以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば図1に示すような構成の光学式三次元形状測定装置100に適用される。
図1は、本発明を適用した光学式三次元形状測定装置100の基本的な構成を示すブロック図である。
この光学式三次元形状測定装置100は、光コム距離計10と、光コム距離計10から出射される測定光S2で測定対象物体50を走査する光学スキャン装置20と、光コム距離計10の出力に基づいて、測定対象物体50の複数の点までの絶対距離を計測して立体像を得る信号処理装置30を備える。
光コム距離計10は、例えば図2のブロック図に示すように、光周波数コム干渉計を用いて距離を測定するものであって、第1、第2の光コム光源11、12から出射される中心周波数と周波数間隔の異なる二つの光周波数コムをそれぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる干渉性のある基準光S1と測定光S2として干渉光学系13を介して測定光路15に入射させる測定光S2との干渉光S3を基準光検出器16により検出するとともに、基準光路14と測定光路15に入射させた基準光S1と測定光S2が上記基準光路14と測定光路15を往復して戻ってくる基準光S1’と測定光S2’との干渉光S4を測定光検出器17により検出し、信号処理部18により、上記基準光検出器16により干渉光S3を検出した干渉信号と上記測定光検出器17により干渉光S4を検出した干渉信号の時間差から、光速と測定波長における屈折率から上記基準光S1が往復した基準光路14の距離L1と上記測定光S2が往復した測定光路15の距離L2の差を求めることができる。なお、干渉計や検出器の形態は複数ある。
上記光学スキャン装置20は、光コム距離計10から出射される測定光S2を測定対象物体50の表面にスキャンしながら照射して、表面からの反射光を光コム距離計10に戻すもので、上記光コム距離計10から出射される測定光S2で測定対象物体50を走査する反射式走査光学系21と、この反射式走査光学系21を介して測定対象物体50に照射される測定光S2を集光させる反射式集光光学系22からなる。
信号処理装置30は、上記光学スキャン装置20を制御してレーザービームを走査すると同時に上記光コム距離計10が計測する測定対象物体50までの距離情報を取得して、ビーム照射位置とその場所まで距離を複数の点について蓄積することにより非接触で測定対象物体50の三次元形状を測定する。
この光学式三次元形状測定装置100の光学スキャン装置20において、上記反射式集光光学系22は、反射式走査光学系21を介して測定対象物体50に照射される測定光S2を集光させるもので、上記光コム距離計10から出射される測定光S2が上記反射式走査光学系21を介して入射される少なくとも1枚の凹面鏡を備える。
この光学スキャン装置20における反射式集光光学系22は、上記光コム距離計10から出射される測定光S2が上記反射式走査光学系21を介して入射される凸面鏡からなる副鏡22Aと、上記凸面鏡により反射された測定光S2が入射される凹面鏡からなる主鏡22Bを備え、上記光学スキャン装置20は、上記光コム距離計10から出射された測定光S2を上記反射式走査光学系21と上記反射式集光光学系22を介して上記測定対象物体50に照射し、上記測定対象物体50により反射された上記測定光S2’を上記反射式集光光学系22と上記反射式走査光学系21を介して上記光コム距離計10に戻すようになっている。
すなわち、この光学式三次元形状測定装置100では、光コム距離計10からの測定光S2が光学スキャン装置20から測定対象物体50に向けて照射され、測定対象物体50からの反射光S2’が光コム距離計10に戻り、物体表面までの絶対距離が信号処理装置30により計測される。信号処理装置30は、光学スキャン装置20を制御してレーザービームを走査すると同時に光コム距離計10が計測する測定対象物体50の表面までの絶対距離情報を取得して、ビーム照射位置とその場所まで絶対距離を複数の点について蓄積することにより非接触で物体の三次元形状を測定する。
ここで、上記光学式三次元形状測定装置100に備えられる光学スキャン装置20が一次元スキャナである場合のスキャン光学系23Aの構成を図3の斜視図に示す。
このスキャン光学系23Aは、例えばガルバノミラーにより測定光S2を一次元走査する反射式走査光学系21Aを備え、光コム距離計10から出射された測定光S2が台形プリズム25を介して反射式走査光学系21Aに入射される。
反射式走査光学系21Aにて反射された測定光S2は、下斜め方向から、反射式集光光学系22の凸面鏡からなる副鏡22Aに入射され、さらに、副鏡22Aにより反射されて凹面鏡からなる主鏡22Bに入射される。
測定光S2は、反射式集光光学系22において、凸面鏡からなる副鏡22Aで反射されることによりビーム径が拡大され、凹面鏡からなる主鏡22Bで反射されることにより集光され焦点を結ぶ状態で測定対象物体50の表面に照射される。
そして、このスキャン光学系23Aでは、反射式走査光学系21Aの回転軸はθy軸回転であって、θx軸方向に傾斜して設置されている。上記反射式走査光学系21Aの反射鏡面が回転することにより、測定対象物体50の表面に照射される測定光S2のビームスポットがX軸方向に移動され、測定光S2で測定対象物体50の表面をX軸方向に一次元走査することができる。
このように反射光学系で光学スキャン装置20のスキャン光学系23Aを構成することにより、全ての反射鏡に対して測定光S2を必ず斜め入射させることができ、光源方向に戻る光の成分が発生しないので、反射の影響によって形状測定に誤差が発生することがない。
また、反射式集光光学系22において、凸面鏡からなる副鏡22Aで測定光S2のビーム径を拡大してから凹面鏡からなる主鏡22Bにより集光して焦点を結ぶことにより、光学スキャン装置20のスキャン光学系23Aと測定対象物体50との距離を大きくとることができる。
さらに、反射式集光光学系22を副鏡22Aと主鏡22Bで構成し、光軸を折り返すことによってガルバノスキャナを含むスキャン光学系23A全体の体積を縮小することができる。
なお、反射式集光光学系22において、副鏡22Aと主鏡22Bは、原理的は凸面鏡である必要は必ずしもなく、どちらかが、あるいは両方が凹面鏡であれば集光機能を果たすことができる。
また、反射光学系による光学スキャン装置20のスキャン光学系23Aは、光学式三次元形状測定装置100に必要なパラメータである光学系全体の焦点距離、副鏡と像面の距離、走査光学系の位置等の条件を満たすものの中から、スキャン光学系23Aのパラメータを選択することにより、テレセントリックに構築することができる。
例えば、凸面鏡からなる副鏡22Aと凹面鏡からなる主鏡22Bとで構成される反射式集光光学系22は、カセグレン式天体望遠鏡に使用されている確立した設計手法により設計することができ、市販のソフトウエアで計算して各パラメータを決定することもできる。
ここで、反射光学系でスキャン光学系23Aを構成した光学スキャン装置20では、反射式走査光学系21Aの反射鏡面に位置する回転軸が傾斜することによって、走査ビームの軌跡が円錐状になるが、カセグレン式の設計では、副鏡22Aとして用いる凸面鏡としてコーニック定数kが−1未満の凸双曲面鏡を採用し、主鏡22Bとして用いる凹面鏡としてコーニック定数kが−1の凹放物面鏡を採用することにより、走査ビームの軌跡が上記回転軸の傾斜により円錐状になる効果を上記凸双曲面鏡による効果で相殺して、像面において走査ビームの軌跡を直線状にすることができることが確認されている。この結果、反射鏡の形状のトレランス設計に有利となり、組み立てのトレランス設計にも有利である。
反射式走査光学系21Aの中心と副鏡22Aとして用いる凸双曲面鏡と主鏡22Bとして用いる凹放物面鏡の曲率中心は、図4の(A)、(B)に示すように、直線上に配置する。
図4の(A)はスキャン光学系23Aの鳥瞰図であり、 図4の(B)はスキャン光学系23Aの側面図である。
図4の(A)、(B)において、RAは副鏡22A(凸面鏡)の曲率半径、RBは主鏡22B(凹面鏡)の曲率半径、OAは副鏡22A(凸面鏡)の曲率半径の中心位置OBは主鏡22B(凹面鏡)の曲率半径の中心位置を、それぞれ示している。
この図4の(A)、(B)に示す反射式走査光学系21Aの中心と副鏡22Aとして用いる凸双曲面鏡と主鏡22Bとして用いる凹放物面鏡の曲率中心を直線上に配置した反射式集光光学系22では、副鏡22Aとして用いられる凸面鏡の曲率中心と、主鏡22Bとして用いられる凹面鏡の曲率中心との間に、焦点が位置している。
反射式走査光学系21Aの中心は、主鏡22Bから見た時の焦点の位置である。測定光S2は、この直線を通して反射式走査光学系21Aに入射される。この反射式走査光学系21Aの回転軸は傾斜しており、反射された測定光S2は打ち上げされて副鏡22Aとして用いたコーニック定数kが−1未満の凸双曲面鏡で反射され、さらに、主鏡22Bとして用いたコーニック定数kが−1の凹放物面鏡で反射されて測定対象物体50に向かう。
このように反射式走査光学系21Aの中心と副鏡22Aとして用いるコーニック定数kが−1未満の凸双曲面鏡と主鏡22Bとして用いるコーニック定数kが−1の凹放物面鏡の曲率中心を直線上に配置した反射式集光光学系22を備える光学スキャン装置20では、ビーム走査の直線性とテレセントリシティーが理想的なものとなる。なお、ビーム走査の直線性とテレセントリシティーが理想的な光学スキャン装置20を構築する反射式集光光学系22として、反射式走査光学系21Aの中心と副鏡22Aとして用いるコーニック定数kが−1未満の凸双曲面鏡と主鏡22Bとして用いるコーニック定数kが−1の凹放物面鏡の曲率中心を直線上に配置したが、凹放物面鏡のコーニック定数kを−1から多少ずらして設計して、実用上十分なビーム走査の直線性とテレセントリシティーを得るようにしても良いことは言うまでもない。
ここで、反射式走査光学系21Aの中心と副鏡22Aとして用いる凸双曲面鏡と主鏡22Bとして用いる凹放物面鏡の曲率中心を直線上に配置した反射式テレセントリック集光光学系22を備えるスキャン光学系23Aにおいて、反射式走査光学系21Aによるスキャン幅を100mm、機械的スキャン角を±10度、反射式走査光学系21Aの回転軸(θy軸回転)の傾斜角を4度として、凸双曲面鏡と凹放物面鏡として設計した光学系におけるテレセントリシティーを図5の(A)に示すとともにスキャン直線性を図5の(B)に示す。図5の(A)の縦軸はX方向とY方向のビームの角度を示しており、図5の(B)の縦軸は直線からの乖離を示している。
図5の(A),(B)に示すように、テレセントリシティーとスキャンの直線性は、計算上では0.001程度であり、0.1μm以下になり、十分すぎる理想的な特性が得られることがわかる。
また、同じスキャン光学系23Aで反射式走査光学系21Aの回転軸(θy軸回転)の傾斜角を5度として、テレセントリシティーとスキャンの直線性を計算した結果は、図6の(A),(B)に示すようになり、傾斜角を4度の場合と略同じであり、反射式走査光学系21Aの回転軸(θy軸回転)の傾斜角の変化はテレセントリシティーとスキャンの直線性に影響しないことがわかる。
したがって、反射式走査光学系21Aの回転軸(θy軸回転)の傾斜角の調整は精密に行う必要がないことから、反射式走査光学系21Aの回転軸(θy軸回転)の傾斜角の設定は、組み立て調整時の機械的精度で十分である。
上記光学式三次元形状測定装置100では、光学スキャン装置20が一次元スキャナであるスキャン光学系23Aについて説明したが、反射式走査光学系21Aの中心と副鏡22Aとして用いる凸双曲面鏡と主鏡22Bとして用いる凹放物面鏡の曲率中心を直線上に配置した反射式集光光学系22を備える光学スキャン装置20Aでは、上述の如く反射式走査光学系21Aの回転軸の傾斜角の変化はテレセントリシティーとスキャンの直線性に影響しないので、反射式走査光学系21Aの回転軸(θy軸回転)の傾斜角をX軸方向に可変制御することによって、二次元スキャナとして機能することができる。
例えば、上記スキャン光学系23Aは、上記反射式走査光学系21Aの回転軸がθx軸方向に可変傾斜されることにより、上記測定光S2を二次元走査するものとすることができる。
また、本発明に係る光学式三次元形状測定装置において、上記光学スキャン装置20の反射式走査光学系21は、互いに異なる回転軸を有する2枚の走査平面鏡により、上記測定光S2を二次元走査するものとすることができる。
ここで、光学スキャン装置20が二次元スキャナである場合のスキャン光学系23Bの構成を図7の(A)、(B)に模式的に示す。図7の(A)はスキャン光学系23Bの鳥瞰図であり、 図7の(B)はスキャン光学系23Bの側面図である。
このスキャン光学系23Bでは、図7の(B)の側面図に示すように、光コム距離計10から出射された測定光S2を二次元走査する2軸の反射式走査光学系21Bにて反射された測定光S2が、下斜め方向から、反射式集光光学系22の凸面鏡からなる副鏡22Aに入射され、副鏡22Aにより反射されて凹面鏡からなる主鏡22Bに入射される。
測定光S2は、図7の(A)、(B)に示すように、反射式集光光学系22において、凸面鏡からなる副鏡22Aで反射されることによりビーム径が拡大され、凹面鏡からなる主鏡22Bで反射されることにより集光され焦点を結ぶ状態で測定対象物体50の表面に照射される。
そして、このスキャン光学系23Bにおいて、反射式走査光学系21Bは、2軸の回転軸を有し、反射鏡面をθx軸回転とθy軸回転させることにより、測定対象物体50の表面に照射される測定光S2のビームスポットがX軸方向とY軸方向に移動され、測定光S2で測定対象物体50の表面を二次元走査することができる。
このスキャン光学系23Bも反射光学系で構成することにより、全ての反射鏡に対して測定光S2を必ず斜め入射させることができ、光源方向に戻る光の成分が発生しないので、反射の影響によって形状測定に誤差が発生することがない。また、反射式集光光学系22において、凸面鏡からなる副鏡22Aで測定光S2のビーム径を拡大してから凹面鏡からなる主鏡22Bにより集光して焦点を結ぶことにより、光学スキャン装置20のスキャン光学系23Bと測定対象物体50との距離を大きくとることができる。
このスキャン光学系23Bにおける反射式走査光学系21Bは、例えば2軸MEMSや1軸ガルバノミラーと回転機構などで構成される。
また、図8に示すように、X軸方向の一次元走査を行う上記反射式走査光学系21AをY軸方向にロボットで動かすようにしても、測定光S2で測定対象物体50の表面を二次元走査することができる。
ここで、上記光学式三次元形状測定装置100における光学スキャン装置20では、反射式集光光学系22を備えるスキャン光学系23,23A、23Bにより、ビーム走査の直線性とテレセントリシティーが理想的なものとなるようにしているが、反射光学系により構成したスキャン光学系23,23A、23Bにおいては、測定光S2が通過する光路中に波長分散のある材料が含まれることはないので、測定対象物体50に粗面と鏡面が混在する場合においても、鏡面に対する測距結果に測定光路中の波長分散の分布の影響による誤差が発生することはない。
すなわち、測定光路中に波長分散のある材料が含まれない反射光学系により構成したスキャン光学系23,23A、23Bでは、テレセントリシティーは必須要件ではなく、f−θ光学系のような像面に対してビーム角が広がりながら集光するような光学系も反射式集光光学系22として採用してもよく、反射式f−θ光学系を採用することにより、小さな光学系で大きなスキャンエリアを実現できる。
この場合には、基準平面を鏡面でなく粗面とし、拡散反射の成分を利用して校正データを取得しておくことになり、立体的なキャリブレーションを行う必要がある。
ここで、凸球面レンズと凹球面レンズを用いた透過型テレセントリック集光光学系において、スキャン幅を100mm、機械的スキャン角を±10度とした比較例の光学系について、テレセントリシティーとスキャンの直線性を計算した結果を図9の(A),(B)に示す。
図9の(A)は、比較例の光学系のテレセントリシティーを示し、図9の(B)は、比較例のスキャン直線性を示している。
ここで、ビームのスキャナへの入射角、スキャンの傾斜角は、テレセントリシティーとスキャンの方向と直交方向、及びスキャン直線性が最小になるように最適化してあるが、凸双曲面鏡と凹放物面鏡の場合に比べ、テレセントリシティーのスキャン方向と直交方向の直線性及びスキャン直線性の値が大きい。
また、同じ比較例の光学系で スキャンの傾斜角を最適値から+0.1度傾けた場合について、テレセントリシティーとスキャンの直線性を計算した結果は、図10の(A),(B)に示すようになり、テレセントリシティーにはほとんど変化がなかったが、スキャンの傾斜角の変化によりスキャン直線性は敏感に変化する。
したがって、凸球面レンズと凹球面レンズを用いた透過型テレセントリック集光光学系を採用する場合には、走査光学系の光軸の傾きを高精度に調整する必要がある。
ここで、上記光学式三次元形状測定装置100における光学スキャン装置20では、凸面鏡からなる副鏡22Aで測定光S2のビーム径を拡大してから凹面鏡からなる主鏡22Bにより集光して焦点を結ぶようにした複数枚の反射鏡で構成した反射式集光光学系22を備えるものとしたが、上述の如く測定光路中に波長分散のある材料が含まれない反射光学系により構成したスキャン光学系23,23A、23Bでは、テレセントリシティーは必須要件ではなく、f−θ光学系のような像面に対してビーム角が広がりながら集光するような光学系も採用してもよく、反射式集光光学系22は、原理的には、例えば図11に示すスキャン光学系23Cにおける反射式集光光学系22のように、校正も含めて要求される特性を満足するような曲面を設定した少なくとも1枚の凹面鏡22Cを備えるものとすることができる。
図11は、一枚の凹面鏡22Cで構成した主鏡のみの反射式集光光学系22を備える一次元スキャナのスキャン光学系23Cの構成を模式的に示す斜視図である。
図11に示すスキャン光学系23Cでは、光コム距離計10から出射された測定光S2が反射式走査光学系21Aを介して反射式集光光学系22の凹面鏡22Cに入射され、凹面鏡22Cにより反射された測定光S2が測定対象物体50に照射される。
このスキャン光学系23Cは、測定光S2で測定対象物体50をX軸方向に一次元走査する一次元スキャナであって、測定光S2をX軸方向に一次元走査するガルバノミラーやポリゴンミラー等の反射式走査光学系21Aを備える。
この反射式走査光学系21Aの回転軸はθy軸回転であって、θx軸方向に傾斜して設置されている。上記反射式走査光学系21Aの反射鏡面が回転することにより、測定対象物体50の表面に照射される測定光S2のビームスポットがX軸方向に移動され、測定光S2で測定対象物体50の表面をX軸方向に一次元走査することができる。
反射式集光光学系22に用いる凹面鏡22Cの曲面は、反射式走査光学系21Aの反射鏡面から凹面鏡22Cに至るすべての光線が極力、平行線として反射される形が望ましく、球面、放物面、双曲面およびそれらの中間的な曲面が候補となる。
反射式集光光学系22に凹面鏡22Cを用いる光学スキャン装置20では、校正も含めて要求される特性を満足するような凹面鏡22Cの曲面を設定し、基準器の形状・寸法を計測してスキャナ鏡の角度と座標の関係を測定して、その値が基準器の真値に一致するような変換(変換行列、参照配列、数式の係数などの形式)に基づく校正データを取得しておくようにすれば良い。
このスキャン光学系23Cは、上記スキャン光学系23Bと同様に、X軸方向の一次元走査を行う上記反射式走査光学系21AをY軸方向にロボットで動かすようにしても、測定光S2で測定対象物体50の表面を二次元走査するものことができる。
また、スキャン光学系23Cは、上記反射式走査光学系21Aの回転軸がX軸方向に可変傾斜されることにより、上記測定光S2で測定対象物体50を二次元走査するものとすることができる。
また、図12に示すスキャン光学系23Dにおける2軸の反射式走査光学系21Dのように、二個のガルバノスキャナを組み合わせて構成される互いに異なる回転軸を有する2枚の走査平面鏡により、上記測定光S2で測定対象物体50を二次元走査するものとすることができる。
図12は、一枚の凹面鏡22Dで構成した主鏡のみの反射式集光光学系22を備える二次元スキャナのスキャン光学系23Dの構成を模式的に示す斜視図である。
このスキャン光学系23Dでは、光コム距離計10から出射された測定光S2を二次元走査する2軸の反射式走査光学系21Bにて反射された測定光S2が、下斜め方向から、反射式集光光学系22の凹面鏡22Dに入射され、測定光S2が凹面鏡22Dを用いた反射式集光光学系22を介して測定対象物体50に照射される。
反射式集光光学系22に用いる凹面鏡22Dの曲面は、反射式走査光学系21Bの反射鏡面から凹面鏡22Dに至るすべての光線が極力、平行線として反射される形が望ましく、球面、放物面、双曲面およびそれらの中間的な曲面が候補となる。
反射式集光光学系22に凹面鏡22Dを用いる光学スキャン装置20では、校正も含めて要求される特性を満足するような凹面鏡22Dの曲面を設定し、基準器の形状・寸法を計測してスキャナ鏡の角度と座標の関係を測定して、その値が基準器の真値に一致するような変換(変換行列、参照配列、数式の係数などの形式)に基づく校正データを取得しておくようにすれば良い。