JPH09147875A - 電解質型電池 - Google Patents

電解質型電池

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JPH09147875A
JPH09147875A JP7301766A JP30176695A JPH09147875A JP H09147875 A JPH09147875 A JP H09147875A JP 7301766 A JP7301766 A JP 7301766A JP 30176695 A JP30176695 A JP 30176695A JP H09147875 A JPH09147875 A JP H09147875A
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positive electrode
negative electrode
electrolyte
electrode plate
chamber
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JP7301766A
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Seiji Yoshida
誠二 吉田
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電池寿命が著しく向上した、電解質型電池を提
供する。 【解決手段】正極室2aと、負極室2bと、正極室2a
と負極室2bとを仕切るセパレータ3とを備える、電池
セル部6と、正極室2a内に収容され、電極板31に正
極活物質が保持された正極板4と、負極室2b内に収容
され、電極板31に負極活物質が保持された負極板5と
を備え、正極板4および負極板5の、少なくとも一方
の、電極板31に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミ
ックス粉末とを焼成して得られるセラミックス焼成体を
保持した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解質型電池に関
し、特に、電池寿命が著しく向上した、電解質型電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の一次電池、二次電池等
の電解質型電池が開発されている。図2は、そのような
電池の中、自動車等のバッテリーとして、幅広く使用さ
れている、従来の鉛蓄電池の構造を概略的に示す分解斜
視図であり、図3は、図2に示す鉛蓄電池の動作を説明
するための概略的な断面図であり、図3(a)に充電操
作の際の動作原理を、図3(b)に放電操作の際の動作
原理を示す。
【0003】この電解質型電池1は、正極室2aと、負
極室2bと、正極室2aと負極室2bとを仕切るセパレ
ータ3と、正極室2a内に収容される正極板4と、負極
室2b内に収容される負極板5とを備える電池セル部6
が、複数、直接、直列に接続されて構成されている。正
極室2aには、正極電解質として、硫酸(H2SO4)水
溶液が収容されており、正極板4が、正極電解質に浸漬
されるように設けられている。
【0004】また、負極室2bには、負極電解質とし
て、硫酸(H2SO4)水溶液が収容されており、負極板
5が、負極電解質に浸漬されるように設けられている。
正極板4は、鉛−アンチモン(Pb−Sb)や、鉛−カ
ルシウム(Pb−Ca)等の組成からなる鉛合金からな
る電極板(格子)に、正極活物質として、PbO2が保
持される構造となっており、他方、負極板5は、鉛−ア
ンチモン(Pb−Sb)や、鉛−カルシウム(Pb−C
a)等の組成からなる鉛合金からなる電極板(格子)
に、負極活物質として、Pbが保持された構造になって
いる。
【0005】この電解質型電池1の充放電反応は、下記
の式で示される。
【0006】
【化1】
【0007】図4は、一次電池として、幅広く使用され
ている乾電池(一次電池)の構造を概略的に示す一部切
欠き斜視図である。この乾電池11は、中央に、炭素棒
からなる正極14と、正極14の周囲に、正極14に密
着するように設けられ、二酸化マンガン(MnO)と電
導性の炭素粉末(アセチレンブラック、黒鉛粉末)およ
び塩化アンモニウム粉末とこれらを電解液(NH4Cl
とZnCl2が主成分)で練り固めて成形した正極14
の減極剤(いわゆる合剤(mix))15とから構成さ
れる正極部分16と、容器を兼ねた負極(亜鉛缶)17
と、正極部分16と負極(亜鉛缶)17との間に設けら
れ、塩化アンモニウム(NH4Cl)と塩化亜鉛(Zn
Cl2)を主成分とし、通常、コーンスターチと小麦粉
とによりゼリー化したペースト状の電解質18とを備え
ている。
【0008】19は、放電中に生じるガスの発生によ
り、ペースト状の電解質18や、減極剤15が膨張した
場合の余地部として設けられた空気室であり、空気室1
9の上部は、電池11内部の水分の逸散を防ぐために流
し込まれたピッチ等の封口剤20により封口されてお
り、また、正極14の上端は、金属封口板21により覆
われており、正極14の上端を覆う金属封口板21の金
属キャップ部21aが、正極端子とされ、負極(亜鉛
缶)17の底面には、亜鉛板22があてられ負極端子と
されている。
【0009】また、負極(亜鉛缶)17は、放電すると
消耗するため、負極(亜鉛缶)17に孔があいた場合の
漏液に備えて、負極(亜鉛缶)17の外側は、プラスチ
ック等の筒23により包まれており、更に、筒23の外
側は、(+)と(−)とを絶縁した状態で、上下両端が
内方に曲げこんだ金属外装筒24により覆われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】電解質型電池1のよう
な従来の二次電池では、上記充放電を繰り返し行うと、
次第に、電池の性能が劣化してくるという問題があっ
た。より具体的には、充放電操作を繰り返すにつれ、電
解液比重が、顕著に、不揃いになったり、補水頻度が増
加したり、定電流充電の終期電圧が低下したり、充電後
の電池容量が、定格値の50%以下になったり、電解液
のにごりが顕著となったりするという問題があった。
【0011】この種の従来の二次電池では、吸引比重計
などにより、充電後の比重が上昇しなければ、電池の寿
命が尽きたとして、廃棄している。また、近年、高品質
の一次電池が、種々、市場に供給されているが、このよ
うな一次電池でも、単三電池を例にとれば、連続使用す
れば、数時間程度で、起電力が低下するという問題があ
り、電池寿命のより長い一次電池の開発が求められてい
る。
【0012】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであって、一次電池、二次電池を問わ
ず、電池寿命が著しく長い、電解質型電池を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【発明が解決するための手段】本発明者は、一次電池、
二次電池の電池寿命を向上させる技術について、長年、
研究をしてきており、二次電池、より具体的には、鉛蓄
電池のような、電解液二次電池の電解液中に、希土類を
添加すると、充放電サイクル特性が向上することを知見
するに至った。
【0014】そこで、本発明者は、希土類を安価に入手
するため、希土類を多く含む天然の鉱石を、種々、調査
してきた。その結果、マレーシアで採掘される希土類を
多く含む天然の鉱石を微粉末にして、いわゆる廃バッテ
リー中に添加したところ、希土類化合物を単独で添加し
た場合に比べ、充電後において、廃バッテリーの起電力
が、著しく、回復するとともに、充放電サイクル特性
も、著しく、回復し、実用レベルで使用可能になること
を確認するに至たり、鋭意努力した結果、本願発明を完
成するに至った。
【0015】請求項1に記載の電解質型電池は、正極活
物質を含む正極電解質が収容される正極室と、負極活物
質を含む負極電解質が収容される負極室と、正極室と負
極室とを仕切るセパレータとを備える、電池セル部と、
正極室内に、正極電解質に浸漬するように収容され、電
極板に正極活物質が保持された正極板と、負極室内に、
負極電解質に浸漬するように収容され、電極板に負極活
物質が保持された負極板とを備え、正極板および負極板
の、少なくとも一方の、電極板に、希土類元素を含む天
然鉱石とセラミックス材料とを保持させたことを特徴と
する。
【0016】本明細書で用いる用語「電解質型電池」
は、非水電解質型電池、電解液型電池の双方を含み、ま
た、一次電池であっても、二次電池であってもよい。こ
こで、「希土類元素を含む天然鉱石」は、より特定的に
は、マレーシアで産出される淡い黄土色乃至薄茶色の天
然の鉱石であり、アルミナ(Al23)を多く含み、次
ぎに、全希土類酸化物を10.00〜12.00重量%
を含み、以下、五酸化リン(P25)、酸化カリウム
(K2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化トリウム
(ThO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化カルシウム
(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ウラニ
ウム(U23)の順の重量組成を有する天然鉱石であ
る。
【0017】また、本明細書で用いる「希土類元素」
は、周期表3Aに属する、Sc、Y、ランタノイド(L
a、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の17元素
の群から選ばれる少なくとも一つの元素をいう。電極板
に、上記した希土類元素を含む天然鉱石を単独で保持さ
せた、電解質型電池も、電池寿命が長くなるが、電極板
に、上記した希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス
材料とを保持させた、電解質型電池の方が、より電池寿
命が長くなる。
【0018】「電極板に、希土類元素を含む天然鉱石と
セラミックス材料とを保持」する方法としては、電極板
の表面に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材
料とが露呈して、保持されている限り、どのような方法
で、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを
電極板に保持させてもよく、そのような方法として、例
えば、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料と
を電極板の表面に、圧着させても、接着剤などを用い
て、接着させてもよく、また、例えば、電極板材料の粉
末を準備し、この電極板材料の粉末と、上記希土類元素
を含む天然鉱石の粉末と、セラミックス材料の粉末とを
混練した後、電極板材料、上記希土類元素を含む天然鉱
石およびセラミックス材料の混練物を公知の成形技術を
用いて、電極板材料、上記希土類元素を含む天然鉱石お
よびセラミックス材料との複合材料からなる電極板を形
成してもよい。
【0019】成形方法は、電極板材料の種類によって、
従来公知の成形法を、種々、選択でき、例えば、電極板
材料が合金またはプラスチック材等の場合は、鋳型成型
や射出成形等を用いることができ、電極板材料が炭素等
の場合には、圧縮成形等を用いることができる。また、
電極板に、上記した希土類元素を含む天然鉱石とセラミ
ックス材料を保持させるのは、電解質型電池の電池寿命
の主たる要因である、正極板および/または負極板の劣
化を防ぐためである。
【0020】また、希土類元素を含む天然鉱石とセラミ
ックス材料とを保持させた電極板は、電解質型電池の電
池寿命の主たる要因が、正極板の劣化であることを考慮
した場合には、正極板用の電極板のみに用いてもよい
が、正極板および負極板の双方の電極板に用いてもよ
い。請求項2に記載の電解質型電池は、正極活物質を含
む正極電解質が収容される正極室と、負極活物質を含む
負極電解質が収容される負極室と、正極室と負極室とを
仕切るセパレータとを備える、電池セル部と、正極室内
に、正極電解質に浸漬するように収容され、電極板に正
極活物質が保持された正極板と、負極室内に、負極電解
質に浸漬するように収容され、電極板に負極活物質が保
持された負極板とを備え、正極板および負極板の、少な
くとも一方の、電極板に、希土類元素を含む天然鉱石と
セラミックス材料とを焼成して得られるセラミックス焼
成体を粉砕して保持させたことを特徴とする。
【0021】「希土類元素を含む天然鉱石とセラミック
ス材料とを焼成して得られるセラミックス焼成体」は、
上記した天然の鉱石を、単に、砕いて使用するものでは
なく、一旦、上記した天然の鉱石を粉砕して、粉末材料
とし、更に、この粉末材料に、セラミックス粉末を混練
し、希土類元素を含む天然鉱石の粉末とセラミックス粉
末との混練物を焼成させて得られるセラミックス焼成体
である。
【0022】尚、セラミックス焼成体とすれば、天然の
鉱石中に含まれる、有機成分等の不必要な成分を除去で
きる。また、「電極板に、セラミックス焼成体を保持」
する方法としては、電極板の表面に、セラミックス焼成
体が露呈して、保持されている限り、どのような方法
で、セラミックス焼成体を電極板に保持させてもよく、
そのような方法として、例えば、セラミックス焼成体
を、適当な大きさに砕いて、電極板の表面に、圧着させ
ても、接着剤などを用いて、接着させてもよく、また、
例えば、電極板材料の粉末を準備し、この電極板材料の
粉末と、上記セラミックス焼成体の粉末とを混練した
後、電極板材料の粉末とセラミックス焼成体の粉末との
混練物を公知の成形技術を用いて、上記セラミックス焼
成体と電極板材料との複合材料からなる電極板を形成し
てもよい。
【0023】成形方法は、電極板材料の種類によって、
従来公知の成形法を、種々、選択でき、例えば、電極板
材料が合金またはプラスチック材等の場合は、鋳型成型
や射出成形等を用いることができ、電極板材料が炭素等
の場合には、圧縮成形等を用いることができる。また、
電極板に、セラミックス焼成体を保持させるのは、電解
質型電池の電池寿命の主たる要因である、正極板および
/または負極板の劣化を防ぐためである。
【0024】また、希土類元素を含む天然鉱石とセラミ
ックス材料とを焼成して得られるセラミックス焼成体を
粉砕して保持させた電極板は、電解質型電池の電池寿命
の主たる要因が、正極板の劣化であることを考慮した場
合は、正極板用の電極板のみに用いてもよいが、正極板
および負極板の双方の電極板に用いてもよい。請求項3
に記載の電解質型電池は、正極活物質を含む正極電解質
が収容される正極室と、負極活物質を含む負極電解質が
収容される負極室と、正極室と前記負極室とを仕切るセ
パレータとを備える、電池セル部と、正極室内に、正極
電解質に浸漬するように収容される正極板と、負極室内
に、負極電解質に浸漬するように収容される負極板とを
備え、電池セル部を構成する、正極室と負極室との、少
なくとも一方の、電極室に、希土類元素を含む天然鉱石
とセラミックス材料とを保持させたことを特徴とする。
【0025】希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス
材料とは、電極板に保持させても良いが、希土類元素を
含む天然鉱石とセラミックス材料とを電極室に保持させ
た電極室が用いられた、電解質型電池も、電池寿命が長
くなる。「希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材
料とを電極室に保持」させる方法は、上記した希土類元
素を含む天然鉱石とセラミックス材料とが、直接、電解
質に接触するようになっている限り、どのように保持さ
れていてもよく、より具体的には、電解室の電解質が収
容される側の表面上に、圧着されていてもよく、接着剤
などにより接着されていてもよく、また、電解室材料の
粉末と、上記した希土類元素を含む天然鉱石の粉末と、
セラミックス材料の粉末とを混練した後、電極室材料、
上記した希土類元素を含む天然鉱石およびセラミックス
材料の混練物を公知の成形技術を用いて、電極板材料、
上記した希土類元素を含む天然鉱石およびセラミックス
材料との複合材料からなる電極室を形成してもよい。
【0026】このようにして得られる複合材料からなる
電極室を、電解質二次電池の電極室に用いれば、充放電
サイクル特性が向上する。また、電極室に、希土類元素
を含む天然鉱石とセラミックス材料とを保持させる代わ
りに、電極室に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミッ
クス材料と焼成して得られるセラミックス焼成体を保持
させてもよい。
【0027】請求項4に記載の電解質型電池は、正極活
物質を含む正極電解質が収容された正極室と、負極活物
質を含む負極電解質が収容された負極室と、正極室と負
極室とを仕切るセパレータとを備える、電池セル部と、
正極室内に、正極電解質に浸漬するように収容される正
極板と、負極室内に、負極電解質に浸漬するように収容
される負極板とを備え、正極電解質と負極電解質との、
少なくとも一方の、電解質中に、希土類元素を含む天然
鉱石とセラミックス材料とを混入したことを特徴とす
る。
【0028】希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス
材料とは、電極板に保持させても良く、電極室に保持さ
せてもよいが、電解質中に、希土類元素を含む天然鉱石
とセラミックス材料とを混入した電解質型電池も、電池
寿命が長くなる。また、電解質二次電池の電解質中に、
希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを混入
すれば、充放電サイクル特性が向上する。
【0029】特に、請求項4に記載の電解質型電池は、
電解質中に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス
材料とを混入するだけでよいので、新品の電池はもちろ
ん、廃バッテリーと判断された電解質型電池にも適用可
能である。本明細書で用いる用語「電解質中に混入」
は、上記した希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス
材料とが、電解質に、直接、接触できるようになってい
る限り、どのように混入されていてもよく、より具体的
には、上記した希土類元素を含む天然鉱石とセラミック
ス材料の各々を所定の大きさに砕いて、電池セル部の正
極室または負極室のいづれか一方または双方の底部上に
載置するようにしてもよく、上記した希土類元素を含む
天然鉱石およびセラミックス材料の双方を粉末として用
いる場合には、液状またはペースト状の電解質に浮遊す
るように混入してもよい。
【0030】また、電解質中に、希土類元素を含む天然
鉱石とセラミックス材料とを混入させる代わりに、電解
質中に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料
と焼成して得られるセラミックス焼成体を混入させても
よい。電解質中に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミ
ックス材料と焼成して得られるセラミックス焼成体を混
入させる場合には、セラミックス焼成体を、ペレット
や、粒状物に成形したり、所定の大きさに砕いて、電池
セル部の正極室または負極室のいづれか一方または双方
の底部上に載置するようにしてもよく、セラミックス焼
成体を粉末として用いる場合には、液状またはペースト
状の電解質に浮遊するように混入してもよい。
【0031】請求項5に記載の電解質型電池は、請求項
1〜4に記載の電解質型電池が、電解質二次電池であ
る。請求項1〜4に記載の電解質型電池は、一次電池に
も適用可能であるが、請求項1〜4に記載の電解質型電
池は、いずれも、二次電池とすれば、充放電サイクル特
性の向上に優れているので、二次電池が好ましい。
【0032】請求項6に記載の電解質型電池は、請求項
5に記載の電解質型電池の正極板には、正極活物質とし
て、PbO2が保持され、負極板には、負極活物質とし
て、Pbが保持され、正極電解質および前記負極電解質
として、硫酸水溶液を用いる。請求項6に記載の電解質
型電池は、電池寿命が長く、充放電サイクル特性に優れ
ているので、自動車用のバッテリー(鉛蓄電池)に好適
に用いることができる。
【0033】請求項7に記載の電解質型電池は、請求項
1〜6のいづれかに記載の電解質型電池のセラミックス
材料が、シリカ(SiO2)であることを特徴とする。
天然の鉱石とシリカ(SiO2)とを、電極板に保持さ
せたり、電極室に保持させたり、電解液中に混入したり
する方が、天然の鉱石を、そのまま、電極に保持させた
り、電極室に保持させたり、電解液中に混入させたりし
た場合に比べ、電池寿命を向上させることができる。
【0034】このことは、本発明者が、実験により確か
めた事実に基づく。また、シリカ(SiO2)は、セラ
ミックス焼成体を製造する際の優れた結着成分であり、
この天然の鉱石に、シリカ(SiO2)を添加すれば、
セラミックス焼成体を製造しやすい。請求項8に記載の
電解質型電池は、正極と、正極の周辺に設けられる減極
剤とを備える、正極部分と、負極板と、正極部分と前記
負極板との間に設けられた電解質とを備え、減極剤中
に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを
混入したことを特徴とする。
【0035】請求項8に記載の電解質型電池は、減極剤
中に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料と
を混入することにより、一次電池の電池寿命が長くな
る。「減極剤中に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミ
ックス材料とを混入」する方法としては、例えば、希土
類元素を含む天然鉱石およびセラミックス材料を粉末に
して、減極剤中に、浮遊分散させるようにすればよい。
【0036】請求項9に記載の電解質型電池は、正極
と、正極の周辺に設けられる減極剤とを備える、正極部
分と、負極板と、正極部分と前記負極板との間に設けら
れた電解質とを備え、減極剤中に、希土類元素を含む天
然鉱石とセラミックス材料とを混入したことを特徴とす
る。請求項9に記載の電解質型電池は、減極剤中に、希
土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを焼成し
て得られるセラミックス焼成体を混入することにより、
一次電池の電池寿命が長くなる。
【0037】このことは、本発明者が、実験により確か
めた事実に基づく。「減極剤中に、希土類元素を含む天
然鉱石とセラミックス材料とを焼成して得られるサラミ
ックス焼成体を混入」する方法としては、例えば、希土
類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを焼成して
得られるサラミックス焼成体を粉末にして、減極剤中
に、浮遊分散させるようにすればよい。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電解質型電池
について、鉛蓄電池とマンガン電池とを例にして、更に
詳しく説明する。 (発明の実施の形態1)1.原料について 本発明で用いる、天然の鉱石は、マレーシア産出の淡い
黄土色乃至薄茶色の鉱石である。
【0039】この鉱石を粉砕すると、肉眼による観察
で、淡い黄土色の粒子、薄茶色の粒子、暗茶色の粒子の
混合物となる。次に、天然の鉱石の蛍光X線分析結果
を、表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1より、明らかなように、本発明で用い
た天然の岩石の成分中、アルミナ(Al23)が多く含
まれ、以下、全希土類酸化物、五酸化リン(P25)、
酸化カリウム(K2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、
酸化トリウム(ThO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化
カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、
酸化ウラニウム(U23)の順の重量組成となってい
る。
【0042】尚、この石は、天然の鉱石であるので、試
料毎に、組成に誤差があるが、複数の試料を、蛍光X線
分析したところ、全希土類酸化物を、10.00重量%
〜1 2.00重量%を含むことが明らかになった。2.セラミックス焼成体の製造について 本発明で使用するセラミックス焼成体は、以下の工程に
よって、製造した。
【0043】まず、上記の天然の岩石を粉砕し、平均粒
径が、μmオーダー乃至はそれ以下の粉末材料を得る
(粉砕工程)。次に、粉砕して得られる粉末材料に、平
均粒径が、μmオーダー乃至はそれ以下のシリカ(Si
2)粉末を混練し、混練物を得る(混練工程)。尚、
天然の岩石の粉末材料とシリカ(SiO2)粉末との配
合割合は、天然の岩石の粉末材料が、30重量%〜50
重量%、シリカ(SiO2)粉末が、70重量%〜50
重量%であることが好ましい。この範囲内であれば、焼
成工程において、シリカ(SiO2)が、結着成分とし
て働いて、割れや剥がれの生じにくいセラミックス焼成
体を得ることができる。
【0044】次に、上記混練物を、成形して、所定の大
きさペレットまたは粒状物を得る。次に、上記所定形状
の混練物の粒状物を、窯内に収容し、1200℃以上1
300℃以下で、所定時間加熱し、混練物を焼成し、セ
ラミックス焼成体を得る。1200℃未満の加熱では、
ぼろぼろとなって、充分に焼成できず、また1300℃
を越える温度では、上記混練物が液状化する。
【0045】尚、参考のため、天然の岩石の粉末材料と
シリカ(SiO2)粉末とを、1:1の重量比で、配合
した混練物を焼成して得られたセラミックス焼成体の蛍
光X線分析の結果を表2、表3に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】蛍光X線分析は、フィリップス製蛍光X線
分析装置、PX−1400を使用して、試料を、6μm
マイラー間に挟んで、He雰囲気下で測定した。この方
法により、Mg〜Uの元素分析を行った。表2により、
上記2.において製造したセラミックス焼成体には、全
希土類酸化物が、約5重量%含まれていることが明らか
になり、表3より、希土類酸化物として、二酸化セリウ
ム(CeO2)、酸化ランタン(La22)、酸化イッ
トリウム(Y23)、酸化ネオジウム(Nd23)が含
まれていることが明らかになった。
【0049】3.電極板(格子)の製造について 次に、このようにして得られたセラミックス焼成体を粉
砕し、平均粒径が、μmオーダー乃至はそれ以下の粉末
材料を得る。そして、このセラミックス焼成体の粉末材
料を、格子(電極板)材料の粉末材料と混練する。
【0050】この例では、格子(電極板)材料の粉末材
料として、平均粒径が、μmオーダー乃至はそれ以下の
鉛−アンチモン(Pb−Sb)合金粉末を使用し、セラ
ミックス焼成体の粉末材料を1重量%〜20重量%、鉛
−アンチモン(Pb−Sb)合金粉末を99重量%〜8
0重量%の割合で配合した、配合割合の異なる、セラミ
ックス焼成体粉末と鉛−アンチモン(Pb−Sb)合金
粉末との混練物からなる複数個のサンプルを作製した。
【0051】次に、これらの複数個のサンプルの各々を
使用して、配合割合の異なる、セラミックス焼成体と鉛
−アンチモン(Pb−Sb)合金との溶湯を、複数、準
備した。その後、各々の溶湯を使用して、ダイキャステ
イングにより、図1に示すような、セラミックス焼成体
と鉛−アンチモン(Pb−Sb)合金との複合部材から
なる、配合割合の異なる、複数個のペースト式の格子
(電極板)31を作製した。
【0052】次に、このようにして得られた格子(電極
板)31の各々に、公知の方法により、正極活物質とし
て、PbO2を、保持させ、正極板4を作製し、また、
負極活物質として、Pbを保持させ、負極板5を作製し
た。以上のようにして作製した、正極板4と負極板5と
を用いて、電池セル部6が6個直列に接続された鉛蓄電
池を作製した。
【0053】また、比較のため、格子(電極板)材料と
して鉛−アンチモン(Pb−Sb)合金が用いられた電
池セル部(単セル)が6個直列に接続された、市販の鉛
蓄電池を準備した。次に、格子(電極板)31材料とし
て、上記セラミックス焼成体と鉛−アンチモン(Pb−
Sb)合金との複合材料を用いた鉛蓄電池と、格子(電
極板)材料として、従来の鉛−アンチモン(Pb−S
b)合金が用いられた市販の鉛蓄電池について、同じ条
件で、寿命試験を行った。
【0054】寿命試験は、放電電流40Aで、1時間放
電を行い、引き続き充電電流10Aで5時間充電を行う
という充放電操作を1回として、電池の周辺温度を40
〜45℃に保ち、寿命試験中25回ごとに40Aで、放
電終止電圧が、電池セル部(単セル)あたり平均1.7
Vまで全放電試験を行ってアンペア時容量を求め、蓄電
池の容量を確認し、容量試験によって求めた容量が20
時間率容量の40%以下に低下し、再び上昇しないこと
を確認したとき、寿命試験を終了とした。
【0055】以上の試験の結果、格子(電極板)31材
料として、セラミックス焼成体と鉛−アンチモン(Pb
−Sb)合金との複合材料を用いた鉛蓄電池は、いづれ
も、格子(電極板)材料として、鉛−アンチモン(Pb
−Sb)合金が用いれた市販の鉛蓄電池に比べて、電池
寿命が長くなることが明らかになった。尚、この例で
は、格子(電極板)材料の粉末を準備し、この電極板材
料の粉末と、上記セラミックス焼成体の粉末とを混練し
た後、格子(電極板)材料の粉末とセラミックス焼成体
の粉末との混練物を公知の成形技術を用いて、上記セラ
ミックス焼成体と電極板材料との複合材料からなる格子
(電極板)31を形成した例を示したが、「電極板に、
セラミックス焼成体を粉砕して保持」する方法として
は、電極板の表面に、セラミックス焼成体が露呈して、
保持されている限り、どのような方法で、セラミックス
焼成体を電極に保持させてもよく、そのような方法とし
て、例えば、セラミックス焼成体を電極板の表面に、圧
着させても、接着剤などを用いて、接着させてもよい。
【0056】また、この例では、ダイキャステイングに
より、格子(電極板)31を作製した例を示したが、格
子(電極板)31を作製方法は、公知の成形方法を、種
々、選択することができ、例えば、電極板材料が合金ま
たはプラスチック材等の場合は、鋳型成型や射出成形等
を用いることができ、電極板材料が炭素等の場合には、
圧縮成形等を用いればよい。
【0057】(発明の実施の形態2)上記2.において
製造した、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材
料とを焼成して得られるセラミックス焼成体を粉砕した
材料を電極室材料中に混入した正極室2a及び負極室2
bを備える鉛蓄電池を作製した例を示す。より詳しく
は、上記2.において製造したセラミックス焼成体を粉
砕し、平均粒径が、μmオーダー乃至はそれ以下の粉末
材料を準備した。
【0058】次に、電極室材料として、平均粒径が、μ
mオーダー乃至はそれ以下のAS樹脂(スチレン−アク
リルニトリル共重合体)の粉末材料を準備した。次に、
セラミックス焼成体の粉末材料を、AS樹脂粉末材料と
混練する。この例では、セラミックス焼成体の粉末材料
を1重量%〜20重量%、AS樹脂粉末を99重量%〜
80重量%の割合で配合した、セラミックス焼成体とA
S樹脂粉末材料との混練物からなる、複数個の配合割合
の異なるサンプルを作製した。
【0059】次に、これらの複数個の配合割合の異なる
セラミックス焼成体とAS樹脂粉末材料との混練物から
なるサンプルを使用して、射出成形により、セラミック
ス焼成体とAS樹脂との複合材料からなる複数個の電槽
(図2に示す電槽7)を作製した。次に、このようにし
て作製した、電極室材料として、セラミックス焼成体と
AS樹脂粉末材料との複合材料を用いた正極室2aと負
極室2bとを有する鉛蓄電池を作製し、また、比較のた
め、電極室材料として、AS樹脂が用いられた、市販の
鉛蓄電池を使用して、形態1に示した寿命試験と同様の
寿命試験を行ったところ、電極室材料として、セラミッ
クス焼成体とAS樹脂との複合材料を用いた鉛蓄電池の
方が、電池寿命が長くなることが判った。
【0060】(発明の実施の形態3)充電しても、比重
が上がらないため、充電不能と判断された自動車用の廃
バッテリー(鉛蓄電池)の電池セル部6の各々の正極室
2a、負極室2bに、上記2.において作製したセラミ
ックス焼成体の適当量を砕いて収容し、充電操作を行っ
たところ、充電が可能となった。
【0061】この再生された鉛蓄電池を車体に搭載し、
1年間の走行試験を行ったところ、何等の問題もなく使
用できることが明らかになった。また、上記2.におい
て作製したセラミックス焼成体を電池セル部6の各々の
正極室2a、負極室2bに収容したバッテリーの充電時
における電解液の比重を測定したが、このバッテリー
は、充電可能であるにも拘らず、充電時において、電解
液の比重は、上昇していないことが判った。
【0062】本発明者は、何故、廃バッテリーが再生で
きるのかについて、検討したが、この作用原理について
は、現状では、よく判らないものの、上記2.において
作製したセラミックス焼成体を電池セル部6の各々の正
極室2a、負極室2bに収容したバッテリーは、充電時
に、電解液の比重が上昇しないにも拘らず、充電が可能
となった事実から、希土類が、イオン化して、正極板4
または負極板5の腐食劣化を修復したり、セラミックス
材料(シリカ(SiO2)等の酸化物材料)から放射さ
れる負イオンのイオン浴効果により、廃バッテリーに何
等かの影響が生じ、廃バッテリーが再生されたのではな
いかと考えている。
【0063】尚、このセラミックス焼成体が、室温にお
いて、負イオンを大量に発生させていることは、島津製
作所製の測定器により容易に測定できる。発明の実施の
形態3では、廃バッテリーの再生の例を示したが、新品
のバッテリーの電解液中に、予め、上記2.において作
製したセラミックス焼成体の適当量を収容しておけば、
バッテリーの電池寿命が長くなり、また、充放電サイク
ル特性も向上する。
【0064】尚、上記セラミックス焼成体は、ペレット
状、粒状、粉末として、電解質中に混入すれば良い。よ
り具体的には、上記セラミックス焼成体をペレット状や
粒状として用いる場合には、電池セル部6の正極室2a
または負極室2bのいづれか一方または双方の底部上に
載置すればよく、粉末として用いる場合には、液状また
はペースト状の電解質中に浮遊分散するように混入すれ
ばよい。
【0065】(発明の実施の形態4)図3に示す乾電池
11とは、減極剤15中に、上記2.において作製した
セラミックス焼成体を、平均粒径がμmオーダー乃至そ
れ以下に粉砕した粉末の所定量を分散混合する以外は、
図3に示す乾電池11と同様の乾電池を作製した。ま
た、比較のため、減極剤15中に、上記2.において作
製したセラミックス焼成体を、平均粒径がμmオーダー
乃至それ以下に粉砕した粉末の所定量を分散混合した乾
電池とほぼ同じ定格容量の、図3に示すような市販の乾
電池11を準備し、同じ条件で、短絡試験をし、定格の
起電力の50%となるまでの時間を測定したところ、減
極剤15中に、上記2.において作製したセラミックス
焼成体を、平均粒径がμmオーダー乃至それ以下に粉砕
した粉末の所定量を分散混合した乾電池の方が、長時間
に渡って、安定した起電力を示すことが判った。
【0066】また、減極剤15中に分散するセラミック
ス焼成体は、減極剤15中に、1重量%以上5重量%以
下であることが好ましいことが判った。尚、発明の実施
の形態1〜4では、鉛蓄電池、マンガン電池を用いて説
明したが、これらは単に、本発明の好ましい例を示した
に過ぎず、本発明の電解質型電池は、これらに限られ
ず、例えば、アルカリ蓄電池(ニッケル−カドミウム系
アルカリ蓄電池、ニッケル−鉄系アルカリ蓄電池、ニッ
ケル−亜鉛系アルカリ蓄電池等)の電極板、電解室、電
解質に、上記2.で作製したセラミックス焼成体を保持
または混入すれば、電池寿命の長い電解質型電池を得る
ことができる。
【0067】また、発明の実施の形態1〜4により、上
記2.で作製したセラミックス焼成体は、電解質型電池
の再生用、賦活用、強化用の添加剤として、好適に用い
ることができるものであることが明かとなった。尚、発
明の実施の形態1〜4では、上記2.で作製したセラミ
ックス焼成体が用いられた例について説明したが、上記
2.で作製したセラミックス焼成体の代わりに、上記し
た天然の鉱石と、セラミックス材料とを、電極板に保持
したり、電極室に保持したり、また、電極質中に混入し
たりしても、電池寿命の長い電池を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】請求項1に記載の電解質型電池は、電極
板に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料と
を保持するという構成にすることにより、電池寿命の長
くなるという効果を奏する。請求項2に記載の電解質型
電池では、電極板に、希土類元素を含む天然鉱石とセラ
ミックス材料とを焼成して得られるセラミックス焼成体
を保持するという構成により、電池寿命の長くなるとい
う効果を奏する。
【0069】請求項3に記載の電解質型電池は、電極室
に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを
保持するという構成により、電池寿命が長くなるという
効果を奏する。請求項4記載の電解質型電池は、電解質
中に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス粉末と
を混入するだけ、電池寿命が長くなるという効果を奏す
るので、新品の電池はもちろん、廃バッテリーと判断さ
れた電解質型電池にも適用可能である。
【0070】請求項1〜4に記載の電解質型電池は、一
次電池であっても良いが、請求項1〜3に記載の電解質
型電池は、二次電池に適用すると、充放電サイクル特性
の向上に優れているので、二次電池に、適用するのが好
ましい。請求項6に記載の電解質型電池は、特に、電池
寿命が長く且つ充放電サイクル特性に優れているので、
自動車用のバッテリー(鉛蓄電池)として、好適に用い
ることができる。
【0071】請求項7に記載の電解質型電池では、請求
項1〜5のいづれかに記載の電解質型電池のセラミック
ス焼成体を製造する際に添加するセラミックス材料とし
て、シリカ(SiO2)を用いるという構成により、電
池寿命が、より向上した電解質型電池を提供できる。請
求項8に記載の電解質型電池は、減極剤中に、希土類元
素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを混入するとい
う構成により、電池寿命が長くなるという効果を奏す
る。
【0072】請求項9に記載の電解質型電池は、減極剤
中に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料と
を焼成して得られるセラミックス焼成体を混入するとい
う構成により、電池寿命が長くなるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いたペースト式の格子(電極板)を
模式的に示す斜視図であり、鉛−アンチモン(Pb−S
b)の鉛合金中のセラミックス焼成体が黒ドットで、模
式的に示されている。
【図2】鉛蓄電池の構造を概略的に示す分解斜視図であ
る。
【図3】図2に示す鉛蓄電池の動作を説明するための模
式的な断面図であり、図3(a)に充電操作の際の動作
原理を、図3(b)に放電操作の際の動作原理を示す。
【図4】一次電池として、幅広く使用されている乾電池
(一次電池)の構造を概略的に示す一部切欠き斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 電解質型電池 2a 正極室 2b 負極室 3 セパレータ 4 正極板 5 負極板 6 電池セル部 11 乾電池(一次電池) 14 正極 15 減極剤 16 正極部分 17 負極(亜鉛缶) 18 電解質 31 格子(電極板)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極活物質を含む正極電解質が収容される
    正極室と、 負極活物質を含む負極電解質が収容される負極室と、 前記正極室と前記負極室とを仕切るセパレータとを備え
    る、電池セル部と、 前記正極室内に、前記正極電解質に浸漬するように収容
    され、電極板に正極活物質が保持された正極板と、 前記負極室内に、前記負極電解質に浸漬するように収容
    され、電極板に負極活物質が保持された負極板とを備
    え、 前記正極板および前記負極板の、少なくとも一方の、電
    極板に、 希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを保持
    させたことを特徴とする、電解質型電池。
  2. 【請求項2】正極活物質を含む正極電解質が収容される
    正極室と、 負極活物質を含む負極電解質が収容される負極室と、 前記正極室と前記負極室とを仕切るセパレータとを備え
    る、電池セル部と、 前記正極室内に、前記正極電解質に浸漬するように収容
    され、電極板に正極活物質が保持された正極板と、 前記負極室内に、前記負極電解質に浸漬するように収容
    され、電極板に負極活物質が保持された負極板とを備
    え、 前記正極板および前記負極板の、少なくとも一方の、電
    極板に、 希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを焼成
    して得られるセラミックス焼成体を保持させたことを特
    徴とする、電解質型電池。
  3. 【請求項3】正極活物質を含む正極電解質が収容される
    正極室と、負極活物質を含む負極電解質が収容される負
    極室と、 前記正極室と前記負極室とを仕切るセパレータとを備え
    る、電池セル部と、 前記正極室内に、前記正極電解質に浸漬するように収容
    される正極板と、 前記負極室内に、前記負極電解質に浸漬するように収容
    される負極板とを備え、 前記電池セル部を構成する、前記正極室と前記負極室と
    の、少なくとも一方の、電極室に、 希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを保持
    させたことを特徴とする、電解質型電池。
  4. 【請求項4】正極活物質を含む正極電解質が収容された
    正極室と、 負極活物質を含む負極電解質が収容された負極室と、 前記正極室と前記負極室とを仕切るセパレータとを備え
    る、電池セル部と、 前記正極室内に、前記正極電解質に浸漬するように収容
    される正極板と、 前記負極室内に、前記負極電解質に浸漬するように収容
    される負極板とを備え、 前記正極電解質と前記負極電
    解質との、少なくとも一方の、電解質中に、 希土類元素を含む天然鉱石とセラミックス材料とを混入
    したことを特徴とする、電解質型電池。
  5. 【請求項5】前記電解質型電池が、電解質型二次電池で
    ある、請求項1〜4のいづれかに記載の電解質型電池。
  6. 【請求項6】前記正極板には、正極活物質として、Pb
    2が保持され、 前記負極板には、負極活物質として、Pbが保持され、 前記正極電解質および前記負極電解質として、硫酸水溶
    液を用いる、請求項5に記載の電解質型電池。
  7. 【請求項7】前記セラミックス材料が、シリカ(SiO
    2)であることを特徴とする、請求項1〜6のいづれか
    に記載の電解質型電池。
  8. 【請求項8】正極と、 前記正極の周辺に設けられる減極剤とを備える、正極部
    分と、 負極板と、 前記正極部分と前記負極板との間に設けられた電解質と
    を備え、 前記減極剤中に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミッ
    クス材料とを混入したことを特徴とする、電解質型電
    池。
  9. 【請求項9】正極と、 前記正極の周辺に設けられる減極剤とを備える、正極部
    分と、 負極板と、 前記正極部分と前記負極板との間に設けられた電解質と
    を備え、 前記減極剤中に、希土類元素を含む天然鉱石とセラミッ
    クス材料とを焼成して得られるセラミックス焼成体を混
    入したことを特徴とする、電解質型電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007010821A1 (ja) * 2005-07-20 2007-01-25 Ion Technology Inc. 起電装置
CN112349972A (zh) * 2019-08-09 2021-02-09 尚那纪有限公司 具有锌阳极的碱性二次电化学发电机

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WO2007010821A1 (ja) * 2005-07-20 2007-01-25 Ion Technology Inc. 起電装置
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