JPH09145314A - 光てこ式変位検出器 - Google Patents

光てこ式変位検出器

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JPH09145314A
JPH09145314A JP7299703A JP29970395A JPH09145314A JP H09145314 A JPH09145314 A JP H09145314A JP 7299703 A JP7299703 A JP 7299703A JP 29970395 A JP29970395 A JP 29970395A JP H09145314 A JPH09145314 A JP H09145314A
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JP
Japan
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light
optical
incident
displacement
light source
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JP7299703A
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English (en)
Inventor
Katsushi Nakano
勝志 中野
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光てこ用の光学系において、迷光がポジショ
ンセンサーに入射したり、レーザーの様な物質を励起し
て発光する光源がモードホップを起こしたりすることを
防ぎ、安定して動作する光てこ式変位検出器を提供す
る。 【解決手段】 光源と、光を反射する反射面を有し、物
理的環境の変化に応じ反射面が変位する変位部と、光源
からの光が入射する面と、光源からの光を変位部の方向
へ射出しかつ変位部の反射光を入射する面と、変位部の
反射光が射出する面との3面を有した光分配器と、変位
部と光分配器との間の光路上に設けられ、変位部と光分
配器との間の光路上に設けられ、光分配器から射出した
光を入射する面への光分配器から光の入射角が90度未
満である光学部材を有した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光てこ法を用いて変位
検出を行う変位検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、試料表面に探針を近づけて2次元
平面内で走査し、試料と探針との間に作用するトンネル
電流や原子間力などを検出することにより試料表面の微
細構造を観察する走査型プローブ顕微鏡の開発、改良が
盛んに行われている。一般に、原子間力顕微鏡において
用いられている原子間力の検出方法は、光てこ法が用い
られている。ここで図4において、光てこの倍率を説明
する。
【0003】光てこ倍率は次式で与えられる。 てこ倍率=2LCOSθ/l ここで、Lはカンチレバーから検出器までの光路長、θ
はレーザー光のカンチレバーへの入射角、lはカンチレ
バーの長軸の長さを示す。ここで、光てこ倍率を最大に
するには、レーザー光はカンチレバーに対しほぼ直角に
入射させれば良い。
【0004】しかし、レーザー光をカンチレバーに対し
垂直に入射させると、カンチレバー上で反射したレーザ
ー光は、入射光と同じ光路を戻ってしまいポジションセ
ンサーに入射させることができない。そこで、偏光の性
質を使い、反射光のみを反射させて取り出し、ポジショ
ンセンサーに入射させる方法がある(M. Hipp, H. Biel
efeldt, J. Colchero, O. Marti and J. Mlynek, Ultra
microscopy 42-44 (1992) 1498-1503, A stand alone s
canning force and frincion microscope,)。この従来
の方法を図3(a)に示す。半導体レーザーダイオード
31により発生されたレーザー光は、コリメートレンズ
32により平行光となり、スリット33により、周辺部
の不要な光がカットされ、偏光ビームスプリッター34
に入射する。半導体レーザーダイオード31により発生
させられるレーザー光は直線偏光しているため、半導体
レーザーの偏波面をS偏光に合わせておくことにより、
レーザー光は、偏光ビームスプリッター34を透過す
る。透過したレーザー光は、λ/4板35を通過する際
に円偏光となり、集光レンズ36により、カンチレバー
37裏面に集光される。カンチレバー37にほぼ垂直に
入射したレーザー光は、カンチレバー37裏面で反射さ
れ、入射光の光路を逆戻りし、集光レンズ36により再
び平行光となり、λ/4板35を通過する。その際、円
偏光だったレーザー光は、直線偏光となり、しかもその
偏波面は、入射のレーザー光と直交する。つまり、カン
チレバー37を反射してきたレーザー光は、P偏光とな
り、偏光ビームスプリッター34により反射され、ポジ
ションセンサー38に入射する。この様にして、カンチ
レバー37の反射面に対して垂直に光を入射させること
ができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様にカンチレバーへの入射光とカンチレバーからの反射
光とがほぼ同じ光路を通る場合、カンチレバー37から
の反射光だけでなく、λ/4板35などの表面からの反
射光も、偏光ビームスプリッター34により反射されて
ポジションセンサー38に入射されてしまうという欠点
がある。このλ/4板35の反射光は、迷光としてポジ
ションセンサー38に照射されてしまう。
【0006】この時のポジションセンサー38の受光面
上に入射する迷光のスポットとカンチレバー7裏面から
の反射光のスポットを図3(b)に示す。このように、
迷光がポジションセンサー38に入射すると、バックグ
ランドノイズとなるだけでなく、迷光のスポットと、カ
ンチレバーからの反射光のスポットとが重なりあい、迷
光とカンチレバーからの反射光とが干渉を起こす。
【0007】そして、カンチレバー37の撓み量が変化
することで、カンチレバーからの反射光(以下、シグナ
ル光とする)の光路長が変化すると、迷光とシグナル光
の重なりあった部分の輝度がカンチレバー37の走査に
伴い、明るくなったり暗くなったりしてしまう。ポジシ
ョンセンサー38は、分割された受光面の各面に照射さ
れている光量を比較することにより、カンチレバーの撓
み量を検出しているため、干渉による光量の変化もポジ
ションセンサー上のシグナル光の重心の位置の変化とし
て検出してしまう。
【0008】本来ならば、シグナル光の移動は、試料形
状を反映したカンチレバーのたわみによりのみ起こるべ
きであるが、この様に迷光とシグナル光との干渉によ
り、ポジションセンサーの光量が変化してしまうため、
ポジションセンサーから出力される電気信号にカンチレ
バーの撓み量の変化によるシグナル光の重心の変化と干
渉によるアーチファクトが重畳されてしまう。したがっ
て、原子間力顕微鏡から得られる観察像にノイズが出て
しまう。
【0009】また更に、光源としてレーザーの様に物質
を励起して、発光させる光源を用いた場合には、次のよ
うな現象が起こる。カンチレバーからの反射光の一部が
光源に戻り、更に、カンチレバーと光源との間に設けら
れた光学部材から反射される反射光も光源に戻る。この
とき、カンチレバーからの反射光と光学部材からの反射
光とが干渉を引き起こす。そして、カンチレバーの撓み
量が変位するとこの2つの反射光同士の干渉に変化がお
き、光源に入射した光の強度が変化してしまう。このカ
ンチレバーの撓み量の変化による光源に入射した光の強
度のゆらぎにより、モードホップと呼ばれる現象を引き
起こしてしまう。このモードホップとは、次のことであ
る。レーザーダイオード内のキャビティー内には、誘導
放射による定在波である電磁場の共振モードが立ってい
る。そのモードが、外乱により別のモードホップしてし
まうのが、モードホップである。
【0010】図3の様にカンチレバー37への入射光と
カンチレバー37の反射光の光軸が非常に近い場合、偏
光特性の違いを利用して偏光ビームスプリッターを用い
て光を分離している。だが、偏光ビームスプリッターの
消光比は、だいたい1000:1程度であるので、カン
チレバーからの一部の反射光は、偏光ビームスプリッタ
ーを透過し、レーザーダイオードに戻ってしまう。
【0011】このカンチレバーからの光に各種光学部材
からの反射光が干渉し合い、カンチレバーの撓み量の変
化により、上記の様にモードホップが起こる。このモー
ドホプによって、レーザー光の波長が変化するばかりで
なく、レーザー光の指向性も変化してしまう。その結
果、ポジションセンサーに入射するシグナルのスポット
の位置も動いてしまう。
【0012】よって、本発明の目的は、光てこ用の光学
系において、迷光がポジションセンサーに入射したり、
または、レーザーの様な物質を励起して発光する光源が
モードホップを起こすことを防ぐことで安定して動作す
る原子間力顕微鏡を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、光源と、光を反射する反射面を有し、物
理的環境の変化に応じ反射面が変位する変位部と、すく
なくとも光源からの光が入射する面と、光源からの光を
変位部の反射面へ射出しかつ変位部からの反射光を入射
する面と、変位部からの反射光が射出する面との3面を
有した光分配器と、変位部と光分配器との間の光路上に
設けられ、光分配器から射出した光の光軸に対して入射
面が傾いて固定されている光学部材を有しており、光学
部材から反射される光が光分配器から変位部の方へ射出
された光軸と同じ光軸に成らないようにした(請求項1
の発明)。また、更に光分配器に入射された変位部から
の反射光が射出する光軸上に、複数に分割された受光面
を有した光検出器を備え、光検出器のそれぞれの受光面
に照射される光量を比較することで、変位部の変位量を
検出した(請求項2の発明)。また変位部については、
一端が支持された可撓性の片持ち梁構造を有し、更に片
持ち梁構造の他端でかつ反射面とは反対側の面に探針を
有した原子間力顕微鏡用変位部を備えた(請求項3の発
明)。また、光分配器は、光源から射出された光のう
ち、ある偏光を有した光を透過しかつある偏光とは異な
る偏光を有する光を反射する偏光ビームスプリッターと
した(請求項4の発明)。更に光学部材については、複
数備えられ、その一つとしてλ/4板を設けた(請求項
5の発明)。更に、光学部材での光分配器から変位部の
方向へ射出される光の入射面の法線の方向と、光分配器
から変位部の方向へ射出される光の光軸の方向が異なる
こととした(請求項6の発明)。
【0014】また、本発明では、封入された物質を励起
して発光する光源と、光源の光を反射する反射面を有
し、物理的環境の変化に応じ反射面が変位する変位部
と、光源と変位部との間の光路中に設置された光学素子
の光源からの光の入射面が、光源から光軸に対して傾き
を有していることとし、光学素子からの反射光が光源か
らの光軸と同じ光軸を通って光源に入射しないようにし
た(請求項7の発明)。また、光学素子は、光源から射
出された光のうち、ある偏光を有した光を透過しかつあ
る偏光とは異なる偏光を有する光を反射し、すくなくと
も光源からの光が入射する面と、光源からの光を変位部
の反射面へ射出しかつ変位部からの反射光を入射する面
と、変位部からの反射光が射出する面との3面を有した
偏光ビームスプリッターであることとし、光源からの入
射光の偏光と変位部を反射した入射光の偏光の違いで、
一方は透過させ、一方は反射されてそれぞれの光軸方向
が異なるようにした(請求項8の発明)。また、光学素
子と変位部との間に光の偏光を変化させるλ/4板を備
え、光学素子から射出された光軸の方向と光学部材λ/
4板の入射面の法線方向とが異なるることとした(請求
項9の発明)。更に変位部は、一端が支持された可撓性
の片持ち梁構造を有し、更に前記片持ち梁構造の他端で
かつ反射面とは反対側の面に探針を有したことで、原子
間力顕微鏡の光てこ式変位検出器として用いた(請求項
10の発明)。また、光源については、レーザーダイオ
ードであることとした(請求項11の発明)以上の発明
で、課題を解決することを試みた。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態である
変位検出器を原子間力顕微鏡に用いた例を挙げて説明す
る。図1は、本発明にかかる光てこ式検出器の一実施の
形態の概念構成図である。この変位検出器は、光源に半
導体レーザーダイオード1を用い、コリメートレンズ2
と、スリット3と、偏光ビームスプリッター4と、λ/
4板5と、集光レンズ6と、カンチレバー7と、ポジシ
ョンセンサー10により構成されている。本実施の形態
では、偏光ビームスプリッター4及び、λ/4板5は、
半導体レーザーダイオード1から入射する光軸から5度
傾けて配置されている。そして、カンチレバー7には集
光レンズ6によって集光された光を反射する反射面を有
しており、かつその反射面の反対側には、探針8を有し
ており、探針と試料表面との間に生じる原子間力の変化
によりカンチレバー7の撓み量が変化する。また、カン
チレバー7の撓み量が変化することによりカンチレバー
7に設けられた反射面の角度が変化する。ちなみに、本
実施の形態では、探針8に原子間力が生じていないとき
には、カンチレバー7の反射面に対して垂直に集光レン
ズからの光を受けるようにしている。
【0016】ところで、この様な構成を有した半導体レ
ーザーダイオード1から射出された光は、コリーメート
レンズ2によって、平行光束にされる。そして、スリッ
ト3を通過して偏光ビームスプリッター4に照射され
る。半導体レーザーダイオード1から放射される光はp
偏光であるため、偏光ビームスプリッター4に照射され
た光は偏光ビームスプリッター4を透過する。そして、
偏光ビームスプリッター4を透過して射出した光は、λ
/4板5を透過する。このとき、λ/4板5を透過した
際に、光は円偏光に変わる。そして、円偏光に変化した
光は、集光レンズ6により集光されて、カンチレバー7
に照射される。カンチレバー7に照射された光はカンチ
レバー7の撓み量により光軸が変化して反射される。そ
して、反射された光は、集光レンズ6を通過し、λ/4
板5でs偏光に変化する。そして、s偏光に変化した光
は、偏光ビームスプリッター4に照射され、偏光ビーム
スプリッターに形成された薄膜により入射した光軸に対
して異なる方向に反射される。そして、その光は4分割
に受光面が分割されたポジションセンサー10に入射す
る。
【0017】次に、偏光ビームスプリッター4及び、λ
/4板5表面からの反射によって発生する迷光について
説明する。本実施の形態では、偏光ビームスプリッター
4及び、λ/4板5は、光軸から5度傾けて配置されて
いる。そのため、まず偏光ビームスプリッター4の上側
表面からの反射による迷光9aは、偏光ビームスプリッ
ター4に入射する光軸と10度の角をなし、一部はスリ
ット3を通過し、コリメートレンズ2により集光され
る。この集光点は、迷光9aが10度傾いているため、
レーザーダイオード1の出射点とは離れた場所に集光さ
れる。またλ/4板5の表面の反射による迷光9bも、
λ/4板5に入射した光軸と10度の角をなし、一部は
偏光ビームスプリッター4を通過するが、スリット3に
よりさえぎられる。また迷光の一部は偏光ビームスプリ
ッター4により反射される(9c)。しかしこの迷光9
cもポジションセンサー10に入射するシグナルの光軸
と10度をなすため、迷光9cが、ポジションセンサー
10に入射するのを防げる。また、上記2つの光学素子
の間を多重反射した光は、光軸からより離れてゆき、や
はりレーザーダイオード1やポジションセンサー10に
入射しない。
【0018】次に以上の発明の実施の一形態の光てこ式
変位検出器を用いた原子間力顕微鏡について説明する。
図2は、本発明にかかる原子間力顕微鏡用の光てこ法の
実施例の斜視図である。この原子間力顕微鏡には、X方
向用圧電駆動部材100と、Y方向用圧電駆動部材10
1がブロック104と、ヒンジ103cを介して直角に
固定されている。さらに、圧電駆動部材100、101
は、ヒンジ103a、103bを介して支持基板50に
固定されている。また、Z方向用圧電駆動部材102
は、X,Y方向用圧電駆動部材100、101に対し直
角にブロック104に固定されている。Z方向用圧電駆
動部材102の自由端側には、カンチレバー7が固定さ
れている。そして、X方向用圧電駆動部材100とY方
向用圧電駆動部材101をそれぞれ任意に駆動すること
により、探針8を任意の位置に移動することができる。
そして、Z方向用圧電駆動部材102を駆動することに
よって、探針8走査時に、探針8と試料との間隔を常に
一定に維持している。
【0019】また、この原子間力顕微鏡には、支持基板
50は2本のマイクロメーター51と1本の差動マイク
ロメータ53により支持されている。試料とカンチレバ
ー7との間隔はマイクロメータ51と、差動マイクロメ
ータ53の粗動ツマミ53bにより予め調整される。探
針8と試料との間隔の微調整はステッピングモータ52
を駆動することよりコントロールされる。粗動ツマミ5
3bで粗動調整が終了したら、ストッパー54で差動マ
イクロメータ53の粗動ツマミ53bをロックする。そ
して、ステッピングモータ52のシャフトは差動マイク
ロメータの微動ツマミ53aに圧着されているので、試
料と探針8との間隔を微調整する際には、ステッピング
モータ52を駆動することにより、差動マイクロメータ
53が微動される。この様にして、探針8と試料との間
隔を調整する。
【0020】また、この原子間力顕微鏡には、支持基板
6に光てこ法用の光学素子が配置されている。まずレー
ザーダイオード1はレーザーダイオード支持体25に固
定され支持基板50上に配置されている。コリメートレ
ンズ2とスリット3は、光学素子支持体24に固定され
ている。偏光ビームスプリッター4とλ/4板5は、光
学素子支持体24にそれぞれ入射する光軸に対して5度
ずつ傾けて固定されている。集光レンズ6は、支持基板
50上に直接配置されている。ポジションセンサー10
は、メカニカルステージ22cにまず固定され、メカニ
カルステージ22cはメカニカルステージ支持体22a
に固定されている。レーザー光の光軸調整のための反射
鏡20がマイクロメータ21a,bにより角度を調整可
能に支持基板50上に配置されている。また、ヒンジ1
03b上には、第1の反射鏡27が設けられている。ま
た、第2の反射鏡28は反射鏡支持体29に固定されて
おり、反射鏡支持体29はネジ104を介しブロック1
04に固定されている。反射鏡支持体29はネジ104
を中心に回転して角度を調整できる様になっている。
【0021】ところで、レーザーダイオード1から出た
光は、コリメートレンズ2、スリット3、偏光ビームス
プリッター4、λ/4板5、集光レンズ6を通過して反
射鏡20に入射される。そして反射鏡20に入射された
光は反射され、第1の反射鏡27に入射する。この第1
の反射鏡27は、レーザーダイオード1からの光を反射
して、その反射光をX方向圧電駆動部材100の伸縮方
向と平行な光軸にさせる。第1の反射鏡27は、ヒンジ
103aが屈曲する中心より、X方向用圧電駆動部材1
00側に固定されており、かつ、第1の反射鏡27のレ
ーザーダイオード1を受光し反射する部分は、丁度ヒン
ジ103aの屈曲する中心の直上になるようしている。
この様にすることで、ヒンジ103aがY方向用圧電駆
動部材101の伸縮変化によって屈曲するときに、その
屈曲した角度と同じく、反射面も同じ角度変化するよう
になっている。第2の反射鏡28は、第1の反射鏡27
から反射された光を、カンチレバー7に照射する。カン
チレバー7裏面により反射されたレーザー光は、s偏光
になっているので偏光ビームスプリッター4を介し、ポ
ジションセンサー10に入射する。このようにレーザー
ダイオード1からの光を受光する第1の反射鏡27をヒ
ンジ103aの屈曲する中心の直上に配置し、第2の反
射鏡28をX方向用駆動部材100の他端に設けたこと
で、各圧電駆動部材が駆動してカンチレバー7の位置が
変わっても、常にカンチレバー7にレーザーダイオード
1の光を照射させ、かつカンチレバー7からの反射光を
受光出来るようになった。
【0022】次に、光学系の調整法を説明する。まずマ
イクロメータ26を回すことにで、マイクロメータ26
に係接されたレーザーダイオード支持体25が、光軸方
向に移動する。この様にして、コリメーターレンズ2と
レーザーダイオード1との相対距離を変えて、カンチレ
バー7裏面にレーザー光の焦点位置を合わせることがで
きる。ところで、このマイクロメータ26はレーザーダ
イオード支持体25の角を押すようになっている。そし
て、レーザーダイオード支持体25はメカニカルなガイ
ドの一端に常に押し付けられ、機械的なガタを無くすこ
とができる。この様な高分解能を有する原子間力顕微鏡
は、外部振動などにより発生する振動が存在しても、カ
ンチレバー7に照射する光学系が振動して、測定結果に
影響が出ないように成っている。
【0023】また、カンチレバー7の反射面にレーザー
光を照射するために、反射鏡20はマイクロメータ21
a,bにより、そして、第2の反射鏡28はネジ30に
よりそれぞれ角度調整ができるようになっている。ま
た、第2の反射鏡28についてはカンチレバー7と共に
高速に走査されるため、小型で軽く、しかも振動に強い
構造とする必要があった。そのためステンレス鋼帯をコ
の字型に曲げ、その内側に第2の反射鏡28を接着し、
ブロック29に両持ちの状態で固定した。
【0024】ポジションセンサー10は、メカニカルス
テージ22cにより試料面に対して垂直方向に位置調整
を行うことができる。そして、このポジションセンサー
10の横方向の位置調整は、マイクロメータ22bによ
り行われる。マイクロメータ22bの動きに伴い、メカ
ニカルステージ支持体22aは、支持基板50と光学素
子支持体24に沿ってスライドする様になっている。こ
のように光学素子支持体24とメカニカルステージ支持
体が滑りあうように一体化されていることにより、光学
系がコンパクトになり振動などの外乱に強い。
【0025】この様な構成を有した原子間力顕微鏡で
は、偏光ビームスプリッター4表面から反射されてしま
う迷光9aは、前述の通りレーザーダイオード1の出射
端には戻らず、また、λ/4板5表面からの迷光9bは
スリット3にさえぎられ、9cはポジションセンサー1
0には入射しない。この様に、光学部材の表面から不必
要に反射された迷光がポジションセンサー9に入射する
ような場合は、偏光ビームスプリッター以降の光学部材
を入射する光軸に対して傾けることで、ポジションセン
サー10に迷光が入射する現象を防ぐことができる。ま
た、レーザーダイオード1に迷光が入射される場合は、
レーザーダイオード1とカンチレバー7との間にある光
学部材を入射光軸に対して傾けることでレーザーダイオ
ードに迷光が入射されることを防げることができる。
【0026】ところで、ポジションセンサー10やレー
ザーダイオード1に迷光が入射され、ノイズが発生して
得られる試料表面の画像の一例として、図5の様な試料
表面の形状に伴い、等高線状のアーチファクトが含まれ
てしまうという現象がある。しかしながら、本発明のよ
うにポジションセンサー10やレーザーダイオード1に
迷光が入らないようにすることで、この縞模様の発生が
抑えられた。また、本実施例のようにX方向用圧電駆動
部材100の伸縮方向と同方向にカンチレバーの撓み量
を検出する光が通っている場合、このX方向用圧電駆動
部材100が伸縮することで、この光の光路長が変化す
る。この光路長の変化により発生するアーチファクトの
発生をも解消することができた。
【0027】ところで、本発明の一実施の形態では、偏
光ビームスプリッター4と、λ/4板5をそれぞれ同じ
方向に同じ角度傾けたが、この角度は適当量であり、本
発明の目的を達成するに十分な角度であればそれで良
い。また傾ける方向も偏光ビームスプリッター4と、λ
/4板5はそれぞれ任意の方向で良い。ところで、本発
明の実施の形態では、光てこ法を用いた原子間力顕微鏡
を挙げて説明したが、本発明は他の実施の形態に適用し
ても構わない。例えば、光てこ式変位検出器を用いた表
面粗さ測定装置や、また、試料表面にレーザー光を照射
して局部的に加熱し、そのときに発生する熱膨張を、試
料表面からの反射光の変化として検出して、その試料物
質の熱膨張に関する物性を観察するための光てこ式変位
検出器に用いても構わない。
【0028】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、変位部の入
射光軸と反射光軸が近寄っている変位検出器で、光分配
器と変位部との間に設けられた光学部材を光源から来る
入射光軸に対して傾けることにより、光受光部に迷光が
照射されず、正確な光てこの変位検出が行えるようにな
った。
【0029】また、光てこ式変位検出器にレーザー光を
用いた場合には、レーザー光がレーザーダイオードに戻
ってしまいモードポップを引き起こしたり、ポジション
センサーに入射してシグナルの光と干渉してしまうのを
容易に防ぐことができるようになった。それによりカン
チレバーに光てこの検出用のレーザーをほぼ垂直に入射
させながら、原子間力顕微鏡を安定に動作させることが
できようになった。そのため理論的に最大の光てこ倍率
がえられ、さらに、カンチレバーへの入射光と反射光が
ほぼ同じ光路を通ることにより、光てこ法に使うスペー
スを節約でき、原子間力顕微鏡が小型化され、しかも光
学顕微鏡により、カンチレバーを直上から観察すること
ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本発明の実施の一形態である光てこ法を用い
た変位検出器を原子間力顕微鏡に用いたときの概念構成
【図2】:本発明の実施の一形態である光てこ式変位検
出器を用いた原子間力顕微鏡の斜視図
【図3】:従来の光てこ式変位検出器を用いた原子間力
顕微鏡の概念構成図
【図4】:光てこ式変位検出の概念図
【図5】:従来の光てこ式変位検出器を用いたときに見
られる原子間力顕微鏡画像の例
【符号の説明】
1 レーザーダイオード 2 コリメータレンズ 3 スリット 4 偏光ビームスプリッター 5 λ/4板 6 集光レンズ 7 カンチレバー 8 探針 9a,b,c 迷光 10 ポジションセンサー 20 反射鏡 21a,b、22b、26、51 マイクロメーター 22a メカニカルステージ支持体 22c メカニカルステージ 24 光学素子支持体 25 レーザーダイオード支持体 27 第1の反射鏡 28 第2の反射鏡 29 反射鏡支持体 30 ネジ 50 支持基板 52 ステッピングモーター 53 差動マイクロメーター 54 ストッパー 100 X方向用圧電駆動部材 101 Y方向用圧電駆動部材 102 Z方向用圧電駆動部材 103a,b,c ヒンジ 104 ブロック

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 光を反射する反射面を有し、物理的環境の変化に応じ反
    射面が変位する変位部と、 すくなくとも前記光源からの光が入射する面と、前記光
    源からの光を前記変位部の反射面へ射出しかつ前記変位
    部の反射光を入射する面と、前記変位部の反射光を入射
    する面から入射した光が射出する面との3面を有した光
    分配器と、 前記変位部と前記光分配器との間の光路上に設けられ、
    前記光分配器から射出した光の光軸に対して入射面が傾
    いて固定されている光学部材を有していることを特徴と
    する光てこ式変位検出器
  2. 【請求項2】 前記変位部の反射面からの反射光を入射
    する面から入射した光が射出する光の光軸上に、複数に
    分割された受光面を有した光検出器を備えたことを特徴
    とする請求項1記載の光てこ式変位検出器
  3. 【請求項3】 前記変位部は、一端が支持された可撓性
    の片持ち梁構造を有し、更に前記片持ち梁構造の他端で
    かつ反射面とは反対側の面に探針を有したことを特徴と
    する請求項2記載の光てこ式変位検出器
  4. 【請求項4】 前記光分配器は、前記光源から射出され
    た光のうち、ある偏光を有した光を透過しかつある偏光
    とは異なる偏光を有する光を反射する偏光ビームスプリ
    ッターであることを特徴とする請求項1、2、または3
    記載の光てこ式変位検出器
  5. 【請求項5】 前記光学部材は、複数備えられ、その一
    つとしてλ/4板を設けたことを特徴とする請求項4記
    載の光てこ式変位検出器
  6. 【請求項6】 前記光学部材での前記光分配器から前記
    変位部の反射面へ射出される光の入射面の法線の方向
    と、前記光分配器から前記変位部の反射面へ射出される
    光の光軸の方向が異なることを特徴とする請求項1記載
    の光てこ式変位検出器
  7. 【請求項7】 封入された物質を励起して発光する光源
    と、 前記光源の光を反射する反射面を有し、物理的環境の変
    化に応じ反射面が変位する変位部と、 前記光源と前記変位部との間の光路中に設置された光学
    素子の光源からの光の入射面が、前記光源から光軸に対
    して傾きを有していることを特徴とする光てこ式変位検
    出器
  8. 【請求項8】 前記光学素子は、前記光源から射出され
    た光のうち、ある偏光を有した光を透過しかつある偏光
    とは異なる偏光を有する光を反射し、すくなくとも前記
    光源からの光が入射する面と、前記光源からの光を前記
    変位部の反射面へ射出しかつ前記変位部からの反射光を
    入射する面と、前記変位部からの反射光を入射する面か
    ら入射した光を射出する面との3面を有した偏光ビーム
    スプリッターであることを特徴とする請求項7記載の光
    てこ式変位検出器
  9. 【請求項9】 前記光学素子と前記変位部との間に光の
    偏光を変化させるλ/4板を備え、前記光学素子から射
    出された光軸の方向と前記λ/4板の入射面の法線の方
    向とが異なることを特徴とする請求項8記載の光てこ式
    変位検出器
  10. 【請求項10】 前記変位部は、一端が支持された可撓
    性の片持ち梁構造を有し、更に前記片持ち梁構造の他端
    でかつ反射面とは反対側の面に、探針を有したことを特
    徴とする請求項7記載の光てこ式変位検出器
  11. 【請求項11】 前記光源は、レーザーダイオードであ
    ることを特徴とする請求項7記載の光てこ式変位検出器
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6486964B2 (en) 1998-11-30 2002-11-26 Olympus Optical Co., Ltd. Measuring apparatus
KR100793922B1 (ko) * 2005-10-28 2008-01-16 주식회사 루트로닉 광학계를 이용한 비접촉식 미소 변위 측정장치
JP2017075785A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 株式会社島津製作所 走査型プローブ顕微鏡

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KR100793922B1 (ko) * 2005-10-28 2008-01-16 주식회사 루트로닉 광학계를 이용한 비접촉식 미소 변위 측정장치
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