JPH09149066A - スイッチングハブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の或いは複数のポートに受信が集中した
場合でも、受信バッファのオーバフローを回避できるス
イッチングハブを提供する。 【解決手段】 ポート毎の受信バッファ２０２〜２０５
のうちフレーム蓄積量の多いバッファの送信を優先的に
行うと共にフレーム蓄積量に対して複数のしきい値ａ，
ｂ，ｃを段階的に設定しておき、この段階に応じて転送
するフレームの量を決定することにより、受信バッファ
がオーバフローしそうなポート２０３からは多量のフレ
ームを一度に転送し、受信バッファの空きに多少余裕の
あるポート２０２，２０４からはそれなりの量のフレー
ムを転送し、十分余裕のあるポート２０５からは少量の
フレームを転送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数のポート間で
同時に通信を可能とするスイッチングハブに係り、特
に、特定の或いは複数のポートに受信が集中した場合で
も、受信バッファのオーバフローを回避できるスイッチ
ングハブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】スイッチングハブは、複数の端末やＬＡ
Ｎを接続してネットワークを構成するためのＬＡＮ接続
装置である。近年、このスイッチングハブが注目を集め
ており、そのためのスイッチング技術について各種の方
法が提案されている。

【０００３】図４にスイッチングハブの一例を示す。ス
イッチングハブ４０１は、複数の入出力ポートと、これ
ら入力ポートと出力ポートとを相互接続するスイッチ部
とを持ち、遅延時間が短くポートが重複しないかぎり複
数のポート間で同時通信が可能な装置である。例えば、
図３の場合は、ポート１（３０２）とポート５（３０
６）、ポート２（３０３）とポート４（３０５）、ポー
ト３（３０４）とポート６（３０７）がそれぞれ相互接
続されているので、これらは同時に通信可能である。

【０００４】図５に従来のスイッチングハブの動作を理
解するための簡単な説明図を示す。スイッチングハブは
以下の構成となる。ポート間の回線の接続を切り替える
スイッチング部５０２には、フレームの宛先を判定する
と共にフレームの転送制御を行うスイッチング制御部５
０１が接続され、また、各ポート毎の通信制御ＬＳＩ５
０３，５０５，５０７，５０９及び受信バッファ５０
４，５０６，５０８，５１０が接続されている。フレー
ムを受信すると、その受信フレームは、スイッチング部
５０２によって回線が接続されるまでの間、受信バッフ
ァに一時的に格納される。また、フレームを受信した通
信制御ＬＳＩからスイッチング制御部５０１に対し転送
要求（Ｒｅｑ）が出される。スイッチング制御部５０１
では、各通信制御ＬＳＩからの転送要求を受けると、宛
先ポートを判定し、スイッチング部５０２を切り替え
て、フレームの転送を行う。

【０００５】受信バッファに格納されたフレームに対
し、宛先判定部（スイッチング制御部５０１）において
転送先ポートの宛先が読み込まれ、スイッチ制御回路
（スイッチング制御部５０１）においてどのような経路
でスイッチングするかが決定され、スイッチ切り換えの
処理が行われる。この際、特定ポートに受信が集中する
と、受信バッファがオーバフローをおこしてしまう場合
がある。この受信バッファのオーバフローを防ぐ方法と
して、スイッチングハブの各ポートに受信バッファ内の
フレーム蓄積量を常に監視するためのバッファ蓄積量監
視部５１１を設け、フレーム蓄積量の多い( つまり、通
信頻度の高い) バッファのポートの送信を優先的に行う
ための優先制御を行う手段を設けている。図６に詳細な
説明図を示す。各ポートの受信バッファのフレーム蓄積
量を常に監視できるようにフレーム蓄積量監視部６０５
を設けている。このフレーム蓄積量監視部６０５は、も
っとも蓄積量の多い受信バッファのフレームを優先的に
転送するため、スイッチング制御部５０１に対し優先度
情報を渡す。この情報によって、スイッチング制御部５
０１は、図７に示すように優先順位に従って転送を行
う。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ここで、スイッチング
制御部５０１が複数の通信制御ＬＳＩからの転送要求に
対し同時に１つの要求に対する処理しか行うことができ
ない場合を考える。通常、各ポート同一の優先度とする
ため、図６に示すように、ポート１〜４の各ポートに未
処理の受信フレームがある場合、図７に示すように、ポ
ート１−ポート２−ポート３−ポート４−ポート１の順
に処理を行う。また、図６に示すように、ポート１に未
処理の受信フレームがたくさんある場合、ポート１の処
理を優先的に行い、ポート１からは連続的に複数（３
つ）のフレームを転送する。その後、ポート２〜４の処
理を行い、これらのポートからは１つずつフレームを転
送する。しかし、この方法では、他のポートにも次々と
フレームが集中した場合、フレームの連続送出量は一定
（３つ）のため、受信バッファが一杯に近い場合、特定
のポートの処理に優先度を設けたとしても、いずれかの
ポートの受信バッファがオーバフローを起こしてしまう
恐れがある。

【０００７】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、特定の或いは複数のポートに受信が集中した場合で
も、受信バッファのオーバフローを回避できるスイッチ
ングハブを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、複数のポートを有し、各ポート毎に、フレ
ームを受信して転送要求を出す通信制御ＬＳＩと受信フ
レームを蓄積する受信バッファとを備え、各ポートから
の転送要求に応じて宛先ポートへの接続処理を行い、上
記受信バッファに蓄積されたフレームを宛先ポートへ転
送するスイッチング制御部を有し、上記受信バッファ毎
のフレーム蓄積量を監視するバッファ蓄積量監視部を有
し、フレーム蓄積量の多いポートからの転送要求を優先
して処理するようにしたスイッチングハブにおいて、上
記フレーム蓄積量に対して複数のしきい値を段階的に設
定し、この段階に応じて上記受信バッファから転送する
フレームの量を決定するものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明は、スイッチングハブのポ
ート毎に受信バッファ内のフレーム蓄積量を常に監視す
るバッファ蓄積量監視部を設け、フレーム蓄積量の多い
バッファ（つまり、通信頻度の高いポート）の送信を優
先的に行うための優先制御回路を設けたものにおいて、
バッファ内のフレームの蓄積量をより細かく把握できる
ようフレームの蓄積量に対して複数のしきい値を段階的
に設定しておき、この段階に応じて転送するフレームの
量を決定することにより、フレーム蓄積量に応じてフレ
ームの送出量を可変とするものである。

【００１０】上記構成において、各受信バッファに一時
保存したフレームを転送先ポートの送信バッファに転送
する際、受信バッファ内のフレーム蓄積量に対し、複数
のしきい値を設定してそれによるバッファ蓄積量監視を
行い、フレーム蓄積量が最も多いバッファを有するポー
ト間の通信を最優先させ、かつフレーム蓄積量に応じて
フレーム転送量を決定することにより、受信バッファが
オーバフローしそうなポートからは多量のフレームを一
度に転送し、受信バッファの空きに多少余裕のあるポー
トからはそれなりの量のフレームを転送し、十分余裕の
あるポートからは少量のフレームを転送する。これによ
り、複数のポートに受信フレームが集中しても特定の受
信バッファがオーバフローしてしまう確率を大幅に下げ
ることができる。

【００１１】以下本発明の一実施形態を添付図面に基づ
いて詳述する。

【００１２】図１に本発明に係るスイッチングハブの構
成図を示す。イーサネット等のＬＡＮに用いる接続装置
である本発明のスイッチングハブは、各イーサネットポ
ート（ＬＡＮポート）を構成する通信制御ＬＳＩ１０
４，１０６，１０８，１１０及びそれに接続される受信
バッファ１０５，１０７，１０９，１１１と、これらの
ポート間の回線を接続するスイッチング部１０３と、各
ＬＡＮポートの受信バッファ内のフレーム蓄積量を測定
し、その結果により各ポートの優先順位を決定するバッ
ファ蓄積量監視部（しきい値監視付き）１０１と、フレ
ームの宛先を判定し転送制御を行い、スイッチング部１
０３の回線接続経路を切り替えるスイッチング制御部１
０２とから構成されている。バッファ蓄積量監視部１０
１は常時、受信バッファのフレーム蓄積量を監視し、そ
の結果の情報をスイッチング制御部１０２に知らせるよ
うになっている。

【００１３】バッファ蓄積量監視部１０１及びスイッチ
ング制御部１０２における監視及び制御の内容は、どの
ポートにフレーム蓄積量が多いかを知り、転送要求を優
先して処理するポートを決定することであり、また、フ
レーム蓄積量に対し複数のしきい値が段階的に設定して
あり、かつ、各段階に対応してフレームの連続転送量が
設定してあり、処理するポートの受信バッファのフレー
ム蓄積量がどの段階にあるかを知り、フレームの連続転
送量を決定することである。

【００１４】次に動作を説明する。

【００１５】図２は、受信バッファ内にフレームが蓄積
する様子を示したものである。図３は、そのときのフレ
ームの転送の様子を示したものである。図２に示される
ように、ポート１〜ポート４の各受信バッファ２０２，
２０３，２０４，２０５には、転送が開始されるまでの
間待機する受信フレームが格納されている。符号２０６
で示した図形は各ポートのフレーム蓄積量を高さで表し
ている。フレーム蓄積量監視部２０１は、それぞれの受
信バッファにおけるフレーム蓄積量を常に監視して把握
するものである。

【００１６】このとき、ある特定のポートの受信バッフ
ァ内のフレーム蓄積量がある一定量以上となった場合、
受信バッファのオーバフローを避けるため、フレーム蓄
積量監視部２０１はスイッチング制御部１０２に対し優
先度情報を渡す。この情報により、スイッチング制御部
１０２は、ポートの優先順位を決定しフレームの転送順
序を決定する。受信バッファには、複数のしきい値が設
定されており、フレーム蓄積量がどのしきい値間にある
かにより一纏めに転送するフレーム数を決定することが
できる。

【００１７】具体的には、図２に示すように、しきい値
ａ，ｂ，ｃ（ａ≦ｂ≦ｃ）を設定すると共に、これらの
しきい値で区分される各段階に転送フレーム数１０，
５，３を設定しておく。フレーム数ｍのバイト数をｎバ
イトとし、このｎでフレーム蓄積量を表すものとする。
そして、あるポートのフレーム蓄積量ｎがしきい値ｃ以
上（ｎ≧ｃ）となった場合、連続１０フレーム、しきい
値ｂ≦ｎ≦しきい値ｃの場合、連続５フレーム、しきい
値ａ≦ｎ≦しきい値ｂの場合、連続２フレームの転送を
行うことを決定するようになっている。また、全てのポ
ートのバッファがしきい値ａ以下である場合、各ポート
のフレームを１フレームずつ順番に送信することを決定
するようになっている。

【００１８】このような優先順位決定及び連続転送フレ
ーム数決定に従うと、図３（ａ）に示されるように、フ
レーム蓄積量の多いポート２が優先され、フレーム蓄積
量ｎがしきい値ｃ以上であるためポート２から連続１０
フレームが転送され、次いで、フレーム蓄積量の多いポ
ート１が選択され、フレーム蓄積量ｎがしきい値ｃとし
きい値ｂとの間であるためポート１から連続５フレーム
が転送され、その後、ポート４から連続３フレームが転
送され、ポート３から１フレームが転送されることにな
る。また、図３（ｂ）に示される場合では、全てのポー
トのフレーム蓄積量がしきい値ａ以下であるため、ポー
ト１−ポート２−ポート３−ポート４−ポート１の順に
１フレームずつ転送されることになる。

【００１９】なお、各しきい値及び転送フレームの量
は、ネットワークの構築コンセプトを考慮し、或いは、
端末またはハブなどの中継装置の数に多少に応じて、任
意に設定できるようにしてもよい。

【００２０】

【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。

【００２１】（１）受信バッファのフレーム蓄積量を常
に監視し、フレーム蓄積量の多いポートの転送を優先的
に行い、かつフレーム蓄積量に複数のしきい値を段階的
に設定し、この段階に応じ転送フレームの量を可変とし
たので、特定のポートの受信バッファがオーバフローす
る確率を大幅に下げることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すスイッチングハブの
構成図である。

【図２】本発明による受信バッファの概念図である。

【図３】本発明によるフレーム転送の順序図である。

【図４】スイッチングハブの概念図である。

【図５】従来のスイッチングハブの構成図である。

【図６】従来の受信バッファの概念図である。

【図７】従来のフレーム転送の順序図である。

【符号の説明】

１０１ バッファ蓄積量監視部 １０２ スイッチング制御部 １０３ スイッチング部 １０４，１０６，１０８，１１０ 通信制御ＬＳＩ １０５，１０７，１０９，１１１ 受信バッファ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のポートを有し、各ポート毎に、フ
   レームを受信して転送要求を出す通信制御ＬＳＩと受信
   フレームを蓄積する受信バッファとを備え、各ポートか
   らの転送要求に応じて宛先ポートへの接続処理を行い、
   上記受信バッファに蓄積されたフレームを宛先ポートへ
   転送するスイッチング制御部を有し、上記受信バッファ
   毎のフレーム蓄積量を監視するバッファ蓄積量監視部を
   有し、フレーム蓄積量の多いポートからの転送要求を優
   先して処理するようにしたスイッチングハブにおいて、
   上記フレーム蓄積量に対して複数のしきい値を段階的に
   設定し、この段階に応じて上記受信バッファから転送す
   るフレームの量を決定することを特徴とするスイッチン
   グハブ。