JPH0568657B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、単一の室外ユニツトに対して複数台
の室内ユニツトを互いに並列に接続した、いわゆ
るマルチ方式の空気調和装置において、上記室外
ユニツトの使用電力に対する各室内ユニツトの分
担電力をそれぞれ算出するようにした空気調和装
置の使用電力積算装置に関する。

（従来の技術） 従来より、この種のマツリ方式の空気調和装置
として、例えば実開昭54−50859号公報に開示さ
れるように、圧縮機および室外熱交換器を有する
単一の室外ユニツトと、該室外ユニツトに対して
互いに並列に接続され、それぞれ相異なる室内に
配設される室内熱交換器および冷媒流通制御用の
開閉弁を有する複数台の室内ユニツトとを備え、
該各室内ユニツトの開閉弁をそれぞれ対応する室
内の温度に応じて開閉制御することにより、該開
閉弁が開作動する側の室内ユニツトに対してのみ
冷媒を流通させて、真に空調を要する所定の室内
のみを冷房又は暖房するようにしたものが知られ
ている。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、高層ビルなどにおいて機器の集中室
に単一の室外ユニツトを配設するとともに、複数
台の室内ユニツトをそれぞれ居住者の異なる複数
の部屋に配設した場合などには、上記室外ユニツ
トの使用電力を各室外ユニツトの利用状況に応じ
て分配して、各居住者毎に電気料金を個別に算出
する必要がある。

その場合、電気料金の個別算出を行うべく、例
えば各部屋に設置された室内ユニツトの運転／停
止スイツチの運転指令信号に基づいて各室内ユニ
ツトの運転時間を算出し、これに応じて室外ユニ
ツトの使用電力を比例配分することが考えられる
が、この考えのものでは室温が室温目標値に達し
た時のサーモOFFによる室外ユニツト停止時間
が考慮されず、電気料金の算出が精度良く行われ
ないという欠点が生じる。しかも、上記の如き冷
媒流通制御用の開閉弁に代えて、絞り度が室温と
室温目標値との偏差に応じて変更される電動膨張
弁等を備えた空調能力可変のものに適用する場合
には、同一運転時間であつても空調能力の変化に
応じて分担電力に差違が生じるにも拘わらず同一
分担電力として算出されるため、電気料金の算出
精度はより顕著に低下する。

本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、上記の如き開閉弁や電動膨張弁
等の絞り度調整弁を室温に応じて制御するように
したマルチ方式の空気調和装置において、上記絞
り度調整弁の絞り度に応じて室外ユニツトの使用
電力を比例配分することにより、各室内ユニツト
の分担電力を該各室内ユニツトの冷媒流通量に比
例させて、各部屋毎の電気料金をサーモOFFに
よる室内ユニツト停止時間や空調能力の変化に拘
らず精度良く算出し得るようにすることにある。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本発明の解決手段
は、第１図に示すように圧縮機１および室外熱交
換器３を有する単一の室外ユニツトＡと、該室外
ユニツトＡに対して互いに並列に接続される室内
熱交換器１０および冷媒通路面積の絞り度を調節
する絞り度調整弁１６を有する複数台の室内ユニ
ツトＢ〜Ｄとを備えるとともに、該各室内ユニツ
トＢ〜Ｄの絞り度調整弁１６をそれぞれ対応する
室内の温度に応じて制御する絞り度制御手段１２
を備えた空気調和装置において、上記絞り度制御
手段２１の出力を受け、各絞り度調整弁１６への
絞り度制御信号値に応じて上記室外ユニツトＡの
使用電力を対応する室内ユニツトＢ〜Ｄの分担電
力として比例配分する演算装置２２とを備える構
成としたものである。

（作用） 以上により、本発明では、室外ユニツトＡの使
用電力が各室内ユニツトＢ〜Ｄの絞り度調整弁１
６への絞り度制御信号値に応じて比例配分される
ことによつて、各室内ユニツトＢ〜Ｄの分担電力
がそれぞれ対応する室内ユニツトＢ〜Ｄの冷媒流
通量に比例した値になつて、各室内ユニツトＢ〜
Ｄ毎の電気料金がそれぞれサーモOFFによる室
内ユニツト停止時間や空調能力の変化に拘わらず
精度良い値に算出されるのである。

（実施例） 以下、本発明の実施例を第２図以下の図面に基
づいて説明する。

第２図は本発明の第１実施例を示し、Ａは単一
の室外ユニツト、Ｂ，Ｃ，Ｄはそれぞれ相異なる
室内に配設された複数台３台の室内ユニツトであ
つて、上記室外ユニツトＡは内部に圧縮機１と、
四路切換弁２と、送風フアン３ａを有する室外熱
交換器３と、逆止弁付暖房用膨張弁４と、レシー
バ５と、アキユムレータ６とを備え、該各機器１
〜６はそれぞれ冷媒配管７…により冷媒流通可能
に連結されている。また、室内ユニツトＢ〜Ｄは
互いに同一構成であり、その内部には送風フアン
１０ａを有する室内熱交換器１０と、逆止弁付冷
房用膨張弁１１とを備え、該各機器１０，１１は
互いに冷媒配管１２により冷媒流通可能に連結さ
れている。そして、該各室内ユニツトＢ〜Ｄは冷
媒配管１３…により室外ユニツトＡに対して互い
に並列に冷媒循環可能に連結されて冷媒循環系統
１４が形成されており、冷房運転時には、四路切
換弁２を実線の如く切換えて冷媒を実線矢印の如
く循環させることにより、室内熱交換器１０で室
内空気から吸熱した熱量を室外熱交換器３で外気
に放熱して室内を冷房する一方、暖房運転時に
は、四路切換弁２を破線の如く切換えて冷媒を破
線矢印の如く循環させることにより、熱量の授受
を上記とは逆にして室内を暖房するようになされ
ている。

また、上記各室内ユニツトＢ〜Ｄには、それぞ
れ冷媒配管１２に介設された開閉弁１５が備えら
れ、該開閉弁１５の開作動により冷媒通路面積の
絞り度を、冷房運転時には冷房用膨張弁１１の絞
り度に、暖房運転時には暖房用膨張弁４の絞り度
にそれぞれ調整する一方、該開閉弁１５の閉作動
により冷媒通路面積の絞り度を全閉にするよう、
冷媒通路面積の絞り度を２段階に調整するように
した絞り度調整弁１６を構成している。

さらに、上記各室内ユニツトＢ〜Ｄには、それ
ぞれ室内熱交換器１０近傍に配置されて室内温度
を検出するサーミスタ等より成る室温センサ２０
と、該室温センサ２０の出力を受けて上記開閉弁
１５を開閉制御する絞り度制御手段２１とが備え
られている。該絞り度制御手段２１は、対応する
室内に設置された運転／停止スイツチ（図示せ
ず）からの運転指令信号を受けて作動を開始し、
この作動中に室温センサ２０からの室温信号値to
を在室者等により設定された室温目標値tsと大小
比較して、室温信号値toが室温目標値ts以上to≧
tsの冷房要求時および室温信号値toが室温目標値
ts以下to≦tsの暖房要求時には開閉弁１５に開指
令信号δ（「１」信号）を出力して該開閉弁１５を
開制御することにより、対応する室内ユニツトへ
の冷媒の流通を許容して対応する室内を冷房又は
暖房する一方、上記冷房要求時および暖房要求時
以外のときには開閉弁１５に閉指令信号（「０」
信号）を出力してこれを閉制御することにより、
対応する室内ユニツトへの冷媒の流通を阻止して
対応する室内の冷房又は暖房を停止するものであ
る。

そして、上記各絞り度制御手段２１の開指令信
号δi（ｉ＝Ｂ，Ｃ，Ｄ）は、本発明の特徴として
の演算装置２２に入力されている。該演算手段２
２は、上記室外ユニツトＡの圧縮機１および室外
熱交換器３の送風フアン３ａを駆動するための電
力を電力計２３で計測した室外ユニツトＡの使用
電力woに対する各室内ユニツトＢ〜Ｄでの分担
電力wiを下記式 wi＝（δi／Σδi）・wo に基づいて上記室外ユニツトＡの使用電力woを
上記入力された各絞り度制御手段２１の開指令信
号δi（絞り度制御信号値）に応じて比例配分する
ことにより算出し、これを下記式 Wi＝∫wi・dt で時間積分して各室内ユニツトＢ〜Ｄの分担電力
の積分値Wiを算出したのち、これを記憶装置２
４に記憶するものである。

したがつて、上記第１実施例においては、複数
台３台の室内ユニツトＢ〜Ｄのうち何れかの開閉
弁１５が開作動している時には、室外ユニツトＡ
の圧縮機１から吐出された冷媒はその開作動して
いる側の室内ユニツトに流通して、対応する室内
が冷房又は暖房される一方、開閉弁１５の閉作動
している側の室内ユニツトには冷媒は流通せず、
対応する室内の冷房又は暖房は行われない。そし
て、各室内ユニツトＢ〜Ｄの開閉弁１５の作動が
対応する室内の温度に応じて開状態に又は閉状態
に切換えられる毎に対応する室内ユニツトへの冷
媒流通も順次切換えられて、真に空調を要する室
内のみが冷房又は暖房される。

その場合、室外ユニツトＡの使用電力woに対
する各室内ユニツトＢ〜Ｄの分担電力wiは、演
算装置２２により各室内ユニツトＢ〜Ｄの開閉弁
１５への開指令信号δiに応じ室外ユニツトＡの使
用電力wiを比例配分することにより算出される
ので、この各分担電力wiはそれぞれ対応する室
内ユニツトの冷媒流通量に比例した値、つまり対
応する室内ユニツトのサーモOFFによる作動の
停止を考慮した値になつて、各室内ユニツトＢ〜
Ｄの電気料金がそれぞれ精度良く算出されること
になる。

また、第３図は本発明の第２実施例を示し、上
記第１実施例では絞り度調整弁１６を開閉弁１５
で構成したのに代え、電動膨張弁で構成したもの
である。尚、上記第１実施例と同一の部分につい
ては同一の符号を付してその説明を省略する。

すなわち、各室内ユニツトＢ〜Ｄには、それぞ
れ冷媒配管１２に介設された冷房用電動膨張弁よ
りなる絞り度調整弁１６′が介設されているとと
もに、絞り度制御手段２１′は、室温センサ２０
からの室温信号値（to）と室温目標値（ts）との
偏差（to−ts）を演算して、該偏差（to−ts）が
零以上のとき（to−ts≧Ｏ）には該偏差に応じた
開度信号viを、偏差（to−ts）が零未満のとき
（to−ts＜Ｏ）には全閉に相当する開度信号viを
絞り度調整弁１６′に出力して、その開度を制御
するものである。また、演算装置２２′は、各室
内ユニツトＢ〜Ｄの分担電力wiを下記式 wi＝（vi／Σvi）・wo に基づいて室外ユニツトＡの使用電力woを上記
絞り度制御手段２１′の開度信号viに応じて比例
配分することにより算出するものである。尚、図
中、２５は室外ユニツトＡに備える暖房用電動膨
張弁である。

したがつて、上記第２実施例においては、各室
内の冷房時、各室内ユニツトＢ〜Ｄの絞り度調整
弁１６′はそれぞれ対応する室内の温度（to）と
室温目標値（ts）との偏差（to−ts）が大きいと
きには絞り度が大きくなつて冷媒流通量が増大
し、対応する室内の空調能力は大きくなる一方、
上記偏差（to−ts）が小さいときには絞り度も小
さくなつて冷媒流通量が減少し、対応する室内の
空調能力は小さくなる。

この場合、室外ユニツトＡの使用電力woに対
する各室内ユニツトＢ〜Ｄの分担電力wiは、各
絞り度調整弁１６′の開度信号viに応じて室外ユ
ニツトＡの使用電力woを比例配分して算出され
るので、この分担電力wiを各室内ユニツトＢ〜
Ｄの冷媒流通量に応じた値、つまり各室内の空調
能力の変化を考慮した値になつて、各室内ユニツ
トＢ〜Ｄでの電気料金が精度良く算出されること
になる。

尚、上記第２実施例では、各室内ユニツトＢ〜
Ｄの分担電力wiを各絞り度調整弁１６′への開度
信号viに応じて算出したが、その他、該各絞り度
調整弁１６′の開時間に応じて算出してもよい。
しかし、上記第２実施例の如く開度信号viに応じ
て算出する場合には、分担電力wiを各室内ユニ
ツトＢ〜Ｄの冷媒流通量に良好に対応させること
ができ、分担電力wiの算出精度のより一層の向
上を図ることができる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、単一の
室外ユニツトの使用電力に対する複数台の室外ユ
ニツトの分担電力が、該各室内ユニツトに備える
絞り度調整弁への絞り度制御信号値に応じた室外
ユニツトの使用電力の比例配分により算出され
て、各室内ユニツトの冷媒流通量に応じた値にな
るので、各室内ユニツトのサーモOFFによる作
動の停止や空調能力の変化に拘わらず各室内ユニ
ツトの電気料金の算出を常に精度良く行うことが
でき、使用上便利なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成を示すブロツク図であ
る。第２図および第３図は本発明の実施例を示
し、第２図は第１実施例を示す冷媒配管系統図、
第３図は第２実施例を示す冷媒配管系統図であ
る。 Ａ……室外ユニツト、Ｂ，Ｃ，Ｄ……室内ユニ
ツト、１……圧縮機、３……室外熱交換器、１０
……室内熱交換器、１５……開閉弁、１６，１
６′……絞り度調整弁、２１，２１′……絞り度制
御手段、２２，２２′……演算装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧縮機１および室外熱交換器３を有する単一
   の室外ユニツトＡと、該室外ユニツトＡに対して
   互いに並列に接続される室内熱交換器１０および
   冷媒通路面積の絞り度を調整する絞り度調整弁１
   ６を有する複数台の室内ユニツトＢ〜Ｄとを備え
   るとともに、該各室内ユニツトＢ〜Ｄの絞り度調
   整弁１６をそれぞれ対応する室内の温度に応じて
   制御する絞り度制御手段２１を備えた空気調和装
   置において、上記絞り度制御手段２１の出力を受
   け、各絞り度調整弁１６への絞り度制御信号値に
   応じて上記室外ユニツトＡの使用電力を対応する
   室内ユニツトＢ〜Ｄの分担電力として比例配分す
   る演算装置２２を備えたことを特徴とする空気調
   和装置の使用電力積算装置。