JPH09151141A - 4,4’−ジビニルビフェニル組成物 - Google Patents

4,4’−ジビニルビフェニル組成物

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JPH09151141A
JPH09151141A JP31296295A JP31296295A JPH09151141A JP H09151141 A JPH09151141 A JP H09151141A JP 31296295 A JP31296295 A JP 31296295A JP 31296295 A JP31296295 A JP 31296295A JP H09151141 A JPH09151141 A JP H09151141A
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JP
Japan
Prior art keywords
divinylbiphenyl
composition
diethylbiphenyl
weight
dehydrogenation reaction
Prior art date
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Pending
Application number
JP31296295A
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English (en)
Inventor
Toyoki Tominaga
豊喜 富永
Masahiro Mikajiri
正拡 三ケ尻
Shiyouta Shirasaka
省太 白坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 4,4’−ジエチルビフェニルの脱水素
反応生成物から得られる4,4’−ジビニルビフェニル
組成物であって、4,4’−ジビニルビフェニル含有量
が60〜98重量%、4−エチル−4’−ビニルビフェ
ニル含有量が1〜30重量%、4,4’−ジエチルビフ
ェニル含有量が1〜20重量%であり、t−ブチルカテ
コール濃度が500ppm〜5000ppmである4,
4’−ジビニルビフェニル組成物。 【効果】 4,4’−ジビニルビフェニル組成物は安定
性が優れ重合性が抑制されるので長期間の保存、輸送に
耐え、樹脂基材や樹脂改質剤として使用したとき樹脂に
着色とかハシリを生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯蔵安定性が優
れ、かつ使用性の優れた4,4’−ジビニルビフェニル
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】4,4’−ジビニルビフェニルは、2重
結合を2つ有しているため各種の架橋剤として有用であ
り、かつ、基本骨格中にビフェニル構造を有するため各
種樹脂の改質剤として有効である。そして、より機能的
に使用するために高純度品が望まれている。
【0003】4,4’−ジビニルビフェニルの製造方法
として、例えば、4−ビニルビフェニルマグネシウムハ
ライドと4−ビニルビフェニルハライドを遷移金属触媒
及び有機溶剤の存在下でカップリング反応させる方法
(特開平2−188536号公報)が知られている。こ
の方法は反応生成物中の金属錯体を大量の水で分解する
工程を有し、さらに、反応原料が高純度である必要があ
るため、少量の生産には向いているが、工業的な生産技
術とはいえない。
【0004】また、4,4’−ジビニルビフェニルの製
造方法として、4,4’−ジエチルビフェニルの脱水素
反応による方法が考えられるが、4,4’−ジエチルビ
フェニルの脱水素反応により製造された4,4’−ジビ
ニルビフェニル組成物はきわめて重合性が高いため、通
常の重合禁止剤を添加したものでも保存安定性が悪く、
樹脂改質剤等として使用するまでに製品中の4,4’−
ジビニルビフェニルが変質して製品が着色したり、製品
に重合物が混入するなど、取り扱いにくいという問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、使用
性が優れ、しかも重合性が抑制された4,4’−ジビニ
ルビフェニル組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
4,4’−ジエチルビフェニルの脱水素反応生成物から
得られる4,4’−ジビニルビフェニル組成物であっ
て、4,4’−ジビニルビフェニル含有量が60〜98
重量%、4−エチル−4’−ビニルビフェニル含有量が
1〜30重量%、4,4’−ジエチルビフェニル含有量
が1〜20重量%であり、t−ブチルカテコール濃度が
500〜10000ppmである4,4’−ジビニルビ
フェニル組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】4,4’−ジビニルビフェニルの
含有量が60〜98重量%の4,4’−ジビニルビフェ
ニル組成物は、4,4’−ジエチルビフェニルの脱水素
反応生成物から得ることができる。
【0008】原料の4,4’−ジエチルビフェニルは、
エチレンによるビフェニルのアルキル化反応物又はビフ
ェニルとポリエチルベンゼン等とのトランスアルキル反
応物を、蒸留、晶析、吸着等任意の分離操作によって、
4,4’−ジエチルビフェニルを分離又は濃縮すること
によって製造できる。4,4’−ジエチルビフェニルの
濃度は90重量%以上とすることがよい。
【0009】4,4’−ジエチルビフェニルの脱水素反
応は、例えば、反応温度500〜680℃、スチーム/
4,4’−ジエチルビフェニル重量比1〜20、LHS
V0.05〜0.5、反応圧力0.2〜1.0kg/c
2 ・Gのような条件で、例えば、鉄−カリウム−クロ
ム−酸素系触媒、マグネシウム−鉄−銅−カリウム−酸
素系触媒、鉄−クロム−バナジウム−コバルト−カリウ
ム−酸素系触媒などの触媒の存在下に行うことができ
る。
【0010】本発明の4,4’−ジビニルビフェニル組
成物を製造するには、この脱水素反応の転化率を75〜
95%に制御することが肝要である。脱水素反応の転化
率が75%に満たない場合には、未反応の4,4’−ジ
エチルビフェニルが多くなり、経済的ではない。また、
より過酷な反応条件を適用することによって脱水素反応
の転化率を高めることはできるが、これが95%を超え
ると、脱水素反応の分解物が多量に副生し、精製工程で
4,4’−ジビニルビフェニルのロスが増加する。
【0011】この脱水素反応で得られた反応生成物を冷
却し、結晶を析出させる晶析操作を行う際の条件を選択
するだけで、樹脂基材や樹脂改質剤として使用できる純
度の4,4’−ジビニルビフェニルを得ることができ
る。この晶析操作において、製品を汚染しない溶剤で洗
浄したり、再結晶操作を行うことによって、4,4’−
ジビニルビフェニルの濃度をさらに高め、不純物を減ら
すことができる。また、晶析を行う際、アルコ−ル、ケ
トン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等の晶析溶媒を
添加してもよい。この場合、晶析溶媒にt−ブチルカテ
コ−ルを溶解させておいてもよい。
【0012】本発明の4,4’−ジビニルビフェニル組
成物は、純品の4,4’−ジビニルビフェニルほどの強
い重合性はないものの重合性であるので、t−ブチルカ
テコールを配合する。t−ブチルカテコールの配合濃度
は、500〜10000ppm(重量)、好ましくは3
000〜5000ppmの範囲である。t−ブチルカテ
コールは重合防止効果のみならず、酸化防止効果もあ
り、保存性が著しく向上する。なお、均一に混合するた
めには、一旦溶解させ、この溶液にt−ブチルカテコー
ルを溶解させ、これを晶析して、固体の組成物として取
り出すことがよい。
【0013】4,4’−ジビニルビフェニルは室温で結
晶性の化合物である。4,4’−ジビニルビフェニルを
室温で保存した場合には、t−ブチルカテコールの配合
濃度が、通常スチレンに配合している濃度範囲では効果
がない。室温で保存した場合には、10日から2週間程
度で結晶の表面に黄色の着色物が発生し、各種有機溶剤
に対して不溶な析出物を生じる。更に、重合速度が他の
ジビニルビフェニル類と比較して速く、製品中の4,
4’−ジビニルビフェニルが重合してポリマーを発生す
る。したがって、500ppm以上となるように添加す
る。しかし、10000ppm以上を添加しても、重合
防止効果は殆ど増大しない。
【0014】本発明の組成物は、4,4’−ジビニルビ
フェニル含有量が60〜98重量%、好ましくは80〜
96重量%、4−エチル−4’−ビニルビフェニル含有
量が1〜30重量%、好ましくは3〜10重量%、4,
4’−ジエチルビフェニル含有量が1〜20重量%、好
ましくは2〜5重量%である。4,4’−ジビニルビフ
ェニル含有量が60重量%未満であると、使用性が悪
く、98重量%を超えると保存安定性が劣る。4−エチ
ル−4’−ビニルビフェニル含有量が上記範囲内であれ
ば、使用性を殆ど落とすことなく、保存安定性を高め
る。また、4,4’−ジエチルビフェニル含有量が上記
範囲外であると、使用性や保存安定性が低下したりす
る。本発明の組成物は、常温でも保存可能であるが、低
温とすればより長期の保存が可能となる。また、空気雰
囲気下での保存安定性が優れる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実
施例で、%は重量%を示す。
【0016】実施例1 4,4’−ジエチルビフェニル99%を含有する原料
を、脱水素反応に付し、得られた反応生成油に晶析溶剤
とt−ブチルカテコ−ルを添加し、−20℃に冷却し、
結晶を析出させることにより、下記組成を有する4,
4’−ジビニルビフェニル組成物を得た。得られた組成
物は、4,4’−ジビニルビフェニルが91%、4−エ
チル−4’−ビニルビフェニルが7%、4,4’−ジエ
チルビフェニルが2%、t−ブチルカテコールが500
0ppmであった。この組成物を20℃に保持された室
内に4カ月放置し、放置前と放置後に、組成物中のポリ
マー量をそれぞれ測定した結果、ポリマー量に変化はな
かった。
【0017】この4,4’−ジビニルビフェニル組成物
に溶剤を加えて吸着処理してt−ブチルカテコールを除
去したものを、スチレンモノマーに対し1000ppm
を添加して、塊状重合した。重合物は脱気装置付押出機
でシ−ト状に成形した。得られた成形品について着色、
ハシリ、臭い、屈折率等を判定したが、問題はなく、ま
た揮発分は4,4’−ジビニルビフェニル組成物を使用
しないものと比べて有意差は認められなかった。
【0018】比較例 実施例1の組成物にt−ブチルカテコールを配合しない
他は、実施例1と全く同様な試験を行ったところ、10
日から2週間程度で結晶の表面に黄色の着色物が発生
し、各種有機溶剤に対して不溶な析出物を生じ、t−ブ
チルカテコールを配合しないものは保存性がないことを
確認した。
【0019】実施例2 4,4’−ジビニルビフェニル(DVBp)の濃度、配
合したt−ブチルカテコール(TBC)の量及び保存条
件を変えて、ポリマ−量の変化を測定した。条件及び結
果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】注 : 保存日数は、ガスクロ組成で変化
が認められず、白色結晶に着色がない状態から、ガスク
ロ組成で変化が1〜2%程度認められ、結晶の一部に黄
変が認められる状態に変化するまでの日数。
【0022】
【発明の効果】本発明の4,4’−ジビニルビフェニル
組成物は、安定性が優れるので長期間の保存、輸送に耐
えることができる。また、本発明の4,4’−ジビニル
ビフェニル組成物を樹脂基材や樹脂改質剤として使用す
ると、樹脂改質効果が大きいだけでなく、樹脂に着色と
かハシリを生じることもない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4,4’−ジエチルビフェニルの脱水素
    反応生成物から得られる4,4’−ジビニルビフェニル
    組成物であって、4,4’−ジビニルビフェニル含有量
    が60〜98重量%、4−エチル−4’−ビニルビフェ
    ニル含有量が1〜30重量%、4,4’−ジエチルビフ
    ェニル含有量が1〜20重量%であり、t−ブチルカテ
    コール濃度が500〜10000ppmであることを特
    徴とする4,4’−ジビニルビフェニル組成物。
JP31296295A 1995-11-30 1995-11-30 4,4’−ジビニルビフェニル組成物 Pending JPH09151141A (ja)

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