JPH09152155A - 高層ビルにおける排煙及びエレベータシャフト内の加圧制御方法 - Google Patents

高層ビルにおける排煙及びエレベータシャフト内の加圧制御方法

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JPH09152155A
JPH09152155A JP31042295A JP31042295A JPH09152155A JP H09152155 A JPH09152155 A JP H09152155A JP 31042295 A JP31042295 A JP 31042295A JP 31042295 A JP31042295 A JP 31042295A JP H09152155 A JPH09152155 A JP H09152155A
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荒井義人
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奥田昌治
Kazumoto Nagaoka
長岡一元
Takeyasu Shin
武康 新
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ファンを有効的に利用することにより、鳴音防
止対策と火災時の防煙対策を低コストで行う。 【解決手段】ビル1外部の気温T1がエレベータシャフ
ト2の気温T3より低下し規定値を越えたときにダンパ
aを開放し、ビル外部の気温がエレベータシャフトの気
温より更に低下し規定値を越えたときには加圧ファンA
を運転し、エレベータシャフト2内とビル外部との気温
差が小さくなることと、かつエレベータシャフト内外の
圧力差が小さくなることにより、エレベータシャフトの
鳴音を抑制し、火災時には、空調機5の運転を停止し、
ダンパdを閉鎖しダンパa、eを開放し、加圧ファン
A、排煙ファンB及び加圧兼外気取入ファンDを運転さ
せ、エレベータシャフト2内を加圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高層ビルのエレベ
ータシャフトにおける鳴音防止対策と火災時の防煙対策
の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】高層ビルのエレベータシャフトにおいて
は、冬季、外気と室内の空気の比重差およびビルの高さ
に起因する煙突効果が室内環境に多大な影響を及ぼして
いる。特にビルの最下階または1階で外部に通じている
箇所で影響が著しい。すなわち、低層階はビル内の圧力
が負圧となるため、外気の侵入量が多く暖房が効かない
という問題や、侵入した外気はエレベータシャフトに強
力な勢いで吸い込まれるため、不快な気流を感じると共
に、不快な鳴音を発生し、さらには、エレベータの扉の
開閉に支障をきたすという問題を有している。
【0003】従来、この問題を解決するために、風除室
の設置や回転扉の設置などで外部との遮断を行い、風の
侵入防止対策がとられてきたが、閉鎖的になり、人の出
入りが制限され好ましくない場合が多い。そこで、特開
平4−213579号公報では、エレベータシャフト内
を加圧することにより、煙突効果を減少させ鳴音を防止
する提案を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法は、冬季における鳴音防止のためだけにエレベ
ータシャフト内を加圧するファンを特別に設ける必要が
あり、イニシャルコストが増大するという問題がある。
一方、近年、火災時においてエレベータシャフト内を加
圧することにより、エレベータシャフトから他階への煙
流動を防止する方法が採用されるようになってきたが、
この場合にも非常時のみのためにエレベータシャフト内
を加圧するファンを特別に設ける必要があり、イニシャ
ルコストが増大し、また、非常用設備としての保守点検
が必要になるという問題を有している。
【0005】本発明は、上記課題を解決するものであっ
て、ファンを有効的に利用することにより、鳴音防止対
策と火災時の防煙対策を低コストで行うことができる高
層ビルにおける排煙及びエレベータシャフト内の加圧制
御方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明の高層
ビルにおける排煙及びエレベータシャフト内の加圧制御
方法は、高層ビルの各階床を貫通して設けられたエレベ
ータシャフト及び排煙ダクトと、該排煙ダクトの最上部
に設けられた排煙ファンと、各階毎或いは数階毎に室内
を空調する複数の空調機と、前記エレベータシャフトの
最下部に接続された加圧ファン及び第1のダンパと、前
記空調機に第2のダンパを介して接続されると共にエレ
ベータシャフトに第3のダンパを介して接続された加圧
兼外気取入ファンと、ビルの外部及びエレベータシャフ
ト内に設けられた温度センサと、ビル内の所要の箇所に
設けられた火災感知器とを備え、ビル外部の気温がエレ
ベータシャフトの気温より低下し規定値を越えたときに
前記第1のダンパを開放し、ビル外部の気温がエレベー
タシャフトの気温より更に低下し規定値を越えたときに
は前記加圧ファンを運転し、火災時には、空調機の運転
を停止し、第2のダンパを閉鎖し第1及び第3のダンパ
を開放し、加圧ファン、排煙ファン及び加圧兼外気取入
ファンを運転させることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しつつ説明する。図1は、本発明の高層ビルにおけ
る排煙及びエレベータシャフト内の加圧制御方法の例を
示す構成図である。高層ビル1には各階床を貫通してエ
レベータシャフト2及び排煙ダクト3が設けられてい
る。また、各階毎或いは数階毎に室内を空調する複数の
空調機5(図では一台の空調機を示し他の空調機を省略
している)が設置されている。なお、4はエレベータホ
ールを示している。
【0008】エレベータシャフト2の最下部には、加圧
ファンA及びダンパaが接続され外気を取り入れ可能に
している。排煙ダクト3の最上部には排煙ファンBが接
続されている。空調機5には、加圧兼外気取入ファンD
がダンパdを介して接続され、また、加圧兼外気取入フ
ァンDはダンパeを介してエレベータシャフト2に接続
されている。空調機5で空調された空気は室内に給気
(SA)され、還気(RA)は空調機に戻るように接続
され、室内の排気(EA)は排気ファンCを経て排出さ
れる。また、排煙(SE)はダンパbを経て排煙ダクト
3に接続されている。
【0009】ダンパa、d、eは、電動モータ、ソレノ
イド等のアクチュエータにより開閉制御される。ダンパ
bは手動にて開閉される。ビル1の外部、エレベータホ
ール4の下部(外部に通じている階)及びエレベータシ
ャフト2の底部、中間部、上部には、それぞれ温度セン
サT1、T2、T3、T4、T5が設けられ、また、ビ
ル1内の所要の箇所には火災感知器Fが設けられ、制御
装置6に接続されている。制御装置6においては、後述
する制御により各ファンA〜D及びダンパa、d、eに
制御信号を出力する。
【0010】上記構成からなる本発明の制御を図2によ
り説明する。通常時(非火災時、非鳴音防止時)は、ダ
ンパdが開放され、ダンパa、b、eが閉鎖され、ま
た、空調機5、排気ファンC及び加圧兼外気取入ファン
Dが運転され、加圧ファンA及び排煙ファンBは運転停
止状態にされている(ステップS1)。空調機5はSA
を経て室内に給気し、室内よりRAを経て空調機5に還
気され、給気の一部として新鮮外気がOAから加圧兼外
気取入ファンD、ダンパdを経て空調機5に供給され
る。還気の一部は排気ファンCによりEAを経て室外に
排気される。
【0011】冬季、鳴音防止時の加圧制御は、上記した
通常時の空調制御に加えて、ビル外部の気温T1がエレ
ベータシャフト2の中間部の気温T4より低下し規定値
αを越えたときにダンパaを開放する(ステップS3、
S4)。これによりエレベータシャフト2内に外気が流
入し、エレベータシャフト2内の気温が低下し、かつエ
レベータシャフト2内の圧力が大きくなる。その結果、
エレベータシャフト2内とビル外部との気温差が小さく
なることと、かつエレベータシャフト内外の圧力差が小
さくなることにより、煙突効果を低減させ、エレベータ
シャフトの鳴音を抑制することができる。
【0012】ビル外部の気温T1がエレベータシャフト
2の中間部の気温T4より更に低下し規定値β(β>
α)を越えたときにはダンパaを開放したまま加圧ファ
ンAを運転させる(ステップS5、S6)。これにより
エレベータシャフト2内に更に外気が流入し、加圧ファ
ンAによるエレベータシャフト2内の気温が更に低下す
ると同時に、エレベータシャフト2内の圧力が大きくな
り、エレベータシャフトの鳴音を抑制することができ
る。
【0013】なお、本例では、ビル外部の気温T1とエ
レベータシャフト2の中間部の気温T4とを比較してい
るが、ビル外部の気温T1とエレベータホールの気温T
2やエレベータシャフト2の底部の気温T3、エレベー
タシャフト2の上部の気温T5、もしくはそれらの複合
値(例えばT3〜T5の平均値など)とを比較してもよ
い。
【0014】火災時の排煙加圧制御は、ステップS2で
火災感知器Fからの火災発生信号により、ステップS7
に進み、ダンパdを閉鎖し、ダンパa、b、eを開放
し、また、加圧ファンA、排煙ファンB及び加圧兼外気
取入ファンDを運転し、空調機5及び排気ファンCは運
転停止状態にされる。加圧ファンA及び加圧兼外気取入
ファンDの運転により、エレベータシャフト2内を加圧
することにより、エレベータシャフト2を経由しての他
階への煙流動を防止することができる。同時に、排煙フ
ァンBの運転により、火災階の煙をダンパbを経て外部
に排出することができる。
【0015】図3は、本発明の高層ビルにおけるエレベ
ータシャフト内の加圧制御装置の他の例を示す構成図で
ある。なお、図1の例と同一の構成については同一番号
を付けて説明を省略する。本例においては、図1の構成
に加えてエレベータシャフト2の最上部にダンパfを介
して排気ファンEを付加したもので、夜間などのビル非
稼働時にダンパa、fを開放させ、また、必要に応じて
加圧ファンA及び排気ファンEを運転し、エレベータシ
ャフト2内に外気を流通させエレベータシャフト2内の
気温を下げることにより、ビル稼働時における加圧ファ
ンAの運転を減少させるものである。
【0016】上記構成からなる本発明の制御を図4によ
り説明する。通常時(非火災時、非鳴音防止時)は、ダ
ンパdが開放され、ダンパa、b、e、fが閉鎖され、
また、空調機5、排気ファンC及び加圧兼外気取入ファ
ンDが運転され、加圧ファンA、排煙ファンB及び排気
ファンEは運転停止状態にされている(ステップS1
1)。空調機5はSAを経て室内に給気し、室内よりR
Aを経て空調機5に還気され、給気の一部として新鮮外
気がOAから加圧兼外気取入ファンD、ダンパdを経て
空調機5に供給される。還気の一部は排気ファンCによ
りEAを経て室外に排気される。
【0017】冬季、鳴音防止時の加圧制御は、上記した
通常時の空調制御に加えて以下の制御を行う。先ず、夜
間などのビル非稼働時には、ダンパa、fを開放させ、
また、必要に応じて加圧ファンA及び排気ファンEを運
転し(ステップ20)、エレベータシャフト2内に外気
を流通させエレベータシャフト2内の気温を下げる。
【0018】ビル稼働時になると、ビル外部の気温T1
がエレベータシャフト2の中間部の気温T4より低下し
規定値αを越えたときにダンパaを開放し、ダンパfを
閉鎖し排気ファンEを停止する(ステップS14、S1
5)。これによりエレベータシャフト2内に外気が流入
し、エレベータシャフト2内の気温が低下し、かつエレ
ベータシャフト2内の圧力が大きくなる。その結果、エ
レベータシャフト2内とビル外部との気温差が小さくな
ることと、かつエレベータシャフト内外の圧力差が小さ
くなることにより、煙突効果を低減させ、エレベータシ
ャフトの鳴音を抑制することができる。
【0019】ビル外部の気温T1がエレベータシャフト
2の中間部の気温T4より更に低下し規定値β(β>
α)を越えたときにはダンパaを開放したまま加圧ファ
ンAを運転させる(ステップS16、S17)。これに
よりエレベータシャフト2内に更に外気が流入し、加圧
ファンAによるエレベータシャフト2内の気温が更に低
下すると同時に、エレベータシャフト2内の圧力が大き
くなり、エレベータシャフトの鳴音を抑制することがで
きる。
【0020】火災時の排煙加圧制御は、ステップS12
で火災感知器Fからの火災発生信号により、ステップS
18に進み、ダンパd、fを閉鎖し、ダンパa、b、e
を開放し、また、加圧ファンA、排煙ファンB、加圧兼
外気取入ファンD、排気ファンEが運転され、空調機5
及び排気ファンCは運転停止状態にされる。加圧ファン
A及び加圧兼外気取入ファンDの運転により、エレベー
タシャフト2内を加圧することにより、エレベータシャ
フト2から他階への煙流動を防止することができると共
に排煙ファンEによりエレベータシャフト2内の煙を外
部に排出することができる。同時に、排煙ファンBの運
転により、火災階の煙をダンパbを経て外部に排出する
ことができる。
【0021】以上の説明から明らかなように本発明によ
れば、鳴音防止用には容量の小さいファンを用い、火災
時の防煙対策用には、鳴音防止用のファンに加えて空調
機用の外気取入ファンを利用することにより、既設のフ
ァンを有効的に利用し、鳴音防止対策と火災時の防煙対
策を低コストで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高層ビルにおける排煙及びエレベータ
シャフト内の加圧制御方法の例を示す構成図である。
【図2】図1の制御方法を説明するためのフロー図であ
る。
【図3】本発明の高層ビルにおける排煙及びエレベータ
シャフト内の加圧制御方法の他の例を示す構成図であ
る。
【図4】図3の制御方法を説明するためのフロー図であ
る。
【符号の説明】
1…高層ビル、2…エレベータシャフト、3…排煙ダク
ト 4…エレベータホール、5…空調機、6…制御装置 A…加圧ファン、B…排煙ファン、D…加圧兼外気取入
ファン E…排気ファン、a…第1のダンパ、d…第2のダン
パ、e…第3のダンパ f…第4のダンパ、F…火災感知器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新 武康 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高層ビルの各階床を貫通して設けられたエ
    レベータシャフト及び排煙ダクトと、該排煙ダクトの最
    上部に設けられた排煙ファンと、各階毎或いは数階毎に
    室内を空調する複数の空調機と、前記エレベータシャフ
    トの最下部に接続された加圧ファン及び第1のダンパ
    と、前記空調機に第2のダンパを介して接続されると共
    にエレベータシャフトに第3のダンパを介して接続され
    た加圧兼外気取入ファンと、ビルの外部及びエレベータ
    シャフト内に設けられた温度センサと、ビル内の所要の
    箇所に設けられた火災感知器とを備え、 ビル外部の気温がエレベータシャフトの気温より低下し
    規定値を越えたときに前記第1のダンパを開放し、ビル
    外部の気温がエレベータシャフトの気温より更に低下し
    規定値を越えたときには前記加圧ファンを運転し、火災
    時には、空調機の運転を停止し、第2のダンパを閉鎖し
    第1及び第3のダンパを開放し、加圧ファン、排煙ファ
    ン及び加圧兼外気取入ファンを運転させることを特徴と
    する高層ビルにおける排煙及びエレベータシャフト内の
    加圧制御方法。
  2. 【請求項2】前記エレベータシャフトの最上部に第4の
    ダンパを介して排気ファンを接続し、ビル非稼働時など
    に、前記第1及び第4のダンパを開放するか、これに加
    えて前記加圧ファン及び排気ファンを運転することを特
    徴とする請求項1記載の高層ビルにおける排煙及びエレ
    ベータシャフト内の加圧制御方法。
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