊維よりなる
遮光テレンプを製造し、実施形態1と同一のJIS13
5サイズ写真フィルムパトローネのポート口に該遮光テ
レンプを設け実施形態1と同じ特性について観察、判断
した。
【0054】[実施形態9]実施形態5におけるウィン
ス染色機を高圧液流型染色機に置換した以外は実施形態
5と全く同一の、ナイロン繊維よりなる遮光テレンプを
製造し、実施形態1と同一のJIS135サイズ写真フ
ィルムパトローネのポート口に該遮光テレンプを設け、
実施形態1と同じ特性について観察、判断した。
【0055】[比較例1]実施形態1における着色染料
を黒色染料単独に置換した以外は実施形態1と全く同一
の、ポリエステル繊維よりなる遮光テレンプを製造し、
実施形態1と同一のJIS135サイズ写真フィルムパ
トローネのポート口に該遮光テレンプを設け、実施形態
1と同じ特性について観察、判断した。
【0056】[比較例2]実施形態1における着色染料
を青色染料単独に置換した以外は実施形態1と全く同一
の、ポリエステル繊維よりなる遮光テレンプを製造し、
実施形態1と同一のJIS135サイズ写真フィルムパ
トローネのポート口に該遮光テレンプを設け、実施形態
1と同じ特性について観察、判断した。
【0057】[比較例3]比較例2における遮光テレン
プのパイルを直立させた以外は比較例2と全く同一の、
ポリエステル繊維よりなる遮光テレンプを製造し、実施
形態1と同一のJIS135サイズ写真フィルムパトロ
ーネのポート口に該遮光テレンプを設け、実施形態1と
同じ特性について観察、判断した。
【0058】[比較例4]実施形態1における黒色染料
と青色染料との重量比を99:1に変更して用い、さら
に帯電防止剤と潤滑剤を用いなかった以外は実施形態1
と全く同一の、ポリエステル繊維よりなる遮光テレンプ
を製造し、実施形態1と同一のJIS135サイズ写真
フィルムパトローネのポート口に該遮光テレンプを設
け、実施形態1と同じ特性について観察、判断した。
【0059】[比較例5]実施形態1における青色染料
を黄色染料に置換し、さらに帯電防止剤と潤滑剤を用い
なかった以外は実施形態1と全く同一の、ポリエステル
繊維よりなる遮光テレンプを製造し、実施形態1と同一
のJIS135サイズ写真フィルムパトローネのポート
口に該遮光テレンプを設け、実施形態1と同じ特性につ
いて観察、判断した。
【0060】[比較例6]比較例1における潤滑剤(付
着量1.0重量%)を除去し、かつ遮光テレンプのパイ
ルを直立させた以外は比較例1と全く同一の、ポリエス
テル繊維よりなる遮光テレンプを製造し、実施形態1と
同一のJIS135サイズ写真フィルムパトローネのポ
ート口に該遮光テレンプを設け、実施形態1と同じ特性
について観察、判断した。
【0061】以上において各染料の内容等及び特性を比
較した結果を表2、表3に示す。なお観察、判断後の評
価基準は下記による。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】(評価基準) ◎;非常に優れている。 ○;優れている。 ●;実用限度。 △;改良が必要である。 ×;実用不可。
【0065】表2、表3より実施形態1〜9は比較例1
〜6に比較して遮光性が極めて優れていることが確認で
きる。また遮光テレンプのパイルを傾斜させたものは直
立させたものに比較して優れていることが確認でき、帯
電防止剤、潤滑剤を含有した処理液で処理したものは、
帯電防止剤、潤滑剤等を含有しない処理液で処理したも
のに比較して、写真フィルムの引出しトルク、帯電防止
性、写真フィルムのスリキズ発生、パイルクズ発生等に
おいて優れていることが確認できる。特に実施形態9に
ついては、パイルの傾斜方向が一定方向にならずに4方
向に傾斜しているので、光カブリはさらに減少し、予想
外に優れたものであった。さらに帯電防止性、写真フィ
ルムの擦り傷発生についても非常に優れていた。
【0066】[実施形態10]図7に相当する遮光テレ
ンプはシャットル織機を用いて、120デニール/40
フィラメントのレーヨンからなる経糸15と150デニ
ール/30フィラメントのレーヨンからなる緯糸17で
基布を形成し、これに100デニール/48フィラメン
トのナイロン6,6からなるパイル糸16を織り込んだ
織物構造を有するベルベット織物である。緯糸17の打
ち込み密度(本数)は1インチあたり64回である。パ
イル糸16をシャーリング機によって高さ1.65mm
とし、該遮光テレンプをウィンス染色機を用いて黒色染
料と青色染料(重量比80:20、染料の濃度7%o.
w.f)で1浴2段染めで染色した。染色後、十分にソ
ーピングを行った後、ウインス染色機から取り出し、遠
心脱水を行った。これにブラッシングローラ付きのドラ
ム乾燥機によってパイル糸に傾斜を付与した。この傾斜
した遮光テレンプの裏面にアクリル系の目止め剤を塗布
し、ISO感度800の写真フィルムを装填した写真フ
ィルムパトローネ用遮光テレンプとした。このようにし
て作成された織物構造の遮光テレンプのパイル密度は3
2000本/cm2、パイル厚み(高さ)は1.70m
mであった。この遮光テレンプを用いた写真フィルムパ
トローネについて実施形態1と同じ特性について観察、
判断した結果、遮光性は◎、写真性は○、接着マークは
○、写真フィルムの引き出しトルクは◎と優れたもので
あり、帯電防止性は○、写真フィルムの擦り傷発生は
○、パイルクズ発生は○であった。なお各評価は実施形
態1〜9及び比較例1〜6の場合の評価基準と同一であ
る。
【0067】[実施形態11]実施形態10における青
色染料を紫色染料及び緑色染料に変更して用いた以外は
実施形態10と全く同一に処理して遮光テレンプを製造
し、さらに実施形態10と全く同一に処理して写真フィ
ルムパトローネ用遮光テレンプとした。なお黒色染料と
紫色染料と緑色染料との重量比は80:10:10であ
る。これを実施形態10と同じ特性について観察、判断
した結果、実施形態10と略同様優れたものであること
が判明した。
【0068】以下に好ましい実施形態を記載する。帯状
写真感光材料がロール状に巻回されるコアとポート口と
該ポート口に設けられた遮光テレンプとを有する感光性
帯材容器において、前記着色染料が少なくとも580〜
680nmに分光吸収(SQ値)を有する感光性帯材容
器。また帯状写真感光材料がロール状に巻回されるコア
とポート口と該ポート口に設けられた遮光テレンプとを
有する感光性帯材容器において、前記着色染料が380
〜480nmと580〜680nmに分光吸収(SQ
値)を有する感光性帯材容器。上記の感光性帯材容器で
あれば光の侵入を有効に防止し、写真フィルム等の光カ
ブリを防止することができる。
【0069】次に染色時に使用する帯電防止剤及び潤滑
剤について説明する。ポリエステルやナイロンなどの長
繊維の表面は、染色後には帯電防止剤をはじめ油剤が除
去され、摩擦帯電しやすい状態になっている。裁断、縫
製、及び着用時の帯電現象(放電、まつわりつき、乾燥
粉じん吸着など)を最小限度に止めるため、最終仕上げ
加工には帯電防止剤の併用が特に好ましい。
【0070】帯電防止剤の作用は、摩擦によって生じた
静電気を、帯電防止剤の親水基に吸着する水分によって
導通分散させること、並びに、イオン性帯電防止剤自体
のもつ電導性によって静電気の発生を防ぐためとされて
いる。いずれにしても帯電現象は、接触する素材、接触
の仕事量および関係湿度によって決まり、特に低温度で
の帯電防止加工の効果には限界がある。また、帯電防止
剤の処理から時間の経過とともに、表面抵抗値、すなわ
ち帯電防止の効果が減退する。ナイロンにはとくにこの
傾向が見られ、表面から内部に帯電防止剤が移行するた
めと推定されている。
【0071】帯電防止剤としては具体的には例えば、ア
ルキルアミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、エ
ステルアミド、アクリル酸エステル誘導体、アクリル酸
アミド誘導体、アルキルスルホン酸塩、リン酸誘導体、
ポリエステル誘導体、多価アルコールエステル、高級ア
ルコールEO付加体、アルキルフェノールEO付加体、
アクリル酸エステル、酸化エチレン誘導体、等が用いら
れる。
【0072】帯電防止剤でパイルを有する遮光テレンプ
を処理するには、パイルを有する遮光テレンプに帯電防
止機能を付与できれば、パイルを有する遮光テレンプの
製造工程のどの段階、例えばパイル糸等の製造過程で処
理してもよいが、最大の効果を得るには遮光テレンプ製
造の最終工程で処理することが好ましい。具体的な処理
方法としては、帯電防止剤の添加液に遮光テレンプを浸
漬するか、帯電防止剤添加液を遮光テレンプの表面、特
にパイル面側に均一にスプレー等の手段により散布する
等が挙げられる。
【0073】染色時に使用する潤滑剤としては一般に潤
滑剤とよばれるものがすべて含まれる。例えば以下のも
のが挙げられる。
【0074】長鎖アルキル硫酸エステル塩類(例えば、
ドデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム
等)、長鎖脂肪酸アミド類(例えばN,N−ジエチルス
テアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等)、脂肪酸エステ
ル類(例えば、ラウリン酸メチル、ステアリン酸イソト
リデシル、オレイン酸イソブチル等)、多塩基酸のエス
エル類(例えばフタル酸ジデシル、ピロメリト酸テトラ
オクチル、トリメリト酸トリイソデシル等)、多価アル
コールの脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラ
ウレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリ
コールジステアレート等)、グリセリンの脂肪酸エステ
ル類(例えば、ステアリン酸モノグリセライド、ステア
リン酸ジグリセライド、カプリン酸トリグリセライド
等)、ワックス類、パラフィン油類、長鎖α−カルボン
酸ベタイン類(例えば、N−ステアリル−N、N−ジメ
チル−α−カルボン酸ベタイン等)、シリコーン類[例
えば、信越化学工業株式会社製のシリコーン類(例え
ば、商品名Polon-MR、−MG、−MN、−MF−2
A、−MF−6、−MWS、−MY、−MK、−20
6、共栄社油脂化学工業株式会社製のシリコーン類(例
えば、商品名ライトシリコーンM−505、−M−70
2、−No−75等)等]、コロイダルシリカ類[例え
ば、日産化学工業株式会社製のコロイダルシリカ類(例
えば、商品名スノーラテックス20、−30、−40、
−C、−N、−O、−S、−20L、−OL等)等]、
アルミナ水和物(ベーマイト系)のコロイド液[例え
ば、日産化学工業株式会社製のアルミナゾル等]等、さ
らに、上記以外にも特公昭46−27428号公報、同
53−292号公報、米国特許第3042522号明細
書等にも記載の潤滑剤を用いることができる。
【0075】上記潤滑剤を用いてパイルを有する遮光テ
レンプを処理する方法としては、前記帯電防止剤と同時
にまたは独立して潤滑剤を水、アルコール類(メタノー
ル、エタノール等)、ケトン類(アセトン等)、エステ
ル類(酢酸エチル等)等の溶媒に適宜の濃度に溶解また
は分散して潤滑剤の溶液または分散液とし、該液をスプ
レー等の手段により遮光テレンプのパイル面側に散布し
て行うことができる。また、この場合、遮光テレンプの
パイル面側のみを前記潤滑剤の液に浸漬したり、液を塗
布してもよい。またパイルを有する遮光テレンプを写真
フィルムパトローネ本体に貼着する前でも貼着した後で
もよい。
【0076】次にポート部に貼着される遮光テレンプに
ついて説明する。遮光テレンプは遮光容器内の遮光性を
確保するために遮光機能を有することは勿論、帯状写真
感光材料の引き出しや巻き戻しの際に帯状写真感光材料
に傷をつけないよう柔軟性を有すること、帯状写真感光
材料表面に糸くずが付着して故障とならないようにする
こと、すなわち毛抜け(パイル抜け)が発生しないこ
と、帯状写真感光材料が蛇行しないようなパイルの配向
であること等が必要である。かかる条件を満足する遮光
テレンプであればどのような材質、加工方法、配置等で
あっても差し支えないが例えば以下のような遮光テレン
プが可能である。
【0077】すなわち、着色された90〜20%のルー
プ状パイルと、着色された10〜80%の該ループ状パ
イルが開繊された毛羽状パイルとが編織構造の基布と一
体に設けられたものである。前記遮光テレンプはループ
状パイルと毛羽状パイルが形成されている。ループ状パ
イルは、ループ(輪奈)状に形成されたパイルで、毛羽
状パイルはループ状パイルが開繊されて毛羽状に形成さ
れたパイルである。これらのパイルは、遮光性を確保す
るために黒色染料と青色染料等とによる着色がなされて
いることが好ましい。
【0078】ループ状パイルは90〜20%、毛羽状パ
イルは10〜80%となるよう形成されている。切断面
のほつれや抜け毛、開繊(シャーリング)時に発生する
パイル糸クズ発生防止の点からは全てループ(輪奈)状
パイルにするのが好ましいが、ループ状パイルは遮光テ
レンプの表面の柔軟性、遮光性の点で開繊した毛羽状パ
イルに比較して劣り、またループ状パイルは遮光テレン
プに方向性が発生するため帯状写真感光材料をポート口
より引き出したり巻き戻す際に蛇行したり擦り傷が発生
しやすくなる。
【0079】従って、ループ状パイルと毛羽状パイルの
両パイルを上記範囲において帯状写真感光材料の種類等
によって種々の割合で混合して使用することが好まし
い。遮光テレンプ上のループ状パイルと毛羽状パイルの
配置は、混合の割合に応じて均一な状態になるように行
うことが好ましい。また、毛羽状パイルをループ状パイ
ルより背を高く形成して、遮光テレンプの表面部分は毛
羽状パイルが位置し中間部以下は毛羽状パイルとループ
状パイルの両方があるようなセミカットパイルとするこ
とが、抜け毛、柔軟性、遮光性等の改良の点で好まし
い。
【0080】かかる構造の遮光テレンプを作成する方法
は種々あるが、いずれの方法でもループ(輪奈)状パイ
ルをメリヤス(編物)や織物の表面に形成する必要があ
る。
【0081】ループ(輪奈)状パイルを有する遮光テレ
ンプを作る第1の方法としては円型編みや平型編み等の
いわゆるヨコ編みメリヤスをループ状のパイルに起毛加
工(raising)した遮光テレンプや、トリコット編、ラッ
セル編、ダブルラッセル編、ミラニーズ編等のいわゆる
タテ編みメリヤスをループ状のパイルに起毛加工して遮
光テレンプを作る方法がある。その他織物を起毛加工し
て遮光テレンプを作る方法もある。
【0082】又、起毛加工をせずにループ状のパイルを
有する編み物を直接作る方法としては丸編パイル編機を
用いる方法と円型靴下パイル編機を用いる方法等があ
る。代表的な丸編みパイルとしてはシンカーパイルがあ
る(詳細は繊維機械学会誌の繊維工学Vol.33, No7(198
0)P390〜397参照)。特に好ましいのは黒色に着色した
ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維を50
%以上含む繊維を用い、丸編み機でループ状のパイルを
有するメリヤス(編み物)としたシンカーパイル糸遮光
テレンプとトリコットタテ編み機を用いてメリヤスを製
造した後、横に走っている糸を引掛けてループ状に引き
出し起毛してループ状のパイルとしたフレンチパイル糸
遮光テレンプである。遮光テレンプとして用いるにはこ
のようにして形成したループ状のパイルの10〜80%
を切断開繊(シャーリング)し、90〜20%はループ
状のパイルのまま残す必要がある。また、遮光テレンプ
の形状変形を防止するためにヒートセットしたり、目止
め接着剤を基布に含浸させることもできる。
【0083】遮光テレンプの基布およびパイルは、例え
ばナイロン6,6等のポリアミド系、ポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル系、ポリエチレン等のポリ
オレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニ
リデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル、
アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系、ポ
リシアン化ビニリデン系、ポリフルオロエチレン系、ポ
リウレタン系等の合成繊維、絹、綿、羊毛、セルロース
系、セルロースエステル系等の天然繊維、再生繊維(レ
ーヨン、アセテート等)の中から選ばれる1種もしくは
2種以上を組み合わせた繊維があげられる。これらの繊
維素材において好ましくは、ナイロン6、ナイロン6,
6等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、アクリル
アミド、メタクリルアミド等のアクリル系、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系、再生繊維として
のセルロース系、セルロースエステル系であるレーヨン
およびアセテートが挙げられる。これら基布とパイル用
の繊維は、同じであっても異なっていてもよい。
【0084】なお、使用する繊維の形態は短繊維であっ
ても長繊維であってもよい。短繊維とは、綿繊維のよう
にその長さが限定されており、紡績工程を通してよりを
かけて糸とするものをいう。これを紡績糸と呼び、より
をかけることによって、その圧着力で繊維間の滑りを止
め、糸としたものである。糸強力は、よりが多いほど強
いがあまりよりが多すぎるとかさ高性を失い、スナール
が発生し、編織上のトラブルの原因となる。それぞれ用
途(織物、編物)に適したよりがかけられている。紡績
糸から作られた製品は、長繊維に比べて一般にかさ高性
があり、独特の風合いを持っている。
【0085】また、長繊維とは、天然繊維の絹や一般の
化学繊維のように連続した繊維を1本あるいは複数本一
緒に集束させ、巻き取ったものをいう。短繊維と違っ
て、紡出された繊維は紡績工程を通すことなく、そのま
ま、あるいはよりを与えて製織、製編され、製品とな
る。これらの製品は、比較的密で強度の割にかさが高く
なく、表面は平滑である。
【0086】基布を含めるパイルの高さとしては0.8
〜2.5mm、好ましくは1〜2.3mm、特に好まし
くは1.2〜2.1mm、最も好ましくは1.4〜1.
9mmの任意の高さであり、基布に使用する糸の太さお
よびパイルに使用する糸の太さは、パイル植え込み数、
基布密度等に影響して大きく変わるが、基布に使用する
糸の太さは概ね30〜250デニール、好ましくは40
〜200デニール、特に好ましくは50〜180デニー
ル、最も好ましくは60〜150デニールの任意の太さ
であり、またパイルに使用する糸の太さは概ね30〜2
50デニール、好ましくは40〜200デニール、特に
好ましくは50〜180デニール、最も好ましくは60
〜150デニールの任意の太さであり、さらにこのパイ
ルに使用する糸のフィラメント密度としては20000
〜60000本/cm2であり、好ましくは25000
〜50000本/cm2、特に好ましくは27000〜
47000本/cm2であり、最も好ましくは2900
0〜45000本/cm2の任意の密度である。なおパ
イルのヤング率は例えば特公平5−55019号公報に
記載の範囲の任意の値のものであることが好ましい。
【0087】また、遮光テレンプを製造する際、広幅
(約30cm〜200cm)で製造した後、遮光テレン
プとして用いる幅に裁断してもよいし、中幅(遮光テレ
ンプとして用いる幅の2〜10倍幅)で製造した後、遮
光テレンプとして用いる幅に裁断してもよいし、最初か
ら遮光テレンプ用の幅で製造することもできる。この広
幅や中幅から遮光テレンプとして用いる幅に裁断して得
る方法においては、裁断手段は実公昭48−35790
号公報記載の手段でもよいし、超音波カッター、レーザ
ーカッター、ヒートカッター、レザー(カミソリ)、高
圧水流等任意の手段を用いることができる。
【0088】遮光テレンプを写真パトローネ本体に貼着
する方法としては、特開昭49−96049号公報、同
53−105219号公報、同53−105220号公
報、同53−105221号公報、同54−4932号
公報、同61−233738号公報等に記載されている
方法が適用できる。
【0089】パトローネ本体を形成する金属としては、
例えば鉄鋼類、亜鉛類、アルミニウム類、銅類、および
それらの合金類が用いられる。また、これらの金属の表
面はリン酸塩皮膜化成法、酸化鉄皮膜化成法、クロメー
ト皮膜化成法、クロム酸系酸化皮膜化成法、クロム酸ニ
リン酸系皮膜化成法等により金属表面処理を行われてい
ても良い。さらに、金属の表面は、特開昭60−260
61号公報、同60−26062号公報、同60−26
063号公報、同61−233738号公報等に記載の
塗料、インク等で被覆されていてもよい。具体的な塗
料、インク等としては、アルキド樹脂系、アミノ−アル
キド樹脂系、ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ
樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、各
種サビ止めペイント、水系ペイント、セルロース誘導体
等の塗料、インク等が挙げられる。また、特開昭60−
26061号公報、同60−26062号公報、同60
−26063号公報に記載の如く、併用で用いることも
できる。また写真パトローネ本体がプラスティック製で
あってもよい。
【0090】パイルが基布から抜け落ちないようかつ接
着剤がパイル部に浸透してこないよう目止め剤を用いる
ことができる。本発明に用いられる目止め剤としては、
例えばポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン
系、ポリアミド系、ポリエステル系、合成ゴム系、エポ
キシ系、フェノール系、これらに含まれないアクリル系
等の合成樹脂エマルションから選ばれる1種または2種
以上のブレンド物あるいはこれらを組み合わせた共重合
体エマルションが挙げられる。
【0091】パイルを有する遮光テレンプと写真フィル
ムパトローネ本体とを貼着するために用いられる接着剤
としては、ポリエチレン等のポリオレフィン系、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル共重合体系、エ
チレン−エチルアクレリート、エチレン−イソブチルア
クリレート等のアクリル酸エステル共重合体系、ナイロ
ン6、ナイロン6,6、ナイロン10、ナイロン12、
N−メトキシメチル化ナイロン等のポリアミド系、テレ
フタル酸系等のポリエステル系、ポリビニルブチラール
系、ポリ酢酸ビニル系、アセテート、メチルセルロー
ス、アセテートブチレート等のセルロース誘導体系、ポ
リメチルメタクリレート等のポリメタクリル酸エステル
系、ポリビニルメチルエーテル等のポリビニルエーテル
系、ポリウレタン系、ポリカーボネート系、スチレン−
エチレン−ブチレン−スチレン等のスチレン系ブロック
共重合体系、スチレンブタジエン、イソプレン、ブチル
ゴム等の合成ゴム系またはこれらに含まれない特殊ゴム
系、または以上に含まれないアクリル系共重合体等から
選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられる。
【0092】遮光テレンプの組織の構成の仕方として織
物と編物とがあるが、次にこれについて説明する。編地
は伸縮性が大きいため、加工などの工程で少しの張力が
かかっても、仕上後の風合いを損ない、目的のディメン
ション、目付が得られなくなる。これは、ループを構成
する糸が、糸間の摩擦に抗してずれ動くからであり、ノ
ーテンション工程が望ましいが、実際上困難であり、で
きるだけ編地にかかる張力を小さくしてやる工夫、ある
いは最終仕上工程で収縮機を通すなどの処理を必要とす
るものである。
【0093】また、編物において、丸編機で編んだもの
は、丸のままで取り扱う場合もあるが、捺染品あるいは
合繊のけん縮加工糸使いのものは、一般には生地を開反
して加工する。この場合、切り開いた切り口が巻いて障
害となる。また、たて編地のトリコットも耳巻きを生じ
る。これらには、耳部にガミング剤をつけて耳巻きを防
止する方法がとられている。編地を丸のまま加工する場
合には、加工中の折れ目が残らないような配慮が大切で
ある。
【0094】織物は、編物に比べてかたく、腰があるの
が特徴である。織物における加工糸使いは伸度が大き
く、編物と同じように取り扱う必要があるが、その他の
ものは、一般に連続方式が多く適用されている。連続方
式は、たて張力がかかりやすいが、編物に比べて張力の
影響は少なく、ある程度のたて伸びは、テンターのオー
バーフィートや最終工程のサンホライズ仕上げなどによ
ってカバーすることができる。遮光テレンプを構成する
ものとして織物、編み物いずれであってもよいが、生産
性向上及びコストの点では編み物構造とすることが好ま
しい。
【0095】本発明に係る感光性帯材容器は、写真フィ
ルムパトローネ、カラー印画紙、電算写植フィルム、電
算写植印画紙、印刷製版用フィルム、オートポジカラー
印画紙、フルカラー感熱紙、感光樹脂フィルム等のあら
ゆる帯状の感光材料、を収納する遮光容器に使用するこ
とができる。
【0096】
【発明の効果】遮光テレンプを帯状写真感光材料の少な
くともR層の分光感度域に分光吸収(SQ値)を有する
着色染料で着色することにより、遮光性が向上する。こ
の遮光性は遮光テレンプをR層のみならずB層の分光感
度域にも分光吸収(SQ値)を有する着色染料で着色し
た場合に、一段と向上する。より具体的には遮光テレン
プを黒色染料と青色染料等とを用いて着色することによ
り遮光性の向上を図ることができる。すなわち従来黒色
染料が遮光能力が最も高いと考えられてきたが、単に黒
色染料の一部を青色染料等に置換することによって遮光
性の向上をより簡単に行うことができる。該遮光効果は
帯状写真感光材料がB層及び/またはR層に増感色素を
有する場合、特にISO感度400以上のカラーネガ写
真フィルムである場合に効果が著しい。
【0097】さらに実施形態に示した態様により次の効
果が生じる。すなわちダブルラッシェル編み物構造を採
用した遮光テレンプは生産性が高く安価であり、しかも
編成後中央部で切断開反するだけでパイル糸が写真フィ
ルム引出方向に傾斜するので、遮光性がさらに一段と向
上し、引出しトルクが減少し、感光材料に傷がつきにく
いので特に好ましいことが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】各黒色染料で染色した遮光テレンプの分光反射
スペクトルを示した図である。図中の丸数字で示された
曲線は、表1に示したその数字に対応する黒色染料で染
色した遮光テレンプの分光反射スペクトルを示してい
る。
【図2】本発明の実施形態に係るJIS135サイズの
写真フィルムを収納するパトローネの断面を表す模式図
である。
【図3】本発明の実施形態に係る図2のポート口近傍を
拡大した模式図である。
【図4】(1)は乳剤面から露光したカラーネガ写真フ
ィルムにおける光の波長とB層の光感度との関係を示す
図である。(2)は乳剤面から露光したカラーネガ写真
フィルムにおける光の波長とG層の光感度との関係を示
す図である。(3)は乳剤面から露光したカラーネガ写
真フィルムにおける光の波長とR層の光感度との関係を
示す図である。
【図5】(1)は本発明の実施形態に係るカラーネガ写
真フィルムを収納する写真フィルムパトローネのポート
口から侵入した光(すなわち写真フィルムの裏面から侵
入した光)の波長とB層の光感度との関係を示す図であ
る。(2)は本発明の実施形態に係るカラーネガ写真フ
ィルムを収納するパトローネのポート口から侵入した光
の波長とG層の光感度との関係を示す図である。(3)
は本発明の実施形態に係るカラーネガ写真フィルムを収
納するパトローネのポート口から侵入した光の波長とR
層の光感度との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るカラーネガ写真フィル
ムの層の構成を示す模式図である。
【図7】各種染料を用いて、R層のSQ値(SQ値(3
80−495nm)+SQ値(585−680nm))
とR層の光カブリ濃度との関係を示した図である。
【図8】ISO感度400のカラーネガ写真フィルムの
分光感度曲線を示した図である。
【図9】ISO感度100のカラーネガ写真フィルムの
分光感度曲線を示した図である。
【図10】本発明の実施形態に係る織物構造の遮光テレ
ンプの断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1 写真フィルムパトローネ本体 2、2’ 遮光テレンプ 3 写真フィルム 4 ポート口 5 ポート部 6 保護層 7 B層 8 黄色フィルター 9 G層 10 中間層 11 R層 12 ハレーション防止層 13 下塗り層 14 写真フィルムベース 15 遮光テレンプの経糸 16 パイル糸 17 遮光テレンプの緯糸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状写真感光材料がロール状に巻回される
    コアと該帯状写真感光材料が引き出される引出口(以下
    「ポート口」という)と該ポート口に設けられた遮光部
    材とを有する感光性帯材容器において、 該遮光部材が該帯状写真感光材料の少なくとも赤感層
    (以下「R層」という)の分光感度域に分光吸収(SQ
    値)を有する着色染料で着色されたことを特徴とする感
    光性帯材容器。
  2. 【請求項2】前記遮光部材が前記帯状写真感光材料の青
    感層(以下「B層」という)とR層との分光感度域に分
    光吸収(SQ値)を有する着色染料で着色されたことを
    特徴とする請求項1記載の感光性帯材容器。
  3. 【請求項3】前記遮光部材が、青色染料、紫色染料、緑
    色染料からなる群より選ばれた1種以上(以下「青色染
    料等」という)と、黒色染料と、により着色されたこと
    を特徴とする請求項1または2記載の感光性帯材容器。
  4. 【請求項4】前記着色染料中の黒色染料と青色染料等と
    の重量比が50〜98:50〜2であることを特徴とす
    る請求項3記載の感光性帯材容器。
  5. 【請求項5】前記帯状写真感光材料がISO感度400
    以上のカラーネガ写真フィルムであることを特徴とする
    請求項1〜4いずれか1項記載の感光性帯材容器。
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