JPH09143847A - 形状記憶性を有するニードルフェルト - Google Patents

形状記憶性を有するニードルフェルト

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JPH09143847A
JPH09143847A JP7328335A JP32833595A JPH09143847A JP H09143847 A JPH09143847 A JP H09143847A JP 7328335 A JP7328335 A JP 7328335A JP 32833595 A JP32833595 A JP 32833595A JP H09143847 A JPH09143847 A JP H09143847A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の技術では達成し得なかった機械的強度
や機能の持続性即ち強度や形状の持続性に関して充分に
満足できるニードルフェルトを提供する。 【解決手段】 形状記憶性を有する高分子化合物からな
るモノフィラメントを含む織物と、形状記憶性を有する
高分子化合物からなる短繊維を含むバットとをニードル
パンチング接着してなる積層体を、高分子化合物のガラ
ス転移点以上、融点以下の温度で熱処理して形状記憶さ
せたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は形状回復性に優れ、
機械的強度の高い形状記憶性を有するニードルフェルト
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ニードルフェルトは、衣料、イン
テリヤ、ルーフイング資材、自動車用内装材、建築用補
強材、フィルター、抄紙用フェルトなど多種多様な形で
多くの分野で使用されている。就中、工業製品として使
用した場合には使用期間中、その環境から受ける雑多な
応力によって疲労、変形、摩滅し、ついには破損、破断
してその役割を終えるが、その最後まで工業用途で要求
される機械的強度や機能の持続性を保持していることが
必要である。
【0003】近年、形状記憶性を有する高分子化合物、
例えば、形状記憶点(固定相)に架橋構造を持たせたト
ランスポリイソプレン、擬架橋構造を利用したポリノル
ボルネン、結晶領域やガラス状領域を利用したポリウレ
タン、スチレン/ブタジエン共重合体が登場したことに
伴い、該素材を利用して形態安定性や形状回復性の高い
繊維製品の開発が頻繁に行われている。具体的には、形
状記憶性を有する不織布シート(特開昭61−2523
53号)、形状記憶性を有する特殊糸(特開平1−22
9836号)、形状記憶を有する織布(特開平2−11
2433号)、形状記憶性網体(特開平3−45744
号)、形状記憶能を有する紡績糸(特開平5−4412
8号)、形状記憶織編物(特開平5−247778号)
などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
形状記憶性を有する高分子化合物からなる織物、編物、
不織布などは、何れも紡績糸や細繊度のフィラメントが
主体であって、柔軟な風合いを持つ反面、圧縮回復性が
低く、しかも繰り返しの圧縮使用により構造が変形して
しまい、工業用途で要求される機械的強度や機能の持続
性について未だ満足するに至っていなかった。
【0005】そこで、本発明は、従来の技術では達成し
得なかった機械的強度や機能の持続性即ち強度や形状の
持続性に関して充分に満足できるニードルフェルトを提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、形状記憶性を有する高分子化合物からな
るモノフィラメントを含む織物と、形状記憶性を有する
高分子化合物からなる短繊維を含むバットとをニードル
パンチング接着してなる積層体を、前記高分子化合物の
ガラス転移点以上、融点以下の温度で熱処理し、形状記
憶させたものである。
【0007】また、前記織物を多重織組織とし、糸の浮
き沈みを大きくして織物の圧縮回復性やその持続性及び
織物が工業製品として使用される期間中に受ける疲労や
変形に対して元の形状に回復する機能、即ち形状回復性
に優れるようにしている。
【0008】さらに、前記モノフィラメントとして、少
なくとも0.15mm以上の繊径を持たせ、モノフィラ
メント単糸であっても撚糸であっても、モノフィラメン
ト自身の機械的強度、形状回復性、圧縮回復性、耐圧縮
疲労性を高めることができるようにしている。
【0009】さらにまた、前記短繊維として、少なくと
も5山/2.5cm以上の捲縮数を有し、3g/デニー
ル(d)以上の引張強さ、3〜50dの範囲の繊度を有
するものを使用することによりニードルパンチング時に
受ける針ダメージや工業製品として環境から受ける雑多
な応力、例えば、圧縮プレスや緊張力、衝撃等の繰り返
し応力によって疲労、変形、摩滅に至るまでの期間を拡
大できるようにしている。
【0010】
【発明の実施の態様】次に、本発明の実施の態様を図面
に基づいて説明する。図において、1は本願ニードルフ
ェルトで、該ニードルフェルト1は形状記憶性を有する
高分子化合物からなるモノフィラメントを含む織物2
と、形状記憶性を有する高分子化合物からなる短繊維を
含むバット3とをニードルパンチング接着して得た積層
体4を、高分子化合物のガラス転移点以上、融点以下の
温度で熱処理してなる。
【0011】前記形状記憶性を有する高分子化合物に
は、例えばトランスポリイソプレン、ポリノルボルネ
ン、スチレン/ブタジエン共重合体、ニトリル/ブタジ
エン共重合体、ポリウレタン、架橋ポリオレフィン、架
橋化ポリアミド、コポリエステル等がある。勿論、これ
らの高分子化合物に限定されるものではない。
【0012】前記高分子化合物には製糸性に優れた高分
子化合物を複合化させてもよい。製糸性に優れた高分子
化合物には、例えばポリアミド、ポリオレフィン、ポリ
エステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、アク
リロニトリル、アラミドなどがある。製糸性に優れた高
分子化合物についてもこれ以外にあればそれによること
は自由である。
【0013】前記織物2としては、形状記憶性を有する
高分子化合物からなるモノフィラメント単糸、あるいは
該単糸を含む撚糸で織成されている。特に、該モノフィ
ラメントを織機上の縦糸として用いるとよい。モノフィ
ラメントで織成された織物は紡績糸で織成された織物に
比べて機械的強度が強く、バネ弾性的な作用、即ち、圧
縮回復性が高くなる。
【0014】前記織物2にバネ弾性的な作用を与える形
態としては図示の如く多重織組織にすると良い。即ち、
多重織組織は糸の浮き沈みが大きいためである。糸の浮
き沈みは織物の断面方向に形成される一種のクリンプで
あるから織物の圧縮回復性やその持続性、及び織物が工
業製品として使用される期間中に受ける疲労や変形に対
して元の形状に回復しようとする機能(形状回復性)に
優れるからである。一般的に織機上の横糸の打込み本数
が増えるほど、縦糸に出来る浮き沈みが大きくなる。
【0015】前記形状記憶性を有するモノフィラメント
としては、市販されている中から選択できるし、湿式
法、乾式法或いは溶融紡糸法にて紡出できるが、モノフ
ィラメント自身の機械的強度、形状回復性、圧縮回復
性、耐圧縮疲労性を高めるためには、例えば、繊径0.
15mm以上、好ましくは0.25mm以上のものを選
択すべきであり、少なくとも引張強さが2g/d以上、
好ましくは4g/d以上を有するものを選択することが
よい。
【0016】また、前記形状記憶性を有する高分子化合
物からなる短繊維としては、少なくとも2.5cm当た
り、5山以上、好ましくは10山以上の捲縮数を有して
いるものがよい。また、少なくとも引張強さが3g/d
以上、好ましくは4g/d以上を有し、繊度が3〜50
dのものがよい。即ち、ニードルパンチング接着時に受
ける針ダメージや工業製品として環境から受ける雑多な
応力、例えば圧縮プレスや緊張力、衝撃等の繰り返し応
力によって疲労、変形、摩滅に至るまでの期間を延長で
きるようになるからである。
【0017】前記形状記憶性を有する短繊維を含むバッ
ト3は、全部が形状記憶性を持つ繊維であっても勿論よ
いが、それだけでなく通常の繊維、例えばナイロンやポ
リエステル、天然繊維等を混紡して使用してもよい。
【0018】前記形状記憶性を有するモノフィラメント
を含む織物2の片面又は両面に、形状記憶性を有する短
繊維を含むバット3とをニードルパンチング接着すると
きのニードルパンチング条件は、特に問わないが、パン
チ密度200〜1200本/cm2 の範囲で行うと満足
できる。
【0019】前記形状記憶性を有するモノフィラメント
を含む織物2と、形状記憶性を有する短繊維を含むバッ
ト3とをニードルパンチング接着してなる積層体4を、
その構成高分子化合物のガラス転移温度以上、融点以下
の温度の雰囲気中に所定時間置いて冷却すると内部応力
が固定化され、その形状が記憶される。
【0020】前記形状記憶処理方法としては、例えば、
高分子化合物の融点をTm、ガラス転移温度をTg、熱
処理温度をTs(何れも摂氏)とすれば、 熱処理温度Ts=Tg+(Tm−Tg)/3 の近辺が適当である。
【0021】また、架橋によって形状記憶性を有するよ
うになる高分子化合物にあっては、通常融点が不明瞭な
場合が多く、このような場合の熱処理温度はガラス転移
温度より30°C程度高めに設定することが肝要であ
る。ここで「熱処理」としては極く一般的な方法、例え
ば乾熱や湿熱の下に、前記積層体4を置くだけで十分で
あるが、より効果的に処理するためには、織物やニード
ルフェルトに十分熱が伝わる状態に少なくとも5分間維
持すべきである。
【0022】ここでガラス転移温度は実務上は高分子化
合物で作られた成形物のレオロジーの解析、例えば動的
粘弾性の測定においてtanδの隆起点の最大値を示す
温度をいう。
【0023】また融点は実務上高分子化合物で作られた
成型物の熱特性の解析、例えば示差熱分析測定結果で得
られる熱エネルギー吸収ピークから求められる。
【0024】前記形状記憶された状態、即ち、形状記憶
性を有する高分子化合物でつくられたモノフィラメント
及び短繊維の内部応力は永久的に固定されたものではな
く、工業製品として使用された場合、その使用期間中に
環境から受ける雑多な応力によって疲労、変形する。勿
論、所定の熱回復処理を施すことにより、元の形状に回
復することができる。
【0025】ここで所定の熱回復処理とは形状記憶され
た状態にある高分子化合物の内部応力を緩和する温度条
件、即ち、高分子化合物のガラス転移温度以上の温度を
本願ニードルフェルト1に与えることである。つまり、
形状記憶処理温度よりも若干高め(20〜50°C高
め)に設定すとよい。例えば、前記高分子化合物の融点
をTm、ガラス転移温度Tg、熱処理温度をTs、熱回
復処理温度をTr(何れも摂氏)とすれば、 熱回復処理温度Tr=Tg+2(Tm−Tg)/3 近辺、あるいは 熱回復処理温度Tr=Ts+20 近辺が適当である。
【0026】熱回復処理においても極く一般的な方法、
例えば乾熱や湿熱の下に、本願ニードルフェルト1を置
くだけで十分であるが、より効果的にするには十分に熱
が伝わる状態に少なくとも5分間維持すべきである。
【0027】前記熱回復処理温度を、形状記憶処理温度
より高めにするのは、高分子化合物の内部応力を充分に
緩和させるためである。つまり、一度形状の記憶された
状態のものを、再度記憶させるためには、最初の熱処理
温度よりも20〜50°C高めに熱処理し、最初の応力
を完全に緩和させ、再度ガラス転移温度以下の温度に冷
却すればよい。
【0028】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。勿論、これによって本発明を制約されるものでは
ない。なお、本実施例における各特性値は次の要領で測
定されたものである。
【0029】・引張強さ(g/d):モノフィラメント
や短繊維の切断に要する荷重を試料の初期の繊度(d)
で除した値をもって表す。 ・厚み(mm):一定時間(10秒間)初荷重(240
gf/cm2 )の下に厚み測定器で測定された値。 ・引張強度(kg/cm):織物やニードルフェルトの
切断に要する荷重を、初期の幅(cm)で除した値をも
って表す。 ・圧縮疲労試験:JIS(L−1022)繊維製床敷物
の試験方法、第7項繰り返し圧縮による厚さ減少試験方
法において、圧縮圧力を20kgf/cm2 に設定し、
圧縮疲労回数を1万回とした。 ・形状記憶効果の算定:本発明では形状記憶効果の算定
を、次式で表す。
【0030】
【実施例−1】形状記憶性を有する高分子化合物(三菱
重工製ポリウレタン、商品名ダイアリィMM−550
0;ガラス転移温度55°C、融点200°C)を温度
235°Cで溶融紡糸して繊径0.35mmのモノフィ
ラメントを作成した。このモノフィラメントを織機上の
縦糸とし、一方ナイロン6からなるモノフィラメント撚
糸(平均繊径0.35mm)を織機上の横糸として縦二
重織の織物を構成した。
【0031】一方、バット用として同じ高分子化合物を
温度250°Cで溶融紡糸して繊度30d、引張強さ
4.3g/d、捲縮数10山/2.5cm、繊維長76
mmの短繊維を作成した。これをバットウェッブとした
ものを該縦二重織の織物の上下面に、積層しつつニード
ルパンチング技法で植毛して積層体を得た。
【0032】しかる後、該積層体を無緊張下に105°
Cの熱風が還流している乾燥機中に置き、熱処理を10
分間施し、次いで乾燥機から取り出し25°Cの冷風に
当てて冷却して形状を記憶させて本願ニードルフェルト
を得た。ここで厚みを測定し“疲労前厚み”とした。形
状記憶後の本願ニードルフェルトを必要な寸法に切り取
って圧縮疲労試験に供し“疲労後厚み”を測定した。こ
のニードルフェルトを無緊張下に125°Cの熱風が還
流している乾燥機の中に置き、熱回復処理を10分間施
して形状を回復させ、次いで織物を乾燥機から取り出し
25°Cの冷風に当てて冷却し“形状回復後厚み”を測
定した。その結果を図2に示す。
【0033】
【実施例−2】形状記憶性を有する高分子化合物(日本
ゼオン社製ポリノルボルネン、商品名ノーソレックス;
ガラス転移温度35°C、融点115°C)を温度16
0°Cで溶融紡糸して繊径0.2mmのモノフィラメン
トを作成した。このモノフィラメントを3本引き揃えて
から3回/cmの撚りを掛けて平均繊径0.35mmの
撚糸とし、織機上の縦糸とした。一方、実施例−1と同
じナイロン6からなるモノフィラメント撚糸を織機上の
横糸とし、縦三重織組織の織物を構成した。
【0034】前記織物に使用したと同じ高分子化合物を
温度170°Cで溶融紡糸して得た繊度15d、引張強
さ3.5g/d、捲縮数12山/2.5cm、繊維長5
0mmの短繊維を作成し、これとナイロン6の短繊維
(繊度6d、引張強さ5.8g/d、捲縮数8山/2.
5cm、繊維長76mm)を重量比50%で混綿してバ
ットウェッブを作成した。これを積層しつつ前記縦三重
織の織物の上下面にニードルパンチング技法で植毛して
積層体を得た。該積層体を無緊張下で、65°Cの熱風
が還流している乾燥機の中に置き、熱処理を5分間施
し、次いで乾燥機から取り出し20°Cの冷風に当てて
冷却し、形状を記憶させて本願ニードルフェルトを得
た。本願ニードルフェルトを必要な寸法に切り取って圧
縮疲労試験に供し、圧縮疲労試験後の織物を無緊張下に
85℃の熱風が還流している乾燥機中に置き、熱回復処
理を10分間施して形状を回復させ、次いで乾燥機から
取り出し20°Cの冷風に当てて冷却し、その厚みを測
定した。その結果を図2に示す。
【0035】
【実施例−3】架橋によって形状記憶性を有するように
なる結晶性ジェン系高分子化合物であるトランス−1,
4−ポリイソプレン(クラレイソプレンケミカル社製ク
ラレトランスポリイソプレンTP−301)100重量
部に架橋剤として硫黄2重量部を混練し105°Cで1
0分間、予熱した後、内部温度が145°Cの押出機中
で棒状に成形し、成形物を145°Cの熱風が還流して
いる乾燥機の中に置き、30分間加硫を行なった。得ら
れた架橋成形物(ガラス転移温度転移温度65°C、融
点は不明瞭)を温トルエン中に溶解した後、この樹脂溶
液を乾式紡糸法にて紡出して、繊径0.20mmのモノ
フィラメントを作成してボビンに巻き取った。次に、ボ
ビンからモノフィラメントを巻き返しながら3本引き揃
え、さらに3回/cmの撚りを掛けて平均繊径0.35
mmの撚糸とし、織機上の縦糸とした。一方、実施例−
1と同じナイロン6からなるモノフィラメント撚糸を織
機上の横糸とし、縦三重織組織の織物を構成した。
【0036】前記経三重織組織の織物の上下面に、実施
例−1で得た短繊維からなるバットを積層しつつニード
ルパンチグの技法で植毛して積層体を得た。該積層体を
無緊張下に100°Cの熱風が還流している乾燥機中に
置き、熱処理を5分間施し、次いで、乾燥機から取り出
し、20°Cの冷風に当てて冷却し、形状を記憶させて
本願ニードルフェルトを得た。該本願ニードルフェルト
を必要な寸法に切り取って圧縮疲労試験に供し、圧縮疲
労試験後の本願ニードルフェルトを無緊張下に120°
Cの熱風が還流している乾燥機中に置き、熱回復処理を
10分間施して形状を回復させ、乾燥機から取り出し2
5°Cの冷風に当てて冷却して形状回復後の厚みを測定
した。その結果を図2に示す。
【0037】図2から明らかなように、実施例−1〜実
施例−3は何れも形状記憶効果が、「89%」以上であ
り、疲労後の熱回復力もほぼ疲労前の厚みに戻る性能を
有することが判る。
【0038】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、形状記憶性を有
する高分子化合物からなるモノフィラメントを含む織物
に、形状記憶性を有する高分子化合物からなる短繊維を
含むバットを重ねてニードルパンチングして得た積層体
を、前記高分子化合物のガラス転移点以上、融点以下の
温度で熱処理したことを特徴としているから、本願ニー
ドルフェルトを工業製品として使用した場合、その使用
期間中に環境から受ける雑多な応力によって疲労、変形
した場合であっても、所定の熱回復処理を施すことで元
の形状に回復するという優れた効果を奏する。
【0039】また、請求項2に記載の発明は、前記織物
が多重織組織であることを特徴としているから、糸の浮
き沈みが大きく、織物の圧縮回復性やその持続性、及び
元の形状に回復する機能がより向上するという効果を奏
する。
【0040】さらに、請求項3に記載の発明は、前記モ
ノフィラメントとして、少なくとも0.15mm以上の
繊径を持たせ、モノフィラメント単糸であっても撚糸で
あっても、モノフィラメント自身の機械的強度、形状回
復性、圧縮回復性、耐圧縮疲労性を高めることができ
る。
【0041】さらにまた、請求項4に記載の発明は、前
記短繊維として、少なくとも5山/2.5cm以上の捲
縮数を有し、3g/d以上の引張強さ、3〜50dの範
囲の繊度を有するものを使用することによりニードルパ
ンチング時に受ける針ダメージや工業製品として環境か
ら受ける雑多な応力、例えば圧縮プレスや緊張力、衝撃
等の繰り返し応力によって疲労、変形、摩滅に至るまで
の期間を延長できるよという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願ニードルフェルトを略示的に示す拡大断面
図である。
【図2】本願ニードルフェルトの疲労試験結果を示す図
表である。
【符号の説明】
1 本願ニードルフェルト 2 織物 3 バット 4 積層体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形状記憶性を有する高分子化合物からな
    るモノフィラメントを含む織物と、形状記憶性を有する
    高分子化合物からなる短繊維を含むバットとをニードル
    パンチング接着してなる積層体を、前記高分子化合物の
    ガラス転移点以上、融点以下の温度で熱処理したことを
    特徴とする形状記憶性を有するニードルフェルト。
  2. 【請求項2】 前記織物が多重織組織であることを特徴
    とする請求項1に記載の形状記憶性を有するニードルフ
    ェルト。
  3. 【請求項3】 前記モノフィラメントが少なくとも0.
    15mm以上の繊径を有することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の形状記憶性を有するニードルフェルト。
  4. 【請求項4】 前記短繊維が、少なくとも5山/2.5
    cm以上の捲縮数を有し、3g/d以上の引張強さ、3
    〜50dの範囲の繊度を有することを特徴とする請求項
    1〜3のうちの1に記載の形状記憶性を有するニードル
    フェルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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