JPH0914391A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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Publication number
JPH0914391A
JPH0914391A JP16605195A JP16605195A JPH0914391A JP H0914391 A JPH0914391 A JP H0914391A JP 16605195 A JP16605195 A JP 16605195A JP 16605195 A JP16605195 A JP 16605195A JP H0914391 A JPH0914391 A JP H0914391A
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JP
Japan
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oil
differential
pump
chamber
gear
Prior art date
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Pending
Application number
JP16605195A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Yamazaki
伸司 山崎
Masao Teraoka
正夫 寺岡
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Priority to JP16605195A priority Critical patent/JPH0914391A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 差動回転に対する差動制限力の立ち上がりの
レスポンスを高める。 【構成】 オイル溜り5を有するハウジング3の内部で
エンジンの駆動力により回転駆動されるデフケース7
と、ケース7に配置された差動機構57と、その差動制
限用の摩擦クラッチ61と、ハウジング3に固定されケ
ース7との間でオイル室99を形成するオイルポケット
97と、差動回転により駆動されオイル室99からオイ
ルを吸入するオイルポンプ65と、ポンプ65のオイル
圧を受けてクラッチ61を締結する油圧アクチュエータ
63と、オイル溜り5とオイル室99とを連結するオイ
ル流路103とを備え、このオイル流路103にはオイ
ルを分岐させる重力方向上向きの屈曲部101が形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両に用いられるデ
ファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】U.S.Patent 5310388
号登録証に図4のようなデファレンシャル装置201が
記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置201は、デフ
ケース203に固定されたピニオンシャフト205と、
ピニオンシャフト205上に回転自在に支承されたピニ
オンギヤ207と、ピニオンギヤ207と噛み合うサイ
ドギヤ209、211とからなるベベルギヤ式の差動機
構213と、差動制限用の多板クラッチ215と、多板
クラッチ215を締結させる油圧アクチュエータ217
と、油圧アクチュエータ217を作動させるオイルポン
プ219とを備えている。サイドギヤ209、211は
車軸221、223に各別にスプライン連結されてい
る。
【0004】多板クラッチ215とオイルポンプ219
とはサイドギヤ209側の車軸221とデフケース20
3との間にそれぞれ配置されており、オイルポンプ21
9は車軸221を介し差動機構213の差動トルクを受
けて駆動される。
【0005】デファレンシャル装置201を収納するデ
フキャリヤにはオイル溜りが形成されており、オイルポ
ンプ219はデフケース203のオイルポート225と
チェックバルブ227とを介してこのオイル溜りからオ
イルを吸入する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、デファレ
ンシャル装置201ではオイルポンプ219がデフキャ
リヤのオイル溜りからオイルを直接吸入するようになっ
ているから、オイル溜りのオイルレベル229は吸入ポ
ート225の位置より上になるようにする必要がある。
しかし、デファレンシャル装置201が回転すると遠心
力を受けてオイルが軸方向の両側に寄せられて、吸入ポ
ート225付近のオイルレベル229が低下し、オイル
を吸引できなくなることがある。従って、オイル溜りの
オイル量はこれを見込んで多目にしなければならない。
【0007】しかし、オイル量を増すと、デファレンシ
ャル装置201が受けるオイルの回転抵抗がそれだけ増
加し、エンジンの燃費が悪化する。又、オイルレベル2
29を高くしても、車両が傾いて吸入ポート225がオ
イルレベル229より上に出ると、オイルポンプ219
がオイルを吸引できず、差動制限機能が失われる。
【0008】そこで、図4に示すように、デフケース2
03の側面に吸入ポート225をカバーするオイルポケ
ット231を設け、更にこのオイルポケット231にオ
イルチューブ233を連結し、オイル溜りからオイルチ
ューブ233を中継してオイルを吸入するように構成し
たものがある。
【0009】ところが、上記のようにデファレンシャル
装置201の差動回転を受けて作動するオイルポンプ2
19は、車両の直進走行時のように差動回転が生じない
ときは作動せず、更に、オイルポケット231にはオイ
ルポンプ219が作動したこきだけオイルが吸い上げら
れるから、差動回転が生じない間にオイルがオイルチュ
ーブ233からオイル溜りへ落ちてしまい、エアが入り
込んでオイルポケット231が空になる。
【0010】従って、例えば、暫く直進走行してから旋
回するとオイルポケット231にオイルが吸い上げられ
るまでは差動制限力が得られず、差動回転の発生に対す
るレスポンスが極めて悪くなる。
【0011】そこで、この発明は、差動制限用の摩擦ク
ラッチを締結する油圧アクチュエータを内蔵のオイルポ
ンプで操作するように構成したデファレンシャル装置で
あって、差動回転が生じると直ちに差動制限力が得られ
るデファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、オイル溜りを有するハウジングと、このハ
ウジングの内部に配置されエンジンの駆動力により回転
駆動されるデフケースと、デフケースに配置された差動
機構と、差動機構の差動を制限する摩擦クラッチと、ハ
ウジング側に固定されると共にデフケースの外部壁面と
の間でオイル室を形成するオイルポケットと、差動機構
の差動回転を受けて駆動されオイル室からデフケースの
オイルポートを介してオイルを吸入するオイルポンプ
と、オイルポンプのオイル圧を受けて摩擦クラッチを押
圧し締結する油圧アクチュエータと、ハウジングのオイ
ル溜りとオイル室とを連結するオイル流路とを備え、こ
のオイル流路にはオイルを分岐させる重力方向上向きの
屈曲部が形成されていることを特徴とする。
【0013】請求項2のデファレンシャル装置は、オイ
ル流路が、オイルポケットの重力方向最上部に連結され
た請求項1のデファレンシャル装置である。
【0014】請求項3のデファレンシャル装置は、オイ
ルポケットが、オイル流路を介してハウジングに連結さ
れた請求項1又は2のデファレンシャル装置である。
【0015】
【作用】各請求項のデファレンシャル装置は、差動回転
が生じるとオイルポンプが駆動され、そのオイル圧を受
けて油圧アクチュエータが作動し、摩擦クラッチが押圧
されて差動が制限される。このように、差動回転速度が
上がるほど大きくなるオイルポンプのポンプ仕事と吐出
圧とによって、速度感応型の差動制限機能を得ている。
【0016】デフケースの外部壁面にはオイル室を形成
するオイルポケットが配置されており、オイルポンプは
ハウジングのオイル溜りとオイル流路とこのオイル室と
デフケースのオイルポートとを介してオイルを吸入す
る。
【0017】ここで、ハウジングのオイル溜りとオイル
室とを連結するオイル流路にはオイルを分岐させる重力
方向上向きの屈曲部を形成してあるから、車両の直進走
行などにより、オイルポンプが作動しない間(差動機構
に差動回転が発生しない間)も、オイルがこの屈曲部で
オイル溜り側とオイル室側とに分岐するから、従来例と
異なって、屈曲部のオイルポンプ側にあるオイル室から
オイル溜りにオイルが抜けることはない。
【0018】従って、車両の旋回走行や駆動輪の空転な
どによって差動回転が生じ、オイルポンプが作動する
と、直ちにオイル室のオイルが吸入されて差動制限力が
発生し、差動回転に対してレスポンスの良い差動制限機
能が得られる。
【0019】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、オイル流路をオ
イルポケットの重力方向最上部に連結したものであり、
請求項3のデファレンシャル装置は、請求項1又は2の
デファレンシャル装置において、オイルポケットをオイ
ル流路を介してハウジングに連結したものである。
【0020】いずれも、請求項1のデファレンシャル装
置と同様に、オイル流路に設けた上向きの屈曲部によっ
て、オイルポンプ休止時のオイル室からのオイル抜けが
防止され、差動回転に対するレスポンスの良い差動制限
機能が得られる。
【0021】これに加えて、請求項2の構成では、オイ
ル流路をオイルポケットの重力方向最上部に連結したこ
とによって、オイル室を常時満たすオイル量が多くな
る。従って、間歇的に差動回転が発生する走行状態で、
差動回転発生時に連続的に吸入できるオイル量が増加す
るから、油圧アクチュエータに大きいオイル圧をそれだ
け長く供給することが可能になる。
【0022】又、請求項3の構成では、オイルポケット
をオイル流路を介してハウジングに連結したことによ
り、オイルポケットの固定手段が不要になり、それだけ
部品点数が低減し、構造簡単で、低コストになる。
【0023】
【実施例】図1、2により本発明の第1実施例を説明を
する。この実施例は請求項1、2、3の特徴を備えてい
る。図1、2はこの実施例のデファレンシャル装置1を
示す。なお、左右の方向は図1、2での左右の方向であ
り、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0024】図1のように、デファレンシャル装置1は
デフキャリヤ3(ハウジング)の内部に配置されてい
る。斜線で示したように、デフキャリヤ3にはオイル溜
り5が設けられている。
【0025】デファレンシャル装置1のデフケース7は
右のボス部9が形成されたケーシング本体11と、左の
ボス部13が形成されたカバー15とを備えており、こ
れらはボルト17で固定されている。各ボス部9、13
はベアリング19、19を介してデフキャリヤ3の左右
に形成されたボス部21、21に支承されている。ケー
シング本体11とカバー15にはボルト23によってリ
ングギヤ25が共締めされている。このリングギヤ25
は駆動力伝達系の駆動ギヤと噛み合っており、デフケー
ス7はトランスミッションと駆動力伝達系とを介してエ
ンジンの駆動力により回転駆動される。
【0026】図1のように、デフケース7の内部には、
ボス部27を中心にして複数本のピニオンシャフト29
が放射状に配置されている。ピニオンシャフト29の外
側端部はデフケース7の溝31に支持されており、ピニ
オンシャフト29上にはピニオンギヤ33が回転自在に
支承されている。
【0027】又、デフケース7の内部には左右のサイド
ギヤ35、37が配置されている。各サイドギヤ35、
37はそれぞれボス部39、41に一体形成されてい
る。これらのサイドギヤ35、37はピニオンギヤ33
との噛み合いによって径方向外側から支持されている。
ピニオンギヤ33とデフケース7との間には球面ワッシ
ャ43が配置され、ピニオンギヤ33の遠心力及び各サ
イドギヤ35、37との噛み合いによりピニオンギヤ3
3が受ける噛み合い反力を負担する。
【0028】左サイドギヤ35のボス部39はデフケー
ス7の支承部45及び後述するポンプボデイ47のボス
部49の内周で回転自在に支承され、右サイドギヤ37
のボス部41はデフケース7の支承部51で回転自在に
支承されている。左サイドギヤ35とポンプボデイ47
との間にはワッシャ53が配置され、右サイドギヤ37
とデフケース7との間にはワッシャ55が配置されてい
る。サイドギヤ35、37は各ボス部39、41を介し
て出力軸にスプライン連結されている。
【0029】こうして、ベベルギャ式の差動機構57が
構成されている。差動機構57のピニオンシャフト29
とピニオンギヤ33とサイドギヤ35、37はデフケー
ス7の溝31上を軸方向に適度に移動可能である。
【0030】デフケース7を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンシャフト29からピニオンギヤ33を介
してサイドギヤ35、37に分配され、各出力軸を介し
て車輪側に伝達される。又、例えば悪路走行中に、これ
らの車輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ33
の自転によってエンジンの駆動力は左右各側に差動分配
される。
【0031】左のサイドギヤ35の頂部59とデフケー
ス7との間には、多板クラッチ61(摩擦クラッチ)が
配置されている。又、その左方には油圧アクチュエータ
63が配置され、更にその左方には4組の外接式ギヤポ
ンプ65(オイルポンプ)が配置されている。
【0032】多板クラッチ61とデフケース7との間に
はバックリング67が配置され多板クラッチ61の押圧
力を負担している。
【0033】油圧アクチュエータ63のピストン69は
ポンプボデイ47のボス部49外周とデフケース7内周
との間にそれぞれシール71、73を介して軸方向移動
自在に配置されている。又、油圧アクチュエータ63の
圧力室75はピストン69とポンプボデイ47とデフケ
ース7との間に形成されている。
【0034】各ギヤポンプ65はポンプボデイ47と大
径ギヤ77と4個の小径ギヤ79と各ギヤポンプ65の
左右にそれぞれ配置されたチェックバルブ81、83な
どから構成されている。
【0035】ポンプボデイ47は外周をデフケース7に
圧入され、更にボルトでデフケース7に固定されてい
る。ポンプボデイ47には大径の収納孔85と4個の小
径の収納孔87とが設けられており、収納孔87は周方
向等間隔で収納孔85の外側に形成されている。収納孔
85、87は互いに連通しポンプ室を形成している。大
径ギヤ77と各小径ギヤ79はそれぞれ収納孔85、8
7に摺動回転自在に収納され、ポンプ室で互いに噛み合
って4組のギヤポンプ65を構成している。
【0036】大径ギヤ77の内周は左サイドギヤ35の
ボス部39の外周にスプライン連結されている。従っ
て、差動機構57に差動回転が生じると、デフケース7
に固定されたポンプボデイ47側の小径ギヤ79と左サ
イドギヤ35側の大径ギヤ77とが相対回転し、各ギヤ
ポンプ65が作動する。
【0037】デフケース7のカバー15には、大径ギヤ
77と各小径ギヤ79の噛み合い部の周方向両側に対応
して各2個(合計8個)のオイルポート89が設けられ
ており、ポンプボデイ47には、各ギヤ77、79の噛
み合い部の周方向両側に対応して各2個(合計8個)の
オイルポート91が設けられている。各オイルポート8
9はギヤポンプ65の回転方向変化に応じて一方が吸入
側になり他方が吐出側になる。同様に、各オイルポート
91もギヤポンプ65の回転方向変化に応じて一方が吸
入側になり他方が吐出側になる。
【0038】チェックバルブ81、83は帯板状の可撓
部材である。チェックバルブ81は中央部をピンでカバ
ー15に固定され、周方向両側の各リード部でそれぞれ
オイルポート89を塞いでいる。又、チェックバルブ8
3は中央部をピンでポンプボデイ47に固定され、周方
向両側の各リード部でそれぞれオイルポート91を塞い
でいる。
【0039】カバー15のボス部13には止め輪93と
ワッシャ95とによりオイルポケット97が相対回転自
在に装着されている。このオイルポケット97はカバー
15の側面に適度に押し付けられて液密状態を保ち、カ
バー15との間にオイル室99を形成している。
【0040】図1のように、オイルポケット97の重力
方向最上部には重力方向上向きの屈曲部101を有する
金属製のオイルパイプ103(オイル流路)が継ぎ手1
05を介して接続されている。このオイルパイプ103
は下端をデフキャリヤ3のオイル溜り5に浸漬されてい
る。又、オイルパイプ103は支持金具107とボルト
109とによってデフキャリヤ3の内側に固定されてお
り、オイルポケット97はオイルパイプ103を介して
デフキャリヤ3側に回り止めされている。
【0041】各ギヤポンプ65は差動機構57の差動回
転方向に従って一側と他側に回転する。
【0042】各ギヤポンプ65がいずれの方向に回転し
ても、チェックバルブ81、83のチェック機能によっ
て、オイル室99側ではオイルポート89の吸入側が開
放されると共に吐出側が閉塞され、油圧アクチュエータ
63側ではオイルポート91の吸入側が閉塞されると共
に吐出側が開放される。
【0043】又、図1に示したように、オイルポート8
9はギヤポンプ65に向かって遠心方向に傾斜してお
り、デフケース7が回転するとオイルは遠心力を受けて
各ギヤポンプ65側に導入される。
【0044】こうして、ギヤポンプ65の回転方向(差
動回転方向)に係わらず、オイルの流れは常に油圧アク
チュエータ63方向に整流され、オイル溜り5のオイル
はオイルパイプ103とオイル室99とを介してギヤポ
ンプ65に吸入され油圧アクチュエータ63の圧力室7
5に供給される。
【0045】圧力室75にオイル圧が加えられると、油
圧アクチュエータ63はピストン69を介して多板クラ
ッチ61を押圧し締結させる。このとき、各ギヤポンプ
65のポンプ仕事と多板クラッチ61の摩擦抵抗とによ
ってサイドギヤ35の回転が制動され、差動機構57の
差動が制限される。ギヤポンプ65のポンプ仕事と吐出
圧は差動回転速度が大きくなる程強くなるから、この差
動制限機能は差動回転速度感応型である。
【0046】又、いずれの差動回転方向でも差動回転数
が一定値より小さくなると、チェックバルブ81、83
によりオイルポート89、91が閉塞されてギヤポンプ
65のポンプ機能が停止し、差動制限が解除される。
【0047】ピストン69にはオリフィス111が設け
られており、圧力室75にオイル圧が加えられている間
オイルに混入した空気を排出し、適度にオイルを排出す
る。排出されたオイルは多板クラッチ61、各ギヤの噛
み合い部、ピニオンギヤ33とピニオンシャフト29及
び球面ワッシャ43との摺動部などを潤滑し、デフケー
ス7に設けられた開口113、115から遠心力で外部
に排出され、オイル溜り5に戻る。
【0048】又、各ギヤポンプ65が最初に作動したと
き先ず吸入されるエアは、このオリフィス111を抜け
て、更に開口113、115から外部に排出される。
【0049】上記のように、オイルパイプ103には重
力方向上向きの屈曲部101が設けられているから、例
えばギヤポンプ65が停止する車両の直進走行中でも、
この屈曲部101でオイルが分岐するから、オイル溜り
5側の立ち上がり部117のオイルはオイル溜り5に戻
るが、従来例と異なって、オイル室99のオイルがオイ
ル溜り5に落ちることはない。
【0050】従って、ギヤポンプ65が暫く停止したあ
と、車両が旋回しあるいは悪路などで駆動車輪が空転し
て差動機構57に差動回転が生じ、ギヤポンプ65が作
動するとオイル室99のオイルが直ちに油圧アクチュエ
ータ63に送られる。このように、差動の発生と共に差
動制限力が発生し、差動回転に対するレスポンスのよい
差動制限機能が得られるから、旋回時は車体の挙動が安
定し、悪路走行時は空転の発生と共に空転側車輪に駆動
力が送られて走破性が向上する。
【0051】これに加えて、上記のように、オイルポー
ト89の傾斜によって遠心力で各ギヤポンプ65にオイ
ルが導入されるから、各ギヤポンプ65の吸入効率と差
動発生に対するオイル圧の立ち上がりとが向上し、差動
制限力発生のレスポンスが更に向上する。
【0052】又、上記のように、オイルパイプ103を
オイルポケット97の重力方向最上部に接続したから、
各ギヤポンプ65の停止時もオイル室99は常にオイル
で満杯の状態に保たれる。従って、例えば直進走行と旋
回走行とを交互に繰り返し間歇的に差動回転が発生する
走行状態で、差動発生に伴って連続的に吸入できるオイ
ル量がそれだけ増加するから、油圧アクチュエータ63
に大きいオイル圧を長く供給することが可能になる。
【0053】更に、剛性の高い金属製のオイルパイプ1
03を支持金具107でデフキャリヤ3に連結すること
により、オイルパイプ103を介してオイルポケット9
7をデフキャリヤ3に連結した。従って、オイルポケッ
ト97をデフキャリヤ3側に固定するための手段が不要
になり、それだけ部品点数が低減し、構造簡単で、低コ
ストになる。
【0054】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0055】デファレンシャル装置1を用いた車両は、
差動回転に対するレスポンスの速い差動制限機能によっ
てデファレンシャル装置1が悪路などでの駆動輪の空転
に効果的に対応し、走破性が向上する。又、大きい差動
回転数が生じる急旋回などでは、速度感応型の差動制限
機能によって車両の姿勢や挙動が安定すると共に、差動
回転数が小さい緩やかな旋回時には差動制限力が緩和さ
れ、円滑で安定した旋回走行ができる。
【0056】なお、デファレンシャル装置1では、支持
金具107とボルト109とによるオイルパイプ103
の支持は、図1のように、オイルパイプ103の下部で
行われているが、これは、図2のように、オイルパイプ
103の上部で行ってもよい。このように、オイルパイ
プ103の上部を支持すれば、オイルパイプ103とオ
イルポケット97の支持がより強固になる。
【0057】次に、図3により本発明の第2実施例を説
明をする。この実施例は請求項1、2、3の特徴を備え
ている。以下、図3とこの実施例の説明において、第1
実施例と同機能の部材等は同一の符号を与えて引用し、
重複を避けるためにこれら同機能部材等の説明は省く。
なお、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0058】図3に示すように、この実施例のデファレ
ンシャル装置では、オイルポケット97の重力方向最上
部に屈曲部119を有するプラスチック製のオイルパイ
プ121(オイル流路)が金属製の継ぎ手123を介し
て接続されている。このオイルパイプ121の下端はデ
フキャリヤ3のオイル溜り5に浸漬されている。継ぎ手
123は保持金具107とボルト109とによってデフ
キャリヤ3に固定されており、オイルポケット97とオ
イルパイプ121は継ぎ手123を介してデフキャリヤ
3に回り止めされている。
【0059】こうして、この実施例のデファレンシャル
装置が構成されている。
【0060】このデファレンシャル装置は、第1実施例
のデファレンシャル装置1と同様に、オイルパイプ12
1に上向きの屈曲部119を設けたことにより、ギヤポ
ンプ65が停止している間のオイル室99からのオイル
抜けが防止され、差動発生に対するレスポンスの良い差
動制限機能が得られる。又、オイルパイプ121をオイ
ルポケット97の重力方向最上部に連結したことによ
り、オイル室99を常時満たすオイル量が多くなるか
ら、差動回転発生時に連続的に吸入できるオイル量が増
加し、油圧アクチュエータ63に大きいオイル圧をそれ
だけ長く供給することが可能になる。
【0061】又、オイルポケット97をオイルパイプ1
21(継ぎ手123)を介してデフキャリヤ3に連結し
たことにより、オイルポケット97の固定手段が不要に
なり、それだけ部品点数が低減し、構造簡単で、低コス
トになる。
【0062】更に、オイルパイプ121の支持を金属製
の継ぎ手123を介して行ったことにより、オイルパイ
プ121に金属製ではなくプラスチック製のものを用い
ることが可能になり、低コストになると共に、オイルパ
イプ121が柔軟であるから、組付け作業が楽になる。
【0063】なお、本発明において、差動機構はベベル
ギヤ式に限らず、例えば、ギヤの歯面摩擦力やギヤとデ
フケースとの摩擦抵抗を利用してトルク感応式の差動制
限機能を得る差動機構でもよい。このような差動機構を
用いれば、トルク感応型の差動制限機能に加えて、上記
のような摩擦クラッチとオイルポンプによる速度感応型
の差動制限機能とを併せ持つデファレンシャル装置が得
られる。
【0064】又、摩擦クラッチは、多板クラッチに限ら
ず、例えばコーンクラッチでもよい。
【0065】この発明のデファレンシャル装置は、フロ
ントデフ(前輪側の車軸デフ)と、リヤデフ(後輪側の
車軸デフ)と、センターデフ(エンジンの駆動力を前輪
と後輪とに分配するデファレンシャル装置)のいずれに
も用いることができる。
【0066】
【発明の効果】各請求項のデファレンシャル装置は、差
動回転によってオイルポンプが作動し、ハウジングのオ
イル溜りとオイル流路とオイル室とを介してオイルが吸
入され、油圧アクチュエータが作動して摩擦クラッチを
押圧し、速度感応型の差動制限機能を得る。
【0067】各請求項のデファレンシャル装置では、こ
のオイル流路にオイルを分岐させる重力方向上向きの屈
曲部を設けたことにより、オイルポンプが作動しない間
も、従来例と異なって、この屈曲部のオイルポンプ側に
あるオイル室からオイルが抜けることを防止した。従っ
て、差動回転によりオイルポンプが作動を開始すると、
直ちにオイル室のオイルが吸入されて差動制限力が発生
し、差動回転に対してレスポンスの良い差動制限機能が
得られる。
【0068】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、オイル流路をオ
イルポケットの重力方向最上部に連結したものであり、
請求項3のデファレンシャル装置は、請求項1又は2の
デファレンシャル装置において、オイルポケットをオイ
ル流路を介してハウジングに連結したものであり、それ
ぞれ請求項1のデファレンシャル装置と同様な効果を得
る。
【0069】これに加えて、請求項2の構成では、オイ
ル流路をオイルポケットの重力方向最上部に連結したこ
とによって、オイル室を常時満たすオイル量が多くな
り、間歇的に差動回転が発生する走行状態で、差動回転
発生時に連続的に吸入できるオイル量が増加し、油圧ア
クチュエータに大きいオイル圧をそれだけ長く供給する
ことが可能になる。
【0070】又、請求項3の構成では、オイルポケット
をオイル流路を介してハウジングに連結したことによ
り、オイルポケットの固定手段が不要になり、それだけ
部品点数が低減し、構造簡単で、低コストになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】第1実施例の変形例を示す要部断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の要部を示す斜視図であ
る。
【図4】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフキャリヤ(ハウジング) 5 オイル溜り 7 デフケース 57 差動機構 61 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 63 油圧アクチュエータ 65 ギヤポンプ(オイルポンプ) 89 オイルポート 97 オイルポケット 99 オイル室 101、119 屈曲部 103、121 オイルパイプ(オイル流路)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイル溜りを有するハウジングと、この
    ハウジングの内部に配置されエンジンの駆動力により回
    転駆動されるデフケースと、デフケースに配置された差
    動機構と、差動機構の差動を制限する摩擦クラッチと、
    ハウジング側に固定されると共にデフケースの外部壁面
    との間でオイル室を形成するオイルポケットと、差動機
    構の差動回転を受けて駆動されオイル室からデフケース
    のオイルポートを介してオイルを吸入するオイルポンプ
    と、オイルポンプのオイル圧を受けて摩擦クラッチを押
    圧し締結する油圧アクチュエータと、ハウジングのオイ
    ル溜りとオイル室とを連結するオイル流路とを備え、こ
    のオイル流路にはオイルを分岐させる重力方向上向きの
    屈曲部が形成されていることを特徴とするデファレンシ
    ャル装置。
  2. 【請求項2】 オイル流路が、オイルポケットの重力方
    向最上部に連結された請求項1のデファレンシャル装
    置。
  3. 【請求項3】 オイルポケットが、オイル流路を介して
    ハウジングに連結された請求項1又は2のデファレンシ
    ャル装置。
JP16605195A 1995-06-30 1995-06-30 デファレンシャル装置 Pending JPH0914391A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT407077B (de) * 1997-11-25 2000-12-27 Steyr Daimler Puch Ag Antriebseinheit mit drehzahldifferenzabhängiger hydraulischer kupplung für den antriebsstrang von fahrzeugen

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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AT407077B (de) * 1997-11-25 2000-12-27 Steyr Daimler Puch Ag Antriebseinheit mit drehzahldifferenzabhängiger hydraulischer kupplung für den antriebsstrang von fahrzeugen

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