JPH09152172A - 加熱・加湿出力変換式環境試験装置 - Google Patents

加熱・加湿出力変換式環境試験装置

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JPH09152172A
JPH09152172A JP8199633A JP19963396A JPH09152172A JP H09152172 A JPH09152172 A JP H09152172A JP 8199633 A JP8199633 A JP 8199633A JP 19963396 A JP19963396 A JP 19963396A JP H09152172 A JPH09152172 A JP H09152172A
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heater
heating
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正勝 上田
Katsumasa Suyama
勝政 須山
Akira Kyo
杲 姜
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境試験装置自体及び関連電気設備の容量を
低減する。 【構成】 環境試験装置は、送風機4、冷凍機5、加熱
器6、加湿器7、温調器10等に加えて、加熱出力と加
湿出力との合計が100%を超えるとそれらの比率で1
00%になるように変換した制御出力を発生させる出力
変換部11a及び変換された出力を加熱器及び加湿器に
制御周期内で時間をずらして与える運転時間設定部11
bを備えた加熱器・加湿器制御装置11を有する。 【効果】 加熱器と加湿器とがそれぞれ定格出力で同時
オンする状態を回避でき、最大電力及び最大電流値を加
熱器又は加湿器の何れか大きい方の定格出力に対応した
値にすることができる。従って、環境試験装置やこれが
設置される電気設備の容量を大幅に低減させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それぞれ定格出力
を持つ加熱器及び加湿器を備え試験室内が目的とする温
度及び湿度にるように前記加熱器及び加湿器を制御する
環境試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】環境試験装置の温湿度制御は、従来、温
湿度の設定値と実測値との偏差やその他の諸条件を適宜
取り込んで加熱出力及び加湿出力を決定し、これらの出
力値に対応して加熱器及び加湿器を駆動制御している。
この制御は、制御の安定性や制御系の簡素化等のため
に、加熱器及び加湿器の出力自体を制御することなく、
図9に示す如く、加熱器及び加湿器自体は定格出力でオ
ン/オフ運転し、決定された加熱出力及び加湿出力に対
して、制御周期中における加熱器及び加湿器の運転時間
(オン/オフ時間)を、それぞれの出力に直接対応した
時間にする方法で行われている。図では、制御周期をT
とし、加熱出力又は加湿出力がそれぞれ100%、0
%、50%である場合の加熱器又は加湿器のオン/オフ
状態を示す。
【0003】このような制御によれば、加熱器及び加湿
器の定格出力を有効にするために、同図に示す如く出力
100%では制御周期の全期間を運転時間にする必要が
ある。そのため、加熱器及び加湿器が同時に定格出力で
運転される状態が必ず発生する。又従来の装置では、加
熱器及び加湿器がそれぞれ独立して制御されていて、そ
れぞれの制御周期において、それらは同時にオンになっ
ていた。その結果、従来の環境試験装置では、加熱・加
湿出力の合計値がそれ程大きくならない運転状態が多い
にもかかわらず、最大電力(KW)及び最大電流値は加
熱器及び加湿器の定格出力に対応した値の合計になり、
大きな値になっていた。
【0004】従って、このような制御によれば、通算の
電力消費量(KWh)は加熱・加湿出力との合計に比例
した値になるので問題はないが、最大電力及び最大電流
値によって決定される環境試験装置の電気設備の容量が
大きくなると共に、装置を設置する工場の給電設備等も
過大な容量になるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、加熱器及び加湿器の定格出力を
有効に利用しつつ、関連する電気設備の容量を低減でき
る環境試験装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、それぞれ定格出力を持
つ加熱器及び加湿器を備え試験室内が目的とする温度及
び湿度になるように前記加熱器及び加湿器を制御する環
境試験装置において、運転条件に対応して前記加熱器及
び前記加湿器の前記それぞれの定格出力に対する出力率
である加熱出力及び加湿出力を発生させる加熱・加湿出
力発生手段と、前記加熱出力及び前記加湿出力を受信し
てそれらの合計出力が100%又はこれに近い所定値以
下のときにはそれぞれの出力を発信し前記所定値より大
きいときには合計出力が前記所定値になるように変換さ
れた加熱器制御出力及び加湿器制御出力を発信する出力
変換手段と、該出力変換手段から発信された出力を受信
して前記加熱器及び前記加湿器を前記それぞれの定格出
力で運転すべき運転時間を計算すると共に該運転時間を
互いに分離された時間として発信する運転時間設定手段
と、を有することを特徴とし、請求項2の発明は、上記
に加えて、前記合計出力が前記所定値より大きいときに
は、前記加熱器制御出力及び前記加湿器制御出力を前記
加熱出力及び前記加湿出力の比率に比例配分することを
特徴とし、請求項3の発明は、請求項1の発明の特徴に
加えて、前記合計出力が前記所定値より大きいときに
は、前記加熱出力を前記加熱器制御出力とし(前記所定
値−前記加熱器制御出力)を前記加湿器制御出力とする
ことを特徴とする。請求項4の発明は、請求項1の発明
の特徴に加えて、前記合計出力が前記所定値より大きい
ときには、前記加湿出力を前記加湿器制御出力とし(前
記所定値−前記加湿器制御出力)を前記加熱器制御出力
とすることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した一例であ
る環境試験装置及びその制御装置の一部分の構成を示
す。環境試験装置は、断熱壁1内に設けられた試験室2
及び空調室3、空気を循環させる送風機4、蒸発器5a
及びこれに冷媒を送る冷凍機5、加熱器6、蒸気発散部
7aを備えこれに蒸発させた蒸気を送る加湿器7、温度
センサ8、湿度センサ9、加熱・加湿出力発生手段とし
ての温調器10、出力変換手段としての出力変換部11
a及び運転時間設定手段としての運転時間設定部11b
を備えた加熱器・加湿器制御装置11、その制御信号に
よって回路をオン/オフさせる固体継電器12、13、
電源14、保安装置15、電磁接触器16、17等を備
えている。
【0008】この装置では、冷凍機5の蒸発器5aで循
環空気の冷却及び除湿が行われると共に、加熱器6及び
加湿器7の加熱量及び加湿量が制御され、試験室2内の
温湿度が調整される。温調器10、加熱器・加湿器制御
装置11等は環境試験装置の制御装置の一部分を構成す
る。
【0009】温調器10は、図示しない温湿度設定部を
備えていると共に、温度センサ8及び湿度センサ9が検
出した温湿度信号を受信し、温湿度の設定値と温湿度セ
ンサの検出値との偏差や検出値の変化率等の運転条件に
対応して、通常用いられる種々の方法で加熱器6及び加
湿器7を駆動すべき一次的な出力を発信する。この出力
は、加熱器6及び加湿器7のそれぞれの定格出力に対す
る出力率である加熱出力D(%)及び加湿出力W(%)
として発信される。
【0010】出力変換部11aは、加熱出力D及び加湿
出力Wを受信し、それらの合計出力が所定値として10
0%以下のときには、それぞれの出力をそのまま加熱器
制御出力D´及び加湿器制御出力W´として発信し、合
計出力が100%より大きいときには、それが100%
になるように変換された加熱器制御出力D´及び加湿器
制御出力W´を発信する。
【0011】D´、W´を定める方法としては、例え
ば、100%を、入力した加熱出力D及び加湿出力Wの
比率で比例配分する比例変換方法、加熱出力を優先させ
てそのままD´とし加湿出力を100%とD´との差に
する優先変換方法、温湿度上昇中には後者の方法を用い
設定値に到達後には前者の方法を用いる併用方法、温湿
度上昇中には先ず加熱器制御出力を100%にして温度
が設定値に近付いた後に前者の方法に切り換える方法、
この反対に温度又は温湿度上昇中には加湿器制御出力を
優先させてそのままW´とし加熱出力を100%とW´
との差にする加湿優先変換方法、温湿度上昇中にはまず
加湿器制御出力を100%にして湿度が設定値に近づい
た後に前記比例変換方法を用いる方法等、種々の方法を
採用することができる。
【0012】比例配分方法及び優先変換方法を数式で表
すと、 比例変換方法: D+W≦100 のとき---D'=D, W'=W D+W>100 のとき---D'=[D/(D+W)] ×100, W'=[W/(D+
W)]×100 --式(1) 優先変換方法(加熱出力優先): D+W≦100 のとき---D'=D, W'=W D+W>100 のとき---D'=D, W'=100-D' -----式(2) 他の優先変換方法(加湿出力優先): D+W≦100 のとき---D'=D, W'=W D+W>100 のとき---W'=W, D'=100-W' -----式(3) となる。
【0013】図2乃至図4は出力変換制御フローを示
す。図2は比例変換方法の場合である。出力変換部11
aは、温調器10からの加熱出力D及び加湿出力Wを受
信し(Sー1)、これらの合計が100%以下かどうか
を判断し(Sー2)、100%以下のときにはそれぞれ
の出力を変換された制御出力D´及びW´として発信し
(Sー3)、100%を超えるときには、上記式(1)
で計算した値をD´及びW´として発信する(Sー
4)。図3は優先変換方法の場合で、DとWの合計が1
00%以下の場合は図2のフローと同じで、100%を
超えるときには、上記式(2)で計算した値をD´及び
W´として発信する(Sー4)。
【0014】図4は他の優先変換方法の例を示す。Dと
Wの合計が100%以下の場合には図2のフローと同じ
であるが、100%を超えるときには、上記式(3)で
計算した値をW´及びD´として発信する(Sー4)。
即ち、加湿出力W´を優先させる。
【0015】図5は、温湿度又は温度の設定値を上げる
ように設定変更したときの相対湿度の落ち込み状態を示
す。温度設定値を上げると、通常の制御では加熱出力が
大きくなって試験室内及び循環している空気の温度が上
昇するが、この温度上昇は当然に相対湿度の低下を招
く。その結果、必要加湿量が増加して加湿出力も大きく
なるが、温度上昇の速度が早く、加湿器の能力の限界に
よって加湿しても相対湿度が追従せず、相対湿度の現在
値RHpvが低下する傾向になる。図3の加熱出力優先
変換方法によれば、温湿度の設定値への到達時間が短く
なる利点はあるが、その反対に、上記のような設定値へ
の到達過程における相対湿度の落ち込みや、これに伴う
制御乱れが発生し易くなる。試料や試験の種類等によっ
ては、相対湿度の低下や制御乱れが問題になる場合もあ
る。
【0016】これに対して、図4の加湿出力優先変換方
法によれば、加湿出力W´が100%又はこれに近くな
り、加熱出力D´=100−W´は0又はこれに近い値
になるので、殆ど加湿器の顕熱分のみで温度上昇してい
く。そのため、温度上昇はある程度緩慢になるが、相対
湿度の落ち込みを防止することができる。そして、相対
湿度が設定値に近くなるか又は到達すると、加湿出力W
´が小さくなって加熱出力D´が次第に大きくなり、速
やかに設定温度に到達する。従って、全体的に設定温度
への到達時間は多少長くなるが、相対湿度を維持しつつ
温度も上昇するため、実環境に近い条件で試験を行え
る。又制御乱れも防止できる。
【0017】図6は、実際の装置における他の問題や上
記現象の発生例を示す。実際の装置では、試験室の壁面
や床面等に水滴が付着していることがあり、このような
場合には、従来の制御方法や本発明の図2、図3の制御
方法によれば、急激な温度上昇が問題になることがあ
る。この例は、15°C−90%RHの安定した運転状
態から50°C−35%RHに設定値を変更したときの
過渡現象を示す。
【0018】図示のA部分では、RHの変化が極めて急
激に起こり、設定値35%よりも更に落ち込むような傾
向を示している。加湿器が対応できない場合には、この
現象が問題になることもある。一方、この装置では、試
験室内に水分負荷が存在していたため、急激な相対湿度
の低下によりその水分が蒸発し、B部分に示すように、
相対湿度が設定値に到達する前に既にRHのオーバーシ
ュート効果が発生している。図ではオーバーシュートの
効果が比較的短時間で終了しているが、これが長く続く
場合も多い。図4に示す加湿出力優先制御を用いると、
このような装置における不具合を防止でき、温湿度を早
く設定値に到達できる効果もある。
【0019】なお、温度上昇に伴って発生する可能性の
ある上記のような問題の対策としては、温度上昇により
必要となる加湿量が加湿器の能力以内におさまるよう
に、温度上昇の時間を長くする方法もあるが、そのため
には、温調器に温湿度の勾配設定機能を持たせる必要が
あり、装置や制御が複雑化する。しかも、実際の装置で
上記効果の得られる適当な温度上昇時間の設定値を定め
るのが容易でないという新たな問題も生ずる。図4の制
御によれば、温度の急上昇に伴う問題を簡易に防止する
ことができる。
【0020】運転時間設定部11bは、出力変換部11
aから発信された変換された制御出力を受信し、加熱器
6及び加湿器7をそれぞれの定格出力で運転すべき運転
時間を計算すると共に、それらの運転時間を分離された
時間として発信し、加熱器6及び加湿器7に与える。こ
の制御方法は、加熱器6と加湿器7とを独立して制御す
る従来の方法とは異なったものである。
【0021】図7は運転時間設定部により分離した時間
設定をする場合の例を示す。なお、図では、それぞれの
制御周期において、加熱器を運転した後に加湿器を運転
する例を示しているが、この反対であってもよいことは
勿論である。
【0022】同図(a)では、例えばD=D´=50
%、W=W´=30%、制御周期=10秒の場合であ
る。それぞれの出力に対応した運転時間は、D´T=1
0×0.5=5秒、W´T=10×0.3=3秒にな
り、加熱器及び加湿器を定格出力の下にタイミングをず
らせてオン/オフさせる状態は図示のようになる。
【0023】同図(b)は、D=72%、W=48%、
D´=60%、W´=40%、D´T=6秒、W´T=
4秒の場合を示す。この場合には、制御周期10秒が全
て加熱器及び加湿器のオン時間に用いられる。一方、こ
のような場合には、従来の加熱器及び加湿器の制御方法
では、図8(a)のようになり、4.8秒の同時オン時
間が発生する。又、同図(b)のように、加熱器と加湿
器とのオン時期をずらせても、加湿器のオン時間を制御
周期以内におさめるためには、2秒の同時オン時間の発
生が避けられない。本発明によればこのようにD+Wが
100%を超えても、図7(b)に示すように、加熱器
と加湿器との同時オンの状態を回避できる。
【0024】図7(c)は、D=72%、W=48%の
場合に、D´=72%、W´=28%、D´T=7.2
秒、W´T=2.8秒にした例を示す。このようにする
と、温度が先に設定値に到達するので、その過程で加熱
出力が次第に低下し、加湿出力が次第に上昇する。そし
て、同図(d)のように、例えばD=10%、W=90
%の状態を経由するとすれば、このときには、D´=1
0%、W´=90%、D´T=1秒、W´T=9秒にな
る。この方法でも、同様に加熱器と加湿器との同時オン
を回避できる。そして、温湿度上昇時には、D´を優先
させることにより、より早く温湿度を設定値に到達させ
ることができる。
【0025】なお、それぞれのオン時間をずらす方法と
しては、例えば加熱器への加熱出力と加湿器への加湿出
力とが同時に行われないようにインターロックする等、
公知の種々の方法を用いることができる。又、実際の制
御においては、それぞれの制御周期における出力時間の
端で微小な位相ずれが発生するが、制御周期は通常数秒
間になっているため、この程度の位相ずれはほとんど問
題にならない。但し、このような位相ずれを考慮して、
1波長分、例えば20msec程度(50Hzの場合)の時
間差を設けて加熱出力及び加湿出力を出すようにしても
よい。なお以上では、比例変換方法、加熱出力優先変換
方法、加湿出力優先変換方法等を別個に説明したが、1
つの環境試験装置がこれらの方法を実現できる制御ロジ
ックの全て又は複数を備えていて、試料や試験の種類等
によってこれらのうちの最適なものに切り換えられるよ
うな装置であってもよい。
【0026】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、出力変換手段を設け、これにより、加
熱・加湿出力発生手段で発生させた加熱出力及び加湿出
力を入力し、それらの合計出力が100%又はこれに近
い所定値以下のときにはそれぞれの出力を発信し、所定
値より大きいときには合計出力が所定値になるように変
換された加熱器制御出力及び加湿器制御出力を発信させ
るので、合計出力を常に所定値以下に押さえることがで
きる。この所定値は、100%であることが望ましい
が、各種環境試験装置の制御特性や冷凍能力の制御方式
等によっては、例えば90%程度であってもよい。
【0027】このように加熱器及び加湿器の制御出力の
合計が100%を超えないようにすれば、制御周期中の
加熱器及び加湿器の定格運転時間を分離させることが可
能になる。即ち、例えば制御周期をT時間とし、変換さ
れた加熱器制御出力が70%で加湿器制御出力が30%
になったとすれば、制御周期内における加熱器の運転時
間を(7/10)Tとし、加湿器の運転時間を(3/1
0)Tとし、これらの時間を分離させることが可能にな
る。
【0028】そして、運転時間設定手段を設け、これに
より、出力変換手段から発信された出力を入力して加熱
器と加湿器とをそれぞれの定格出力で運転する運転時間
を計算すると共に、該運転時間を分離した時間として発
信するので、加熱器及び加湿器は制御周期内で別々の時
間に運転される。
【0029】以上のように、加熱・加湿出力の変換と、
加熱器と加湿器との分離運転とを組み合わせることによ
り、如何なる場合にも、最大電力及び最大電流値を、加
熱器又は加湿器の何れか大きい方の定格出力に対応した
値にすることができる。加熱器の定格出力と加湿器の定
格出力とが同じである場合には、最大電力及び最大電流
値を従来の1/2にすることができる。その結果、最大
電力や最大電流値で決定されるブレーカー容量や配線サ
イズ等の環境試験装置の電気設備が大幅に小型化され、
材料費や工事費用の低減、工期の短縮を図ることがで
き、更に、環境試験装置が設置される工場等の一次側電
気設備容量を軽減させることができる。又、加熱器と加
湿器とをシリーズに運転することになるので、これらの
容量が同じである場合には、従来それぞれに対して設け
られていた過電流保護回路等の保安装置を1つで共用す
ることが可能になり、一層電気設備のコスト低減と簡素
化が図られる。
【0030】なお、環境試験装置における温湿度の設定
条件と加熱出力及び加湿出力との関係を見れば、通常、
最も多い運転状態である温湿度安定時には、加熱出力と
加湿出力の合計は100%より低い値になっている。環
境試験装置では、冷凍回路の冷凍能力が段階的に制御さ
れているものも多く、このような環境試験装置では、通
常運転における加熱・加湿出力は特に小さい値になる。
従って、温度又は湿度の上昇時を含めた通常の運転状態
では、本発明のような制御を行っても、加熱器及び加湿
器の定格出力が十分活用され、温湿度の制御性は従来ど
おり良好に維持される。
【0031】環境試験装置の運転条件としては、温度及
び湿度を共に現在の運転状態よりも高い値に設定する温
湿度上昇運転条件がある。このときには、その設定値如
何によっては、加熱出力及び加湿出力が共に100%又
はこれに近い値になる場合も発生する。このような条件
において両出力の合計を100%以下に制限すれば、設
定温湿度に到達するまでの時間は長くなる。しかし、環
境試験装置の温湿度特性として、温湿度を共に上昇させ
る設定をすると、通常、まず温度が先に上昇して設定値
に到達し、その後緩慢に湿度が上昇して設定値に到達す
る過程をたどる。このため、本発明を適用しても、主と
して設定温度への到達時間が伸びることになり、温湿度
の設定値への到達時間全体しては、それ程大幅に長くな
ることはない。なお、環境試験装置では、加湿制御時期
を意図的に遅らせることにより、試験室内における試料
等への結露防止を図る場合もある。従って、特に温湿度
上昇運転を頻繁に行うような環境試験装置でなければ、
このような条件における設定値到達時間のある程度の遅
延は、実用上殆ど問題にならない。
【0032】請求項2の発明においては、請求項1の発
明の効果に加えて、出力変換手段は、合計出力が所定値
より大きいときには、変換される加熱器制御出力と加湿
器制御出力とを入力時の加熱出力及び加湿出力の比率に
比例配分するので、出力自体は変わってもその比率は変
化せず、最適な制御状態を維持することができる。
【0033】請求項3の発明においては、請求項1の発
明の効果に加えて、出力変換手段は、合計出力が所定値
より大きいときには、入力した加熱出力をそのまま変換
された加熱器制御出力にすると共に、(所定値−加熱器
制御出力)を変換された加湿器制御出力にするので、温
湿度の大幅な上昇時のように両出力が100%近くにな
る場合に、早く設定値に到達する温度を優先させて効果
的に上昇させ、その後に湿度を上昇させることにより、
温湿度の設定値への到達時間を短くすることができる。
この場合、温度が設定値に近付くと、加熱出力が次第に
低下し、加湿出力が次第に大きくなるので、加熱を主と
した制御から加湿を主とした制御への切り換えが円滑に
行われる。又、このように温度を優先させて上昇させる
と、前述の如く試料への結露を防止できる利点も生ず
る。
【0034】請求項4の発明においては、加湿出力を優
先させた制御ができるので、請求項1の発明の効果に加
えて、温度もしくは温湿度上昇時における相対湿度の落
ち込みを確実に防止し、実環境に近い試験ができると共
に、制御乱れの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した環境試験装置の一例を示す説
明図である。
【図2】上記装置における出力変換方法の一例を示すフ
ローチャートである。
【図3】上記装置における出力変換方法の他の例を示す
フローチャートである。
【図4】上記装置における出力変換方法の更に他の例を
示すフローチャートである。
【図5】(a)及び(b)はそれぞれ温湿度の設定値を
上げたとき及び温度設定値を上げたときの通常の制御に
おける温度及び湿度の変化状態を示す説明図である。
【図6】実際の環境試験装置で温湿度設定値を変更した
場合の温度及び相対湿度の変化状態の実測曲線図であ
る。
【図7】(a)乃至(d)は上記装置における運転時間
設定例を示す説明図である。
【図8】運転時間の設定例の説明図であり、(a)は従
来の方法を用いた場合を示し、(b)は従来の方法を一
部変更した場合を示す。
【図9】従来の運転時間の設定方法の説明図である。
【符号の説明】
6 加熱器 7 加湿器 10 温調器(加熱・加湿出力発生手段) 11a 出力変換部(出力変換手段) 11b 運転時間設定部(運転時間設定手段) D 加熱出力 D´ 変換された加熱器制御出力 W 加湿出力 W´ 変換された加湿器制御出力

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ定格出力を持つ加熱器及び加湿
    器を備え試験室内が目的とする温度及び湿度になるよう
    に前記加熱器及び加湿器を制御する環境試験装置におい
    て、 運転条件に対応して前記加熱器及び前記加湿器の前記そ
    れぞれの定格出力に対する出力率である加熱出力及び加
    湿出力を発生させる加熱・加湿出力発生手段と、前記加
    熱出力及び前記加湿出力を受信してそれらの合計出力が
    100%又はこれに近い所定値以下のときにはそれぞれ
    の出力を発信し前記所定値より大きいときには合計出力
    が前記所定値になるように変換された加熱器制御出力及
    び加湿器制御出力を発信する出力変換手段と、該出力変
    換手段から発信された出力を受信して前記加熱器及び前
    記加湿器を前記それぞれの定格出力で運転すべき運転時
    間を計算すると共に該運転時間を互いに分離された時間
    として発信する運転時間設定手段と、を有することを特
    徴とする環境試験装置。
  2. 【請求項2】 前記合計出力が前記所定値より大きいと
    きには、前記加熱器制御出力及び前記加湿器制御出力を
    前記加熱出力及び前記加湿出力の比率に比例配分するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
  3. 【請求項3】 前記合計出力が前記所定値より大きいと
    きには、前記加熱出力を前記加熱器制御出力とし(前記
    所定値−前記加熱器制御出力)を前記加湿器制御出力と
    することを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
  4. 【請求項4】 前記合計出力が前記所定値より大きいと
    きには、前記加湿出力を前記加湿器制御出力とし(前記
    所定値−前記加湿器制御出力)を前記加熱器制御出力と
    することを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
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