JPH09146554A - 波形圧縮伸長装置 - Google Patents

波形圧縮伸長装置

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JPH09146554A
JPH09146554A JP7307580A JP30758095A JPH09146554A JP H09146554 A JPH09146554 A JP H09146554A JP 7307580 A JP7307580 A JP 7307580A JP 30758095 A JP30758095 A JP 30758095A JP H09146554 A JPH09146554 A JP H09146554A
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JP
Japan
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time
beat
tempo
waveform
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JP7307580A
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English (en)
Inventor
Tamaki Fujii
珠軌 藤井
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Roland Corp
Original Assignee
Roland Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】時間的に変化する波形の各部分を時間軸方向に
それぞれ異なる圧縮率、伸長率で圧縮、伸長することが
容易な波形圧縮伸長装置を提供する。 【解決手段】ウェーブRAM105に格納された楽音波
形データに、拍を単位として、表示器10の画面と操作
子109の操作とにより時間的刻みを入力してオリジナ
ルビートリストとチェンジ用ビートリストを生成し、オ
リジナルビートリスト,チェンジ用ビートリスト双方
の、各拍に対応する時間に基づいて圧縮、伸長を行な
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば楽音波形を
時間軸方向に圧縮、伸長する波形圧縮伸長装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、楽音波形全体を所定の圧縮
率、伸長率で時間軸方向に圧縮、伸長したり、あるいは
楽音波形の一部分を所定の圧縮率、伸長率で時間軸方向
に圧縮、伸長したりする技術により、曲のテンポを変化
させて好みの楽曲の感じ(雰囲気、ノリ、グルーブ等)
に近づけることが行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、楽音波形全体
を所定の圧縮率、伸長率で圧縮、伸長する技術を採用す
ると楽音波形曲全体が圧縮、伸長されるため、曲の部分
毎にテンポを変化させたり曲の拍のタイミングを変化さ
せることはできず、このため操作者のイメージした雰囲
気、ノリ、グルーブを持つ楽音波形を得ることは困難で
ある。
【0004】そこで、楽音波形の一部分を所定の圧縮
率、伸長率で圧縮、伸長する技術を採用して、楽音波形
の各部分それぞれに対してそれぞれ異なる圧縮率、伸長
率で圧縮、伸長を行なおうとすると、楽音波形の、圧
縮、伸長を行なおうとする各部分の指定や、指定された
部分に対する圧縮率、伸長率の設定等の操作を、各部分
毎に行なう必要があり、したがって、それら指定や設定
のための操作が複雑になり、操作者がイメージした楽音
波形を得るのに多大の努力が強いられることになる。
【0005】本発明は、上記事情に鑑み、時間的に変化
する波形の各部分を時間軸方向にそれぞれ異なる圧縮
率、伸長率で、圧縮、伸長することが容易な波形圧縮伸
長装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の波形圧縮伸長装置は、 (1)時間的に変化する波形上の複数の点の、時間軸上
の各位置情報が記入されてなる第1の時間情報リストを
作成する第1の時間情報リスト作成手段 (2)上記第1の時間情報リストに記入された上記複数
の点の時間軸上の各位置情報と比べ、少なくとも1つの
点の時間軸上の位置情報が異なる第2の時間情報リスト
を作成する第2の時間情報リスト作成手段 (3)上記波形が上記複数の点それぞれで順次区切られ
てなる各部分波形を、その各部分波形毎に、上記複数の
点の時間軸上の各位置が上記第2の時間情報リストに記
入された上記複数の点の時間軸上の各位置情報に合致す
るように、時間軸方向に圧縮もしくは伸長する圧縮伸長
演算手段 を備えたこと特徴とするものである。
【0007】ここで、上記複数の点が、上記波形のレベ
ルピーク点であってもよい。また、上記波形が楽音波形
であって、上記複数の点が、上記楽音波形の音楽的区切
りの点であってもよい。また、上記本発明の第1の波形
圧縮伸長装置において、上記第2の時間情報リスト作成
手段は、上記第1の時間情報リスト作成手段により作成
された第1の時間情報リストを基に、その第1の時間情
報リストに記入された複数の点の時間軸上の各位置情報
のうち少なくとも1つの点の時間軸上の位置情報を変更
記入することにより、第2の時間情報リストを作成する
ものであってもよい。
【0008】また、上記目的を達成する本発明の第2の
波形圧縮伸長装置は、 (1)時間的に変化する楽音波形上の複数の点それぞれ
で区切られてなる各部分波形毎のテンポ情報が記入され
た第1のテンポ情報リストを作成する第1のテンポ情報
リスト作成手段 (2)上記第1のテンポ情報リストに記入された上記各
部分波形のテンポ情報と比べ少なくとも1つの部分波形
のテンポ情報が異なる第2のテンポ情報リストを作成す
る第2のテンポ情報リスト作成手段 (3)上記各部分波形を、その各部分波形毎に、その各
部分波形のテンポが上記第2のテンポ情報リストに記入
されたその各部分波形のテンポ情報に合致するように、
時間軸方向に圧縮もしくは伸長する圧縮伸長演算手段 を備えたことを特徴とするものである。
【0009】ここで、上記第1の波形圧縮伸長装置と同
様、上記本発明の第2の波形圧縮伸長装置において、上
記第2のテンポ情報リスト作成手段は、上記第1のテン
ポ情報リスト作成手段により作成された第1のテンポ情
報リストを基に、その第1のテンポ情報リストに記入さ
れた各部分波形のテンポ情報のうち少なくとも1つの部
分変形のテンポ情報を変更記入することにより、第2の
テンポ情報リストを作成するものであってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の一実施形態としての波形
圧縮伸長装置の回路構成を示したブロック図である。図
1に示すROM101には、この図1に示す波形圧縮伸
長装置全体の制御を行なうためのプログラムや、楽音波
形データの圧縮、伸長処理等を行なうためのプログラム
等が格納されている。ワークRAM102には上述のプ
ログラム等を実行する際に必要なデータが一時的に格納
されるとともに、後述するオリジナルビートリスト、チ
ェンジ用ビートリストのデータが格納される。発振器1
03は、サンプリング周波数が48kHzとなるような
周波数クロック信号を出力する。A/Dコンバータ10
4は、発振器103から出力されるクロック信号に同期
して、外部から入力されたアナログ入力信号(楽音波
形)をA/D変換することにより楽音波形データを生成
する。ウェーブRAM105には、A/Dコンバータ1
04で生成された楽音波形データが格納される。
【0011】DMA106は、発振器103から出力さ
れるクロック信号に同期して、A/Dコンバータ104
から出力される楽音波形データをウェーブRAM105
に転送したり、ウェーブRAM105に格納された楽音
波形データをD/Aコンバータ107に転送したりす
る。D/Aコンバータ107は、発振器103から出力
されるクロック信号に同期して、DMA106により転
送されてきた楽音波形データをアナログ出力信号(楽音
波形)に変換する。
【0012】CPU108は、ROM101に格納され
たプログラムと、ワークRAM102に一時的に記憶さ
れたデータとに基づいて、ウェーブRAM105に格納
された楽音波形データをアクセスして、圧縮率50%、
伸長率150%の範囲内で圧縮、伸長の演算や、その他
の必要な処理を行なう。操作子109は、後述する複数
のスイッチを有しており、これらスイッチの操作によ
り、圧縮、伸長処理等が行なわれる。
【0013】表示器110は、詳細は後述するが、楽音
波形や、その楽音波形に基づく小節や拍の情報等を時間
経過毎に表示画面に表示する。図2は、図1に示す波形
圧縮伸長装置の操作子を示す図である。図2に示すレコ
ードスイッチ201は、A/Dコンバータ104から出
力される楽音波形データをウェーブRAM105に格納
する(以下、これを「録音」と記述する場合がある)た
めのスイッチである。このレコードスイッチ201が押
されると、ウェーブRAM105のポインタが指定する
アドレスから楽音波形データの録音が開始される。
【0014】ストップスイッチ202は、楽音波形デー
タの録音または再生を終了するためのスイッチである。
このストップスイッチ202が押されると、楽音波形デ
ータの、ウェーブRAM105への録音またはウェーブ
RAM105の再生が終了する。ゼロスイッチ203
は、ウェーブRAM105への楽音波形データの録音あ
るいはウェーブRAM105に録音された楽音波形デー
タの読出し(以下、これを「再生」と記述する場合があ
る)にあたり、そのウェーブRAM105のアドレスを
指定するための書き込み兼読出しポインタ(以下、単に
「ポインタ」と記述する)を、ウェーブRAM105の
先頭アドレスに設定するためのスイッチである。
【0015】即ち、ゼロスイッチ203が押され、次に
前記レコードスイッチ204が押されると、ウェーブR
AM105の先頭アドレスから楽音波形データの録音が
開始される。再生時の動作については後述する。プレイ
スイッチ204は、ウェーブRAM105に録音された
楽音波形データまたは前記録音された楽音波形データが
圧縮もしくは伸長されて改めてウェーブRAM105内
の別エリアに格納された楽音波形データ(後述する)の
何れかを再生するためのスイッチである。例えば、前述
したゼロスイッチ203が押され、次にこのプレイスイ
ッチ204が押されると、ウェーブRAM105に格納
された楽音波形データ(録音された楽音波形データまた
は圧縮もしくは伸長された楽音波形データ)が、後述す
るオリジナルウェーブRAMエリアまたはチェンジ用ウ
ェーブRAMエリアの先頭アドレスから順次再生され
る。なお、プレイスイッチ204を押すことによって、
オリジナルウェーブRAMの内容およびチェンジ用ウェ
ーブRAMの内容のどちらが再生されるかについては、
様々な切換え方法が考えられるが、本実施の形態では、
後述する表示器110に表示されるカーソルが、表示器
110に表示されるオリジナルビートリスト(後述す
る)上にある場合はオリジナルウェーブRAMの内容を
再生し、同じく表示器110に表示されるチェンジ用ビ
ートリスト(後述する)上にある場合はチェンジ用ウェ
ーブRAMの内容を再生するものとする。
【0016】プレビュースイッチ205は、押されてい
る間はウェーブRAM105に録音された楽音波形デー
タを再生し、離されるとウェーブRAM105に録音さ
れた楽音波形データの再生を中止するとともに、前述し
たポインタの値をプレビュースイッチ205が押される
前の値に戻す。このため、ウェーブRAM105に録音
された楽音波形データを繰り返し再生することができ
る。
【0017】カーソル移動スイッチ206は、スイッチ
206a,206b,206c,206dを備えてお
り、後述する表示器110に表示されるカーソルを上下
左右に移動するためのものである。タップスイッチ20
7は、ウェーブRAM105に録音された楽音波形デー
タを再生しながら、そのタップスイッチ207を所望の
タイミングで押すことにより、楽音波形データをそのタ
イミングに応じた時間的刻みで区分けするためのもので
ある。一般には、拍のタイミングでタップスイッチ20
7を押す。
【0018】増減ダイヤル208は、表示器110に表
示されている拍の種類等を変更するためのものである。
エンタースイッチ209は、各種のパラメータの入力を
確定させるためのものである。図3は、ウェーブRAM
の構成を示した図である。
【0019】ウェーブRAM105は、オリジナルウェ
ーブRAMエリアとチェンジ用ウェーブRAMエリアと
から構成されている。オリジナルウェーブRAMエリア
とは、ウェーブRAM105の、A/Dコンバータ10
4からの楽音波形データが格納されるエリアである。格
納された楽音波形データは、タップスイッチ207を押
すことによって入力したタイミングに応じた時間的刻み
で区分けされる。一方、チェンジ用ウェーブRAMエリ
アとは、ウェーブRAM105の、オリジナルウェーブ
RAMエリアとは少なくとも1つの時間的刻みが変更さ
れてなる時間的刻みで区分けされた楽音波形データが格
納されるエリアである。図3に示すウェーブRAM10
5では、楽音波形データを最大150%まで伸長するた
めに、オリジナルウェーブRAMエリアとチェンジ用ウ
ェーブRAMエリアとの比率は1:1.5になってい
る。尚、この比率は、これに限らず圧縮率、伸長率に応
じて十分のエリアが確保されていればよい。
【0020】図4は、図1に示す表示器110における
表示画面の一例を示した図である。この表示画面の左端
には、楽音波形Aが時間の経過とともに表示されてい
る。またこの表示画面には、その楽音波形Aのソナグラ
ムBも表示されている。ソナグラムとは周波数分析図の
一種であり、時間軸と周波数軸からなる座標に、所定の
時刻における周波数毎のレベルの強弱を色の濃淡で表わ
したものである。楽音の種類により、音高、周波数成
分、あるいはそれらの時間的変化はそれぞれ異なるた
め、ソナグラムを表示することによりどの楽器がどのタ
イミングで鳴るかをおよそ把握することができる。ここ
ではソナグラムBが楽音波形Aと時間的に対応して並列
に表示されているため、楽音波形Aだけではわからなか
った音高、周波数成分の時間的変化を視覚的に認識する
ことができる。
【0021】なお、表示画面に表示される楽音波形Aお
よびソナグラムBは、圧縮伸長演算処理後においては、
カーソルがオリジナルビートリスト上にある場合はオリ
ジナルウェーブRAMの内容が表示され、カーソルがチ
ェンジ用ビートリスト上にある場合はチェンジ用ウェー
ブRAMの内容が表示されるものとする。またこの表示
画面には小節を区分けするための小節番号Cも表示され
ている。その小節番号Cは、先頭から順に振り付けられ
ている。さらに1小節内の拍の順番を示す拍番号Dも表
示されている。図4においては、この[小節一拍」欄1
行目の「1一1」の表示のうち、拍番号を表わす右側の
数字「1」の位置にカーソルがある場合の例である。
[小節一拍]欄の右隣の[拍の種類]欄には、各小節の
先頭の拍番号に対応する位置に拍の種類Eが表示されて
いる。この拍の種類Eは、音符の種類(全音符〜16分
音符)E1と、その音符が1小節内に何個あるかを示す
数E2とからなる分数E2/E1で表示されている。
【0022】また、拍番号Dに対応して、オリジナルタ
イム(Org_ Time)F1とオリジナルテンポ(O
rg_ Tempo)F2からなるオリジナルビートリス
トF(本発明にいう、第1の時間情報リストと第1のテ
ンポ情報リストとの複合リスト)、およびチェンジ用タ
イム(Chg_ Time)G1とチェンジ用テンポ(C
hg_ Tempo)からなるチェンジ用ビートリストG
(本発明にいう、第2の時間情報リストと第2のテンポ
情報リストとの複合リスト)が表示されている。オリジ
ナルビートリストFには、前述したタップスイッチ20
7によるテンポに応じた時間的刻み、即ち、ある楽曲の
拍毎に区分けされた時刻とテンポが表示され、一方チェ
ンジ用ビートリストGには、先ずはオリジナルビートリ
ストFがコピーされ、その後、その時間的刻みが変更さ
れ、その変更された時間的刻みで区分けされた時刻とテ
ンポが表示される。これらオリジナルビートリストFと
チェンジ用ビートリストGとの双方をビートリストと総
称する。またオリジナルタイムF1,チェンジ用タイム
G1は、その拍の開始時刻を表しており、それぞれ、コ
ロンで、時間:分:秒:ミリ秒に区切られて表示されて
いる。
【0023】また本実施形態では、楽音波形データは4
8kHzの周波数でサンプリングされたものであるた
め、時間1msecはウェーブRAM105のアドレス
48個分に相当する。また、各拍の、4分音符1個分の
時間長は、その拍番号Dに対応するオリジナルタイムF
1ないしチェンジ用タイムG1と、その次の拍番号Dに
対応するオリジナルタイムF1ないしチェンジ用タイム
G1との時間差(=1拍の時間)、およびその拍の属す
る小節の[拍の種類]欄のE1(音符の種類)の情報に
より、 [各拍の、4分音符1個分の時間長]=(上記1拍の時
間)×(E1/4) 従って、その拍(区間)におけるオリジナルテンポF
2,チェンジ用テンポG2は下記の式により算出され
る。
【0024】 テンポ=60秒/[各拍手の、4分音符1個分に換算したときの時間長] =60/{(上記1拍の時間)×(E1/4)} =240/{(上記1拍の時間)×E1} 図5は、図4に示す表示画面の表示例と同じ形式のリス
トを示す図である。図6は、ワークRAM内の、図5に
示すリストに対応するデータ構造を示す図である。
【0025】図5に示す各符号1a〜10aは、楽音波
形データの各区間(ここでは各1拍)に対応している。
また、図5に示す各TOP(符号1a,5a,8a)
は、各小節の先頭であることを示している。さらに、E
ND(符号10a)は、録音された楽音波形データの終
了を示しており、その楽音波形データ全ての表示が終了
したことを知らせるために、小節_ 拍の欄の最終にEO
Dが表示されている。
【0026】図6に示す各符号1a〜10aは、図5に
示す各符号1a〜10aとそれぞれ対応しており、図6
に示すワークRAM102のデータ構造は、1拍の楽音
波形データに対して9バイトの大きさを持っている。9
バイトのうちの最上位の1バイトには、小節の先頭であ
るか否かを示すTOPと音符の種類を示すBeatとの
ペアデータが格納される。具体的には小節の先頭(符号
1a,5a,9a)であればTOPであるためデータと
して‘1’が格納され、小節の2拍目以降であればTO
Pでないためデータとして‘0’が格納される。またB
eatには、拍が全音符、2分音符、4分音符、8分音
符、16分音符であれば、それぞれ‘1’,‘2’,
‘3’,‘4’,‘5’が格納される。但し、符号10
aにおけるBeatには、楽音波形データの終了を示す
ための‘0’が格納される。またそれに対応するTOP
は‘0’もしくは‘1’のいずれでもよい。1バイトを
除いた8バイトのうちの上位4バイトにはオリジナルタ
イムのデータ、下位4バイトにはチェンジ用タイムのデ
ータがそれぞれ格納される。
【0027】オリジナルタイムのデータ、チェンジ用タ
イムのデータは、入力されたタイムをms(ミリセコン
ド)単位で変換することにより生成される。オリジナル
タイム、チェンジ用タイムは、それぞれ24時間まで表
示される。ここで24時間は、24×60×60×10
00=86400000(ms)の数値で表わすことが
でき、この数値は16進数で5265C00(HEX)
になるため、4バイトの領域で格納できる。このよう
に、1拍(1区間)に対して9バイトが使用される。
【0028】また、図6に示すポインタは、拍に付され
たアドレスであって、拍毎のデータを指定するためのも
のである。次に、図1に示す波形圧縮伸長装置におけ
る、圧縮、伸長の手順について説明する。先ず、アナロ
グ入力信号(楽音波形)の録音を行なうために、レコー
ドスイッチ201が押される。すると、アナログ入力信
号がA/Dコンバータ104で楽音波形データに変換さ
れ、その楽音波形データが、ウェーブRAM105のオ
リジナルウェーブRAMエリアに格納される。次に、そ
のオリジナルウェーブRAMエリアに格納された楽音波
形データに対して、拍のタイミングを入力する。拍のタ
イミングは楽音波形データの時間軸上の位置に対応する
ものであり、拍のタイミングを入力するということは楽
音波形データに対して時間的刻みを入力することにな
る。拍のタイミングを入力するために、プレイスイッチ
204を押して楽音波形データを再生しながらタップス
イッチ207を任意のテンポで押す。どのようにタップ
スイッチ207を押して時間的刻みを入れても操作者の
自由であるが、何らかの拍子に合わせてタップするのが
一般的である。また拍のタイミングを入力する他の方法
として、およその拍の位置から再生し拍の位置を探して
設定する方法でもよい。あるいは、操作者が入力するの
ではなく、楽音波形データのレベルピーク部分がおよそ
拍に対応するという考えに基づき、ウェーブRAM10
5のオリジナルウェーブRAMエリアに格納された楽音
波形データに対してCPU108でピーク検出等を行な
い、拍の位置を演算で求めてもよい。
【0029】図7は、図1に示す表示器110における
表示画面の、タップが終了した時点における表示例を示
した図である。タップを終えると、表示器110の表示
画面は例えば図7に示す値のようになる。即ち、録音開
始時刻を0としたときの、タップが入力された時刻のリ
ストが画面表示される。これがオリジナルタイム(Or
g_ Time)である。ここでは、アナログ入力信号を
48kHzの周波数でサンプリングしているため、各区
間のオリジナルタイムは、各区間毎に、オリジナルウェ
ーブRAMエリアの先頭からその区間の直前の楽音波形
データまでのデータの個数を48で割ることによってm
s単位で算出される。図7に示すチェンジ用タイム(C
hg_ Time)の欄にもひとまずオリジナルタイムと
同じ内容のものが表示される。このときカーソルは[拍
子の種類]欄の/の右側にある。
【0030】楽音波形データの再生が終了すると、[小
節_ 拍]の最終欄に「EOD」が表示される。また、図
7の右にある「*」は、後述する説明のためのマークで
あって、画面上には表われない。次に、楽音波形データ
の、時間的刻みで区分けされたデータを小節に分けるた
めに、拍子の種類を入力する。即ち、何分の何拍子にあ
たるかを1小節毎に入力していく。例えば、1小節目が
「4/4拍子」であるとすると、[拍子の種類]欄の1
列目に「4/4」と入力する。この入力は、カーソル移
動スイッチ206a〜dを操作して画面上のカーソルを
[拍子の種類]欄の1列目へ移動し、増減ダイヤル20
8を回転させて所望の値である「4/4」を設定し、エ
ンタースイッチ209を押すことにより行なわれる。
【0031】図8は、1小節目の[拍子の種類]欄に
[4/4]が入力された時点におけるビートリストを示
す図である。図8に示すように、1小節目の[拍子の種
類]欄に[4/4]が入力されると、ひとまずは2小節
以降の小節も同じ拍子とみなされる。つまり、1小節目
に「4/4拍子」が入力されると、2小節以降の小節も
同じ「4/4拍子」とみなされる。そして1小節毎に区
分され、[小節_ 拍]、[拍子の種類]それぞれに値が
自動的に入る。また、[拍子の種類]の値と[Org_
Time]の前後の値とに応じてテンポ(=1分間に4
分音符が打つ回数)が計算される。即ち、ある拍とその
拍の1つ後の拍の時間差よりテンポが計算される。計算
されたテンポは[Org_ Tempo]欄に表示され
る。後述する[Chg_ Tempo]欄にも[Org_
Tempo]欄と同じ値がひとまず表示される。
【0032】次に、例えば2小節目が「3/8拍子」で
あるとすると、現時点では1小節目と同じ「4/4」と
表示されている2小節目の[拍子の種類]欄を変更しな
ければならないので、カーソル移動スイッチ206と増
減ダイヤル208とを操作して、その2小節目の「拍子
の種類」の値を「3/8」に修正する。図9は、2小節
目の[拍子の種類]欄に[3/8]が入力された時点に
おけるビートリストを示す図である。
【0033】図9に示すように、2小節目の[拍子の種
類]欄を「3/8」に修正すると、3小節目以降の小節
も同じ「3/8拍子」とみなされる。また、小節毎の区
切りが自動に変更され、かつ、[小節_ 拍]、[Org
_ Tempo]、[Chg_Tempo]の各欄には、
それに応じて自動的に変更された値が、表示されること
になる。
【0034】以下、3小節目を「2/2拍子」、4小節
目を「4/4拍子」、5小節目を「5/8拍子」、6小
節目を「4/4拍子」とし、順次[拍子の種類]欄を修
正しながら入力していくと、表示器の画面は順次図1
0,図11、図12、図13のようになる。尚、タップ
スイッチ207を押す操作が、楽音波形データの拍と合
わなかった場合等には、オリジナルタイムを修正するこ
とも可能である。オリジナルタイムを修正するには、修
正を加えたい部分へカーソルを移動し、増減ダイヤル2
08を回転させて所望の値を入力すればよい。オリジナ
ルタイムの修正に伴い、オリジナルテンポも再計算され
修正値が表示される。また、チェンジ用タイム、チェン
ジ用テンポにもオリジナルタイム、オリジナルテンポと
同じ値がひとまず入る。
【0035】一方、本実施の形態では、既に時間的刻み
の入った楽音波形データが再生されている場合には、タ
ップスイッチ207を押しても無効となり、新たな時間
的刻みが追加されることはないものとする。また、時間
的刻みを改めて入力し直したい場合には、タップスイッ
チ207を押しながらプレイスイッチ204を押すこと
で、前に入力した時間的刻みが全て消去され、再び再生
しながらのタップ入力が可能となるものとする。変形例
に関しては後述する。
【0036】尚、[拍子の種類]も入力し直すことが可
能である。[拍子の種類]の分母(音符の種類)は、小
節の区切り方に影響しないので、無条件に修正可能であ
る。即ち、「3/8」を「3/4」と修正しても他の小
節への影響はない。テンポは自動的に計算し直され、新
たな値が表示される。分子(音符が1小節内に何個ある
かを示す数)に関しては、小節の区切り方の変更が必要
となる。修正を行なった小節以降の小節は、全て改めて
小節が区切り直される。即ち、「3/8」を「5/8」
と修正した場合は、修正された小節以降の小節は全て
「5/8」拍子とみなされて小節が区切られる。
【0037】さて、プレイスイッチ204あるいはプレ
ビュースイッチ205が押された場合には、オリジナル
タイム(あるいはオリジナルテンポ)の、カーソルのあ
る拍から楽音波形データが再生される。即ち、カーソル
のある拍に対応するアドレスから読み出しが開始され
る。例えば、図13の5小節目の3拍目であるオリジナ
ルタイム「00:00:07:200」にカーソルがあ
ったとすれば、この値はms単位で7200であるた
め、読み出しが開始されるアドレスは7200*48
(*はかけ算を表わす)になる。カーソルは再生と並行
して移動し、再生している拍に対応するオリジナルタイ
ム(あるいはオリジナルテンポ)上に常にある。
【0038】プレビュースイッチ205は、押されてい
る間のみ楽音波形データを再生し、離されると再生を停
止するとともに、ポインタをプレビュースイッチ205
が押される前のアドレス位置に戻す。従って、プレビュ
ースイッチ205の操作のみで、同じ拍から何度も繰り
返し再生することが容易に行なえるので、オリジナルタ
イムが適切に入力されているか否か、即ち、楽音波形デ
ータに対して適切な位置に時間的刻みを入れることがで
きたかどうかを確かめるのに有効である。拍はアタック
感を持つ場合が多いので、本実施の形態におけるように
拍に対応して時間的刻みを入れている場合には、もし仮
に拍と時間的刻みがずれていたとすると、その拍から再
生したときにアタック感がなかったり、アタックがずれ
て聴こえたりするはずである。従って、修正が必要であ
ることが認識し易い。
【0039】次に、各拍の時刻を示すオリジナルタイム
における楽音波形データを他の時刻に移動させたい場合
にチェンジ用タイムを入力する。チェンジ用タイム(C
hg_ Time)の入力方法は、オリジナルタイムの修
正方法と全く同じである。即ち、現時点では図13に示
すチェンジ用タイムにはオリジナルタイムと同じ値が表
示されているので、チェンジ用タイムの、変更したい値
の位置にカーソルを移動して、増減ダイヤル208を回
転させて所望の値を入力する。図13の右に示す*が付
いている行のチェンジ用タイムを修正すると、それら行
のチェンジ用タイムは、例えば、図14に示すチェンジ
用タイムになる。
【0040】図14は、図13に示すチェンジ用タイム
が修正された時点におけるビートリストを示す図であ
る。チェンジ用タイムの修正に伴い、チェンジ用テンポ
も再計算され、修正値が表示される。尚、上述したオリ
ジナルタイムの修正方法と同じ方法でチェンジ用タイム
を入力する方法に代えて、例えば、下記の方法によりチ
ェンジ用タイムを入力してもよい。
【0041】1)操作者の感覚に基づいて、所望のテン
ポで拍毎にタップスイッチ207を押してチェンジ用タ
イムを入力する方法。 2)指定した区間を指定したテンポで自動的にリストを
作成する方法。 3)あらかじめ作成された所定の小節間のチェンジ用タ
イムのリストあるいはテンポのリストを、指定した小節
へコピーする方法。
【0042】チェンジ用タイムの入力後、エンタースイ
ッチ209が押されると、録音された楽音波形データ
が、拍によって区切られた各断片毎に、オリジナルタイ
ムとチェンジ用タイムとに基づいた圧縮率、伸長率で時
間軸方向に対して圧縮、伸長処理される。図15は、楽
音波形データを圧縮、伸長するルーチンのフローチャー
トである。
【0043】エンタースイッチ209が押されるとこの
ルーチンが起動され、先ずステップS1において、ポイ
ンタnに0を代入して、ウェーブRAM105の、先頭
の拍のデータを指定する。また、チェンジ用データを格
納するために、ウェーブRAM105のチェンジ用ウェ
ーブRAMエリアに最初のアドレス、即ちチェンジ用デ
ータ格納開始アドレス(chg_ strt_ adrs)
を設定する。
【0044】次にステップS2に進み、ポインタnの指
した拍のオリジナルタイムOrg_Time[n]とそ
の次の拍のオリジナルタイムOrg_ Time[n+
1]との時間差をオリジナルの1拍の長さOrg_ le
ngthとして求め、ステップS3に進む。ステップS
3において、ポインタnの指した拍のチェンジ用タイム
Chg_ Time[n]とその次の拍のチェンジ用タイ
ムChg_ Time[n+1]との時間差をチェンジ用
の1拍の長さChg_ lengthとして求め、ステッ
プS4に進む。ステップS4ではポインタnの指してい
る拍のオリジナルの1拍の長さOrg_ lengthと
チェンジ用の1拍の長さChg_ lengthとを比較
する。比較した結果、オリジナルの1拍の長さOrg_
lengthとチェンジ用の1拍の長さChg_ len
gthとが同じであると判定されると圧縮も伸長も不要
のため、ステップS5に進む。ステップS5において、
オリジナルウェーブRAMエリアの、オリジナルタイム
Org_ Time[n]×48で指定されるアドレスの
データからその次の拍のオリジナルタイムOrg_ Ti
me[n+1]×48−1で指定されるアドレスのデー
タまでを、チェンジ用ウェーブRAMエリアの、チェン
ジ用タイムChg_ Time[n]×48+chg_st
rt _adrsで指定されるアドレスからその次の拍の
チェンジ用タイムChg_ Time[n+1]×48−
1+chg_strt _adrsで指定されるアドレスま
での区間にコピーしてステップS8に進む。
【0045】一方、ステップS4において、オリジナル
の1拍の長さOrg_ lengthとチェンジ用の1拍
の長さChg_ lengthとが異なると判定されると
ステップS6に進む。ステップS6において、オリジナ
ルの1拍の長さOrg_ lengthとチェンジ用の1
拍の長さChg_ lengthとの比率strc_ ra
tio(Chg_ length/Org_ lengt
h)を求め、ステップS7に進む。ステップS7におい
て、求めた比率strc_ ratioに基づいて、オリ
ジナルウェーブRAMエリアの、オリジナルタイムOr
g_ Time[n]×48で指定されるアドレスからそ
の次の拍のオリジナルタイムOrg_ Time[n+
1]×48−1で指定されるアドレスまでのデータにつ
いて圧縮もしくは伸長の演算処理を行ない、チェンジ用
ウェーブRAMエリアの、チェンジ用タイムChg_ T
ime[n]×48+chg_strt _adrsで指定
されるアドレスからその次の拍のチェンジ用タイムCh
g_ Time[n+1]×48−1+chg_ strt
_ adrsで指定されるアドレスまでの区間に格納す
る。尚、ステップS7における圧縮もしくは伸長の演算
処理の詳細例については後述する。
【0046】次にステップS8に進み、ポインタnをイ
ンクリメントする。次にステップS9に進み、ワークR
AM105の、ポインタnで指すBeatが‘0’か否
かを判定する。Beatが‘0’でないと判定されると
ステップS2に戻る。一方、Beatが‘0’であると
判定されると、楽音波形データが終了したため、このル
ーチンを終了する。
【0047】図16は、オリジナルウェーブRAMエリ
アの楽音波形データと、そのデータが圧縮もしくは伸長
されてチェンジ用ウェーブRAMエリアに転送された後
のデータとの比較を示した図である。図の上半分にオリ
ジナルの楽音波形aが示されている。この楽音波形aは
各小節の拍毎に区切られ、それらの拍に順番にポインタ
番号n(n=0,1,…,12)が付せられている。こ
の楽音波形aに基づく楽音波形データは、オリジナルウ
ェーブRAMエリアに格納されている。また、図の下半
分に楽音波形bが示されている。この楽音波形bは、楽
音波形aの各部分毎に圧縮,伸長等を行うことにより得
られた波形である。楽音波形bのデータは、チェンジ用
ウェーブRAMエリアに格納されている。また、楽音波
形bの開始アドレス(chg_ strt_ adrs)
は、オリジナルウェーブRAMエリアが終了したアドレ
スの次のアドレスを示している。
【0048】楽音波形aの1小節目の1拍目にあたるa
1 に対して圧縮も伸長も行なわれず、楽音波形bの1小
節目の1拍目にあたるb1 が得られたとする。この場
合、楽音波形aの部分a1 のデータの個数{Org_T
ime[1]−Org_Time[0]}×48と、楽
音波形bの部分b1 のデータの個数{Chg_Time
[1]−Chg_Time[0]}×48とは等しい。
これは、圧縮も伸長も行なわれず、データが不変である
場合の例である。
【0049】一方、楽音波形aの部分ai における楽音
波形データは圧縮されて楽音波形bの部分bi に格納さ
れているため、楽音波形bの部分bi における楽音波形
データは、楽音波形aの部分ai における楽音波形デー
タよりも少なくなっている。一方、楽音波形aの部分a
j における楽音波形データは伸長されて楽音波形bの部
分bj に格納されているため、楽音波形bの部分bj
おける楽音波形データは、楽音波形aの部分aj におけ
る楽音波形データよりも多くなっている。このように楽
音波形aの各部分毎(拍毎)に、それぞれ、不変、圧
縮、伸長されて所望の楽音波形bが得られている。
【0050】図17は、タイミングがずれた演奏を修正
するときの表示画面の例を示した図である。演奏された
楽曲のうち、図17に示すオリジナルタイム(Org_
Time)の1小節の4拍目の拍が100msecずれ
ている。そこでチェンジ用タイム(Chg_ Time)
を均等なテンポで入力し、チェンジ用タイム(Chg_
Time)の1小節の4拍目の拍を修正した後、その4
拍目と直前の3拍目とに対して、それぞれ100mse
c分の伸長処理および圧縮処理を実行するとずれが修正
された楽音波形データの再生ができる。
【0051】図18は、拍が均等なジャストの演奏を、
スイングした演奏に変更するときの表示画面の例を示し
た図である。演奏された楽曲は、図18に示すオリジナ
ルビートリストに示すように拍が均等なジャストのタイ
ミングであるが、チェンジ用タイム(Chg_ Tim
e)は、偶数拍を8分音符の1/3だけ後ろへずらし
て、圧縮もしくは伸長処理を実行するとスイングした楽
音波形データを再生することができる。
【0052】図19は、楽音波形データを圧縮する方法
の一例を示した図である。時間長Lのオリジナル波形デ
ータがあったとする。本実施の形態における、拍で区切
られた1つの区間がこれにあたる。これをL’(<L)
の長さに時間軸方向に圧縮する場合を考える。オリジナ
ル波形データを時間長b(例えば100ms程度)のn
個の断片A1,A2 ,A3 …,An に分ける。ただし、
最後の断片An は半端になるので、その時間長はbより
も短いb’とする。
【0053】最後のAn を除く(n−1)個の断片A
1 ,A2 ,A3 ,…,An-1 の後半部を時間長yだけ切
り捨てて残った断片B1 ,B2 ,B3 ,…,Bn-1 と最
後の断片An とをそれぞれ時間長f(例えば10ms程
度)だけ(n−1)箇所でクロスフェードさせて読み、
全体として時間長L’になればよい。なお、最後の断片
n に関しては切り捨てを行なわないことにする。
【0054】Lから、yを(n−1)個分とfを(n−
1)個分、それぞれ減算した結果がL’になればよいの
で、 L−y*(n−1)−f*(n−1)=L’ これをyについて解き、 y={(L−L’)−f*(n−1)}/(n−1) を得る。各断片から切り捨てる時間長yは、上式に基づ
いて決定すればよい。
【0055】最後の断片An を除く(n−1)個の断片
1 ,A2 ,A3 ,…,An-1 の後半部を、上述した時
間長yだけ切り捨てて得られた(n−1)個の断片B
1 ,B 2 ,B3 ,…Bn-1 と最後の断片An とを、時間
長fだけ(n−1)箇所でクロスフェードさせて読んで
いけば、波形データの時間長は、 (b−y)*(n−1)+b’−f*(n−1) =b*(n−1)+b’−y*(n−1)−f*(n−1) =L−{(L−L’)−f*(n−1)}−f*(n−1) =L’ となり、時間長L’(<L)の波形データに圧縮される
ことになる。
【0056】このようにして、データの一部を切り捨て
て読み、つなぎ目をクロスフェードさせることにより、
波形データの圧縮が行なわれる。図20は、楽音波形デ
ータを伸長する方法の一例を示した図である。時間長L
のオリジナル波形データがあったとする。本実施の形態
における、拍で区切られた1つの区間がこれにあたる。
これをL’(>L)の長さに時間軸方向に伸長する場合
を考える。
【0057】オリジナル波形データを時間長b(例えば
100ms程度)のn個の断面A1,A2 ,A3 ,…,
n に区切る。ただし、最後の断片An は半端なので、
その時間長はbよりも短いb’とする。断片A1 ,A
2 ,A3 ,…を読んでいくにあたり、最後の断片An
除く(n−1)個の各断片A1 ,A2 ,A3 ,…,A
n-1 に対して、終わりの部分を時間長xだけ重複して読
む。つまり、断片A1 の、終わりの時間長xの部分,断
片A 2 の、終わりの時間長xの部分,…,断片An-1
の、終わりの時間長xの部分の合計(n−1)箇所をだ
ぶらせて読んでいく。より詳細に説明すると、断片A1
→→(断片A1 の、終わりの時間長xの部分)→断片A
2 →→(断片A2 の、終わりの時間長xの部分)→…→
断片An-1 →→(断片An-1 の、終わりの時間長xの部
分)→断片An の順に読んでいく。→→で示したつなぎ
目がクロスフェードされる。最後の断片An に関しては
重複して読まないことにする。
【0058】時間長Lに、重複して読まれる分であるx
を(n−1)個分加え、圧縮の場合と同様にクロスフェ
ードさせる分であるf(例えば10ms程度)を(n−
1)個分引いた結果がL’になればよいので、 L+x*(n−1)−f*(n−1)=L’ これをxについて解き、 x={(L’−L)+f*(n−1)}/(n−1) を得る。重複させて読む時間長xは、上式に基づいて決
定すればよい。
【0059】各断片A1 ,A2 ,A3 ,…,An に対し
て、(断片A1 の、終わりの時間長xの部分)+断片A
2 を断片B2 、(断片A2 の、終わりの時間長xの部
分)+断片A3 を断片B3 、…、(断片An-1 の、終わ
りの時間長xの部分)+断片A n を断片Bn とおく。最
初の断片A1 と断片B2 、断片B2 と断片B3 、…、お
よび断片Bn-1 と断片Bn を、時間長fだけ(n−1)
箇所でクロスフェードさせて読んでいけば、波形データ
の時間長は、 (b+x)*(n−1)+b’−f*(n−1) =b*(n−1)+b’+x*(n−1)−f*(n−1) =L+{(L’−L)+f*(n−1)}−f*(n−1) =L’ となり、時間長L’(>L)の波形データに伸長される
ことになる。
【0060】このようにして、データの一部を重複して
読み、つなぎ目をクロスフェードさせることにより、波
形データの伸長が行なわれる。尚、本実施の形態では、
各区間毎にオリジナルタイム(時刻)とチェンジ用タイ
ム(時刻)とを入力し、これらに基づいてその区間のオ
リジナルの時間長とチェンジ用の時間長とを求め、これ
らの比較により圧縮/伸長の比率を決めるようにした
が、各区間毎にオリジナルテンポとチェンジ用のテンポ
を入力するようにし、これらの比較により圧縮/伸長を
求めるようにしてもよい。この場合、例えばある区間の
オリジナルテンポが100、チェンジ用テンポが120
である場合にはその区間の波形データを100/120
=約83パーセントに時間軸方向に圧縮すればよい。
【0061】なお、オリジナル波形データに時間的刻み
を入力した直後で小節毎に区切る前の段階、即ち[図
7]の段階に於いては、波形データに対して入力した時
間的刻みを一部追加したり削除したりすることが可能な
構成にしてもよい。また、オリジナル波形データを小節
毎に区切った後の段階、即ち[図8]〜[図14]の段
階においては、波形データに対して入力した時間的刻み
を、区切りが確定した小節単位で一旦削除し、タップ入
力などの方法で改めて入力し直すことが可能な構成にし
てもよい。
【0062】また本実施の形態では拍を単位として圧縮
/伸長するようにしたが、これ以外の単位でもよい。例
えば小節を単位としてもよいし、100mSなどの所定
時間を単位としてもよい。あるいは全く単位を設けず任
意の位置で楽音波形データを区分するようにしてもよ
い。また楽音波形データの先頭から最後までを圧縮/伸
長の対象としたが、圧縮/伸長の対象は任意の箇所のみ
でもよい。
【0063】さらに本実施の形態では楽音波形データを
対象としたがこれ以外の、例えばセリフ等の波形データ
に本発明を適用してもよい。また、外部のMIDI機器
からMIDIクロックを入力するようにした場合には、
チェンジ用タイムを、入力されるMIDIクロックに合
わせて自動的に設定する構成にしてもよく、そのように
構成すれば、楽音波形データの再生とシーケンサーなど
の外部MIDI機器の同期再生が容易に行なえる。この
場合、MIDIクロック24個が4分音符として定義さ
れているので楽音波形データの先頭に対応するタイミン
グからのMIDIクロックの個数を計数することで拍を
特定することができ、さらに楽音波形データの先頭に対
応するタイミングからそのMIDIクロックが入力され
るまでの経過時間に基づきチェンジ用タイムを設定する
ことができる。
【0064】あるいは逆にチェンジ用タイムに対応する
チェンジ用テンポに応じて、外部のMIDI機器に送出
するMIDIクロックの周期を自動的に設定する構成に
してもよく、そのように構成すれば、楽音波形データの
再生とシーケンサーなどの外部のMIDI機器との同期
再生が容易に行なえる。また、オリジナルタイムに対応
するオリジナルテンポに応じて送出するMIDIクロッ
クの周期を自動設定してもよく、オリジナルの波形デー
タと時間軸方向への圧縮伸長後の波形データのどちらに
シーケンサーなどの外部MIDI機器を同期させるかは
任意である。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の波形圧縮
伸長装置では、時間的に変化する波形の各部分それぞれ
について時間軸方向への圧縮/伸長を容易に行なうこと
ができる。このため、例えば、その波形データが音楽的
要素である小節、拍の概念を含むものであれば、任意の
小節または任意の拍毎にテンポを変えて楽曲の感じ(雰
囲気、ノリ、グルーブ)を容易に変更することができ
る。また、演奏のタイミングが思い通りになっていない
場合、演奏のタイミングをずらして、容易に修正でき
る。さらに、録音された曲のある区間の長さを変えて、
楽曲の任意のタイミングの位置を任意の時間へ合わせ込
むことも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、一実施形態としての波形圧縮伸長装
置の回路構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示す波形圧縮伸長装置の操作子を示す図
である。
【図3】ウェーブRAMの構成を示した図である。
【図4】図1に示す表示器110における表示画面の例
を示した図である。
【図5】図4に示す表示画面の表示例と同じ形式のリス
トを示す図である。
【図6】ワークRAM内の、図5に示すリストに対応す
るデータ構造を示す図である。
【図7】図1に示す表示器110における表示画面の、
タップが終了した時点における表示例を示した図であ
る。
【図8】1小節目の[拍子の種類]欄に[4/4]が入
力された時点におけるビートリストを示す図である。
【図9】2小節目の[拍子の種類]欄に[3/8]が入
力された時点におけるビートリストを示す図である。
【図10】3小節目の[拍子の種類]欄に[2/2]が
入力された時点におけるビートリストを示す図である。
【図11】4小節目の[拍子の種類]欄に[4/4]が
入力された時点におけるビートリストを示す図である。
【図12】5小節目の[拍子の種類]欄に[5/8]が
入力された時点におけるビートリストを示す図である。
【図13】6小節目の[拍子の種類]欄に[4/4]が
入力された時点におけるビートリストを示す図である。
【図14】図13に示すチェンジ用タイムが修正された
時点におけるビートリストを示す図である。
【図15】楽音波形データを圧縮、伸長するルーチンの
フローチャートである。
【図16】オリジナルウェーブRAMエリアの楽音波形
データと、そのデータが圧縮もしくは伸長されてチェン
ジ用ウェーブRAMエリアに転送された後のデータとの
比較を示した図である。
【図17】タイミングがずれた演奏を修正するときの表
示画面の例を示した図である。
【図18】拍が均等なジャストの演奏を、スイングした
演奏に変更するときの表示画面の例を示した図である。
【図19】楽音波形データを圧縮する方法の一例を示し
た図である。
【図20】楽音波形データを伸長する方法の一例を示し
た図である。
【符号の説明】
101 ROM 102 ワークRAM 103 発振器 104 A/Dコンバータ 105 ウェーブRAM 106 DMA 107 D/Aコンバータ 108 CPU 109 操作子 110 表示器 201 レコードスイッチ 202 ストップスイッチ 203 ゼロスイッチ 204 プレイスイッチ 205 プレビュースイッチ 206 カーソル移動スイッチ 207 タップスイッチ 208 増減ダイヤル 209 エンタースイッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間的に変化する波形上の複数の点の、
    時間軸上の各位置情報が記入されてなる第1の時間情報
    リストを作成する第1の時間情報リスト作成手段と、 前記第1の時間情報リストに記入された前記複数の点の
    時間軸上の各位置情報と比べ少なくとも1つの点の時間
    軸上の位置情報が異なる第2の時間情報リストを作成す
    る第2の時間情報リスト作成手段と、 前記波形が前記複数の点それぞれで順次区切られてなる
    各部分波形を、該各部分波形毎に、前記複数の点の時間
    軸上の各位置が前記第2の時間情報リストに記入された
    前記複数の点の時間軸上の各位置情報に合致するよう
    に、時間軸方向に圧縮もしくは伸長する圧縮伸長演算手
    段とを備えたこと特徴とする波形圧縮伸長装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の点は、前記波形のレベルピー
    ク点であることを特徴とする請求項1記載の波形圧縮伸
    長装置。
  3. 【請求項3】 前記波形が楽音波形であって、前記複数
    の点が、前記楽音波形の音楽的区切りの点であることを
    特徴とする請求項1記載の波形圧縮伸長装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の時間情報リスト作成手段が、
    前記第1の時間情報リスト作成手段により作成された第
    1の時間情報リストを基に、該第1の時間情報リストに
    記入された前記複数の点の時間軸上の各位置情報のうち
    少なくとも1つの点の時間軸上の位置情報を変更記入す
    ることにより、前記第2の時間情報リストを作成するも
    のであることを特徴とする請求項1記載の波形圧縮伸長
    装置。
  5. 【請求項5】 時間的に変化する楽音波形上の複数の点
    それぞれで区切られてなる各部分波形毎のテンポ情報が
    記入された第1のテンポ情報リストを作成する第1のテ
    ンポ情報リスト作成手段と、 前記第1のテンポ情報リストに記入された前記各部分波
    形のテンポ情報と比べ少なくとも1つの部分波形のテン
    ポ情報が異なる第2のテンポ情報リストを作成する第2
    のテンポ情報リスト作成手段と、 前記各部分波形を、該各部分波形毎に、該各部分波形の
    テンポが前記第2のテンポ情報リストに記入された該各
    部分波形のテンポ情報に合致するように、時間軸方向に
    圧縮もしくは伸長する圧縮伸長演算手段とを備えたこと
    を特徴とする波形圧縮伸長装置。
  6. 【請求項6】 前記第2のテンポ情報リスト作成手段
    が、前記第1のテンポ情報リスト作成手段により作成さ
    れた第1のテンポ情報リストを基に、該第1のテンポ情
    報リストに記入された前記各部分波形のテンポ情報のう
    ち少なくとも1つの部分変形のテンポ情報を変更記入す
    ることにより、前記第2のテンポ情報リストを作成する
    ものであることを特徴とする請求項1記載の波形圧縮伸
    長装置。
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