JPH0914501A - ウォーターハンマー防止装置内蔵の水栓 - Google Patents

ウォーターハンマー防止装置内蔵の水栓

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JPH0914501A
JPH0914501A JP18638195A JP18638195A JPH0914501A JP H0914501 A JPH0914501 A JP H0914501A JP 18638195 A JP18638195 A JP 18638195A JP 18638195 A JP18638195 A JP 18638195A JP H0914501 A JPH0914501 A JP H0914501A
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JP
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water
valve
passage
chamber
valve body
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JP18638195A
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Kentaro Masuoka
兼太郎 増岡
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Inax Corp
Original Assignee
Inax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水栓使用に際し、短時間で突発的に起る過度の
圧力上昇と、熱膨張などにより緩やかに引き起される過
度の圧力上昇の両方共を防止し得るようなウォーターハ
ンマー防止装置を内蔵した湯水混合水栓を提供する。 【構成】一次側通水路40と二次側通水路44とを有
し、弁部の開操作に基づいて吐水口18より吐水を行
い、弁部の閉操作に基づいて吐水口18からの吐水を停
止する水栓10において、一次側通水路40と二次側通
水路44とを直接連通する連通路92を設けるととも
に、連通路92上に、(イ)連通路92を開閉する弁体
94と、(ロ)弁体94を閉弁方向に付勢するばね手段
112とを有し、且つばね手段112のばね強さが、一
次側通水路40における圧力が給水圧力よりも一定圧力
高くなった時点で弁体94の開弁動作を許容する強さと
されているウォーターハンマー防止装置を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はウォーターハンマー防
止装置を内蔵した水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水栓使用に際してハンドルを
急に操作して吐水口からの吐水を急激に停止すると、水
栓への給水用の通水路内に突発的圧力上昇が生じて、い
わゆるウォーターハンマーが惹起される問題が生じてい
た。而してこのようなウォーターハンマーが生じると、
騒音が発生したり、或いはシール部などで漏れを起した
り、又はシール部その他の部材が損傷したりするといっ
た問題を生ずる。
【0003】そこで従来にあっては、図8に示している
ように水栓200の急閉止に伴う突発的圧力上昇を吸収
する機能を備えたウォーターハンマー防止装置202を
水栓200への給水用の配管204途中等に設けること
が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のウ
ォーターハンマー防止装置202は、それ自体独立した
形態の部品であって、このようなウォーターハンマー防
止装置202を給水配管204上に設けた場合、配管施
工作業或いは水栓の組付作業が面倒となるばかりでな
く、コストが高くなる問題を生ずる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の発明はこのような
課題を解決するためになされたものである。而して本願
の発明は、開閉操作可能な弁部と、該弁部より上流側
の、給水源に連通した一次側通水路と、該弁部より下流
側の、吐水口に連通した二次側通水路とを有し、該弁部
の開操作に基づいて吐水口より吐水を行い、また該弁部
の閉操作に基づいて吐水口からの吐水を停止する水栓に
おいて、該水栓内部の前記一次側通水路と二次側通水路
とを前記弁部を経由しないで直接連通する連通路を設け
るとともに、該連通路上に、(イ)該連通路を開閉する
弁体と、(ロ)該弁体を閉弁方向に付勢するばね手段と
を有し、且つ該ばね手段のばね強さが、前記一次側通水
路における圧力が給水圧力よりも一定圧力高くなった時
点で該弁体の開弁動作を許容する強さとされているウォ
ーターハンマー防止装置を設けたことを特徴とする(請
求項1)。
【0006】本願の別の発明は、請求項1において、前
記ウォーターハンマー防止装置が、(イ)導入通路を介
して前記一次側通水路に連通したシリンダ室と、(ロ)
該シリンダ室内に水密且つ摺動可能に嵌合されて該シリ
ンダ室を該導入通路側の第1室と反対側の第2室とに区
画するとともに、該一次側通水路の圧力を受けて該第2
室側に移動し、該第1室の容積を増大させるピストン弁
と、(ハ)該ピストン弁を前記一次側通水路の圧力より
も強い力で前記第1室側に付勢する第二ばね手段と、
(ニ)該第一次側通水路から前記シリンダ室の第1室に
向う水の流れを絞る絞り部と、を含んでいることを特徴
とする(請求項2)。
【0007】本願の更に別の発明は、請求項2におい
て、前記弁体が前記シリンダ室の第2室側に配置されて
いて、該弁体と前記ピストン弁との間に、前記第一ばね
手段と第二ばね手段とを兼ねた圧縮コイルスプリングが
それらを互いに逆方向に弾発して該弁体を閉弁方向に、
またピストン弁を第1室側に付勢する状態で介装されて
おり、且つ該ピストン弁の前記第1室内の圧力に対する
受圧面積の方が、該弁体の前記連通路内圧力に対する受
圧面積よりも大きくされていることを特徴とする(請求
項3)。
【0008】本願の更に別の発明は、請求項3におい
て、前記ピストン弁からスリーブが前記シリンダ室内に
おいて前記第2室側に一体的に延び出していて、該スリ
ーブ内に前記圧縮コイルスプリングが収容されており、
且つ該スリーブの長さは、前記ピストン弁が所定距離前
記第2室側に移動した時点で前記シリンダ室の底部に当
接して以後のピストン弁の移動を阻止する長さとされて
いることを特徴とする(請求項4)。
【0009】本願の更に別の発明は、請求項4におい
て、前記スリーブ及び弁体の大きさが、該スリーブが前
記シリンダ室の底部に当接したとき、該弁体が該スリー
ブ内部に入り込む大きさとされており、且つ該スリーブ
の該シリンダ室底部側の端部ないし近傍に、該スリーブ
の内部を前記連通路における前記弁体の上流側の部分と
下流側の部分とに連通させる透孔が形成されていること
を特徴とする(請求項5)。
【0010】
【作用及び発明の効果】以上のように請求項1の発明
は、水栓内部において一次側通水路と二次側通水路とを
連通する連通路を設けた上、その連通路上に弁体とこれ
を閉弁方向に付勢するばね手段とを有するウォーターハ
ンマー防止装置を組み込んだものである。
【0011】ここで本発明のウォーターハンマー防止装
置は次のように作用する。即ち、水栓における弁部の急
閉止によって一次側通水路の圧力が突発的に上昇する
と、その圧力が一定圧以上となった時点でウォーターハ
ンマー防止装置の弁体がばね手段の付勢力に抗して開弁
動作し、一次側通水路の水を連通路を介して二次側通水
路へと通水させる。これにより一次側通水路内に過大な
突発的圧力上昇が生じるのが防止されて、前記ウォータ
ーハンマーの発生が回避される。
【0012】本発明によれば、従来のように独立した部
品としてのウォーターハンマー防止装置を水栓への給水
管上に設けることを要せず、従って配管施工作業、水栓
の設置作業を容易化できるとともに、所要コストを安価
とすることができる。
【0013】請求項2の発明は、導入通路を介して一次
側通水路に連通するシリンダ室を設け、そこにピストン
弁を嵌合させて導入通路の側に第1室を、反対側に第2
室を区画形成し、そのピストン弁を第二ばね手段にて第
1室側に付勢する一方、一次側通水路からシリンダ室の
第1室への水の流れを絞る絞り部を設けて前記ウォータ
ーハンマー防止装置を構成したもので、本発明に係る水
栓のウォーターハンマー防止装置は、一次側通水路の加
熱に基づく膨張圧を生じたときにその膨張圧をピストン
弁の移動に基づいて吸収し、一次側通水路の圧力が過大
になることを防止することができる。
【0014】例えば湯水混合水栓において湯のみを流し
続けたとき、水栓本体が湯の加熱作用で温度上昇し、こ
れに伴って水側の一次側通水路の水が膨張して膨張圧を
生じる。而してその膨張圧が過大になるとシール部から
漏れを生じたり、シール部が損傷したりする問題を生じ
るが、本発明のウォーターハンマー防止装置の場合、こ
のような時間をかけて漸次増大する圧力に対しては、ピ
ストン弁の移動によるシリンダ室の第1室の容積増大に
よって一次側通水路の圧力を第1室側へと逃すことがで
き、一次側通水路の圧力が過大になることを防止でき
る。
【0015】請求項3の発明は、第一ばね手段と第二ば
ね手段とを兼ねた圧縮コイルスプリングによって連通路
上の弁体及びピストン弁をそれぞれ逆向きに付勢するよ
うにしたもので、本発明によれば、ばね手段として1つ
の圧縮コイルスプリングを用いるだけで足り、所要部品
点数を少なくすることができる。
【0016】本発明の装置の場合、短時間で突発的に起
る圧力上昇に対しては連通路上の弁体が開弁動作して一
次側通水路の水、つまり圧力を二次側通水路へと逃し、
以てウォーターハンマーの発生を防止する一方、緩やか
な圧力上昇に対しては、一次側通水路の水を絞り部を経
由してピストン弁を移動させつつシリンダ室の第1室へ
と逃し、一次側通水路の圧力が過大となるのを防止す
る。
【0017】ここで本発明においては、弁体及びピスト
ン弁が共通の圧縮コイルスプリングにて互いに逆向きに
弾発されていることから、ピストン弁の受圧面積の方が
弁体の受圧面積よりも小さいと上記何れの場合において
も弁体の方が優先的に移動し、ピストン弁の移動による
膨張圧吸収作用が行われないことになる。しかるに本発
明では、ピストン弁の受圧面積の方が弁体のそれよりも
大きくされているため、漸増的な圧力上昇に対してはピ
ストン弁が優先的に移動して圧力の逃しを良好に行う。
【0018】請求項4の発明は、ピストン弁にスリーブ
を一体的に設けてそのスリーブ内部に圧縮コイルスプリ
ングを収容するようにしたもので、本発明によればその
スリーブに圧縮コイルスプリングのガイド作用を行わせ
ることができる。本発明において、このスリーブはスト
ッパとしての作用も有し、ピストン弁体が圧縮コイルス
プリングを圧縮弾性変形させつつ一定距離第2室側に移
動すると、スリーブがシリンダ室の底部に当接して以後
ピストン弁の移動を阻止する。
【0019】上記のようにこのようなピストン弁の移動
の過程で一次側通水路の圧力の逃しが行われるが、一次
側通水路内の圧力がこれより更に高まった場合、今度は
連通路側の弁体が、ピストン弁の移動に伴って変形を起
し、ばね力を強めた圧縮コイルスプリングの弾発力に抗
して開弁方向に移動し、一次側通水路の圧力を二次側通
水路へと逃すように作用する。
【0020】請求項5の発明は、スリーブの前記シリン
ダ室底部への当接時に弁体をスリーブの内部に入り込ま
せるようにした上、スリーブの端部ないし近傍に、スリ
ーブの内部を連通路に連通させる透孔を形成したもの
で、本発明によれば、スリーブの内部を弁体の動作空間
として利用でき、ウォーターハンマー防止装置をよりコ
ンパクト化できるとともに、弁体の開弁時において一次
側通水路の水をそのスリーブの透孔を通じて良好に二次
側通水路へと逃すことができる。
【0021】
【実施例】次に本発明をキッチン用のシングルレバー式
湯水混合水栓に適用した場合の実施例を図面に基づいて
詳しく説明する。図3において、10はカウンター12
上に設置されたシングルレバー式の湯水混合水栓で、吐
水管14を有している。吐水管14は管状の本体部16
と、先端部の吐水口18と、基端部の円筒状部20とを
備えて成り、その円筒状部20において、水栓本体28
に対しその軸心周りに回転可能に嵌合され、組み付けら
れている(図1参照)。
【0022】22は操作用のレバーであって、このレバ
ー22を図3中P方向に上下回動させることで吐水と止
水及び吐水量調整が行われ、またQ方向に左右回動させ
ることで湯と水の混合量比が調整される。
【0023】図4に示しているように、カウンター12
の下側には湯又は水を水栓本体28(図1)に供給する
ための一対のサプライ管24が配設されている。これら
サプライ管24上には逆止弁装置26が設けられてい
る。
【0024】図1は吐水管14の組付構造を含む水栓1
0内部の構造を示したものである。同図において、28
は円形の外周面を有する樹脂製の水栓本体で、下端部に
径方向外方に環状に突出する鍔状部30を有しており、
この鍔状部30が、リング部材32との間にシール部材
としてのOリングを挟み込む状態で、カウンター12上
に起立状に設けられた円筒状の台座部材34上に載置さ
れている。
【0025】この鍔状部30からは、周方向複数個所に
おいて係止爪36が下向きに延び出していて、この係止
爪36が、台座部材34の上端部外周面に形成された段
差部に係止され、抜け止めされている。38は下部化粧
カバーであって、この下部化粧カバー38の内側に上記
リング部材32,台座部材34,係止爪36等が包み込
まれている。
【0026】水栓本体28の内部には、これを縦方向に
貫通する一対の湯と水の一次側通水路40が形成されて
おり、それぞれに前記サプライ管24が接続されてい
る。水栓本体28には、また、湯と水の混合水を下向き
に送出する送出通路(図示省略)と、該送出通路からの
混合水を吐水管14の内部通水路に導く二次側通水路4
4が形成されている。
【0027】二次側通水路44に流入した混合水は、吐
水管14の回転範囲を規定するストッパリング46に形
成された連通口48を通じて吐水管14の内部通路50
に流入する。尚、ストッパリング46に形成された連通
口48は、吐水管14の所定回転角度範囲内において、
二次側通水路44を吐水管14の内部通路50に連通さ
せる位置及び形状で形成されている。
【0028】図1に詳しく示しているように、前記吐水
管14基端部の樹脂製の円筒状部20は、内周面におい
て水栓本体28の外周面に且つその軸心周りに回転可能
に嵌合されている。この円筒状部20には、斜め上向き
に延びる樹脂製の枝管52が一体成形されており、この
枝管52の内部に金属製のパイプ部材54が挿入された
上、図示を省略する所定のジョイント部材でそれらが互
いに連結されている。本例においてはこれらパイプ部材
54と枝管52とによって吐水管14における管状の本
体部16が構成されている。
【0029】吐水管14における円筒状部20の上側に
は、上部化粧カバー56が配設されている。この上部化
粧カバー56の内側には、水栓本体28の上端部におい
てセラミックディスクからなる固定弁体58が固設され
ており、またその上面側には可動のセラミックディスク
60を備えた可動弁体62が配置されており、それら各
弁体58,62におけるセラミックディスクの各面が摺
動可能且つ水密に接触させられている。
【0030】可動弁体62には、下向きに開口する混合
室64が形成されており、また固定弁体58には、湯と
水の供給通路である一次側通水路40からの湯又は水を
混合室64内に流入させるための流入口66と、混合室
64からの混合水を送出通路内に流出させるための流出
口68とが設けられており、それら流入口66と流出口
68とが、可動弁体62の移動に伴って互いに連通ない
し遮断されるようになっている。
【0031】上部化粧カバー56の内側には、位置固定
の円筒部材70と、円筒部材70に対して回転可能な回
転部材72とが配置されており、その回転部材72に対
して、係合アーム74がピン76の周りに上下回動可能
に連結されている。
【0032】ここで係合アーム74は、前記操作部とし
てのレバー22の基端部に一体に形成されたキャップ7
8に一体移動状態に固定されており、かかる係合アーム
74が、レバー22と一体に上下回動させられるように
なっている。
【0033】また回転部材72はレバー22と一体に左
右回転し、従ってレバー22の図3中P方向の上下回動
に伴って可動弁体62が図1中左右方向に進退し、また
レバー22の図3中Q方向の左右回動に伴って、可動弁
体62が回転部材72とともに固定弁体58上を左右回
動する。
【0034】上記吐水管14の円筒状部20には、二次
側通水路44の上側部位と下側部位とにおいて、その内
周面に保持凹部80,82が形成されており、そこにシ
ール部材としてのUパッキン84が嵌込状に装着され、
保持されている。
【0035】ここで上側の保持凹部80は、円筒状部2
0の内周面を径方向外方に凹陥させることによって直接
形成されており、また下側の保持凹部82は、円筒状部
20の内周面に形成した径方向外方の段下り部85にリ
ング部材86を嵌め込むことによって、その下側に間接
的に形成されている。
【0036】而して上側の保持凹部80は、円筒状部2
0の上端開口部に嵌込状に取り付けられた爪部材88に
よって、具体的には爪部材88の環状のリング状部90
によって上端部が閉鎖されており、また下側の保持凹部
82は、水栓本体28の鍔状部30によって下端部が閉
鎖されている。
【0037】上記のように、水栓本体28には、図2に
拡大して示しているように固定弁体58及び可動弁体6
2から成る弁部に対して湯又は水を供給する一次側通水
路40と、吐水口18に連通した二次側通水路44とを
上記弁部を経由しないで直接連通させる連通路92が形
成されている。そしてこの連通路92上には、連通路9
2を開閉する弁体94を備えたウォーターハンマー防止
装置96が設けられている。ここで弁体94は、連通路
92上に設けられた弁座部98に対して着座し、または
これから離間することによって連通路92を開閉する。
【0038】ここで本例のウォーターハンマー防止装置
96の構成について説明する。図2,図7に示している
ように水栓本体28には、一次側通水路40に連通した
状態でシリンダ室100が形成され、そのシリンダ室1
00内にスリーブ110が一体形成されたピストン弁1
02がOリング104を介して水密且つ摺動可能に嵌入
されている。シリンダ室100は、ピストン弁102よ
り上側に第1室106、下側に連通路92に連通した第
2室108を形成している。
【0039】スリーブ110内には、圧縮コイルスプリ
ング112が、その一端部(図中上端部)をピストン弁
102に当接させ、また他端部(図中下端部)をばね受
部材114を介して上記弁体94に当接させる状態で挿
入されており、その圧縮コイルスプリング112のばね
力がピストン弁102及び弁体94に対し、互いに逆向
きに及ぼされている。即ち弁体94を弁座部98に当接
させる向きに、またピストン弁102を図中上向き、つ
まり第1室106側に向けて弾発している。
【0040】上記スリーブ110には、下端近傍位置に
透孔115が形成されている。この透孔115はスリー
ブ110がシリンダ室100の底部に当接した状態にお
いて、スリーブ110の内部を連通路92における弁体
94の上流側の部分(一次側通水路40側の部分)と下
流側の部分(二次側通水路44側の部分)とを連通させ
るものである。
【0041】水栓本体28には、また、上方部に一次側
通水路40内の水を前記シリンダ室100における第1
室106側へと導入するための導入通路116が設けら
れており、その導入通路116上に、第一及び第二の絞
り部形成部材118,120が配設されている。
【0042】第二絞り部形成部材120は、図5に示し
ているように円盤状部122と軸状部124とを備え、
その軸状部124を保持部材126の保持孔128内に
挿入させる状態で、かかる保持部材126により保持さ
れている。ここで保持部材126は、図に示しているよ
うに水栓本体28の上端部にOリングを介して固設され
ている。
【0043】一方第一絞り部形成部材118は、全体と
して浅い皿状を成している。即ち第一絞り部形成部材1
18は、底部130と円筒状の周壁部132とを有して
おり、その底部130の中心部にはこれを上下に貫通す
る円孔134が形成されている。また底部130には、
円孔134の周縁部において上向きに突出するボス部1
36が形成されており、そのボス部136に複数本の細
溝138が放射状に形成されている。
【0044】これら第一絞り部形成部材118と第二絞
り部形成部材120とは、第二絞り部形成部材120の
円盤状部122が第一絞り部形成部材118のボス部1
36の上面に当接する状態で互いに組み付けられてお
り、そしてボス部136に形成された細溝138が、導
入通路116を通じて導入された水を円孔134を通じ
てシリンダ室100の第1室106へと流入する水の絞
り部を形成している。
【0045】第一絞り部形成部材118の周壁部132
の上面には、周方向に所定間隔で複数の突起140が形
成されており、その突起140が上記保持部材126の
下面に当接させられている。ここで各突起140と14
0との間の空間は、一次側通水路40の水を第一絞り部
形成部材118の内部に流入させる通路を形成してい
る。
【0046】次に本例のウォーターハンマー防止装置9
6の作用を図6及び図7に基づいて説明する。本例の装
置においては、水栓10のレバー22を急激に操作して
吐水管本体部16内部の弁部を急閉止すると、サプライ
管24上に設けられた逆止弁装置26が瞬時に閉動作す
る。この結果一次側通水路40内に突発的な圧力上昇が
生ずる。
【0047】そしてその圧力が一定以上に高まったと
き、弁体94が圧縮コイルスプリング112の付勢力に
抗して上に持ち上げられ、弁座部98より離間する。こ
れにより一次側通水路40と二次側通水路44とが連通
し、一次側通水路40内に過大な圧力が生じるのが回避
される。
【0048】次に湯水混合水栓10において湯のみを流
し続けると、水栓本体28及び周辺部分が湯の加熱作用
で温度上昇し、これに伴って水側の一次側通水路40の
水が熱膨張して膨張圧を生じるようになる。このとき一
次側通水路40の水は、図7(A)に示しているように
ピストン弁102を図中下向きに押し下げながら導入通
路116及び細溝138を通って円孔134に抜け、シ
リンダ室100の第1室106へと流入する。尚このと
き、弁体94にも同様に膨張圧が作用する。
【0049】しかしながら本例において、ピストン弁1
02の受圧面積(d1)の方が弁体94の受圧面積(d
2)よりも大きくされているため、ピストン弁102に
作用する力の方が弁体94に作用する力よりも大とな
り、ピストン弁102が圧縮コイルスプリング112の
付勢力に抗して優先的に下側に移動する。そしてこのと
きのピストン弁112の移動により、シリンダ室100
の第1室106の容積が増大し、これにより一次側通水
路40の膨張圧を第1室へと逃すことができ、一次側通
水路40の圧力が過大になるのを防止する。
【0050】ところでその膨張圧が高くなるとピストン
弁102に一体的に設けられたスリーブ110の下端が
シリンダ室100の底部142に当接するに至り、以後
ピストン弁102の移動による膨張圧の吸収ができなく
なる。ここにおいて図7(B)に示しているように高ま
った膨張圧が弁体94に強い力で作用し、ばね力が強ま
っている圧縮コイルスプリング112の弾発力に抗して
弁体94を上に押し上げ、弁座98から離間させる。こ
れにより一次側通水路40の圧力がスリーブ110の透
孔115を通って二次側通水路44へ逃げ、一次側通水
路40の圧力がそれより過大になるのが防止される。
【0051】以上のように本例は、水栓本体28内部に
おいて一次側通水路40と二次側通水路44とを連通す
る連通路92を設け、その連通路92上に弁体94とこ
れを閉弁方向に付勢するばね手段とを有するウォーター
ハンマー防止装置96を組み込んだものであるので、水
栓10における弁部の急閉止によって一次側通水路40
の圧力が突発的に上昇すると、その圧力が一定圧以上と
なった時点で弁体94が開弁動作して一次側通水路40
の水を連通路92を介して二次側通水路44へと通水さ
せることが可能である。そしてこれにより一次側通水路
40内に過大な圧力が生じるのが防止され、ウォーター
ハンマーの発生が回避される。
【0052】本例によれば、従来のように独立した部品
としてのウォーターハンマー防止装置を水栓への給水管
上に設ける必要がないので、配管施工作業、水栓の設置
作業を容易化できるとともに、所要コストを安価とする
ことができる。
【0053】また本例によれば、一次側通水路40の温
度上昇に基づく膨張圧が生じたときにおいても、その膨
張圧を逃すことができるため、過大な膨張圧より生ずる
シール部からの漏れ及びシール部の損傷を防止すること
ができる。
【0054】更に本例においては圧縮コイルスプリング
112が第一ばね手段と第二ばね手段とを兼ねているた
め、所要部品点数を少なくすることができる。
【0055】更にピストン弁102にスリーブ110を
一体的に設けて、そのスリーブ110内部に圧縮コイル
スプリング112を収容するようにしているため、その
スリーブ110によって圧縮コイルスプリング112の
ガイド作用を行わせることができる。
【0056】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示である。例えば上記実施例においてはウォ
ーターハンマー防止装置を水栓本体内部に組み込んでい
るが、これを水栓内部において他の個所に設けることも
可能である。その他本発明は種々形態の水栓に対して適
用することが可能であるなど、その主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるウォーターハンマー防
止装置を備えた湯水混合水栓の断面図である。
【図2】図1におけるウォーターハンマー防止装置の要
部拡大断面図である。
【図3】図1の水栓をキッチンカウンター上に設置した
状態で示す斜視図である。
【図4】図1及び図3の水栓にサプライ管を接続した状
態を示す図である。
【図5】図1のウォーターハンマー防止装置の分解図で
ある。
【図6】図1のウォーターハンマー防止装置の作用説明
図である。
【図7】図1のウォーターハンマー防止装置の、図6と
は異なる状態の作用説明図である。
【図8】ウォーターハンマー防止装置を給水配管上に設
けた従来の水栓の図である。
【符号の説明】
10 湯水混合水栓 18 吐水口 40 一次側通水路 44 二次側通水路 92 連通路 94 弁体 96 ウォーターハンマー防止装置 100 シリンダ室 102 ピストン弁 106 第1室 108 第2室 110 スリーブ 112 圧縮コイルスプリング 115 透孔 116 第一絞り部形成部材 120 第二絞り部形成部材 142 底部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉操作可能な弁部と、該弁部より上流
    側の、給水源に連通した一次側通水路と、該弁部より下
    流側の、吐水口に連通した二次側通水路とを有し、該弁
    部の開操作に基づいて吐水口より吐水を行い、また該弁
    部の閉操作に基づいて吐水口からの吐水を停止する水栓
    において該水栓内部の前記一次側通水路と二次側通水路
    とを前記弁部を経由しないで直接連通する連通路を設け
    るとともに、該連通路上に、(イ)該連通路を開閉する
    弁体と、(ロ)該弁体を閉弁方向に付勢するばね手段と
    を有し、且つ該ばね手段のばね強さが、前記一次側通水
    路における圧力が給水圧力よりも一定圧力高くなった時
    点で該弁体の開弁動作を許容する強さとされているウォ
    ーターハンマー防止装置を設けたことを特徴とするウォ
    ーターハンマー防止装置内蔵の水栓。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ウォーターハン
    マー防止装置が、(イ)導入通路を介して前記一次側通
    水路に連通したシリンダ室と、(ロ)該シリンダ室内に
    水密且つ摺動可能に嵌合されて該シリンダ室を該導入通
    路側の第1室と反対側の第2室とに区画するとともに、
    該一次側通水路の圧力を受けて該第2室側に移動し、該
    第1室の容積を増大させるピストン弁と、(ハ)該ピス
    トン弁を前記一次側通水路の圧力よりも強い力で前記第
    1室側に付勢する第二ばね手段と、(ニ)該第一次側通
    水路から前記シリンダ室の第1室に向う水の流れを絞る
    絞り部と、を含んでいることを特徴とするウォーターハ
    ンマー防止装置内蔵の水栓。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記弁体が前記シリ
    ンダ室の第2室側に配置されていて、該弁体と前記ピス
    トン弁との間に、前記第一ばね手段と第二ばね手段とを
    兼ねた圧縮コイルスプリングがそれらを互いに逆方向に
    弾発して該弁体を閉弁方向に、またピストン弁を第1室
    側に付勢する状態で介装されており、且つ該ピストン弁
    の前記第1室内の圧力に対する受圧面積の方が、該弁体
    の前記連通路内圧力に対する受圧面積よりも大きくされ
    ていることを特徴とするウォーターハンマー防止装置内
    蔵の水栓。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ピストン弁から
    スリーブが前記シリンダ室内において前記第2室側に一
    体的に延び出していて、該スリーブ内に前記圧縮コイル
    スプリングが収容されており、且つ該スリーブの長さ
    は、前記ピストン弁が所定距離前記第2室側に移動した
    時点で前記シリンダ室の底部に当接して以後のピストン
    弁の移動を阻止する長さとされていることを特徴とする
    ウォーターハンマー防止装置内蔵の水栓。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記スリーブ及び弁
    体の大きさが、該スリーブが前記シリンダ室の底部に当
    接したとき、該弁体が該スリーブ内部に入り込む大きさ
    とされており、且つ該スリーブの該シリンダ室底部側の
    端部ないし近傍に、該スリーブの内部を前記連通路にお
    ける前記弁体の上流側の部分と下流側の部分とに連通さ
    せる透孔が形成されていることを特徴とするウォーター
    ハンマー防止装置内蔵の水栓。
JP18638195A 1995-06-28 1995-06-28 ウォーターハンマー防止装置内蔵の水栓 Pending JPH0914501A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012214992A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Toto Ltd 水栓装置

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JP2012214992A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Toto Ltd 水栓装置

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